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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「ガールズバンドクライ」 6→8

 つまり……そういうことさ。

 はい良かったですね。内容については毎週楽しくやいのやいの言わせてもらっていたので追記すべきこともそんなにないのだが、終わってみて改めて、「キャラ立ってたな〜」という印象。どうにもここ最近は「音楽に携わるクソ面倒女」がブームらしく、昨年の後藤ひとりさん(むしろ喜多ちゃんの方か?)を皮切りに、腹黒すがりつきメンヘラ・長崎そよさん、アイドルサイコパス・東ゆうさん、養分上等・瀬藤メロさん、挫折の先のダメ出し・織重夕さん、漆黒の部活クラッシャー・黒江真由さんなどなど、常人では想像もつかないような歴史に残る言動でさまざまな傷跡を残してくれている。そしてそんな同時代のライバルたちに負けず劣らず、史上最高のクソ面倒キャラとして歴史に名を刻んだのが、我らが井芹仁菜であった。今作はもちろん仁菜と桃香という2人の関係性を軸にはしているが、後半の流れを見ればむしろ桃香は仁菜の外付け倫理監査装置みたいな「善い大人」ポジションへ推移しており、あとはもう暴れ仁菜をいかにして御していくかというお話。青臭い精神論を振り回して好き放題暴れるだけでこれだけお話を作れてしまった仁菜さんはマジで天賦の才能だと思う。

 もちろんそのほかのキャラも強烈で、個人的にどうしても注目してしまうのはルパさん。終わってみて改めて気づくんですが、今回の1クールのお話の中、ルパって結局最後まで1度たりともスポットが当たってないんですよ。ちょっとだけ智に触れられたり、回想で端的なシーンが描かれて出自が理解されただけで、「どのようにルパが出来上がったのか」「ルパが今何を考えているのか」を直接描いた部分ってのはほとんど無い。それなのに、仁菜や智たちがきゃんきゃん暴れている隣でずっとニコニコしたり、ハンドル握ったり、缶ビール開けたりしてるだけで「ルパってこんな人なんだろう」と思われるどころか「このルパの達観ムーヴたまんねぇ〜」とまで思わせてしまっているという。わずかな尺でもインパクトのあるキャラ描写ができているおかげで、勿体無いポジションにいるはずのキャラが一番おいしい目をみているという、あり得ない状況を実現させている。もちろん私はすばるさんが好きですけどね。初期の割とありきたりな「お嬢さん」的立ち位置からどんどん仁菜たちに馴染んで、最終的に一番の常識人でありながら容赦無く突っ込んでくれる拠り所になってるのはこっちもおいしすぎるんだよなぁ。

 こうして構成の評価点を見ていくと「既存の萌えもののフォーマットってことだよな」と思ってしまいそうなのだが、それが何故ここまでインパクトのでかい作品に仕上がったかということを考えると、私が今作で一番評価したいのは映像技術の部分であった。見ての通りに特徴的なCGワークが最初期には賛否分かれた作品だったと思うのだが、いつの間にかこのCGを「不自然」だとか「固い」だとか、文句を言う層はかなり減ったように思える。既存の「日本のCGアニメ」の枠をぶち破り、新時代のジャパニメーションに先鞭をつけたのは意外にもというべきか、やはりというべきか、古豪・東映アニメーションである。

 CGアニメといえば、ここ最近ではサンジゲンやポリゴンピクチュアズなどの印象が強く、「CGのスタジオはそっち路線で独自に進化を遂げているな」という認識が一般的だったと思う。中でも「日本のアニメ」との融和を強く意識させてくれたのはサンジゲン作画で、「D4DJ」の際にキャラの表情の付け方や漫符の多用など、単なるシステム化以上のCGの使い方を見せてくれたことから、「しばらくはこのサンジゲンの牙城は崩れないのではないか」と踏んでいたのだが……そこに東映が来た。実は東映もプリキュア映画などでCGアニメ+既存の日本アニメの路線は常に探り続けており、その膨大な蓄積がこの度新たなジャンルで見事に華開いた印象。カメラワークなんかを見ればまだCG優先のアニメスタイルの名残がある(引きのカメラの多用などは、どんなサイズでも自由に絵付けができるCGっぽさが出てる気がする)が、これまで私が見たどのCGよりも「伝統的アニメ流コンテワーク」に肉薄していた。画面全体の雰囲気の統制も含めて、今作で東映が一歩抜きん出た気がする。

 このトレンド、追随するのはどこのクリエイターになるだろうか。そして、トゲトゲの活動に2期はあるのだろうか。小指突き立てて待っとけ世界。

 
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 そんな悲しみストーリーないやい、第10話。故人が出てくるのはどうあがいても悲劇になるから勘弁して欲しい……。「すでに退場したせいで2度と追いつけない者の呪い」っていうテーマ設定、最近もどこかで見たな

 まずもって、新たな形のうえ虐にありがとう。当たり前の話ではあるが、里宮百々花、どエラいところでキーパーソンだったな? もう、登場人物全部に片っ端からベクトル発射しててみんなして致命傷が突き刺さっている状態。百々花の存在、それはまさかの志帆のかつてのライバル・キョウの恋人というポジション。そうだった、百合作品あるあるの最大化、「百合の周りにはだいたい百合しかいない」。今にして思えばひまりのママンがお父さんとの馴れ初めから全部話してくれていたのは貴重なサンプルだったのかもしれない。

 そしてその天沢キョウという人物は、志帆が勝手に恨んでた対象なんだけど急逝したもんだから志帆としても後悔が止まらない。あいつがいなくなるんだったらヴァイオリン続けておけば良かったの後悔かもしれないし、バンドやってても2度と届かないの後悔かもしれない。とにかくこの世界には大きな欠落ができてしまった。生きている人間はそれを埋めようと足掻くだけなのだ。百々花はキョウの遺志を継ぐために志帆にバンドを続けて欲しいというが、志帆のヘタレマインドはどんどん挫けていく。そして「お前バンドやれとか無茶いうくらいなら自分でもやる覚悟あるんやろな?!」と故人の彼女・故人の妹に無茶振りするという鬼畜ムーブ。やっぱ冷静に考えて志帆さんの挙動はいちいちヤベェ。そんでその話に乗って一級のバンドになっちゃう2人のスペックの高さ。SSGIRLS、この急造バンドに完敗するのはダメなのでは?

 志帆を取り巻く悲劇がこれだけならまだひまりが頑張れば雪解けはあったかもしれないのだが……さらにさらに愛憎ビリヤードは連鎖する。「なんで志帆は私のことを目の敵にしてるんだろうねぇ」と被害者ポジションのヨリ。恋人の疑問を解消するために志帆に突撃するひまり。そして明かされちゃった衝撃の事実、志帆お前さぁ……。ベクトルの連鎖が志帆→亜希→ヨリひまり。もう何が何やら。そんで、志帆もなんでひまりにカミングアウトしてしまったかといえば、まさかひまりが亜希の本心なんか知らんだろうと思ったからなわけで(そりゃ普通に考えてあの状態で亜希の本心知ってたらヤバいと思うわな)……もう、どこをどう処理したらこいつらの関係性が穏当に収束するかは想像もできない。

 この状態から、なんと地上波放送は一旦終了というね……ちゃんと責任取って最後までやるんやで。……スケジュール追えるかしら……またチェック忘れて見逃しそうなのが怖いよ……。

 
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「となりの妖怪さん」 5→5

 なんか思ってたんとは違った。その上で「こういう物語かぁ」という受け止め方はある程度できる作品。

 思い返せば1話目時点で「思ってたん」が違うことはなんとなく感じ取れたはずではあるんだよな。一見するとファニー寄りの画面、ワーゲンさんのビジュアルみたいなあけすけな異物感はどう見てもギャグなので愉快なドタバタ妖怪ストーリーが紡がれるのかと思いきや、蓋を開けてみたら世界のありようを左右する人類存亡(?)の物語にまで拡張される壮大さ。なんかチグハグな印象はありつつも、1話目で描れた曰く言い難い「畏れ」みたいな感情は、しっかりと妖怪が存在することの不条理にも肉薄しており、人間と妖怪という異種間の交流の難しさにも触れていた。そう考えれば、一貫して筋の通った作品だったことは間違いない。

 ただ、どうにも申し訳ないけどその理解がなかなか追いつかずに……視聴中はもっとユルいものを受け止める腹づもりで見ていた時間が長かった気がする。そのせいで出てきた「思ってたんと違う」という感覚、これをもっと独自の面白みに昇華できれば楽しさもアップしたのかな、というのはやや反省。ただ、どこに目線を向けたらいいのかという焦点の絞り方については、作品の方が意図してずらしてた感覚もあるんだよな。主人公(?)のぶちお周りのお話とか、断片だけで見れば単なるハートフルストーリーに見えなくもなかったし。ハナからぶちおみたいなちっちゃい妖怪も、とんでもねえ規模感の「現象」も同時並行で存在していたため、それがどの程度特別なことかも捉えきれなかったし。そうした捉えどころのなさも狙ってのものだったとしたら、座りの悪い感想になるのも必然だったのかもしれん。

 最終的には「妖怪譚」というよりも「異界交流譚」と言った方が相応しい、世界を描いた物語。こんだけちゃんと完結させた漫画作品が全然知られずに世にあったことを教えてくれただけでも1つの収穫かしら。機会があれば改めて原作にもあたってみたいかも。

 
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 えっぐ、第13話! これにて第一部完、なんでしょうけど、もっと穏当なエピローグくれよ……。

 いやぁ、凄まじいお話でした。先週から盛り上がりMAXでしたが、今週もそれに輪をかけてエグい話が出てきて最高の解決編。やっぱ「何かでガンギマってる女の顔」って最高ですね。迫真の作画でもって描れる罪人たちの極限コロシアム。至極の画面でした。今回のこの高揚感、以前もアニメで経験したような……って思ったけど、多分「六花の勇者」の最終回だ。あれもくっそ盛り上がったし、ガンギマってる顔が最高だった。リザインと言ったのです。

 結果的には宮内の悪い状態が全部出たような此度の騒動。その中心にいたのは間違いなくあせびだったが、滝本やら誰やら、負けじと罪の重い連中もわんさかいる。そんな中で颯爽と解決編を展開する若宮を見てると、「そりゃ大改革を行いたい気持ちも分かるなぁ」と。今作はシリーズ作品でこの後もしばらく続くようだが、本当にこの「1つ目の事件」が序章でしかない感覚がたまりませんね。まぁ、そうは言ってもせっかくのエピローグなんだからもうちょい浸らせて欲しいとは思うが。そんな暇もありゃしねぇ。

 さて、謎解きも佳境で「証拠を突きつけろ!」というタスクで正解を連発し、トドメをさしにいく若宮。しかしのらりくらりとかわし続けるあせび。若宮が最後に言っていた通り、彼女の「悪意」はどこまで行っても証明できないままであり、わずかながらも「ほんとに世間知らずのお嬢様だったから全部が全部間違っちゃったのかも」という可能性は残り続けるのだが、アニメ的な演出で「絶対それはねぇよ」という念押しがゴツい。雪哉の目にははっきりと彼女の背後に浮かび上がる烏太夫が見えてしまったのだ。これ、原作だとどういう描写だったのかはめっちゃ気になる最高の演出でしたね。しかし若宮の手でも現時点ではそこから先を詰められず、どうやらあせびに関しては保護観察みたいな対処しかできないようである。まぁ、妃に選ばないというその一点だけで、ある程度はダメージが与えられるか。今後東家がどのような動きを見せるのか、未だ予断は許さぬ状況。

 そうしてあせびがかわし切るために全ての工作を背負わされたのが、今回のかわいそクイーン・藤波であった。そりゃま、カテゴライズの上では「実行犯」になっちゃったし、彼女も彼女でとんでもねぇことやらかしてるので同情の余地はないのだが、それにしたってピエロが過ぎる。百合ん百合んな憧れの感情が全て道具として活用されており、あせびさんてば藤波になんてこれっぽっちも興味が無いご様子。いいように利用され尽くして最後にはボロ雑巾。この扱いの酷さはマジで最Coolである。正直いうと、これまで藤浪の中の人がちょっと無駄遣いじゃねぇかな、と思ってたんですよ。百合に狂ってる感じは良かったんですが、あんまり出番は多くなかったからさ。でも今回の顛末で一気に中の人の存在感も増してエグさ3割マシでいいお仕事。反抗シーンでちょっと後藤ひとりさんが滲み出した感じもいいし、悲鳴の周波数が高いのも素敵。そして当然、そんな藤波で遊び倒したあせびの中の人のお仕事も見事なもの。今回のお仕事でもってベストアクトオブ本泉莉奈に認定します。ちなみに2位が泉本奈々さんね。

 悪辣な表情、全ての悪を乗り越えた悪より酷い最悪。そしてそれに踊らされる絶望ピエロ。いい女の顔が2つも拝めて眼福。そしてそこに加えてススキさんと浜木綿さんというほんとの意味での「いい女」の顔も見られたしねぇ。浜木綿さんはどっかでイケメンムーブしながら帰ってきてくれると思ってたけど、こんなに早く帰ってくるとは、っていうか去ってすらいなかったとは。ほんとに強かなお人やで。そしてそんな浜木綿に対し「先週使ったのと全く同じフレーズでプロポーズする」というアクロバットを披露する若宮。こういうネタ回しは最高ですよねぇ。ススキさんに対しては「断ってもらうための文句」だったものが、一言一句変えず、口調すら変わってないのに、今度はふつーにプロポーズになるっていう。まさに宮中での「口先だけの言葉の表層になんの意味もない」という若宮の生き様を体現しているかのようなシーン。いやはやお見事。

 今週はここで終わっときゃいいのに……次のお話に入るんでしょうかね。ぶっちゃけ、「今回より面白い話なんてここから書けるの?」と訝しんじゃってるんですが、この感じだとハードル超えてくれそうで楽しみ。アニメのタイトル的には、次が本番みたいだしね。

 
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「怪獣8号」 6→5

 まぁまだまだ続く作品なんだろうから、現時点での評価にあまり意味はないのだが……なんか、思ってたようなハマり方はしなかったわね。

 なんだろ、一番の想定外は「怪獣アニメじゃないのかよ」ってところですかね。いや、要所で怪獣要素は出てくるんだけど、それってあんまメインじゃない要素になってる。結局「怪獣」っていう名目が主人公の強化スーツ程度の扱いなので、あとは普通のジャンプ漫画。もちろん、映像部分に力が入っているのは分かるのでそこを評価しても良いのだが、ジャンプ漫画+超作画っていう組み合わせだと「呪術廻戦」がとんでもねぇ仕事をやり逃げしやがったので、まだまだ現実ラインでの仕上がりだと、もっとシナリオ部分で引っ張ってくれることを期待してしまった。まぁ、こっちが勝手に期待しただけなんだけどさ。入り口で期待煽って「まぁ、普通のバトルものにしますけど」だとちょっと裏切られたと感じてもしょうがない。2期以降、何か「怪獣らしさ」で強く打ち出せる部分があることに期待しよう。

 
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「オーイ!とんぼ」 5→5

 えっ、終わんの!? と思ったけど分割だった。でもこの手の朝アニメってなんでか分かんないけどスタミナあってずっと続くイメージあるよね。わたしゃすでに切って久しいが、今確認したら「逃走中」のアニメなんてまだ放送してたわ(1年以上放送してる)。

 というわけで秋から続きがあるらしいので一安心してしまったくらいには続きが気になるアニメ。別に何かが特別面白いということもないが、すごく真っ当にゴルフアニメしてる。どこぞのトンチキゴルフとはエラい違いだ。そういやあのアニメもアムロ依存だったのに、みんなして「ガンダムはどうする」とか「コナンは!?」っていう話題ばっかりで「BIRDIE WINGの続編が作れないじゃん!」って騒がないのはどういうことだよ(そういうことだよ)。

 よそのゴルフアニメはおいといて、流石にゴルフ雑誌連載漫画だけあって、子供向け教育アニメみたいな見た目とは裏腹に細かいゴルフのあれこれをガチで描いてくれる。実際の試合展開(ほとんど試合はしてないけど)も渋い画面だが、CGも交えた生真面目な描画でじっくり見せてくれている。まー、作画カロリーは大したことないし、アニメとして大きな刺激は無いが、ハナから「そういう作品」だと思ってれば別に気にならず、むしろその丁寧さは好感度が高い。相変わらず「どの層を視聴者として想定してるんだよ」というのは疑問だが、土曜の朝という時間帯はマジで休日のお父さんが対象だった可能性がある。そう考えると、徹底して「娘的存在」であるとんぼを可愛く描けていればなんの問題もないわけで、萌えとかエロとは一切無縁の「父性刺激アニメ」として軸はブレてない。その上でちゃんとジャンプ漫画的な「特殊能力主人公」の成長譚としても成立しており、プロゴルファー猿以来の伝統である野生み溢れる自由闊達なとんぼのゴルフも充分に魅力的。挙句わずか1クールの間にとんぼさんたらメキメキ成長して一気に大人びてしまうというおまけ付き。切なくもあるが、逞しくもある。とても献身的なイガイガの保護が温かいおかげで、視聴者目線ではとんぼの巣立ちを眩しく見守ることができただろう。

 第1クールとなる今回は見事なまでに「始まりの物語」。正しい指導者、正しいライバル、そして何より正しい保護者。そんなセッティングが全て揃えられ、あとは次なるとんぼの活躍を見守るだけ。なんか、書いてるうちにどんどん2クール目が楽しみになってきたな。

 
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「ただいま、おかえり」 5→6

 この評点は意外かもしれない。うん、我ながらどうしたものかと悩んだのだが……私個人の認識へ問い続けてくれた存在として、変な視点から評価を加えさせてもらった。

 今作に接する際に最も重要視していたのは、新番チェック時に披露した「自分自身への疑問」である。もっかい書くのはめんどいのでざっとまとめると「おれはBLが苦手だと思ってたけど、今作におけるBLは思いの外容易く飲み込めて抵抗もなかったので、もしかして私の情報処理には生物学的機能や社会的役割という枠組みが大きな影響を及ぼしているのではないか」というもの。訳分からんけど、分からん人は諦めてくれ。俺にとって、このことは意外に重要なのである。何しろ、今後もこうしたジャンル(百合を含む)を鑑賞する際に、その評価を左右する可能性があるからだ。

 で、1クールの間この作品を視聴させてもらった結論は……「分からん」であった。なんでこの作品がこんなに温かい目で見守れるのか、マジで分からん。でも、ほんとに今まで見てきたどのBL作品よりも穏やかな気持ちで見守れてしまった。なんなら今期ナンバーワンの家族愛作品であり、昨年度の「柚木さんちの四兄弟。」に並ぶホームドラマだったと思っている。基本的には「人の優しさと愛情」を描いた作品であって、作品の隅々まで温かいものに満ちている。そりゃ時には辛かったり苦しかったりするシーンもあるが、どれもこれもちゃんと乗り越えるべき試練を超えた後には充分な見返りがあり、善により成り立つ世界で健やかに育つ子供たちの姿を眩しく見守ることができる。とてもとてもまっすぐな、ヒューマンドラマだ。

 そうして見ている間、「いや、でも主人公カップルは男×男だぜ」という部分がほぼ阻害要因にならなかった。オメガバース世界独特の表現にも違和感を覚えず、「そういう前提で動いている世界」に容易く理解が及んだ。それがあまりにあっさりだったもんで、むしろ「なんでこれまでBLが苦手だったんだろう」と分からなくなるくらいである。……でも、多分今後また別なBLを見たら「やっぱ違うなぁ」と思う気もする。「BLが当たり前で、BLとすら認識されない世界」が用意されたからこそ受け入れられたこのドラマ。現時点においては、私が何を持って世界を測っているのかを考えるための1つのサンプルとして記録させてもらう。

 あとはまぁ、純粋に勉強になりました、っていうのも加点要因かな。おそらく今作で描かれたオメガバース独特の物語(フェロモンがどうとかいう後半の話)は非常にスタンダードなものだろうけど、慣れない身からすると「なるほどそういう社会の物語なのだな」ということが掴みやすかったし、それなりの切実さをもって読み解くこともできた。なんかこう、作り手側もそこをことさらに特別なこととして描かないようにしつつも、今作独自の持ち味を殺さないように注意深く描いてくれていたんだと思う。そう考えるとBL実績豊富なDEENというスタジオに石平監督の手腕がうまいこと噛み合った感はあるわね。新しい世界に触れさせてくれたものには素直に感謝すべきですな。

 そんで当然蛇足だけど今作の幼児どものキャスティングのガチっぷりも。最初は種さんだけで「もう無双じゃん」とか思ったらそこに弟・小原好美は生まれるわ、シナリオを左右する重要なお友達が本渡楓だわ、キャスティング側はなんの性癖を抱えてやがるんだ。アフレコ現場実写で見て〜。

 
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「夜のクラゲは泳げない」 6→7

 俺にありがちな現象、最終話感想書いてるもんだから最終感想忘れるやつ。

 まぁ、毎週書いてたからまとめる必要もそこまで無いとは思うが……よかったんじゃないでしょうか。きっちり1話ずつに刺激あり収束あり、気持ちのいいお話も、心臓にズグンとくるお話もバランスよく配置しており、お手本のような1クールアニメになっていたと思います。

 ことに良かった点をピックアップしていくと、まずは上述の通りの「1クールアニメ」という視座。最近はアニメ放送も1クールものが大半を占めるようになり、「1クールじゃ短くて何も描けないよぅ」なんて文句も出てきにくくはなったが、それでもなお1クールという尺を使って何をどこまで描くかというのは課題ではあり続けている。オリジナルアニメともなればそれはなおさらであるが、最初から尺を定めた上で描ける強みというのもあり、今作は4人のメインキャラたちの交流をしっかりと完成図が見えた状態で紡げていたのが評価ポイント。1つ1つのお話を抜き出せばそこまでインパクトの強いものばかりではないが、有機的にそれらのお話が絡み合い、JELEEという1つの「創作物」が完成するという構造は端正だった。

 こうして相補的な関係性を紡ぐというのは案外難しいもので、個人的にはどうしてもキャラ贔屓でキウイちゃんパートを推したくなるが、冷静に考えればキウイちゃんのお話って「合わないものから逃げた結果、逃げ込んだ先が楽しかったからOK」という逃避の物語でもある。それ単体で取り上げてしまうと身勝手な部分もあるように感じられるが、あくまでそれは「人それぞれのある人生の選択肢の1つ」であるということが明確に提示されており、そうしたキウイの人生を見てまひるが何かを感じ取ったり、キウイ自身も花音の苦悩を見て戦う勇気をもらったり。そうした繋がりがとても綺麗で、描写もスムーズだった。

 また、「配信者集団」というテーマ設定もきちんと時代性を捉えており、作曲・歌唱・イラスト・編集の4人構成でそれぞれの役割を果たしながらの群像劇という設定自体が見ていて面白い。ここにさらに「アイドル」要素も絡むので「おっさんが現代っぽいものを手当たり次第に取り込んでるんじゃねぇの?」みたいな印象に繋がりかねないのだが、少なくとも私(おっさん)視点でテーマデザインに無理してる感じはなかった。MVを見せる作劇も現代の視聴者には馴染み深いものだろうし、ちょうど「数分間のエールを」という佳作が公開されたタイミングと合致したことで、「現代視覚文化」を俯瞰するときのちょうどいい指標になりそうな気がしている。

 今後は「クラゲ」「花音」という文字列から真っ先にこの作品が思い浮かぶようになることでしょう(しばらくの間はね)。

 
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 ファイッ……ティン……。4ヶ月に跨った全国ツアーもついに終幕。そのことは素直にお祝いしたいが、やっぱり「終わっちゃうんだァ」という寂しさの方が強くありますね。こう言う時の感情を表す表現に「あっぱれな寂しさ」っていうのがあるんだけど、……確か「動物のお医者さん」で出てきた表現だった気がする。間違ってたらごめん、あっぱれな寂しさを感じます。

 

<まぁ、昨日も書いてるからあんまり書くことはないですが>

 

 


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