最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「それでも町は廻っている」 5→5 今期2本あったシャフト枠の2本目。シャフト枠というだけでなかなかフラットな態度で見るのが難しいわけだが、終わってみればそれなりに世界観を楽しむことが出来、初期の予想よりも無難な着地をみせた、という印象である。 対比される対象は、同時期に放送されていたシャフト作品「荒川アンダーザブリッジ」。どちらもちょっと独特なテイストが売りのギャグ作品という意味では共通しているが、アニメ単体で見た場合にはこちらの方が好みだ。「荒川」はどうしてもネタ自体が単調であり、アニメにしたときに映えにくい部類のものであるし、時たま入るシリアスとのかみ合わせも今ひとつの部分が多かった。それに対し、この「それ町」はネタの癖が強くて、単純に「ここで笑え」というのが分かりにくいネタ回しが多い。そうした小難しい部分が、シャフト独自の演出技法とかみ合ったときに、独自の味わいが出てくる場合がある。また、「荒川」は荒川住人というネタパーツをつなぎ合わせる形式を採っているために焦点が散り散りになり、中心となるリクがきちんと機能しないとグダグダになってしまう危険性を孕んでいたが、「それ町」は「キャラクター自体がネタ」という構成ではなく、あくまで歩鳥という中心人物が巻き起こすドタバタに回りの「一応常識人」たちが巻き込まれていく形。その分焦点が絞りやすく、歩鳥のキャラクターさえ確立させれば、回りのキャラクターの負担はそこまで大きくならない。描くべき要素が散逸的でなければ、シャフト演出の「空気の変形」が使いやすくなる。タイトルにあるように「町」という単位を1つの笑いのフィールドにしているので、そこから歩鳥へと収束させていく全体構成が見えやすく、コントロールしやすかったのだろう。 正直言うと、そこまでギャグの波長は合わなかったので、心底面白いと思えるようなエピソードはあまり無かったのだが、少なくとも始まった頃よりは終わった今の方がこの作品のことが好きになった。おそらく、当初勝手に思い描いていたギャグの要素が、実際の作品のそれに即したものに近付くことが出来たためであろう。個人的には5話目の「実に微妙なカード」とか、11話の「ジョセフィーヌの夏」みたいな、ダラダラしながらも世界観が広がっている感じのお話が好き。あくまで空気でユルい笑いを取る。それくらいでこの作品は充分なのだろう。そうして見れば、あまりどぎつくせずにちょっといじったくらいのシャフトの演出方向も、正しい方向だったという気がする。これならそこまで製作側にも負担はなかろうし、2期を望む声にも応えやすそうだ。 ただ、やっぱり立て続けに2本ずつ製作しているしわ寄せが来ているのか……ちょっと作画状態が不安になった時期があったのは難点である。最終回も背景動画を採用したのに枚数が限られてたせいでカクカクしちゃったり、粗の目立つ仕上がり。キャパに合った演出を心がけないと足下を掬われかねないので、スケジュールとのすりあわせもちゃんとやって欲しいところか。総じて見れば、悪印象は特にないので、「夏のあらし!」みたいに2期が帰ってくるとそれなりに楽しい気がします。 もちろん中の人の話は無視できないところだろう。当然私の中で最も重要だったのは辰野さんの中の人である悠木碧。あおちゃんの中では一番「普通に」大人っぽい女性像。ほぼ実年齢と一緒ってこともあるし、色々と見たことのないキャラクターが出てきて面白かったです。対抗として、これが事実上のデビューとなる紺先輩役の矢澤りえかが気になる存在。人気キャラ(だよね?)の紺先輩をそつなくこなし、充分にキャラの魅力を維持したことは新人としては文句のない業績であろうし、エンディングの歌唱担当をこなしたことでそっち方面の技能もアピールすることが出来た。声質はかなり好みの部類なので、今後の活躍は大いに期待したい。あとはジョセフィーヌ役の松来さんですかね。まつらいさん……(実年齢からするとそっちの方がふさわしいはずの)歩鳥の母親役より、タヌキ面の動物ボイスの方がはるかにしっくりくるのはどうしたもんでしょうね。 歩鳥の中の人については……もうどうしようもない。だんだん回りに「あれに慣れてきた」という人が増えているので戦々恐々である。あかんて。 PR
「アマガミSS」 5→6
世界中の変態紳士に愛されて終わった、職人芸の光るギャルゲーアニメの2つ目のゴールライン(1つ目は「ヨスガ」ね)。何が白眉というほど目新しい内容があったわけではないのだが、2クールかけてきちんと全てのヒロインを描ききった手堅さと、ニーズに全力で応える阿漕さのおかげで秀作レベルには至ったのではなかろうか。 すっかり馴染んでしまったおかげで忘れがちだが、この作品で最もエポックメイキングだったのは、全てのヒロインをショートストーリー形式でリセットして詰め込むという構成そのものである。「ヨスガ」の方がさらに技巧的に難しいことをやっていたので改めて見ると単純な思いつきではあるのだが、こちらの構成にしたって、そうそう易しいものではない。各々のヒロインには独自の持ち味があり、それを全て横並び一線で見せていくのは、案外神経を使う作業だったのではなかろうか。また、原作ゲームの都合上、どうしたってクリスマスや学園祭といった同じ時期のイベントを何度も何度も繰り返すことになるため、マンネリ気味になることも避けられない。そのリスクを理解した上で、真正面からこの形式に挑み、結果を残したことは評価されるべきである。 各ヒロインの配置にしても、なかなか考えられた順番になっている。先頭を切ったのはヒロイン人気も充分なこの作品の顔ともいえる森島・ラブリー・はるか先輩。膝裏イベントというレベルの高い紳士イベントで視聴者を鷲掴みにしつつ、実に明快なハッピーエンドを用意して「数話構成のショートストーリーオムニバス」形式を印象づけるとともに、次への繋ぎを務める。また、ヒロイン勢の中でも一番さばさばしているので絡みやすく、メインヒロインを務めた後にも他のシナリオにしれっと介入できる森島先輩が真っ先に紹介されるってのも、後々の構成上大切なファクターだったのではなかろうか。 2人目の棚町さんについても似たような印象。森島先輩に比べるとややキャラは弱いものの、臍舐めイベントなんてレア度の高いアプローチを挟みつつ、後々のヒロイン勢のために「悪友」の印象を強くインプットする。そして中盤戦になると、中田譲治のナレーションという変化球を売りにするギャグレベルの高い中多さんを挟み、中ボスクラスの試練、七咲。エロ度の高い「主力兵器」の投入で、中だるみを感じさせない。箸休め替わりの理穂子(失礼)で間をつなぎ、最後の最後はラスボスの絢辻さんへと至る。そしてラスト1話で…… ふむ、やはりこうしてみると、ショートストーリーズと言っているにも関わらず、不思議と全体を通した流れが見えるようになっている。これだけのヒロインを喰い漁った我らが橘純一君にはお疲れ様としかいいようがないが、不思議と女たらしなイメージも無いし、各々のヒロインの独自のセールスポイントがきちんと理解出来たおかげで、どのキャラも充分に魅力的に見えた。このさじ加減は、今後のギャルゲーアニメでは1つの指針となるかもしれません。 で、美也の攻略はまだかね?
○「Rio -RainbowGate!-」 4
パチンコだかスロットが原作となる作品、ってことで、ある意味「うみものがたり」に通じるものはあるのかもしれないが、パチンコ屋からそのままカジノに移行したというこちらの方が分かりやすい。ただ「うみものがたり」の時にも思ったのだが、元々大して物語性のないパチンコ台なんかを、わざわざアニメシリーズにする意味はよく分からないのである。 多分に予断を含んでいるので申し訳ない話なのだが、どうも加戸監督が作る「萌え作品」というだけで斜に構えてしまう部分があり、受け入れにくいものになっている。監督は過去に「To LOVEる」で大失敗を犯しており、今回は同じXEBEC製作での再挑戦という形になるわけだが、期待しろと言われてもちょっと難しい。もっとシンプルなバトルもの、ファンタジーものをやるならそれなりに描ける監督だという認識はあるのだが。 今作についても、予断の通りとしか言いようがない1話目であり、お色気要素や派手目の戦闘シーンなんかで見せ場を用意しているのは分かるのだが、そのどれもが適当な印象で、少なくとも「作品世界にのめり込む」のは無理な状態。個々のエピソードを繋ぐテンポがもっさりしていて、勧善懲悪の高揚感が乏しいのである。具体例は出しにくいのだが、例えば1話目でいえば、「悪役が出てくるがリオにあっという間にのされて一時退却するシーン」というのがあり、後から考えれば「リオが相手の目的をぬいぐるみであると知るために必要なシーン」だったと分かるのだが、見ている視聴者からすると、単に間抜けな男が出てきて軽く殴られてすぐに退場しただけの、本当に無駄なシーンにしかみえない。リオがちょっとだけメイド服に着替えるくだりとか、ハリウッド女優がスロットに悪態をつくシーンとか、個々のカットの意味が分からず、ただダラダラと「リオの周りにあった風景」を切り貼りしているようにしか見えないのである。一番導入に気を使う必要があるはずの1話目でこの調子だと、今後息をのむ展開を期待するというのは酷な気がするのだ。 シナリオライン以外の見どころとしては、バトルシーンでの馬鹿馬鹿しいとすらいえるエフェクトバリバリのギャンブル描写があった。今回はポーカー1回戦という盛り上がりが感じられない内容ながら、敵方は「自分の女運を利用して強引にクイーンを連れ去る」という理屈もへったくれもない能力をコミカルに表現していたし、そんな愚策をまるっと飲み込んだリオの持ち味は柔らかな植物の生長として描かれた。これらのシーンは「ギャンブルなんて行程だけを見たら地味なことの繰り返しだから、アニメ的演出で見せ方を工夫しよう」という方向性だけなら勿論正しい。実際、劇画調になったりしてコロコロ画面が変わるのは面白い部分であった。ただ、いかんせんバトルの内容そのものが地味過ぎる。今回の勝負なんて、単にカードを1回チェンジして終わり。いくらフィーチャーマッチになったポーカー勝負とはいえ、チップのやりとりやコール・レイズを交えた心理戦もなしに「ギャンブルで勝ちました」と言われても、なんの説得力もない。事前にリオが披露した「ルーレットでプロポーズの勇気を与える作戦」も、「どうしてリオがチャレンジャーの恋人の誕生日なんて知ってたのか」という情報が一切無いので、本当に「単に運がめっちゃ良かった」というだけのエンディング。実際、リオの能力は「単なる幸運」でしかないのかもしれないが、それで1シリーズの物語が紡げるとはとても思えないのであるが(そもそも、客がラッキーになるディーラーって、カジノ経営側からしたら単なる疫病神だよね?)。 どうにも見どころが分かりにくい今作。一応「井上麻里奈がメインで頑張ってる久し振りの作品」ってことで視聴は続けたいところだが、今後の展開次第ではさようならを願う可能性も低くない。やっぱりパチンコが絡む作品はあまり興味が湧かない。あ、あと「また竹達か」。なんでこんなに重用されるんだろうなぁ。
○「魔法少女まどか☆マギカ」 5
今期わが家で口火を切った新番組は、色々と話題の豊富なこの作品である。記憶に有る限りで、シャフト単体元請けでオリジナルというのは初の試み。嫌が上にも気になる存在である。 初見時の印象は、事前に予期していたものとほぼ一致。それは「ウメス絵がなぁ……」である。冒頭からシャフト風味全開で構築された画面に、適度な緊張感を持ちながらもベタベタで分かりやすい脚本のライン。そんな構造の中で、何かかみ合わないのは平和の体現者とすらいえる蒼樹うめによる、いわゆる「つぶれあんパン」な絵柄。幾何学的なプロップの配置にしろ、色彩から有機的な要素を取り除いたシステマティックな背景にしろ、ウメス絵の持つ緩めの空気とはかみ合わないイメージが強い。これは事前にキャラ絵が発表された時点で危惧されていた部分なのだが、いざ放送されてみると、最近では「化物語」以来久し振りにガリガリのシャフトカラー強めの画面構成となったため、想像以上にキャラ絵が浮き上がる結果になってしまった。「そもそもシャフト演出自体がおかしいんだから仕方ねーだろ」という意見もあるかもしれないが、全体的なテイストとの融和性の差は、似たような画面をもっていた「化物語」の1話と比較するとはっきりするのではなかろうか。 だが、そんなありきたりの不満が、後半の化け物襲撃シーンで霧散してしまった。ほんわか魔法少女と、それにそぐわない無機質で奇妙な背景という取り合わせの不協和音に、さらに劇団イヌカレーによる「異質さ」の固まりである切り絵による「現象」が投げ込まれる。もう、それだけで画面はカオスを極める。何しろ、何が起こっているのかさっぱり分からないのである。キャラクターたちの反応から「その異質なものが実際に現世に現れており、なんかヤバい雰囲気になっている」ということくらいは分かるのだが、どこまでが異質で、どこまでが日常なのか、その線引きが出来なくなる。つまり、それまで感じていた「異質さ」が無理矢理「それまで受け入れられてきた日常」という強引極まりないグルーピングによってひとくくりにされるのである。この統合手段は、反則だ。何が反則って、「これはシャフトがやるしかない」と、強引に「シャフトが作る理由」を認めざるを得なくなってしまうではないか。 「異物による、食い合わせの悪さの統合」という強引さは、よくよく考えてみればシャフトという会社の体質そのものなのかもしれない。今ではすっかりお馴染みになっている「シャフト風味」は、そもそもアニメとしておかしかったからこそ「持ち味」になったのであり、どぎつい陰影を主な武器とする新房演出は、そのアクの強さゆえ決してメジャーになるようなものではなかったはず。その悪ふざけをシャフトという会社が一手に引き受け、「ぱにぽにだっしゅ」で1段階目の完成を見いだし、「絶望先生」で加速させて「化物語」で髄へと至る。ひょっとしたら、この「まどか」はそうした「シャフトの歴史」を改めて1つの作品として体現させるためのツールなのではないか。 「ひだまりスケッチ」の絵を使い、魔法テイストは「ネギま!?」風味が多く、その上でやることは「ダンスインザヴァンパイアバンド」や「月詠」に見られたバトルを含む。大甲子園ならぬ、大シャフト園。シャフト・虚淵玄・蒼樹うめ・梶浦由紀。全てがかみ合わないように見えるが、最終的にこれらを最高の形でまるっと包み込む異形の中の異形。そうした結末が見られるのならば、こんなに楽しみなこともないだろう。……まぁ、現時点ではどう転がるのかはさっぱり分からないわけだが…… 「シャフトの総体の発現」という側面は、「シャフト声優」と呼ばれているキャスト陣にも現れている。メインキャストとなる悠木碧や喜多村英梨は、確かに過去のシャフト作品に登場したことがある役者であるが、意外に、「1度きりの登用声優」が多い。悠木碧は「ダンスインザヴァンパイアバンド」のミナ、喜多村英梨は「化物語」の火憐、水橋かおりは「ひだまり とにかく「シャフトだし」の一言で片が付いてしまう、何とも奇妙な道を歩み始めた謎多き作品。この後ますます頭を抱えることになるのか、意外に素直で腰が砕けることになるのか。親シャフト派の人間としては、是非とも「化物語」すら凌駕するような「シャフトの中のシャフト」を、このオリジナルコンテンツで実現させてほしいと願っている。ま、どの程度そういうニーズがあるかは分からないんですけどね。
<緑>
Abundant Growth 豊かな成長 (G) C エンチャント・オーラ エンチャント(土地) 〜が戦場に出たとき、カードを1枚引く。 エンチャントされた土地は「(T):あなたのマナ・プールに、好きな色のマナ1つを加える」を持つ。 今まで無かったのが不思議なくらいの、分かりやすいオーラ。能力としては単なるマナフィルターと見ることが出来るので「マナの大鉢(CON)」と同じだが、緑は専門色なのでキャントリップが付いた。リミテッドで2色以上になったなら、何となく突っ込んでおいても一切邪魔にはならず、余計な色事故をフォローすることが出来る。緑をメインにするデッキならば、とりあえず全部突っ込んでおいても問題無い性能。これを使って奇跡カードを引いちゃうと損した気分になるが、確率的には別に大した差は無いので、運が悪かったものと諦めよう。今回の緑は、これと「国境地帯のレインジャー」でコモンから安定して色マナを供給する仕事が出来るので、マナ拘束厳しめのこの環境では散らし気味の戦略をとれる唯一の色である。アーティファクトにも大したマナソースがないのでね。 Blessing of Nature 自然の祝福 (4)(G) U ソーサリー 好きな数のクリーチャーを対象にとり、それらに4つの+1/+1カウンターを分配して置く。 奇跡・(G) カウンターばらまきソーサリー。4つのカウンターを自由に分配出来るということで、イメージとしては同じコスト域で爆弾と恐れられた「増え続ける成長(LRW)」に近いだろうか。今をときめく「高まる残虐性」を気取って1体に4つモリモリとおいても良いし、フラッシュバックした「旅の準備」を気取ってみるのも良い。「旅の準備」が(2)(W)(G)のマルチカラーソーサリーだと考えれば、この呪文は大体同じくらいの効率という風にもとれるので、リミテッドレベルならば決定的な効果になるというわけだ。まぁ、序盤に撃てない、っていう弱点はあるが、「旅の準備」と違って自軍が1体でも気兼ねなく使えるし、何よりも無駄になりにくそうな奇跡のセッティングが非常にヤバい。決め手になる1枚にトップデッキ要素を持たせちゃうのは本当にエグいな。 Borderland Ranger 国境地帯のレインジャー (2)(G) C (M10から再録) クリーチャー・人間、スカウト 2/2 〜が戦場に出たとき、あなたは自分のライブラリから基本土地・カードを1枚探し、それを公開して手札に加えても良い。そうしたなら、あなたのライブラリを切り直す。 基本セット生まれの普通クリーチャーさん。原型は「護民官の道探し(RAV)」だが、今回はエルフではなくて人間が必要だったのでこちらが収録されたのだろう。「ウッド・エルフ(9ED)」などと違ってマナを加速させる働きは無いが、色事故を確実に防ぐことが出来る上に、この手のシステムにしては3マナ2/2と普通のボディを持っているのが売り。リミテッドでもじわじわとアドバンテージを広げるのに一役買ってくれる。「夜明け歩きの大鹿」の後釜と見るとそこまで輝いちゃいないが、別にやつに負けているわけでもないんだぜ。 Bower Passage 木陰の小道 (1)(G) U エンチャント あなたのコントロールするクリーチャーは、飛行を持つクリーチャーによってはブロックされない。 飛行嫌いの緑が、ついにフライヤーとの絶縁を宣言した。確かにフライヤーは止められない。しかし、お前らも止められないだろう、という平等なんだかそうでもないんだか分からない取引だ。実はこのチャレンジには以前もトライしており、完全に地上と空を分断する「密集した梢(SOK)」が、一度は離縁状として手渡されたことがあった。しかし、このカードは特に歴史に名を刻むこともなければ、リミテッドで活躍という話も無く、静かに環境を去っただけである。そこで、緑はもう一度同じチャレンジをした。ただ、今度は徹底的に自分に都合の良いように。もう、フライヤーはブロックとかしちゃいけない。それはもちろん、フライヤーでフライヤーを止めるのも駄目なのだ。こんだけフライヤーをヘイトしておきながら、自軍でフライヤーを使うと事実上アンブロッカブルになるっていう。なんかもう、色々と間違っている。まぁ、そんなこたぁ言っても緑にフライヤーなんていないし、大した差にはなってないんだけどさ。結局、フライヤーを止められないのなら根本的な問題解決とはいえない。「緑にフライヤーがいない」は厳然たる事実だが、別に「他の色に地上クリーチャーがいない」わけじゃないのも事実なわけで、この取引はどこまで行っても緑が有利になって終わることはないのである。 Champion of Lambholt ラムホルトの勇者 (1)(G)(G) R クリーチャー・人間、戦士 1/1 〜よりも小さいパワーを持つクリーチャーは、あなたのコントロールするクリーチャーをブロック出来ない。 他のクリーチャー1体があなたのコントロール下で戦場に出るたび、〜の上に+1/+1カウンターを1つ置く。 今回緑がフィーチャーしてるんだかしてないんだかよく分からないブロック制限能力を持つ、そこそこ酷いレア。パワーより低い云々でブロックされなくなるクリーチャーはそこそこ嫌らしいのだが、パワー1のおっさんなら宝の持ち腐れ。アニメイトが思い出したようにくれる謎のおまけくらい役に立たない。しかし、これが何故か「聖戦士の進軍」能力を持ち合わせているとなると話は違ってくる。仲間が増えれば増えるほどに、こいつの貫通力は高まり、しまいには手が付けられなくなる。そして、こいつがおかしいのは、そんな貫通力を「オラに元気を分けてくれてありがとう」とばかりに他人にもお裾分けし始めるところだ。とにかく見つけたら速やかに除去らないと、未だかつて無い謎のアンブロッカブル祭りが開催され、後にはぺんぺん草も残らない。一体どういう出自の人間ならこんな能力になるやらねぇ。リミテッドなら当然エンドカードになりうるが、結局は環境の軽量除去次第というね。 Craterhoof Behemoth 孔蹄のビヒモス (5)(G)(G)(G) M クリーチャー・ビースト 5/5 速攻 〜が戦場に出たとき、あなたのコントロールするクリーチャーはターン終了時まで+X/+Xの修正を受けるとともにトランプルを得る。Xは、あなたのコントロールするクリーチャーの数である。 緑はとにかく神話を重たくすればいいと思っている傾向があるが、なんだかんだいいながらも「食百足」はそこそこ成功の部類だったために、今度はさらに重たい領域へ。あのグリセルブランドさんやアヴァシンさんと肩を並べる8マナビーストは、出たときに「踏み荒らし」を発動する。上げ幅は自軍クリーチャーの数に依存するが、基本的に「踏み荒らし」が使いたいデッキなんてそれなりにクリーチャーが並ぶんだから問題無いだろう。その上で、この獣自体も速攻を持っているのが神話の神話たる由縁で、最低でも8マナ6/6速攻トランプルというラインは維持出来る。なるほど、強い。あとはどうやって出すかだが、まぁ、「原始のタイタン」さんに頼めば直通ルートですよ。あとは「緑の太陽の頂点」でサーチすれば1枚刺しでも問題なしだね。ついでに今ブロックはflicker効果も多いみたいなので、毎ターン出し入れして踏み荒らしを骨の髄までしゃぶり尽くすのもあり。なんか楽しくなってきた。夢でもいいじゃない。 Descendant’s Path 末裔の道 (2)(G) R エンチャント あなたのアップキープの開始時に、ライブラリの一番上を公開する。それが、あなたのコントロールするクリーチャーとクリーチャー・タイプを共有するクリーチャー・カードであった場合、あなたはそれをマナ・コストを支払うことなく唱えても良い。そうでないなら、そのカードをあなたのライブラリの一番下に置く。 現在、開けたパックから出てくると微妙な表情が隠しきれない「同族の呼び声」と似た感じのお友達わっしょいエンチャント。こちらはオーラではないので除去される可能性が低いのが売りだが、代わりにめくる枚数は1枚だけになってしまった。立て続けに似たような効果のカードがレアに収録されているのはちょっと謎だが、一応こちらのカードは「場に出すんじゃなくてキャストしなきゃいけない」とかいう違いはあるし、何よりも場に出ているクリーチャーは全てチェックしてくれるので、特定の種族デッキに寄せずともそこそこ使えそうなのは長所。リミテッドならば、ラッキーに期待して張っておくのもありだろう。せっかくミラクル環境にある「ライブラリトップ確認カード」なのに、ハズレだとボトムにいってしまうので意味が無いのはちょっと寂しいけどさ。ちなみに、イラストが最近のMagicでは珍しいようなファンシーさを醸していて違和感があるのだが、案の定「狩人の眼識」と同じ人である。 Diregraf Escort 戦墓の随員 (G) C クリーチャー・人間、クレリック 1/1 結魂 〜が他のクリーチャーと組になっている限り、その両方はプロテクション(ゾンビ)を持つ。 何故そこまでしてゾンビをいじめたがる。 Druid’s Familiar ドルイドの使い魔 (3)(G) U クリーチャー・熊 2/2 結魂 〜が他のクリーチャーと組になっている限り、その両方は+2/+2の修正を受ける。 全てのレアリティに収録された、増強系結魂クリーチャーのアンコモン担当。何故か熊で、何故か使い魔だ。熊を使い魔にするとは、ドルイドたちも隅に置けない。一見すると熊なので2/2であるが、とにかく相手さえ見つかれば4/4。さらに相方が大幅増強とくれば、そりゃぁ強いに決まっている。ちょっと立ち位置は違うが、「茨群れの頭目」が奇襲性を犠牲にして恒常性を手に入れたと考えれば使われ方は分かりやすかろう。ちなみに、この手の結魂クリーチャーの弱点は、オーラと同様に出た瞬間だ。場に出たときの誘発型能力なので、ペアを組む効果はスタックに乗る。その時点ではこの熊はまだ2/2なので、火力などで簡単に落ちる。そんな除去で俺がクマー、とならないようにタイミングは注意しましょう。 Druids’s Repository ドルイドの保管庫 (1)(G)(G) R エンチャント あなたのコントロールするクリーチャー1体が攻撃するたび、〜の上に蓄積カウンターを1つおく。 〜の上から蓄積カウンターを1つ取り除く:あなたのマナ・プールに好きな色のマナを1点加える。 みんななかなか渋って攻撃に行かないもんだから、攻撃してくれたらボーナスあげますよ、と金をばらまいた感じのエンチャント。殴るだけでお手軽マナ加速。これって結構素敵なお話。設置コストが3マナというのはそこまで無理な話でも無いし、置いたターンに殴りにいくのが「極楽鳥」でもマナが繰り越せるようになる。大体において「重いデッキ」っつっても本当に重たいアクションをするのなんて1試合に1回2回あればいいわけで、そのためにこれ1枚を置いておいて、マイルでも貯めるみたいに片手間でマナを置いておけば素敵なキャッシュバックが降りてくるって寸法だ。マナ加速という緑らしい仕事を、クリーチャーの行軍というさらに緑らしいアクションから稼げるのは、色々とシナジーも期待出来るんじゃなかろうか。最低限、戦闘中のトリックのためのマナに苦労しなくなるのは良いことだし、これと「追い討ち(ONS)」をおいて5体以上で殴ると、謎の無限ループにつなげられたりも。公式ページでは「起源の波」とのコンボデッキとか載せてましたね。コンボ要員としてはちょっと地味だが、リミテッドレベルでも脇に置いておくとマナ事情ががらりと変わる。何かチャンスが見えるカードじゃないか。 Eaten by Spiders 蜘蛛による摂食 (2)(G) U インスタント 対象の飛行を持つクリーチャー1体と、それに付けられた全ての装備品を破壊する。 今回緑が推し進めている、フライヤーほんとくたばれキャンペーンの最右翼。ちなみにこれの他にも、到達持ちがコモンとアンコモンに各1体、飛行を失わせるエンチャント1枚、インスタントで到達を与える手段が1枚、あげくフライヤーがブロック出来なくなるエンチャント1枚と、緑は天使と仲良くする気はあまりなさそうである。さておき、このスペルは見ての通りの安心の破壊力。基本的には「垂直落下」と同じだが、特にリミテッドでよくある「フライヤーに増強装備品張るだけで緑なんて即死」というパターンを逆手に取り、相手が調子に乗ったところで逆にアドバンテージを狙う。今回はコモンの装備品があまり多くないのでそこまで利用するタイミングは多くないかもしれないが、リミテッドの爆弾装備品として、飛行を付ける「天使の武装」があるし、パワーがあがる装備品も2,3枚。これらを狙い撃てるならば、メインから入れるリスクすら覚悟できるレベルだろう。実際はアンコモンなのでそこまで頼るわけにもいかないし、実際にこれが活躍し始めたらフライヤーに装備品を張るのを躊躇うプレイヤーも出てくるはずだが、相手が判断を迷ってくれるならばそれだけでも効果はある。男なら、蜘蛛に染まれ。 Flowering Lumberknot 花咲くもつれ樹 (3)(G) C クリーチャー・ツリーフォーク 5/5 〜は、結魂を持つクリーチャーと組になっていない限り、攻撃にもブロックにも参加出来ない。 は、花が咲いてもうた。過去のエキスパンションに存在した「A」という名前に修飾句を付けて「XなA」という名前のクリーチャーを登場させると、非常にややこしい、という問題を私は「ヒストロドン現象」と呼んでいるのだが、その新たな犠牲者である。花が咲くまではアンコモンで、呪禁を持っていたにも関わらず、開花の時期を迎えて呪禁は封印。しかも花を愛でてくれる相棒がいないと動くこともままならないという、随分面倒なクリーチャーになってしまったものだ。当然リミテッド限定のクリーチャーとして考える必要があるので、試しに今作での結魂持ちクリーチャーの数をカウントしてみよう。これが意外な結果であり、レアリティを考慮しない場合、色の分布は白が3枚、青が5枚、赤が3枚に緑が7枚と、実は白は案外少なく、緑が一番多いのである。ちなみにこれら18体のうち、コモンで手に入るのは9体。その過半数の5体が緑だ。こう書くと「まぁ、そこそこ行ける?」と思えるが、そのうち1体はプロテクション(ゾンビ)を与えたりするので油断は禁物である。まぁ、どうせ狙わない人間からしたらゴミにしかならないカードなのだし、こいつを使うことを意識して結魂持ちを多く集めるようにすれば、実は案外良いビートが組める可能性はある。特に緑は色が散らしやすいので、青の飛行付与「翼作り」や赤の先制付与「ハンウィアーの槍兵」あたりも集めてくれば、デッキの中核として動くことも可能だろう。もちろん、トランプルのワームさんとの相性は抜群だ。さぁ、デッキを咲き誇らせてみよう。 Geist Trappers 霊の罠師 (4)(G) C クリーチャー・人間 3/5 結魂 〜が他のクリーチャーと組になっている限り、その両方は到達を持つ。 ……到達はわざわざ2人で共有する必要はない気がするんだが……いや、別にあってもいいけど……まぁ、それを除けば単なる蜘蛛ですし。「大蜘蛛」よりワンサイズ大きな「毒吐き蜘蛛(8ED)」サイズ。最近だと「酸の巣の蜘蛛」もこれと一緒。そこそこの安心感だ。 Gloomwidow 鬱後家蜘蛛 (2)(G) U (シャドームーアより再録) クリーチャー・蜘蛛 3/3 〜は飛行を持つクリーチャーのみブロック出来る。 今回の蜘蛛。それは再録。今回のコモン蜘蛛枠は到達付与の結魂の人にあげちゃったので、アンコモン蜘蛛は防御など気兼ねなく3マナ3/3のナイスバディで突っ込むことにしたらしい。もちろん、空を止めるお仕事は引き続き出来るから安心だぞ。しかし、シャドームーア環境ってあんまりやってないもんだから、このクリーチャーがどれだけ活躍したのかはほとんど覚えてないんだよな。確かミミックにオーラつけるだけの簡単な環境だった気がするよ。 Grounded 接地 (1)(G) C エンチャント・オーラ エンチャント(クリーチャー) エンチャントされたクリーチャーは飛行を失う。 お、おう。……「垂直落下(M12)」みたいなカードを収録するわけにはいかなかったんでしょうか。なんでわざわざオーラでこんな面倒なことせにゃならんのよ。 Howlgeist (5)(G) 吠え霊 U クリーチャー・スピリット、狼 4/2 不死 〜よりもパワーが低いクリーチャーは、これをブロック出来ない。 近いところでは謎のエンチャント大好き生物「オーラのナーリッド(ROE)」、少しさかのぼると一時期はその特殊な能力を買われて構築のビートでも見かけた「スカルガンの穴潜み(GPT)」なんかが持っていた特殊な回避能力を手にした強面の狼。パワー3以下で止められないってのは結構やっかいなもんで、せっかくこいつのタフネスは高くないのに、たとえば「要塞ガニ」みたいなカードが役に立たなくなり、結局4/4くらいの「お高い」クリーチャーを差し出さなければ止まらない。そして、この嫌らしさに拍車をかけるのが不死能力。これをいつ止めるのか、いつ止められるのか、というのは、リミテッドならばかなり頭を悩ませる部分だろう。まぁ、6マナのカードなんだからこれくらいの無茶は構わないと思うが、相手にしたら難渋するのは確実。是非とも「火柱」のご用意を。 Joint Assault 連係攻撃 (G) C インスタント 対象のクリーチャー1体は、ターン終了時まで+2/+2の修正を受ける。それが他のクリーチャーと組であるならば、そのクリーチャーもターン終了時まで+2/+2の修正を受ける。 一応人間側、つまり「正義側」を応援する姿勢もちょっと見せていた緑がお送りする、「今回のジャイグロ」のコーナー。「組になる」という概念はどうあがいてもこのエキスパンションにしか登場しない用語なのでボーナスを与えられる範囲がめちゃめちゃ狭いが、リミテッドで噛み合えば1マナとは思えない効率。うん、効果としては「共生(USG)」だから2マナこっきりなんだけどな。一応、クリーチャーが1体しかいなくても使えるという点はありがたいけど。リミテッドなら1マナで+2すりゃ充分なんだよ。おまけなんて有効利用しようとするだけ無駄だ。突然フィズらされると悲惨な状態になる可能性もあるので、「岬君! ツインシュートだ!」「OK! 翼君! ……翼君?! ……死んでる」みたいなことにならないように。 Lair Delve 巣穴の探査 (2)(G) C ソーサリー あなたのライブラリを上から2枚公開する。その中から全てのクリーチャー・カードと土地・カードをあなたの手札に加え、残りを好きな順番でライブラリの下に置く。 緑の定番、なんちゃってドローカード。バランスの取り方が絶妙で、土地が全部手に入る「根囲い」とクリーチャーが全部手に入る「暴走の先導」を足して、その分めくれる枚数が半分弱になった。仮にデッキに土地とクリーチャーしか入っていない場合には、期待値的には大して変わらず、青の「予言」と同じ3マナ2ドローということになる。まぁ、コモンでやるまねごとカードとしては普通である。リミテッドでデッキを回す手段としては普通に使えるだろうが、大体のデッキってもんは、このスペルの対象に該当しないようなカードも4〜5枚は入っているもの。そうした「ハズレ」部分を1枚含むと単なるキャントリップになってショボンなので注意が必要。というか、「暴走の先導」みたいな「大当たり」のチャンスがないので、リスクとメリットを秤にかけたら、別に入れなくてもいいんじゃないか、という気もする。
「荒川アンダーザブリッジ*2」 4→4
気付けば終わってましたな。ま、この作品の場合、終わったって言われてもピンと来ないのは、同じシャフト制作の「ひだまり」や「絶望先生」に通じるところがあるけど。 1期はそれなりに身を入れて視聴していたものの、どうもメインとなるネタ部分の食いつきが悪くて、最終的にはあまり評価出来ないという結論になった。そんな状態ですぐに始まった2期も結局身が入らずじまいで、何となく見ているうちに何となく終わってしまったという印象は変わらない。世間での評判やプッシュの強さを見るとそこそこ受けている作品なんだろうけど、その他有象無象のギャグに比べてどこか出色の部分があるように感じられないのは苦しいところ。個々にいいキャラクターはいるんだけど、結局その活かし方がワンパターンだからすぐに慣れちゃうんだよなぁ。 そんな原作を、シャフトがあまり手を加えずに素材のままにアニメ化しているらしいが(原作を読んでいないのでどこまで本当かは知らないが)、そのおかげで「別にシャフトじゃなくてもよかったのでは」という感想が出てくるのも避けられない。ギャグ漫画なのだからもっとふんだんにシャフト風味をぶち込んでコテコテにしてくれればアニメ的にも面白い部分が増えたと思うのだが、今作はあまりそうしたチャレンジは見られない。シャフトのシャフト部分が見たい人間にとってはなんだか物足りない。そして、そうはいってもやっぱりシャフトなので、カット数は他のアニメと比べれば馬鹿みたいに多くなるし、演出のテンポはやはり新房テイストが支配的。原作ファンからも「シャフトは原作クラッシャーだから」と批判を浴びてしまう。結局、アクの強い制作スタジオなのでどっちつかずの状態を維持されても、得をする人間が少ないのである。 一応フォローしておくと、前述のように個々のキャラクターで面白い素材は少なくない。2期に限っていえば高井や島崎などが壊れていくさまはなかなか面白いし、村長やマリアなどのキャラクターも相変わらず元気。そうした連中がうまくはまればギャグは面白い。ただ、2期になってから活躍しだしたビリーとジャクリーンや、初登場のアマゾネス、隊長なんかは、そこまでキャラ自体に面白味がなくて、リクの突っ込みがうまく決まらないと滑っている印象ばかりが出てきてしまう。やっぱり純粋なギャグ漫画ってのは難しい。 そして、原作でどのような扱いになっているのか分からないが、2期はニノの金星行きに関わるエピソードが多かったわけだが、そこに微妙なシリアス要素が絡んだり、毎回のアバンのようなラブ要素多めの画面を挟んだりと、ギャグ目当てではあまり求められていない部分も取り込んじゃっているのは余分な気がする。結局金星行きの話は「常識人」であるはずのリクの中でどのように処理され、どこまで真面目に動いていたのか。視聴者の視線たるべきリクが壊れ始めてしまっては、どれだけエキセントリックなネタが飛び出しても笑いには繋がらなくなってしまうと思うのだが。……単に私の感性がずれてるだけなのかしら。 でもまぁ、中の人劇場があれば見続けることは可能ですけどね。安心のシャフト声優陣たち。やっぱりみゆきちのドSボイスは突き刺さりますよね。ただ、役としてドSではなくて、中の人本人の辛辣な感じの方がよりリアルにキますけどね。信頼のおけるキャストと製作陣の関係性が固まっているのは、決して悪いコトじゃないと思いますよ。
「FORTUNE ARTERIAL 赤い約束」 4→3
一応最後まで観ることは見ていた作品。理由は……なんだろうね。大きな減点要素が無かったことかな。あとは「これだけ平板な物語で、アニメ化するほどの客がついてるもんか」という疑問があり、ひょっとしたら何か起こるんじゃないかという期待が少しは残っていたのかも。 結果、特になし。山なし、オチなし、イライラもなし。「そうなれば、そうなるわな」というだけのお話。しかも「ベタベタでもちゃんと幕を引いた」というわけでもなく、何故かあれだけのんびりまったりやっていたのに「俺たちの戦いはこれからだ!」エンドというのはどうしたことなのか。原作ゲームもあんな感じなの? じゃ、絶対プレイしたくないんだけど。あれか、やっぱり原作ゲームはエロシーンがあるから刺激が違うのか。エロゲ文化だけは本当に分からない。 それでもまぁ、なんだかんだと最後まで観ていられたのだから、アニメとしての出来はそこそこ。幸い、同じ販売元で伝説となった某キャベツのような不幸も起こらなかったし、女の子のグラフィックがそこそこに維持されてれば原作ファンからは文句も出ない……のかな? かえって話題性が無くなったから寂しい気すらするぞ。小野D主演アニメは……
「心霊探偵八雲」 4→3
「多分何も起こらないだろうけど、ひょっとしたら何か起きるかも」と思って視聴を続けていたら、予想通りに何も起こらなかった作品。大丈夫! NHKのアニメだよ! 途中からあまり真剣に追いかけることもなくなっていたのでメインシナリオについてはコメントもしづらいのだが、序盤に見られた「心霊」要素と「探偵」要素の不和の問題は、すぐになくなった。というか、そもそも「探偵」要素がすぐになくなった。別に推理もしねぇし、ものすごいどんでん返しも待ち構えていないし。話の中心が八雲の生い立ちにシフトしていくのを見て、「あぁ、もうあんまり盛り上がりそうもない」と思えたのは、むしろ好都合とも言えたのだが。結局そのまま「心霊」要素もフェードアウトし、強いていうなら「不幸な生い立ちな上によく分からん理由で災難に巻き込まれる青年八雲」になった。その上で敵対組織の持つ理念もピンと来なかったので、「何を楽しみに見りゃいいんだよ」という状態に。 一応、差別されることや家族愛をテーマにしたヒューマンドラマとしては、それなりの説得力を持つ。ビィートレイン独特の「動かない画面」で淡々と流れていく家族ドラマは、別段面白くもないけど画面の安定感はある。脇目でちょいちょいみるのに丁度良いくらいの密度だったので、わざわざこき下ろすようなものでもないのである。ただ、これを見て原作に興味を持つようなファンが現れるかと言われると疑問なので、アニメ化としては成功例にはならないだろう。むー、立ち位置の分かりにくい作品だ。 個人的な興味は、「真下耕一の名を冠さないビィートレイン作品」としてどのような動きがあるか、という部分だったのだが、正直言ってあまり収穫はなかった。ビィートレインと真下耕一というと、例えるならシャフトと新房昭之、セブンアークスと草川啓造のように、「プロダクション=監督の持ち味」みたいな印象が強く、真下監督を介さない場合の「ビィートレイン色」がどのように出るのか、というのが見たかった。経歴を見る限りでは本作監督の黒川智之氏も系列の人間であるから、例えるなら新房流から自分の道を切り開いた大沼心などのように、「次世代の映像」が見られることを期待した。しかし、独特の「間と音の演出」が現れてこそいたものの、そこに真下監督のような図太い計算高さが感じられず、「単なる密度の低下」に見えてしまう。もちろんノウハウはあるだろうからそこいらの監督勢ではなかなか実現できないバランスではあるのだろうが、それが魅力としてプラスになっているかと言われると怪しい。決して嫌いな作風ではないだけに、何かもう1つプラスアルファが見てみたいのである。 色々と不満点は上げてみたが、最終的な評価としては「可もなく不可もなく、可がなかったから結局不可」というよく分からないポイントで。個人的には藤村歩劇場としてそれなりに楽しんで見られました。あと「関俊彦のいい人役」も大好きです。折笠富美子・豊口めぐみ・柚木涼香などのちょい年上目の女性キャラに独特の魅力があったのも嬉しい部分かな。やっぱ芝美奈子の女性キャラ造形は好みですわ。 そういや、どこかで「小野D主演アニメは爆死率が高い」みたいな誹謗中傷を読んだ記憶があるのだが、この作品は……うん、まぁ。 「パンティ&ストッキングwithガーターベルト」 6→7 毎回の記事で散々書いているので今更総括する要素もほとんど無いのだが、まぁ本当に凄まじい作品でしたよ。「グレンラガン」の時もそうだったけど、本当にガイナックスって会社は「自分たちしか出来ないこと」をやる気概に溢れすぎているなぁ。 何がすごいって、ちゃんと1クール13話をやりきったのに、「この話数は意外と普通だったよね」と振り返るエピソードがほとんど存在していないこと。一番普通だったのはデイモン姉妹登場の6回目……かなぁ。あと16話の海回くらい? 他は全部が全部「あ、こういう方向で『前人未踏』がやりたかったのね」ということがよく分かる。そしてその姿勢が、「丸く収める」ことが要求されるはずの最終話にまで行き届いていたのがこの作品のすごみであろう。文句を付けるポイントは何一つありません。だって何を言っても「あ、それはこの作品では専門外なんで」って言われて終わりそうだから。 1つ1つのエピソードはもう振り返らないが、改めて1話からの感想を確認して気付いたのは、最初に「ちょっと狙いすぎだな」と思っていたカートゥーン風の画面が、いつの間にやらすっかり馴染んでいたということ。巷では必殺技バンクで登場するリアル風パンティたちの方をさして「作画崩壊」などと言われていることからも分かるように、この作品においては、あのカートゥーンの方が「正しい絵柄」。そして、見れば見るほど「あの」パンティ達が可愛らしく見えてくる。途中から登場したデイモン姉妹なんかはその方向性が顕著で、彼女達が「リアル風作画崩壊」状態になった回数なんてほんのわずかしかないはずなのに、本当に「可愛いキャラクター」として認知されているのである。つまり、カートゥーンは、萌えられるのだ(まぁ、「パワーパフガールズ」なんかがあったんだから当たり前っちゃぁ当たり前だが)。こうしてわずか3ヶ月の間にすっかり「パンスト画」に引き込まれていることを思えば、この作品の持つ吸引力の強さが分かるというものである。 一応お約束なので中の人にも触れておくと、やっぱり1話の時点であげた主人公2人の活躍がめざましい。小笠原亜里沙の「なんだか洋画っぽい」安定感に、伊瀬茉莉也の「スイーツビッチ」を維持しながらのコケティッシュな魅力、そして石井康嗣の最低野郎なのによく分からない威厳を維持する絶妙なバランス。特に石井康嗣は、ちょっと前まで「RAINBOW」で大活躍してくれていたので、「本当に最低だなー」というヒールな魅力がたまりませんでした。後乗り組ではやっぱりデイモン姉妹・コルセットの悪魔軍団。声に出して読みたい藤村語、「私たちのルゥ〜〜ル!」。毎回登場する贅沢すぎるゲストゴーストの活躍にも笑わせてもらいました。 続編がどうこうとかいうのは騒いだところでどうしようもないので、あとは座して見守るのみ。どこをどう頑張っても、この1期の「やりたい放題」っぷりを上回るのは難しいだろうし、このまま投げっぱなしで放置されても文句はありません。むしろ、ガイナックスは昨今では貴重な「アニメオリジナルでもちゃんと作品を作れる」というセールスポイントを最大限に活かして、今後も色々な方向で無茶と大馬鹿を繰り返してほしいとも思う。 史上最低最悪のヒロイン達に幸あれ。 |
ブログ内検索
リンク
最新記事
(04/23)
(04/22)
(04/21)
(04/20)
(04/20)
(04/19)
(04/19)
(04/19)
(04/18)
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
アーカイブ
|