最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
学園祭シーズンですね。ということで、以前どこかで書いたかもしれませんが、10月9日に慶應大学の学園祭で行われた声優イベント「麻衣と千和のまいどこんにちわ!」に行って参りました(午前は抽選に漏れたので午後の部だけ)。普段から出不精だからこういうイベントって知っててもあんまり行かないし、今回はわざわざ関東までいくんかい、とは思ったのだが、流石にこの2人の合同イベントとなると破壊力が有りすぎる。我が心の声優十二神将(ブログ右柱部参照)が2人で顔を連ねたのなら、その破壊力は軽く人造人間16号を上回る。そりゃ、新幹線代も惜しくないってなもんですよ。
ただ、過去の経験から「学園祭イベント」ってのはちょっと怖かったんだけどね。色々とバリエーションはあるけど、結局「素人が回してるイベント」なのは事実なわけで、構成がまずかったり、進行に戸惑ったり、テンポが悪くてキャストさんも乗り切れない、なんてことも過去に無いわけじゃなかった。今回は事前に告知された開催時間は1時間半ってことで、どの程度のイベントになるものかとは思っていたのですが……はっきり言って、もう、今日明日中に死んでもいいくらいの満足感は得られました。もちろん、スタッフが素人さんなのは事実なのでユルさはありつつも、そういう肩肘張らないイベントだからこその良さというのもあるし、何より今回は主役2人がイベント慣れしてて、進行役をサポートしながら盛り上げるのが本当に上手い。たっぷりと楽しい話も聞けたし、そこまで大きくないイベントだったおかげで距離感もばっちり。これくらいのイベントが、私の望むベストの形かもしれません。 さて、せっかくの機会なのでこの機会に我が心の十二神将に含まれる2人について、何くれとなく感想がてらに書いていきましょう。斎藤千和・中原麻衣という、同事務所、同年代、ほぼ同時期デビューの二人組。ただ、意外なことにこの2人って出演本数に比して共演作が驚くほど少ない。どちらも1人で作品が作れちゃう看板女優なので、なかなか一緒に出にくいのだよね。今日のトークの中でも辛うじて「ARIA」に出たとか、現在放送中の「境界線上のホライゾン」を一緒にやっているという話があったくらい。元々は同じユニットに居たはずなのだが、気づけばなかなか同じテーブルについてのトークを聞く機会が無くなっていた。今回はそんな珍しいコンビのトークをフルで堪能出来たおかげで、共通点も多い2人の声優の、独自の色合いもはっきり見える結果となった。彼女たちのデビューが私のアニメ遍歴のスタート時期とほぼ同じ頃にあたるので、この十年間の間2人を見てきて思ったことを綴っていきますね。 PR
○「ベン・トー」 5
うん、なんだこれ。もう、それしか言葉が出てきません。なんだこれ。 いや、実際は事前情報は見聞きしてたので、部分的に内容は知ってたんですよ。「半額弁当を巡る戦いを描いたラノベ」ってのはね。でもさ、そんな話聞いたって、普通は信じませんよ。どうせ召喚獣を呼び出してテストするラノベだって割と序盤で召喚獣がどうでも良くなってた感があるし、ラノベの設定なんて、最初に思いつきで作って、後からはキャラものにしちゃって適当にユルいギャグやればごまかせるんじゃない? くらいのもんですよ。そりゃ、弁当の奪い合いで小説なんか書けるわけないじゃないですか。 ……で、実際どうなの? 書けてるの? 調べてみたら既刊情報は7巻を越えているとのことなんだけど……いくら中身の薄いラノベとはいえ、7巻分も弁当奪い合ってるの? すごくね? どういうこと? 訳が分かりません。訳が分からないので、突っ込みたくても突っ込めない。「いや、もっと効率の良い買い物出来るだろ」とか、「店側で止めろよ」とか、「おっさんがシール貼ってる時点で取りに行ったらあかんのか?」とか。多分突っ込んだら駄目なんだろうな。書いてる方も、読者も、そんなこたぁ分かった上での設定を楽しんで読むんだろうし。だから、アニメになっちゃんだろうし。……でも……飲み込みにくいわぁ。 アニメ制作は「戦う司書」を手がけたdavidプロ。「戦う司書」は割と序盤からで盛大に作画が崩壊してたイメージがあるからちょっと不安ではあるのだが、1話の時点では並か、中の上くらいのレベルかと思われる。特にピンと来るような部分も無かったので、1話でこれだとちょっと心配? ってな感じ。そして、監督はあの板垣伸。よし、久し振りの板垣さんの仕事が見られるぞ。この人は画を動かすことへのこだわりと技術は一級品。ちゃんと1クール走りきることが出来れば、いい仕事が期待出来るだろう。ただ、「バスカッシュ」の時のような不安もあって、監督としての舵取りがちゃんと出来るのかっていう不安は残る。今回は1人で構成まで一手に引き受けてるんだよね。もう他人に任せたくないという責任感の表れか、それとも安請け合いで無茶な仕事を背負わされているのか。答えは数週間のうちに出るでしょう。是非頑張って欲しいところ。 中の人の話は、もう、当然あおちゃんのことしか覚えてません。暴走気味で突き抜ける悠木碧の真骨頂とも言えるキーキー声。ホームラン級の伸び。更にサブキャラに伊瀬茉莉也・茅野愛衣と今が旬のホープを配し、中の人サービス的には万全の配置。中心にいるのが下野お母さんだからどうしても芸風がワンパターンになってる気がするけど、気にしたら負け。
やっぱり凄い勢い、第2話。なんだろう、まだ実質何も起こってないのに、ワクワクしますね、これ。
今回描かれたものは4つの陣営。1つ目の見どころ、ライダーと浪川、違うウェイバー君との、どっかちぐはぐで緊張感の無い対話。聖杯戦争については「stay night」の時のサンプルしか知らないが、この2人の関係性ってのはマスターとサーバントの関係性の中でもかなり特殊な気がする。ライダーはマスターの存在意義や聖杯戦争について全部分かってるのに、ものすげぇ態度。もう、声が大塚明夫であることが反則過ぎるくらいにあっぱれっぷりだ。セイバーやギルガメッシュと違って初見のサーバントなのに、このわずかな掛け合いだけでキャラが全部分かるし、すごく好感が持てる。「現代に蘇った古代の人」っていう滑稽さもあるんだけど、なんだかそういうものを飛び越えた器のでかさみたいなものが、ウェイバーの小ささとの対比で笑いになるのだ。「小さいわ!」ってビンタするとこで爆笑してしまった。明夫さんに「小さいわ!」ってビンタされたら浪川先生はそれだけで30㎝背丈が伸びそうである。なんだろう、いつの時代も聖杯戦争ってライダー陣営は勝てる気がしないよな…… 2つ目の見どころ、関係性は、召喚されたと思ったら女性だってことでがっかりされちゃって御機嫌斜めなセイバーさん陣営。ちょっとスネてみせるセイバーさんもかなり可愛いのですが、個人的にはイリヤの愛らしさが反則級なのがどうにも。「ずるいずる〜い!」のところのイリヤの動きがたまらない。負けるなセイバー、油断するとロリっ子にメインヒロインの座を奪われるかもしれないぞ! あ、でもセイバーさんの生真面目でちょっとズレたところも大事な萌えポイントですけどね。そして今回のセイバーさんは可愛いっていうより美人さんですけどね。 3つ目の陣営は今回初登場のキャスター陣営。何ともテンプレートな「快楽殺人者」のコンビだが、石田彰っていう時点で反則なのはいつも通り。これが見た目にもぶっ飛んだキャスターと手を組むことで異質な存在感を醸し出している。どうしても聖杯戦争ではキャスターって奇手のイメージになってしまうので、ここまでぶっ飛んでくれる方が戦闘の絡みが混乱して楽しそうだ。キャスターたちが手を尽くして子供を虐殺するシーンはそこまで大層なもんでもなかったような気もするのだが、とりあえずあれで友情タッグが形成出来るような連中だ、ということが分かるだけで、登場シーンとしては充分なインパクトだろう。 そして最後にアサシンを操る綺礼だ。一体何を考えているのかはさっぱり分からないし、あっさりとギルガメッシュに潰されてしまうアサシンには拍子抜けしたが、そこにいくまでの潜入シーンがめちゃめちゃ格好いい。颯爽と飛び降りる様子や、ダンサブルに結界を抜けていくシーンなんかはいちいち手が込んでいて、こんな前哨戦みたいなバトルなのに作画面での魅力が遺憾なく発揮されている。それにしても、ギルガメッシュは本当にキャラクターが変わりませんなぁ。 綺礼が「7つの陣営が揃った」って言ってたけど、現時点で語られているのはセイバー・ライダー・キャスター・アサシン・アーチャー、あと虫の人のところで6つ。ランサーが余ってるんだな。そのへんも次あたりで明らかになるんでしょうか。現時点ではシナリオ進行が見えやすいので「stay night」の時よりも確実に楽しんでおります。
○「灼眼のシャナⅢ」 5
3年の時を経て戻ってきた、ラノベ業界の古参兵。今回のシリーズで長きに渡る戦いも最後を迎えるとのことで、なんだかんだで視聴を続けてきた身としては、感慨深いものがある。 初回の感想はそこまで書くことも無いので、せっかくなのでここで所見を書いておくと、「灼眼のシャナ」という作品は、私にとっては「ラノベの起点」である。具体的な歴史とか、それまで経験した諸々なんて細かい部分は置いておくとして(例えば時代でいえば「マリ見て」1期の方が放送は早かった)、いかにも「ラノベ風」といった要素が揃ったラノベ原作アニメというと、この「シャナ」の印象が最も強いのだ。可愛らしい女の子が戦う主人公で、それをちょっとさえない男の子がフォローする。学園を中心としたファンタジー世界で、今の言葉でいうところの「厨二臭い」専門用語がそろい踏みで、熱狂的なファンを引きつける要因となる。こうした「ラノベアニメ」は現在では必ず1期に2〜3本も作られる定番コンテンツであるが、アニメバブルが弾ける以前は、アニメといえばやはり漫画原作が多かったものだ。それが一気に文字媒体へと流れるきっかけとしては、やはりこの「シャナ」の成功が大きかったのではなかろうか。 本当に好きなファンのことを考えると私はこの作品のファンであるとは決して言わないが、それなりに世界観を理解した上で楽しんで、ストーリーの続きも気になっているという意味では、充分に「好きな」作品である。これまで2期50話以上もの話数を積み重ね、世界観は広がり、キャラクターも増えた。それら全てを含んだ「シャナの世界」は、全部が全部理解出来るわけではないのだが、それなりの愛着もあるのだ。随分間が空いてしまったおかげで多少記憶はおぼろになっているが、改めて始まったこの作品は、「ラノベの起点」がたどり着いたゴールとして、楽しみなのである。 そういう意味では、あの2期のエンディングからの続きとして、「実は悠二の存在が消えていた」というのは衝撃以外の何ものでもない。これから悠二とシャナの2人でバルマスケを打倒していくのだと思っていた身としては、驚天動地である。なんでロン毛やねん、という突っ込みがなかなか出てこないくらいにぽかーんである。しかし、なんだか重々しい雰囲気とも相まって、そのとんでもなさが飲み込まれてしまっているのが凄い。悠二云々より、「あいつが消えたおかげでシャナと一美が仲良くできて良かった」などと思ってしまえるのが凄い。やはり、細かい部分なんて気にしないで勢いで楽しめるのが、「シャナ」の世界なのかもしれない。私の中ではある意味「記念すべき作品」であるこのアニメ、無事にゴールしてくれることを願っています。 そして、この作品のもつもう1つの記念碑的立ち位置といえば、なんといってもそのキャスティング。1期放送が2005年ということだが、その時点での声優勢力図が実によく分かる配置になっているのだ(これが一時代下がると「禁書」になる)。ちょっとアイム・青二勢が不足しているが、主役は「日野くぎゅ」の始まり、その回りには大沢三人娘(川澄・能登・明乃)やチーム賢プロ(ナバ・御前)が。このあたりが当時の牽引役だったように思う。そして記念すべき悪役さぁや(通称黒さーや)の始まりでもあるのだ。素敵。久し振りに集まったシャナチームは相変わらずの安定感で、最近のアイドル声優軍団とは違った味わい深いものがある。6年経った今でも、全員が一線級で若いもんに負けていないのもご立派だ。ナバは既に子供が1人いる予定だったのが計算違いではあるが…… オープニング映像を見る限り、今作からの新キャラも多分たくさん出てくるだろうし、そうした部分で新しいキャストとの絡みも楽しみ。さて、有終の美を飾れますかどうか。
10月7日 ドラフト模様(INN×3)
ピック順 【Serra】→【Lionhall】→【Metallica】→【Sangriter】→【Thraxi】→【Alessi】 イニストラード2回目。シーズンの変わり目になると必ず現れる名物男を加え、今回は変則メンバーでお送りしております。前回、散々アカンとこき下ろしたイニストラードですが、パック数が増え、改めてピックし直したところ、まぁ、そこまでひどいもんでもないかな、という風に(あっという間に)考えは改まってきました。確かにカード1枚1枚の強さは明らかに前環境から下がってはいるのだが、だからといって楽しさが無いっていうのは流石に早計。明確なアーキタイプが見えないからこそ、ピックの際には1枚1枚の選択が重要になってくる部分もあるのかもしれません。また、ピックしたカードが見えてしまうという、今までのドラフトと違う異次元の要素も、それを巡って色々とドラマが生まれることを考えれば、ノイズと見るよりも1つの戦略的要素と見てもいいかもしれない。流石にいちいちピックのたびに「誰が何をひいたんや?」とぐるり見て回るのはどうかと思いますが、色主張のものすごく分かりやすい版と考えれば、あくまでこれまでのドラフトの延長線上といえるのかもしれません。色のバレた人間が特に強かったり弱かったりするわけじゃないことは、今回の結果が物語ってますからね……
○「真剣で私に恋しなさい!」 6
「マケン姫っ!」と同じようなタイミングで始まった、同じようなコンセプトのアニメ。ただ、こちらはエロゲ原作ってことで、またちょっと意味合いが違いますがな。 正直言うと、あんまり期待してた作品ではないのですよ。みなとそふと原作アニメっていうと、ちょっと前にあったのが「きみある」で、あちらのアニメは正直箸にも棒にもかからない出来であった。強力な中の人補正でギリギリ視聴は達成した気がしていたのだが、過去の執筆履歴を探しても最終評価が残ってなかった。多分、力尽きたんだ。この作品は同じゲームメーカーが制作しているのでキャラクターデザインと世界観が同じで、ライターも同じらしい。だったら、大したものにはならんだろうという風に、高をくくっていた。 が、これは……うむ、とりあえず初期配点は「きみある」よりも明らかに高くて問題無いだろう。何がすごいって、その潔さだ。ギャルゲアニメにはお約束の「大量のヒロインが登場するので説明が煩雑になる上に、どれもこれもテンプレヒロインだから魅力が無くて覚える気にもならない」という苦行があるわけだが、この1話は、そうした苦行を「じゃ、もう覚えなくてもいいからとにかくアニメの面白さで見てくれよ」というシンプルなこたえでもって回避している。確かに、ものすごい数のキャラクターが登場した。誰が誰だかわからねぇし、正直言うと何が起こったのかもよく分からない。大軍対大軍の合戦シーンだけでまるまる1話を消費しており、色々と「策を講じている」描写こそあるものの、それらがどのように機能しているのかなんて、分かるはずもない。戦の大局が見えないのだから、個々のキャラが戦いの中でどのような働きを見せているのかも分からないし、個人の主義主張が表面化することもない。つまり、分からないことだらけで、何も語っていないに等しい幕開けである。 しかし、面白い。この爽快感は、ひとえにバトルシーンに特化させた活劇アニメとしてのアドバンテージ。「誰だか」は分からないけど、「すごく強い人」であることは分かるし、使用武器などの違いが、そのまま何となくキャラクターのアイデンティティになるので、戦っているシーンそのものがキャラクターの個性に繋がっている。何が起こっているかも分からないが、個々のキャラクターが一喜一憂する様子から戦局の判断が可能で、戦況報告を通じて行われるキャラの絡みから、自然に関係性が構築され、互いの差異が強調されることでキャラを彫り込むことが出来る。とにかく、「合戦の中で動き回ること」が、全てのキャラを共通のラインから丁寧に描写することに繋がっている。この方向性は、実に潔く、何とも効果的だ。 そして、1話目だからというのもあるのだろうが、とにかく動画のクオリティが高い。1つ1つの武器の違いなんかを目先の変わったコンテワークで見せてくれるので、延々続く一騎当千の働きぶりにも飽きが来ないし、タイマン勝負に移行した後の馬鹿馬鹿しいまでの熱血バトル展開も、大マジでやってくれているのでやたら気合いが入っている。これだけの全体図が描けるような人材が良くも揃ったものだ、と思ったら、なんと監督はあの元永慶太郎である。もう、それだけで視聴継続が確定しました。やっぱり上手い人の仕事ってのは、それだけで作品の印象を決定づけるパワーがある。この1話は、本当に惚れ惚れしました。気になるのは、今作の制作を手がけるラルケというスタジオ。どうやら出来たてほやほやの新会社らしいのだが、ここまでの仕事が出来るってのは驚きである。どういう出自の会社なのだろうか。こういう時に作画スタッフとかから類推出来ないのが辛いなぁ。今後のコンテ演出次第ではそのへんも分かるようになるかな? まぁ、まだ1話目だし、流石に今回見たいな合戦シーンばかりでお話を続けていくわけにもいかないだろうから、この後あっという間に尻すぼみになる可能性も多いにあるのだが、とにかく1話目は面白かったので、それだけでも満足です。出来たらこの勢いを維持した良作になって欲しいもんですけど。 そして最後は中の人の話だが……この作品の中の人、どうなってんの? そういや「きみある」もキャストだけは無駄に豪華だったが、この会社のゲームはとにかくキャストだけは固めて固めて固めまくる方針なんだろうか。女性キャストについては一応「エロゲと一般の狭間」でお馴染みキャスト陣(ゴトゥーザ様、御前、悠ねぇさんやミズハスなど)が占めているので分かるのだが、男性キャストが、これだけで「歌のプリンセス様」を吹き飛ばせるぐらいの充実ぶり。神谷・福山・中村・杉田・草尾・小西・鈴村・遊佐・諏訪部・飛田・かっぺーちゃん……えぇと……数え役満です。あ、緒方恵美もいたしな。ん? 男性キャスト?
○「マケン姫っ!」 4
少しずつ少しずつ一般漫画界、そしてアニメ業界に進出してくるエロ漫画家シリーズ。過去にも「おちんこ」の草野紅壱、「おまもりひまり」の的良みらん、「声でおしごと!」の紺野あずれなど、「お世話になった」記憶が懐かしいエロ業界の人々の作品がアニメ化されていくのをしみじみと見守ってきたが、今回登場するのは、近年の躍進著しく、アヘ顔・NTR業界の重鎮として栄誉を欲しいままにする武田弘光の登場である。エロイメージの人が一般誌に進出してくると、そっちで稼げるようになったらエロに割く時間がなくなっちゃってこっちとしては困ったりなんだりゲフンゲフン。 さてこの作品だが、原作は既読。ただ、コミックス持ってる身でいうのも何だか、正直そこまで面白い漫画じゃない。平時の作者の仕事を知ってればエロ要素なんて無いに等しいし、学園バトルもの、ラブコメものとしても、取り立てて見るべき点があるというでもない。なんかキャラクターが無駄に多くてがちゃがちゃしてるイメージが強く、「ケン」という音に引っかけて作られる一連の能力ツールである「マケン」についても、新奇性に乏しいのでワクワクする展開がまっているということもない。個人的には似たような設定なら「はやて×ブレード」を読んだ方がよっぽど楽しいと思う。その上で何で買ってるかって言われたら……まぁ、武田弘光だからなんですよ。キャラの持っている言い逃れ出来ないナチュラルなエロさみたいなものは、一般誌でも何となく扇情的で良いかなぁ、と。この辺のイメージは説明しにくいですね。 で、そんな微妙なスタンスの作品のアニメ化なのだが、放送前から噂になっていた通り、キャラクターデザインが若干微妙。一応原作のイメージを壊さないように頑張ってくれているとは思うのだが、何故かそれがあまりうまくいっておらず、どうも「アニメになったら劣化した」という印象が強い。動画にしたときの動きが悪いというわけでもなし、特に大きく絵柄がかわっているわけでもないのだが、なんか原作の絵と違う。強いていうなら色彩の問題なんだろうか? それとも、やっぱり武田弘光デザインは動かすのに向いてないってことなんだろうか。同じ大畑晃一監督が担当した「一騎当千」シリーズはそこまで画に違和感があったわけではないので、単純に乳がぶんぶんしたり不自然にパンツが見えたりすることの弊害では無いと思うのだけどなぁ。 内容については、ま、良くも悪くも原作通りか。ちょっと差別化がしにくい弱めのキャラと、何とも頼りなくて共感を得にくい主人公のおかげで導入はあまり親切ではなく、ありがちな少年漫画とハーレム漫画を足した程度の設定は可もなく不可もなし。1話時点ではバトルにも取り立てて見るべき部分はなく、「まぁ、悪くないけどね」というくらい。パンツを見せるアングルで、無理矢理カメラワークをいじったせいで明らかにデッサンがおかしい部分なんかも見受けられた(序盤にタケルとわかれた春恋が廊下を走るシーンとか)。修正の入り方も単調だし、これまで様々な新境地を探し求めてきた「クェイサー」「魔乳」などの枠の中では、平凡の誹りを免れない。残念ながら、1話目では積極的に応援する要素が見付けにくい作品と言わざるを得ないだろう。 でもまぁ、エロメインの作品の中では割と「普通のストーリー」がある作品でもあるし、何をメインに演出していくかというのは単純には決められないのも事実だろう。今後様々なマケンが登場してバトル描写にバリエーションが出れば、そこを起点にして独自のセールスポイントが出てくるかもしれない。数々の過去のアヘ顔ヒロインに思いを馳せつつ、あまり急かさずに見守っていけば良いかと思いますよ。 中の人については……毎度お馴染み角川・プロダクションエース・キャスティングですね。この場合にメインヒロインの座にすわるのは当然野水である。だから何度も言うように私は野水よりも美名派なんだってば。まぁ、美名もなかなかいいポジションだから文句は言わないけどさ。その他矢作紗友里・下屋則子が揃った謎の安定感は、このまま任せておいて問題無かろう。おはぎの金髪ツインテロリっぷりは尋常じゃないな。
こいつぁ凹むわ、第25話。ここに来てそれを言いますか、おやっさん……
大茶湯は、突如現れた丿貫と秀吉の劇的な出会いによって幕を下ろした。史実上は、本来長期開催が予定されていた大茶湯が1日で閉幕した理由は謎とされているそうだが、なんとその真相は、丿貫の上申による強引な打ち切りだったのである。まぁ、あれだけあけすけに物をいわれてしまったら、天下人たる秀吉は笑うしかなかろう。実際に秀吉も丿貫の人物像には感銘を受けたようであるし、「面倒だからさっさと帰りたい」という丿貫の狙いと、「利休に変わる茶頭を用意したい」という秀吉の狙いは同時に叶えられることになったわけで、誰も損をしない番狂わせだったわけだ。 そして、これに更に噛み付いてきたのが、鳥の巣フォーリングダウンを喰らってもめげない我らがフルオリ。丿貫や利休に負けたと言われるのは納得がいかず、みっともないとは思いながらの泣きの一回を申請。これも秀吉の思惑と上手い具合にはまったために、無茶とも言える延長戦は承認され、数寄の頂上対決が後日開催される運びとなった。利休の首のすげ替えを狙う秀吉と、あくまでてっぺんを狙う織部の強欲ぶりだけが枯れることなく持続することになった。 しかし、秀吉の企みに待ったをかけたのは、何とも意外な人物、最大の理解者たる弟の秀長であった。利休と秀吉の不仲について、古くから利休を父として慕っていた秀長は良く思っていなかったのである。ここで利休を切り捨てることは侘び茶などの文化側面以外にも影響を及ぼす恐れがあると見た秀長は、最大級のジョーカーであり、絶対的な効果を発揮する奥の手「おかん」を用意し、秀吉の心をへし折った。これにより、利休は今まで通りの地位に生き残ることになったのである。秀吉の鬱憤は溜まりまくっているのだろうが、ようやく「侘び茶ばかりで疲れる!」と本音を吐露し、ぶつくさと文句を言いながら退場していった。利休の側は、既に秀吉の本心など分かりきったことであったために、大した影響もなく、しれっとした顔である。 しかし、そんな時代の転機とは一切関係無いところで空回りしていた男が一人。土産物の土器から思いついた「太古の茶の湯」で勝負に出た織部である。侘び茶にピンと来ていない神谷宗湛あたりからは「面白い!」と好評だったドンドコドコドコ土器茶の湯であったが、自分の身辺に片が付き一息ついた利休は、流石に看過できなかったようである。いや、全力で踏み外していく織部を見て、哀れみから見過ごすことが出来なかったというべきか。「面白いことをやっている」と前置きをしつつも、「過ぎたるは及ばざるがごとし」と釘を刺し、最終的には「数寄者ではなく、単なる未熟者である」と斬って捨てた。これまでの数年間で溜まりにたまった「フルオリおかしいだろ」気分が、ようやく形になって現れたのだ。限界まで伸びに伸びきった織部の鼻っ柱は、見事にぽっきりとへし折られてしまった。これまでにたまったものが大きかっただけに、そのダメージは想像以上であった。 数寄というたった1つの拠り所を奪われた織部は、まるで魂が抜けたように別人になってしまった。真面目に武士としての仕事を全うし、息子にも武芸の鍛錬をつけてやる(息子はあまり良く思っていないみたいだが……)。最愛の妻はそんな織部を暖かく見守ってくれているが、やはり生きる気力を失ったような織部を見るのは悲しいものである。 しかし、これも真の数寄者になるための必要なワンステップだろう。心折れ気力の湧かぬ織部は、意匠など無駄とばかりに床の間にも手をいれて簡素なものへと変えようとしている。この何とも物寂しい感情が、利休のいう「侘び」に繋がるというのなら、へし折られた鼻っ柱も無駄ではなかったのかもしれない。主人公が強敵に負けて一度挫折する展開は少年漫画ではお約束だ。そこからのジャンプアップに期待すればこそ、劇的な成長劇が楽しいのである。さぁ、今再び立ち上がるのだ、織部!
引き続き、重くて苦しい話が続いております第13話。一応2クールの半分を超えてエンディングがさし変わったりしているのですが、なかなかこの作品で「心機一転!」ってなことにはなりそうもないですね。
今回も主な話題としては2つのパートがあるので、それを分けて見ていこう。まず、前回からの引きで行われた、冠葉と渡瀬の対話を中心とした陽鞠の復活劇。「復活劇」とは言ったものの、これまでのプリンセスのような劇的な登場は一切なく、静かに息を引き取ったと思われた陽鞠が、ゆっくりとバイタルを回復していく様子を描いたもの。そこに至るまでには、謎の図書館司書・渡瀬と、命がけの冠葉のどこかかみ合っていないような何とも据わりの悪い議論が展開されていく。 渡瀬が持ち出したのは、トランクにいっぱいのリンゴと、そこから転化した謎の「新薬」。真っ赤なアンプルを注入することで、一時はマイナス(?!)に落ちていた陽鞠の生命状態はゆっくりと戻っていった。しかし、それはあくまで一時しのぎにしかなっておらず、晶馬が語る「メリーさんの羊」の寓話では、これは女神が「更に罰を与える」ために施したものであることが暗示されている。渡瀬はアンプルのことを「御伽話でいうところの王子様のキスのようなものだ」と言ったが、キスで目覚めた白雪姫が昏倒する原因となったのが毒リンゴであることも周知のこと。また、リンゴはアダムとイブが手にしてしまった知恵の木の実、禁断の果実としての含意もあるのだろう。今回は、トランクから姿を現した後も、至る所でリンゴが象徴的に用いられるようになっており、この作品における「リンゴ」の占める位置が少しずつ大きくなってきている。 確認してみると、まずは真っ赤なアンプルになった生命の象徴たるリンゴ。倒れ伏した陽鞠の足下にも同じように置かれており、「命」が陽鞠に移ったことが語られている(息を吹き返した陽鞠の足下からはリンゴが消えている)。これは、後に3年前の回想シーンに入った時、ずっと高倉家の玄関に置かれた3つのリンゴとも符合するかもしれない。このタイミングにおいては、まだ高倉家で何も知らずに平和に暮らしていた3人の子供達がおり、その生命力が3つの真っ赤なリンゴの存在によって引き立っている。 また、リンゴは渡瀬と電話で会話した夏芽の家にも見られた。こちらのリンゴは、ウサギ型に加工されており、小さくなっているおかげであまり「生命」というイメージは湧かない。むしろ、リンゴ型に加工された2対の剥きリンゴは、2羽のウサギとの対比が顕著で、夏芽と渡瀬の立ち位置の妙が現れているようにも見える。現時点では、渡瀬は夏芽よりも明らかに上におり、「実際に動く生命を宿したウサギ(時に人間に化ける)」の所有者である渡瀬と、「リンゴで作られた偽のウサギ」しか持たない夏芽の差別化が、リンゴで語られているようである。ちなみに、作中で最も目立つリンゴである荻野目苹果については、今回父親との関係を処理し、どこか浄化されたようにも見えた。彼女が一足先に受け入れた「運命」は、運命の観測者たる渡瀬の調査対象に入っていたのだろうか。 渡瀬の存在は、現時点においてはやはりまだ謎が多い。途中、無限の図書館で独白した彼の言葉からすると、どうやら渡瀬はプリンセスと同じ次元に立つものであることだけは想像出来る。ピングドラムを探せと命じるプリンセスと、彼女に命じられた高倉兄弟に「一緒のピングドラムを探そう」と持ちかけた渡瀬。プリンセスは兄弟に「何者にもなれない」と宣告し、渡瀬は「運命は本当にあるのか」を探求している。「運命」に翻弄される高倉家は、プリンセスと渡瀬の、どちらにとって都合の良い存在となっているのだろうか。 渡瀬を巡るあれこれと並行して際立つ2つ目の見せ場は、「犯罪者の子供」としての高倉兄弟の描写である。両親を待つ、ごくごく日常的な風景が突然破壊され、警察の介入によって両親と別れることになってしまった3兄弟。まだ幼い彼らに現実を受け入れられるはずもなく、子供達は必死に両親の無実を訴えるだけだ。しかし、作品の外殻を見る限りでは、どうも高倉夫妻が11年前の事件に荷担していたことは紛れもない事実であるようだ。「凶悪犯罪の主犯格の子供達の物語」というのは、少なくともこれまでのアニメ業界の中では見たことが無い視点の物語で、何ともやるせないスタンスや、それでも信じ続けたいという子供らしい純粋さが、視聴者の胸をギリギリと締め付ける。これまで3ヶ月にわたって、我々は幸せな高倉家の様子と、回想の中の優しそうな両親を見ている。つまり、冠葉や晶馬と同様に、「あの両親が犯罪に手を染めていたなんて」という、受け入れがたい残酷な真実を突きつけられる形になっているのだ。こうした作劇は今まで無かったものなので、新鮮である反面、なかなかに辛いものである。 しかも、この「凶悪犯としての両親」が、もっと下世話に、近しく描かれていればどこかに落としどころもあるのだろうが、今回のエピソードにおいて、高倉夫妻は異様とも言えるくらいに「存在が無い」。回想シーンに優しかった両親が出てくるわけでもなし、実際に犯行に手を染めた後に必死に警察から逃げる描写があるわけでもなし。苹果がわざわざ多蕗に高倉夫妻のことを尋ねに行ったのだが、被害者の友人という「生々しさを持つ」はずの関係者の口からも、「現実感がなく、目の前に彼らが現れたとしても、怒りが湧くのかどうか」というぼんやりしたこたえ。そこには「凶悪犯としての人物像」が描かれていない。 付け加えるなら、前述した「高倉家に存在していた3つのリンゴ」も象徴的であり、あの回想において、既に3年前の時点で、高倉家には冠葉たち3人しか存在していないかのように描写されており、両親の存在は徹底的に排除されている。これは単なる作画のミスなのかもしれないが、健気に両親を待つ3人の子供達がちゃぶ台を囲む位置取りが、明らかにおかしいのだ。たくさんの料理が置かれているのは、決して大きくないちゃぶ台である。両親が仕事から戻って「一緒に食事を摂る」ことが家訓であるなら、大人2人分、それなりのスペースがちゃぶ台に空いていないとおかしいはずなのだ。それなのに、子供達は何故か均等に90度ずつの角度で席に着いている。そこには「残り2人の家族」が着席できるようには見えず、既に「3人だけの高倉家」と同じロケーションになってしまっているのである。「消えた両親」は、これから先で何を語り、何を隠すための存在なのだろうか。 現時点において、「多分、これって2クールですっきりすることは無いんだろうな」というある種の覚悟は出来つつあるのがこの作品。何が起こっても不思議じゃないが、何も起こらなくても不思議じゃない。これだけの重苦しさと「きつさ」を伴った作劇がこれからも続いて行くのだとしたら、もう、それだけで1つの完成品だ。 |
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プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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