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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 マスコミ間のどろどろした関係性に、色んな邪推が止まらない第10話。フジテレビが協賛してるこの作品でこの内容って……色々ひどいなぁ。

 前回の「天才子役」が他のエピソードとは完全に孤立していたのと同様、今回の主役である田辺満雄(置鮎龍太郎)はこれまでのエピソードでは1度も登場していなかった孤立キャラクター。前回と同様に独立してエピソードが描かれるのかと思ったのだが、今回は逆に他の回のキャラクターが積極的に絡んでくる、賑やかなエピソードとなった。具体的には、直接田辺と絡んだキャラクターだけでも猪野、岩村の2人、その他坂東もきっちり顔出しで登場しているし、池山も名前が出ているのに加えて義父の野村教授が田辺に絡んでいる。彼が最後に携えていたのは星山の書籍だ。10話までのキャラクターのうち6人がここで登場しているわけだ。他の回と違って田辺は他に顔を出さない一方通行のセッティングになっていたために、何とも不思議な印象を受ける。

 そして、最後まで見るとこの「一方通行」の理由が判明するように出来上がっているのが面白い部分。今回は「伊良部の注射」というこの作品のキーアイテムの能力を逆手に取った、一種の叙述トリックが展開されている。それが、田辺の年齢トリックだ。

 改めて見返すと、アバンで真っ先に注射を打たれるという構成からして今までと違って不自然な部分があり、それに続くように描写される17日のエピソード(岩村に最初にインタビューされ、倒れるシーン)では、田辺の顔はほとんど描画されない。描画されるのは唇を噛むときのアップや目のアップなどで、実はこの時点でよく見ると深い皺が刻まれた「老人」であることは読み取ることが出来るのだ。もちろん、前もって「注射後の田辺」を見てしまっている(前回の予告も同じ効果がある)ために、その映像で「実は田辺が老人である」ことにはなかなか気づけない。そして、18日に目が覚めた田辺はもう青年の姿になっている。これはおそらく、パニック障害で倒れたことによって、既に自らの中に現実との不和が生まれていることの表れだろう(実際、伊良部に「老人」という言葉を出された時に不思議そうな顔をしており、青年の姿は自覚的なイメージになっていることが確認出来る)。もちろん、「動物に変身しないな」という伊良部達の疑問は、「既に田辺は何らかの別なシンボルをまとっている」ということを視聴者に伝えるための伏線となっているわけだ。

 とはいっても、田辺が老人であることは、そこまで劇的などんでん返しとして用意されているわけではない。オチがすんなり入ってくるようにじわじわと視聴者に予期させる準備もそこかしこに用意されており、一番のヒントはやはりたびたび現れる回想シーン(田辺からすると『幻』)だろう。高度成長期を思わせる数々の実写が並び、次第にその中で取材に明け暮れた田辺の姿も現れるようになる。この実写映像の取捨選択も興味深く、例えば「栄光の3番」長島茂雄のイメージは田辺と野球の繋がりも同時に想起させるし、建設途中の東京タワーは、田辺のメディア人としての一面を連想させる。もちろん、これらの映像は昭和の激動の時代を思い起こさせるモチーフとしても機能しており、田辺の年齢を含めたアイデンティティの記述として多重の意味を持っている。社長室で夕日を見てフラッシュバックが起こるというシーンも、沈みかけた夕日が人生の下り坂を進み始めた老齢の田辺のイメージを喚起させる。

 もちろん、そんな細かな描写よりも、田辺を取り巻く数々のイメージが、日本の大妖怪、渡邊恒雄のイメージと被っていることが、「老人」への接続に直接的な役割を果たしているのは間違いない。田辺の経営している大日本新聞社は日本放送=読売新聞であるし、グレートパワーズはジャイアンツだ。ご丁寧に「ナベマン」というあだ名まで明記されており、新聞、メディア、野球と日本の文化の中枢を掌握してきたナベツネを知る人間ならば、ナベマン=ナベツネという対比は絶対に頭から離れない。その「前もって存在する知識」が、最後のオチに自然に結びつくように出来ているわけだ。これはなかなかうまい。もちろん、(フジテレビから見れば)他社のお偉いさんを貶すような内容には出来ないために、「報道人として真摯な姿勢で挑み、現在のメディアの腐敗と脆弱さを嘆くひとかどの文化人」という田辺のキャラクターがきちんと描かれているのも面白い部分ではある。この作品を見た後では、なんかナベツネもいい奴のように見えてくるしな。

 そして、ここまで理解出来たところで、ようやく今回の「一方通行」の理由が分かる。これまでのエピソードで田辺と他のキャラクターの絡みを描いてしまったら、他者視点から「ナベマンが老人であること」が他のエピソードで分かってしまうのだ。そうならないようにするために、田辺はこれまでのエピソードでは登場するわけにいかなかったということだ。

 とまぁ、色々な伏線と余談を挟みつつ、最後には野球場で坂東の打ったホームランボールをアメイジング・グレイスに合わせてキャッチ(未遂)することで、ナベマンは時代の変化を悟り、ゆっくりと老人に戻っていく。今回の症状である「パニック障害」はいまいち理解しにくい症状だったのだが、おそらく伊良部のいうような「権力への固執」が一因としてあり、さらにその固執が「自分が時代を変えなければいけないという義務感」に根ざしたものであることが理解出来る。途中、田辺の時代観は完全に昭和のそれに戻っており、「アメリカの属国として立脚している未熟な日本を変えなければならない」と述べるのだが、この台詞が今の日本でもほとんど変わりなく使えるあたりが、小憎らしい風刺といえるかもしれない。

 今回もなかなか技巧に富んだ面白い回だったが、全てが片付いて老人となった田辺の声もきちんと演じ分けられる置鮎の技量には舌を巻く。じじいになっても格好いい声って、こういうのなんだろうなぁ。

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 「乃木坂春香の秘密 ぴゅあれっつぁ♪」 4→2

 この番組の良かった点。1,エロ能登。2。サブヒロインにさとりな。3.なばが歌うOPが格好いい。

 この番組の悪かった点。上記以外全部。

 本当に誰得な作品。これってラノベ原作だったはずだけど、本当に売れているんだろうか。どこにニーズがあるのかさっぱり分からない。山もオチも無いストーリーに、特に新規性も無ければ共感も持てないキャラクター。かといってそれらを自覚的にパロディにするといったこすっからい手を使うわけでもなく、ただ垂れ流すだけの形態。2000年代前半のアニメバブルの時にはこうした本当に海のものとも山のものともつかぬ作品が多々あったわけだが、業界が斜陽となり、取捨選択が厳しい昨今においてもこういうものが作られるというのは、ある意味奇跡でもあるし、ある意味病巣でもある気がする。

 一応のフォローをするなら、エロ作品としてはそれなりの矜持があったらしく、画的なものは時折納得できるクオリティはあった。ディオメディアの画作りは色づかいなどがキツくてなかなか好みには合致しないのだが、「クイーンズブレイド」や「かのこん」みたいなモロだと嫌だ、という人間の限りなくニッチなニーズに応える「寸止めエロ」としての役割はあったのかもしれない。もちろん、無いかもしれない。

 相変わらず最終回を終えても特にオチらしいものもなく、下手したらまだ続編が作れそうな構成だったのだが(実際に原作は未完だろうし)、ひょっとしてこれの3期とかがあったりするんだろうか。……姫宮みらんのPVとかならOKです。あ、でもキャラはむかつくから出さない方向で。椎名だけならギリギリ有りか。

 何で最後まで見たのかって? 中の人目当てだよ。文句あるかこん畜生。

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 タマはせっかくハイパー化しても全然声のトーンが変わらないのが釈然としない第10話。せっかくのキャストなんだからシリアス声にきちんと変身させて少しは有効利用しようよ。「夏目友人帳」のニャンコ先生みたいにさ。

 Gソサエティの強襲の爪痕が甚大で消沈ムードのGTO。ESメンバーは満身創痍、主人公コンビも大切な先輩を失ったことで自暴自棄に。そんな絶望的な状況を打破したのは、ディアの二人を思う真っ直ぐな心だった。……とだけ書くと非常に素直で分かりやすいストーリー展開になるのだが、今回もなんだか釈然としない部分が多い。

 ストーリー上の最大の不満は、なんと言ってもディアの無責任な幼さが、本来ならば全くフォロー出来ない態度であるということ。あの幼さだから人の死を理解出来ないのは仕方ないとしても、消沈するアスクールを見ても何も感じなかったり、突如「わるものをたおしてESメンバーになる」と言い出して外出したり、ジェネティックビーストを見ても策もなく突っ込んでいったり。本能的な恐怖も何もなく、勇気と無謀をはき違えたディアの振る舞いは、幼さを通り越して理不尽である。もちろんわずかな光源から索敵して乗り込んだりするのはディアの真の能力の表れなのだろうが、上記のようなアスクールの復帰を描くならば、ディアはあくまで「守らなければならない存在、トリクシーの遺志を継ぐべききっかけ」として描写されるべきだから、この要素は今のところ不必要であろう。

 そしてもう1つ大切な問題は、トリクシー組の能力が何故アスクール達に引き継がれたのか、という部分。「私たちの中に生きていた」なんて言葉で説明したらイイハナシになるのだが、普通に考えて、アスクールの師匠はトゥイードゥルディたち、クフィーユはアンオウ・エイオウ組なのだから、以前1度だけ出張につきあった程度のトリクシー達から能力を引き継ぐ意味が分からない。まぁ、ESメンバーの能力が「断末魔に接触していた人間に引き継がれる」とかいう性質を持つなら別にいいんだけどさ。少なくとも発動するタイミングでは使った2人もぽかーんとしてたし、周知された事実ではないようだ。

 そして、演出上一番まずいのは、やっぱり視聴している間中「生きていた2人」というサブタイトルがずっと頭に残り続けること。「どうせ生きてたんだろ、さっさと出てこいよ!」という勘違い(だよね?)を前提として見ていると、今回前半の落ち込むアスクールのくだりは全部茶番に見える。中の人がまだ未熟でいまいち感情が出ないこともこの問題に拍車をかけており、死別という大きなイベントがあまり効果を発揮できていないのだ。シナリオの組み方は2人の成長物語としていい方向に持っていこうとしているのだろうが、心理面で突っ込んで理解出来ないせいであんまりしっくりこなかった。勿体ないことこの上ない。

 ま、一番の疑問は「Gソサエティは何をどうしたいんだよ」ってとこなんですけどね。割と元気そうだぞ、GTO。 

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 クリスマスシーズンの話のくせにまだスイカを抱えている第12話。スイカレンジャーは一体どんな戦隊物なのだろうか。

 今回から、オープニング時にやかましいエフェクトが付くようになった。歌が好きな人間には耳障りだろうが、アニメーションに合わせての盛り上げ方はなかなか悪くない出来である。この手の「オープニングテーマに途中からエフェクト有り」という趣向はちょくちょく見るのだが、一体何が開祖なんだろう。個人的に印象に残ってるのは「新白雪姫伝説プリーティア」で、これは回を増すごとに少しずつエフェクトの箇所が多くなっていくという凝った演出だった。まるで「迷宮組曲」のオルゴールを集めてるみたいで毎回楽しかった記憶がある。また、最近では「ゼロの使い魔」シリーズは必ず最終回だけエフェクトありのバージョンで放映されていた。今作もそれに近いノリだと思うのだが、まだ最終回じゃない。ってことは来週はOP無しってことになるのかなぁ。

 ラストも近づき、諸々の問題も収束方向へ。以前「手をつなぐ」ことを目標としていたイカロスだったが、今回は「笑う」という目標を智樹から命じられる。何とか笑おうとするイカロスだったが、そうしたデバイスは組み込まれていないのか、どうにもうまくいかない。代わりに、智樹とのコミュニケーションにうまくいっている(ように見える)ニンフに対して、未体験の胸のうずきを感じてしまう。その感情に説明をつけることが出来ず、音速越えでかけだしてしまうイカロス。良くあるラブストーリー展開も、ものがエンジェロイドだと地域規模で大変である。

 彼女が今回智樹とニンフの間に複雑な感情を抱き、それを処理出来ずにいたということは、彼女の中に自覚的な「恋愛感情」が認識できたのは今回が初めてということなのだろうか。これまでは主従関係から来る「忠誠」によって仕えていた部分が、長い思索の時を経てようやく1つの感情として結実しつつある。ぶっちゃけ、そはらと智樹の関係性に何も感じなかったのはどないやねん、と思うのだが、こればかりはタイミングってことにしておこう。考えてみりゃ、ここ最近は智樹とそはらの間でいい雰囲気になった記憶がないから。

 しかし、実はこの作品においてイカロスの感情は既に副次的な要素でしかない。メインテーマとして今回対比されたのは、イカロスの煩悶を軽々と乗り越えながらも、同様に自分の感情を処理しきれなかったニンフの方だ。イカロスよりは常識がある(バージョンがあがってる?)ために一見するとそれは表に出てこないのだが、最終的な懊悩のレベルで言えば、ニンフの方が深刻だ。彼女には既にマスターがおり、「忠誠」は絶対的なものであるにもかかわらず、それとは別の感情が彼女を地上に縛り付ける。この作品のクライマックスを演出したのは、イカロスではなく、あくまでニンフのアンビバレントな感情である。今回はそのテーマとなる要素が最大限に膨れあがったところで次回に引いており、最終回に相応しい盛り上げ方になっているわけだ。ニンフの身体を張った悩みっぷりに、イカロスは自分の答えを見つけることが出来るのだろうか。

 今回はシリアス多めだったおかげで感想もそれなりに真面目なものになっているが、やはりこの作品の真骨頂はそんな部分じゃない。動物園大パニック発生から智樹逮捕までの一連の流れは、これまでのギャグパートに比べればはるかに短くてあっさりしたものだったが、シリアスに挟まれていたために、その希少性がよく分かった。やっぱりテンポ命で馬鹿が挟まると落ち着きます。あと、会長の外道っぷりに歯止めがききません。

 さて、いよいよ次回は最終回。ぶっちゃけ嫌いじゃないけど別に別れは惜しくない今作。最後にもう一花咲かせてくれるのだろうか。 

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 キョリちゃんの無限のパワーに圧倒され続ける第11話。小さな身体に無尽蔵のエネルギー。そりゃ、あんだけ食べるはずだ。がっつりホットドッグ食べてたのに直後の台詞が「そろそろご飯にしよう」だもんな。

 「にゃんこい!」からしばし遅れてのプール回。だからなんでどのアニメでもそんなに大都市にみえねぇのにあんなでかいプールがあるんだよ。今回のは特にでっかくて、ウォータースライダー完備はもちろんのこと、巨大な滝のようなスライダー、さらにフリーフォールなどのアトラクションに飛び込み用の特設プール、人が多くても遠慮無く競技が出来る競泳用プールまである。1つでいいからうちの近くにくれよ。まぁ、これだけの設備がないと舞台として成立しないんだろうけどさ。

 で、前回までの純夏×あずさというカップリングにひとまずの蹴りを付けたのが今回のお話。食欲旺盛な怪力乱神によってあずさは自動撤去され、非常に大人な判断力でもって空気を読んでくれる朋絵を挟んで、純夏と汐のカップルが久し振りの対面。序盤は浮かれまくって「おじさんみたい」と的確な突っ込みまでいただいていた男子妄想爆発の純夏だったが、あずさを気にして遠慮勝ちだった汐にストレートに自分の気持ちをぶつけ、その後は何故か朋絵に対抗心。結果的にはプールサイドで水着膝枕というプライスレスなご褒美にありつくというエンディング。すっかり「元の関係」に戻ることが出来て、純夏さんも大興奮である。乳煽りのアングルから汐の顔を見上げながらも、片手をプールに差し入れてクールダウンしている純夏さんの笑顔が実にナチュラルで良い。この娘、頭はいいはずなのにことが思い人に絡むとアホな英語を乱発する変な外人みたいになるよな。

 そして、そんな様子をまざまざと見せつけられたあずさは、1を見て10を知っちゃう理解の早さでもって、関係を全て察知。元が奥手な性格だけに、どうやらここで正式に退場するものとみられる。もともと彼女の純夏に対する感情は愛情というよりも憧れや感謝の念に起因する部分が多いので、やはり汐の対抗馬になるには些か力不足ではあった。きちんと自らの創作意欲の糧にするという決着の付け方も見せているし、彼女にとっても無難な落としどころではないだろうか。むしろこれで忌憚なく純夏と友達関係を維持することも出来るわけだしね。プールサイドから2人を見つけて呆然とするあずさの思索シーンも、彼女の微妙な感情の機微が間に浮かんで見える面白いシーンであった。

 これで、あずさから純夏へのベクトルは一応決着。残る未解決の矢印はというと、当然純夏から汐に対するもの。これは、気付いていないのが現状汐だけという状態の大命題。そして、一番やっかいなのが汐から純夏に向けられた、若干インビジブルなもう一本の矢印。こちらは、純夏が気付いていないのは当然として、まだ汐本人も確たる意志を持ち合わせていない。これにいち早く気付いていたのが朋絵なわけだが、今回あずさがこれに気付いたのはかなりの慧眼。その洞察力があれば、きっと今後はうまくやっていけるよ。残った2本の矢印を片付ければ、この作品は無事に幕が下りるのであるが。

 そして、今回はそんなメインプロットに加えて、外野でギャーギャーやってるチームキョリが面白くて仕方ない。千和+英美里のコンビネーションって、本当にいい絡みだなぁ。ベテランも新人もうまい具合に互いを高め合って面白い空気を醸し出しているのがこの作品の安心して見られる大きなポイントだろう(千和が最年長なんだよね)。画のクオリティでいったらそこまで高くはないので水着回と言っても大したサービスにはなっていないのであるが、遠景近景を使い分け、情感を込めた間の持たせ方で引っ張る演出のおかげで、下世話にせずとも充分堪能できる仕上がりになっているのであります。今回のコンテはすっかり「百合を描かせたら天下一」みたいな変な印象があるあおきえい。いい仕事です。 

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 わずかな登場シーンでやれることを全てやりきる黒子の存在感に感嘆せずにはいられない第12話。これまでの物語をきっちりと完結させる、お手本のような最終回でしたね(あれ?)。

 何の加減か分からないが、木山から飛び出して具現化したのは1万人脳髄ネットワークの権化。「AIM拡散力場」が何なのか分からないので細かい突っ込みはしないが、とにかく無尽蔵のエネルギーと思念をつぎ込んだラスボスに相応しい存在っぽいことは、ビジュアルからも何となく伝わってくる。前回木山春生がレベルアッパーネットを全て背負っていたことを象徴する赤目を宿し、それでもなお、外見は「持たざる者達」の未発達状態と成長願望を示すかのような胎児の姿。ビジュアル的な出来も非常に良いし、内部に宿す1万人の「無念」の描写もなかなかクるものがある。そういや、グラビトンの時の眼鏡はしゃべってたけど、眉毛事件の時のゆかりんがいなかったのは何でなんだろう。

 そして、律ちゃんと唯(の中の人)に説得される形でついに心折れる木山。その最後の矜持である対策方法を携えて、初春と御坂の熱意が走る。まぁ、初春は単にちょろっと階段登っただけなんだけど。せっかくの見せ場なんだから余計な援軍とか加えずに初春が独力で学園都市のネットワークを強制的に押さえ込んでワクチンを流すとかいう展開だったら更に面白かったんだけどね。アンチスキルの対応のショボさは今回も際立っていたし、せっかく緊迫の場面なのに甲斐田キャラ(相変わらず名前知らん)が「じゃん」っていう訳の分からない語尾を使うキャラで、その点だけは興ざめ。ウラシマまりんじゃないんだから。

 それはさておき、今回も前回に引き続いて、主人公の面目躍如。「電気を操れる」という非常にあっさりした能力設定のくせに、「磁場のコントロール」と「砂鉄操作」のおかげで攻守にわたって無双の強さを誇る御坂さん。どう考えたって上条さんに負ける道理は無いぐらいのチートっぷりだ。再生能力持ちには分が悪かったが、それさえ封じてしまえばあとは完全なワンサイドゲーム。締めにはきちんと奥義であるレールガンを炸裂させ、きっちり見せ場を盛り上げてくれた。オーソドックスな手法ではあるのだが、やはりクライマックスシーンでメインテーマが流れてのバトルというのは無条件で熱くなれる。テーマソングが「only my railgun」というのも非常にメッセージ性が強く、歌詞を聴けばやはりどこまでも「あたしは強いんだから邪魔すんじゃないわよ」というわがまま勝手な内容なのだが、やはり御坂さんはうだうだ悩むよりも我が道を進んでいる姿がしっくり来る。

 バトルシーンは勿論のこと、ラストシーンの初春と佐天の邂逅や黒子の暴走なども含めてアニメ的には非常に質の高い仕上がりとなっており、文句なしで本作のベストエピソードと言ってしまっていい今回(個人的には2話も捨てがたいんだけど)。電流が流れる御坂の髪の毛羽立ちやレールガン射出シーンの画作りは流石の一言だし、ふくれっ面した初春や御坂も可愛らしい。エンディングテーマの別バージョンを用いて最後にいつもの画にたどり着く幕引きの構成も実に印象的で素晴らしかった。スタッフはといえば、コンテに福田道生、総作監は藤井昌宏。もう、本当にこれが最終回といって差し支えないですよね。

 中の人にも当然賛辞。黒子の中の人は言わずもがなだが、佐藤利奈もようやく回ってきた見せ場できちんと締めるとこ締めてくれたし、田中敦子は相変わらず癖の強い木山という「悪役」に見事な引き際を見せてくれる。あとは……やっぱりマーブルチョコの謎のおねーさんですかね。顔が出てきた瞬間に「なーんか、この顔だとひょっとして声は……」と思ってたらマジでそのまんまだったのは流石に吹いた。年に2,3回くらいこういう現象が起こります。最近はちょいちょい弟さんとの共演機会が増えましたね。 

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<青>

 

○再録カード

AEther Adept/霊気の達人(M11)」 C

 結局構築レベルにはならなかったけど、カジュアルでデッキを組むとやけにこいつが入ってきます。

 

Alluring Siren/魅惑するセイレーン(M11)」 U

 リミテッド構築を問わず、こいつに魅惑された記憶がない。

 

Belltower Sphinx/鐘塔のスフィンクス(RAV)」 U

 懐かしいところから意外なクリーチャーの再録。強かったなぁ、削りディミーア。

 

Cancel/取り消し(M11)」 C

 すっかり定番づらしやがって。

 

Coral Merfolk/珊瑚マーフォーク(10ED)」 C

 毎回ちょいちょい入れ替わる青の2マナ枠。ウツボとの座席争いが名物。

 

Divination/予言(M10)」 C

 今回は占術が退場したので、「予感(M11)」から再びこちらにスイッチ。一応赤青昇天なんかで使われた実績があるが、現在は「テゼレットの計略(NPH)」のせいで日陰。

 

Djinn of Wishes/願いのジン(M10)」 R

 1年空けての復帰。この子は割とお気に入りで、コスト踏み倒しコンボの夢が色々と広がります。

 

Flashfreeze/瞬間凍結(M11)」 U

 色対策カードの最優秀選手。タイタン、火力、なんでもござれだ。ただしスラーンだけは勘弁な。

 

Flight/飛行(9ED)」 C

 わーい。まぁ「ジャンプ(M10)」よりは……M11にはこの手のスペルは無かったんだな。

 

Frost Titan/霜のタイタン(M11)」 M

 最初にこいつが出たとき「青だけショボすぎだろwww」とか言われてたけど、結局活躍したんだよなー。ま、地味なのは事実だけど。

 

Harbor Serpent/湾口の海蛇(M11)」 C

 海蛇枠は継続。まぁ、いいんじゃないですか。どうでも。

 

Ice Cage/氷の牢獄(M11)」 C

 リミテッドだと安定の青除去。これ、青にしちゃ実はかなり強いよね。

 

Jace’s Erasure/ジェイスの消去(M11)」 C

 やったー! まだミルミル出来るぞー!

 

Levitation/空中浮遊(M10)」 U

 書いてあることはでっかいエンチャント。高みに飛びすぎて構築では顔を見せない。

 

Mana Leak/マナ漏出(M11)」 C

 鉄板。カウンターはほぼ現行通りだな。

 

Merfolk Looter/マーフォークの物あさり(M10)」 C

 ルーター業務も基本セットによって有ったり無かったり。あるとコンボデッキが組みやすくなるので助かります。

 

Mind Control/精神の制御(M11)」 U

 最近誘拐エンチャントも増えてきたから、基本仕様のこれを使う機会も減ったよね。

 

Negate/否認(M11)」 C

 これも基本カードのフリして、実は初登場がモーニングタイドなんだよね。いつも安心のサイドボードカード。

 

Ponder/思案(M10)」 C

 そうか、占術システムが終了だから「定業」は引退なのか。まぁ、こっちでも充分強いっちゃぁ強いんだけど。現時点では「ハリマーの深み(WWK)」と仕事が被るのがな。あ、あれも引退か。

 

Redirect/移し換え(M11)」 R

 これも登場した時はおおっと思ったけど、使われなかったなぁ。

 

Time Reversal/時の逆転(M11)」 M

 結局使われてないけど、何か悪さ出来るって、おっちゃんは信じてる。

 

Unsummon/送還(M11)」 C

 早く「乱動への突入(ZEN)」がスタン落ちしないかと祈る毎日。

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 ロシア風水餃子って、結局水餃子じゃねぇかと思う第11話。一応マスタードやトマトソースでも食べるっていうあたりがちょいとロシア?(全部wiki情報) 以上、ペリメニ情報でした。

 もう色んな風呂敷がたたまれすぎてぐちゃぐちゃになってきている感のあるジェットコースターエピソード。今回は「親父の説明で蘇芳と紫苑のあれやこれやが大体明らかになる」という、非常におおざっぱな処理が行われることになった。直接語られたのは、「確かに蘇芳は死んだ」「紫苑の能力はコピーで確定」「でもその紫苑も死んだ」「間際にコピーで『別な紫苑』に」ということ。「コピーは必ず何か1箇所違う」とのコトだったが、パブリチェンコはどこかコピーと違っていたのだろうか。

 さらに霧原さんも課長にアンバー仕込みの予言文、三鷹文書を吹き込むことで進展したやらしてないやら。でも、蚊帳の中に入れたとしても結局は「イザナミとイザナギを会わせるな」っていう今までと同じ指令しかもらってないんだけどね。鎮目さんが予想以上に馬鹿っぽいのは素敵なラブリーちゃん。コンクリで武装した姿はどことなくアルフォンスを彷彿とさせたり、「コンクリごときで対戦車ライフルの狙撃を耐えられるもんか」とか、気になることは色々あるけどとりあえず死ななかっただけでもありがたいと思わないとね。

 そして戦場となったサンシャインにはCIAまでが殴り込みをかけ、全てを観測霊で読み切っていたマダムオレイユだけが、余裕の表情で戦禍を避ける。せっかくナイスなマダムだったのに、突然スペースチャンネルな衣装をまとうことで一気にトンデモキャラクターへの変身を遂げてしまったのはどう受け止めたらいいものやら。あの衣装は多分各所で非難囂々だと思うのだが、まぁ、本人が楽しそうだからいいじゃないか。多分意味はあるんだろうし。霧原さんはとんでもないものを見てばかりなのでもう慣れてしまったのかねぇ。

 そして包囲網とか警戒網とかいう概念が無いかのような音速突撃をかましたヘイさんには、復讐に燃える葉月さんが単身出撃。恐怖やら血筋やらのしがらみを乗り越えたおかげか、その剣戟はヘイさんもびっくりなほどに冴え渡る。能力が使えないヘイさん、久し振りにマジピンチです。新妻とお料理教室なんかやってる場合じゃない。ちなみに、ものすごくさりげないカットだが、ヘイさんは蘇芳が一口かじる間に、肉まんペリメニを3つ平らげています。隠れ家とは思えない本格調理道具に業務用と思われるビッグサイズ冷蔵庫など、大食漢の李君はすっかり元気です。

 みんなそれぞれのパーソナリティを発揮しているのでメインキャラの切った張ったは面白いのだが、流石にパブリチェンコ博士の説明ラッシュは興ざめ。しかも「これで出番が終わりました」とばかりにさっさと(ほんとどうでもいい死因で)退場してしまい、何ともやっつけ感の強い要素となってしまいました。これでは蘇芳の辛い生い立ちもいまいち共感できない物になってしまっている(そもそも、記憶がああも簡単に移植、定着出来る能力があるとしたら、博士が言ってたこともどこまでが本当か分かったもんじゃない)。次回あたりでようやく紫苑と蘇芳の対話の機会もありそうだし、その辺の決着は多少無理矢理でもつけてくれるのかね。っていうか、つけてください。今回最大の見どころが「朝起きたら料理をしている旦那に気付いてほほを赤らめる蘇芳」っていうのは問題があります。え? そこじゃない?

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 これまでとは随分イメージの違う演出になっていた第9話。確かにここまでのエピソードに今回の主人公である安川ヒロミが全く登場していなかったのは気になっていたのだが(ひょっとしたら気付かなかっただけでどこかにいたのかもしれないが)、今までのような同時並行演出はここでいったん終わりということなのだろうか。

 今回の患者、安川ヒロミ(羽田野渉)の症状は、残念ながらあまり共感を覚えるようなものではない。勿論「キャラを守らなければ」という防衛意識というのは誰しも多かれ少なかれ持っているものだろうが、流石に一般人はタレントのように自分のイメージに固執する必要は無いので、心の病に発展するようなレベルでの悩みというのは少ない。以前友人と話していて暴露話が盛り上がった時に「お前はそういうこと言っちゃ駄目だ」とたしなめられた記憶があるのだが、他人の押しつけるキャラというのは、時として「知らんがな」という場合だってあるのだ。

 しかし、子役として売れてしまった安川の場合、他者の見る目についてはそれこそ病的なまで染みついており、既に必要無くなった成年後も、それが心から離れなくなってしまった。症状として表れるのは「笑顔」という表情のみなのだが、今回は安川の「表情」が非情に印象的に描かれることで、その深刻さを表現している。序盤は笑顔を崩さない安川の口元よりも上の部分に影がかかってなかなか見えないようになっているし、ビタミン注射を喰らった後には(そして幼少期から既に)、シンボルとして登場したアザラシの顔が頻繁によぎるようになる。これは当然、過去に一世を風靡した「タマちゃん」などから連想される、かわいらしさだけが先行した「客寄せ」商売のメタファーであろう。これらの描き方を複数重ねることによって、序盤の安川は笑顔以外の表情が一切表に出てこないわけだ。

 そして行われる荒療治。とはいえ、放っておいても安川が事務所を首になるのは避けられなかったわけだし、伊良部が助言をせずとも安川が自分のイメージと現実のすりあわせを行うのは必要事項となっていたはず。たまたま都合のいいオーディションで都合のいい流れになったおかげで、「イメージチェンジするんだ!」という一大決心が、逆ベクトルに吹っ切れてあのような結末を迎えることになった。「伊良部の思いきった治療」とはいうものの、あの流れで吹っ切れるようならば、結局今までの路線でもいけてた訳だから……マネージャーの管理が下手だったってことになる? いや、バラエティ番組の出演を受け入れられるようになったのは今回の顛末のおかげなのか。オチの部分の安川がどのようなポジションに落ち着いたのかが分からないために、何がどう治療されたのかがよく分からない展開だった。多分懐かしさとスベリ芸で返り咲いたってことなんだろうけど、絶対あれは芸人生命が短いタイプだぞ。

 とまぁ、本筋はほどほどにしておいて、気になったのは今回からの「別路線」の演出である。例えば、安川は18日に集合の象徴であるファミレスに顔を出していないし、当然他のエピソードのキャラクターも誰1人として顔を見せていない。唯一今回のエピソードに関係があったのは安川が受けたオーディションの原作者である星山純一だが、彼もわざわざ名前を出しておきながら当日のオーディション審査員を欠席している。これまでのエピソードでは「顔を出していること」が明示的に描かれていたのだが、今回は敢えて「顔を出さないこと」を強調しているようにも見える。

 また、毎回バンクのように同じ映像が使われ続けていた注射のシーンが、今回は別アングルの別シチュエーションに書き換えられている。マネージャーが見ていたからついたての陰で注射したとも考えられるが、普通に考えたら注射は隠れてするもんじゃない。打っている時のマユミの恍惚とした表情の追加や、毎度のように汗だくで盛り上がる伊良部のカットの変更など、ことさらに「今までと違う」ことをアピールするような構成になっており、もちろんBGMも定番の物から新しい物へと変更されている。

 他にも、安川は診察中に歯車仕掛けのイスでくるくると回り続けていたり、伊良部がマネージャーの背後に瞬間移動したような描写があったり、伊良部が「ひろ君」の存在に気付いた時には3体の伊良部(大・中・小)が全てオーバーラップして驚く描写があったりと、これまで暗黙のうちに慣例とされていた部分がぶっ壊れたかのような変化が気になる。今後は本当にオムニバスとして作っていくのだとしたら、時系列いじりはあくまで作品の1要素でしかないので無くなっても構いやしないのだが、これまでのような賑やかな雰囲気が無くなってしまうのはちょっと残念。来週登場するキャラクター(置鮎)も過去のエピソードに登場していないので、また単独エピソードになってしまうのかなぁ(一応グレートパワーズはスワローズの対戦相手だったけど)。ただ、ラストシーンで伊良部の病院を訪れたのが誰なのか気になる(流れからすると次回主人公の田辺の来訪なのだろうが、ラストシーンは伊良部の見ているテレビから24日のことであると分かるし、田辺が来訪したのは17日であるはずなので、計算が合わないことになる)。

 最後にキャスト話。マネージャー役は折笠富美子。振り回される苦労人役にもしっくり来ます。不幸が似合う女性は格好いいね。そして今回メインだった羽田野君だが、役が役だけにイケメンの彼が奮起すればするほど中の人が滑ってるみたいに見えて可哀想だった。……いや、おいしいと思うべきなのか…… 

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プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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↑越えられない壁
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