最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
ミスドがコラボする日も近い気がする第3話。うぐぅのたいやき、シャナのメロンパン、メリーのドーナツ。やらない手はないだろう。
3話になり、ようやく作品の流れの基本が見えてきたところのように見えるが、何と今回も山内監督コンテ回である。すげぇ気合いの入りよう。おかげでコンテが重いこと重いこと。こういうみっしりした演出回は疲れるけど視聴後の充実感が段違いなのでたまらんものがあります。 先に断っておくと、シナリオライン自体は特に変わったこともなく。一応、メリーと夢路が共闘関係を結ぶための大切なファクターが描写される回である。2人の関係性を語る上では外せないエピソードとなっているが、例えばバトルが斬新だとか、びっくりするような展開が待ち受けているとか、そういうことはない。 ただ1ついえるのは、充分ヒロインは可愛く描けているということだ。メリーは独特のコスチュームで活発に動くことでちゃきちゃきした魅力を遺憾なく発揮しており、独特の臍見せルックが躍動的な身体の動きを見せるのに効果的に機能している。また、それ以外のヒロイン勢でも、今回ゲストキャラ(?)として登場した幼女みなとのぽやっとした外面と、それと対照的に缶蹴りでみせた子供らしい元気の良さ、そして夢魔と対峙した時の屈託のない純朴さも伝わってくる。相対した夢魔の方も、大胆な表情の崩しでもってその悪辣さは伝わってくるのに、メリーに攻め立てられてほっぺをぎゅ〜っとされているときはどこか憎めない、子供っぽい小憎らしさが出ている。各々の作画の安定感はかなり高い。ラストシーンでは遠藤綾ボイスの新キャラも登場し、まだまだそっち方面の楽しみ方は期待できそうである。 そして、それ以外に視聴のポイントとなっているのが、各シーンごとの癖のあるコンテワーク。やはり山内重保のコンテというのは「流れ」「繋ぎ」の演出ではなく、1枚絵を基調とした「見得」の構図が印象的だ。数えているわけではないので本当に印象論でしかないのだが、カット数は一般的なスタイルよりもかなり多くなっているのではなかろうか。その上でせせこましい印象ではなく、むしろどっしりと重たい印象になっているというのが、この人の見せるアングルや距離感の妙である。 試しに例を出してみると、冒頭の夢路と勇魚の会話のシーンなんかはいきなり分かりやすい。遠望やアップなど、様々な角度から2人の会話の流れを繋いでいき、その中にはあまり関係のない風景のアップ、夢路の顔を追うカット、二人の足下を写すカットなどが連なるのだが、奇妙なことに、最後の最後に至るギリギリまで、勇魚の顔は画面に出てこない。首から下だけのカットなどで繋がれており、「何故か見えない」勇魚の顔が気になって、視聴者はやきもきしてしまう。最後の最後、「立派だと思うよ」という勇魚が夢路に向けて評価をする段にいたって、ようやく彼女の顔が大写しになる。このことによって、勇魚の気持ちがどこにあるのか、というのが視聴者に最大限の効率でもって伝わるようになっている。 他にも、切れかけた電球のフィラメントが大写しになるカット、公園で遊ぶ子供達を、大写しになった端の手すり越しに見るカットなど、画面の遠近を大胆に崩して奥行きを見せる描写も面白い。メリーがデイドリームに飛び込んでくるシーンでは、落下するメリーと一緒に桜の花びらが一枚だけ画面に迫り、画面を多い隠すほどに寄るカットもある。ここでも、華麗に飛び降りたメリーの「上から下」という動きの迫力を、近接する花びらで見せる効果がある。 画面の含意でいうと、ドーナツとそれに見立てた雲のリンクも面白い。最初に、夢路と勇魚の会話が終わり、メリーが鉄塔の上で思いを馳せるカットに繋ぐ場面では、2つにちぎれてばらばらになった雲の切れ端が見える。これはシンプルに、夢路とメリーがばらばらになっていることを表すもの。そして、みなとにドーナツを分けてもらったシーンでも同じような雲が見える。こちらは「みなとにドーナツをちぎって分けてもらった」こととの対比。そして、戦い終わって最後の夕空に浮かぶ雲も、まだちぎれたままになっているのだが、その形が最初とは変わっており、寄りそうようにして繋がりそうな形になっているのである。こういう間接的な部分にちゃんと意味を乗せてくるコンテは好みです。 ただまぁ、その分バトルシーンなどの動きを期待するシーンでは重さが「テンポの悪さ」に繋がりかねないのは懸念材料だろうか。今回も「謎のこけし落とし」というよく分からない技を使う夢魔を相手に、そこまで劇的な大立ち回りもなく、割と淡泊なバトルとなっております。ほっぺぎゅーから最後のビンタに繋ぐ部分の達成感はあるのだが、そこまでの見せ方は賛否両論出そうな出来ですね。ま、これってメリーっていうキャラクター自体が、派手な必殺技のない「単なる凶暴な女の子」であり、見せる要素が少ないことが原因になってる気もするんだけどさ。 最後は当然、中の人の話。今回はゲストキャラ2人の存在感が半端無い。幼女みなと役は、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いとなった日高里菜。こうして単発キャラで聞くと、彼女に独特のちょっと掠れた声音の特徴がよく分かる。現在「STAR DRIVER」でやっているミズノあたりと音域は同じで、まだ「演じ分け」というのが完璧とは言わないが、きちんと役の呼吸に合わせた差異が意識されているのは伝わってくる。今後が楽しみな良い声です。そして、そんなみなとを籠絡しようとする夢魔・イチマ役には、前の番組「禁書目録」からはみ出して来ちゃったかのような井口裕香。ゆかちの悪者ボイスはなかなか聞く機会がなかっただけに、不覚にも笑っちまうくらい楽しかったです。ぼちぼち紋切り型のロリっ子だけでなく、イロモノ系でも見せていくチャンスが欲しいですね。中の人のことを考えりゃ、もっとテンション芸で見せる幅は広いはずなんだから。これで次の番組「みつどもえ」でもしゃべれば奇跡のゆかち三連射が達成出来るところだったのだが、残念ながらしゃべりませんでした。そう考えるとナチュラルに4番組連鎖とか達成してた豊崎は化け物だな。 PR
1月21日 ドラフト模様(SOM×3)
ピック順 【Alessi】→【Newcomer】→【Sangriter】→【Thraxi】→【Serra】 ぼちぼち包囲戦カードも揃ってきた昨今、皆様いかがお過ごしでしょうか。何故かスモールエキスパンションのくせに基本土地が収録されるってんでちょっと話題になってますね……ま、どうせブースター開ける身としては、傷跡と同じイラストの土地が出るよりは包囲戦オリジナルの土地がある方が面白いので構わないと思うんですけどね。どっちにしたって1パック14枚は変わらないわけだし。ファイレクシアに汚染されまくった沼とか、是非見てみたい。今回は「イシュ・サーの背骨」があるからひょっとしたらボッコボコになってるかもしれないけどな。 ぼちぼちマンネリ化してきているこの環境ですが、今回は5人で4つの色を奪い合う泥沼展開。ここまで綺麗に1色が無視される状態が起こりえるのが、アーティファクト環境の怖いところだ。そして、何箱開けたか分からないこの期に及んで、ようやくプレインズウォーカーが出始めたところです。出ろ出ろゆーてたけど、実際リミテッドで出られるとやっぱりひどいな、あいつら。
「Bloodthrone Vampire/血の座の吸血鬼(M11)」 C
むしゃむしゃする側の人。今回は「反逆の行動」も無いので、そこまで慌てずともいいカード。「流血の鑑定人」と組んで何かとんでもない吸血鬼デッキが作れないものか。 「Dark Favor/闇の好意(M12)」 C 最初に登場したときは「何で黒だけライフルーズやねん!」と思ったけど、実際リミテッドで使ってハマると白よかよっぽど強かったという。やっぱパワー3は偉大。 「Disentomb/墓暴き(M12)」 C 無くてもいい基本セットカード軍団の1枚。大体リミテッドでもほとんど使わないカードなんだから、入れ替えてくれりゃいいのにな。ただし、フレーバーテキストにはあの懐かしのネビニラルさんのコメントが書かれているので、そこだけはオリジナリティ。 「Duress/強迫(M11)」 C 黒にとっては最軽量にして最大級の福音。これでぐぐっと戦える幅が広がる! 「脳食願望」も詰め込んで1マナハンデス8枚体制のデッキを組む。俺は組むといったら組む。 「Essence Drain/本質の吸収(10ED)」 C じわっと帰ってきた、じわっと除去。痒いところに手が届くけど、痒みがあまり治まらない感じが絶妙にコモン。魔法の言葉は「リミテッドなら」。 「Giant Scorpion/巨大蠍(ZEN)」 C 白の牛、青のイカに続き、なんと蠍までもがゼンディカーから参戦。一体何があったゼンディカー、フレンチバニラ王国でも築き上げるつもりなのか。 「Mind Rot/精神腐敗(M12)」 C いつものように、「カードアドバンテージとは何か」を優しく教えてくれるよ。今回久しぶりにフレーバーテキストが変わっており、リリアナ姉さんの相変わらずな様子が楽しめる。 「Mutilate/もぎとり(TOR)」 R 再びこのカードが使える日が来ようとは! 「黒ラスゴ」業界では最初の成功例と言ってしまって良い、黒を代表する名選手。やはり黒といえばトーメントなわけですよ。これで「黒の太陽の頂点」が落ちてもまだ戦える! 「Phylactery Lich/聖句札の死者(M11)」 R なんでお前が帰ってくるんだよ。ミラディン前のほのめかし役だっただけのくせに。 「Ravenous Rats/貪欲なるネズミ(10ED)」 C 個人的にはやっぱりこのあたりが青春、って感じのクリーチャーだなー。いいカードだなー。「雲隠れ」とかしようぜー。単騎? 知らん! 「Rise from the Grave/墓場からの復活(M11)」 U 1年ぶりの普通復帰。そういやM12って墓地から直接釣る手段が黒に与えられてないセットだったのね。 「Shimian Specter/シミアの死霊(FUT)」 R 今回のスペクター枠は、なんか地味だった未来予知のこいつ。書いてあることは強そうなんだけど、鬼コンボと鬼速攻しか無かった時代に生まれたのが運の尽き。今のご時世だと……どうかなぁ。 「Sign in Blood/血の署名(M11)」 C なんだよ、今回の黒は俺を喜ばせようとしてくれているのかい? いいね! これで黒は完全復活だよ! とにかく引くんだ! 赤は手札でも全部捨ててろ。 「Tormented Soul/苛まれし魂(M12)」 C 「狂喜もなくなったのにあいつだけ残っててもな〜」「そうよね〜」ヒソヒソ。あ、違う、賛美あるやん。今後ともよろしく!! 「Vampire Nighthawk/吸血鬼の夜鷲(ZEN)」 U あぁ! もう! 黒いセット! めっちゃ黒いセット! 素敵! でも1マナの変な虫のおっさんと相打ちなのがちょっと切ない! 「Vampire Nocturnus/吸血鬼の夜候(M10)」 M これぞキングオブ吸血鬼。ヴァーズゴスさんの空気読めなさは半端じゃなかったから、この人の復帰で再び吸血鬼の時代は戻ってくるのか? ちなみにライブラリトップがみえるから奇跡とシナジれるんじゃね? とか考えたのだが、奇跡カードがトップの時点で夜候さん3/3確定や。ちょっと切ない。 「Walking Corpse/歩く死骸(ISD)」 C ついに歴史が動いた。黒の熊も緑や白と同じく「熊」を名乗って良いという許可が、イニストラードの努力によってなし得たのである。もう、このセットをゾンビ記念日と名付けてしまってもいいくらいの大偉業だ。「どう見ても吸血鬼フィーチャー」「そもそもイニストラードがスタンダードなんだからこいつ邪魔」などの逆風に負けずに戦え。 「Wit’s End/機知の終わり(DIS)」 R 効果や活躍度合いよりも、そのイラストの方が強く記憶に残ってる珍しいカード。そして、今回は前回の鼻の穴とは打って変わって、圧倒的に恰好いいニコル様の勇姿が拝めるナイスイラストにバージョンアップ。これはもう、手札捨てさせるどころじゃない。3枚捨てさせて3枚引いて1体サクらせて1体戻してライフ5点吸うくらいならできる。出来る! 「Zombie Goliath/ゾンビの大巨人(M12)」 C 無くてもいい基本セットカード軍団の1枚。でも、歴代の黒ファッティの中ではそこそこ頑張ってる方。一瞬だけ「グールの大群(10ED)」が収録されたのは何でだったんだろう。
予想外のことが起きるんだろうと覚悟しながら見つつも、やっぱり予想外な第3話。「画面がちぐはぐだし、製作側は穿った血だまりな見方をさせたいのかどうか分からないなぁ」と斜に構えてみていたはずなのに、もう、もろに血だまり方向に進んでるじゃないですか。こうなってくると、何が起きても「意外」ではないぞ。
今回は、2話かけてずっと描かれている「魔法少女になるとは」「人生における最大の望みとは」という点がさらにクローズアップされ、メインキャラクターのより深い部分へと踏み込んでいく。マミの魔法少女としての活躍を後ろから見学し続け、さやかとまどかは自然に「魔法少女になる」という方向へ歩を進めている。確かに、颯爽と魔女を退治し続けるマミを見れば華々しいものであるように見えるし、その上で「願いが何でも1つ叶う」という提案も魅力的だ。 しかし、魔法少女になるというのは生半なことではないと、マミは釘を刺す。さやかの願いの種類を察し、「自らのためか、それとも他者のためか」と問いかけたり、まどかの何とも不思議な動機にもすぐに頷かなかったり。これまではあまり言及されてこなかった「魔法少女になること」のリスクについても、多くは語らずとも臭わせることはしていた。 利己であるか利他であるか。そのことは個々人が活動するための最大のエネルギーになると考えることも出来るだろう。さやかの望みは、一見すると非常に利他的な「上条という知り合いの治癒」であろう。それが純粋利他的である場合と、あくまで他者に幸福を与えることでフィードバックされる自分の幸福感を望んでの場合、結果は同じだが、そこには大きな隔たりがあるという。また、まどかは仕事に打ち込む母親の姿にも、「活動するためのモチベーション」という要素を考える。仕事をすることで得られる結果を求めているのか、それとも仕事自体をもとめているのか。大好きな母親の姿を見て、まどかは自分なりの魔法少女との接し方を感じ取る。 既に魔法少女として活動を続けるマミは、残念ながらそんなことを考える余裕は無かった模様。多くは語られなかったが、どうやら命の危機に瀕した状態で、キュゥべえとの契約を選択せざるを得なかったようだ。命を長らえたことで後悔はないというマミだったが、親しくなった3人の関係性において、その動機が三者三様になってしまっているのは気になるところ。マミは純粋に己がため、さやかは他者に幸福を与えることを通じての己が幸福のため、そしてまどかは、活動すること自体に幸福を見いだすため。そんな微妙なズレを知ってか知らずか、ほむらは常にマミに釘を刺し続けていた。 そしてその時は訪れた。上条の入院している病院に現れた魔女を打倒するために結界内に侵入する4人。そこで、まどかはマミに対して魔法少女になる決意を告げる。「本当の意味での友達が出来る」と喜んだマミだったが、そのことで慢心が現れたのか、油断を突かれ、魔女に一瞬で食いちぎられてしまった。目の前で頼れる先輩を亡き者とされた2人を尻目に、ほむらは魔女を倒し、シードを持ち去ってしまう。「魔法少女になるというのは、そういうこと」。彼女にも、絶対にゆずれない夢があるのだろう。まだ入門すらしていない2人の魔法少女への道は、いきなり決定的な障壁へとぶち当たってしまった。 3話目にして、マミの死亡(?)。もう、どうにもとまらない。要所要所で印象的なカットが多い本作だが、一瞬にしてマミが喰い殺され、だらりと垂れ下がる半身が大写しになるカットは、それまでの異様な画面と違って実にシンプルな構図だ。それだけに、どうしようもないぐらいに「表すべきもの」が分かりやすすぎる。これが、この作品の悪意なのだろうか。また、そんな魔女を眉一つ動かさずに破壊するほむらのアクションも、爽快さとは無縁の悪魔的な所業。今回は魔法空間のモチーフが「病院とお菓子」という倒錯的なものであるが、これまでのイヌカレー画面とはちょっと違って華やかなイメージをもっていた「お菓子」の画面や奇妙な愛らしさすら感じさせる魔女のデザインが、一転して「血みどろ」へと転換するシーンは本当に救いようがない。これが毎週続くとしたら……どうしたらいいんだろう。 もう、世界設定や「裏側」についての考察などは無意味なのでやらない方がいいだろう。いくらでも憶測や妄想は出来るが、今の時点では何を考えても無駄だろうし、かえって頭空っぽの状態で見た方が面白そうだ。また、現時点においては、マミの活動やキュゥべえの勧誘活動については、『本心から行っている』という風に描写されているように見える。正しい視聴者ならば、そこにクリエイターの個性などは考えず、描かれた通りに素直に受け取るのがベターであると思う。ただ、途中で心が折れなければの話ではあるが。 「衝撃を与える」という目的で考えるならば、この作品は本当にハイスペック。今回はようやくエンディング画面も描き下ろされたが、シャフト作品でありながらビィートレイン作品のような印象も受ける、黒い方黒い方な画面作りは本当に容赦がない。これまで作られてきた「シャフトっぽい画面」のテンプレートが、ようやく「シャフトらしい」ではなく「まどかマギカらしい」画面になってきたのだろう。イヌカレーフィールドもワンパターンにならずのそのエピソードごとにちゃんとコンセプトが見えるようになっているし、毎回どんな「とんでもない」画面が飛び出してくるのか、期待せずにはいられない。 今週の駄目ハイライト。後藤邑子さんがべろんべろんに酔っているシーン。スピリタスを余裕で干すような人間がくだを巻いている姿は、なかなか見られるもんじゃござんせん。
○「IS<インフィニット・ストラトス>」 4
ようやくたどり着いた、今期レギュラー放送では(多分)最後の新番組。関東よりも2週遅れてのスタートという、ちょっとした嫌がらせのような放送である。今まで読売系以外でここまでずれることはあんまりなかったんだけどなぁ。 で、そんな最後の1本であるが、よく分からないもどかしさがある。これだけの新番組を見て疲れ果ててしまったのか、新番組の時期を乗り越えたせいで緊張感が切れたのか、1話目を見ても、ことごとくピンと来ない。どの要素についても平均レベルくらいは維持している作品だと思うのに、何故か面白いと思う瞬間が無い。恥ずかしながら、その原因がイマイチ分からないのである。ま、ラノベ原作だと昔からおよそこんな感じになるのだが……今期のラノベものは各々が一応独自の武器を持っていたおかげで評価軸を定めることが出来た気がする。この作品の場合は……うーむ。 冒頭、アバンで流れる戦闘シーンは、おそらくスタッフがそこを売りにしたいのだろう、ということが伝わってくるきれいな画面。流れるようなISの動きはCGモデリングで描かれて滑らかだし、似たような機体の形状をしていた「スカイガールズ」や、監督が同じ「マクロスF」なんかに比べても、かなり画面との融和性が高い。頑張っていることが伝わってくる動画である。ただ、冒頭にいきなり流されたために、それが何を描きたいのかがさっぱり分からない。誰が誰で、どこに敵がいるのか、目的は何だったのか。そうした起点が分からない状態で「とにかく動いてるでしょう!」というのを見せられても、どうしていいのか分からないのである。 「俺以外全員女子」という潔い舞台設定にしても、昨今では驚くに値しないレベルであり、そこから普通に物語を紡いでいけば何の抵抗もないのだが、現時点で「男がいない意味」が特になく、加えるなら「主人公がそこにいる意味」も分からない。「ISは女性しか動かせない」という設定を前提としても、「軍事利用が禁止されてもっぱら競技として使用される、女性専用の装甲兵器専門学校」に、「たまたまISが動かせるから」という理由で男子が入学する意味がないのだ。後半のクラスメイトの話を聞く限り、「ISで男子が女子に勝てたのなんてずっと昔の話」とのことで、「より高いレベルの学生を」という目的なら男子を入れる意味がない。そもそも、仮に主人公が他の生徒よりもずっと上手くISが使えるのだとしても、結局使用目的は「軍事使用を除いた競技目的」であり、当然周りの競技者は全員女性だ。となると、レギュレーションを考えればたった1人の男子がそこに割り込んでくることに何のメリットもない。「動かせて凄いけど、お前が動かせても仕方ないからもう2度と乗らなくてもいいや」ってなもんである。何より、女性しかいない全寮制の学校に男子を一人放り込むなど、面倒ごとしか起こらないことはわかりきっているのだ。わざわざ入学を認める意味が分からない。 もちろん、今後主人公の有用性、希少性が立証され、学園側が主人公を登用する意味が出てくるのだろうとは思うが、それにしたって、主人公の不真面目が過ぎる。特にISに対して熱意があるようにも見えず、特例を認められたからといって肩身の狭い学院に来る意味が分からない。どうせ動かせたとしても何の役にも立たないISのことなどさっぱり忘れて、普通の高校に進学した方がよほど青春を楽しめると思うのだが。 他にも、無遠慮に男女同衾を認める学園の姿勢だとか、馬鹿馬鹿しいにもほどがあるイギリス娘の性格だとか、なんだかラノベである云々以前に気になる要素が多すぎるし、笑いを取るタイミングもなんだかずれている。おかげで「どうせいつものノリ」と分かっていても、あんまりストーリーを楽しむという風でもないのである。ま、「ドラゴンクライシス」あたりと何が違うかと言われても答えられないのだが……やっぱり導入がヌルいってことかなぁ。今後のメカニックバトルでの、独自の客層の確保に期待したいところです。今期は他にロボットも居ないし、とりあえずそこさえおさえておけば最低限のラインは守れる気もするしな。 あとはまぁ、キャストの話。主人公一夏役は、「屍鬼」でステップアップを果たした内山昴輝。最初聴いた時には誰だか分かりませんでした。順調に技術の基盤を固めている印象。そして相方にはぴかしゃこと日笠陽子。ぴかしゃの黒髪ストレート率は異常。今年度だけでも澪、マヤ、シノ、セラ、そしてこいつで、黒髪ロング5段活用である。さらに武器をもって襲いかかってくる率と釣り目率も高い。ここまで安定感があると、役者業としては不安になるよね。でもエンディング歌唱の安定感も異常。仕事があるのは何よりです。
「Arms Dealer/武器商人(MMQ)」 U
こりゃまた懐かしいカードだ。当時に比べるとグッとイラストが可愛くなっている。ちなみに今作のゴブリンは、「クレンコの命令」も含めるとコモン5,アンコ1(こいつ)、レア1。まぁ、そこそこ? 1引きで「クレンコ」しちゃうとマジやべぇ。 「Bladetusk Boar/刃牙の猪(ZEN)」 C ゼンディカーからの地味キャラ再録が多いな。いや、こいつって基本セットにいれることを考えればかなり優秀なカードだけども。威嚇がキーワード化したのって確かこいつ(ら)が初だったっけ。 「Canyon Minotaur/峡谷のミノタウルス(M11)」 C 実はM12は欠席してたのね(「血まみれ角のミノタウルス」がいたからな)。変更ナシだけど、こいつのフレーバーテキストの掛け合いがなかなか雰囲気があって好き。 「Chandra, the Firebrand/炬火のチャンドラ(M12)」 M この子は「軽い方のチャンドラ」っていえばいいのかな。強いか弱いかは……分からん。構築採用実績だと初代が一番多かったのかなぁ。彼女の時代はどこで来るんだろうなぁ。 「Fervor/熱情(7ED)」 R 随分懐かしいエンチャントが再録された。確かに基本っぽいのに、まだほとんど再録実績が無かったのね。まぁ、「ヤヴィマヤの火(INV)」の登場で拗ねてたイメージしかないんだけど。なんでこの期に及んでレアリティあげてきた? 「Fire elemental/炎の精霊(7ED)」 U ザ・基本セット。これでアンコモンっていうのが素晴らしい。そりゃコモンだったらまずいけども。 「Furnace Whelp/焼炉の仔(10ED)」 U 「ドラゴンの雛」がちょっと大きくなった姿。今更ながら、なんでこいつの初出がフィフスドーンなのかがよく分からない。 「Goblin Arsonist/ゴブリンの付け火屋(M12)」 C 現在は狂喜トリガーとして八面六臂の大活躍を続ける火の玉野郎。今後もゴブリン部隊の一番槍は任せとけ。 「Goblin Piker/ゴブリンの長槍使い(M12)」 C 無くてもいい基本セットカード軍団の1枚。いや、2マナパワー2だからまだマシな方。リミテッドだと早い環境なら割と使われたりもするしね。「ゴブリンの手投げ弾(M12)」があるなら加点。 「Hamletback Goliath/村背負いの大巨人(LRW)」 R とにかくでかい。ほんとでかい。……うん、でかい。 「Kindled Fury/火をつける怒り(M10)」 C 赤のパワー・先制攻撃インスタントが、3年前から、コレ(+1),「雷の一撃」(+2),「殺戮の叫び」(+3)と少しずつ大きくなり、「次は+4がくるのか!」と思ってたら、何故かスタート地点に戻った。何のローテーションなんだろう。 「Mark of Mutiny/反逆の印(ZEN)」 U 「反逆の行動」が退場して、再び赤のパクりスペルはアンコモンに戻った。まぁ「投げ飛ばし」も退場したし、落ち着いたんじゃないかしら。 「Mogg Flunkies/モグの下働き(STH)」 C 地味に要注目な伏兵の再録。制限有りとはいえ、2マナ3/3の馬鹿ボディは充分な実績有り。懐かしいなぁ。当時Magic始めたばっかりの時に、経験者の友だちがこれとか「ルートワラ」が詰め込まれた赤緑ウィニーでボッコボコにしてくれたっけ……当然「怨恨」入りでね……。あのとき遊んだA君は、今どこで何をしてるだろう(東京で会社員やってます)。 「Reverberate/余韻(M12)」 R 「移し変え」と同じジャンルで、書いてあることは強い。これで相手の「巻き直し」をコピーしてカウンターすると2マナ浮くという謎現象が起こるぞ。 「Torch Fiend/松明の悪鬼(DKA)」 U 意味なし再録。しかも地味にアンコモン。「初心者に配慮」っていうと聞こえはいいが、単なるパック開封のモチベーションキラー。「躁の蛮人(M12)」で良かったやんね。 「Trumpet Blast/ラッパの一吹き(M10)」 C リミテッドだとまれにそこそこレベル。「掲げられた軍旗」の倍、って書くとすげぇ弱そう。 「Turn to Slag/金屑化(SOM)」 C スタン落ちをかろうじて回避だ!! 別にお呼びじゃねぇけど! 今回のリミテッドはうざい指輪がぽこぽこ出てくるので、案外大事だったり。 「Volcanic Geyser/溶岩噴火(6ED)」 U 2年間基本セットに在籍していた「火の玉」を押しのけて、アンコX火力枠が交代。再録が実はこれも15年ぶりという。多分私が一番最初に目にしたX火力って、6th版のこれなんですよ。懐かしいなぁ。6thってこれと「猛火」が一緒に入ってたんだな。 「Volcanic Strength/火山の力(M11)」 C これも1年休んでたカードなのか。あっしがMagic始めた頃は「巨人の力(6ED)」でしたがねぇ。 「Wall of Fire/炎の壁(M10)」 C 再録実績多数のベテラン選手だが、今回初めてコモンに格下げされた。いや、いっぱい出てこられても……
○「放浪息子」 6
今期のノイタミナの密度はものすごいものがあり、ヤマカン・岡田麿里のコンビがお送りする「フラクタル」の後には、この作品が待ち受けている。監督があおきえい、シリーズ構成はなんと、岡田麿里だ。……関西だと「フラクタル」と同じ時間に「GOSICK」もやってるんですが、こちらも構成は岡田麿里だ。1時間で彼女の仕事が1時間半分楽しめるという、矛盾した状態だ。……マリー、過労で死ぬなよ。 さておきこの作品。原作は未読で、実家にいた時に実兄がこの作者のファンだったので漫画は置いてあったのだが、何かの作品をちらちら流し読みして結局触らずじまいだった。後になってから「ささめきこと」のいけだたかしが対談をしており、そこで「男の娘」について熱く語っていたことで改めて興味をもったのだが、結局この作品がアニメ化することになり、「まぁ、アニメになるならその前に原作は読まない方がいいよな」ってことで保留していた。あおきえいの監督作品ってことで、少なからず期待もしていたし、ニュートラルな状態で観たかったのである。 で、1話だが、なんと言っても特徴的なのは画面の配色だろう。ホワイトバランスを間違ったんじゃないかと思わせる、徹底的に光でトバした白、白、白。ものすごい光量だ。そんな状態だから一瞬「これって作画の手抜き?」とか思ってしまうが、実は白い中にもものすごいクオリティの描き込みが施されている。予想外の方向から、「見たことのない画面」が現れたものである。そんな中で微妙に顔の区別が付きにくいキャラクターたちが動くわけだが、白い中でキャラクターまでもが白く、ちょっと油断すると浮き上がるかのような不安定さを持っている。そして、そんな状態なのに、一切の「浮き」が感じられないのが紙一重。 「フラクタル」との連続視聴だったということもあろうが、特にこの作品、一切緊張感が途切れる瞬間が無かった。1話目だというのにとんでもない人間関係が説明無しに流れていったことも理由としてあげられるが、中学1年生という微妙な年頃のキャラクターたちの落ち着かない心情がこちらにも伝染してしまったかのように、終始そわそわしてしまうのである。確かに思い返してみれば、6年という長い小学校生活を追えた後の「大人の第一歩」である「中学校」という舞台は、子供心に不安一杯、期待一杯の奇妙なフィールドであった。こういう年代を描いたアニメって案外少ない気がするのだが、普段なかなか刺激されないような奇妙なノスタルジーもあり、少年少女たちの多感な精神の揺れが、白い画面にジワジワとしみ出してくるのを止める術がない。初めての自己紹介でのやきもき感や、旧友との下らない会話での安堵感、そして過去の「恋人」との奇妙な関係性。女装男装というイロモノ要素を取り除いたとしても、この作品で描かれているモノは、どこか敏感な部分に触り続けている。 そして、ぶっ飛び要素としての「男の娘」。今となってはオタクの萌え要素の1つみたいに拡散したファクターだが、おそらくこの作者にとっての「女装趣味」はそんな浅薄な理念から描かれたものではない(「バカテス」の秀吉のような、単なるキャラクターの1要素では終わらない)。女装趣味は主人公修一の人生を表すものであり、この作品のテーマそのものである。1話では恐ろしいことに「女装」という言葉はほとんど使われず、気付けば修一は「男の子」と「女の子」を自然に行き来する存在となっている。かろうじて姉からは責めを受けているものの、他の登場人物たちは、そんな修一の趣味について、完全に許容している状態になっているのである。 おそらく今後の展開で改めてこのことについての「禁忌感」みたいなものは出されてくるのだろうが、これだけ「濃い」設定が「進学」という緊張感の中でするりと入ってきてしまう導入はどこか異様だ。おそらく、こういう「濃い」テーマを描くための1つの裏技が、画面を覆い尽くす「白」なのだろうと思われる。桜が舞い踊る「白」の中を闊歩する女装少年。そこには奇妙さ、異様さはあるのだろうが、どこか美しく、尊いものであるようにも見えてくる。この背徳感と隣り合わせの甘美さこそが、この作品そのものなのではなかろうか。予断を許さない作品です。 最後は一応キャストの事。主人公の修一役は、完全に素人の子。微妙な年頃の微妙な声音を表現する手法として、まさかリアルで中学生男子を持ってくるとはおもわなんだ。確かに、このポジションをやろうとするとどうしたって女性声優になるのだろうが、それだとあまり切迫感が出ない可能性はあるので、キャスティング側の英断といえる。小学校からあがりたての幼さが残る感じは、拙いながらも面白い配役。同様にヒロインよしの役も新人だ。このあたりの先入観を抱かせない布陣が、今後吉と出るか凶と出るか。他の面々も色々と面白い名前が並んでおり、例えば千葉紗子・南里侑香のtiarawayコンビが久し振りの共演。千葉さん、産休明けで久し振りの顔見せでしょうか。また、南里侑香は南條愛乃と並べると南南コンビで、やたらアーティスト色の濃い布陣である。なんか、新鮮。
○「フラクタル」 6
個人的には、今期最も注目している作品である。何しろあの山本寛の監督作品。しかもその喧伝手段が「引退も辞さない」というのだから穏やかではない。脚本構成には岡田麿里や東浩紀の名前が連なり、アニメオリジナル作品として、どこまでの完成度になるのかというのは本当に楽しみでもあり、怖くもあり。 1話目を見ての感想は、「まず確実に面白い」というそれなりに好印象なもの。先んじて放送された関東の方の感想などはちらほら流れてくるものの、なるべくフラットな体勢で見るために出来るだけ耳を塞いでいたのだが、そんな中で「なんかジブリっぽい」という文言が漏れ聞こえてきていた。確かに、冒頭部分からの雰囲気はパッと見にジブリ作品を連想させる。ちょっと古めかしくて牧歌的な印象の舞台設定がそうだし、キャラクターデザインもどこか前時代的なものを感じさせるように見える。「ドッペル」と呼ばれる奇天烈な電子存在のデザインにも、寓話的でありながら、どこかイカれたような独特のセンスが伺える。そして、飛行機械から落下した少女と、主人公の少年の出会い。何ともテンプレートな印象を与える、「ジブリ的な」出だしと見られないこともないだろう。山本寛が目指していたものはジブリの模倣なのかと、些か不安になる部分ではあった。 しかし、少しずつ視聴を続けるうちに、どうやらそうでもないぞ、というのが見え始める。「祈り」を強制する奇妙なフラクタルシステムと、何者かに追われる美少女の存在。そこに見えるのはシンプルな「頑張れ男の子」を予感させる構図であり、もっとあけすけにいえば現代深夜アニメに通底する「萌え」路線の布石。なんだかとんちんかんな行動を続ける少女フリュネのキャラクターも、デザインのおかげで微妙な「今風」とは違うように見えながら、その根本は分かりやすいヒロインになっている。さらに、その後に出てくる謎の幼女と取り巻きの黒服なんかは、もう、ストレートなギャグアニメのテンポになった。作品は、少しずつ、良く馴染んだ「深夜アニメ」の空気をまとい始めるのである。やはり、このメンバーで考えて作り上げた作品が、フワフワと俗世から浮いたようなものになるはずはないのである。 そして、作画面、演出面において、ヤマカンはいつも通りのディレクションを徹底している。「ジブリみたい」と言われているのは作画枚数の多さと詳細なキャラ動画の質による部分が大きいと思うのだが、例えばフリュネが飛行機械から飛び降りるシーンなんかは、独特の浮遊感に卓越した作画の勘が見える。その後の追跡側の飛行船が空中で制動する様子なんかも、普通ならなかなか描ききれない部分。これまで数々の「リアル」を生み出してきたこだわりが生きる場面である。そして、キャラの掛け合いの時に見せる独特の台詞の被せ方なんかも、おそらくヤマカン本人のディレクションによるものだろう。「あるキャラがしゃべってから他のキャラの台詞を入れる」という「芝居的お約束」をあっさりと打破して、多少クロストーク気味に被せた演技の見せ方は、そこに何ともいえない「現実感」みたいなものを持ってくる。過去には松尾衡の手によるプレスコ録音などで実現していた方法だが、これをかなり意図的に組み込んでいるのも「挑戦」の1つの現れととれそうだ。 こうした細かいながらも難度の低くない様々な努力によって、この作品は世界作りの厚みを増している。一応説明がちょろっと出たものの、結局何がなんだか分からない「フラクタルシステム」はわずか1話でその全貌が何となく染みこんできているし、冷静に考えれば無茶しかやっていないフリュネの行動にしても、主人公クレイン同様、いつのまにやら巻き込まれて慣れてしまいそうな自分がいる。1話における「世界の導入」のバランスは、まずまず良いものだったといえるのではなかろうか。 と、色々褒めてもいるのだが、勿論不安も多い。一番の不安は、「これ……売れるのか?」という部分。このまま壮大な物語へと繋がっていく期待感こそあるものの、この作品は1クールであることが既に発表されている。わずか12〜3話程度で、この独特の世界観をどこまでまとめきれるのか、1話の流れがゆったりとしていたこともあり、今からちょっと怖い。また、期待感から1話は終始楽しく見られたのであるが、いわゆる「アニメファン」の目にこれがどう映っているのか。シナリオラインだけを追えば、前述したようにシンプルなボーイミーツガールであり、何か劇的なサプライズがあるとか、未だかつて無かったものすごい技術力で圧倒的な戦闘シーンを描けるとか、そうした部類の作品にはならないだろう。あくまでヤマカンの武器はその精緻な世界作りと、計算に計算を重ねた(上でこしゃくなマネをしてくれる)癖のあるコンテワークだ。「ハルヒ」「かんなぎ」などの阿漕さを押し出した作品作りならばこれも活きるだろうが、この「フラクタル」の世界はどこまでヤマカンワールドとしての受容体を持つものか。実に余計なお世話ではあるのだろうが、そうした「先の見込み」が見えてこないのは不安要素である。 ま、ノイタミナ枠なので最低限の売上は確保出来ると信じているし、別にヤマカンが今後どうなってしまおうと問題はないのだが、自分テイストを充分にもった貴重なクリエイターなのは間違い無いので、今後も忌憚なく作品作りに専念できるように、何とか一発当てて欲しいものである。 一応最後はキャストの話。画伯の話はもういいとして、ヒロインフリュネ役はどうやら新人さん。歌まで含めた1話の中身は可もなく不可もなく(技術的にはやや不可気味だが)といったレベルで、癖のあるディレクションの中でどのように芝居の腕を磨いていくのかが注目。他にキャラクターはほとんど出てきていないが、やっぱり井口裕香ボイスじゃないですか? いやぁ、うざ可愛い。このゆかちは間違い無く良いゆかち。今後も是非作品をかき回して欲しいもんです。でも、次からかき回し役は最後にちょろっと出た花澤香菜になるのかな? ヤマカン作品で花澤が出るんだったら、もうついでに戸松も出してよ。 相変わらずヴィクトリカが可愛い第2話。なんかもう、作画演出も良好でそれだけ見てればいいような気もするんですが、そこに集中しようとしてもシナリオ部分の浮き方が半端じゃないので、そっちが気になって気になって仕方ないです。こういういただけなさはどうにもやるせない。 色々と突っ込みどころが多いのだが、そういう場合には、原作読者が「原作では説明されているよ! 削って描写してるアニメ製作陣が悪いんだよ!」という主張をする場合がある。当然のことながら私は原作を読んでいないので、その責任の所在が原作にあるのか脚本を起こした人間にあるのかは分からない。また、一応ミステリ的な題材なので、現時点で分からないとしてもそれが伏線であったり、謎の本質であるという可能性もあり、分からないこと自体が正解ということもある。それでもなお、気になってしまう部分はあるのでとにかくアニメを見た時点で理解不能で、納得出来ない部分をあげてみよう。 まず、具体的なトリック部分について。1番最初の疑問は、パンしか喰ってない一弥が「一服もられた」といって他の連中と同じように眠りこけたこと。そりゃま、パンにも薬が入っていたと考えられるわけだが、パンにだけ入っていたならば逆にヴィクトリカが眠らないことになるので、全ての料理に満遍なく睡眠薬が含まれていたと考えられる。となると、一弥は圧倒的に摂取量が少ないはず。にも関わらず、彼はむしろ他の人間よりも長いくらいに寝ているのだ。特別薬に弱い体質なのか、それとも寝不足だったのか。少なくとも他の「大量に摂取した人間」に比べたら効き目が出るのは遅かったはずなのだが、何故あんな風に一緒の扱いになるんだろう。少量でもすごく効くような劇薬なら、大量に摂取した他の乗客の命がヤバイ。普通に考えて「論理の再構成」をするなら、パンしか食べてねぇのに一緒に眠りこけていた少年が、一番怪しい人物だ。 一堂に会しつつ目覚めた12人の乗客、という設定も謎。ヴィクトリカは「食堂に11人いた」と認識しているわけで、最初の食事シーンで顔の判別くらい出来たはずである(画面上は確かに顔が見えないようになっているが、普通はお互いの顔も見えないような暗がりで食事はしないだろう)。10人程度ならぼんやりと覚えていても良さそうなのに、あの場面で「誰が12人目なのか」という魅力的な謎の解明が一切行われなかったのは何故だろう。中年の集団はそれぞれ顔見知りも多かったみたいだし、確実に食堂に居た人間を消去していけば、自ずと「犯人」の顔は見えてくるはず。たった1度の血文字の効果であそこまで取り乱しはじめる意味が分からない。っつうか、みんな普通に食事してたはずなのに、給仕する側(ホスト側)の人間が一人もいないってのは流石におかしくないか? なんでそんなテーブルで平然と飯が食えたのだろうか。 船の構造も不思議だ。あれだけのパニック状態になったなら、まずは運転室に向かって船を操作しよう、というのが当然の発想だと思うのだが、無人で航海を続ける船は滞りなく海を進んでいる。誰もそこに突っ込まないのは何故か? また、後々の部屋誤認トリック(モロバレだが)の構図を見る限り、一人目を殺したボウガンの矢は隣の部屋のドア付近から飛んでこないとおかしいはずなのだが、どこにも発射装置らしきものが見あたらない。一体どんな構造になっているのか。ドアにトラップが仕掛けられている可能性も高いはずなのに、「その部屋を開けてみろ」と一弥に命令するヴィクトリカもマジ鬼畜。 そして最大の疑問は、どうにもアップダウンの激しい容疑者(兼被害者)たちの心理状態だ。こうしたクローズドサークルもので最も難しく、描写しがいがあるファクターは「極限状態で追い詰められていくキャラクターたちの心理状態」だと個人的には思っているのだが、そこがまったくついていけない。部屋を飛び出して殺された1人目の老人。これは典型的な「お前らと一緒にいられるか! 俺は部屋に戻る!」役なのでまだいいとして、その後の面々が「ボウガンがいきなり飛んできた」のを目の当たりにしながら考え無しに部屋を飛び出した理由が分からない。「CUBE」のようなトラップパニックものなら、これまで進んでいなかった未知のフィールドに進む方が圧倒的に恐ろしく感じると思うのだが。あの老人達は船のトラップの場所を全て熟知した「猟犬」たちだったということか。それなら最初の一撃で殺された説明がつかない。 極限状態になっているとはいえ、あそこまで荒れ狂う海に飛び出そう、という神経も分からない。素人目に見ても、船の上なら未知数だが、海に出たら確実にお陀仏だということくらい分かりそうなものだが。もし「死んでもいいから逃げ出したい」ほどの恐怖があの船の上にあるのだとしたら、その描写は未だなされておらず、説得力に欠ける。そもそも、そんな連中は招待状1つであの船に乗ったりはするまい。他の連中にしてもどこまで怖がっているのかが微妙で、舞台俳優の某は自己紹介のくだりで「殺人犯の役をね」なんて余計な軽口を叩きながら、「お前がやったのか」と詰め寄られるとマジギレするという訳の分からない精神状態である。当然、突然ブチ切れて銃を振り回し出すおっさんの心情など分かるはずもない。 また、これは矛盾というより描写不足の部類だが、一弥とヴィクトリカの絡みでは、序盤に一弥が「ヴィクトリカは死体を前にしても冷静なままで、本当に感情があるんだろうか」みたいなことを思い、後半に彼女を背負うシーンで「やっぱり幼い女の子なんだ」と思い直す部分がある。ヴィクトリカという不思議なキャラクターの内面性を探る効果があるわけだが、他のギャラリーもいちいち死体のことなんか気にしてないし、一弥自身がそこまで事件に恐れおののいている風にも見えない。他との対比で「ヴィクトリカの強さ」みたいなものが見えにくく、かえって「実はふるえている」ことの方が不自然に見える。 とにかく、色々なシーンにおいて理屈が合わなかったり納得出来なかったり、フラストレーションが溜まっていく。これで一弥がエレベーターに乗ろうとして俳優の人が「よせ!」って叫んだことが伏線になってなかったらどうしよう。マジでこのシナリオラインだと矛盾だらけだからスルーされそうな気がするんだが……どうかねぇ。 |
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