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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 とんでもねぇちゃぶ台返しを見せられた気がする第9話。「生きていた、」じゃねぇよ。そこは死んどけ。いや、来週になるまで誰が生きてたのかは分からないけどさ。これでドウェルクとアールヴとかだったらすげぇ。

 前回たちあがった悪の組織、Gソサエティ。いや、主義主張の面から考えれば一概に悪とは言えないかもしれないんだけど、やってることは確実に悪者のそれ。出生に複雑な事情があって考えさせられた前作の「悪」とは随分違う。で、そんな悪のデビュー戦はというと、記念式典を利用して一気にGTO統治に待ったをかけ、あわよくば政治的な実権まで握っちゃおうという、ものすごくおおざっぱで勢い任せな作戦に打って出た。記念式典の警備の杜撰さも凄いが、あの程度の作戦がうまくいっちゃう国民感情もまた凄い。そして、ESメンバーのショボさが凄い。確かに相手は念入りにメンバーの能力を研究して勝負を挑んできたのだから不利なのは間違いなかろうが、ESメンバーたちだって自分が有名人で情報が割れてることくらいは知っているだろうに。これまで何の警戒もせずにのうのうと暮らしてきたのだとしたら……自業自得だよなぁ。

 なんでこんなにストーリーにしっくり来ないかというと、やはりバトルが絡むとこの作品は根本的な部分がショボいからだ。敵味方全ての能力者をまとめても、そこまで独創的な能力者がいるわけじゃなし、一応区別が出来ていても、戦闘シーンでそれを使い分けるわけでなし。アンオウエイオウコンビの退場とか本当に情けない負けっぷりだったし、トリクシートロワジェイン組も能力は面白いのに使い方が単調。全く同じ「時間を止める」能力者が出てきた「戦う司書」の方が(あちらも画の状態が決していいとは言えないのに)まだ見応えがあった。トゥイードゥルディを庇ったドゥルダムのポーズとか、あまりの緊迫感の無さにギャグかと思ってしまったくらいで、細かい部分の作画演出がいちいち目に障る。せっかくシリーズ中で一番シリアスなシーンを描こうというのに、この肩すかし感はどうしたもんだろうか。そして空気の読めない次回予告というとどめ……これは養護しづらいぞ。

 もう、この作品が今から客を引っ張ろうと思ったら、かなり思いきった展開が必要になるだろう。個人的には「生きていた」といって登場するのが伝説のエクリュミコンビっていう展開が一番盛り上がるんだけど、第2案として日野聡ボイスのガクトエルが実は影武者で、本ボスは今回も式典会場で観戦していたおっさんとおばさん、という展開も捨てがたい。声的に見れば確実にあの2人がラスボスクラス。

 あぁ、第3案として「いっそ今後は全部Dr.モロー」という手もある。とにかく何とかしてくれ。 

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 首輪を付けたままの入浴は蒸れて仕方ない気がする第11話。いや、エンジェロイドが汗かくかどうか知らないけどさ。そもそも風呂が気持ちいいかどうかも分からないな。

 前回までである程度シリアスするのに疲れたのか、今回は初っぱなから馬鹿のオンパレードで構成された、久し振りに「らしい」エピソード。もちろん途中でいくらかシリアスにはなるのだが、今回くらい(ギャグ8,シリアス2)くらいがちょうどいい塩梅である。

 キャンプファイヤーなどで少しは智樹との距離を縮められたかと思えたイカロスだが、頭をよぎるのは兵器としての自分を隠すことへの罪悪感。悩み抜く中で智樹は一体何を考えているのかと気にしてみるが、残念ながらこの男の頭は年中ピンク色。アバンからOPへの潔い引きは、この作品の真骨頂である。そして「パンツ飛行体」「時間停止」など散々やりたい放題やっていたはずなのに、改めて努力を重ねて女湯潜入作戦でワンエピソード。いや、この姿勢はすごいと思うよ。

 また、今回はエロの要素に加えて智樹の性転換というイベントも加わり、変態っぷりがよりついていけない方向性に動いている。下着を探しに行った時の「流石にパンツは飽きてきたが」の一言は流石の貫禄だが、その後の男子にこびを売る一連の流れの意味が全く無い。一応英四郎のマネージメントのようだが、彼も一体何がしたいのか分からないしな。「新大陸」って言えば何でも片付けられたり、智樹を女湯にけしかけておきながら自分は堂々と壁面から監視カメラで見張っていたり。「一周回って基本馬鹿」のお手本みたいな男だ。会長との関係性も見事なもので。「結局これって英四郎が一人で盗撮してるだけじゃねーか!」とか思ってたら、きちんと会長からは制裁を受けていましたな。会長は銃剣術も使えるのか……「あのシーン」で蛇口をひねったのも会長だし、やっぱり最大のチートキャラは彼女なんだろう(トモ子との出会いのシーンの演出を見る限り、どうも全てに気付いていた節がある)。自宅に天然温泉が湧いてるくせに銭湯に来る物好きさん。

 さて、エロやらなんやらはもう触れるのも面倒臭い(この作品ともなると、もう裸がデフォルトな気もする)。あぁ、でも今回は流石に露骨な湯気補正が何カ所かあったっけ。まるで個体のようにソリッドに画面を横切っている湯気を見ると、何故か「破滅の刃/Doom Blade(M10)」のこの絵を思い出します。→doom-blade.jpg

 さて、アホ要素を置いておくと、今回は「イカロスの気持ちがまた一歩前進」という要素と、「それでもニンフは追い詰められる」という要素の2つがシナリオ上の大切な要素。イカロスは今回の顛末から何故か「隠し事は良くない」という思い切った行動に出ることになり、もちろん最もハッピーな結果を迎えた。他方、次第に智樹への気持ちを隠せなくなってきているニンフだが、どうやら空の上との関係性はなかなか切れないらしく、今後の物語のクライマックスはニンフをを巡ったものになるであろうことが想像出来る。「アルファ」「ベータ」という呼称からすると天界のマスターが回りにはべらせていたのはイカロスやニンフよりも後に作られた後継機ということになるのだろうが、試作品レベルのイカロス達が、最終的に後輩に勝つことが出来るのだろうか。まぁ、バトル要素はそこまで求めてないので、なぁなぁで終わってもらってもいいんだけど。

 シリアスやっても馬鹿やっても、画質が安定しているのでそれなりに見られてしまうのがこの作品のいいところであり、困ったところでもあり。慣れてきたのでとりあえず楽しめてはいるのだが、馬鹿エピソードでももう一発なにかでかい花火を打ち上げて欲しいもんである。

 追伸・やっぱり藤田咲はしゃべれば存在感のある役者だと思うのだが、何で今ひとつヒットが出ないんだろう。ボーカロイドなんかに負けずに頑張って欲しいものである。 

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 予定して起こる出来事はハプニングとは言わない気がする第10話。「ハプニングを目指して頑張る」という姿勢は、以前くじけた「ドジっ娘になる」の再挑戦……というわけではないんだろうな。

 ラブコメアニメだと思っていたら、いつの間にかコピー本製作アニメになっていた今回。前回はオフセットにも憧れているみたいなことを言ってたけど、結局コピー誌で落ち着いたんだね。でも、純夏さんは大して乗り気でもなかったはずなのに本気を出して50枚書いちゃうし、更にあずさも同じくらいの大作を書いてたはずだから……コピー誌はきついんじゃなかろうか。実際、エラい枚数になってましたし……いくら自宅製本とはいえ、もう少しきちんと計画した方がよかったんじゃないでしょうか。そうすればあんな悲劇も起こらなかったわけだしな。ただ、汐の買っていった本を見る限り、装丁はかなりしっかりしてましたが。

 即売会準備と合宿という2大イベントのブッキングに苦悩する純夏さん。結局義理を優先して製本作業を選択することにしたのは流石だが、作業中も心ははるか海の上。妄想内容は相変わらずの中二男子だが、実は前回あずさが妄想したのと内容がほぼ同じ。結局中二妄想だったら男子も女子も変わらないってことよね。そして挙げ句の果てに「イベント参加の約束はしていない!」と開き直り、ヤリ逃げ状態で汐を追いかける決意までしてしまう。ここまでの純夏さんの非情さは流石にひどい。「そんなことを考えながら作業するくらいなら、変な期待させずにあずさに謝れよ!」とも思ったのだが、どうもあずさの様子を見ていると、彼女が純夏に対して持つ感情はやっぱり他の面子とは違うみたい。憧れの対象はあくまで作家の作ったヴァーチャルな百合であり、純夏に対しても憧れはあるがLOVEまで至っていない、そんな感じ。そのため、純夏が完全に心ここにあらずの状態で義理立てしているだけでもあまり気にしてはいないみたい。まぁ、だからってないがしろにしていいというわけではないのだが。

 そして事件はたった1つの誤字から起こる。折ってる時には気付かないのに、いざ製本に移ろうとすると気付いてしまうこの因果。実際こういう不都合ってのはよくあることで、更にトナーが切れたり、コンビニが混んでいたりと玉突き衝突を起こすのも締め切り間際ならでは。そしてあれよあれよと転がって、最終的にはあずさの涙。ここできちんと「正しい」判断が出来るあたりが、純夏さんの格好いいところです。誤字に耐えられなかったり、渋々手伝ったのに何故か50枚の原稿を仕上げる真面目さもそうだけど、ここできちんと「ごめん風間」と言える真っ直ぐさが、彼女の最大の魅力だと思います。まぁ、直前のつまずきダイビングの際に彼女が最優先させたのがあくまで「ハプニング」だったのは内緒ですけどね。

 きちんと義理を立てればご褒美はあるもので、最後は汐からのご褒美コメント。ほんと、意識してなのかどうなのか、「小悪魔系」は言い得て妙。汐は前回まで何かもやもやしてたはずなんだけど、二人寄り添ってうたた寝をする純夏を見て何を思ったんでしょうか。

 今回もメリハリの効いた演出できっちり見せてくれる仕上がりになっており、絵日記帳で描かれた純夏の妄想、劇的なスローモーションで見せる純夏の転倒シーンからの惨事の描写、汐の告白で精も根も尽き果てた純夏の滑稽な様子など、コミカルとシリアスがコロコロ入れ替わりながらも、良い意味でアクの強い演出でがっつり引っ張られるようになっている。個人的には「飛散する飲み物(緑色の水滴が原稿に)」→「汐の見つめる車窓の外の灯り(緑色の遠景照明)」というカットのつなぎがとても印象的でした。もちろん、その後の「すみちゃんは他人の失敗を喜んだりしないわ」という汐の台詞も実にきれい。純夏さんは惚れる相手を間違っていないと思います。

 今回は妄想だけで終わってしまった水着シーンが次回ついに登場?! まぁ、正直今回披露された朋絵の水着姿は全くそそられなかったので驚いたけど。汐のわがままボディがきちんと描かれるかどうかが焦点です。そうそう、キョリちゃん、イベント会場での飲食は指定された場所でね。百合フェスってお盆前にビッグサイトであの規模の展開なのかよ。すげぇな。 

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 しゅがああああああ! な第11話。確か眉毛事件のときにもちょい役で出てたはずだけど、今回は更に台詞も増えている上に、カチューシャのおかげで某けいおん部員にしかみえないぞ! でもま、末路は悲惨だけどな! 「地獄少女三鼎」→2度死亡 「アスラクライン」→2度死亡 「ドラゴンボール改」→死亡 今作→意識不明。なんか新たな死亡フラグ声優の看板が背負えそうな気がしてきた。

 中の人ネタから入った割には、今回はなかなか見どころが多いエピソードである。毎回恒例の矛盾点指摘とかもあるにはあるんだけど、ラストシーンの巨大胎児出現でどうでもいい気がしてきた。強いて一点上げるとするなら、アンチスキルがショボ過ぎることくらいだろうか。あの体たらくを見ると、多分御坂クラスの能力者が暴れ出しても止められないってことだよね。能力開発するくらいなんだから、本当にアフターケアくらい考えておいて下さい。

 今回のメインとなるのは、悲劇のサイエンティスト木山春生。まず、1つ目の見どころは「マルチスキル」と称するチート能力によって御坂を手玉に取るバトルシーンから。レベルアッパーを使った被験者があれだけひどい目にあってるのにホイホイ能力のバーゲンセールを披露してしまっていいものかと不安になるが(もちろん、自分用のデバイスには副作用の無い管理者権限有りの端末を使うということなのだろうが)、息つく間もなく披露されるド派手な能力の数々は、今作が始まってから最大級のアクションシーン。「他人の能力をどんどん吸収、発散する」という能力は「NEEDLESS」のブレイド、「戦う司書」の本喰いなど、今期だけでもやたらと被っている設定なのだが、木山の場合は淡々と何の見栄も切らずにものすごい数の能力を展開していくのが視覚的にも贅沢な演出となっている。そんだけ複合技が使えるならどう考えても単なるビリビリ女子中学生に負ける道理は無いと思うのだが、それなりに実戦を想定して訓練している能力者とデスクワーカーの経験の差ということで一応納得しておこう。一応御坂さんも攻守にわたって自分の能力をフルに活かしているような描写はあるしね。

 そして前回心配した彼女の犯行動機だが、シンプルながらもそれなりに切実な背景があったことが判明した。「科学に犠牲はつきものである」という分かりやすい思想に呑まれ、苦闘する彼女の姿は登場時にみせたクールな側面とは微妙にそぐわない気もするのだが、今回の回想シーンは短いながらも彼女の心情の変化が端的に表れており、それだけに彼女が受けた衝撃と、根深い悔恨の念が伝わってくる。子供は苦手だと繰り返しながらもその純粋な姿に次第に打ち解ける木山は、生来の無表情の中に少しずつ感情を表すようになり、最終的に律ちゃん(仮)の寝ているソファーに腰を下ろすシーンで完結する。独白の彼女の台詞は2回同じフレーズが繰り返されるのも印象的な演出で、不器用ながらも確実に子供達との触れ合いに満たされていく木山の幸せそうな様子が確認出来る。勿論、それだけに事故のシーンの凄惨さも際立つというものだ。

 シンプルながらも、そのおかげでシナリオとしてはスッと入ってくる仕上がりの今回。アニメとしての質が高いだけに、筋に不満が無いときのこの作品はやっぱり面白いです。まぁ、「木山は明らかに体制に反抗しようとしてるのに野放しにされてたのは何で?」とか、「レベルアッパー自体に法的な違法性はみとめられないのにアンチスキルがあの早さで動けたのはどうして?」とか、「そもそも能力開発は人の脳の研究なんだから、一人一能力に限られる根拠はないんじゃね?」とか、そんな疑問はもう掘り返さないようにします。

 今回はなんと言っても木山役の田中敦子の熱演が光る。ベテランなのだから今更感心するものでもないのかもしれないが、木山のような抑揚のない役で、子供達と次第に打ち解けていく際の変化やバトル時の咆哮など、本当に「聞かせてくれる」役者です。もちろん律ちゃん()もね! 当ブログは全身全霊でもって佐藤聡美嬢を応援します。 

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 戸松による、戸松のための第10話。中の人が明確なエピソードは視点が分かりやすいので楽です。実はこっそり付喪神の中身が中尾プロだったりもしました。本役の潤平妹よりも化け物の方が中の人に近い気がするのはどうしたもんでしょうか。

 6話以降添え物的扱いだった戸松双子だが、今回は久しぶりのメイン。土去年の作品の双子はコピーだの契約者だのと大変なことになっているが、こちらはいつも通りのダラダラ展開。一応変身シーンやらポッキーゲームやらアクセントを置く演出はしているものの、落としどころが「友達が出来て良かったね」っていう締めなので、「別にそんなエピソード望んでないんだが」という感想しか出てこない。いや、別にあってもいいんだけどさぁ、潤平の呪いとか、メインの三角関係とか、そういうものをもうちょっと本気で描写してくれた方が1つのシリーズとしてまとまると思うんだけどね。

 結論としては、ビバ戸松ってことでいいんじゃないでしょうか。郵便屋のおねーさんが完全にオチの人になってるんだけど、も少し出番増やしてあげて下さい。 

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 ヘイさんの天然ジゴロっぷりがとどまるところを知らない第10話。本来ならば蘇芳の衝撃的な出生について驚かなきゃいけないところのはずなんだが、どっちかっていうと普通にぶっちゃけちゃった蘇芳の幼い恋心の方がメインのスポットな気がします。すぐ殴ってがさつで酒臭い黒コート惚れるなよ、お嬢ちゃん。

 舞台が東京になったおかげか、物語の速度はますます加速していく。衝撃の邂逅に再び後先考えずに飛び出した蘇芳を回収したのは、非常に都合のいい転回の霧原さん。蘇芳もいくらか警戒していたようだが、こんなところでジュライとの繋がりが役に立った。ジュライはかーちゃんの車を飛び出すときにも自発的に蘇芳について行っていたし、かなり自分の意志を持って蘇芳を好いている気もします。今回は色んなところで走る機会があったのだが、顔色一つ変えずについてきたり、完全に荷物扱いでヘイにぶら下がってるジュライは相変わらず可愛い。

 そしてこれまた非常にご都合主義なのは、なんと蘇芳ママとマオが過去に接点を持っていたという新事実。足首で人を見る変態親父に臆さなかった蘇芳ママもエラいが、畜生の少ない頭でその記憶を掘り起こしたマオも頑張った方。猫の身体に移ってしまった運命の分かれ道は、実はパブリチェンコの研究施設であったという数奇な運命。蘇芳ママとマオという2者の口から過去の真実が明かされ、今までもぼんやりは見えていた蘇芳の出生が完全に判明してしまった。そして、紫苑の人智を越えた能力のことも。見たところ蘇芳の復活は紫苑の意志も絡んでいたように見えたが、「合理的な考え」を持つはずの紫苑が兄弟である蘇芳を復活させた目的は何だったのだろうか。そして、「会ってはならない」とされるイザナギたる能力とは、何なのだろうか。あぁ、マッドなショタも悪くない。中の人的には死亡フラグびんびん。

 真相に肉薄する霧原・マオ組に対し、単独行動のヘイさんは非常に非人道的な手段でもって事の真相に迫ろうと試みる。自白剤ぶっ込みで組織の眼鏡ちゃんを廃人に堕とし、代わりに得られたのは謎の多い「三鷹文書」絡みのご神託。事のついでに蘇芳への誤解も解け、本人は親心のつもりが幼女を本気にさせちゃう救出劇に発展。(一方的に)念願の霧原さんとの再会も叶うが、霧原さん、ほんと弱い。飛び道具持ってるのにナイフ一本のヘイさんにああも簡単にあしらわれては、噛ませ臭しか漂ってこない。別れ際に「李くん!」という自分にしか呼べない名前で呼びかけたのがせめてもの矜持か。霧原さんが倒れている間に、ご同僚は無惨にレイプまがいの末路をたどり、見つけた葉月さんは血の復讐を心に誓う。血塗られた口づけに、彼女の意志が込められる。

 マダム・オレイユは相変わらず双子に観測させて思わせぶりな高みの見物。彼女はどこまで知っているのか。何故知っているのか。そして、いよいよもって現れた「星」とは何か。訳の分からないことばかり。

 とまぁ、各キャラクターの概要だけを追ってもこれだけの内容になっちゃう驚きの詰め込みっぷり。あらゆる謎が解けては絡み、どこに向かうか分かりゃしないが、とにかくまもなく最終回。何とかたためよこの風呂敷。 

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 久しぶりに中の人のインパクトがかなり強かった第8話。浪川の時もそうだったけど、中の人のイメージがしっかりあるかどうかで、随分視聴時のイメージも変わるもんだ。

 今回の依頼人、岩村義雄(岩田光央)の症状は「確認脅迫」。「火を消したっけ?」とか「電気消したっけ?」とか「鍵かけたっけ?」とか、この手の不安というのも日常生活では非常になじみ深いものだが、それが度を超えた時に「病気」となってしまう。実際、今回の岩村の症状は発端だけならば誰しも経験したことのあるものだが、タイトルの示す通りに「いてもたっても」いられなくなる段になるとその深刻さがよく見える。「煙草の火を消したか」「ガスを止めたか」などの共感が持てる不安要素から始まり、次第に「煙草の火の粉は飛ばなかったか」「電気のコンセントはショートしないか」などのちょっとついていけない妄想にまで発展することで、それが分かりやすいように演出されているわけだ。

 そんな岩村に対して、普段ならば適当なことばかり言っている伊良部も、実はこれまでよりも具体的な対策方法を何個か提示している。「灰皿をやめてバケツにする」「火災保険に入る」「他人と同居する」なんてのは分かりやすい提案であるし、途中で岩村が実践していた「写メをとって直接視認できるようにして安心感を与える」もおそらく伊良部のアイディアだろう。実際、写メ作戦はわずかながらも効果を現しており、とりあえず「これまで持っていた不安」だけは解消されている。ただまぁ、ラストは「落としたライターが発火しないか」というこれまたとんでもない不安に負けており、しばらくは症状と対策のいたちごっこが続きそうな気配。前回に続いて、病気の完治を予期させないエンディングである。

 実を言うと、今回のシナリオは前回の「ハリネズミ」と構図を同じにしている。それまでは心的に分かりにくい病巣を遠回しに見つけることによって打開する展開ばかりだったのに、最近2話は「別に病んでてもいいじゃない、みんな同じなんだし、役に立つこともあるんだから」という消極的な対策になっている。前回の猪野の場合は他者との意識共有で逼迫感を薄めて、今回は「症状があったからこそのポジティブ要素」を明示することで「何となくおしまい」という雰囲気を出したわけだ。

 ただ、この幕引きはちょっと納得いかない。猪野の先端恐怖症は、他者との差を埋めて心的圧力を和らげることにより、ラストシーンでは回復の兆しを見せているのだが、今回の岩村のラストシーンは、まったく病状が改善されていないことを示すもの。一応住み込み下宿で共同生活を送ることで不安を回避するという解決はほのめかされているものの、それはあくまで作中で試みた「失敗した対策」の延長であり、今後も岩村は予期せぬ不安との戦いを強いられることになるだろう。そこがどうしてもすっきりしないところ。最後にアケミに「脅迫で良かったじゃない」などという直接的な台詞を言わせているのも押しつけがましい感じがして、ちょっとシナリオラインに不備があったのでは、と思わざるを得ない。まぁ、そんなにパターンが増やせるスタイルでもないし、このくらいの引っかかりは致し方ないところかもしれないが。

 とか何とか言いながら、今回は中の人の活躍によって割と楽しく見られたのも事実。世間的に岩田光央と言えば「下ネタ大好き、変態親父」の印象が強いのだが、フリートークを聞くと、意外と気遣いの多いインテリゲンチャであることが分かる(これまた一面的な見方ではあるが)。そんな岩田の一面が面白い形で現れたのが今回の岩村という役で、非常に真面目で、知識を調べ、蓄えることを生業とするルポライターの人生がきちんと伺える。もちろん彼の持ち味であるコミカルな面もしっかり活きており、何度も自宅に駆け戻っては溜息をつくシーンや、ビタミン注射で変身したアライグマの顔でもにゃもにゃと不安と戦う様子など、岩田ならではのキャラ作りが見える。実写の顔写真にちょっと長めのぼさぼさ頭っていうギャップも面白かった。

 今回も一応時系列表を作ってみたが、実はあまり大きな変化はない。最初のうちは面白い要素だと思っていた注射器の量も5本目以上になるとあんまり見えなくなっちゃったし、他者との絡みもほとんど無かったし。気になるのは伊良部の診療室の内装かな。24日にクリスマスパーティーをやることはしってるんだけど、それ以前にも鳥が増えたり、おもちゃが散乱したり、微妙な変化が観察できる。何か意味があるんだろうか。 
<8話時点での時系列表>

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 倍数表現を使うならきちんと何の倍なのかを言った方がいいと思う第8話。一億倍とか一万倍はアバウトなのに、7倍とか8倍は結構リアルな数値ですね。

 前回姿を現した謎の敵対集団「Gソサエティ」。その実態は相変わらず小競り合いの絶えないノーブルズ絡みの、一種の選民組織。そこには過去に登場した2組の能力者が所属しており、さらに今回「姫」と呼ばれる謎のロリっ子能力者コンビ、そして絶対的な支配力を持つ首魁が登場した。能力者3組+その上司という組み合わせは現在のGTOとまったく同じ組成であるが、大きく違うのはトップの持つ政治力だろう。イヴェール局長がどのような能力を持っているかは定かでないが、今回登場したソサエティのボスは、なにやら妙な雰囲気を持った殺傷能力を所持している。白薔薇+赤薔薇→黒薔薇っていう使い方は某ゴールドセイントとイメージが被りすぎるのだが、今回薔薇を使ったのはたまたまだろう。あれだけの距離をものともせずに確実に致命傷を与える手腕はなかなかのもの。今回登場したリトゥーシャというロリっ子ガーディアンもまだ能力が明かされていないが、一応はGSメンバーと同等の能力を持つと考えて良さそうだ。

 で、ようやく悪(?)の組織が登場してシリアスモードも加速していくわけだが、今のところ、非常に単純な権力闘争の図式しか見えてこないので、シナリオラインは非常に単純である。前作のアールヴたちが持つバックグラウンドがいくらか複雑で、そのためにストーリーに起伏が出たことを考えると、今回の分かりやすいセッティングはあまり食指が動かない。「純血か否か」というもめ事は某ガンダムシリーズとも被るし、能力者が2つの組織で特に差別化出来てないのも不安要素。懐かしのアンオウ、エイオウも今回正式に登場してくれているが、どうも「単なる事務仕事を任されてる上役」のイメージしかない(そしてアンオウの髪型は本当に釈然としない)。本格SFの下地を作って見応えのある切った張ったをやってくれればいいんだけど……どうなるかねぇ。敵ボスのガクトエルが今回一言もしゃべらなかったのだが、キャスト的に何かサプライズがあったりするんだろうか。「オール・ハイル・ブリタニア」って言ってくれたらめでたく福山。ヴァルキュリア人をけしかけてもめでたく福山。意外と福山。でもトゥイードゥルダム。 

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 学祭、ライブ、キャンプファイアー。学園ラブコメ、萌えアニメの必須イベントを確実にこなしていく第10話。ライブシーンっていうとどうしても姿勢を正して見てしまうのだが、これって山本寛のせいで身についた意味のない反射なんだよな。別にみんながみんなライブだからって気合い入れて画面作ってるわけじゃない。キャンプファイアーシーンなら最近だと断然「とらドラ」だね。

 お祭り、フリマときて、今回は文化祭。なにやらお祭り好きな作品であるが、こればかりは定番なので致し方ない。「ま〜た学祭だ」と思うには思うのだが、何故か真っ先に思い出したのが「絶望先生」の「最低限文化的な文化祭」ネタだった。理由は不明。智樹の歌った乳首ソングは意外と絶妙なラインかもしれない。「イカロスの歌う歌は我々には文化的過ぎます!」とね。早見沙織は歌唱関係のキャスティングが多くて安定してるなぁ。でも、彩陽の歌とかに比べるとあんまり印象に残らないのは何でだろう。

 今回もシリアスとギャグのブレンド具合がなかなか難しい塩梅。文化祭がスタートして他校との対立構図から会長が「かっちーん」と来て村ぐるみの抗争になるまでのノリは普段の「そらおと」だが、今回馬鹿なノリで話が進むのはそこでおしまい。ライブシーンは智樹を除けば特にギャグ要素もないし(タンバリンを叩くイカロスは相変わらず可愛かったけど)、その後のラブ展開もこれまでのシナリオから導き出されるまっとうなもの。そして何より、今回はニンフが過去に経験した作中最大の鬱シーンが盛り込まれているのだ。実はこの鬱シーンだが、「そらおと」放送開始時にネット上で原作漫画の該当シーンが出回っていたもの。なるべくネタバレは見ないように気をつけてネットを巡回しているつもりなのだが、このシーンだけは事前に見てしまっていたので、覚悟が出来ていてそこまで衝撃は無かった。

 とはいえ、実際このアニメのシーンもそこまで鬱っぷりに力を入れていたわけでもなさそうだ。もちろん弱々しい笑みを浮かべながらその手を血に染めるニンフは非常に痛々しいのであるが、多分このシーンの凄惨さを本気で描写しようと思えば、もっと強烈な演出もあったはず。今回は直接手を下すシーンはもちろんのこと、それ以前の小鳥とニンフの関係性を表すシーンなども少なめに抑えられており、実際の「凄惨さ」よりは少しやさしめの描写にとどめている。つまりこれは、監督ら制作スタッフがこのアニメをどういう作品にしたいか、ということの表れなのだろう。学園祭の賑やかさや智樹の馬鹿コントの間にあのシーンを挟み込むことでショックを和らげ、今回のエピソードの「辛さ」よりは「賑やかさ」を優先させた。ラストシーンで智樹の相手を選ぶシーンも、これまでのそはらの言動を考えればもう少しどろどろした女の情念があってもおかしくないくらいのものだが、今回は流れを優先してイカロスにその座を譲っている。おそらく今後イカロスの本質を巡ってもう少し辛いエピソードも出てくるものと思われるが、このくらいの、あまりどぎつくならないレベルで抑えてくれた方が、この作品には合っている気がします。

 もちろん、それは逃げを打つ方がいいということではない。今回は「手をつなぎたい」というシンプルなイカロスの欲求が全編を覆うモチベーションになっていたわけだが、それを達成しながらも、イカロスは少しずつ「兵器」という自分の本質と向き合う方向へ進んでいる。こうした心情面に関しては、きちんと決着をつけてもらわければ作品としては成立しない。原作はまだ続いているようなのできれいな幕引きは叶うかどうか分からないが、出来ることならこの作品に相応しいハッピーエンドを見てみたいものである。

 エンジェロイドと天界のマスター、そして監視されるダウナーと呼ばれる地上の人々。一体どんな関係性があるのか、ってレベルでの結論は……多分アニメじゃ出ないんだろうな。英四郎の求める「新大陸」は見つかるんでしょうかね。そういや、今回私立高校のオケが演奏してたのもドヴォルザークの「新世界より」だった。まぁ、関係ないだろうけど。

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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