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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 政之助と剣を巡る第7話。ようやく主人公らしくメインでスポットがあたった政之助だったけど……うん、相変わらずで切ない。

 ご隠居宅での療養を終えて江戸に戻る政之助。道すがら弥一に身の上の話をしてみるが、弥一は珍しくはっきりとしゃべりたくないという意思を表してみせる。なにやらご隠居にも顔を知られた賊の一味であったらしいが、立場の弱い政之助では、それ以上の詮索は無理な相談だ。

 弥一の不思議なところは、これまで誰もそのバックグラウンドを詮索してこなかったということ。もちろん五葉というのは互いの干渉をあまり好まない徒党であるが、それでも皆、弥一を慕って集まってきた者ばかり。松吉も、梅も、苦労した過去を弥一に救われたからそこにいるわけで、弥一はメンバーの素性を大体は知っている。その上で、自分の素性だけは知られたくないという一種のワガママがまかり通っているわけだ。これは勿論他のメンバーとの人間関係もあるだろうし、弥一の徹底した秘密主義も原因となっているだろう。実際、今回弥一は「今が一番幸せだと思いたいから過去は話さない」という、なんだかいい話っぽく政之助を丸め込んでしまっているのだが、冷静に考えれば詭弁以外の何物でもない。それでも、わざわざ弥一がそのように「逃げ」を打つということは、語りたくないし、語る気もないことの表れである。そう言われてしまったら、他のメンバーとて黙っているしかない。あくまで、「野暮」なのだから。

 そして、そんな弥一の過去が暴かれずに終わってしまった代わりに、今度は政之助の過去が少しずつ切り開かれていく。2度目の出会いとなってしまった絡み癖のある浪人に勝負を挑まれて情けなく逃げ出す政之助。これまでの立ち振る舞いからすれば決して剣の腕は悪くないはずなのだが、徒に刀を抜くことは性格的に躊躇われるし、人の目のあるところではどうしても萎縮してしまう。どうやら郷里の弟もこの「極度のあがり症」に関わっているようだが、彼の剣に、一体どのような過去が秘められているのだろうか。そして、そんな臆病者の政之助にすら刀を握らせてしまう弥一の「気迫」とは一体何なのか。

 今回は謎の親切侍、八木が政之助に積極的に絡んできている。稽古をつけてやろう、なんてのも随分な申し出だし、プライベートな墓参りにも嫌がるそぶりもなく政之助を帯同させているし、飯もおごってくれたりしている。政之助は本当に色んな人の善意で生きていけてるな。ここまでのストーリーで何回飯おごられているやら。

 そして、そんな八木が墓前で呟く親友の名前は「弥一」。さて、これは偶然か、何かの因縁か。そこまで珍しい名前とも思わないが、政之助からしたら気になる過去が2つも「弥一」で重なったのだ。今後も無視するわけにもいくまい。そして、独自の動きを見せていた松吉だが、こちらも何か動きがある様子。最近なかなかグループ活動が出来なかった五葉ですが、久し振りにミッションスタートになるんでしょうか。

 今回も相変わらずのジリジリとした空気が特徴的。晴れた日のエピソードが描かれているはずなのに、まるで雨上がりのような妙な湿度を感じさせる演出が印象的だ。日本は「湿度の国」であるから(ソースは「ギャラリーフェイク」)、江戸時代の物語の描き方としては、至極まっとうだし、実に味があります。せわしなく動き続ける「四畳半神話大系」の後にこの作品が放送されるので、本当に救われるんですよ。 

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 新ジャンルの広島弁幼女がたまらない第9話。前回の感想ではグチグチと文句ばかり書いた気もしますが、こうやって個々のおかしなキャラクターにスポットが当たる回は、特に気兼ねなく楽しむことが出来ます。

 そして、今回はこの作品の真骨頂(俺的にはね)。ステラとマリアという魅惑の絡み。言い換えるならば、齋藤千和と沢城みゆきの絡み。現代声優業界が誇る2人の天才の共演にはただただ感服するばかりで、「この安定感があるだけでもシャフト作品は存在意義があるなー」と一人でご満悦。ガハラ先輩と神原の絡みもたまらんかったし、モツ×シチミ(アーニャ×ネカネ)とかベッキー×芹沢とか、彼女たちのデビュー間もない頃の「ココロ図書館」以来の絶妙な距離感がたまりません。もちろん、ほとんどの現場でみゆきちの方が年上役です。そう言う意味では、ガハラ先輩は本当に貴重です。

 今回のステラの「拳王化」を、音声加工無しで楽々やってのける千和の豪腕は言わずもがなだが、実は「コテコテの広島弁なのに何故か可愛く聞こえる幼女」というのも白眉。この2つを行き来して目まぐるしく入れ替わるステラのテンションが今回の最大の見どころ。そして受けて立つのは、地の底からわき出すような大人の色香とサディズムを発揮するマリア。声だけでも人が殺せるくらいのポテンシャルがあるが、2人の間に入って解説しているのがシスターというのも混迷した状況に拍車をかけている。いやぁ、いい物を見せて(聞かせて)いただきました。今回は一応シャフトメインの製作体制だったみたいだが、ところどころ安っぽくなる大迫力拳王のカットなんかは、在りし日のシャフトの面影が出ていた……かな?

 一転、Bパートはふつーの話。メインでスポットが当たるのは星だが、彼の嘘だかホントだか分からない過去話に、リクの突っ込みもどこかピントがずれてしまう。一応この流れを見ていると、「やっぱり橋の下で一番まともなのって星なんだなー」ということが分かるくらいのエピソードでした。しかし……彼が煙草を買う資金というのはどこから出ているのだろうか。あと、長時間川に流されてヒトデ状態だったくせに煙草にすぐ火が付いたのはどういう原理だったのだろうか。まぁ、どうでもいいんですけど。 

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 「目」な第8話。「進路!」とかいう未来志向のサブタイのくせに、内容はほとんど過去話ばっかでしたね。まぁ、2クールあるらしいのに卒業まで1年無いわけだからねぇ。なかなか話は進まないわなぁ。

 今回はサブタイトルのテーマで一貫した内容となっており、唯が自分の進路についてひたすら頭を悩ませるだけの内容。高校3年生の初夏に一切進路が決まってないって、大丈夫なのかね……まぁ、私は個人的に今までの人生で進路に悩むという経験が一度もなかった妙な人間なので、この苦悩はちょっとよく分かりません。いや、まだ人生には迷ってるんですけどね。ニートも案外いいもんだぜ! 憂がいるから何とかなるよ! (まぁ、唯がニートになると憂もその後を追いかけてニートになる可能性があるけど)

 唯ファンにとっては、ロリ唯や様々なコスプレを披露する唯を見られるだけでも眼福の回で、和との腐れ縁についても、本来なら殴ってもいいくらいのエピソードがてんこ盛りのはずが、何となく許してしまう(というか諦めてしまう)流れになるのは唯の天性のスキル。そして、特に唯派ではない人間でも、豊崎愛生の真骨頂が味わえるという意味では充分な内容。ほんと、アホの子を産み出す時の豊崎パワーはビッグバンな破壊力がありますよ。先例でいったら野中藍あたりが近いのかなぁ。和の言うような「何となく許せてしまうアホの子」って、かなりハードルが高いキャラクター性なんじゃなかろうか。もちろん、中には到底許せないって人もいるとは思うけど。唯の場合はアホの要素の中によく分からない才能の片鱗も眠っているので、和はそのあたりのポテンシャルを見込んで付き合ってあげているのかもしれない。

 そして、今回本当のメインといえるのは、唯の過去話に便乗して律が持ち出した律澪の出会い物語。一歩間違うと枝先絆理ちゃんと見まがうロリ律ちゃんと、人見知りが相変わらずな文学妄想少女澪のデコボココンビ結成秘話。話してる当人がポロッと「好きな子にはちょっかい出したくなるじゃん」って、完全にプロポーズとも取れるラブラブ宣言をしてしまってるんですが、そこはスルーなんですね。いや、既に大前提になっているということか……個人的に一番訳が分からなくてツボだったのは、「律が賞を取れば良かったのに!」と怒鳴ってしまった澪を見て、何故か「おもしろッ」とデスノートのリュークばりの反応を見せる律ちゃん。明らかにおかしい。空気読めないにも程がある。


 でもまぁ、そんなズレた反応が出来たからこそ、必要以上に壁を作りがちな澪とコミュニケーションが取れたのかもしれませんな。ツーカーの仲になった今でも、デコにペンを立てられても全く抵抗する気配もなく堂々と刻印を受け入れる律ちゃんが男らしすぎて惚れます。あのデコのまま職員室に進路調査票提出しにいってるんだよなぁ……強いなぁ。鏡も見ずに自分のデコに書かれた文字が「目」であることを理解するのも凄いよなぁ……

 結局、今回は1話では進路が決まりません。アバンを含めた作中のモチーフとして「カメ」が多用されていることからも分かる通りに、唯の将来設計も亀の歩みで決めていくことになるんでしょうね。まぁ、少し真面目に考えるのも大事ですよね。

 余談1・「レトルトカレーもってこい」っていうキャンプイベントって一般的なの? 流石にそこは、作れよ。

 余談2・うちの高校では「アルプス一万尺」の節で古文の助動詞を覚えるのがはやりました。同じ節で中国の王朝名も覚えました。ただ、作中でも言ってたけど、覚えりゃおしまいの王朝名と違って、助動詞一覧って覚えただけじゃ何の役にも立たないんだよね。しかも何故か受験で一切使わない上代文法の助動詞まで入っていたので、覚えてかえって混乱する奴もいたり。ま、そんなもんですよね。


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エルドラージ罠変身

 

2010年FNM(アラーラ・ゼンディカーブロックスタンダード)

 

土地(23)

森×6 島×5

ハリマーの深み(WWK)×4

カルニの庭(WWK)×4

霧深い雨林(ZEN)×4

 

クリーチャー(10)

ムル・ダヤの巫女(ZEN)×2

ゼンディカーの報復者(WWK)×1

ペラッカのワーム(ROE)×2

鋼の風のスフィンクス(ARB)×1

テレスタドン(WWK)×1

無限に廻るもの、ウラモグ(ROE)×1

引き裂かれし永劫、エムラクール(ROE)×2

 

その他(25)

思案(M10)×4

先読み(ROE)×4

探検(WWK)×4

成長の発作(ROE)×3

ジェイス・ベレレン(M10)×2

野生語りのガラク(M10)×2

変身(M10)×4

召喚の罠(ZEN)×4

 

サイドボード(15)

瞬間凍結(M10)×4

否認(M10)×2

ジェイス・ベレレン(M10)×2

精神の制御(M10)×3

酸のスライム(M10)×2

濃霧(M10)×2

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 完 全 決 着! な第9話。全く予想外のことは起こらない展開なわけですが、このスピード感は他の作品には無いこのアニメの売りであり、悩みの種でもある。もう少しラストバトルにけれん味を持たせても良かった気がするんだけどねぇ。

 前回ぶっ飛ばされたジョーイが、何故か冒頭で1回だけ復活。しかし、「ヒーローマンはジョーイが操っている」という見たらモロわかりの事実を看破したゴゴール様のテンションは高く、とどめとばかりに全力パンチで今度こそジョーイをぶっ飛ばす。「第1部完!」と高らかに勝利宣言するゴゴール様だったが、何のきっかけなのか、ヒーローマンが暴走。デューオっぽかった外見に更にファイアーマンの要素も加え、圧倒的な膂力と暴力でもってゴゴールをフルボッコにしてしまう。

 とどめにアイアンクローからの首へし折りというおよそヒーローとは言えないフィニッシュホールドに入ろうとしたヒーローマンに対し、意識を取り戻したジョーイは必死のストップをかけ、すんでの所でヒーローマンは意識を取り戻す。後は完全に事後処理の流れで、改めてブラスト一閃、哀れゴゴール様は居城の塵と散った。Dr.ミナミの思惑を見事に裏切るデントンの運ゲープレイも見事にきまり、核の炎もかくやという大爆発の中でも、4人はあっさりと帰還。やっぱりアメリカ人のヒーロー補正は伊達じゃないね!

 とまぁ、勧善懲悪のお手本のような筋立てだったわけだが、バトルシーンがそこまでバリエーションをもっておらず、今回目玉となる暴走シーンも静止画メインであまりアドレナリンがでない構成になっていたので、一つの結末としては「まぁ、こんなもんか」というレベル。怒りにまかせて首をへし折ろうとすると「君は僕のヒーローなんだから!」という乙女チックな理由で制止したのに、最後に自分の命令で顔面がひしゃげる程の拳骨ならぶち込んでいいという英雄観もなんだかよく分からない。いや、多分あのまま暴走していたらヒーローマンが悪の心に魂を売って暴れ回っていたのだろう。ジョーイにとって、あくまでヒーローマンは「白いひと」でないと駄目ってことだな。

 暴走によって見事な勝ちを拾ったおかげで、一応今回のMVPはヒーローマンということになるはずなのだが、何故かインパクトが強かったのは勘とセンスのみでタマを止めてしまった教授の方だろう。キーボードなのかどうかもよく分からないインターフェースを初見で操り、「彼らの技術体系に触れたことがある」とはいうものの、あれだけ巨大な施設と兵器をコントロールするシステムを曲がりなりにも操れてしまうというのは、ひょっとしたら天才の片鱗なのかもしれない。そもそもコントロールルームに移動するエレベーターを使えた時点で驚きだ。

 そして、そんな一般人の活躍の陰で完全に割を食ったのがDr.ミナミ。先週出てきたでっかい手はどこで使うのかと楽しみにしていたのだが……結局彼の秘密兵器もお披露目前にお蔵入り。今後は彼を中心に物語が進むだろうし、リベンジに期待したいところですね。そしてゴゴールの残した落とし種と、それを回収した謎の人物……たかが10話では終わらせねぇよ!

 ところで……ウィルはあのまま日常生活を送るのかい?  

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 三つどもえの状態から、また一つ均衡が崩れていく第20話。もう、これから先は「臨也ってどれだけ不確定要素まで加味して読みきってんだよww」という突っ込みは無しにしますが、それにしても面白いように状況が悪化します。

 紀田がダラーズ軍団のところを訪ねるところから幕を開ける今回。なんとナレーションが湯馬崎・狩沢コンビということで、ずっとシリアス続きのはずなのに、どこかネジのはずれたような奇妙な浮遊感のあるシナリオ運びになってしまっているのは、やはりこのコンビの持つ実体のない存在感ゆえか。キャラのしゃべりとナレーションが被さって、どこまでがナレーションだか分からなくなるというのも、この作品では初めての体験でした。

 露西亜寿司で互いの情報と感情を交換する紀田と門田。この2人はきれいな相互理解が横たわっているため、会合には隠し事は存在していない。門田は園原の存在だけが未知の領域となっているわけだが、紀田自身も園原=罪歌という事実をしらないので、この2人の情報量ははっきり言って等価だろう。そんな不毛な「相談事」に繰り出さなければいけないあたり、臨也のシナリオの意地の悪さが確認出来る。

 この会談で浮き上がってくるのは、紀田を突き動かしている感情というものが、どこまで行っても「中学生の独りよがりのワガママ」であり、回りからすると迷惑なものでしかないという「弱さ」。過去のブルースクウェアの名前まで持ちだしてダラーズに揺さぶりをかけようとするが、あぶり出されたのは有益な情報などではなく、湯馬崎の怒り、狩沢の義憤。彼らは悪事を働きたくてダラーズになっているのでもないし、悪事に嫌気がさしたからブルースクウェアを抜けたわけでもない。独白で語られるように、彼らは日常と非日常の境目を自由に取っ払うことが可能な、この街で一番「強い」存在なのである。そんな彼らの価値観に照らし合わせれば、理不尽な過去の妄執と現在のワガママを重ね合わせて暴れる紀田は、ただの子供でしかない。代表の門田に突っかかり「彼らの領域」に不躾に踏み入ろうとする紀田に対し、湯馬崎はダイレクトな「怒り」をぶつけ、互いの「現実」を隔ててしまう。「切り裂き魔の事件は、三ヶ島沙樹が被害にあった過去の事件とは別の出来事である」と、彼らなりの手段で確認していると見てもいい。つまり、「クールになれ」という彼らなりのアドバイスだ。門田は門田で「やり合うなら相手になる」と正面から紀田を抑止しており、ダラーズ軍団の荒唐無稽ながらも一糸乱れぬ連繋がここで確認出来る。

 しかし、そう言われても紀田の「現実」は塗り替えられない。次第に携帯電話のボディにディスプレイなど、「黄色」の要素が色濃くなっていく紀田は、最も触れてはならぬ領域、折原臨也の居城へと足を運んでしまう。そこで得られた「事実」と「真実」と「現実」は、到底彼に受け入れられるようなものではなかった。

 次第に加速していく黄巾族の暴虐。ダラーズは駆逐され、それを黙って見ている帝人は、紀田の目からは少しずつ歪んで見え始める。そして、それを黙って見ている紀田を眺めるのは、これまた一方的に真実を見てしまった園原杏里……歪みきった3者関係に、歪みきった街の喧噪。果たして、解決策はあるのだろうか? 彼らが選ぶべき「現実」とは、何だろうか?

 ここ数話は息もつかせぬ程の密度で様々な事件がもつれ合っていく様子がすさまじい展開だったが、今回は「帝人の正体が紀田に伝わる」という以外は大きく事態が進展しないエピソード。そのため、序盤の露西亜寿司のシーンは極力動きの無い静かな画面構成になっており、紀田と門田という2つの「現実」のぶつかり合いの様子が紛れを含まずに刻まれていく。また、画面が静かだっただけに、「怒る湯馬崎」「語る狩沢」という2人の突拍子も無いキャラクター性がはっきりと前面化され、地味ながらも実にインパクトのあるシーンとなっている。

 そして、引き続きナレーションを続け、紀田の転がり落ちる原因となったこの街の全てを、フィギュア人形劇を交えて表現する2人もなかなか怖い。「面白ければ現実・興味がないなら非現実」と自由自在にシャットダウン出来ると嘯く2人と、不器用なまでに「見つめたくない現実」に抗う紀田の対比が痛々しい。臨也はまるで我が事のようにスルスルと紀田の内面を語って聞かせていたが、臨也にあっさりとすっぱ抜かれてしまうほどに、紀田の内面は脆く、あからさまである。しかし、そんな「単なる中学生のワガママ」の中に、臨也は「帝人の正体」というスパイスを流し込んだ。これにより、園原→紀田→帝人 という一方通行の情報開示が行われた3人の首領の関係にも大きな歪みが生じてしまった。いつも通りの下校シーンでは互いの視線のみでこの歪んだ関係性が表現されており、細かな帝人の反応を伺いながら冷たい視線を送り続ける紀田が、確実にこれまで通りの関係ではないことを示している。怖い怖い。

 今回、前半パートはほとんど動きが無く、後半もそこまで目立ったアクションがあったわけではないのだが、黄巾族の黄色、ブルースクウェアの青、罪歌の赤という3つのカラーリングのみを背景で際立たせたりする絶妙な色彩設定で、本来なら画面に全く現れないはずの「池袋の現在」が置換描写されているのには感心した。例えば、色を失ったモブの黄色い傘と青い傘が画面の両端に位置し、間に赤い煉瓦塀が置かれたカットなどは、「3つの力が相容れずに並立してしまっている」ことを端的に表すシーンとなっていた。このあたりの画面の含意が相変わらず見事である。

 さぁ、臨也の工作も少しずつ佳境には向かっている。一触即発、上がりきった怒りのエネルギーは、どこにどう流れ込んでいくのだろうか。刮目。 

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 ちぇりお! な第5話。既に伏線が張られてから半年近く経っていますが、遂に正体を現した「ちぇりお!」ですよ。毎月やられていたので「そういやそろそろとがめが恥ずかしがる頃なんだよなぁ」ということは頭の片隅に置いてあったわけですが、あそこまで全力でやってくれるとは思いませんでした。もう、バトルがどうとか恋愛感情がどうとかいうファクターよりも、ちぇりおの方が大事な回でしたよ。

 さて、前回が完全変則構成、その前の3話の試合も、ちょっと消化不良気味だったので、今回は2話の宇練銀閣以来のガチンコ正面勝負。事前に「防御力VS防御力」などとあおり立てておき、一体どのような方法で鉄壁の防御を突き崩すのかと思ってみていれば、何のことはない、「愛の力で何となくクリアしました」という腰砕けの展開。バトル要素に関しては、今回も3話同様、特に見るべき点も無く終わってしまいました。まぁ、毎回毎回バトル部分で新規性のあるプロットをひねくり出せ、というのも無理な話なので、あまり高望みしてはいけないと思うが、七花が最終的に何を悟り、何をもって校倉を凌駕したのかがいまいちしっくり来なかったので、決着のシーンはちょいともやもやが残ってしまった。頭では分かっていても、やっぱりこの作品に期待したいのは「すっきりしたバトルの結末」。そうした要素は、今回ちょっと物足りないくらいです。

 でもまぁ、シーンの配分からしたら、今回はこんなもんか、というのも素直な感想。何せメインとなるのは七花ととがめの関係性。旅を初めて半年近く経ったこのタイミングで、そろそろ2人の感情にも1つの答えを出しておこう、というのがメインプロットだろう。そういう見方をすれば、校倉というキャラクターは実に分かりやすい噛ませ犬。一目惚れなんて便利なアイテムでさりげなく七花の嫉妬心を煽りだし、それを乗り越えることで試合にも勝ってみせるというシンプルなプロットは、相変わらずジャンプ漫画のような分かりやすさ重視の姿勢を貫き通していることが確認出来るだろう。

 また、七花ととがめの関係性、もっと突き詰めていうなら恋愛感情というものを主軸として見た場合には、今回のプロット(とコンテ)は実に如才ない。冒頭の温泉シーンでは二人の色気の欠片もない関係性が描かれるが、行き交う酒の盆に二人の対等な感情がたゆたっている姿がトレースされる。わざわざ七花を立ち上がらせて全てをくまなく観察するとがめは、二人の関係性に男女の間柄を感じさせず、あくまで「主人と刀」の関係を想起させるためのワンシーンと見られるだろう(もちろん、「そのとがめが見ているもの」を視聴者に想起させて、多少なりともセクシャルな雰囲気を出そうという意図もあるのだろうが)。これに続く按摩や浴衣お披露目シーンも、勿論この「色気のない2人」の関係性の表れ。

 これが分かりやすく変容するのは、2人が校倉の訪問を受けた後から。しきりに焼きもちを焼く七花が微笑ましいし、とがめもなんやかやとはぐらかしてはいるものの、一度たりとも「七花が不要である」という主旨の発話をしていない。あくまで「七花と一緒にいること」を前提として会話をしており、それを感じ取れない七花に微妙なズレを感じている様子も見える。そして、最終的にはこの「ズレ」や「焼きもち」が七花の戦闘スタイルの「濁り」として表れているという構図になり、とがめの一言で七花は晴れやかな顔に戻る。何とも分かりやすい青春模様。噛ませ犬になってしまった校倉には可哀想だが、互いの気持ちを確認するためのイニシエーションとしては、これくらいが丁度良かろう。

 その他に描かれた要素を確認していくと、まず、冒頭では遂に画面に姿を現した「否定姫」の姿が確認出来る。「遂に」とか書いておいて原作を読んでないからどんなキャラクターなのかは全く知らないのだが、事前に「へぇ、戸松がいる」と思っていたので、ちょっと楽しみにしていた。戸松キャラの中では多少変化球気味の声音だったので、今後のキャラの広げ方が楽しみである。ちなみにその否定姫の部下の中の人は小山力也。校倉役が小山剛志だったので、奇しくもこんなところで2大小山の共演が久し振りに実現した。黒い方の小山さんは、まだヒゲ独身なんでしょうか。

 続いて、今回は誰も死ななかったのでちょっと嬉しいマニワニ軍団。まとめ役と目される鳳凰が登場し、噛ませ犬役が板に付いてきたマニワニの最近の傾向からは離れ、きちんととがめ相手に1人で渡り合う活躍を見せている。中の人も置鮎龍太郎なので雰囲気だけでも充分格好良く、衣装がどう見ても科学忍者隊にしか見えないとかいう部分はスルー出来そうだ。切り落とした左腕は当然ひとネタ仕込まれているのだろうが、ようやく威厳を取り戻せたマニワニが今後どのように絡んでくるのかは気になるところだ。

 そして、そんな鳳凰のさりげない置き土産が、冒頭でも触れたハイパーちぇりお祭ですよ。この作品は台詞量が尋常じゃないので画面が動かないというのが特徴だというのは何度も書いていることだが、何故か今回最も画面が賑やかだったのは、バトルシーンを差し置いてこの「ちぇりお」のシーン。やっぱり、こういうアニメーションを見せられると脳髄が持って行かれるような感覚に陥りますね。そして、毎度毎度ながら感心するゆかりんフェスタ。なんだろう、やっぱりこの人の演技って、魔力を帯びている気がする。とがめは本当にアニメーションになるにあたって恵まれたキャラクターだ。ここまで愛のある描写がなされるのなら、きっと原作者も本望だろう。

 そうそう、毎月変更されるエンディング曲が、今回ついに田村ゆかりに。ゆかりん+畑亜貴、そして曲は伊藤真澄。現代アニソン文化の極を集めたような仕上がりですがな。

 さて、次回も一ヶ月後。だんだんこのサイクルにも慣れてきましたが、前回が面白かったおかげか、この一ヶ月はやたら短く感じたものです。6月は、長い1ヶ月になるか、それともあっという間と思えるか。このエピソードの真価は、この一ヶ月の気分次第です。 

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 この期に及んで新キャラからの新展開な第8話。なんかさ、制作にディオメディア主体とか書かれてる気がするんだけど、シャフトって今何に本気だしてんの?

 この作品の主眼って、当初予想していたところからどんどんずれてきている気がする。シャフト+不条理ギャグっていうノリに期待していて、実際、荒川河川敷に登場するキャラクターってみんな破天荒で、それなりに面白い部分が多い。これまでだって、そうした突飛なキャラクターがぶん回っているエピソードが面白かったのは間違いないし、今回も秘書の髙井はなかなかぶっ飛んだキャラになっているので、彼が頑張っているシーンは面白いのだ。

 ただ、なんかそれに付随して適当なシナリオがくっついてきているのが気になる。リクの父親が秘書などを使って身辺調査を行ったり、リクと河川敷にちょっかいを出しているということは、今後の物語の焦点はリクの立ち位置の話になるはずだ。今回必死にあそこに住んでいるという事実をねじ曲げようとしていたリクの姿勢からも分かる通り、「優秀な人間なのに、何故あんな奇人変人の中で虐げられつつ生活しているのか」というところがメインになるはずだ。しかし、現時点ではそれがあまり面白くない。

 理由はいくつかあって、例えば今回のリクの振る舞いは、どう考えても「優秀な起業家」としての側面をサポートしない(外界に虚勢を張りたいなら、マリア達を適当に丸め込むよりも、もっと賢い金の使い方はたくさんあったはずだ)。この作品の「笑い」の基盤となる「リクは真面目で真剣だからこそ、橋の下の面々とのズレが生まれて酷い目にあう」という根本部分が、次第にないがしろにされている気がするのだ。ん、まぁ、相変わらずマリアさんからは本当に酷い目に合わされているわけだが……

 何で微妙に釈然としないのかなー、と悩んでいたら、多分、今回「外の目線」を代表していた髙井自身が、充分に変な奴だったせいだ。「外から見たらリクが振り回されている」という図式は、次第に河川敷メンバーに染まっておかしくなっているリクを見つめる「純粋な第三者視点」が必要なはず。それにはニュートラルなキャラクターが必要なはずなのに、髙井にまで濃いキャラを与えてしまっているせいで、何が中心となるべき視点なのかが分かりにくくなっているせいだろう。そのせいか、細かいネタの破壊力が序盤と比べると落ちている気がする。この作品の場合、キャラクター設定の時点でかなりシュールなセッティングを施しているので、そのキャラクターに負けないくらいにネタ回しも荒唐無稽なものにしなければならず、ギャグマンガとしてのハードルが高い。個人的にはシナリオラインなんて無理に作らずに、それこそシャフトが過去に培ってきた「ぱにぽに」や「絶望先生」のようなネタ優先の作りにしてしまっても良かった気がするのだが……そういうもんではないのかなぁ。

 今回はせっかくチョーさんが熱演を繰り広げてくれていたのに、なんだかネタがスベリ気味だったので、勿体なくてちょっと不満。個人的なモチベーションが、序盤のマリア罵詈雑言シーンで満たされてしまったせいでトーンダウンした、っていうのも理由かもしれません。 

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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