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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 まるでバンドアニメみたいだな、第10話。これまで何度も見届けてきた、バンドリアニメの真骨頂であるライブシーン。しかしその意味すらも、この作品は捻じ曲げてくる。仮面はまだ、剥がれない。

 オープニングもエンディングもカットし、CMが入るのが冒頭5分時点と、とにかく特殊編成でこれでもかとライブシーンに全力を注ぐ。これまで散々「どこがライブアニメだ」とか「ライブシーンが全然ないじゃないか」とか言われていた今作だが、満を辞して繰り出された新曲2曲と、それに付随する渾身のライブシーン。見事な演出とサンジゲンの真骨頂であるダイナミックな見せ方。本来であれば、「ラストに持ってくるライブシーン」は禊ぎの存在であるはずだ。過去のバンドストーリーは、必ず最後の演奏シーンが救いとなっていた。RoseliaSong I amRASBeautiful BirthdayMyGOの詩超絆、そしてCRYCHICの春日影。事を成し、バンドを繋ぐのがライブシーンであるべきで、そこに相応しい言葉は「大団円」以外にない。そりゃそうだ。「みんな同じステージの上で音を合わせる」なんて、こんなわかりやすくて安直な「関係性」の描写はないのだし、バンドリプロジェクト自体、そうしたものを描くための「バンドメディア」なのである。ライブの新曲は、最大限の「ハレ」の表現であるはずだ。

 しかし今作は違った。話数にしてまだ10話目。そして木っ端微塵に砕かれたAve Mujicaというバンドの再生が、たかだか1話2話でできるはずもない。あくまでも「道半ば」でのライブシーン。「何も繋がっていない」ライブシーンだったのだ。

 とはいえ、もちろん今回の「再生」のために全力で頑張った人間はいる。今回も問答無用でMVPを持っていく最大の功労者は祐天寺若麦。誰もが後ろ向きな動機でMujicaという存在に縋り付く中、唯一正面を向き、前に進むためのMujicaを選択することができたのがにゃむである。まだ自分が一番輝ける場所かどうかは分からないが、追い詰められた彼女にとって、もはや「勝つための」場所はここしかない。おまけに「怪物」若葉睦の体たらくまで見せられて、失望のままに終わるわけにもいかない。幼稚で半端なモーティスなんかじゃなく、なんとかして「若葉睦」を引きずり出し、向き合わなきゃ行けない。見届けなきゃいけない。見せつけてやらなきゃいけない。そのために彼女は、Mujicaの再始動を決意する。やっていることは八幡と同じはずなのだが、2人の明確な差は社会経験と、人の心を理解する真っ直ぐな性根。RiNGでの顛末を見届けた結果、にゃむは最短でステージを再建するルートを突き進むことになる。

 熱意は人一倍だったが空回りを続けた女、八幡海鈴。こいつについてはまだ何一つ問題が解決していない。モーティスという駄々っ子問題児もMujicaの抱えた難題ではあるが、ぶっちゃけ精神的な幼さでいえば海鈴も似たり寄ったり。モノマネ機械のモーティス同様、彼女だって少ない手札だけで精一杯虚勢を張っていただけなのだ。彼女が最優先していたのは誰でもない、椎名立希という「信頼できる」友人(知り合いか)の言葉。ただ一言「信用」という言葉がひっかかっていた海鈴は彼女なりのやり方でMujicaメンバーの信用を勝ち取ろうと必死になっていたが、その行動は祥子にもにゃむにもほとんど響いちゃいない。とんちんかんな空回りを修正してくれたのは、ここでもやはり立希。「信頼を取り戻すためには」という道徳の授業を、1から始める他ないのである。釈然としていなかった海鈴が最終的にはいうことを聞いちゃうくらいには、立希は信頼されている。

 おかげでモーティスのお守りをなんとかこなしていた海鈴(そよママに全部任せたいところだが)。彼女の思惑とは全然関係ないところであれよあれよと進んだMujica再生計画にウッキウキのご様子だったが、彼女はおそらく「お前の努力が身を結んだわけじゃない」ことや「ここにあるのはまだお前の望む居場所としてのMujicaではない」ことにも全然気づいていない。八幡海鈴が本当に「信用」を知るまでには、もう一山、大きな荒療治が必要となるだろう。

 とはいえ、形の上では達成されたMujicaの再生。上述の通りににゃむの功績が大きいが、にゃむがとった手段は「情に訴えるのではなく理で詰める」という彼女らしい方法だった。端的に言えば「お前が始めた物語だろうが」であり、こんだけとんでもない状況に巻き込んじゃったメンバー5人に対しての責任を取れ、と祥子に要求しただけ。そして、この路線で詰められると祥子には思い当たる節があるあるある、ありまくる。よりによってあの日のそよさんまでフラッシュバックした日には、自分がやらかしてきた大きすぎる前科に押し潰されかねないくらいだ。祥子は不器用な子で、そして責任感も人一倍大きい。「責任取れ」と言われたら、そりゃ形だけでも返礼は考えねばならぬ。168億の負債を抱えた親父と同じにならないためにも、貸し借り無しで対等に世間と渡りあわねばならないのだから。

 幸いにして、モーティスと祥子の間での利害関係は今のところは一致。前回触れた通りに「互いに幸せになれるMujica」ならこの2人が共存する可能性は存在している。海鈴の調教の副産物であるエアギターは祥子が望むものではないが、再生Mujicaは祥子の箱庭ではなく、ただのハリボテである。そこに放り込むモーティスがエアだろうがなんだろうが別に構わないのだ。そう言われてしまえば、モーティスだって頑張れる範疇の提案。睦を「殺した」罪悪感もあって、駄々っ子モーちんも首を縦に振るしかなかったのだ。ちなみに祥子は今回睦に対して1度たりとも「モーティス」とは呼びかけず、ずっと「睦」と呼んでいる。彼女の中で、一緒にステージに立つ人間は若葉睦をおいて他にないのだから。

 こうして再生したAve Mujica 2nd(仮)。浮かれているのは「元鞘です!」と表面だけ見ている海鈴だけ。そして再チャレンジの機会を得たにゃむも、一応スタートラインには立てた。正直に自分と向き合った彼女はついに「アモーリス(愛)」の自認が。彼女は「怪物」に目を奪われ、魂をも奪われた。しかしそれは決してネガティブなことばかりではない。毎週書いていることだが、「圧倒的才能への羨望」はバンドリ世界線では最大級の動機である。紆余曲折を経て、アモーリスはようやく白鷺千聖の、青葉モカの、氷川紗夜のステージまで上がってきた。及ばぬ自分を認め、眩しい他者を受け入れる。そこから始まる戦いだ。「愛を恐れない」、アモーリスはここに確かに立っている。

 ドラムは自分なりに上を目指す。ベースは浮かれ気味で確かなラインを刻む。キーボードは義務感に駆られて粛々と音を綴る。未だチグハグなバンドの中で、ギターが歌を生み出し始める。まぁ、そう簡単に睦が消えるなんて誰も思っちゃいませんて。結局は「睦が悲しまないMujica」はそこまで見つけるのは難しくなかったってことだ。フェーダーを上げる1カットで「キャラクターの復活」を示す演出、ここでしか出来ない心憎い見せ方である。ギターが歌を歌い始めれば、若葉睦にもいつか救いの手は差し伸べられるだろう。

 しかし。

 仮面はまだ剥がれていない。八幡海鈴以上に都合のいい表面だけを享受し続ける女。三角初華。さぁ、ようやく彼女が断頭台へと登るのか。冷静に考えて、初華に対する祥子の態度はあまりにも冷たすぎる。そりゃ祥子の立場も苦しいところは多々あったが、当時あれだけ世話になっていた初華に対して、あまりにも対応が塩すぎていた。今回だって「流石にそれはないんじゃ」と思えるような態度だったわけだが……どうやら、祥子は何かに気づいていたようである。ライブ中も一度たりとも目を合わせなかった、三角初華という存在に。豊川邸への来訪時にも何やら含みのある入り方をした初華に。

 初華、お前の罪を数えろ。

 
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 夢でもし会えたら、第22話。まぁ、割と最悪な「会えたら」なわけですが……夢見の能力は薄刃の特権なのだけど、それを受ける側の人間も異能を認識してたらダイレクトにメッセージを送る機能が使えちゃうっていう仕組み、割とバグじゃね?

 というわけで引き続き直のやりたい放題が続いております。前回の感想お休み回でも色々とやらかしてくれてはいたのだが、前回はもっと注目すべきポイントとして「美世さんを囲んでの突然の飲み会」というイベントが発生したのでそれどころじゃなかった。あの飲み会の何がヤバいって、「上田麗奈・桑島法子・石田彰(そんでぴかしゃ)」という訳のわからない面子が一堂に介して女子会やってるとこなんですよ。そう、石田彰も女子側だ。こんなん集められたら俺目線からしたらまじでビッグバンインパクトだったんだが、この世界では割と普通のことっていう。いや、リモートで戸松が参加してる女子会が普通かどうかは知らんが。

 とまぁ、そんな出来事はあったんですがもちろんそこから日常ものになるはずもなく、世界は確実に不穏な方向へ。異能心教の動きも活発なものになり、取り締まる側が民間での評判を落としているというよくない状態。五道が「お前そんな力あったんかい」と思わせるような強引な活躍でなんとか収めてみたものの、各所であんだけの異形が暴れられたら流石に警護の手もおっつかない。そこにさらに直がダイレクトアタックまで仕掛けてくるわけで、守る側が不利すぎる状況なのである。それは清霞さんもわかっちゃいることなのだろうけど……止められない。すんでのところで美世さんへの襲撃だけは対応できたものの、そこからさらにもう1手、予想以上に早かった新さんの謀反にまでは対応しきれなかった。新さん、まじであっさり翻っちゃったなぁ……お前の中でその行動の大義名分は成立しているのか。どう考えても「いいように扱われてる」ってことは理解してそうなもんだが……その辺を丸めこめるのが直という男の才能なのだろうか。

 しかもよく分からんのは、驚くことは驚いてるんだが、「まぁ、新がこういう動きになるくらいはあるかぁ」みたいに清霞がちょっと認めちゃってる部分。あんだけ親身になってくれていた男の行動なんだからもうちょい驚けよ、とは思うのだが、此の期に及んで慌てふためく姿を見せてもしょうがないということか。清霞が遺言みたいな言葉を残し、泣き崩れる美世さん。ここから新は評価を戻すことが可能なのかどうか。……多分無理じゃねぇかなぁ……。

 

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 本渡ちゃん。世間的には「えーでちゃん」というのが最も親しまれている愛称な気がするが、そこまでの距離感でもないのでブログ内での呼び方は「本渡ちゃん」である(俺と声優の距離なんて誰であっても無限遠だろうに)。彼女もまだまだ若手だというのに、言及する機会は結構多い。それだけ一気に抜きん出た存在ということであろうなぁ。

 


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 気づいたら公開されてたので慌てて視聴。これは流石に観ないと終われない作品ですからね。ぶっちゃけ、「劇場アニメ」というわけではなくて完全に「アニメの13〜15話目」でしかないので「余計な金を払わされた」と思わないでもないのだが、冷静に考えればアニメ放送というもの自体が無料でこれだけのエンターテインメントを提供してくれていることに感謝しなければいけないだけだ。ことに今作のような良作であれば、そりゃちょっとくらいは金払わなきゃ失礼だろ、という気持ちもあるし、今後はこういうビジネスモデルも割とありな気はしている。漫画だってなんだって「初回無料」とか「N巻まで無料」みたいなことはあるわけで、12話分でグッとハートを掴んでおいて「結末だけちょっと課金して見届けてね!」は成立している。つまり、「ちゃんと最後まで責任を果たしてくれてありがとう」というのが端的な感想である。

 

<以下、一応折り返しだがあんまりネタバレとかそういう概念は無い

 


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 Not Beauty, that’s crazy、第20話。いいですね、こういうネジの外れたギャグをいかに振り回せるかで満足度が変わってきます。

 前回が新キャラ・ミミミ(カタカナ表記だとだいぶおかしな字面だ)が登場し、加入エピソードになるといういつもの構造。ただ、これまでは基本的に登場エピソードがまるまる1話分だったのだが、今回は「19話Bパート&20話Aパート」が加入エピソードになるというやや変則的な構成。この後の残り話数でもう1人加入するはずだが、色々とバランス調整を工夫しているのだろうか。もしくは単に前回は「ナノと過去に因縁があった!」という部分で引きになっていたので、興味を引くための構成だったのかもしれない。

 ファミリーの加入動機も色々とあるわけだが、流石に10人目ともなると「いつものパターン」でマンネリの恐れ。そこで今回は恋太郎との接続は最小限のままに、ファミリーの別メンバーとの因縁という形で変化をつけた。こうして脇のキャラクターどうしのつながりがどんどん増えることで急速に世界が発散を始め、いわば「100カノユニバース」とでもいうべき世界が複雑さを増していくのは面白い構造だ。いや、別にやってることはごく普通のストーリーテリングなのだが、ともすると「出番が少ない」ヒロインが量産されてしまう今作において、脇で関係性を固めることによってワンポイントでも起用される可能性が上がるというのはとても大事。それこそ今回もフィーチャーされたナノ×シズカみたいな強固な関係性があれば、何かの拍子でどっちか片方にスポットを当てた時に自動的にもう一人にも紐づけることができるわけだ。そのうち恋太郎無しでもお話が回せるくらいにファミリーが独自性を持つかもしれませんね。

 というわけで今回のミミミさんは明確にナノとのつながりを示した。ファミリー加入以前のロボットのようなナノが残した遺恨、それを理由に前回の野球に続いての対決形式とあいなったわけだが、この対決がまークレイジー。常々ギャグ作品ってのは合う合わないで差が大きいとは書いているが、私の場合は今作の徹底的にアホを煮詰めたようなギャグ回しはとても性に合うんですよね。真剣な恋太郎のジャッジっぷりも愉快だし、1つ1つ丁寧に突っ込んでくれる大忙しのカラネおかげで小ボケももれなく拾える。最近はすっかり「ボケの主軸をカラネが担い、彼女自身がボケに回ったりフォローに回れなかった時にはクルミが拾う」というポジショニングも安定してきたようだ。そして前回以上に強調されるシズカの圧倒的な「可愛い」ステータス。ナノさんは実は恋太郎よりもシズカに壊されてる部分の方が多いんじゃなかろうか。あまりに周りの面々の活躍著しかったせいで新加入のミミミの個性がちょっと薄まってしまった感すらあるが……まぁ、今後の飛ばし方に期待しよう。

 Bパートは加入後のお約束、スキンシップ増し増しの交流イベント。キスゾンビの記憶などないかのように奔放にキスしまくる面々はいつも以上にエロアニメ要素強め。中の人の奮闘ぶりに賞賛を贈ろう(特にハカリ役の本渡ちゃんが飛ばしすぎている)。また、個人的にちょっと嬉しかったのはリップを塗ってる時のクルミ&メイの絡み。この2人に別に繋がりはないはずなのだが、中の人的には同じ事務所の先輩後輩。というかクルミの中の人はメイの中の人に憧れてこの業界に入ったとすら言える至高の存在。まぁ、フィールドが同じになってからは共演機会も増えているが、改めて、良い絡みができて本人も眼福であろう(アメリカを拠点にしてるならアフレコ現場で一緒に仕事できたかどうかは知らんが)。

 その他、相変わらず奔放すぎるクスリのシモ事情とか、隙あらばドM芸を披露するイクの変態性とか、色々と危険なシーンが多くて見応えがありました。最終的に「実の娘のガチレズシーンでぶっ壊れるハハリ」が一番ヤバかった気はします。とりあえず、カラネを花園家の跡取りとして婿に迎え入れてしまうのがいいんじゃなかろうか。

 
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 いざクライマックスへ、第9話。ぼちぼちどのアニメも締めに向かって加速し始める時期。今作も容赦なくシリアスにムチが入ります。

 前回感想をお休みした回がまさかの温泉回。いや、ルークの告白回だったわけですが、これに前々回の現世パートも絡めることによって、ようやく世界の全貌というか、今作の目的が見えたように思う。いや、誰のどんな意思が働いているかなんてのはさっぱり分からないが、作品のコンセプトとして一番大事なのは当然広瀬ナツ子という主人公の成長。現実世界では類稀なる才能を武器にアニメ業界で躍進したナツ子だったが、いざ「初恋」というテーマを投げられたところで人生経験の浅さが露呈。散々悩んだが解決を見出さないままに突然死。どういうわけか転生したのは彼女の人生を左右した「滅びゆく物語」の世界で、そこで彼女はアニメーターとしての自分の限界と向き合いつつ、さらに過去に憧れた勇者ルークとの交流を経て、いよいよもって「初恋」を知るに至る。こうしてみると、この世界は実に残酷ではあるが、全ては「ナツ子のための世界」としてお膳立てされている。

 しかし、そこに独りよがりな感情があるばかりでは説得力に欠ける。そこで今回はルーク目線での総集編的な内容が挟まれ、彼女がルークに対して一方的に憧れや羨望を持っているわけではなく、きちんと「1人の人間」としてルークが存在しており、その彼が自分の意思で彼女に好意を寄せているということが保証される。「アニメキャラとの恋愛」なんていうとどうにも虚しいもののように感じられるが、今作におけるルークとの関係は「創作物への憧れ」にとどまらず、きちんと人対人の感情のぶつかり合いがあるということだ。つまり、ここでルークとの関係性にきちんと向き合うことができれば、万一ナツ子が現世に戻れた場合、大きな「初恋」という武器で再び戦えることを示唆している。

 しかし、それはあくまでナツ子の都合だけを想定したむしのいい話でしかない。この世界は引き続き「滅びゆく」世界であり、監督鳥は「全修」を拒否して「目指すべき結末」へと突っ走っている。すでにあらゆる部分がナツ子の「修正」を受けてしまっているためもはやシナリオは機能していないのだが、どうやら今回のニュアンスから察するに、監督鳥の最大目標はタイトル通りにこの世界を「滅ぼす」ことではあるようだ。ルークが超空洞ヴォイドそのものであるというトンデモなオチが必須かどうかは分からないが、なんとかルートを操作してこの世界が助からない方向へと運命力を働かせている。これはおそらく、「この世界は滅びねばならない」という監督の強い目的意識(美意識と言い換えてもいいかもしれない)がそうさせているのだろう。そのためにはナツ子の「修正力」を上回る力で滅びへと向かわせる必要があり、手っ取り早い対策として「ナツ子の作画」をそのままパクった新たな敵をぶつけることで打破しようとしてきたわけだ。

 その結果、運命はさらなる修正を経て「ユニオの自爆魔法」のくだりまで強制的に引き戻される。やはりシナリオを考えた時、ルークを「堕とす」のに手っ取り早いのは仲間の死だろう。まぁ、このあとデステニーとの関係性はなかなか既定路線に戻せないのでその辺りもアドリブで考える必要はあるだろうが、とにかく多少の齟齬を孕みながらも「滅びルート」に引き戻すことに成功。ナツ子は「モノマネでしかない自分の作画」をさらにモノマネされてしまい、どこかで殻を破って「オリジナル」を生み出さなければいけないという試練に直面する。それは作画作劇もそうだろうし、この後に「滅びゆく物語」をより納得いく形へと「全修」するための構成力も求められているということ。果たしてあの頑固な監督を納得させる結末を紡げるのだろうか。

 そのためのきっかけの1つが、今回のQJであろう。本来ならユニオから消えていくはずだったナインソルジャー。様々な要因が重なり、その犠牲はQJにスイッチした。これももちろんナツ子の修正の影響だろうが、少なくとも未だ本来のシナリオからは「ズレて」いる状態。監督がこの状況を美しいと感じるかどうかは分からないが、今後のルークの反応や世界の人々の動きになんらかの影響は与えるだろうか。そして、ナツ子は新たなステップに踏み出し、「自分の世界」を生み出すことができるだろうか。

 
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 祝! シーク星人にも声がついたぞ! 第19話。いや、別に誰も喜んでないとは思うけども。ちなみについでにスカルボーズもしゃべってるんだけど、こっちはキャストロールに表記なし。おそらくカレクック役のトネケンの兼ね役だと思われる。次にスカルボーズがしゃべるチャンスがあるとすると、マジで原作が今やってるパートまでこないと多分無理。

 さて、感想書かなかった前回でニャガさんが退場したり、ウォーズマンがようやく出てきたりしていたわけだが、飛ばし気味だった原作消化速度が少しずつゆっくりになっており、なんと今回は1期から通してみても多分初、原作3話分を消化しないスロー展開。今回の中心はロビンマスクという男の成り立ちなわけだが、どうもそこは徹底してねっちょりやりたかったようである。まぁ、人気キャラだし、彼の成長を描くことがキン肉マンという主人公像を掘り下げる役割も果たすのでここで時間を使う意味は分かるのだが、超人拳法修行がちゃっちゃと流されたラーメンマンやマーベラスがちょっと不憫。まぁ、あっちは「設定」だけど今回は「史実」だからね。その辺りに扱いの差ができるのはしょうがないところか。

 超人オリンピックの話から「3度の敗北」を全て赤裸々に語って聞かせるロビンマスク。ネメシスさんたちは下界の超人たちの調査にも余念がない連中なので流石に知らんとも思えないのだが、ロビン目線からそんなことはわかるはずもないのでだいぶ長い自分語り。このロビンの訴えは原作ではめちゃめちゃいいシーンになっていて、個人的には最後のキン肉マンの締めの台詞「格好いいのうロビンってやつは」は屈指の名台詞だと思っている。ただ、あれから時が流れ、ネメシスの正体が明らかになっている今になって改めて見ると……なんか、釈迦に説法というか、お前の苦しみなんて大したことないやろというか……似たような「エリート一直線」街道の男同士の会話だったんだよな。ただ、その違いとしてロビンは敗北を知り己を知ったが、ネメシスは残念ながら「負ける」ことが許されず、強いていうなら時代に敗れた影の存在。彼の人生にもキン肉マンがいてくれたら歴史は変わっていたのかも、というのは後になってネメシスたちも思うところではある。

 そうしてがっつり語られた大将格どうしのイデオロギーのぶつけ合い。結局はネメシスが聞く耳持たないので喧嘩別れに終わるわけだが、負けるにしてもやるだけのことをやっていくロビンの矜持は存分に見せつけている。こっからしばらくロビンはお休みタイムに入ってしまうので頑張って存在感をアピールしておかないとね。個人的に1つだけ気になったのは、何故か今回バトルシップシンクのインパクトの瞬間が描かれなかった。せっかくの大技でアニメ的にもわかりやすい見せ場のはずなのに、なんであんな演出になったのか。考えられる可能性としては①決着の時の画により説得力を持たせるため。多分これが正解だと思うのだが、一応②そもそもバトルシップシンクのネメシスの関節がおかしいのであんまりアニメで描きたくない。というのも考えてしまった。まぁ、今更必殺技の「嘘」なんて気にしないよな。ネメシスドライバーの時点で無茶苦茶やもんな。

 

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 今時あんな空いてる新幹線なかなかねぇよ、第9話。座席ひっくり返す人もなかなか見ないよな。いや、時期とか時間帯によるのかもしれんけど。

 などとどうでもいい話から入ってみたがとても良い回。いや、今作に関しては未だ悪い回は1回もないんだけども、今回も作品の強みが出たとてもよいお話だった。個人的に嬉しかった、というかホッとしたのは、いのりちゃんの怪我が全ての演技の後に出てきたこと。前にもどっかで書いたんだけど、わたしゃスポ根作品の「怪我でリタイア」展開が一番嫌いなんだよ。まぁ、ストーリーの要請上絶対に必要になるというか、一番手っ取り早くドラマを作ることができる素材なのであっちでもこっちでも多用されるのはしょうがないんだけど、純然たる実力勝負の世界において、「怪我のデバフ」ってのがあまりに便利に使われすぎててさ。作者側からしたら「どんな強い奴でも怪我で泣くことはあるやん」という免罪符として使っているのだろうが、受け手側からすると「どんだけ才能や努力でステータスを盛っても突発的な怪我で全部おじゃんにしちゃうじゃん」という部分が納得いかない。「そういうものだろ」と言われたらそれまでなのだが、どうしてももやもやが残ってしまうのである。

 その点、今回のいのりさんは演技に全くデバフがかからず、100%の状態で試合を終えた後に付随的に「怪我のドラマ」が描かれたおかげでストレスフリー。いや、当のいのりさんからしたら「一番大事な夏休みに練習できないってものすごく焦るんだけど」というストレス要因になっちゃうだろうけど、まぁ、それこそドラマの一部と取って飲み込んでもらうしかないし、展開自体にそこまでネガティブな影響はない。むしろ司目線でコーチングの大きな教訓が得られたわけで、今後はいのりが怪我で泣く展開を描かれずに済むということだ(あと、多分スケート靴の管理もちゃんとしてくれるだろう)。そういうところで優しい展開にしてくれたのは本当にありがとう。

 あとはアニメとして見せるべきは2人の見事な演技。相変わらずのアニメーションだが、今回いのりと絵馬の演技を2本続けて見せてもらうことによって、アニメにおけるフィギュアの描き方のキーが1つ掴めた気がする。私みたいな素人からすると、ぶっちゃけジャンプやスピンの細かい違いなんて分かんないわけですよ。それこそアクセルとサルコウとルッツって言われてもピンとこないし、多分その演技の細かい部分で姿勢とか速度とか、微細な変化を描こうとしたってアニメには限界がある。おそらくCG処理の過程でモーションキャプチャーみたいな実際の動きの取り込みも行われているだろうが、それだけに「無限の実力差を持つさまざまな演技」のデータなんていちいち蓄積できるとも思えない。そうなると、実際のモーション以外のところで「説得力のある技術の差」を見せつけるためには演出が重要になってくるわけだ。

 ほんとに感覚レベルの話なので何がどうと具体的に説明はできないのだが、実際、今回のいのりと絵馬の演技は全く違う「雰囲気」に見えた。絵馬がその長身を活かした大きな演技で見せてくれているというのは問答無用で伝わってくるが、それは決していのりの演技が小さくまとまっているというのでもない。2人の演技の差を、実際のジャンプなどのスキルが関係ない「外側」の部分が脚色されており、ライティングや表情の付け方、カメラアングルの見せ方などでテイストの違いを表現している。この「素人が見てもなんとなく楽しい」画面こそが今作の真骨頂だ。

 そして、相変わらずいのりさんというパーフェクトまっすぐ女子小学生の格好良さ。自分のスケーティングで日々成長を続けているのも主人公属性として100点だが、彼女の場合はとにかく「上手くなること」への貪欲さが最大の武器になっており、他人の演技を見ても憧れたり、羨んだりするのではなくてそこから1つでも何かを盗み取ろうとする姿勢が一貫している。絵馬の必死の演技を見て出てきた「1回で上手になったスケートじゃない」っていう表現は的確で、しかも謙虚ないかにもいのりらしい一言。まっすぐなスポ根の良さが出ているシーンだった。

 さぁ切磋琢磨、いろんなキャラがわちゃわちゃと出揃って、ステージは次の段階へ。……今期は彩紗ちゃんボイスのメスガキがいっぱい見られて幸せなシーズンですね。

 
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 死んでも推し活、第8話。最推しじゃないとはいえ、応援してたグループメンバーが死んだってのに悲壮感ゼロで盛り上がる音子のメンタリティやばいな……。

 話数的にも「起承転結の転」になりそうなお話。いつも通りにお客がやってくるところからスタートはしているが、話の焦点はそれぞれのホテルクルーへと向かっていきそうだ。ただ、もちろん今回やってきたアイドルの金子このみにも謎がないわけではなく、今作最大のギミックである「顔」が強固すぎるというのも気になると言えば気になる。一応阿鳥が「顔と名前が強固な生き様だったからじゃないか」という独自の推論を立ててはいたが、普通に考えればアイドルにとって重要なのは「外面と芸名」である。安易に考えたら「金子このみという仮面」をかぶっていてもおかしくないとは思うのだが……今の顔の下にもう1つの顔が隠れている、なんてのは流石にうがった見方か。まぁ、顔モチーフについてのギミックはここまでちょこちょこあったし、今回は音子ちゃんたちクルーに時間をかけるためにさっさと正体を見せただけなのかもしれない。

 アイドルグループの裏の複雑な事情を見せられても推し魂がブレない音子ちゃんはそのあたりにこだわりがあるんだか無いんだかよく分からないが、とにかく金子の未練を晴らすためにライブしましょうという強引な流れ。どんな楽曲かは分からないが必要な楽器はドラム、ピアノ、そして管楽器とのこと。変な構成だなヲイ。そんでたまたま支配人がドラムできるのすごいな。あんなもん「少々」できる楽器じゃなかろうに。まぁ、最初から「ピアノとサックスに狙いを絞る」布陣になってるからしょうがないけども。

 まずはピアノ。狙いは当然のように大外に絞られ、音子ちゃんは渾身のトランプスキルで大外から一本取って見せる。「トランプへの反射神経が異常」というよく分からんステータスが明かされたわけだが……まぁ、これは流石に伏線ではないよな。単に一人遊びが得意なオタクだった可能性はある。なんにせよ大外に土をつけたのは偉い。ただ、負けても不穏で不遜なのが大外という男でね……音子の本質を「こっち側」だと指摘し、何やら意味深な話はずっと続けている。彼がこのホテルに残った動機の1つに音子ちゃんへの興味があるようにも見えており、彼女の暴くべきパーソナリティのどこかに、何か黒いシミでもあるかのようだ。「迷ったらやる側」という大外の評価、これまでの音子の物おじしない態度から妙に説得力はあるんだ。ちなみに大外はあんなスカした発言をしれっと繰り返してはいるが、その実女子高生の私室に忍び込んで私物を漁る単なる変態である。現世だったら確実にポリ沙汰だが、音子ちゃんはその程度で許していいのか。

 そしてサックス担当は当然阿鳥の予定だったのだが、どうにも気乗りしていない様子。彼に対しては音子も遠慮なく「踏み込みすぎて」しまうわけだが、どうも阿鳥がサックスから距離を置いていることは、彼がこのホテルに残り続けていることと繋がっているようではある。サックスを演奏する・しないで分かれる阿鳥の今後。そしてアイドルライブを生で見る・見ないで分かれる(かもしれない)音子の今後。音子はいつでも飄々としてるもんだからあんまり死生に関わる緊迫感が無いのだけど、彼女が生きるにしろ死ぬにしろ、そのきっかけになるような出来事ってこのホテルで起こるんでしょうかね?

 そうそう、これまでずっと不穏な謎に包まれていた切子だが、今回瑪瑙さんから「あんたがいたところはいつも騒がしいから」という情報が出てきた。……イメージだけで想像すると、こいつ地獄から出てきてるんじゃないか? 埒外存在だとすれば妙なマジックアイテムを持ってた理由も説明できるし……。

 
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HN:
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自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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