最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
あらぶる幼女、第5話。詩緒、湯音、そしてりんちゃんが、今期3大幼女。
1話の時点では話が唐突だったし、なんか引きが弱いなーと思っていたこの作品だが、下敷きとなる前提条件が出来上がり、各キャラクターの顔色が見えるようになってくると、シンプルなセールスポイントが見えやすくなってだいぶ楽しくなってきている。今回は割とシリアス多めだったので詩緒の表情を見ていると辛くなるシーンもあったが、基本的には「苦渋の表情」というよりは「顔芸」といった方が正しい絵面なので、幼さ故のストレートな感情表現が見えやすくて良い。ギャグ含みのアニメでキャラクターの顔が崩れることは多いわけだが、詩緒の場合、基本線となる絵柄を維持しつつ、大胆に崩してくるシーンが多いので表情を見ているだけで楽しいのだ。 「因習により隔離され、秘匿され続けた双子との対決」なんてものすげぇドロドロした設定のはずなのに、冒頭で対決のシーンを迎えるに際し、まずやってみせたことが「こっちも離れて!」というちょっとしたネタだったのが微笑ましい。匡平のおかげで1話の強がり詩緒が単なる虚勢だったことも明らかとなり、「なんだ、単なる可愛い幼女じゃないか」という結論になったのだ。めでたしめでたし。 そして、今回はたっぷりと見応えがあった案山子どうしのバトル。玖吼理と武未禍槌は似たようなフォルムでぶつかり合う上に、使っている武器は直接的な拳と電撃だけなのでそこまで劇的なバトルシーンというわけではないのだが、こけしのような不可解な異物が空中でぐにゃぐにゃと絡み合う様子が実にスムースに描かれているし、案外ディティールまで描写されているので、本格的なロボットバトルに負けないようなファンタジーな魅力がある。玖吼理というと次回予告でお馴染みの実写版グリグリ人形が素敵だが、アニメーションでも、良く見るとちゃんと表情があることが分かり、次第に愛着が湧いてくるのである。 全体的なシナリオについては、「どうせ原作も完結してないらしいし、適当にまとめてくれりゃいいやー」くらいの気持ちなので、素敵幼女と素敵案山子の活躍が今回くらいのクオリティで毎回見られると嬉しいですな。 PR 同盟者コピー祭 土地(23) 平地×8 島×6 金属海の沿岸(SOM)×3 クリーチャー(28) ハーダの自由刃(WWK)×4 カザンドゥの刃の達人(ZEN)×4 ジュワーの多相の戦士(WWK)×4 幻影の像(M12)×4 カビーラの福音者(ZEN)×3 ウマーラの猛禽(ZEN)×3 順応する自動機械(M12)×4 城壁の聖騎士(WWK)×2 その他(9) 定業(M11)×4 呪文貫き(ZEN)×3 ミミックの大桶(SOM)×2 サイドボード(15) 瞬間凍結(M12)×3 レオニンの遺物囲い(MBS)×4 オンドゥの僧侶(ZEN)×3 召喚の罠(ZEN)×2 ミラディンの十字軍(MBS)×3 ちょっちゅね、じゃねぇよぉぉぉぉぉ! 第18話。お前、そのネタのためにどれだけアニメが犠牲になるか分かっとるんか? その1ネタを完遂するために、せっかく没入してた世界が一気に醒めることは分かっとるんか? もう、ネタキャストの起用はやめてくれよ……いや、だからって清正役に誰が良かったかっていうと、多分原作組はあの声以外をイメージ出来ないんだろうけどさ……ふぬぅ。 というわけで、声オタらしいことを一言叫んでからの中身に移りたいと思います。今回はダイレクトにサブタイトルを活かした内容となっており、主に描かれたのは関白となった秀吉がどのように苦悩し、何を目指しているかという部分と、それを利用し、利用される立場の宗易改め利休が、一体何を狙っているのか、という部分。腹芸含みで色々ときな臭い作品ではあるのだが、やはり利休がメインになったときのドロドロとした「黒さ」は筆舌尽くしがたいものがある。 利休の狙いは、ただひたすら「侘び茶」を根付かせ、自らの追究する美を完成することにある。そのためには一切手段を選ばないことはこれまでの行動からも明らかであり、実際に最大の障壁となるであろう織田信長を謀略で打ち倒し、その後も「白」の化身であった明智光秀と半ば刺し違える形での勝利を収めている。そのための「手駒」としてフル活用していたのが羽柴秀吉であり、手駒の中で最高級のものとするためには、「豊臣」となった秀吉に、最後の障壁である朝廷をも打破させるのが最終目標となっている。 帝の暗殺。長き日本の歴史の中で、何度となく語られてきたこのクーデター精神だが、ここまで純粋で、ここまで無価値な野心があっただろうか。利休は地位を必要としてはいるものの、求めるものは地位でもなければ栄誉でも富でもない。ただ、単に世界を黒く染め上げ、侘びの国家を作り上げることだけが彼の目標である。そのためには帝が邪魔なだけであり、ほんの些細な邪魔者の処理を行うために、秀吉にガラス瓶を手渡し、その見返りとして、肩に深々と短刀を突き立てられたのだ。元々小兵でしかなかった秀吉のこと、どれだけ見得を切って短刀を振り回そうとも、見上げるような大男である利休は微動だにしない。国をひっくり返すほどのクーデターを企てようとも、それを提案する表情には一切の迷いも衒いもない。利休の大きさは、狭い茶室の中で、関白たる秀吉と相対する場面だからこそ、更に際立ってくる。 その点、秀吉はやはり小さい。心労のために夜の生活にも一苦労であるし、利休の持ち出した「一つだけの花」についても、安易な不満を漏らし、その意図をくみ取るまいと目を背けた。直接提示された暗殺計画の申し出には激昂し、いざ実行に移そうにも、帝の威光を前にはなかなか目的を達成出来ずにいる。どれだけの功労を成そうと、やはり秀吉は天下取りという博打に長けただけの、一介の武人だったのである。 黒く染まる利休の謀略が狭い狭い茶室で蠢いている間、我らが主人公である織部は、相変わらずお気楽なものである。少しずつ威厳を蓄えてきた一国の君主は、数寄を楽しむ姿勢にも余裕が出始めた。上司である秀吉があの手この手で必死におなごの服をむしり取っていたその間に、織部は妻のための着物を容易く手に入れ、まとわせることで更なる愛情を得る。奪うものと与えるものという対比が、少しずつ黒に浸食されていく秀吉の逼迫感と、自分の道が見えはじめて迷いを無くした織部の対比を浮き彫りにしている。 そして、数寄の怪物といえば、命を数寄で買い、数寄に命を捧げた男、荒木村重がいた。ついにその強欲な人生にも幕引きが見え始めた村重は、ただ1つ、己が貫き通した生き様を、まだ見ぬ息子に伝え聞かせることだけを織部に託した。血の繋がった息子に形のあるものではなく生き様を残す、といえば聞こえは良いが、その実、自分が蒐集した名品の数々を他人に渡すという発想が出てこないあたりは、本当に強欲のかたまりのような人生。しかし、その強欲を真正面から受け止めるもう1人の強欲は、そんな村重の生き様を見送り、言いようのない達成感を得ることが出来た。織部の人生は、こうして数多の数寄者の怨念が積み重なり、更なる厚みを持つことになるのだ。 生きること、死ぬこと、生かすこと、殺すこと。様々な思惑の中に、最終的には「数寄」が関わるおかしなこの世界。そんな馬鹿馬鹿しさも、真摯に描けばドラマである。相変わらず、視聴後に何とも言えない気分にさせてくれる、そんなお話でした。 しかし……秀吉と茶々の絡みは、よくもまぁあそこまでのものにしてくれたものだ。忘れがちだけど、これってNHK。
カエルテレビだからKBSって、京都テレビと被ってますやん第4話。とてもじゃないけど単体で放送形態が維持できる局には見えないが……ケーブルテレビなんて、こんなもんなんですかね。
今回は千早のお当番回であり、4話目にしてようやく765プロ全員登場の縛りが無くなった。これによって特定キャラのファンだとがっかりする状況が発生したわけだが、この作品の場合、そこまで強く全キャラフォローを謳っているわけでもないし、ちゃんと全員にお当番回があることがほぼ約束された状態なので、1,2週登場しないくらいはあまり気にならないかしら。むしろこれまでの全員登場回をお当番に回された伊織と雪歩がちょっと不利なくらいか。 着ぐるみ仕事から始まって料理対決というよく分からないシチュエーションが用意された4人。料理上手な春香、なんでも勢いでこなしてしまえそうな響はいいとして、高音と千早が起用されたのは謎っちゃぁ謎。元々歌の予定が入っていたということなので、千早はそれを見込んで自ら志願したとも考えられるのだが、高音さんは何を思ってこの現場にいたのだろうか。まぁ、千早と違って初めて触れる文化でもなんでも楽しそうにやってくれるから、ある意味一番「向き」の人材だったともいえるわけだけども。 前回の雪歩の時にも「この子、仕事向いてないよなぁ」と思って不安に見ていたわけだが、今回の千早は、更に不安感をかき立てる状態。雪歩の場合は単に消極性がマイナス要素に見えただけだったが、千早の場合は積極的に前に出る姿勢が、完全に今の仕事の状態とかみ合っていないというのがマイナス要素になってしまっている。「歌を歌いたい」という意識が仕事に邁進させているわけだが、そこまでストイックな人間が、ある意味汚れ仕事でもあるアイドルなんて業務に向いているとは思えない。実際、今回も一切空気を読まない発言で場を凍りつかせており、仕事のためにある程度自分を曲げてでも努力しよう、という意識が見えないのはあまり評価されない要素な気がする。 もちろん、お話としては「そんな彼女でも、少しずつ前を向いて成長しているんですよ」という流れになるわけだが、雪歩の場合と違い、千早はプロデューサーや他のメンバーとの理解も完璧でない状態で終わっており、絆の物語として見ることも難しく、とにかく自分の力だけでなんとかしようとしている意固地さだけが目立ってしまう。うーむ、もっとまったりしたものが見たくて視聴しているだけに、千早の頑なな姿勢はどうにも受け入れがたい。特異な存在なので固定ファンはついていそうだけど、個人的にはよく分かりませんでした。 翻って、今回好き放題に暴れていた高音・響のコンビは割とお気に入り。響って、最初イメージしてたよりもずっと身長が小さいのね。元気印のキャラクターで、(アニマルテイマーとしての技能以外は)そこまでぶっ壊れた設定もなく、楽しげに仕事と接してくれている響は見ているだけで元気になれるし、ミステリアスな中にもどこか憎めないひょうきんさがある高音も、キャラとして充分立っていて、ギャグとしては単体で成立している。このあたりの新キャラ勢の方が、個人的には応援しやすいかもしれません。 そして、この2人の決定的な特徴として、中の人が自然で聞きやすい、というのがあるのですよ。もともとアイマス声優にはあまり明るくないので一部のメジャーどころ(伊織・あずさ・真あたり)以外はフラットに見ているつもりなのだが、高音の中の人である原由実、響の中の人である沼倉愛美は、キャリアは浅い部類だが、癖が無くて聞きやすい。名前を知らずとも、「こんな新人さんがいるのか、次回から注意して聞いてみよう」と思えるレベルである。 他方、いわゆる「元祖」のアイマス声優さんたちは……実はあまり印象が良くない場合がある。最近の露出の中で評価が悪くないのは、亜美真美役の下田麻美くらいだろうか。そして、千早の中の人については……うーむ、今回のエピソードを聞いていて、「やっぱこの人……」と思ってしまうのである。シュタゲの助手の中の人なんだよね。それなりにキャリアは積んでるはずなのに……まぁ、いいや。でもさ、歌に対してストイックなキャラクターなら、それなりの歌唱力を持ったキャストを用意した方が無難だと思うんだけど。
この世界の男共は何でこんなにイケメンボイスだらけなんだろう、第5話。高倉家父親が子安、親戚の叔父さんは田中秀幸、荻野目家父親が立木さん、陽鞠の主治医は屋良有作で多蕗は石田彰なんだ。ある意味、すごく嫌な町だ……
今回は大きく3つの物語があった。1つは、前回のラストで謎の傷害事件に巻き込まれた冠葉の元カノと、それを裏で操る謎の堀江由衣ボイスの何者か。命に別状はなかった被害者(久宝さん)は突き落とした犯人の顔は覚えていないというが、何かが出てきそう、という直前の段階でお嬢から強制ストップ。謎のスリングショットには例のペンギンマークが刻まれており、これで一撃、久宝さんは哀れ全ての記憶を消失した模様。結局、デスティニーが何であるのか、今のところは分からず仕舞いである。 2つ目は、高倉家を巡っての経済的問題。以前から疑問は出ていたところだが、馬鹿みたいに高い(と思われる)陽鞠の治療費、検査費を払い続けながら、まだ学生でしかない3兄弟が独立して生活など出来るはずもない。両親はまだ存命のようだが、叔父は「帰ってきやしない」と言っている。そんな状態で、意固地に家だけを守り続けられるような余裕はないのである。しかし、金銭面の問題については、冠葉が力業での解決を見せてしまった。どこからとも無く現れた怪しい男に受け取った札束で、強引に親戚連中を黙らせてしまったのだ。電車で待ち合わせたコートの男は一体何者なのか、冠葉が何の対価としてあの金を受け取ることが出来たのか。他の兄弟にも分からない、冠葉の謎がまた1つ増えてしまった。ただ、あれだけ仲の良い兄弟に黙って動いているということは、あまり綺麗なお金ではないのかもしれない(単純に、家の経済事情が苦しいことを知られたくないだけかもしれないが)。毎度恒例の電車内の釣り広告が「武富士」だった時点で、大体の想像はついてしまうのだけれども。 そして3つ目は、デスティニー娘こと荻野目苹果が、ついにプリンセスとの対面を果たし、デスティニーとピングドラムが真正面からぶつかり合うことになったのである。苹果は実父との会食で複雑な家庭環境が浮き彫りになったり、相変わらず時籠ゆりにポイント奪われっぱなしの戦況を見せ付けられたりと、絶望的な精神状態に追い込まれていたのだが、そんな弱みは他人に見せず、勢い任せでのマッチメイクとなった。2週ぶりとなった生存戦略フィールドを発動させたプリンセスは、高圧的な態度で苹果に運命日記を差し出すように迫るが、苹果はそんな理不尽な命令に屈するようなタマじゃない。脱出不可能と思われた「何者にもなれないお前達ホール」から人間業とは思えない方法で脱出し、そのままダッシュ一閃、プリンセスの本体と思しき帽子をむしり取って遺棄するという暴挙に出たのである(あのフィールドからも抜け出せたわけだ)。もう、今回の見どころはあのワンシーンだけだったと言ってしまっても過言ではないくらいに壮絶であった。 その後高倉兄弟がトラックを追いかけてすったもんだとかあったけど、画的にも内容的にもそこまで面白いもんじゃなかったので置いておくとして、やはり気になるのは「ピングドラムって結局苹果の運命日記のことなの?」という部分である。プリンセスはさも当然のように「差し出せ」と命じていたが、今までの流れからして、あのノートがプリンセスの手に渡ることに大きな意味があるとは思えないのだが。今回だって、モンブランの予言デスティニーは達成されてなかったわけで、あの手帳自体に大きな力が秘められているようにはみえないのだが。 ひょっとして、プリンセス自体も「ピングドラムとは何か?」という部分を十全に知っているわけではないのかもしれない。未遂とはいえ一度は陽鞠の「命」を奪い捨てることになった苹果は、多分来週以降は多少なりとも高倉家に協力的にはなるだろう。その際に、運命日記がどちらの手に渡るのかは、今後を見守るしかないだろう。 とまぁ、シナリオはちゃんと進んでいるし、雨の日の惨劇を冠葉の回想と現在で対比させる構図なんかは分かりやすくて良かったのだが、今回はトラックチェイスのシーンがやたら長かったので、その部分だけちょっとだれちゃいましたかね。「命の入れ物がトラックにのせられていっちゃったから、女の子が抜け殻みたいになって倒れる」って、まんま「まどマギ」のさやかの時と同じ構図ですやん。だから何だってわけじゃないけど、ペンギンまで使って必死にチェイスする必要はなかったと思うぞ。 そして、冠葉の密かな決意や、苹果の悲壮な恋の結末など、色々と辛い要素も混ぜ込んであるはずなのに、好き放題やっているペンギンたちのせいで緊張感とは無縁の世界になっているのもおかしな部分である。天球儀にはまってしまう1号とか、大量のGにまとわりつかれて昇天する2号なんかは、卑怯だとは思いつつもやっぱり笑ってしまう。高倉家、あんだけゴキブリだらけだとしたら、そりゃ陽鞠の身体にも悪いだろうよ……住みたくない家だなぁ。 今回の中の人ネタ的には、陽鞠・苹果の生存戦略フィールドにおける直接対決が一番アツい部分。口さがない罵倒を浴びせ続けるプリンセスに対し、対抗不可能と思われた絶対支配のフィールドをパワフルに打ち破る苹果。この2人の共演パートは、聞いているだけでも勢いがあって面白かった。陽鞠の中の人(荒川美穂)は、まだまだ荒削りではあるが、台詞を流した時の独特のアクセントに特徴があって面白い。こういう「色がついていない」役者で色々とみせてもらえるのは、ファン冥利に尽きるというものだ。 ひどい学校だな、第5話。いくら田舎で適当な学校だからって、次週からの流れでの怪談大会が平気で容認されるのは……クラスのみんなもノリがいいなぁ。 ついにパターンが打ち破られる回となりました。「今日はいい天気」じゃなかったし、Aパートが敵の襲撃、Bパートで学園話という逆転の構図は、もう、既に小夜の周りにある景色がこれまで通りのものではないということを表すものである。少しずつ歪みを見せ始めた世界が、時にさりげなく、時に露骨に、その不気味な姿を現していく現状は、なかなか恐ろしくある。前回からの続きでいうならば、「対話すること」が明示的になってきていた「古きもの」が、今回はついに人型を取った。更に声も女性のものになり、より「理知」を感じさせる造形である。最初にはただただ「人ならざる敵」として切り捨ててきたものが、じわじわと己に近い存在に遷移してくる様子が何とも不吉だ。 そして、怪談のスタイルをとって先生から語られた「この町の話」。そこに描かれていたのは間違い無く「古きもの」である。人を糧としかみなかった「人ならざるもの」の存在。それは人語を解するものもいたが、意思の疎通を図ることは適わなかったという。それでは、この町の人々は一体どのような決意をしたのか。その結果、どのような「約定」が結ばれたのだろうか。 人語を解し、様々な姿を取る「古きもの」。それは言い換えれば、「人に見えてもおかしくないもの」。小夜はただ、盲目的に「人を守る為に、それ以外のものを斬る」ことを心に定めているが、それは理屈の上での行動であり、本能は濁ってしまう。クラスメイトのねねとののは、「何故自分たちの違いが分かるの?」と小夜に問いかけた。小夜は、「そこにあるものが比較出来るなら、判断出来るものだ」と答えたが、それに対し、改めて「じゃぁ、比べるものが無い存在だとしたら?」という新たな問いが生まれる。「古きもの」は、そこに守るべき確固たる「人」がいればこそ存在しうる。それでは、「人」がなんであるのかという、その理念が揺らいでしまった時、「古きもの」はその存在を維持し続けるのか? ただ無心に敵を斬り続ける小夜は、その信条を貫き通すことが出来るのか。 「血」というモチーフは引き続き生き続けている。人を生かすためのシンボルである「血」だが、それが表に現れると、途端に死のモチーフへと変遷してしまう。熱く息づいた「古きもの」の返り血を浴びた小夜は、通りすがりの被害者女性には、既に「人」に見えなくなっていたのではないか。もしくは、「血」が吹き出す時点で、「古きもの」は「人」と区別する方策を喪失したのではないか。小夜の目に見えている「人」は、はたして人であるのか。悩みと不安は増すばかりである。
湯音のパリ来訪から一体どれくらい経ったんだろう、第5話。作中でどの程度の時間が流れたか定かじゃないんだけど、まだギャルリを歩き回るのにも支障があるレベルの認識だったのは驚きである。まぁ、異国の地に幼女1人じゃそうそう出歩くチャンスも無いんだろうけど……だから同い年の友達とかを大事にした方がいいと思うんだよ。アリスとカミーユはどこいったんだよー。
これまでのエピソードの中で、例えば食事、例えば着物など、様々な「文化差」が取り扱われてきた。もちろん、明治時代の日本人はチーズが苦手だろうし、風呂にあまり入らないフランスの生活にも慣れない部分は多い。着物だって、パリの町並みでは異物扱いになるのは間違い無いだろう。しかし、そうした諸々の文化差もさることながら、やはり日本人の最大の特徴といえば、今回のエピソードで掘り下げられたような精神性なのではないかと思うのだ。よく言えば「人の良さ」みたいなものだが、悪く言えば危機意識の低さ、島国根性。そんなどうしようもない異質さが、湯音をかつてない不安に陥れてしまう。 一体何故日本人がそうした文化を持つに至ったのかは、そういう方面に明るくないのでよく分からないのだが、日本人は他国に類をみないほどに、他人を疑わない。「人を見たら泥棒と思え」という言葉こそあるものの、わざわざ格言として残されているのは、それが当然の事実ではなく、意識しなければ気にすることが出来ないためだ。自分が泥棒でないのだから、他人だって泥棒なはずがない。「回りと一緒でないと落ち着かず、回りと一緒になろうと取り繕うこと」こそが、日本人の日本人たる証といえる。向こう三軒両隣が全て家族と言えた古い日本に育った湯音からすれば、ひょっとしたら同じ屋根に取り囲まれたギャルリは全て信頼の置けるお隣さん、くらいの認識だったのかもしれない。 しかし、クロードはそれが違うと教える。実際、湯音のチョロさを見越して見事に盗難被害が出てしまったわけだし、完全に異物である得体の知れない湯音に、初対面で親しげにしてくれる住人なんて、どこぞのネジの外れたお嬢様くらいのものだ。そして、それがここでは普通なのである。どんな文化差よりも、この精神性の違いは受け入れるのに時間がかかりそう。今回のタイトルである「迷子」は、実際に湯音が右往左往していた様子も表しているが、どうしたらいいのか分からない人間関係に湯音が立ち往生してしまったことも表しているのだろう。知らない町、知らない道、知らない思いの、知らない人。どれだけクロードとの信頼関係が深まっても、まだまだ湯音がパリでの生活を手に入れるまでには時間がかかりそうである。もちろん、そんな大変なお話でも、なんだかハッピーエンドっぽく終わるので安心して見ていられるんですけどね。 そういえば、この作品は明治時代くらいの時代背景で描かれているわけで、実際に湯音が現代に生きていたら(無理だろうけど)、時代に先駆けて海外渡航して文化を学んだ最先端の淑女として日本でもハイソサイエティに位置することが出来た可能性がある。あの時代から50年後とかのマダム湯音は、一体どこでどんなことをしてたんでしょうね。ちょっと見てみたい気もするな。イメージしようとするとどうしても作画が森薫調になってしまうけど。
なにこれすごい、第4話。驚いたのは、冒頭の保育園のシーンの美術設定。これは思い切った見せ方をしてきたもんですなぁ。ふざけた色味の保育園のバックグラウンドが非常に面白い形で浮き立っているところに、意外なことにキャラ作画が違和感なく溶け込んでいるのが素晴らしい。パステル調のほわほわっとした絵柄で見せられると、この作品独自の暖かみも増すってなもんですな。やっぱりこういう原作の持つタッチが画面に際立つようになるのがアニメーションのうま味。同時に実写ドラマをやっている珍しい媒体だけに、そのあたりの差異をはっきり出して、アニメのすばらしさをアピールしていって欲しいものです。
さて、そんな冒頭の描写は置いておくとして、今回も実に穏やかな心持ちで堪能させていただきました。小学校に行く準備を始めるりんを見守る大吉は、まだ3ヶ月しか一緒にいないというのにすっかり父親の顔。「心もちゃんと成長している」っていうことを掛け値無しで見守ることが出来る男親って、実は結構すごいことなんじゃなかろうか。りんちゃん自身がすごくしっかりしているおかげで子供っぽい仕草とそうでない部分、背伸びしたい要素と素が出る部分は見分けがつきやすいんだろうけど、それでもやっぱり「子供」として見てしまうと、なかなか一人の人間としての接し方は疎かになってしまうもの。大吉の場合、りんとの出会いがあの印象的な葬儀の場だったので、「人の心を持つ女の子」としての視座が持ちやすかったのかもしれない。それでも、腫れ物に触るように扱うんじゃなくて、ちゃんと一人前の「家族」として接することが出来ているあたり、本当に過ごしやすくて、りんには良い環境なんだろうなぁ。これまでじいちゃんのところで1人で育てられてきたはずなのに、ちゃんと保育園ではお姉さんの役割も務めているのがすごいね。 そして、そんなりんちゃんも早くも小学校に進学である。新しくできたお友達、二谷家との交流もそこそこに、特異な環境で育ったという負い目を全く見せず堂々と社会に飛び出すりん。今回は初めて「大人の飲み会」に連れて行かれたりもしたが、特に臆することもなく、持ち前の社交性を発揮する優等生ぶり。そりゃ、あんだけ可愛かったら周りの大人達は放っておかないよなぁ。「お持ち帰りしたぁい!」って、母親である女性が言ってたから冗談ですんだけど、もし飲み会の席に俺がいて同じこと言ったら、一気に引きはがされるんだろうな……それでもいいから、誰か今度の飲み会にりんちゃんを連れてきて下さい。 今回一番キュッと来たのは、「影飛び越しただけー」と笑うりんちゃんを見て、大吉が思わず抱え上げて走り出したシーン。訳の分からない行動ではあるのだが、あんなところで突然無垢な笑顔を見せられちゃ、もう、抱きしめる以外にやることがない。とにかく大事にしたい、という思いが、「抱えて走る」というよく分からない行動を取らせたのである。大吉、羨ましい男。 そんな楽しげな毎日とは一線を画したリアルで進められるのは、りんの母親、吉井正子を巡る諸々である。今回、ついにじいさんの遺書から連絡先を発掘し、大吉は迷いながらも連絡を取ることになった。その結果は次週を待つしかないが、「こんなに可愛いりんをおいて逃げた親」に対して、大吉はどのように大人の対応を見せるのか、これまでフワフワほっこりだったこの作品に、1つ目の山場が訪れそうではあるな。 そして、私事としては、今回初登場の二谷君ちのお母さんが、もうね。「黒髪美人で素晴らしい母親に見えるけど、離婚歴とか少し幸薄そうな気がする」キャラクターといえば、もう、この人の声しかないわけですよ。最近あんまり聴けなかったから久し振りです、さぁや。結婚前から「未亡人っぽい」ことで有名だったという、よく分からないステータスが完璧に活かされた配役で、もう、それだけでこの番組を聴き続ける決意が出来るくらいにはまります。リアル産休に入る前にガンガン仕事をこなして欲しいものです。 ちなみに、勝手にピックアップした「大原さやか人妻役ランキング」を掲載しておくと(順位は特になし)、結婚発表直後にファンが大暴走したアリシアさん(ARIAシリーズ)を皮切りに、未亡人なのに息子が駆け落ちして言うこと聞いてくれない高須のやっちゃん(とらドラ)。息子も連れ合いも何故か死神だったという衝撃の事実が明かされる故人、黒崎真咲さん(BLEACH)。旦那が生粋の変態である木村の奥さん(あずまんが大王)。同じく息子が変態な上に娘と血が繋がってない、高梨家の母(おちんこ)。夫が殺人犯な上に不治の病を患って、あげくショックで記憶が吹っ飛ぶという三重苦の、ちょい役の奥さん(地獄少女二籠の4話目)。気の迷いで浮気したら神域に居たはずなのに追放され、そのまま出来の悪い息子に封印の中で買い殺されたあげく、結局死ぬ、突羽根さん(おとめ妖怪ざくろ)。世界規模の組織の中枢まで食い込んで旦那と2人で最強の名を欲しいままにしたのに、気づいたらやっぱり未亡人になってて、単なるボロアパート管理人をやってる美哉さん(セキレイ)。……すげぇ、枚挙にいとまがない、っていうのはこういう状態を言うんだろう。でも、個人的に一番幸薄かったのは、「ハチクロ」の理花さん。結論、さぁやキャラは、家庭を持ってもうまくいかない。ご本人は幸せであることを祈るばかりです。 きなこもちときもなこちは似てるけど、キャラクターと中の人も何だか似てる気がする第18話。いや、身長的に。なこちと並んだ時の緒花の小ささが際立って見えるのですよ。どこぞのネタ画像で、伊藤かな恵・大亀あすか・悠木碧・竹達彩奈で豊崎を取り囲む、っていうのがあったんだけど、あいなまさんのスタイルの良さは際立ってますよね。 というわけで、今回はあいなま回、もとい、なこち回。今期も絶好調で「魔乳秘剣帖」「ゆるゆり」と豊崎キャラは花盛りですが、そんな中でそこそこ控えめなキャラだったのが、この押水菜子であった。緒花が猪突猛進、民子も一心不乱、結名が唯我独尊で各々好き勝手やっている中で、どうしても菜子だけは強く押し出して来ないイメージがあった。しかし、なぜそのような配置になっていたのかが、今回ようやく明らかになったわけだ。つまり、菜子が前面に出ると、とてつもなく痛い子だからである。今回だって、「なかなか引っ込み思案が直らないなぁ」と思い悩み、給料アップや友達とのショッピングをきっかけに自己啓発を試みる、というだけのシンプルな筋立てであるはずなのに、何故かそのモチーフに人魚姫を絡めて自分ワールドに突入したり、思いあまってお大尽プレイに突入したりと、どうにも振り切れ方がおかしい子。なるほど、こんなんだから変人緒花や民子ともうまくやっていけるのであろう。 なこちファンにはたまらない回だったとは思うのだが、前回までの重々しい雰囲気はどこ吹く風の完全ギャグ回だったために、ところどころにちりばめられたネタの数々を回収するだけでも忙しい。特に菜子の人魚イメージ映像の時の気持ち悪さは突出しており、蓮さんフィッシュの違和感はとてつもないものである。本作は映像のレベルが非常に高くて、どの画面にもこだわりが溢れているのであるが、そんなこだわりが全力で異物を描いてしまったら、そりゃぁ気持ち悪くなるのは道理である(でも、何故か豆じいの方は案外フィットしていたりもする)。 その他、珍しく女子高生4人ががっつり絡んだ回でもあるので、4者4様の個性も良く出ている。喜翠荘トリオが浮世離れしすぎているせいで、普段は天然お嬢キャラで通しているはずの結名が突っ込み役に回らざるを得ない様子など、見ているだけでも可哀想になってくる。菜子のいう通りに、菜子自身も緒花も民子も「友達が多くない」タイプなのは間違い無かろうが、こんな連中と付き合ってるってことは、多分結名もそこまで親友が多いタイプじゃねーな。そして、菜子を更衣室に押し込んだ時の「ハウス!」の意味が分からん。石川県民は(ナンパ野郎共も含めて)県民全員がおかしな言語センスを有しているんだろうか。 結局、オチとしては「あんたは自分らしくしてればいいじゃない」というすごくフツーの結論でめでたくキモナコチが誕生しただけなのであるが、今後の喜翠荘の未来を思うと、あんまりハッピーエンドに見えないのが気になるところである。菜子が自信を得て好きに仕事に邁進すると、なんだか失敗する様子しか想像出来ないんだけど。菜子たちはもうそろそろ進路とか考えなきゃいけない歳だと思うんだけど、一体どういう未来予想図を描いているんだろうね。 そうそう、気になるといえば、何とも不思議な押水家の実態ですかね。家族構成は両親、菜子、小学校低学年くらいの弟、更に小さくて幼稚園児くらいの妹、そして赤ん坊の子供4人で6人家族。菜子だけやたら歳が離れているけど、ご両親は見た感じ案外若くて、せいぜい40前後ってところだろうか。父母ともに教育者らしく、菜子に家事を任せきりで2人してアツい教育論を戦わせている。わざわざ仕事の議論を持ち帰ってるってことは職場は違うと思うけど、菜子が「そういう話は学校で」って言ってることから考えて、教育委員会とかじゃなくてどちらも現場勤務か。 以上の実情から推察するに、当然職場結婚で一緒になった夫婦で、第一子の菜子については、デキ婚とか、不測の事態による結婚。その後生活が安定するまでは菜子の子育てと蓄財に励み、歳を重ねて余裕が出てきたところで改めて家族計画、子だくさん、という流れではなかろうか。つまり、しばらく一人っ子を経験している菜子は幼少期の間に引っ込み思案な性格が形成されてしまったわけだが、両親の教育の賜物か、弟たちの面倒を見る姉気質はきっちり養われた。両親も、菜子がよく出来た娘だから安心して仕事に邁進しているのであろう。唯一の謎は、「お母さんの乳は別に大きくない」ことである。なこちの胸は隔世遺伝か……ちなみにお母さんの中の人はみっここと新井里美。母子揃って「ジャッジメントですの!」。職場にいったらサテンサン! さらに余談だが、押水弟の中の人は水原薫、そして妹の中の人は、今回初めてスタッフロールで目に止まった「慶長佑香」という人。これまでもちょろちょろ本作では登場していたようだが、物々しい名前を今回初めて認識しました。「どんな人なんだろう……」と思って所属事務所である俳協の公式プロフィールを見ると、「所持資格」の欄に「危険物取扱責任者乙・ヨガインストラクター」。……なにもんやねん。 |
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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