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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「アクロトリップ」 5

 いつかこんな時代が来るとは思ってましたが……伊藤美来の母親役が伊藤美紀のアニメがついに登場! ……今作を観ての最初の感想がそれかよ。

 多分視聴した誰もが思っただろうが、「このコンセプトでここまで被ってるのすごいな」って。もちろん「魔法少女にあこがれて」の話である。いや、別にあれがオリジナルってわけでもないし、Wikiで確認したらこっちの方が昔の作品だったのでどっちかといえば今作の方が元祖みたいなところはあるのだが、そこそこ話題になった作品の後にこのアニメがスタートするという流れに何かしらの因果を感じてしまう。まぁ、タイトルとしては「魔法少女にあこがれて」でも構わないだろうし、「いま魔法少女は悪と対立している」でもいいかもしれないし、なんにせよこの手のコンセプトっては今じゃそこまで斬新でもないってことだ。

 ただ、さらにWikiで知った情報だが、こちらの作品はなんと掲載誌が「りぼん」という少女漫画(?)原作であり、さらに全5巻とコンパクトにまとまって2年前にすでに完結しているという。ってことは多分1クールとかで最後までちゃんとやるってことだよね。まだまだ先が長そうな「まほあこ」と違い、そこはサクッと楽しめそうな部分である。あと、余計なエロもないのでお話の展開もすっきりしてるしね。いや、まほあこのエロが「余計な」ものだったかどうかは今となってはよく分からんが。少女漫画と比較する対象としては問題ありすぎるな。

 正直、主人公が魔法少女に出会ってからのテンションは好き。冒頭部分でのテンションの低さとキャラデザの硬さで「あんまり合わない画面かなぁ」とか思ってたら覚醒した主人公が急にコロコロと表情を変え始め、その部分だけ見たらとても楽しい。特徴的な瞳の紋様がぐにゃぐにゃと形を変えて勢いを出しているのも面白い。「推しの子」「ダークギャザリング」(あとそれこそ「まほあこ」)に続く「主人公の瞳が変な作品」の新作である。こうして見ると瞳に個性があるヒロインはみんなしてどうしようもない宿業を抱えているな。

 とにかくヒロインが活き活きと弾けている様子が面白く、そこだけ見て加点してもよかったのだが、たとえば悪の総帥との掛け合いとか、微妙なところでちょっとずつテンポがズレる部分があってそこで若干のブレーキがかかった。なんだろね、期待してるポイントより0.5秒くらい遅れてツッコミが来るみたいな感覚。こういう感覚になったアニメ、前もなんかあったな。今作はそこまで明確に気になったわけじゃないんだけど、一応この先の伸び代が読めないだけに「要警戒」くらいに留めておきたいと思う。映像制作のVoilというスタジオは聞いたことがないところで、確認したら設立まもなくてまだ元請け実績のないスタジオらしいので、ここから1シーズンのスタミナが保つかどうかも気になるところではある。まぁ、今にして思えば「まほあこ」だって飛び抜けて作画がよかったわけでもなし、要所でヒロイン勢が可愛ければなんとかなるかな。さて、エロを使わずに魔法少女を苦しめる手段を見せておくれ。

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○「歴史に残る悪女になるぞ」 3

 そういや、今更(ほんと今更)ながら気になったんだけど、「闇属性の魔法」ってどういう概念なんだろうね。四大元素と光はまぁ分かるんだよ。それぞれに使役する対象がわかるから。でも「闇」ってさ、「光がない状態」なわけじゃない。何をもって闇魔法としてるのかって結構不思議だよね。いや、この作品と特に関係はないんだけども、「火・水・風・光・闇」っていう設定になってからふと不思議に思ったので。

 というわけでなろうです。悪役令嬢です。序盤からもう「勘弁してくれ」のオンパレードなので多分切ります。通常のなろうフォーマット同様、ぼちぼち数も揃ってきたおかげで悪役令嬢もも限界領域が見えてきたな。ここまでくりゃぁ、もう色々と諦めるしかない。

 テンプレテンプレしてる事態は一旦飲み込もう。「気づいたら乙女ゲームの世界に転生して悪役令嬢になっていたわ!」が特に説明なしに処理されて当たり前のように進行する流れ、「おばあさんが川で桃を拾ったら中から男の子がでてきました」をサラッと流すのと同じくらいの狂気なのだが、まぁ、日本古来の狂気だとしたら致し方ない。これまで「乙女ゲーム設定は意味がわからん」と散々くさしてきたが、もうこれがスタート地点だというなら何も言うまいよ。まぁ、もしかしたら何か整合性のある設定がここから出てくるのかもしれないし。

 ……出てこないよォ。多分脚本は相当バカだよォ。もうさ、主人公がチートスキルを持ってる部分なんて特に触れすらしないじゃん。その辺は全部お約束として処理されてるんだろうね。ただ、それを飲み込んだとて筋立てがいちいち分からん。「えっ?」「はっ?」ってなる展開が多すぎて脳がついていけないのよね。たとえば剣術を教えてもらいたい主人公が無理やりやった行為が「りんごの木を蹴って落ちてきたリンゴを一刀両断する」なんだけど、このシーンは何が描きたかったの? 「リンゴの木が庭にある」こと? 「主人公の脚力がりんごの木を揺らすに足る圧倒的なものである」こと? 主人公が「蹴ったら1個だけリンゴが落ちてくることを知っていた」こと? 「剣術など習わずとも充分な剣技を備えている」こと? なんなの? これら全てが目的だとしたら説明不足だし、「そんなこと意図してるわけないやろwww」と思うなら、なぜこのくだりを入れたの? 行動の全てが「なんで?」なのよ。

 他にも「呼び出されたら部屋の中に王子様たちが集まってて机の上に地図が広げられている」という状況を見て「国外追放イベントが早まったのか?」っていう考えが出てくる流れが全く分からない。どゆこと? ゲーム世界の国外追放イベント、王子様たち全員で一斉に申し渡されるんだとしたら面白そうなイベントだな。「神の与えた悪女試練なのね」。そういうイベントがゲームにあったってことですかね? そうでもなければ絶対に「プレイヤー」目線でそんな発想は出てこないよね。この主人公、何を考えているの?

 一応、序盤は「まぁ、悪役令嬢キャラが反省から正しい行動を取ろうとするんじゃなくて、むしろ率先して悪役になりたがる部分はこれまでのアニメにはなかったかもしれない。破滅フラグがないなら一応そこは新鮮な何かが……」と思ったらしれっと「まぁ、国外追放エンドなんだけどね」という台詞が出てきて「いや破滅はするんかい」とちゃぶ台をひっくり返される。こいつは「最終的に破滅エンドになりたい」と思っているんだろうか? その辺のモチベーションも全然伝わってこない。ほんと、前後の因果関係が一切ない状態で適当にどっかで見た話を繋いだらこうなる、っていう典型的ななろうの成れの果て。略してなろの果て。まぁ、これはもう、いいんじゃないかな。

 制作はなろう請負でお馴染みのMAHO FILMだし、多分ここから作画もゆっくり下降していくことだろう(1話目は別に悪くはないんだが)。作画といえば、ダイヤモンド(贈り物にダイヤって言っておけば高級感が出るっていう発想も素敵です)の入った箱のデザインすごかったな。中世ナーロッパ世界にあのデザインの箱があるのおもろい。

 
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「負けヒロインが多すぎる!」 6→8

 まー、誰も異論はないでしょう。今期最大勢力、文句なしの特大ホームランだ。

 とにかく隙がなく全ての要素が最上級という奇跡的なクオリティを成し遂げた令和の異常事態。いや、A-1 Picturesは元をたどればそれくらいの地力があって然るべきスタジオではあるのだが、ここ最近は手堅くまとまった作品が多く、どうしたって京アニやらCloverやらに水をあけられていた感があった。しかしここにきて歴戦の貫禄。まぁ、つい最近でも「リコリコ」で映像的にはヒットは飛ばしているし、「かぐや様」シリーズで今作と似た路線で確実な打点はあげてたわけだけども。そんな「うちだって本気でやればこんだけのことができるんだ!」という鬱憤が大爆発したかのような、総決算の如き大金星である。

 難しい映像技術のことはよー分からんので「とにかく画面が綺麗でした。すごかったです。あとヒロインがみんな可愛かったです。すごかったです」と語彙は喪失気味。本作の良さを一言でまとめ上げようとすると、結局「全ヒロイン超可愛い」になる気がする。それはキャラデザの良さももちろん理由の筆頭にはあげられるが、ビジュアル以上に練り上げられたキャラの作り込みから魅力が溢れてくる。これは原作者の筆力もあるだろうし、脚本からアニメを組み上げたアニメスタッフの尽力もあってこそ。今作の監督である北村翔太郎氏という人は、なんとこれが初監督作品だというのにこの采配。なんとも恐ろしい話ではないか。令和の斎藤圭一郎だ(斎藤圭一郎も令和だ)。

 監督の采配で一番の評価点はシナリオから滲ませる要素の配分。ざっくり言えば「ギャグとシリアスのバランス」みたいな話。体感では今作の要素は7、8割はギャグが占めていたと思うのだが、それだけ強烈にギャグるインパクト極振りの連中が急にシリアスをやると、思いっきり浮いて薄ら寒いドラマになりがち。「今更そんなん言われてもなぁ」みたいな展開を過去にいろんなアニメで見てきた。しかし、今作は焼塩にしろ小鞠にしろ、がっつりと恋愛ドラマを紡ぎ、その果ての「負け」で心臓をギュッと掴むような痛みを伴う青春を見せてくれる。この緩急というか、不足ない描写の努力が本当に見事で、今作最大の眼目である「負けたヒロインが集まったドラマ」という突拍子も無い設定をフル活用できるお膳立てが整えられているのだ。これで思いつきだけの「負けヒロインって言われてるけど、こいつら負ける要素ないやんけ」みたいなキャラになってしまっては作品世界が全て瓦解する。しかし焼塩は負けてなお輝きを失わないヒロインであり、小鞠は恋愛でも、青春でも負け続きなのにヒロインであり続けた。八奈見は……いやだからほんとマジであいつなんなん?!(今更大混乱) とりあえず「遠野ひかるがついに突き抜けてスターダムに」という事実だけは覆らぬ。それだけで八奈見ありがとう。

 脚本・演出・映像、全てにおいてトップレベル。ひとまずアニメ化作品の範とするにふさわしい「ラノベ新時代」とでも言えそうな金字塔。今後の恋愛ラノベ、やりにくそう。

 
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○「甘神さんちの縁結び」 4

 マガジン作品かぁ。なろうアニメで散々テンプレテンプレ言うてますけど、こういう古式ゆかしいラブコメテンプレも、別にノスタルジーなど感じずにげんなりするだけだなぁ。

 でも、改めて考えるにこのデザインの源流ってどこなんだろうね。「この」が指す要素もたくさんあるけど、たとえば「おっとりやさしい姉(巨乳)/活発で手が出る次女/マセガキ三女」みたいな3姉妹の設定とかさ。ちょっと違うけど舞台が神社じゃなくて寺になるとだいたい「てんぷる」だし、我が心のアニメ「ぽぽたん」の三姉妹が全く同じデザインだった。やっぱ置きやすい配置ってあるんだろうなぁ。そんでテンプレからスタートしてしまうと、色々と要素を端折って描写できるせいで1話目時点では地に足がつかないキャラになってしまうという。あまりにお約束で処理されると第一印象は良くない。「ついこないだまでこういうマガジンラブコメの流れはどこぞのカフェテラスで散々見てきたからなー」とも思う。

 でもまぁ、テンプレテンプレ言うて作品の個性を見落としてしまうのはよろしくない傾向。幸か不幸か映像部分はまだ落ち度がなく、キャラデザも今後どこかで琴線に触れる可能性もワンチャン。個人的にはあんまりハマんなさそうだなー、とは思ってるが、それこそ今後の描き方次第だし、中の人補正でいくらか贔屓はできるかもしれない。ちなみにWikiで確認したら、これまで今作は何度も別キャストでPVが制作されてるらしいのだが、その度修羅のごときキャスティングが配置されてて都度変更されており、なかなか壮観であった。

 あとはまぁ、CMで若干のネタバレ要素があったのでちょっと不意打ちを食らったのだが、こっから先でまさかの超常展開がベースになるらしく、仮に思春期症候群みたいに1つ1つの事件がしっかりした筋立てなら見るに耐える展開になるかもしれないという淡い期待もある。まー、あんまそういう部分で評価される作品にも見えないけどね。

 
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○「〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン」 ―

 新番じゃないけど新番だよパターン。一応知らない人のために説明しておくと、当該作品は今年7月から配信を開始したABEMA独占作品で、「配信作品は触れない」というポリシーを持つ私には視聴できない作品だった。正直気になってはいたけど、どうせアニメは飽和してる状態だったし、ポリシーを曲げる気もなかったので諦めていたものである。しかしありがたいことに、意外に早くAT-Xでの放送が始まり1クールだけの遅れで視聴が叶った。ほな、これも新番組として処理してしまおうという、前クールから採用された作品処理なのである。とても助かる。

 というわけで久しぶりの物語シリーズ。実を言うと(多分これの放送を記念して)こないだ「こよみヴァンプ」をAT-Xで放送してたのを観てしまったので正直あんまり久しぶりの感はないのだが、純正新作としては「終物語」が2015年度の作品なのでなんと9年ぶり。びっくりである。そして、この時系列を確認するためにWikiなどもろもろのデータをチェックしていたのだが、どうやら私は「続・終物語」というショートシリーズを完全に見落としていたらしい(こちらもAT-Xでの放送はあった模様)。色々ダメじゃん。まー、原作を追ってないタイプの作品で、これだけ長期間にわたって断続的に制作されたら、そりゃ追跡する精度が下がるのはしょうがないじゃんよ。

 というわけで色々と抜けてるのでもはや「作品のファン」とは言えない状態になってしまったが、個人的に物語シリーズはシャフトの、そして新房昭之の新たな時代を確立させた道標の1つだと思っているので、コンセプト自体に敬意を持ち、追えるもんなら追いたいとは思っている。久しぶりに見たいつも通りの画面は、そりゃまぁ懐かしさでいっぱい。久しぶりに聴いたクドくてクドくてたまらない西尾維新節も懐かしさと鬱陶しさでいっぱいだ。ほんとに苦笑いで見守るしかないのだが、こんだけ長いこと接していて見限ってないってことは、やっぱどこかで愛着があるんだろうね。まぁ、フェイバリットジャンプ漫画に「めだかボックス」がある時点でね。

 ただ、久しぶりに見たシャフト「物語」であるが、ぶっちゃけ「なんか義務感からイズムの継承をさせられてる感はあるな」というのが正直な感想。一発でそれと分かる画面構成も演出も流石のクオリティなのだが、これはもはや技術として成立させてしまった一種の「お約束」であって、断片を1つ1つ拾い上げていけばやっぱり面白いものなんだけど、全体的に「新しい息吹を吹き込もう」というフロンティアスピリットから来るものではないように思えて、初期のあの狂気じみたこだわりは感じられない。まぁ、製品として成立した先端技術を研ぎ澄ませようという方向でのクラフトマンシップは伝わってくるので、これはこれでもう、1つの閉じた世界として完成しているということなのだろう。その流れで「新作」が提供されることに大きな不満はないよ。

 上述のような状況なのでぶっちゃけシナリオの筋立てなんて覚えてないし、「あれ、斧乃木ちゃんって今何してるんだっけ」とか「真宵って今どういう立場なん?」っていうレベルで分かってないんだけど、こうしてヒロイン勢の状況が次々と変わっていくのも今作の売りの1つ。そりゃな、現実世界でもアニメ第1作から15年経ってるわけでな。その中で移ろいゆくキャラクター性を見せてもらえるのも楽しみの1つと思えばよいか。そんな状況なのによりによって1話目が「不変」をテーマにした月火ちゃんのエピソードだったってのも皮肉が効いてるわ。都合の悪いことは忘れても白金ディスコのダンスは忘れねぇんだな。

 というわけで、なんだかんだで楽しみではあります。ほら、人間誰しも定期的に「きすしょっとあせろらおりおんはーとあんだーぶれーど」って口にしたくなるじゃないですか。

 
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 最弱ヒロインズの最強エンディング! 最終話! もうなんもねぇ。ただひたすら愉快で可愛くて腹の立つ日々が流れていくだけの映像、これ以上に何をか求めん。

 前回までで小鞠の物語が完全にフィニッシュ。どう考えても最終話に相応しいのは先週の話だったはずなのに、今週もう1話あるってんで、何があるのかと思えば、希望に満ちた(??)日常的負けエピソード。「彼女たちの日常はこれからも続いていくんだ! 豊橋で!」ということがよく分かるフィルムになっている。そして、ファンが求めているのは負けヒロインの切ない物語でもあったが、純粋に脳髄に響く無為にただ「カワイイ」を垂れ流すだけの時間でもあったのだ。フォロースルーとしてこのエピソードを最終話に持ってきた構成には感謝である。たまにこういう「メインエピソード終わらせてデザートをどうぞ」みたいな構成が出てくることがあるけど、良いよね。私の中で「けいおん!」も実はこのタイプ。可愛い系日常アニメにはよく馴染む。

 しかし、ふと冷静になった時にほんとにそんな感想を持っていいのかと疑問がよぎる。なぁ、この八奈見杏菜って女……可愛い……のか? 何がすごいって、これまではなんだかんだ言いながらも重要なところでビシッと決めてみせたり、結果的には周りの人間をいい方向に持っていく行動につながっていたのだが、今回のお話だけ見たら、こいつ単なるクズなんですよ。自分の虚栄心のために嘘をつきたいってんで知り合い(あえて恋人でも友人でもなく知り合いと表記)の男子を休日に引っ張り出す。そして訳のわからん持論を振りかざして意味不明な言動でストレスを与え、最後にはみんなの1日分の頑張りすら棒に振る。やってることだけ見たら本当にわがままでがさつで馬鹿で、救いようのない奴なのである。いかに童貞の温水とて、こんな女を隣に置いてもいい雰囲気になんかなりゃしない。

 それでも……そんな八奈見がフル回転している姿が、視聴者の一番見たい映像なのだということがよく分かる。分からせられる。煮え湯を飲まされている。クソ女・八奈見杏菜は、悔しいが可愛い。各方面に魅力を振りまきながら、それでもなお「負け」の頂点に君臨するためには、ここまで振り切れたヒロインであり続けねばならぬのだ。周りには負けず劣らずのクズたちも配置されてデートプランを散々に盛り上げてくれるが、最後にセンターにいるのはやはり八奈見。そこが動かないということを、徹底して教え込まれる最終話。なるほど、これは正しい。そんな彼女の「負け」要素も妥協なく提供し続けてくれるこの貪欲さは、本当に最終回を迎えてしまうのかと絶望してしまうほどだ。来週から、もうほっぺたになんかつけて咀嚼している八奈見杏菜に会えないって……にわかには信じがたいよ。

 八奈見フルバースト以外にも全編ギャグだから何やっても構わないってんでナイスなネタが色々とあった訳ですが、個人的に大好きだったネタは2つ。1つは護身完成してた朝雲さん。あの子は「勝ちヒロイン」とかいう概念のさらに上位にいるような気もする。それ以上デコを光らせるな。そしてもう1つは、ついに生徒会メンバーが叫んだ「なんでうちの制服にはリボンが4つもあるんだ」ですね。あと12話早く突っ込んでェ?!

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 水菜萌さんの水着がどちゃくそエロいのバグだろ、第12話。その性格、そのポジションのヒロインがそんなエロい水着きちゃいけません! ……アトリの水着も布面積だけでいえばポルノ級なのだが、しょせんアトリなので別にエロくはないな……。

 などと夏の海を満喫してみたが、急に海洋冒険サスペンスになってちょっと戸惑う。まぁ、次回が(ほんとの)最終回ってことでラストタスクが容赦無く襲いかかってきているわけだが、こちらもずいぶんインスタントなタスクである。前回のエピソードで「アトリの記憶がなくなっちゃう? いきなりそんなド定番悲劇を言われても!」とか思ってたらその問題はあっさり解決し、「ほなこれは問題ちゃうかぁ」という流れから「海面上昇問題とか解決させられないよなぁ」と色々考えていたら、あながち解決できなくもない展開でちょっと笑ってしまった。いや、問題そのものはなんも解決しないんだけど、そんな世界のピンチから生き延びるための方策を婆さんが仕込んでいたという展開だった。まー、分かるような、分からんような。

 とにかく婆さんがとんでもない天才であり、問題児であり、悪役になってるのが最大の困惑ポイントなわけよね。そりゃね、これまでのアトリの言動を見ていれば「こんだけのヒューマノイドを作れるのはよっぽど埒外の才能だよな」と言われてみれば納得はするのだが、その婆さんが、ロボット作りと同時並行してこの世界の危機を解決するための「生き残りプラン」を着々と進めていたという。しかもとんでもない規模で。いや、だとしたらマジで世間に知られてないのは驚きだが……一応新聞に載ってたってことでプロジェクト自体は公的に申請されていたものかもしれないが、その成果は文字通りに「霧の中」であり、婆さんが開発した生き残りアイランド「エデン」はひっそりとどこぞの海域に身を隠し、全てをオートメーション化して「中心部」の頭脳を待っていた。もう、ここだけいきなりSFのレベルが跳ね上がってないか?

 アトリのポンコツな情報だけからエデンの場所を割り出したのもプチ奇跡だが、そこを守ために立ちはだかっていた「霧&海流」の二重トラップも個人製造のシステムだったとしたらマジで悪魔。婆さんの技術力と開発力はとどまることを知らない。しかし、そんな神レベルの妨害でもお孫さんは根性で突破。一歩間違えれば秒でお陀仏の進路を取り、貧弱な潜水艦1つでエデンへと辿り着いてしまった。機械だらけの「楽園」って、これ単体でピックアップしてもディストピアみがありますな。

 まぁ、婆さんが何をしようが勝手だし、やってること自体は一応善行なので「見つけられてラッキーじゃん」くらいのものだったのだが、そこに余計な条件を付け足しやがるせいで悪役レベルまでもが跳ね上がる。なんと、この島のシステムの中心にアトリを据えて頭脳にしてしまおうというプロジェクト。えぇ……だって現時点で島は特に問題なく機能してるじゃん。これ以上の管理システムを増やす必要あるか? しかもそんな「アトリ取り込み計画」のために時限式のボムを仕掛けており、提案に乗らなかったアトリはやっぱり記憶ボッシュートの刑。前回解決したと思った問題があっさり帰ってきてしまった。あつらえたようにデッドラインは3日後。一番の驚きは「アトリと出会ってまだ一ヶ月ちょいしか経ってないんかい」ってところでしたけどね。一夏の思い出にしちゃ色々ありすぎたな。

 結局アトリが取り込まれなきゃいけない理由はよく分からんかったが、今は亡き婆さんがそう言ってるんだからしょうがない。結局また降りかかるデッドオアスリープの悲劇の二択。そして今回は婆さんが余計なことしてなけりゃ起こりすらしなかった完全に人為的なトラブルである。夏生さん、そんな婆さんの言いなりになるわけにはいかないですよね。

 とはいえ、アトリの方は……まぁ、命令者として婆さんの方が夏生よりも上位の可能性もあるからね……。さぁ、再び降って湧いた存在消滅の危機、夏生のキャンパスライフは間に合うのか? そして、船上にほったらかされてる水菜萌さんたちの運命は!?(心配してるやろな)

 
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「ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで」 4→3

 基本コンセプトはとても嫌いです。もう、割と序盤から適当にしか眺めてなかったから設定もよく分からずに見てたんだけど、結局主人公のスキルがなんで「ハズレ枠」なのかって説明ってあったのかしら? チートのくせして余計な自虐から無双する「逆勘違い」も腹立たしいが、当の本人以外の知能レベルを限界まで下げた結果チート能力のことをハズレ呼ばわりする方がより馬鹿馬鹿しいのでなんかムカつく。

 今作の視聴を最後まで続けた理由は当然「惰性」が一番だが、それ以外にも一応今作独特のCGゴリゴリでなんか気持ち悪い作画技法がどこに辿り着くのかというのが気になったことも理由である。過去にはミルパンセが「蜘蛛」とかでヘンテコCG作画で「なんか細かく見えるっぽい技術」を伸ばしていたが、今作を担当したセブンアークも、これまでとは異なる何かしらのCG技術でかなり省エネを実現させているっぽい。ぱっと見には繊細な作画に見えなくもないデザインなのだが……やっぱ動きに違和感が満ち満ちてるのよね。動きってのはキャラのモーションとかだけじゃなくて、背景との噛み合わせとか、カメラのアングルを変えた時に露骨にパースがついてこなかったりとか、なんかそういう「連続した」として流した時の違和感だ。影の付け方とかもなんか変だし、多分「あまり正しくない方向でのコンピューター技術の発展」がこういう画面を作り上げているのだと思われる。

 別に今作の頑張り全部を否定したいわけではなく、こうしたCG作画もおそらく場数を踏んで熟練していけばより既存のアニメに近い描き方も可能になるとは思われるのだが、残念ながら今はまだそれが実現していないし、テキトー極まりないなろうストーリーでは頑張って画面を作り込もうというモチベーションもあんまり起こらない気がするのだ。なんでこう、雑多に性根の悪い連中どもの不愉快な言動を描くところにばっかり筆を割くんだろうね。鬱作品を描いてこそ、そこからの反動で俺つえーが際立つっていうことなんだろうが……それって主人公側に爽快感があって初めて実現するものであって、世界全体をサゲることにばかり腐心していては単に鬱陶しい世界の鬱陶しい話にしかならんのよなぁ。やはり発展性は感じないジャンルだ。

 
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「なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか」 5→3

 作画が良ければ評価できたかもしれないのにおじさん「作画がなぁ……」。

 ほんと、どうしてこうなった。今期、制作のproject No.9は「ぱいのこ」と2本立てだったんですが、あっちは最後まで高品質なままでゴールできたんですよね。対してこちらは割と早い段階から明らかに作画がおかしくなり、そのまま立ち直ることなく最終回までダラダラと続けてしまった。新番チェックの際に確認したが、今作は「キミ戦」と同じ作者の作品であり、その「キミ戦」は制作体制の破綻により仕切り直しを発表して撤退、今作はなんとか最終回まで漕ぎ着けたがこの通りの結果に。呪われてるんだろうか。流石に作者さんには同情してしまう。

 別に制作スタジオだって「ぱいのこ」の方に力を入れてこちらを蔑ろにするつもりがあったわけではないだろうよ。本作はとにかくキャラデザがパキッとしてて非常に濃く、このデザインで最初から最後まできちんと動かすのは結構骨。奇しくも同作者の「キミ戦」と似たような部分もあり、最初に設定した作画ハードルが全く越えられず、令和の世にはなかなか無いレベルで盛大な作画ぶっ壊れ状態に。作画崩壊ファンの方々は最終回だけでもチェックしておけばいい素材がたっぷり補充できるはずだ。「なぜ過去の失敗を業界は反省しないのか」というタイトルで放送してあげた方がよかったかもしれない。

 ここまで作画の文句ばかりだが、内容の方は別に悪くなかったと思うんだよな。いや、取り立てて面白いってこともないんだけど、一昔前のラノベの血脈を受け継ぐ「セカイ系冒険譚」の骨子はそれなりに整っていたし、流石に職業作家の作品ということでキャラの言動や展開に大きな不備はない。「さまざまな種族が憎み合いながらも異なる世界線の記憶のせいでなんか離れられない」という状態で小競り合いやじゃれあいを続ける設定も案外面白いし、ファンタジー&サバイバルな世界観はちゃんとしたイラストレーションで描けたなら魅力にもなっていたはずだ。そうして世界が成立してるだけに、かえすがえすも本当に作画がもったいないのである。

 作者さんが病んでないことを祈り、さらに「キミ戦」の仕切り直しがうまくいくことを祈って、手向けとさせていただこう。

 
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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