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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「トニカクカワイイ シーズン2」 ―→4

 こちらも今期数多ある爆発系作品の1つだが、これはまぁ、残念ながらそこまで応援したいようなもんではない……けどまぁ、別にそういう視点で見るようなアニメでもないよな。

 ただ、1期の頃から自分は本当にこのアニメを適当に観てたんだなぁ、ということに気付かされたのだが、ほんとに単なるイチャイチャしてるだけの作品ではなかったのね。いや、分からん、1期のタイミングでは本当にそうだったのかもしれないが……何やらちまちまと「大筋」に関わりそうな伏線は張られてたのかもねぇ。今回第2期でも特に何かが明かされたというわけでもないのだが、少しずつ背後にある「なんか変な空気」が匂わされるようになっており、司の正体に迫るパーツが1つ1つ揃ってきている感がある。今になって思えば出会いのエピソードなんかも本当に「そういう」話だったはずなのだが、先入観バリバリで「どーせ適当なラブコメだろ」ってな見方してると問答無用でスルーしちゃうもんだわね。

 仮に「もうちょっと別軸での何か」がしっかりあるんだったら、このシーズン2で終わるってわけにもいかず、きちんと完結まで追いかけないとダメだよねぇ。……これ、原作もまだ未完? あんまり拠り所がない状態でここからずっと付き合い続けるのも面倒ではあるが……まぁ、特に負担があるわけでもないから別にいいか。

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「山田くんとLv999の恋をする」 6→6

 今期数多存在した爆発系作品の1本。いちいち全部のアニメで感想を書くのはしんどいので代表して「スキロー」「インソムニア」だけ書いてたけど今期のラブ系アニメ、実は渋い秀作が多くてですね。今作もそんな隠れた秀作の1つ。トニカクカワイかったです。

 「ネトゲ絡みの恋愛模様」という舞台設定はあちこちで見てしまっているものなのではっきりいって新鮮味は無いのだが、そもそもラブコメというジャンル自体が古代から存在する媒体なのだから、そこに新鮮味は大して求められていない。肝心なのは恋愛という微細な感情の揺れ動きをどのように描写していくか。そういう意味では、ラブコメこそ原作漫画からアニメ化する時のクリエイターのセンスが問われるジャンルなのかもしれない。「きせこい」なんかもその1例でしたよね。

 そうした意味で、今作最大の見どころは浅香守生監督の演出姿勢そのものと言ってしまっていいかもしれない。分かりやすい特徴としては下記文字を多用してキャラにいちいち台詞を喋らせずに回していく技法なんかがあるし、そのほかにもとにかく愛らしさを前面に押し出したコロコロとm丸っこく、どこまでもファンシーな飾り立てが印象的。そして私は、こうした浅香節がやたらと刺さるのである。やはり生まれたばかりの雛は最初に見たアニメを親だと思うもので、私の中で「CCさくら」の刷り込みは未だ大きな影響を及ぼしているようだ。まぁ、今作と「CCさくら」が似てるかと言われた微妙ではあるのだが……静かに、ゆっくりと時間を動かしていくこの精神性が本当に肌に合う。

 ラブコメとしての刺激の量を考えると、メインヒロイン・茜さんは「おもしれー女」としてはそこそこの出力。酔った時の飛ばし方はすげぇし、「突如男の家に押しかけて手料理をタッパーに詰めまくって去っていく女」なんてのはどこまで行っても男の理想が具現化したような部分もありつつ、やはり現代っ子らしいどこか突き放したような恋愛観はファンシーの中にピリッとしたリアルも混ざる。ただ、山田に対する恋心を意識してからは本当にただひたすらに恋する乙女一直線であり、余計な要素は合コン一筋のお友達にパスしたかのような状態。とにかく茜が思い悩みつつ、甘々な時間を提供してくれる様子が眼福もの。そこに同じギルドの優しい仲間たちが絡む。特に八面六臂の活躍を見せる瑛太に関しては、攻略対象じゃないのに流石に人格が仏すぎて都合が良すぎるきらいはあるが、今作は(今作も)突き詰めれば悪人が1人もいない温かい世界なので、余計な刺激などは求めず、頑張り屋の茜さんを全力で甘やかしてくれるいい世界だと思って浸ってしまうのが正解だろう。こうしてみると、茜が人たらしの能力を発揮して周りの人間を籠絡していくのに、最後まで抵抗してた(?)のが山田ってのは面白いっちゃぁ面白いのかも。

 こうして「普通じゃないところもあるけど、やっぱり普通の恋愛模様」をただダラダラと見ているだけでもある程度満足できる作品ではあるが、そこに加速を与えてるのはやっぱり中の人。1話目から引き込まれた「年相応のキャラをやる水瀬いのり」パワーがほんとに強くて、今後の声優人生も盤石だな、ってんで10ヶ年での契約更新待った無し。ロリじゃなくておねーさんないのすけ。おねーさんだけど結局扱いはおこちゃまみたいになっちゃういのすけ。茜かわいいよ茜。可愛いキャラ造形って意味ではネトゲキャラの丸っこい造形もファンシー具合をさらに加速させていたし、何から何まで「茜さん可愛くていい女やろ?」というアゲ要素しかなかったな。ラブコメなんだから、これでいいじゃない。

 

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「六道の悪女たち」 4→4

 きれーに第一印象のままで走り切った作品。まぁ、特にアニメ化して付け加える要素も無かろうし、そうなるのが必然なのだけど。

 というわけで新番チェックの時に書いた第一印象以上でも以下でもなかった。普通に見ているだけでは感情がプラスにもマイナスにも振れないようなアニメになったが、個人的には「不良漫画」が好きじゃないのでややマイナス。万一アニメになったおかげで何かしらのプラス要素が出たら楽しいかも、と思ったのだが、あんまり気合い入れて作る作品でもなかったんだろうなぁ。「入間くん」くらいの愛情を持って作ってくれたらもうちょい印象が良くなった可能性もあるのになぁ。

 あ、一応のプラス要素としてうえしゃまの無茶苦茶な使い方が楽しかったです。あれがなかったらほんとに虚無になってたかもしれないので、後半にあの兄弟が出てきたので救われた感はありました。声優業界も「こいつなら無茶苦茶なオーダーだしても応えてくれるよね」みたいなところがわかってる節がある。

 

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「天国大魔境」 6→6

 視聴してしまったことを後悔している作品。これもまぁ、1話目視聴時点で薄々察してはいたけど……こういう作品で結末に至らず生殺しって、逆にキツくない?

 最終話が原作コミックの何巻にあたる部分まで進んだのかも分からんが、少なくとも原作が完結したという話も聞かないし、まだまだすっきりとしたゴールには至れない。そんな状態で宙ぶらりんのアニメ視聴を終え、一応原作コミックで続きを手にいれることはできるわけだが、それでもやっぱり完結してないとなると、こうしておもしろげな作品を見せつけられただけにかえって辛い。全てに決着がついてからアニメ化してもらえればありがたかったのだが……制作側も原作知らん連中にまでは配慮できないようである。そりゃね、アニメ化の最大の目的は作品知名度を上げて原作コミックやらを買ってもらうことだからね……どうすっかなぁ。

 というわけで、これだけもやもやした悩みを抱えてしまったことからも分かる通り、アニメは今期でもトップクラスの高品質。単純に作画・動画のクオリティで言えばマジで1、2位レベルなんじゃなかろうか(パッと比肩する作品が出てこない)。I.G.の気合の入った作画はとにかく「世界を魅せる」ことに全勢力を注いでおり、廃墟と化した都市の中にしっかりと現代から地続きの文化が残る奇妙な様子や、ヒトクイの尋常ならざる形態、そして無垢な施設の子どもたちのどこか浮世離れして薄気味悪い生活様式まで、実にさまざまな面を現実感を持ったまま描写している。大きく2つの局面を切り替えながら進む物語だったので、ともすればイメージが散漫になって雑多な雰囲気になってしまいそうなところを、「どちら」の世界も確固たる軸があって描かれているおかげで、全く浮ついた感じがせずに「こっちにはこっちの生き方、あっちにはあっちの日常があるんだ」ということに納得できる。そこにさらに執拗なモーション作画なども加わり、SF作品に欠かせない「嘘なんだけど本当っぽく思えるリアリティ」がこともなげに構築されている。よくもまぁ、こんだけの世界を作り上げたもんだ。

 こうしてアニメクオリティを遠慮なくぶち上げられたのも、原作の持つSF設定の強固さの現れなのかもしれない。石黒正数は間違いなく「SF慣れ」したクリエイターであり、おそらく全ての世界を作り終えた上で話を進めている。だからこそ、1つ1つの描写に意味が与えられている(可能性が高い)ので、視聴時にはやたら疲労感を伴うくらいの情報量になるのだ。……そう考えるとやっぱり完結してから見るべき作品だよなぁ……前振りだけ連打されてお預けって、新手の拷問じゃんね。一応、アニメとしては節目っぽいところで終わらせてくれたのが情けなのだろうが……いや、全然節目じゃねぇよなぁ。何も解決してないしなぁ。

 とりあえず、アニメ2期があるかないかはわからないが、原作が完結したらそこまでは見届けないと思ってます。誰か、終わったら教えてね。

 

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「スキップとローファー」 6→7

 やぁみんな! 元気に自己紹介できるのは嬉しいことだよね! P.A.WORKS大好きおじさんだよ! 大好きって言えることは素晴らしいね!

 というわけで、いくらか落ち着いたタイミングでの総評。まぁ、毎週感想書いてる作品は例によってあんまりまとめることもないのだけど。じっくりゆっくり描写する必要がある作品をP.A.に回してもらえて、細やかな演出による気遣いが光る出合監督が起用されたってのは本当にありがたい話でね。渋い作品だし、クリエイターの触り方次第で本当に天地の差が開く題材だったんじゃないかしら。こんなに綺麗な作品にしてもらえて本当に感謝。まだ大して原作コミックも多くなさそうだし、どうせ2期があるとしても相当先になりそうだからとっとと原作を買ってしまおうかと思ってるくらいです。

 せっかくなので何か1つくらい話題を持ち出しておくと、今作における最大の注目ポイントは、本当に「特別じゃない」っていうことを徹底させた部分じゃなかろうか。いや、もちろん聡介のキャラなんてのはかなりのスーパーマンだし、漫画的な装飾は散りばめられてるんだけど、1クールの物語を通じて、実は事件らしい事件なんてほとんど起こってないのよ。聡介をめぐるあれこれも火種になってるのは過去の話だし、今を生きる美津未や聡介の周りにあるのは本当に普通の日常だけ。強いて言うなら、美津未からしたら能登から東京まで出てきたことが最大の事件といえば事件なのだろか。

 そうして「ふつーの日常」の中にちょっとずつドラマの流れが生み出される様子を見ていて、本当に人と人とのコミュニケーションってのは特別さに満ちているんだな、ということを痛感させられる。善いとか悪いとか、優れてるとか劣ってるとかいう話じゃないんだ。みんなしてちょっとずつ違うところがあって、それを認め合ったり、分かり合えないところにコミュニケーションが生まれる。生まれる摩擦に心を砕き、時に諦め、時に努力して歩み寄るのが友達。そうしてお互いを尊重して作り上げられる関係性の中に、いろんな幸せが詰め込まれている。本当に当たり前で、ありきたりな日常。そこに適宜フォーカスをあてることで、気づけば身を乗り出して見たくなるようなドラマが出来上がっている。今期はほんとにいろんなラブコメがあったけど、今作は「ラブ」要素を除いても「青春」に満ちており、本当に多角的な楽しさがある作品になったんじゃなかろうか。

 P.A.WORKSよ、別にこの方向性で良作を量産してもらえればおじさんは満足だぞ。そりゃまぁ、1年に1本くらいはトチ狂ったようなオリジナル自社アニメも作ってほしいけどさ。

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「異世界召喚は二度目です」 4→4

 立て続けに視聴継続なろう。「ワンターンキル姉さん」と本質的に何が違うかと問われると……シリアス度合い、かな。

 今作最大の美点は、「ちゃんと完結した」こと。新番チェック時にも確認したが、こちらの小説は全5巻と比較的コンパクトにまとまっており、アニメの方も1クールでちゃんと完結している。まぁ、冷静に考えて小説5冊分がアニメ1クールで終わるのはおかしいので相当はしょられているとは思うのだが、筋立てがすっ飛ぶのはなろうならデフォなのでそこまで驚きゃしない。一応今作は駆け足な雰囲気はありつつも、ちゃんと収束すべきところに落ち着いた感があり、なろうにしてはレアな「ちゃんと終わらせたアニメ」になったのでその点だけでも心象は良い。これで映像部分がもうちょっとパリッとしてれば点をあげてもよかったのだが……「ありがち異世界ファンタジーバトル」の描写、どうにも作り手側もあんまり心血注いで作り込もうとはしないっぽいんだよな……。

 キャラとしてはクレイジーサイコホモが良いアクセントになっていたし、「あ、そう言う展開なら納得」とフォーマットを成立させてくれた。私の中のなろう観ではマジで「2回目って言ってる意味1ミリもないやんけぇ!」みたいなレベルでもおかしくないと思っていたので、「あ、2周目だった意味がちゃんとある!」っていうだけでもありがたく感じてしまうという。ハードルを下げれば下げるほど、人には優しくなれるけど人生の潤いは減る気がするわ。

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 シャディクさんの登場シーンがないもんだからキャストロールが「ハロ:古川慎」なの草、第23話。ほんとにゼネリグループはお払い箱になっちまったな……。

 もう、何が何やら分からない怒涛の展開になったのでことの顛末については最終回を待つだけである。今作のヤベェポイントとして、中心になっている闘争が「世界の頂点同士がぶつかり合って支配者の座を奪い合う!」とかじゃなくてあくまでも前提が学生どうしの殴り合いだったもんで、どんだけクライマックスになったとて世界には上がいるというあまりに刹那的でやるせない事実がある。前回クワイエットゼロがあまりにも強すぎて軍隊が全部沈黙しちゃったんで「今までそんなもんよく隠し通してたな」と思ったものだが、今回はそんなクワイエットゼロに向けて、また別な伝手で作られたコロニーレーザーみたいな兵器が突如出現、いきなりぶっ放されるという。みんなして秘密裏に兵器開発しすぎじゃない? 軍や企業なんてどこまで行ってもそんなもんかよ。

 おかげでクワイエットゼロの周りで必死にドンパチやってる面々が馬鹿みたいに見えてしまうが、そのうちの1つであるどこぞの兄弟喧嘩は本当に馬鹿なのでしょうがない。いやまぁ、弟くんの気持ちも分からんではないけどさぁ……癇癪起こした結果が兄殺しでは洒落にならんのよ。幸いにもグエルさんはこの作品世界に愛されまくっているので、確実な死亡フラグを乱立させながら最終的には生き残るという神技を披露。今回のMVPは間違いなくフェルシーちゃんだよ。ちなみにここの兄弟、ショタモードだと兄が長谷川育美で弟が会沢紗弥とかいうとんでもない布陣である。社長の座など狙わずワールドダイスターを目指した方がよかったかもしれないな。

 そんな兄弟喧嘩を前菜がわりに、一応メインで描かれるはもっとでかい姉妹喧嘩なわけだが……結局さ、エリクトの精神性ってのはデータストームに引きこもってから成長してないのかな。それとも、エアリアルでスレッタを見守ってる間にちゃんと年相応になってるのかな。残念なことにエリクト自身があんまり思慮を重ねてプロスペラの肩を持っているようには見えないんだよね……まぁ、スレッタがあの通り完璧に洗脳されていたという事実を考えるに、エリクトも同様に疑うことすらない教育を受けてる可能性は高いが。そうでなくとも、自分1人のためにここまで世界をめちゃめちゃにしてくれる母親を裏切ることは出来ないか。後には引けない爆走モードの母と姉、それを必死に止めようとする妹とその嫁。母は強しとはいうものの、結婚したら母親より大切なものも出来ると申しますし……お母ちゃん、そろそろ子離れの時期なのかもしれませんよ。

 しかし、5号くんは死にそうでなかなか死なんな……最終回で生き残った上で本家エランくんの首級をとったりしたら、もう完全に主人公じゃん。多分グエルさんはもうこれ以上なんもできんし、ラストチャンスは回ってきたかもしれんぞ。

 

 

 

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「異世界ワンターンキル姉さん〜姉同伴の異世界生活はじめました〜」 4→3

 今期はそれなりの数のなろうを切った中、一応最後まで観ていた作品ではある。何で観ていたかっていう理由はあんまり無いんだけど……一応、主人公の立ち位置が通常のなろうとは若干異なるため、もしかしたら話が進むにつれて独自性を発揮できないかな、という期待はあったのかもしれない。まぁ、見ての通りだけど。

 ぶっちゃけ、そこまで極悪なひどさというわけではない。映像部分は低空飛行ながらもそこそこ安定していたし、前述の通り立ち位置がオレツエーではない主人公が「全部姉頼みなのに何故か世間様には俺が強いと思われてしまっている! バレるとマズいから何とかして誤魔化し続けなきゃ!」と必死になっている様子は一応独自性があるといえばある。ただ、そこからもっと「面白い話」に繋がっていればよかったのだが、当然そんなこともなく。最終的には「まぁ、なろうだしなぁ」でエンディングを迎えることになった。まぁ、期待してなきゃダメージは大きくないよ。

 一応、今作の最大の売りに「元気に魔王をやってるあみっけボイスが聞ける」というのがあり、今期は超越キャラの小清水フィーバーを続けて楽しむことができたのはプラスと言えばプラス。どこぞの賢狼にメロメロにされた世代は、こちらの魔王様にちょっとキュンとする部分もあるとかないとか。まぁ、姉キャラに対する単なる当て馬だし、キャラとして魅力があるかと言われたらノーなのだが。やっぱり俺が致命的に「姉萌え」に拒絶感があるから楽しむのなんて土台無理な話だったんだよなぁ……。

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 誰が何と言おうと大団円、最終話! 日常はどこまでも続いていく。そんな当たり前が一番嬉しい、幸せなアニメ。

 Aパート、弓耳祭の顛末。まずもって、このエピソードがBパートの大トリじゃないあたりが今作らしい構成でとても良い。一応これまでのシリーズの中では一番大きく、盛り上がりを見せるお話だが、それだって高耳神社の日頃の業務の1つでしかないわけでね。小糸にもエルダにも、ちゃんと活躍のシーンがあって良いイベントでしたね。

 オチを見ればもちろんエルダの株が上がるわけだが、実は巫女の責務はなんだかんだ言いながらきっちりこなす生真面目な小糸の株が上がるお話である。彼女がわずか3日の修行で何もマスターできなかったのは致し方ない。弓道はそんな簡単なもんじゃないし、足場が不安定な船の上で、しかも相当風が強いであろう海上。かてて加えて鏃の部分がモロに風圧を受ける吸盤のおもちゃなんて、プロの弓使いでもまともに飛ばす方が難しいだろう。一朝一夕でどうにかなるもんじゃない。それでも小糸は、きっとできる限りの猛練習をしたに違いない。本番に挑むに際して彼女の頬についていた絆創膏、あれはおそらく練習中に「顔打ち」した結果だ。顔打ちとは、弓を持つ手(弓手)の形がうまく作れなかった際、綺麗な弓返りが起こらず、離した弦が真っ直ぐに顔に当たってしまう現象のこと。初心者にはありがちな失敗で、このほかにも弓手の内側に当たってしまう腕打ち、女性ならちゃんと防具をつけとかないと「胸打ち」なんてのも。初心者が使う軽い弓でも、これが結構痛いようだ(私はやったことないから分からんけど、腕打ちで苦しんでた部活仲間の腕が真っ赤に腫れ上がってて痛々しかった)。いっぺんでも「顔打ち」してしまうと、その痛みがフラッシュバックして弓を引くのが怖くなるものだが、どうやら小糸はそんな状態にもめげずに練習し、本番では立派にそれなりにいい射形で矢を放っている。3日での急拵えでもここまでできるなら大したものだ。案外、このまま特訓すれば来年にはいい弓引きになってるかもしれないよ。

 そんな小糸の頑張りを見ていたからなのだろう。エルダが普段は見せない一世一代の大仕掛けで見事に祭事を成功に導いた。やっぱエルフだけあって、俊敏に動いたときは絵になるよねぇ。ちなみにエルダの弓引きも格好良かったんですが、彼女は馬手(右手)の離れ(フォロースルー)が小さい「小離れ」と呼ばれる状態で矢を放っていた。これはおそらく、実際に森で獲物取る際など、なるべく小さなモーションで矢を放てるようにしたもので、「武道」としての型を推し進めた和弓による「弓道」とは一線を画するもの。なんだかんだ言って、エルダも立派な「森のエルフ」なんでしょうね。

 ちなみに、Aパートで一番気になったのは観客に紛れて精霊さんも神事を見守っていたこと。精霊さん、小柚子の隣でドキドキしてましたね……小柚子、なんか妖精とかに好かれそうだよな。

 というわけで、いかにも最終回らしい晴れがましいエピソードをやっておきながら、そこからBパートは「神頼みする祭神」という途端にダメダメなエピソードを締めに持ってきた。うん、やっぱりエルダはこうじゃないとね。小糸もちょっとエルダのこと甘やかしすぎな気もするんだけど、こういうのんびりした家庭だからこそ、エルダもめげずに幸せを享受できるのだろう。じいちゃん、せっかくの機会だしちゃんと怒ってあげてね。

 高耳神社の御神体は間違いなくエルダ。そのことはこれまで400年変わらなかったし、今後も変わらずそこにいてくれるのだろう。シマデンのばあちゃんも言ってたけど、「変わらないでいてくれるものがあること」が、本当に安心感をもたらすのだ。エルダには、そしてこのアニメには、そんな安寧の象徴になってほしいと思います。サザエさんくらい続けばいいのに。

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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