最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
○「30歳の保健体育」 2
ネタにマジレスさせられている気分。……真面目に取り扱ったら負けだよなぁ。 これが企画として通ってしまったことが日本アニメ業界の1つの奇跡として語り継がれる気もします。というか、これってアニメ業界っていう枠で取り扱うのも間違いなんだろうな。面白かったのは、置鮎と、ピー音です。置鮎が「私の尻で童貞を捨てろ!」って言ってるのを聞いて、腐女子は喜んだり出来るんでしょうか。立木さん、本当に仕事を選んで下さい。多分誰かが「立木さんの自主規制ボタン」とかを作ってくれて、好き放題「コブラツイスト!」出来るようになるに違いない。あとは……オープニングとエンディングが無駄に良曲。こんなもんに採用されてしまったアーティストが可哀想になるくらいに。 アニメが添え物程度なのに、それすら訳が分からない規制でまともに見られない。この規制度合いは「聖痕のクェイサー」や「こどものじかん」以来だが、そうした作品と違って、規制で何が見えなくなっているのかがさっぱり気にならず、「もういっそ番組自体を放送しなきゃ良かったんじゃないかな?」としか思えない。ネタとしても別に面白くない。そして、BS版特典として15分の実写パートもついてくる。これを的確に表す言葉を、私は「放送事故」しかしらない。どうすりゃいいのよ。 PR 「レベルE」 6→6 安定。たった一言「原作が面白いからな」といえばおしまいの作品ではあるのだが、あの無茶苦茶な原作を極力変質しないようにアニメ化出来たのだから、その部分はちゃんと評価すべきかと。 もちろん、無茶苦茶なのでやっぱり無理だった部分もある。特に野球犯人当ての回なんかは、原作の時点で初読放置というひどいありさまだったので、アニメで無理矢理1エピソードに落とし込んだのは無謀だった。いや、だからといって2話に分けたら意味が分かるかといったら確実に無理なんだけど……諦めるしかなかったよね。もし原作未読の人間がいたとして、あの話を「分からなかったからもう1回観よう!」と思えるんだろうか……原作買って下さい。それでも分からないから。 それ以外だと、例えば最終話が王子の結婚までで、新婚旅行エピソードがカットされてしまっていたりするのもちょいと残念なところだが、実を言うと私は虫がものすごく嫌いなので、あの話がアニメ化されなかったことにはホッとしてたりする。1話のクライブの時点でちょっと嫌だったくらいなので、アニメスタッフの判断にはがっかり半分感謝半分。まぁ、忠実なアニメ化を望むならばやっぱり全エピソードやって欲しかった気はするんだけどね。他のエピソードについては、時間配分もちゃんと考えられていたし、オリジナルアレンジの部分も「アニメにするときには原作では分かりにくいだろう」という部分を積極的にいじっていたのが分かったので、悪くない修正だろうと思えるものが多かった。ここまできちんとスタッフに愛と理解を得られただけでも、文句を言うのは筋違いというものだろう。良いアニメでした。 個人的には中の人MVPはクラフトの子安だったわけだが、浪川先生の頑張りも素敵だったし、だんだんキャラが固まってきた細谷佳正についても、悪くなかったと思う。そして、カラーレンジャー回はあまり聞かない名前ばかりが並んでいたのだが、特に気になる点もなかったのは有難かった。金谷ヒデユキがメイン張ってるのとか、どういうことだろうと思いましたがね。笹島かほるんも随分久し振りに見たなぁ。あとは二股人魚の中の人でしょうか。幸薄い声サイコー。
○「へうげもの」 6
2年ぶり、なかなか珍しい方向から攻めてきた感のある真下耕一の新作。原作は未読。真下監督との付き合いは「NOIR」からなので、こうして明確な原作ありの作品をアニメ化するのはほとんど初めて見るジャンルだったりします(一応「Phantom」は原作有りだけど、ゲーム原作だからいじり甲斐があったからねぇ)。 正直、あまり期待していない作品だった。真下監督の独特の演出技法っていうのはあんまり他の媒体との相性が良くないと思えるし、原作がちゃんとした漫画であればあるほど、真下演出の色が消えてしまうか、もしくは無理矢理あの空気を生み出した結果原作の味を殺して自己満足になってしまうか、どちらかになるだろうと思っていたのだ。実際、最初の方のカット構成は「普通の」流れが支配的で、あまり真下的な要素が見られないものだった。しかし、そんなことくらいで彼は負けない。松永久秀と古田左介の対峙シーンあたりから、画面が次第に重みを増し、「目」による演出が際立ってくる。人と人とのインタラクションがその密度を増すにつれ、アップのカットと止め画で見せる真下演出は力を持ち始める。松永の死後も、秀吉と信長の対峙、信長と左介の対峙、そして港での再びの対峙と、少ない動画数でガッツリと見せ付ける演出が、実に合理的にシナリオを盛り上げてくれた。 とにかくきらびやかに、賑やかにを良しとする現代日本アニメとは一線を画すビィートレインの静かなコンテ構成。その力はこうした「地味な」テーマを持った作品とのマッチングが良く、「予想以上にいい題材を見付けたもんだなぁ」と感心してしまった。原作ファンから見たらどういう感想が出るのかは想像も出来ないが、全く原作を知らない身としては、「アニメが終わったら原作を読んでみようかな」という気にさせるだけの完成度だったことは間違い無い。 多分、これって原作も面白いんだろう。主人公古田左介のキレ気味のキャラクターが良い味を出しているし、既存の歴史上の人物のアレンジも、馴染みやすくなっているのにベタベタという程でもない。アニメ風に落とし込まれた絵柄も動かすとバランス良く原作の絵がイメージ出来るし、今後もこのくらいのペースで進行してくれるならば、シナリオ面も映像面も合わせて、なかなか楽しめそうである。 中の人の話もちゃんと。主人公・古田左介役の大倉孝二という人は知らない人だったが、どうやら一般の俳優業の方らしい。くせのある声色が「数奇者」としての左介の味としていい具合にマッチしており、なかなか面白い。また、信長役に小山力也、秀吉役に江原正士、松永役に飯塚昭三などの骨太の配役も安定感抜群で、特に猿の役に徹した江原さんの演技が楽しい。粗製濫造のアニメ業界で、こういう作品がポッと出てくるだけでも良い口直しになります。大丈夫、NHKのアニメだよ! そういや、ビィートレインって思いの外NHKと仲が良いんだよなぁ。
○「Dororonえん魔くん メ〜ラめら」 5
えーっとねぇ…………誰だ、この企画通した奴。いや、これはこれで…… 1話目のテーマが「とにかく昭和、何が何でも昭和、色々犠牲にしてもまず昭和」というもので、脚本を立てたおっさんはさぞかし楽しかっただろう、という徹底的な密度でもって昭和の懐かしい文化が乱れ撃ちされる。世代的に、私も正直ほとんど蚊帳の外で、知識として知ってはいても笑いに繋がらないような演出も多いのだが、とにかくそこにこだわり抜いていることが分かるために、面白いとかいう以前に感心してしまった。これは、嫌いじゃないです。 考えてみれば、この味付けは理に適っている。永井豪原作の漫画で、しかもギャグを多めに盛り込んだこの作品なら、どうしたって笑いの質は昭和以前のものになってしまい、「今のアニメ」に仕立て上げてもそぐわないものになるのは目に見えている。それなら、開き直って「全てのネタが昭和である」という世界を作ってしまえば、そのまま永井豪のギャグを放り込んでも、何となく調和が取れてしまうのだ。お色気シーンや下品なギャグ、下らない駄洒落などの本当にどうでも良いピースが、輪をかけてどうでもいい昭和ネタにまみれ、世界を1つずつ装飾していくのだ。このこだわりはなかなかまねできるものじゃないし、そもそも、あんまりやろうと思わない。米たに監督、なかなか思い切った方向性で攻めてきたものである。 これだけ古めかしいネタなのだから、そのまま昭和アニメテイストでお送りすれば単なる懐古主義の作品になるだけなのだが、アニメとしての骨格はちゃんと現代アニメになっているのが更に質の悪い部分。キャラクターデザインがまさかの木村貴宏で、細かい動きのシーンでは昭和的なギャグの演出に加えて、きちんと「綺麗な画面」でも見せてくれるのだ。おかげで永井豪っぽく寄せたキャラ顔なんかはちょっと浮いた感じになってしまうのだが、その不協和音までもが、くだらなさをコテコテに盛りつけた昭和ギャグの一環として溶け込んでしまうのだ。いやぁ、このムズかゆい感覚は、案外くせになるかもしれません。でも、本当に面白いと思えているのかが自分でも自信が持てないんですよ。 こうして書き出してみると単なるネタ要素重視の一発屋作品のように見えてくるが、ブレインズ・ベースの制作ということもあり、画面の密度はかなりのもの。ネタ自体がドタバタした混沌を笑いに変える狙いがあるために掛け合いのテンポが凄まじく早いのだが、それに負けないような賑々しさが画面にもみなぎっている。主人公の女の子(ハルミ)が一人で頑張っているシーンとか、中の人が可哀想になるくらいにネタを畳みかけているおかげで、馬鹿馬鹿しいだけのものなのに、勢いに飲まれてしまう。この密度でネタを回すのは、珍しいとか難しいとかいう以前に、多分しんどい。どこまでこのテンションを維持できるかが、今後の勝負の鍵になるんじゃなかろうか。 昭和テイストを良い感じに支えているのが、やってる方もなんだか楽しそうな中の人たち。勝平ちゃんを中心に子安・能登と配置したメイン組もさることながら、小学生役にも川澄やら宍戸留美やら、微妙にキャリアのある連中が顔を連ね、何となくでもちゃんと昭和ネタが分かるくらいの年齢層をキープ。確かに、この作品を若い連中に固められたら興ざめだものねぇ。能登も自分が一番若い現場とか、久し振りなんじゃなかろうか。長らく見ていなかった気がする大沢コンビの競演が楽しいです。そして、子安が楽しそうです。こういう役も似合うんだよなぁ。ずっこいなぁ。
○「Aチャンネル」 4
まんがタイムきらら系列の日常系漫画といえば、もうすっかりお馴染みの風景となった感もありますが、とどのつまりはそういうものの新作です。あんまり代わり映えしないジャンルなので、なかなか紹介が難しいよね。ただまぁ、これまでの経歴からすると、この手の作品は全般的に楽しめているので、今回もなかなか楽しみであることよ、と思いつつの視聴。 で、1話目であるが、確かに画面の質は良い。制作を手がけるスタジオ五組は「こえでおしごと」のOADを作ったところみたいだが、今回はついに自社元請による初制作ということで、GONZO繋がりの小野学を監督に配し、サトウセイジをサポートに回した「咲」と同じ布陣を用意。萌えものの表現技法も手慣れているし、技巧的な部分も色々と面白い試みはあって、特にオープニング映像は本当に凝っていてゆっくり見てみたいと思わせるだけの出来。冒頭、バットの女の子がズルズルと金属バットをもって走り回るシーンもグリングリンと画面が動いて、1話目からちゃんとお客さんを引きつけようという努力が伺える。このまま画面の質が崩れなければ、平均点はキープ出来るくらいの作品にはなるのだろう。 ただ、正直言うと1話目ではあんまり「楽しそう」と思えるだけの内容は無かった。他に居並んだ「萌え四コマ」と何が違うのかと言われると難しいのだが……1ついえるのは、初見で訴えかけるようなキャラがあまりいない。言い換えると、キャラが立っていない。バットの子だけはかわいらしさも充分だったし、良いなぁと思わせるだけの画面があったのだが、メインとなっているはずの他3人が特に自己主張をせず、「この子達を中心にネタを回したら楽しそうだ」と思わせるだけの説得力に欠けるのである。特にメインの子。今のところ劣化唯にしか見えない。 この手の作品のメインの子は、何故か天然さんがデフォルト。きらら系列アニメで抜き出すと、唯、キサラギ、ゆのと並ぶ。そして、彼女達の場合には、天然であることに加えて、「主人公たらしめる」要因がちゃんと用意されている。唯は度の過ぎたユルい性格と、それを補ってしまうだけの天性の無駄な才能、キサラギとゆのはボケた部分を補うだけの秘めたる情熱がある。しかし、今作の主人公の子(るん)は、単なる駄目な子である。にも関わらず、周りからはなにかとフォローされ、年下の子には熱愛され、何故か男子からの評判も良い。なんだかしっくりこない。 また、残りの2人についても、現時点では明示的な役割分担が行われていない(一応茶髪の方が突っ込み役であることは分かるのだが、関西弁の立ち位置が中途半端)。まだまだ1話なのだからその辺はおいおい書き込まれていくのだろうとは思うが、上にあげたような他の「日常系作品」は、とにかくキャラの個性で押していくしかないということを重々承知していたため(何せ盛り上げるためのストーリー要素が少ないのだ)、くどいくらいに1話でキャラの描き分けが行われていた。この作品は、そういう部分をあまり見せてくれない分だけ、初見の視聴者には不親切だと言わねばなるまい。 加えて、メイン4人の繋がりがあまり密でないというのも気になるところ。他作品なら部活が同じだったり(軽音部)、クラスが同じだったり(GA)、住所が同じだったり(ひだまり荘)するわけだが、この作品の4人組は、1人だけ学年が違うという妙な配置。おかげでちょっとばかり関係性がイメージしにくいのである。「何故その4人を中心としているのか」が見えないので、視点が定まらないのだ。これもおいおい解決していく部分ではあると思うのだが…… 単なる萌え作品で、あれだけ「けいおん」を大プッシュしていたくせに色々と難癖を付けているのはおかしいとは思っちゃいるが、どうも、「もう1つ何か」が欲しい状態なのは間違い無い。顔見せが終わった次回以降、ちゃんと「萌え」と「笑い」を提供してくれるように、期待したいとは思います。ちなみに、本当にバットの子(トオル)は可愛いく描けている。ジト目になってると柊師匠にしかみえないけどね。そして、ちょっとの間だけど中の人があおちゃんだということに気づきませんでした。芸達者が過ぎるわ。
○「SKET DANCE」 4
夕方どきのジャンプアニメ。これや「銀魂」が普通に夕方の時間帯に放送されているのを見ると、改めて「ぬらりひょんの孫」が深夜枠だった意味が分からんな。「べるぜ」は朝だし……ジャンプも片っ端からアニメ化すりゃいいってもんではないと思うのだが。 というわけで、そこそこの長寿漫画になってきた「ジャンプの隙間産業」みたいなこの作品のアニメ放送が始まったわけだが、原作にもあんまり興味はないし、アニメを見ても、「あぁ、そういやこんな話あったかもな」という程度で、一切それ以上のものは生まれてこない。とにかくそつのない「アニメ化」なのは流石に川口敬一郎といったところだろうが、残念ながら、それだけで引っ張れるほどの魅力が原作にあるとも思えないので、一応初回は視聴したけど、来週からは別に見る気も起きないレベルである。いや、原作知っているアニメで毎週欠かさず見たい場合ってのはあんまり無いんだけどさ。 ちょっと意外だったのは、制作がタツノコであるという点。調べてみたらタツノコが地上波レギュラー枠で元請けをやるのはかなり久し振りで、今まで縁の無かったジャンプアニメの制作に突然関わってきたのはちょっと不思議。ただ、過去にはくせのあるスタジオという認識が強かったタツノコも、こういう作品を作る時には特に味が強く出るわけでもなく、「ハヤテ」同様にシナジーSPの制作です、と言われても信じてしまう画面である。欠点もないが、特に褒めそやす要素もない。1話の時点でなんだか妙に気の抜けた動画の使い方が見られたので、あんまり追いかけたくないのが正直なところである。導入に持ってくるエピソードはもうちょっとメイン3人の内情に突っ込む話でも良かった気がするんだけど、原作の1話ってこの話だったっけ? どうせ今回の依頼人はレギュラーキャラでも何でもないからフェードアウトするんだろうし、顔見せとしてはあんまりいいチョイスには見えなかったんだがな。 一応の評価ポイントとしては、川口さんなのでギャグのノリになったときのテンポは良いという部分。特に引っかかりもなく流れてしまうので一長一短とは思うが、リズムの刻み方は手慣れたもので、ちょっと捻り気味のシナリオもすいすい入ってくるように脚本が組まれていたのは、地味に偉い部分。また、スケット団3人のキャラクターは確立しているので、3人の中での絡みならば安心して見ていられるのもありがたいところか。中の人も含めて、本当に「原作のイメージ通り」のキャラクターになっているので、原作ファンならスッとアニメに入っていけるだろう。これである程度の長さが保証されるシリーズだったら、「銀魂」レベルとはいかないまでも、ある程度の固定客は確保出来そうだ。夕方アニメなんだから、こんなもんでいいのかもしれん。
「IS<インフィニット・ストラトス>」 4→4
今期最大のフーン枠。世間では「CLANNADは人生」のテンプレに追加して「ISは養豚場」という表現が生み出されたらしいが、なるほど、上手いことを考えたものである。ただ、それってつまり入場できるお客さんをかなり制限してるってことで、イマイチ食指が動かない人間にとっては、単なる「キツめの臭いがするもの」でしかないのが正直なところである。 先に評価すべき点をあげると、なんと言っても画面の安定感。サテライトあがりの菊池康仁とエイトビットの製作体勢は「マクロス」の例に倣わずとも終始不動のもので、シリーズを通じてやたらめったら明るい青空を基調とした画面構成は、見ているだけでも気分が高揚する。キャラクターの造形も細かく、実に丁寧で、なるほど、女の子が可愛く描けていればいい、というノルマならば十二分に達成出来たといえるだろう。これだけ無節操にキャラクターを上書きしていく方式だというのに、なんだかんだで全ヒロインが(そこそこ)埋もれずに頑張って自己主張が出来ていたのも、ひとえに見ていて萎えないだけの画の力があってこそだろう。ちなみに、個人的にはネタ要員になったときにどれだけ輝けるか、というのが評価ポイントになったので、セシリアが好みです。ラウラの情けない姿も良いね。 とまぁ、「養豚場」としての仕事は全うしたであろうこの作品だが、いかんせん、それだけでは中身がなさ過ぎる。上にはセシリアが好み、と書いたが、何故彼女が良かったかというと、彼女の人生や一夏との絡みには、主義信条やキャラクターのバックグラウンドに依拠する要素がほとんど無いためである。セシリアが一夏について回るのは、最初の一騎打ちで敗れた悔しさの裏返しがスタート地点であったが、そこからは単に周りを取り囲む有象無象と同レベルに、「何となく一夏について回る」だけの役割。そこには辛い過去も、執念も存在していない。だからこそ、単純に彼女だけは面白がれた。 ただ、残念ながら他との絡みだとなんだか変な臭いがする。一番残念だったのは、最初に応援していた箒だ。彼女は最後の最後で専用機を手に入れて一発逆転、最終的には箒エンドで幕を閉じるという、理想的な幼馴染みポジションだったわけだが、「専用機が無くて落ち込む」というイベントの描き込みが全く厚みを持っていない。どちらかというと世界に400台程度しかないISの専用機を、こんなところの女子学生が大量所持している事実の方が問題だと思うのだが、箒の場合、そんなたいそうなものを持ちたいと思えるだけの背景が無いのだ。おかげで、最後に浮かれるイベントや、浮かれついでに一夏に怒られるイベントもなんだかよく分からないテンションになってしまっている。そもそも、ちゃんと任務を遂行していただけの箒が、一夏の勝手な行動の巻き添えを食らって悪者扱いされる流れがおかしすぎて、彼女が落ち込む理由がぜんぜん分からないのである。 他のキャラクターも似たり寄ったりだが、結局、この作品は「キャラさえ可愛く見えりゃそれでいいんじゃね?」という大義名分を過剰にはき違えてしまい、物語の下地づくりを放棄してしまっているのだ。おかげで、メインシナリオを気にしてしまうと、ストーリーに没入することが出来ず、「可愛いヒロイン」要素もおまけ程度の扱いに感じられてしまう。そうなれば、もう萌えるどころではないのである。本当に、この作品のシナリオを考えた人間は一貫したシナリオラインを組もう、という意識があったのだろうか? 分からんねぇ。 ま、どこまでが原作の責任で、どこからがアニメスタッフの怠慢なのかは分からないので、単純な原作批判をするつもりはないが、いかに「萌えハーレムアニメ」だからといって、ここまでいい加減にものを書かれると流石についていけませんよ、というお話でした。 でも、中の人に責任は無いな! 麻里奈もゆかなも可愛いな! 花澤は反則だな! ぴかしゃはラジオが本命だからアニメの中身は別に気にしないこととする。以上だ! ○「Steins;Gate」 5 初っぱなからのポカーン具合がどうにも判断しづらい作品。1話目で判断しにくい作品らしい、ということはちらほら漏れ聞こえる評判から知ってはいたが、うーむ。 原作がゲームで、しかも最近何かとお騒がせ要素となるニトロプラスの制作。東京の一都市を舞台にした、やや電波トビ気味の主人公を中心としたオタク文化満載の物語。更にいとうかなこによるオープニングとくれば、同社のアニメであった「カオスヘッド」を思い出す。そして、その「カオスヘッド」も、1話目の段階では謎に満ちており、様々な期待を抱かせるだけのパワーがあった。しかし、その後次第にストーリーはどうでもいい方向へと流れ、最終的には謎も秘密もぶん投げたような終わり方をしてしまっていた。どれだけ世間で騒がれようとも、先入観無しでこの作品の1話を見て、あれと同じにならないという保証はないだろう、という懸念ばかりが先立ってしまう。謎をばらまくだけなら誰でも出来るし、会話主体の物語なので、それを思わせぶりに配置するだけならばそれほどの労力を要する作業ではない。そして、それが後への期待感に特に繋がっていないとすると、今の段階で特別高い評価にはならない。 ただ、「カオスヘッド」と大きく違うのは、制作にWHITE FOXが入っており、画面の質の保証はされているという点。どこか虚ろな世界の描画はなかなか印象的だし、「ゲルバナ」のとんでもない造形なんかは、かなりのディティールまで追究して描かれている。このあたりの画面の見栄えは素直に評価点として見ていいだろう。その上で、シナリオラインを今後ダラケさせずに引っ張れるとするなら、一応は「楽しみな作品」といえるかもしれない。今のところ、妙なキャラクターたちのアクの強さがちょっと鼻につく感じですけどね。特にあのデブハッカーね。どうしても、こういう「リアルで2ch用語を話す奴」って、アニメの中に出てくると気にくわない描写になりがちだよね。ただ、コイツの場合はそれが徹底しているので、最後の方になるとむしろ気にならなくなったんですけど。ごめん、クレジット見て初めてセキトモだって分かったわ。こういう役できっちりそれっぽく決めてくるのは流石やなぁ。 まだまだ何かを語れるような段階ではないので、「まぁ、一応続きは見るけど」という程度の認識。ここから今期アニメの中でどのくらいの地位まで登ることが出来るのか、気にしつつ見守っていこうと思う。ちなみに、監督が佐藤卓哉でキャラデザが坂井久太っていうコンビネーションは何故か「苺ましまろ」と同じ布陣だったりするな。どうでもいいけど。 「これはゾンビですか?」 5→4 うーん、なんだかよく分からない作品だったな。ものすごいごった煮でとにかく思いついたことを全部ぶち込んでみた、みたいな作品で、その「思いつき」に統制が取れておらず、どこに行きたいのかを誰も分からない状態になってしまっている、そんな印象である。分からなくなったのは視聴者だけでなく、制作スタッフも、そして原作者についても、そんな気がする。 面白い部分は割と面白い。ギャグに特化している時にはそれなりに笑える要素も少なくなかったし、現代ラノベの残りカスの塊みたいな、とにかく属性だけを山のように盛りつけてそれを垂れ流すだけ、というアイディアも、実は案外メタネタとして悪くないのではないか、という気にもなった。しかし、その程度のネタ回しは、本気でギャグに振り切れた作品の命がけのチャレンジには敵うものではない。中心となるアイディアが無いままに走り出してしまったが故に、体幹が維持できずにフラフラしているだけなのだ。 たとえば、えげつないネタの1つに魔装少女となった主人公歩の姿があるが、既に現代アニメでは「キワモノ魔法少女」のジャンルはほとんどの道を走り追えた後で、野郎が変身するくらいではトップランクのネタとは言い難い。世の中には魔女の孵卵器や白い悪魔など、もっとえげつない魔法少女が山ほどいるのだから。でもまぁ、「歩がもっと可愛く!」とか、そういうネタ回しはちゃんと設定をいかしているので悪くないとは思ったけど。豚骨ラーメンの回とか、突っ込みようもないくらいに突き放してくれた方がこの作品のテイストとしてはありがたかったか。 また、ヒロインの乱立っぷりが消化不良でイマイチ活かし切れていないのも勿体ない部分。結局歩の中では一番大事な存在はクーだったと思うのだが、それを埋め合わせるくらいにハルナが頑張ってしまい、どこを見たらいいのかがブレてしまった(ユーの魅力が、結局中途半端に終わってしまった)。最終的に、一番親しみやすいヒロインが割と常識人のトモノリだってのも頂けない。ギャグが武器にならずに阻害要因になってしまうようでは、ハーレムものとしての設定にかみ合わない。当然、シリアス展開になると、「ろくにバックグラウンドもないのになぁ」と不安になってしまうこともマイナス要因だろう。やっぱり、要素だけの切り貼りで成立するほど、物語というのは甘くないのである。 おかげで1話1話を「独立したよく分からない流れのギャグ」として見た場合には、それなりに楽しく見られたというのがこの作品の評価点。毎回妄想ユーが誰になるのかが楽しみだったし、メガロの造形なんかも割と楽しかった。そういえば、中の人で言うと、今作で一番頑張っていたのはハルナ役の野水伊織か。最近はすっかり新人臭さも消えて、安定感のある仕事が出来るようになった。お歌の方はそこまで大したものではないが、今後はエースの看板を背負って一線で戦っていくことになるのだろう。なかなか楽しみである。……結局、クー役の月宮某にとって、この作品はどうなんだろうな。作中でほとんど声が聞こえなかったから印象がぜんぜん無いわ。 |
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Thraxi
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声優のこと全般
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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