忍者ブログ
最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
[1168] [1169] [1170] [1171] [1172] [1173] [1174] [1175] [1176] [1177] [1178]
 珍しく突っ込みどころが少なめの第9話。主な顔芸要員もJKだけだったし、こんな回もあるもんなんですね。

 今回の事件は口寄せ、降霊術。空気を読まないこずえのオーダーをマヤは余裕の表情で許可し、授業で行われた口寄せのターゲットは学長・神代純一郎。教頭は全力で学長を呼び出そうと試みるが、実際に出てきたのは年端もいかない幼女だった。JKとスマイルを通してあっという間に霊体の存在を受け入れた面々は、岡本あかりと名乗る少女の霊の案内に従って彼女の生家を突き止めるが、いざ玄関先についたあかりは、突然座り込むと回りの環境を激変させ、猛吹雪の中へと消え去ってしまう。

 謎の現象とともにさまようあかりを弔うため、マヤたちは彼女の身辺を調査し、最終的には父親の居場所を突き止める。しかし、彼女の父は「帰ってくれ」というにべもない返事。辛そうな顔の彼は、「自分があかりを殺したのだ」と告悔するのだった。

 

 新キャラが登場したものの、前回盛り上がったキャストの話は「新人でした」という肩すかしを食らってしまい、これまでのように強烈な個性を発揮するようなキャラでもない。その分、話を盛り上げる役目は既存のキャラに委ねられるわけだが、恐ろしい顔で勘の良さを発揮したJK以外は、特にギャグのような振る舞いをしたものもおらず、話の中身もちょっとシリアスで物寂しい、この作品の骨子となる「オカルト絡みの人情話」である。基本的に2話完結のストーリーになるので奇数話の今回はあくまで「前編」なわけだが、このシナリオをどのように収束させるかは来週次第ってことになった。

 もちろん、だからといってこの作品がつまらないということは決して無い。顔芸とまではいかずとも、幼い子供を相手に普段は見せないような柔らかい表情を見せるマヤは、文明相手のしかめ面との待避で豊かな表情が映えるし、脇を固めるこずえとJKも相変わらず元気。特別尖った映像を使わずとも、話を見せるだけでもそれなりに見られるのは流石である。ま、平坦なシナリオにした分だけ一瞬JKが見せた楳図かずおばりの表情なんかは絶大なインパクトを発揮したしね。

 そして、着実に進行しているのはマヤの心情面での変化である。今回はオカルト知識としてエクトプラズムの解説をしてくれたわけだが、すらすらと知識を披露したあとに、今までのようにツンデレぶってみせるそぶりも無くなった。少なくとも亜美やこずえの前ではオカルト嫌いを演じる必要は無くなったようだ。また、あかりの哀しさを通して、再び彼女の幼い頃の家庭環境(おそらくは家庭をないがしろにした父との関係)も、今一度焦点となるのかもしれない。神代純一郎というキャラクターが、最後にマヤの行動にどのような影響を与えるのかも気になるところだ。

 そして、今回は「ノストラダムスの鍵とは無関係だけど」という注釈を何度か口にしていたわけだが、文明との関係は着実に進行している。今回明示的だったのは、美風を相手にでれでれする文明に対して明らかにイライラしている様子。もちろん学長が不真面目な教師に対して腹を立てているという風にも見えなくはないのだが、彼女の場合は明らかに嫉妬ととれる描写が重ねられている。今までのエピソードでマヤが文明に心を寄せるチャンスはあまり無い気がするのだが、一応目標をともにしながら日々の生活を送っているために、少しずつ心を開いてきているということなのだろうか。

 わずか1クールということは、もう間もなくクライマックスを迎えることになるこの作品、果たしてどのようなエンディングを迎えることになるのか。このあたりの話数はかなり大切なパートだと思うのだが……はてさて。

拍手

PR
 濡れるッ! 第9話。この作品には馬鹿とアクションとスリルを求めていたのですが、もう、馬鹿だけでいいです。やーい、馬鹿。

 Aパート、沙耶の家に向かおうとするもゾンビが邪魔してなかなか進めない孝と毒島先輩。途中でバイクショップに寄ったり、何でそんなもんが動く状態で置いてあるのか分からない水陸両用車にまたがったり、公園の噴水で策略を講じてみたりするが、正直言って特に面白味のない展開。なにせ、やってることの意味がよく分からないのだ。ゾンビが群がっている地域が多くてなかなか目標の高木家に到達出来ないという状況は分かるのだが、車を入手出来たらそのまま真っ直ぐGOでいいだろうに。なんで一旦川に下がったり、公園の噴水を利用して音のトラップを仕掛けてみたりしたんだろう。単なる遠回りにしか見えないのだが。そもそもゾンビは音で回りの状況を判断しているとのことなのだから、噴水トラップ設置後はどこか目立たないところに音を立てずに移動すればゾンビからは認識されなくなると思うんだけどな。ほんと、この世界のゾンビの行動原理がいつまで経っても分かりません。

 そして、そんな「もうどうでもいいや」なAパートで見るべき点を探すとしたら、それは毒島先輩のお色気シーンである。今回は水濡れプレイということで、裸エプロンならびくともしなかった先輩が、何故か水濡れすけすけ下着はちょっと恥じらった表情を見せてくれる。「私も一応女なのだぞ」っていうのはなかなかいい殺し文句じゃないですか。更にはエロ紳士レベルの高いTシャツ1枚の剣舞なども披露してくれたし、そういう見どころだけならばそれなりのもの。

 そして、そんな毒島アワーはBパートで最高潮を迎える。子供ゾンビを見て自分の黒さに気付かされる先輩。そのまま不抜けた彼女を神社に避難させた孝は、神前においてしめやかに彼女の昔語りを聞く。要約すると「暴力行為って楽しいんだよね!」という身も蓋もない告白について、孝は特に感想を述べるでもなく、あとの台詞で言うなら「彼女の闇を受け入れる」。ただ、世間的にいうとそれは「据え膳を食う」のと同義なんですけどね。正直彼女の懊悩とか、どうでも良さそうだもんね。

 しかし、男が彼女を「受け入れた」ことで、「毒島先輩」改め「冴子」さんは晴れやかな表情になり、最後の一押しである「乳鷲掴み告白」をトリガーに、「血に飢えた毒島冴子」モードが覚醒。これまで携えてきた木刀を御神刀に持ち替え、斬りも斬ったり無限のコンボ。悦楽に歪む表情は極限を超え、見事にエクスタシーに到達しました。ナイス変態性欲。もう、彼女はこの世界が終わらない方が良さそうだな。死ぬまでゾンビを斬り続ける人生ですよ。

 色気と大馬鹿のコラボレーションが、実に見事な毒島冴子というキャラクターを確立させました。今後彼女がどれだけ貞淑な女性を演じようと、その奥には今回発露したリビドーが渦巻いているかと思うと、なんだかもうたまりません。人間素直が一番ですよ。

 今回の盛り上がりを語る上で外すことが出来ないのは、やはり毒島先輩の中の人だろう。何かというと「え、何? 下ネタ?」と眉をひそめてみせる沢城みゆき25歳。毒島先輩のあり得ないキャラクターが生き生きと輝いています。今回みたいな芝居を見せられると、某ラジオで語っていた「いい音を出すんじゃなくて、感情ののった声を聞かせる芝居」というのが分かる気がします。

拍手

 ユカリの攻撃は本当に痛そうな第9話。アスミスキャラはやたら他人に女装を強要している気がするなぁ。

 皆中の策略により一気に加速度を増す鶺鴒計画。これまで影に潜んでいた数々の葦牙たちも動かざるを得ないようになり、殺伐とした空気は町中に蔓延している。そんな中で、出雲荘のセキレイたちは皆人の判断を信じて動き続けることを確認する。焔は言葉によってそれを表し、月海も皆人の胸中を確認し、セキレイであることを改めて実感する。ユカリと椎菜は、巻き込まれたいざこざでノルマをクリアしつつ、葦牙とのコンビネーションや、戦う意味を改めて確認していく。

 そんな中、唯一その立ち位置を確定させられなかったのが鈿女。氷俄のよからぬ計画に荷担することは確定的ながら、やはり情があるので踏ん切りはつかない。しかし、その背中を押してしまったのは皮肉にも皆人自身の判断だった。草野が病院で出会ってしまった鈿女の葦牙。その縁がセキレイどうしを引き合わせ、彼女に決断を強いることになってしまう。「死んでくれない?」の一言とともに、ヒレのセキレイがその正体を現した。

 

 今回はまず、なんと言ってもユカリの大活躍が一番の見どころ。前回までにリタイア危機に瀕していた仲間陣営の中でユカリ組がまずノルマをクリア。どう見てもクズの敵葦牙を出したことで「殺し合い」にユカリが参加することの敷居の高さはあっさり解消。椎菜はその強さを特に隠し立てすることもなくいきなりフル回転させてくれたし、そんな椎菜を支えるユカリも、より一層の外道っぷりを遺憾なく発揮。今回はキャラ画の質がちょっと不安定な部分が多かったのだが、ユカリ登場シーンから渾身のストレート、そして「とどめ」までのくだりは本当に大迫力の画面(まぁ、パンチのアクションはちょっとおふざけが過ぎた気もするが)。また、月海と初遭遇したユカリの変態っぷりも実に愉快で、トータルすれば今回はユカリ回と言っても過言ではない出来。おかげで、その影でちょろちょろと登場していた他のセキレイ組がイマイチ目立ちませんでした。

 他にも出雲荘で謎の泥相撲とか、美哉さんの般若連打とか、いつも通りの見どころも多かったが、やはり最後を全部持っていったのは悲劇のヒロイン、鈿女だろう。千穂との関係性が更に明確に提示されて「負けられない理由」が強調され、それだけにラストシーンの悲壮な決意はクるものがある。泣いたり懇願したり、というのではなく、辛くても邪悪な笑みを浮かべることで、自分なりの踏ん切りを付けようと苦悩する鈿女。避けては通れぬ、今期の山場だろう。笑ってみせながらも、どこか泣いているように見える最後の表情は秀逸。

 松や風花、焔も鈿女の心配はし続けていることが分かり、どうしたって鈿女と出雲荘の関係は無視することが出来ない。「セキレイはしょせんセキレイですから」という氷俄陣営の主張と皆人の胸中も、ここでぶつけるべきイデオロギーだろう。サブタイトルからすると次回は哀しい結末を避けて通ることは出来ないだろうが、こういうエピソードがあって初めて「デスゲーム設定」が活きるのは間違いない。なんとか「盛り上がる」展開にしてほしいものである。

拍手

  諸事情によりしばらく更新がストップしそうなので、穴埋め記事投下。

先日放送された「ゼロ年代 珠玉のアニソンスペシャル」について記事を立てたわけなんだが、アレに対して結構反響もあり、あの番組は世間でもなかなか評判になったようである。

 そこで、改めて自分なりに「ゼロ年代アニソン」というものをちょっとまとめてみたくなったので、個人的な思い入れも含めて書いてみた。多分誰しもあの番組のラインナップを見て「何故あの曲が入ってないんだ!」っていう思い入れはあるはずなので、それを自分流に実現させた形だ。

 暇な人は「各部門に10曲ずつ」、考えてみてはいかがだろうか。

拍手

←前の記事

 ○「燃え」部門

 3つ目は王道「燃え」部門。とはいえ、ゼロ年代アニソンというカテゴリの中で「王道」はそのまま「王道」ではない。どのように時代に即した変化をしていくのか、というのは興味深い部分だ。

 

拍手

 何を見ても「終わりへの序曲」にしか見えなくて切ない第47話。二ツ木の動きが活発になっても、ドクトルの正体に肉薄しても、町中がジャングルになっても、ついにキルミンのことがばれても、ビューティーバットの正体が判明しても、全部「最終回が近いなぁ……」という感想しか出てこないんだよう。

 1年使って構築された世界が少しずつゴールへ向かっている実感。もうそれしかないから本当は細かい部分の感想記事とかあげる必要は無いんだけど、今回はシリーズ屈指の名シーンがあったので、あまりの爆笑に思わず記事立て。

 その名シーンとは、もちろんリコとカノンの大喧嘩シーンである。「あ、お前らそれって突っ込みどころだって分かってたんだ……」というメタレベルの衝撃が止まりません。先発はカノン。リコの髪型への突っ込みは、この世界におけるヘアスタイルの基準に衝撃を与えた。そりゃま、現実に居たらおかしな髪なのは確実だけど……それがアニメのお約束だろうに。それに対するリコの反撃も髪型へのもの。「横に広がりすぎてうしろの席の子の迷惑になるから一番うしろの席なんだよ!」とは、斬新過ぎる意見。いや、転校初日にあの席に行ったのは自然の成り行きだったと思うのだが……もちろん、「お前が言うな」の突っ込みは確定的。

 髪型への攻撃で一瞬カノンが止まった隙を突いて、リコは一気にカノンの身なりについてたたみかける。「何でお前だけ土足」「腕章が変」など、まぁ、もっともなものばかりだ。カノンの反撃も精彩を欠き、「私は別にいいのよ」「サルみたいな顔でうるさい」など、感情的な文句になってしまったので、総合で見ればリコの勝ちである。そして今回のエピソード終わりからは「ビューティーバットってどういうセンスだよ」という悪口も言えるようになったので、リコはますます有利ですよ。ま、あれだけ細かいポイント(?)に目が行くのにビューティーバットの正体に気づけなかったのは、アニメ世界の限界ってことだろうか。

 今回、この喧嘩シーンでの悠木碧のマシンガントークが本当に見事なものだった。長台詞をものすごい早口でまくし立てて、きちんと何を言っているかが分かった上で感情ものっていて、あおちゃんが得意とするキーキーボイスの味が一番良く出ている。もう、これが聞けただけでも今回は大満足。ほんと、リコは毎回いい仕事をするなぁ。

 そういや、ドリル髪で思い出したのだが、今回は5人の変身バンクが全部流れるというオールスター仕様だったのだが、リコリムの変身シーンで出てくるのってDNAの二重螺旋モチーフってことでいいんだよね? あまりに自然にそう思っていたので確認をしていなかったのだが、調べてみたら案外そういう保証のソースが無くて不安になった。リコはドリル髪が左右に分かれて、それが1本に繋がるイメージで、リムはびんぞこ眼鏡の2枚のレンズのぐるぐるから、2つの渦に飲まれるイメージ。ま、リムの場合はどっちかっていうと螺旋力を高めてるようにも見えるんだけどね。グレンラガンのエンディングのラストカットのイメージ。

 ただ、そうなると他の3人がそこまで明確に螺旋のモチーフを表していないのはちょっと不自然かなぁ。ポチ姉は一応渦を巻いてるけど、リコリムほど明示的なツールがないし、ケンとタマオは特に回るイメージもない。謎だ。そして、キルミン発動時の「何かにひびが入るみたいなカット」でタマオだけ3本入るのもよく分からない。1人だけ鳥類だからか?

 とにもかくにも、……終わってほしくないなぁ……

拍手

 もう、世界中が首をかしげるしかない第8話。なにさあのBパート。キャラソンバックで雄大な景色を……って、歌の内容が酷すぎるわ!

 というわけで、Bパートについてはもう語ることも……いや、潔い歌だとは思いました。キャラソンは当方みつばのものしか対応してないので初視聴だったんですが、コンセプトはがっつり立ってるな。ほかも聞いてみた方がいいかもしれない。

 ちなみに、今回もあんまり出番がなかったのでせっかくなのでみつばのキャラソンについても書いておくと、まずメインタイトルの方は相変わらず「キャラ声での歌唱」っていうのが安定してますが、今回は歌っていうかほぼ台詞だったので、なかなか壮絶な出来になっております。単にみつばの罵詈雑言が聞きたい人は買うといいと思います。曲終わりの一言はなかなかキますよ。カップリングは割とスタンダードな「キャラソンっぽい歌」ですかね。まぁ、歌ってる内容はどっちも一緒だけどさ。今回本編でも出てきたけど、みつばって最後の最後で「長女だし自分がちゃんとしなきゃ」っていう意識のせいでいっつも損するんだよなぁ。哀れよのう……

 その他のパートの話。……もう、今回は「ぶぁぁぁぁぁあか!!」が聞けただけで満足です。あのシーンは凄い。マジ凄い。この姉妹、絶対日常生活送れない。

 今期では屈指の「聞いてて楽しい作品」です。

拍手

 ずっと触っていたいくらいサラサラの第21話。サラサラヘアーで敢えてデコ。それが部長の心意気。さらして恥ずかしいデコなど、捨ててしまえい! 今回は写真写りも一番良くて、現実の美人さんが誰なのかがはっきりしたな。

 前回のライブでは心おきなく泣かせてもらったわけですが、今回は一転、どこをどう転んでも泣きようがないし、普通に考えたらあり得ない構成で、これもまた「けいおん」ワールド(作中で唯は泣いてますがね)。何しろ「卒業アルバムの撮影のために女の子が髪型で悩む」というだけで1話が終わるのだ。この何も無い日常の感覚、たまらないものがあります。

 そして、そんな「どうでもよさ」を骨の髄まで堪能できるように練られた構成の妙が今回も冴え渡っている。個人的に一番ドキドキしたのは、ムギが最初に唯の髪をとかして、結んであげるシーン。ブラシをあてて少しずつ少しずつ唯の髪をまとめていくのだが、はっきり言うと、このシーンが「めちゃめちゃ長い」。単に髪をとかして結ぶ、それだけのシーンなのだから、ものの数秒でサッと描いてしまえばいいカットのはずなのだが、唯の表情の微細な変化を交えながら、実にたっぷりとこの「どうでもいい」カットが時間を使っている。普通の作品なら、このようなコンテ割りは恐ろしくて出来ないだろう。だれてしまうのは間違いないし、そんなことをする意味は無いからだ。しかし、この作品はそれに「意味がある」のだ。「髪型を探求する」という今回のテーマが浮き彫りになるのも勿論大切な要素だが、何より、ムギと唯という2人の関係性が、この長い長いカットに自然に表れる。他人の髪をいじるのが好きな娘ってのはいるもんだが、特にムギはメンバーの髪をいじったり、スキンシップをとるのが大好きな子。そして唯はそんなムギに全幅の信頼を置いて、あれだけの時間をなすがままにされている。今まであまり明示的に示されてこなかったムギ→唯というインタラクションが、このカットでまざまざと現れるのである。

 他にも、今回はやたらと長めに割られた余韻含みのカット割りが多く、例えば梓が部室に駆け込んで微妙に表情を変えるシーン。こちらは不安と期待の入り交じった梓の心情の妙をその細かい表情に表すため。また、今回のクライマックスとなった唯の散髪シーンも、無駄にスペクタクルな構図とタイミングでドラマ性を高めている。もちろん、いざうっかりミスをしてしまうシーンは間抜けな唯の顔のアップであっさりと片付けてしまうのもこの作品ならでは。あり得ない間尺の配分の仕方に、この作品の本気が見て取れる。

 さて、その他のファクターもきちんと見ていこう。まず、前回の切なさからの引きでいうなら、すっかり「ふぬけ」てしまった梓の細かい仕種がいちいち切なくなる。冒頭で魂が抜けたようになっているのは笑えるレベルではあるのだが、「卒業」という言葉にちょっと息を詰まらせてみせたり、教室で戯れる4人の姿を見て少し寂しそうな表情を見せたり。残されるものの辛さっていうのもあるんですよね。受験まで部室に居てくれる先輩達に素直に喜びを表していたものの、それって結局別れの先延ばしでしかないからなぁ。来年は1人で軽音部を支えることになるんでしょうか。そういや、もう練習する曲もないのに唯は登下校時にちゃんとギー太を持ってるんだね。ひょっとしたら梓の練習に付き合ってあげているのかもしれないな。

 そして、そんな先輩達はようやく進路を決定させる。ムギは私大で確定。特に目的意識もない唯律コンビは、単に「ムギが行くから」という理由だけで同じ大学を志すことに。……大丈夫かいな。学力もそうだけど、私立は学費がねぇ……ま、みんな長女だし、家庭もそれなりに裕福みたいだからいいんだけどね。そんな適当な動機で進学希望って親御さんは納得してくれるんだろうか。

 そして、そんな3人の様子を見て推薦枠をわざわざ蹴ってしまった澪。気持ちは分かるが、その選択が後の人生に与える影響は……いや、いいのか。大学なんて入ってみてから何をするかだし、志も無く適当に進学したところで結果は一緒だ。どんな形であれモチベーションがあがるならそれはそれでありなのかもしれない。今後とも4人仲良くやって下さい。翌年になれば梓も来るかも知れないしね。

 そうそう、レギュラー面子の中では、多分和が別な大学に進学することになるんだろうけど、今回の和はなにげにひどい子だったな。「留めるものはありませんか」の唯の問いかけにクリップを差し出す時点でいじめっ子かと思うくらいなのに、更にツインテに結った唯に「こういう犬見たことある」との発言。友達相手にイヌって。ナチュラルボーン毒舌吐きか。ちなみにその後の唯の「犬……犬、犬って……」っていう台詞がやたらお気に入り。普段がフラフラしているだけに、弱ったり困ったりしてる時に唯が発するマジでやばそうな時の声が好きです。今回は髪切ったあととかフード被って登校してる時とか、この「情けない唯」が堪能できたので楽しかったです。必死に唯を慰めようとして撃沈していく他の面々とか、なんだかよく分からないテンションが無闇にはまってました。

 そして、やっぱり髪型と言えば「おかしーし」の名言を残した部長さんですよね。今回は「きっぱり出せ! きっぱり」という名言を残しております。そして、律のカチューシャの位置を一発で決められるのが澪で、そんな澪の緊張をおさえるために「深呼吸しろ」という適切なアドバイスが出来るのが律。やっぱりこの2人が別な大学に行くっていう選択肢は無いな。ちなみに落ち込んだ唯に対してモンブランの栗という実に分かりやすいフォローを差し出したのも律ちゃんなんだぜ! 相変わらず人の気持ちを考えて動ける子だ。そんなわけだから、当然今週の1枚はきっぱり出してるところだ。

拍手

  流石にアシストロイドモザイクが鬱陶しい第8話。もう、シチュエーションとか一切関係無しに登場するのな。あんなに愛らしい彼らを憎悪の対象にはしたくないのだが……見えないからどうとかじゃなくて、画面構成が崩れるから見づらいんだよなぁ。本編での活躍は文句無いんですけどね。「なかよくしまそう」はちょっと吹いた。分からない人はスルーで。

 アントニアの機転(?)でエリスの立場も一段落。そんな中、前回の騎央の依頼を受けて、アオイと真奈美は2人で狙撃練習の補助。アオイと騎央の関係をサポートするために真奈美は身を引いてみせるが、アオイにはそれが不真面目・不義理に見えてしまう。「既に手遅れ」と諦めた真奈美同様、アオイも前回の騎央の態度で何かを諦めてしまっている。そのおかげで、真奈美の気遣いも余計なこととしか映らない側面があるのだ。こじれた2人の関係は互いの力量の計り合いから肉弾戦、狙撃戦、そして野外訓練と称した「決闘」にまで発展。それぞれに持ちうる武器を最大限に活かし、相手を出し抜こうと試行錯誤する。

 実力は拮抗。狙撃力と実戦経験ではアオイが上。「真奈美は汚れ仕事の厳しさを分かっていない」とこぼしながらワンチャンスを狙う。地の利と勢いは真奈美が上。「アオイは自分の気遣いを分かっていない」と愚痴りながら雨の中に佇む。勝負を決めたのは天然記念物。ヤンバルクイナの足音で始まった銃撃戦は、その気紛れに振り回されるように、かろうじて真奈美に軍配が上がる。真奈美は更にアオイと騎央を接近させる策を講じ、対してアオイは狙撃してきた不審者に対抗する策を講じる。「犬の人」の刺客は、2人の戦闘員の前に一瞬で蹴散らされてしまった。

 2人の女の子の様々な思いが交錯する「決闘」は何事も無かったかのように幕を閉じたが、大きく前進したと思われた騎央との関係性は、結局ターゲットの鈍さというファクターを計算に入れていなかったために、あまり実りのあるものではなかったのでした。

 

 タイトル通りの「決闘」ががっつりメインの今回。前回までの経緯からアオイと真奈美が対立する流れはちょっと唐突な気もするのだが、2人が2人とも適当な思い込みでネガティブ思考になってしまっているため、些細なことでも気が立ってしまうというのが案外真実なのかもしれない。怒りの矛先がイマイチはっきりしないのに決闘までいくなんて、単なる鬱憤晴らしにしか見えないからね。

 そして、今回はこの決闘描写が、2人の身の上や騎央との関係性を含意したものになっていて、そのあたりの描写がなかなか良い感じで雰囲気が出ていたのが最大の見どころだろう。

 まずは真奈美。彼女の武器は「地の利」であるが、これは当然騎央との「幼なじみ」という立場の言い換え。アオイの読みのせいでこの地の利というアドバンテージは消えてしまい、真奈美は「雨」という障害が発生する前に勝手に動きにくいポジションに身を置いてしまい、「既に動くには遅すぎる」とそのまま立ち尽くす。前々回激昂していた真奈美のスタンスそのものである。そのくせ、「アオイは自分の気遣いを理解していない」と愚痴っているあたりに、余計なお世話で更に自縄自縛の状態になっている彼女の窮地がよく分かる。

 対するアオイはというと、「戦闘のプロである」という自負のおかげで、真奈美に裏をかかれて判断が遅れるという失態をやらかしている。結局、彼女に足りないのは現実に即した対応力であり、真奈美のような試合巧者を相手にした時、彼女のリアルは通用しない。住む世界が違うのだ。そして、「雨」が降り出したことを契機に「動くか?」と悩んだ彼女も、結局その場に座り込み、行動に移すチャンスを逸してしまっている。これも、奥手で踏ん切りがつかない彼女の恋愛模様そのもの。「真奈美は素人だから戦闘の機微・騎央との間に存在する溝のことが分かっていない」と愚痴るわけだが、騎央の中にそんなものは存在しないことは明らかなわけで、結局彼女には現実が見えていないことの現れなのである。雨にうたれる2人の何とも情けない姿は、自ら道を閉ざしてしまった2人の心情風景としても見ることが出来るだろう。

 そして、最終的に今回真奈美に軍配が上がった。これは一見「真奈美側が恋愛レースでも有利になれる」という含意ともとれるのだが、その後のミッションでは真奈美は単なる劣り役になっており、実際に窮状を打開したのはアオイのプロの技。「相手は相当腕に自信があるので確実に急所を狙ってくるだろう」という予測があったからこそあんな無茶な技が出来たのだと思うが、そんな無茶苦茶な作戦に平気でのっているあたり、真奈美とアオイの奇妙な信頼関係も確認出来る。友情がありそうでなさそうな、妙な関係性。最終的にアオイの努力がいくらか進展要素になった気もするのだが、もう、さっさと騎央なんて諦めてしまえばいいような気もする。だって、主人公あんま出番ないんだもん。

 なんだか不思議な説得力でなんてこと無いエピソードもそれなりに見せてしまうのがこの作品の不思議なところ。これだけきっちりバトルや心情描写が描けるのだから、陳腐な萌えやエロで覆い隠すのは勿体ないよね。

拍手



忍者ブログ [PR]
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
25 26
27 28 29 30
ブログ内検索
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
ーーーーーーーーーー
↑越えられない壁
沢城みゆき 斎藤千和 
中原麻衣  田中理恵  
渡辺明乃 能登麻美子
佐藤利奈  佐藤聡美
高垣彩陽   悠木碧
最新CM
[04/23 NONAME]
[04/20 seachicken]
[04/14 DRAKE]
[04/14 とみしの]
[04/14 とみしの]
バーコード