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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 そこで帰るんかい! な第11話。ミストルティンさん、あなたのテンションがよく分かりません。

 ジワジワと敵味方合わせての勇魚包囲網が狭まっていき、まるまる1話かけて開戦までの流れを描いた情感たっぷりの1話……のはずなんだが、正直、このもっさりは何か違う気がするんだ。デイドリーム突入後のバトルシーンを見れば「あぁ、山内さんのコンテだ」と一発で分かる重っ苦しい作劇になっており、細切れに切断されたカットをまるで無作為であるかのように繋いでいく独特のコンテワークは相変わらず面白いのだが、この「持たせ」は、流石にクライマックス直前の一大バトルに持ってこられると違和感は否めない。ものすごく単純な要望になってしまうが、結局この手の作品で最も盛り上がるのは、分かりやすい斬った張ったなのだから。

 もちろん、こういう画作りに違和感が出てしまうのは、脚本自体の問題も大きい。まさかあそこでミストルティンが満足して帰宅するなどとは誰も思っていなかったろうし、未だにその意味はさっぱり分からない。パレイドが狙われてから、おそらく何百回となく殺せるチャンスがあり、殺してしまっても全く問題はなかったはずなのに、ミストルティンはそれをせず、ただただ無意味に時間を引き延ばしただけ。全盛期のドラゴンボールもかくやというその優しさは、流石にラストバトル前の緊張感を維持するだけのパワーは無い。山内さん得意の引っ張り方は見た目には面白いのだが、いくら何でも脚本部分の負荷をそれで全てまかなえるわけではないのだ。不安定な画面に不整合なシナリオでは、ちぐはぐなどというレベルではなく「破綻」とすら受け取られてしまうかもしれない。

 このままいくと、メリーの大義名分が成り立たないことにはミストルティンをぶっ殺して大団円、という流れは難しそうなのだが……他にすっきりする手段があるんだろうか? 正直、夢魔と器のコンビネーションでは飯島先生とミストルティンの絡みが見ていて一番楽しいので、いっそあの2人をメインに頑張ってもらう物語でも作れないもんだろうか。「夢壊し樹海」。なんだか面白そうなアニメじゃないか。

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 2話まとめて、22話、23話。すごく久し振りにこの作品を見た気がするんですが、この2話は一気に見られてむしろ助かったかもしれない。でないと23話冒頭の風斬のテンションとかについていけない可能性があったから。

 もう最終局面を迎えてたから、今回の事件で最終回まで持っていくのかと思ったら、予想外にも22話時点でヴェントと木原クンが退場。あと2話しか無い状態でまさかの新展開に持っていくとはおもわなんだ。本当によく分からない展開になる作品だなぁ。いきなり大量の新キャラとかに出てこられてもついていけないのが正直なところなんだけどさ。

 で、1本ずつ軽く見ていくと、まず22話。一応のクライマックスその1は当麻VSヴェント。ただ、毎回言っているように、当麻の説教ってのは本当に中身が無くて聞いてるのが辛い。あれだけやけっぱちでパンクなキャラだったヴェントがすごくフツーの恨み節を捻くるあたりもセンスがねぇなぁと思っていたのだが、それを説き伏せようとする当麻のいい加減さは更に際立っている。「自分の世界ばっかり見てるんじゃねぇ」って、お前はそれを鏡の前で言えるのかと。意味も分からずに拳を振るう命知らずの主人公を応援するよりは、まだヴェントに肩入れする方が人道的だわ。どこまでいってもこの作品を好きになれないのは、こういう筋立てのしょうもなさが全てですな。せっかくヴェントのデザインとかは格好いいのになぁ……

 それに対して、まっとうなぶっ壊れ方をしている木原クンの方は、悪役としてはボチボチ見栄えがする。というか、アクセラさんは基本的にダーティーヒーローなので説明不要のドンパチが可能で、はったりも通用するのでアニメ的にはずっと面白い。木原クン相手にも最後の最後は大気圏を突き抜けんばかりの超必殺技で締めてくれたのはすっきりした。最後のぶっ飛びエフェクトとか、なかなか格好良かったしね。戦闘シーンは全般的に良く動いていたし、綺麗だったなぁ。動かすのが上手い人のコンテ回かと思ったら、何と神保昌登氏であった。今年度は色々と印象に残る仕事をしてくれたもんである。

 そして風斬関係でつないでそのまま23話。冒頭の風斬と当麻のやりとりのシーンは、やたら作画がよくて眼福ものだった。アスミスキャラはいちいち恵まれている。ただ、そのしわ寄せが来たのか、突如教室のシーンからは画の様子が怪しくなってしまうという。被害を受けたのは姫神さんと吹寄……ご愁傷様である。平和エピソードは楽しくてよいのだが、「単なる学生」に過ぎない当麻がやたらシリアスになっていたのはどうにも受け入れがたい。確かに今までの流れを見ていると学園都市(アレイスター)にとって当麻は重要な駒のようであるが、当麻自身は自分が戦争に巻き込まれた中心であるっていう理解はあるんだろうか。毎回行き当たりばったりで人助けをしてるだけだから、その辺の意識があんまり感じられないのだが。ちゃんと土御門あたりが説明してるのかな?

 あとは一方通行によるスキルアウト狩りで繋いで締め。あれだけドタバタやってたのに、最後の最後で相手がスキルアウトって。レベル0の連中って。ムサシノ牛乳でお腹いっぱいの固法先輩でも何とかなるレベルなんじゃないのか? やっぱりこの作品のシナリオはわからんなぁ。

 今回の結論は、「やっぱり芳忠さんは格好良すぎるなぁ」ということ。ビシッと決める役ももちろん好きなんだけど、今回みたいにおちゃらけながら悪辣さを出すようなチンピラまがいの役をやってるときが本当に素敵。この奇妙な声の色気はどうしたものだろうか。ちなみに一番好きな芳忠キャラは、「ビッグオー」のベックです。で、芳忠さんがやってたテッラって誰よ?

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 3月25日 ドラフト模様(MBS,SOM×2)

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 どうも、僕です。最近は確実に週一のペースでドラフトが出来るのは喜ばしいのですが、構築のデッキばかり組んでなかなか試合に出られていないのでフラストレーションが溜まっています。……なかなか包囲戦で欲しいカードに巡り会えないからさぁ……でも、ボチボチ公式戦出たい。いっそフライデーを飛び越えて日本選手権予選とかに出てやろうかとすら思っている今日この頃。

 そうそう、ちょっと前に新エキスパンションの名前が決まってましたな。「イニストラード」。またミラディンとはガラッと変わった、なかなか悪くない雰囲気。イラストの女性はひょっとしてリリアナ姉さんでしょうか。ようやく新リリアナが登場するのかしら? え、ガラクは? 

 マローがリーダーなのは相変わらずだけど、どさくさに紛れてデザインチームにリチャード・ガーフィールドがいるのがすげぇ気になる。

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 ぼくは、まじっくが、すきです。でも、どみにおんも、やっぱりすきです。

 

 というわけで、Magic記事はこの時期あまり書くことも無いので、身内コミュニティで進行中の「ドミニオン」関係の記事を書いていこう。現在進行中の超絶自己満足企画の一部が、2chではオリカスレなども存在しているドミニオンの「オリカ作成」プロジェクトである。ちなみに、身内だけの話なので、クオリティが低くてもご愛敬だし、おっかないのでスレは覗きに行かないようにしている。だって、そんなとこ見に行ったら大体ネタが使われててモチベーション下がるだろう。

 プロジェクト参加人数は、かなり少なくて私も含めてせいぜい34人程度。そんな中で、お題を設けてカードデザインをしてもらうのがこの企画である。見切り発車だから最終的にどうなるかは知らんがね。

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 一週スキップして、第11話。先週放送予定だった10話は諸事情によりその存在を抹消されております。その理由は各所で報告されている通りなので、こればっかりは仕方ない。ま、このアニメだったら1話くらいすっ飛ばしてもぜんぜん問題無いでしょう……

 って、分からんわ! なんで突然新キャラやねん! 誰やねん! よりによってそこをスキップか! どうしたらええねん! ……いやぁ、ほんとにね、よりにもよって先週のお話から引いてるみたいですね……何事もなかったかのように見たこともないキャラクターが2人も登場しており、その設定も初見では一体なにが起こっているのかポカーン状態。状態の復旧にはAパートまるまる消費した感があります。本当に間の悪い時っていうのは駄目なタイミングが重なるもんですわ。

 しかし、何が腹立たしいって、それでもこのアニメは面白いのである。今回も一切テンションを落とすことなく奈緒が走り抜けてくれているおかげで、ハテナが乱舞する困惑展開にも関わらず、そのペースは落ちていない。修輔とAGEの面々が「プリンセス」の方の餌食になるだけであまり画面に登場する時間が長くなくて、その分たっぷりと奈緒のがんばりとテンパりを見ることが出来たので、見ようによっては今までのエピソードの中でも面白い部類に入ってしまうほどだ。何がいいって、これまで攻め一辺倒だった奈緒が「クローン姉」先輩のおかげでたじたじしているのが良いですね。普段はなかなか見られない「奈緒の劣勢」は、今更ながら新しい刺激として機能しています。

 その上で、奈緒のノリは衰えるところが無く、ラストの公園での一幕では盟友であり憎きライバルである彩葉を平気で犠牲にする腹黒さを見せているし、押されているとはいえ、先輩に対する姿勢はいつも通りの超然としたしたたかさも発揮している。最終的にはハズレくじを引くことなく逃げきったのも流石。彼女のスペックの高さには本当に驚かされるな。おかげで、変態性や個体スペックでは見劣りしないはずの彩葉がかませ犬みたいなポジションになってますがな。

 新登場(一週前にな)の姉妹(?)もキャラとしてはなかなか強烈。厨二を患ったような妹の方は今回別に注目は集まらなかったが、純正レズビアンで唇フェチという姉の方のキャラクターがここに来て美味しい。事故によって回避されたとはいえ、最終的には奈緒の唇を強奪しようとしていたし、その後彩葉を軽々と担ぎ上げて去っていくさまは、こんなアニメなのに「こいつがラスボスか……」とよく分からない感慨を抱かせる。「修輔に関心が無いレギュラー女性キャラ」というだけで珍しいが、そのターゲットがこれまで最上位にいたはずの奈緒になっているおかげで、状況が二転三転して盛り上がるわけだ。初めての脅威に対してコロコロと表情を変える奈緒が実に愛らしい。

 そして、今回も当然中の人をピックアップ。今回取り上げるのは3人か。まずはやっぱり奈緒の中の人である喜多村英梨。マシンガントークによる尺ギリギリの早口モノローグや、自然に声音を変えた予言者のものまねなど、ぶっ飛んだ芸は全てオリジナル。もう、こうなってくると単にキタエリがこのアニメの皮を被って遊んでいるようにしか聞こえない。そして、それに追随して色あせないのが井上麻里奈の地力。色っぽい声から馬鹿ネタまで、麻里奈の受け皿の広さも尋常じゃない。

 最後の1人は、今回メインとなったクローン姉役の佐藤利奈である。最近はこういう高慢ちきなお嬢様役もちらほら見られるようになったが、今回はそれに常識を越えたレズ属性なども加わり、ちょっとした怪物みたいなイメージを珍しい音域で体現させている。やべぇ、本当にさとりなが作る役は不思議な魅力がある。普段常識人レベルの高い人なので、もっとガンガン壊れ役でみせてくれると、ギャップが引き立ってファンとしては愉快痛快だ。

 え? 次回最終回なん? ……ん〜、2期希望。原作無いらしいけど、なんとかなるやろ。

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  拳骨一閃、第23話。このアニメでどんなネタが来てもある程度耐える準備はあるつもりだったのだが、あのシーンだけは声出して笑ってもた。ヘッド、逆格好いい。

 衝撃の出会いを描いたはずの「決戦の幕開け」となったエピソード。全てのパーツがおさまるべき場所におさまり、残り2話での風呂敷を包む用意が進んでいるのが分かる。なんと言っても、今回はタイトルが示している通りにスガタの物語だ。

 毎朝の稽古で容赦無くタクトをフルボッコにし続ける「王」スガタ。彼は結局どれだけ「戦士」のタクトが頑張ろうとも立ち行けぬ領域にある「王」であり、剣の実力でも、ゼロ時間におけるポテンシャルでも、そのパワーは圧倒的。そして、その「敵わぬ王」であるスガタが、ついにタクトの前で明示的なアクションを起こす。これまでも充分に仲の良さを見せつけてきたワコとの「デート」である。ワコには丁寧な気遣いを見せ、お似合いのカップルに見える2人だが、その描写はあまり明示的には描かれておらず、ワコの表情も微妙な温度のままで維持されていた。締めくくりはスガタからのキスのお誘いだったが、彼はワコの表情を観察し、「冗談だよ」とはぐらかして別れてしまった。その様子は、演劇の一部といってもキスを成功させたタクトとワコの関係と対比的であった。スガタは強くて賢い。そのせいで、彼にはあまり理解したくない何かも理解してしまうようだ。

 そして、浜辺ではタクトが憎むべき父親との対峙。あまりに劇的な父子の再会であったが、タクトの気持ちには何ら変わりはなく、ヘッドの中では、タクトに対する敵愾心ばかりが固まった。一度はタウバーンに破れたミヤビレイジも、銀河美少年をたたきつぶす算段はまだ残っているのだ。それが、最後の最後に残された一手、「エンペラー」の成立である。

 現時点では綺羅星の中でも最大勢力となっているはずのバニシングエージは、ヘッドに対して猜疑心を膨らませた結果、3人同時攻撃という無茶な作戦を実行させ、勝負を最後の局面へと持ち込んだ。一度はピンチに陥ったタウバーンだったが、これまたスガタの(よく分からない)機転で一撃粉砕してしまう。向かうところ敵無しのタウバーン。その勇姿には、綺羅星は打つ手を失ったはず。しかし、これまでおおっぴらな動きを見せてこなかったチームが1つ。それがブーゲンビリア、ひが日死の巫女であるイブローニュである。ゼロ時間で視線を交わすスガタとケイト。そこには、古くから互いを知る、幼馴染み同士を越えた何かが含まれていた。

 最後に残された1つの部隊。エンペラーは、「キング」を迎えて旗揚げした。ザメクが動けばタウバーンもどうなることか。最後の決戦は、バトルも、ギャグも、恋愛も、全てひっくるめての総仕上げになりそうである。

 というわけで、ようやくスガタの「綺羅星」を拝むことが出来ました。視聴者全員がこうなることは知っていたわけだが、思いの外スムースにこのフェーズまで移行したな、というのが正直な感想。一度はスカーレットキスの手によって「洗脳」され、意に沿わぬ王座についたこともあるスガタだが、今回の転身を見る限りでは、どうやらタクトへの嫉妬や、権力への固執といったドロドロした感情で綺羅星入りしたのではなさそうだ。

 綺羅星に入ったということは、巫女の封印を解くのが彼の目的となったことの現れ。それはつまり、ケイトとワコという、2人の幼馴染みを島の軛から解き放つということである。これまでは、ケイトの存在に気づいていなかったし、ワコについても「自分と一緒に島を守っていく許嫁」として扱っていたために封印の解除には賛同していなかったわけだが。ワコの心の在処が自分ではないこと、そして、大切な人が別なところに居ることに気づいたスガタは、この島を巡る諸々のしがらみに蹴りをつけることを決意したのだ。そのためには、タクトとの対決は必要不可欠となる。どちらが勝つとか、誰がワコを手に入れるとか、そういう部分は二の次だ。彼はきっと今でもワコのことが好きなのだろうが、そんな自分の感情までもを全て「成すべき事」と計りにかけ、仮面を被ることを決意したのだ。王位に立つ者として、実に見事な男前っぷりであった。

 ……でも、あの格好はなぁ…………誰のデザインだよ。元々綺羅星の連中は露出狂だらけでおかしすぎるわけだが、キングの衣装デザインのぶっ飛びっぷりは筆舌尽くしがたい。どこまでいってもギャグを維持し続けられるのはこの作品のよく分からないセールスポイントだと思います。

 このまま行くと、ワコ×タクト、ケイト×スガタの組み合わせで片が付くんだろうというのはほぼ確定か。まぁ、誰の文句も出ない終焉ではあるけどね。出来ればサカナちゃんやミズノにも幸せになって欲しいものです。

 ちなみに、今回のハイライトはやっぱり拳骨一閃のシーンだと思うけど、それ以外で地味に嬉しかったのが、ベニオ・ジョージ・テツヤのフィラメント三人衆の絡み。「いつまで綺羅星るんだ」っていう日本語の自由さが良く出ている台詞もいいんだけど、男2人がなんだかんだでベニオが大好きで、いつまでも幼馴染み3人で馬鹿やってたい、っていう気持ちが伝わってくるのが良かった。考えてみりゃ、こいつらもワコたちの三角関係に近いものがあるよね。全員印を持ってるわけだし。もし機会があれば、フィラメントメインのサイドストーリーとか観てみたいもんです。「STAR RIDER 輝きのサンドバック」とかで。

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  PROJECT A」3本目はなんと監督に本郷みつる。もう、本編は1から10まで遊びっぱなしで、「若手アニメーター育成」という目的を考えると、一番野心的にのびのびやっていたという意味では主旨にかなった素晴らしい作品だし、「若い人材に基礎を学んでもらう」目的で考えるなら、流石にどうかと思う作品。いや、はっちゃけぶりが飛び抜けてたので、観ていて一番素直に「アニメ的面白さ」が出ていたのはこれだと思いますがね。

 しかも、とにかくアニメーションが描きたいだけの作品なので、特にコメントのしようもない。それでも敢えて楽しかったシーンを特にピックアップするなら、最後の敵とキズナのバトルシーンは見応えがありすぎ。個人的には相手がキズナを掴んでぶん投げて、それをキズナが四つん這いでグッと着地するところの流れが最高に楽しかった。あとはジジイの妄想でけいおんパロだったりロボットものパロだったりする、ゆる〜いギャグパートも監督の本領発揮ですかね。

 結局、アニメってのは娯楽なんだから、これでいいんじゃないか、という何ともメッセージ性の強い作品。そして、反論のしようもない。今回は敢えて躍動感を出すために原画の荒い線なんかを残した描画にして癖を出しているけど、そういう部分をもっとクリンナップさせれば、本当にこのまんま劇場作品と言っても通用するクオリティである。作ってる人たちは、さぞや楽しかったろうな。

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 「PROJECT A」2本目の放送作品。原作は新美南吉らしく、いかにも訓話的な、何とも懐かしい香りのするお話である。

 始まった直後は、のっぺりした空気と、どうと言うことも無い画面のおかげで「ふつーだなぁ」と思って観ていたのだが、話がおじいさんの昔語りに入り、いざランプが登場したあたりになると、だんだん引き込まれていくような不思議な感覚があった。キャラクター造形は割と今風でシャープなものなのだが、背景を含む全体的な作品コンセプトは絵本をそのまま写したような、何とも懐かしいものになっており、ちょっと「普通の」という評価は当てはまらないような気になってくるのだ。そして、「ランプ」というこの作品のキーパーツに火が灯るところで、その思いは更に強くなる。明かりの乏しい田舎の寒村に灯ったランプの炎は、周囲の闇を突き破って明々と灯り、主人公の思いを一気に発露させた「生きた」光を解きはなった。

 そして、更にその後に訪れる「電気」の時代。ランプの炎が打ち破った闇を、更に鮮烈に打ち払う電気の明かり。主人公にとって忌むべき存在となったその明かりは、皮肉にもランプの明かりよりも更に印象的で、世界の変革を知らせるのに充分な威力を持っていた。この「ランプ」と「電気」の明かりの描出が、このアニメを作る上での一番の勘どころだったのだろう。

 シナリオ自体が素朴で、どこも突っ込みどころは無いものなのだが、そうした丁寧な画面作りのおかげか、何とも言えない侘びしさと懐かしさが気持ちいい。「物語を十全に伝える」というのがアニメーションの1つの働きだとするなら、このアニメはかなりの秀作と言えるのではないだろうか。なかなかこうした単発の「いいお話」をアニメで制作する機会というのは与えられるものではないので、こうしたプロジェクトで、1本でもこうした試みが行われたのは、実に有意義なことであったと思う。

 また、この作品がこのご時世に放送されてしまったことも、皮肉な運命といえるかもしれない。作中では「初めて訪れて人々の暮らしを変えていった」電気という存在。それが今や当然のものとなり、生活の中で全く意識されないものとなる。本来、この「訓話」はそうした現代人の中に静かに入ってくるくらいのものになるはずだったが、今の日本で「電気」というと、それはもう大切な資源となっている。闇を打ち払って人々の生活を支える伝記の物語。それをランプ屋の主人という1人の主人公の視点から描いた物語が、現代日本には別な角度から訓話として伝わりそうである。関西からでは、どう書いても他人事になってしまうのが申し訳ないのだけれどもね。

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 一週間遅れで、第10話。なんだか久し振りに見たから前回までの流れを忘れ気味になってしまっているのは難です。やっぱり画ばっかり見てるとストーリーとか頭に入ってないな。

 とは言っても、今回はいよいよクライマックスということで、分かりやすい内容になっているので追いかけるのに苦労はない。夢路が最も大切に思っている人、勇魚が物語の中心となり、それを守ろうと結集する各種夢魔たち。夢路とメリーは臨戦態勢を取りつつも勇魚を見守り、エンギは夢路からの報せを受け、メリーには相談せずに撃破出来るようにと思いを巡らせる。彼女の中でも未だに「夢魔を消滅させること」については整理が出来ていない可能性もあるが、相手は仇敵の一派であるミストルティである。油断は出来ない。

 そして、今回一気にクローズアップされたのが、謎の夢魔レオンの器となった少女、河波千鶴である。両親を失った過酷な家庭環境が明かされ、そこに入り込んだ無頼の夢魔であるレオンとのやりとりも描かれた。互いにどこか空虚な印象がある2人だが、河波の心にはいつの間にか勇魚が入り込んでいた。あくまでミストルティを討ち取ろうと目論んでいるレオンと、とにかく勇魚を守りたいと願う河波。その思惑は少しずつズレが出始めているようで、最終決戦での河波の関わり方に影響を与えそうだ。

 そして、敵方はひたすら飯を食い続けてエネルギーを蓄える先生とミストルティの非道コンビに加え、ピエロ夢魔(ランズボローというらしい)から報せを受けた、大ボス中の大ボスであるエルクレス。正式な登場は初だが、これまで登場したどの夢魔よりも分かりやすい「敵キャラ」であり、その能力もエンギやミストルティと比べてもぶっ飛んでいる。どっかで見たことがある気がすると思っていたが、そういや「シャナ」に似たような敵キャラがおったよな(天目一個)。原作との兼ね合いを考えると、こいつとはアニメシリーズで戦うことはないんだろうけど、パンチキックしかないメリーがどうやっても炎の鎧魔神に勝てるイメージは湧かないので、それが正解だと思われる。

 2話続けて随分見やすい画面が多かった今作。あんまり小難しいことを考えずに、単なる不思議バトルものとして見せてくれて、そこに夢世界のちょっと不思議なイメージが重なれば、それで充分セールスポイントにはなるみたいだ。今回は河波とレオンが絡むデイドリームの映像が面白くて、それが河波が現に戻った時にも影響していた画面が随分印象的だった。最初からもうちょっとテンポ良く話を繋いでこういう画面を見せてくれていたら、作品全体としてもっと盛り上がっていたのかもしれない。でもまぁ、最終回に向けて、楽しみは増えましたね。

 ところで河波さん、両親を失ったことは分かったんですけど、なんであんな廃屋に住んでるんでしょうか。心を失うことと、生活環境を良くすることは話しが別だと思うんだけどね。……まぁ、やたら扇情的なサービスカットを披露してくれたので、今週はそれで良し。

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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