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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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  引き続き世界観説明無しの第2話。こういう不親切さ、というか覚悟の決め方って、ものすごく引き込まれるか、「わっかんねーよ」ってことで早々に切られるかのどちらかになる場合が多い気がするんだけど、今作の場合、分からないけど切るのも癪っていう、何とも微妙なスタンスになっております。まだまだお話は進まないので、分からないことが一切ストレスになっていないのは助かるんだけど。

 1話はかなり気合いの入った作画演出で実に立派だと思っていたのだが、2話では流石にややペースダウンしたか、作画枚数は確実に落ちている。他のパートが高い完成度を誇るだけに、ちょっとでも油断するとその部分が浮き彫りになってしまうのは辛いところで、今回で言うなら、最初にクレインとネッサがチャリで駆け抜けるシーンの地面の描写が何か変。高速で移動していることをCG処理で表現しているわけだが、そこだけ浮いてしまっているように見えて、ちと気持ち悪かった。

 とはいえ要所要所でのがんばりは引き続き活きており、例えばキャンプベースでネッサが騒ぎを起こしてそこらじゅうでパラソルが飛んだりロボットがトチ狂ったりしているシーンなんかは、一斉に動く人いきれの様子が丁寧に描かれていて、それこそ劇場作品のような独特の趣がある。今回のコンテ演出はなんと神戸守が担当しているのだが、色んなものをまとめて動かすとなると手慣れたものであった。あとはネッサのとにかく騒がしいドタバタした動きとかかな。このあたりの中心となる要素がちゃんと描かれている間は、まだ中身のことは心配しなくてもいいような気がします。

 で、シナリオ面であるが、現状は正直あまり変化がない。世界説明が何もなく、「ドッペルって何?」「フリュネって誰だったの?」「クレインは何者?」などの疑問が完全に解消していないうちに「触れるドッペル」というイレギュラー要素を持つネッサが登場し、事態がさらに混迷している。今回のエピソードを最後まで観れば、この世界と現実の最大の相違点であるドッペルの存在意義というのは理解出来るようになっているのだが、先に埋め合わせておいた方が、ネッサの登場と暴れっぷりがより際立って面白かった気もする。時計塔での突然の消失とか、機械を暴走させてしまう性質とか、いきなり見せられても、どこまでがこの世界に許された現象で、どこからがイレギュラーなのかピンと来なかったからね。何となくくみ取れるレベルだから「視聴者の理解力の問題」と言ってしまえばそれまでなのかもしれないが、不親切の誹りを受ける危険性は常に意識せねばなるまい。ま、どうしても穿った見方をしてしまうが故に出てくる不満点ではあるかもしれないけど。

 少しずつ見えてきたこの作品のバックボーンの1つは、どうやら「家族」「家庭」というファクターであるようだ。「フラクタル」を利用したドッペルシステムは、この世界独特の「自由」の概念を端的に表すツールであり、たとえ家族であろうとも一緒の時を過ごすなどというのは「信頼感を疑うこと」であり「自由を束縛すること」になってしまうという。それ故に、「家を持つ」ことに執着したクレインはこの世界でははみ出しものであり、他の人間連中は放浪するなり何なりして、とにかく家族と時間を共有することはない。しかし、それでは不都合も生じるというので、ドッペルが「自由な家族」を代理で受け持っているわけだ。何とも奇妙な光景であるが、おかげで「異端児」たるクレインに感情移入しやすいのは助かる部分。

 「触れ合い」みたいなものを探求した結果が、ドッペルであるネッサとの関係っていうのも妙な話だが、ここから先は、おそらく「自由とは何か」「関係性とは何か」みたいなテーマで面倒なお話になっていくのだろう。説教臭くなるのはごめんだが、今後とも注目していきたいテーマだ。

 ただ、1つ疑問だったのは、「家族同士一緒に暮らすなんて信頼していない証拠だ」とクレインは言われていたわけだが、わがままゆかちキャラのエンリちゃんは、普通にお兄さんと一緒に活動してたんだよね。ああいう兄妹も普通にいるってことなのかな。ま、ゆかちだからいいや。そして今回はぶっ飛ばし気味の花澤香菜劇場にも注目が集まる。やっぱり花澤はテンションあげ目で少し引きつったくらいの声が一番キュートだ。

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 イイハナシカナ−? な第3話。ヴィクトリカは可愛い。それはそれでコーラを飲むとゲップが出るくらい確実なのでいいのだが、いちいち本筋の内容がめちゃくちゃなので、それが気になって没頭出来ないのである。ひょっとしてミステリ風味のストーリーラインの方は気にしたら負けなのかな?

 一応、1話から始まる一連のエピソードが終幕。一弥とヴィクトリカの間で友情が深まり、ブロワがヴィクトリカの名を借りて事件を解決するというテンプレートも完成。まとまったエピソードとしては、それなりに統制がとれていて後味は悪くない。基本的に2人がいちゃいちゃしている図を見て楽しむのがメインであるなら、このあたりに焦点を当ててずっとヴィクトリカ劇場をやってくれればそれでいいのである。老獪にしてデレ、略して老デレ。新ジャンルか?

 ただまぁ、やっぱり事件の謎の方の投げ槍っぷりが半端じゃなくてね。2人のいちゃいちゃを書きたいだけの一種のスパイスとして事件を持ってくるなら、あんな大仰で風呂敷のたためない事件でなく、もう少しあっさりした、分かりやすくてもいいから違和感が生まれない内容にしてくれれば良いと思うのだが。

 前回からの引きで疑問点を羅列していくと、一番わからねぇのはネッドが死んだふりをした理由。終わってみれば彼も被害者側だったわけで、何故あそこで突然過去の事件を再現して死んだふりをしたのだろうか。「死んだことにしておけば後から殺されなくてすむぞ」という計算なのだとしたら、その後突然プレデターと化した意味が分からない。武器を持って襲いかかってくる算段なら、わざわざ死んだふりをして無防備な姿をさらすより、銃を捨てさせた時点でさっさと襲いかかってくりゃ良かったと思うのだが。このあんちゃんの行動原理が結局何一つ理解出来ない。また、ジュリィがネッドの死体(仮)を見て「あのときと同じ」などといううっかり発言をしているのもスルー(存在を知らなかったはずの無線室を見て「あれが無線室よ」っていう失言ネタもスルーか)。自分たちが「野兎」であることがあからさまになっているわけだが、実は死んでいないとおぼしきネッドの前でそんな発言をする意図はどこにある?

 ここまで事件の裏側が明らかになり、さらに犯人側がどう見ても隠す気がなさそうなので推理もクソも無い気がするのだが、その上でヴィクトリカの弁舌も全く意味を成さない。「ターンする癖」とか無茶なこといいよるし、「ドアには鍵がかかってなかった」などということが何故分かるのか。全て後付けの理由ばかりなので、およそ推理ではなく妄言である。疑うなら、不自然な言動をしている比率はジュリィよりネッドの方が圧倒的に多いのだ。先週のエレベーターの一件も結局説明がなかったな。ネッドが犯人ならば「ロクサーヌを呼び出すつもりが手違いで招かれざる一弥たちが来ちゃったから、あらかじめ仕込んでおいたエレベーターの罠に入ろうとしたところを慌てて止めた」という理由が出来たのだが、残念ながらそうじゃなかった。もう、伏線も何もあったもんじゃない。

 あと、これはもうどうでもいいのだが、確かあの船って浸水して沈みかけてたはずじゃ……なんでみんなあんなにのんびりしてんだよ。しかも警察が乗り込んできて、無事に接岸してるじゃねぇか。全然慌てる必要ねーよ。多分この手の若年向けミステリには共通してるんだろうけど、全編を通じてその場凌ぎの緊張感とその場凌ぎの推理で雰囲気だけを重視しようとするために、全体としての理屈が一切通らなくなってるんだよな。ま、多分原作に責がある問題なので、アニメスタッフは苦労しているばかりなんだろうけど。アニメとしての見せ方はかなり美味しい方なので、お疲れ様としかいいようがないです。

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 全然ペースが落ちない第3話。こんだけ中身が凡庸な話のはずなのに、むしろ病巣が深くなっている気すらします。これホント楽しい。

 今回も奈緒劇場、キタエリ劇場と言ってしまえばそれでしまいの内容なのであんまり感想は書けない気がするのだが、加えて彩葉劇場、つまり麻里奈劇場も同時開演されており、この2人が互いに勢いを増していく相互作用が本当によいテンポを生み出している。

 今回のハイライトはなんと言っても夜の街で徹底的に修輔を誘惑し続ける彩葉と、それを観察して別世界にトリップしてしまう奈緒。うしろの友人2人の視点をメインに描かれているので、途中の段階で奈緒がどんな気持ちになっているのかが全然分からず、突如送信されたメールでその超人的な感覚を見せつけると同時に、意味不明な司令で友達を困惑させる奈緒。いざその表情は? と思って見に行けば、完全にヘヴン状態で悦に入っているという、恐ろしく倒錯的なシチュエーションである。他にも抱き合う二人に勝手にアテレコしてみせたり、翌日にも彩葉と楽しげに会話をしたり、常にテンション上げ気味の奈緒の、アゲきった状態でのぶっ飛びぶりがいちいち常軌を逸しているのである。

 対抗馬たる彩葉も、幼馴染み、尻軽、ビッチと呼び方はいくらでもあるが、そんな下らない誹りを消し飛ばすほどの徹底したストーカー気質と、何故かそれをヤンデレに分類させない妙な勢いが大迫力。ストーカー2人の挟み撃ち状態に追い込まれた修輔は本当に大変そうだ。

 でもまぁ、彼のパーソナリティもよくわからなんですけどね。奈緒からみれば「童貞エロ魔神」であり、妹がいつ部屋に押しかけてきてもおかしくないような家庭環境においてさえ、なりふり構わず挑戦できる(彩葉風にいえば「自家発電」出来る)ほどのあふれ出るリビドーはサイバディに乗っても戦えそうなレベルなのに、どこをどう見ても「据え膳」であるはずの彩葉に対しては、完全にヘタレ状態で逃げの一手。もちろん強引な幼馴染みに対する苦手意識や、ほのかに心を寄せている妹に対する罪悪感などはあるだろうが、誘われたあのシチュエーションでは、奈緒のことは考慮しなくてもいいはずなのだ(まさか見られているとは思っていなかったはず)。その状態で結局何もせずに脱兎のごとく逃げ帰るとは……意外に草食系なのだろうか。

 それに加え、AGE探検隊への復帰申請の手土産がコンビニ売り雑誌の付録、というのもなんだかショボい。昔のことなんで思い出せないけど、高校2年生の時のエロの水準なんてそんなもんだったかなぁ……今の若者はネットを使えばいくらでも「そういうもの」が転がってるんだから、わざわざ1500円をありがたがる意味もよく分からないんだけどね。あんだけ暴れ回っているのに、修輔はコンビニでエロ本買うのすら躊躇ってるくらいだしな。意外とレベル低いぞ、あいつら。

 ま、何はともあれ奈緒のテンションと奇特なキャラクターだけでもまだまだいけそう。「兄好きの妹」なんて吐き捨てるようなテンプレかと思っていたものだが、ここまでキャラが立っているのは脅威である。しかしそれでも、キタエリのリミットはまだまだこんなところじゃない。エロでもギャグでも突き抜けろ! 大丈夫、別に奈緒も彩葉も、どんだけきわどい台詞や下品な単語をいってもあんまりエロいとは思わねぇから! やっぱりあのキャラデザが原因だよな。

 余談だが、奈緒と彩葉が見に行った映画がゾンビもの、っていうのがちょっとタイムリーで笑ってしまった。お前ら(の中の人2人)は、つい最近までゾンビだらけの街で逃げ回ってたじゃないかよ。規制だらけの作品にばっかり出てる状態やないか。……そういや、この番組の規制レベルがよく分からないね。同じパンツでも見えて良いパンツと悪いパンツがあるのは何故なのでしょう。まぁ、個人的にはモザイク替わりの猫とペンギンのイラストが可愛いので別に構わないのだが。

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Battle of Wits/機知の戦い(9ED)」 R
 また面倒くさいもの再録しやがって……いつの時代にもバベルは現れるからなぁ……まぁ、見た目に楽しいのは良いことだ。ところでこのイラスト、誰なんだろう。ジェイスではないよなぁ。
 
 
Clone/クローン(M11)」 R
 意訳すると、「すんません、『幻影の像』は強すぎました」の意。
 
 
Divination/予言(DKA)」 C
 プリーズ企業努力ウィザーズ社。まぁ、こんなとこでいじっても仕方ないけど。いっそタミヨウデザインで「空民の助言(10ED)」にしてしまうという手もあったのに。
 
 
Essence Scatter/本質の散乱(M10)」 C
 「マナ漏出」とのスタメン争いを久しぶりに突破。青ユーザーからしたらがっかりなんだろうが、基本的に構築のカウンターが嫌いな私には朗報に見える。いや、これも充分安定の強さのはずなんだけどね。構築だと意外と採用しにくいのが悩ましい。
 
 
Fog Bank/濃霧の層(USG)」 U
 意外なところから再録されたウザ壁。こいつ1枚いるだけで賛美が酸鼻。
 
 
Harbor Serpent/湾口の海蛇(M12)」 C
 毎度お馴染み海蛇枠、3年連続3回目。でも、今回相手の土地を島にする方法が無いな。
 
 
Index/索引(9ED)」 C
 全世界をがっかりが覆う再録の2。コレが弱いことよりも、こいつがいることで「思案」が追いやられたことが問題。「思案」がフォーマットによっては禁止カードになっていることを考えたら仕方ないのか。せめて「選択(INV)」とかにして欲しかったけど……
 
 
Jace,Memory Adept/記憶の熟達者、ジェイス(M12)」 M
 通称「一番重いジェイス」、もしくは「一番弱いジェイス」。タミヨウさんと同じコスト域っていうのが色々無茶。まぁ、ジェイスはしばらく謹慎処分で良いと思うよ。これだって充分強いんだし。
 
 
Kraken Hatchling/クラーケンの幼子(ZEN)」 C
 ゼンディカー生まれのがっちり小僧。このがっちりっぷり、どうやらリミテッドを少しでも遅い環境にしたい模様。
 
 
Merfolk of the Pearl Trident/真珠三叉矛の人魚(7ED)」 C
 新たな王様が誕生した記念。いや、仮に王様デッキが出来たとしてもこいつは入らないけど。
 
 
Negate/否認(M12)」 C
 この手のカードにしては珍しく、今まで一度もイラスト変更されてないんだよね。モーニングタイドの時点でよく分からんぼんやりした絵だったしな。
 
 
Redirect/移し変え(M12)」 R
 書いてあることはものすごく強い。最近やんわりとソーサリー・インスタント推しが進んでいるので、今後はもう少し価値があがるやも。
 
 
Rewind/巻き直し(9ED)」 U
 アンコモンカウンターは名優であるこいつが再録。つまり青は少しスピードを落とせってことだ。1マナ3/2フライヤーとか青の仕事じゃねぇ。
 
 
Scroll Thief/巻物泥棒(M11)」 C
 M11当時はリミテッドで意外な悪さをしたくせ者。気の利いたタフネスとかを見てると構築でも意外とやりよるんじゃないかと思う時もあるニクい奴。
 
 
Sleep/睡眠(M11)」 U
 1年間文字通りお休みしていた拘束系スペル。書いてあることは色々と強いんだけど、意外とリミテッドでも出番がないんだよなぁ。
 
 
Sphinx of Uthuun/ウスーンのスフィンクス(M12)」 R
 リミテッドで出すと相手に露骨に「えー、そんなレアゲーすんの?」と嫌な顔をされるのが主な役割。そのわりに「垂直落下」とか「破滅の刃」とかで割とあっさり落ちてくれるお茶目さんでもある。
 
 
Stormtide Leviathan/嵐潮のリバイアサン(M11)」 R
 「そういやいたな、そんなの」というくらいの記憶しかなかった微妙レア。いや、これも相当強いはずなんだけど、基本セット製で構築に声のかからないレアなんて、流石に毎回毎回覚えてないよね。
 
 
Unsummon/送還(M12)」 C
 最近このコンフラックスの絵で定着してるから、懐かしい6th版のもにゃもにゃしたイラストがみたい。名も無きエスパー人が可哀想じゃないか。
 
 
Vedalken Entrancer/ヴィダルケンの幻惑者(RAV)」 C
 前代ラヴニカでライブラリを攻めるディミーア兄貴たちの拠り所となった「最強コモン」の1つが鳴り物入りの基本セット参入。まぁ、セットとしては「マーフォークの催眠術師(M12)」のタフネスがあがっただけ、っていう話なんだけど、ここからのミルミル伝説が始まるのか否か。続報を待ちたい。
 
 
Welkin Tern/天空のアジサシ(ZEN)」 C
 2マナパワー2フライヤーが弱いはずが無いの法則。ゼンディカー出身だが、一切そんなことを感じさせない普通っぽさが可愛らしい。
 
 
Wind Drake/風のドレイク(M10)」 C
 お前おるんかい、っていう。最強召喚士ターランドさんが片手間で生み出す程度の存在です。それでも強いからターランドさんがすごいのだが。

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  俺の銀河がもう輝いているらしい第16話。「西の巫女編」のラストエピソードとなる回だが、前回の大盛り上がりに比べると、ちょいと尻すぼみな幕引きだったような気がします。

 ケイトの策略によって遂に綺羅星十字団に捕らえられたミズノ。ケイトが「科学部」っぽいことをやってるのは5話のマンドラゴラ以来な気がしますが、科学準備室に大量の液体を沸騰させたり蒸発させたりしてるビジュアルはものすごく怪しい。どう考えても全部が全部管理出来てねーだろ、と思ってたら、どうやらそんな怪しげな煙の中に睡眠薬みたいなものも紛れ込んでいたみたいですね。ミズノだけを眠らせて自分が平気とか、ひょっとして毒に耐性があるタイプの人でしょうか。そして、そのまま綺羅星秘密基地でミズノにレイプまがいの暴行を加え、ゼロ時間に引きずり込んでスターソードでばっさり。封印が破壊された後の解放シークエンスなんかは、いかにもな画面が大迫力です。物語が始まって16話。ようやくフェーズが第2から第3へと移行したことになります。

 そして、ミズノの救出に向かったタクトと、散々スガタを挑発してきたヘッドの直接対決。今回は何故かタウバーン登場シーンが普段と違うオリジナル画面。巫女の歌がないとあのバンクが盛り上がらないからだろうか。スターソードを持ちファンネルも装備するという、同じような能力を有したヘッドのサイバディは、能力を発動すると自分より弱い相手サイバディの能力を全封印してしまうというチート臭いもの。一時は体技でも能力でもタクトを圧倒するヘッドだったが、いざとどめの一撃というところになって、何故かタクトが覚醒。想い出フィールドではミズノがタクトの青春の記憶を追体験し、彼の強さの根底にある記憶を知ることになる。そして、そのまま勢いでヘッドのサイバディを粉砕してしまった。

 封印が解除されたことにより、ミズノは念願の海の向こうへ。先週と全く同じ構図、同じタイミングでアラームが鳴ったときにはドキリとしたが、その音は目覚まし時計ではなく携帯の呼び出し音である。最愛の姉であり、自らの生み出した理想の存在、マリノ。ミズノの夢は破れはしたが、最愛の存在は失わずにすんだようだ。

 

 というわけで、結果だけ見れば「巫女が解放されて第3フェーズに突入」という綺羅星の狙いは果たしたわけだが、それでも特に絶望的な印象もなく、むしろタクト側が狙い通りに綺羅星を叩いているイメージになっているのはどういうことだろうか。ミズノの悲劇も、先週時点で想像してたよりもずっと優しい結末を迎えており、マリノも復帰したし、ミズノの人生も希望が蘇った。もちろん彼女に不幸になって欲しいとは思わないが、気を持たせた割には肩すかしのような展開であった。

 最大のびっくりは、例によってタクトがあっさりとヘッドを撃破してしまったことである。先週無かった分、今回はヘッドの堂々としたサイバディ技能が存分に発揮されたナイスなバトルシーンにはなっていたのだが、いざとどめを刺そうという段になっての、「よく分からない」逆転劇。先週までのヘッドの言動から考えて、タクトもぼちぼち負けるんじゃないかと思っていたんだけど……勝っちゃいましたね。これじゃヘッドが単なるいたい奴になっちゃったじゃないか。彼が負けた今、タクトを倒せるのはスガタしかいなくなってしまったわ(まだケイトが残ってるが、彼女は正面からタウバーンにぶつかるとは思えない)。

 ま、ここから東の巫女関係の諸々を片付けて、最後にスガタとワコを巡ったクライマックス、という展開だろうから、ここでうじうじしていると尺が足りなくなっちゃうんだろうな。よく分からない思い出話を理由にしてヘッドを押し切っちゃったのは仕方ない展開だろうか。勝手な台詞を吐いておいて「あなたには分からないんだ!」って、ひどい言いぐさだよなぁ。お前以外誰も分からんがな。

 しかし……これでミズノちゃんも一時退場。サカナちゃん、ミズノちゃんと、好きなキャラクターがどんどん巫女として退場してしまいます。無念。来週からは東の巫女の歌唱でバトルが進むんでしょうか。こうしてみると巫女連中は安定感のある歌唱キャストだな。東の巫女の中の人(小清水)が25歳、西の巫女の中の人が15歳、南の巫女の中の人が19歳、北の巫女の中の人が20歳、みんな若いなー。小清水が最年長ってどゆことやねん。そういえば、今回はケイトの見せ場のインパクトがなかなかで、小清水の存在感が素晴らしい。そして最大の見せ場を作ったミズノ役の日高里菜も圧巻。泣きのシーンは初めて見たけど、思わずもらい泣きしそうになりました。

 ただ、今回最萌だったのはヘッドでしょうかね。「お前だけが銀河美少年だと思うな」って、どんな台詞やねん。石田彰が言うとギャグなのにギャグじゃないような、ギャグじゃないのにギャグなような、絶妙な笑いどころになってしまうんだよ。柴田秀勝氏に「銀河美少年」なんて意味の分からない台詞を言わせちゃ駄目! 

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ミスドがコラボする日も近い気がする第3話。うぐぅのたいやき、シャナのメロンパン、メリーのドーナツ。やらない手はないだろう。

 3話になり、ようやく作品の流れの基本が見えてきたところのように見えるが、何と今回も山内監督コンテ回である。すげぇ気合いの入りよう。おかげでコンテが重いこと重いこと。こういうみっしりした演出回は疲れるけど視聴後の充実感が段違いなのでたまらんものがあります。

 先に断っておくと、シナリオライン自体は特に変わったこともなく。一応、メリーと夢路が共闘関係を結ぶための大切なファクターが描写される回である。2人の関係性を語る上では外せないエピソードとなっているが、例えばバトルが斬新だとか、びっくりするような展開が待ち受けているとか、そういうことはない。

 ただ1ついえるのは、充分ヒロインは可愛く描けているということだ。メリーは独特のコスチュームで活発に動くことでちゃきちゃきした魅力を遺憾なく発揮しており、独特の臍見せルックが躍動的な身体の動きを見せるのに効果的に機能している。また、それ以外のヒロイン勢でも、今回ゲストキャラ(?)として登場した幼女みなとのぽやっとした外面と、それと対照的に缶蹴りでみせた子供らしい元気の良さ、そして夢魔と対峙した時の屈託のない純朴さも伝わってくる。相対した夢魔の方も、大胆な表情の崩しでもってその悪辣さは伝わってくるのに、メリーに攻め立てられてほっぺをぎゅ〜っとされているときはどこか憎めない、子供っぽい小憎らしさが出ている。各々の作画の安定感はかなり高い。ラストシーンでは遠藤綾ボイスの新キャラも登場し、まだまだそっち方面の楽しみ方は期待できそうである。

 そして、それ以外に視聴のポイントとなっているのが、各シーンごとの癖のあるコンテワーク。やはり山内重保のコンテというのは「流れ」「繋ぎ」の演出ではなく、1枚絵を基調とした「見得」の構図が印象的だ。数えているわけではないので本当に印象論でしかないのだが、カット数は一般的なスタイルよりもかなり多くなっているのではなかろうか。その上でせせこましい印象ではなく、むしろどっしりと重たい印象になっているというのが、この人の見せるアングルや距離感の妙である。

 試しに例を出してみると、冒頭の夢路と勇魚の会話のシーンなんかはいきなり分かりやすい。遠望やアップなど、様々な角度から2人の会話の流れを繋いでいき、その中にはあまり関係のない風景のアップ、夢路の顔を追うカット、二人の足下を写すカットなどが連なるのだが、奇妙なことに、最後の最後に至るギリギリまで、勇魚の顔は画面に出てこない。首から下だけのカットなどで繋がれており、「何故か見えない」勇魚の顔が気になって、視聴者はやきもきしてしまう。最後の最後、「立派だと思うよ」という勇魚が夢路に向けて評価をする段にいたって、ようやく彼女の顔が大写しになる。このことによって、勇魚の気持ちがどこにあるのか、というのが視聴者に最大限の効率でもって伝わるようになっている。

 他にも、切れかけた電球のフィラメントが大写しになるカット、公園で遊ぶ子供達を、大写しになった端の手すり越しに見るカットなど、画面の遠近を大胆に崩して奥行きを見せる描写も面白い。メリーがデイドリームに飛び込んでくるシーンでは、落下するメリーと一緒に桜の花びらが一枚だけ画面に迫り、画面を多い隠すほどに寄るカットもある。ここでも、華麗に飛び降りたメリーの「上から下」という動きの迫力を、近接する花びらで見せる効果がある。

 画面の含意でいうと、ドーナツとそれに見立てた雲のリンクも面白い。最初に、夢路と勇魚の会話が終わり、メリーが鉄塔の上で思いを馳せるカットに繋ぐ場面では、2つにちぎれてばらばらになった雲の切れ端が見える。これはシンプルに、夢路とメリーがばらばらになっていることを表すもの。そして、みなとにドーナツを分けてもらったシーンでも同じような雲が見える。こちらは「みなとにドーナツをちぎって分けてもらった」こととの対比。そして、戦い終わって最後の夕空に浮かぶ雲も、まだちぎれたままになっているのだが、その形が最初とは変わっており、寄りそうようにして繋がりそうな形になっているのである。こういう間接的な部分にちゃんと意味を乗せてくるコンテは好みです。

 ただまぁ、その分バトルシーンなどの動きを期待するシーンでは重さが「テンポの悪さ」に繋がりかねないのは懸念材料だろうか。今回も「謎のこけし落とし」というよく分からない技を使う夢魔を相手に、そこまで劇的な大立ち回りもなく、割と淡泊なバトルとなっております。ほっぺぎゅーから最後のビンタに繋ぐ部分の達成感はあるのだが、そこまでの見せ方は賛否両論出そうな出来ですね。ま、これってメリーっていうキャラクター自体が、派手な必殺技のない「単なる凶暴な女の子」であり、見せる要素が少ないことが原因になってる気もするんだけどさ。

 最後は当然、中の人の話。今回はゲストキャラ2人の存在感が半端無い。幼女みなと役は、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いとなった日高里菜。こうして単発キャラで聞くと、彼女に独特のちょっと掠れた声音の特徴がよく分かる。現在「STAR DRIVER」でやっているミズノあたりと音域は同じで、まだ「演じ分け」というのが完璧とは言わないが、きちんと役の呼吸に合わせた差異が意識されているのは伝わってくる。今後が楽しみな良い声です。そして、そんなみなとを籠絡しようとする夢魔・イチマ役には、前の番組「禁書目録」からはみ出して来ちゃったかのような井口裕香。ゆかちの悪者ボイスはなかなか聞く機会がなかっただけに、不覚にも笑っちまうくらい楽しかったです。ぼちぼち紋切り型のロリっ子だけでなく、イロモノ系でも見せていくチャンスが欲しいですね。中の人のことを考えりゃ、もっとテンション芸で見せる幅は広いはずなんだから。これで次の番組「みつどもえ」でもしゃべれば奇跡のゆかち三連射が達成出来るところだったのだが、残念ながらしゃべりませんでした。そう考えるとナチュラルに4番組連鎖とか達成してた豊崎は化け物だな。

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 1月21日 ドラフト模様(SOM×3)

ピック順 【Alessi】→【Newcomer】→【Sangriter】→【Thraxi】→【Serra】

 ぼちぼち包囲戦カードも揃ってきた昨今、皆様いかがお過ごしでしょうか。何故かスモールエキスパンションのくせに基本土地が収録されるってんでちょっと話題になってますね……ま、どうせブースター開ける身としては、傷跡と同じイラストの土地が出るよりは包囲戦オリジナルの土地がある方が面白いので構わないと思うんですけどね。どっちにしたって1パック14枚は変わらないわけだし。ファイレクシアに汚染されまくった沼とか、是非見てみたい。今回は「イシュ・サーの背骨」があるからひょっとしたらボッコボコになってるかもしれないけどな。

 ぼちぼちマンネリ化してきているこの環境ですが、今回は5人で4つの色を奪い合う泥沼展開。ここまで綺麗に1色が無視される状態が起こりえるのが、アーティファクト環境の怖いところだ。そして、何箱開けたか分からないこの期に及んで、ようやくプレインズウォーカーが出始めたところです。出ろ出ろゆーてたけど、実際リミテッドで出られるとやっぱりひどいな、あいつら。


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Bloodthrone Vampire/血の座の吸血鬼(M11)」 C
 むしゃむしゃする側の人。今回は「反逆の行動」も無いので、そこまで慌てずともいいカード。「流血の鑑定人」と組んで何かとんでもない吸血鬼デッキが作れないものか。
 
 
Dark Favor/闇の好意(M12)」 C
 最初に登場したときは「何で黒だけライフルーズやねん!」と思ったけど、実際リミテッドで使ってハマると白よかよっぽど強かったという。やっぱパワー3は偉大。
 
 
Disentomb/墓暴き(M12)」 C
 無くてもいい基本セットカード軍団の1枚。大体リミテッドでもほとんど使わないカードなんだから、入れ替えてくれりゃいいのにな。ただし、フレーバーテキストにはあの懐かしのネビニラルさんのコメントが書かれているので、そこだけはオリジナリティ。
 
 
Duress/強迫(M11)」 C
 黒にとっては最軽量にして最大級の福音。これでぐぐっと戦える幅が広がる! 「脳食願望」も詰め込んで1マナハンデス8枚体制のデッキを組む。俺は組むといったら組む。
 
 
Essence Drain/本質の吸収(10ED)」 C
 じわっと帰ってきた、じわっと除去。痒いところに手が届くけど、痒みがあまり治まらない感じが絶妙にコモン。魔法の言葉は「リミテッドなら」。
 
 
Giant Scorpion/巨大蠍(ZEN)」 C
 白の牛、青のイカに続き、なんと蠍までもがゼンディカーから参戦。一体何があったゼンディカー、フレンチバニラ王国でも築き上げるつもりなのか。
 
 
Mind Rot/精神腐敗(M12)」 C
 いつものように、「カードアドバンテージとは何か」を優しく教えてくれるよ。今回久しぶりにフレーバーテキストが変わっており、リリアナ姉さんの相変わらずな様子が楽しめる。
 
 
Mutilate/もぎとり(TOR)」 R
 再びこのカードが使える日が来ようとは! 「黒ラスゴ」業界では最初の成功例と言ってしまって良い、黒を代表する名選手。やはり黒といえばトーメントなわけですよ。これで「黒の太陽の頂点」が落ちてもまだ戦える!
 
 
Phylactery Lich/聖句札の死者(M11)」 R
 なんでお前が帰ってくるんだよ。ミラディン前のほのめかし役だっただけのくせに。
 
 
Ravenous Rats/貪欲なるネズミ(10ED)」 C
 個人的にはやっぱりこのあたりが青春、って感じのクリーチャーだなー。いいカードだなー。「雲隠れ」とかしようぜー。単騎? 知らん!
 
 
Rise from the Grave/墓場からの復活(M11)」 U
 1年ぶりの普通復帰。そういやM12って墓地から直接釣る手段が黒に与えられてないセットだったのね。
 
 
Shimian Specter/シミアの死霊(FUT)」 R
 今回のスペクター枠は、なんか地味だった未来予知のこいつ。書いてあることは強そうなんだけど、鬼コンボと鬼速攻しか無かった時代に生まれたのが運の尽き。今のご時世だと……どうかなぁ。
 
 
Sign in Blood/血の署名(M11)」 C
 なんだよ、今回の黒は俺を喜ばせようとしてくれているのかい? いいね! これで黒は完全復活だよ! とにかく引くんだ! 赤は手札でも全部捨ててろ。
 
 
Tormented Soul/苛まれし魂(M12)」 C
 「狂喜もなくなったのにあいつだけ残っててもな〜」「そうよね〜」ヒソヒソ。あ、違う、賛美あるやん。今後ともよろしく!!
 
 
Vampire Nighthawk/吸血鬼の夜鷲(ZEN)」 U
 あぁ! もう! 黒いセット! めっちゃ黒いセット! 素敵! でも1マナの変な虫のおっさんと相打ちなのがちょっと切ない!
 
 
Vampire Nocturnus/吸血鬼の夜候(M10)」 M
 これぞキングオブ吸血鬼。ヴァーズゴスさんの空気読めなさは半端じゃなかったから、この人の復帰で再び吸血鬼の時代は戻ってくるのか? ちなみにライブラリトップがみえるから奇跡とシナジれるんじゃね? とか考えたのだが、奇跡カードがトップの時点で夜候さん3/3確定や。ちょっと切ない。
 
 
Walking Corpse/歩く死骸(ISD)」 C
 ついに歴史が動いた。黒の熊も緑や白と同じく「熊」を名乗って良いという許可が、イニストラードの努力によってなし得たのである。もう、このセットをゾンビ記念日と名付けてしまってもいいくらいの大偉業だ。「どう見ても吸血鬼フィーチャー」「そもそもイニストラードがスタンダードなんだからこいつ邪魔」などの逆風に負けずに戦え。
 
 
Wit’s End/機知の終わり(DIS)」 R
 効果や活躍度合いよりも、そのイラストの方が強く記憶に残ってる珍しいカード。そして、今回は前回の鼻の穴とは打って変わって、圧倒的に恰好いいニコル様の勇姿が拝めるナイスイラストにバージョンアップ。これはもう、手札捨てさせるどころじゃない。3枚捨てさせて3枚引いて1体サクらせて1体戻してライフ5点吸うくらいならできる。出来る!
 
 
Zombie Goliath/ゾンビの大巨人(M12)」 C
 無くてもいい基本セットカード軍団の1枚。でも、歴代の黒ファッティの中ではそこそこ頑張ってる方。一瞬だけ「グールの大群(10ED)」が収録されたのは何でだったんだろう。
 

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 予想外のことが起きるんだろうと覚悟しながら見つつも、やっぱり予想外な第3話。「画面がちぐはぐだし、製作側は穿った血だまりな見方をさせたいのかどうか分からないなぁ」と斜に構えてみていたはずなのに、もう、もろに血だまり方向に進んでるじゃないですか。こうなってくると、何が起きても「意外」ではないぞ。

 今回は、2話かけてずっと描かれている「魔法少女になるとは」「人生における最大の望みとは」という点がさらにクローズアップされ、メインキャラクターのより深い部分へと踏み込んでいく。マミの魔法少女としての活躍を後ろから見学し続け、さやかとまどかは自然に「魔法少女になる」という方向へ歩を進めている。確かに、颯爽と魔女を退治し続けるマミを見れば華々しいものであるように見えるし、その上で「願いが何でも1つ叶う」という提案も魅力的だ。

 しかし、魔法少女になるというのは生半なことではないと、マミは釘を刺す。さやかの願いの種類を察し、「自らのためか、それとも他者のためか」と問いかけたり、まどかの何とも不思議な動機にもすぐに頷かなかったり。これまではあまり言及されてこなかった「魔法少女になること」のリスクについても、多くは語らずとも臭わせることはしていた。

 利己であるか利他であるか。そのことは個々人が活動するための最大のエネルギーになると考えることも出来るだろう。さやかの望みは、一見すると非常に利他的な「上条という知り合いの治癒」であろう。それが純粋利他的である場合と、あくまで他者に幸福を与えることでフィードバックされる自分の幸福感を望んでの場合、結果は同じだが、そこには大きな隔たりがあるという。また、まどかは仕事に打ち込む母親の姿にも、「活動するためのモチベーション」という要素を考える。仕事をすることで得られる結果を求めているのか、それとも仕事自体をもとめているのか。大好きな母親の姿を見て、まどかは自分なりの魔法少女との接し方を感じ取る。

 既に魔法少女として活動を続けるマミは、残念ながらそんなことを考える余裕は無かった模様。多くは語られなかったが、どうやら命の危機に瀕した状態で、キュゥべえとの契約を選択せざるを得なかったようだ。命を長らえたことで後悔はないというマミだったが、親しくなった3人の関係性において、その動機が三者三様になってしまっているのは気になるところ。マミは純粋に己がため、さやかは他者に幸福を与えることを通じての己が幸福のため、そしてまどかは、活動すること自体に幸福を見いだすため。そんな微妙なズレを知ってか知らずか、ほむらは常にマミに釘を刺し続けていた。

 そしてその時は訪れた。上条の入院している病院に現れた魔女を打倒するために結界内に侵入する4人。そこで、まどかはマミに対して魔法少女になる決意を告げる。「本当の意味での友達が出来る」と喜んだマミだったが、そのことで慢心が現れたのか、油断を突かれ、魔女に一瞬で食いちぎられてしまった。目の前で頼れる先輩を亡き者とされた2人を尻目に、ほむらは魔女を倒し、シードを持ち去ってしまう。「魔法少女になるというのは、そういうこと」。彼女にも、絶対にゆずれない夢があるのだろう。まだ入門すらしていない2人の魔法少女への道は、いきなり決定的な障壁へとぶち当たってしまった。

 

 3話目にして、マミの死亡(?)。もう、どうにもとまらない。要所要所で印象的なカットが多い本作だが、一瞬にしてマミが喰い殺され、だらりと垂れ下がる半身が大写しになるカットは、それまでの異様な画面と違って実にシンプルな構図だ。それだけに、どうしようもないぐらいに「表すべきもの」が分かりやすすぎる。これが、この作品の悪意なのだろうか。また、そんな魔女を眉一つ動かさずに破壊するほむらのアクションも、爽快さとは無縁の悪魔的な所業。今回は魔法空間のモチーフが「病院とお菓子」という倒錯的なものであるが、これまでのイヌカレー画面とはちょっと違って華やかなイメージをもっていた「お菓子」の画面や奇妙な愛らしさすら感じさせる魔女のデザインが、一転して「血みどろ」へと転換するシーンは本当に救いようがない。これが毎週続くとしたら……どうしたらいいんだろう。

 もう、世界設定や「裏側」についての考察などは無意味なのでやらない方がいいだろう。いくらでも憶測や妄想は出来るが、今の時点では何を考えても無駄だろうし、かえって頭空っぽの状態で見た方が面白そうだ。また、現時点においては、マミの活動やキュゥべえの勧誘活動については、『本心から行っている』という風に描写されているように見える。正しい視聴者ならば、そこにクリエイターの個性などは考えず、描かれた通りに素直に受け取るのがベターであると思う。ただ、途中で心が折れなければの話ではあるが。

 「衝撃を与える」という目的で考えるならば、この作品は本当にハイスペック。今回はようやくエンディング画面も描き下ろされたが、シャフト作品でありながらビィートレイン作品のような印象も受ける、黒い方黒い方な画面作りは本当に容赦がない。これまで作られてきた「シャフトっぽい画面」のテンプレートが、ようやく「シャフトらしい」ではなく「まどかマギカらしい」画面になってきたのだろう。イヌカレーフィールドもワンパターンにならずのそのエピソードごとにちゃんとコンセプトが見えるようになっているし、毎回どんな「とんでもない」画面が飛び出してくるのか、期待せずにはいられない。

 今週の駄目ハイライト。後藤邑子さんがべろんべろんに酔っているシーン。スピリタスを余裕で干すような人間がくだを巻いている姿は、なかなか見られるもんじゃござんせん。

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