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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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Cryptic Cruiser 謎めいた巡航者 (3)(U) U

クリーチャー・エルドラージ、昇華者

3/3 欠色

(2)(U)、対戦相手がオーナーである追放領域のカードを1枚そのオーナーの墓地に置く:対象のクリーチャーをタップする。

 エルドラージで昇華者でタッパー。「意外にたくましい青」を体現するかのようにそれなりのステータスを持ち、さらにゲームを決められるタップ能力を持っている。今回のタッパーは、これまでのように「タップし続けて相手クリーチャーを1体無効化する」任務には向いていない。コストがでかいし、燃料が必要なので恒常性もない。あくまでこれは攻めのタッパーであり、頃合いを見て相手ブロッカーを片付けてワンパンチを入れるための道具なのだ。そう考えると、やはりこれは嚥下からのエルドラージビート用のクリーチャーといえる。今回の青は、白と組むなら色のあるカードで構築出来るが、それ以外の黒・赤・緑のどの色と組んでも大概は無色クリーチャーを優先した方がシナジー構築がしやすい。序盤のピックではその辺の全体像を視野に入れて役割分担を任せたいところ。どうも、青はすっかりエルドラージ色に染まってしまったようだなぁ。無色なのになぁ。フレーバーにはキオーラさんがギデオンにぶつくさ言っている様子が記録されている。キオーラとギデオン、ともにテーロスの神器をふるったことがある者どうしだが、正式な協力体制を敷くまでにはまだ時間がかかるかなぁ。

 

Dampening Pulse 鈍化する脈動 (3)(U) U

エンチャント

あなたの対戦相手のコントロールするクリーチャーは−1/−0の修正を受ける。

 困惑の石(CON)」の普通の世界バージョン。後の世界で活躍した「夜帳の憑依者(DGM)」などからも分かる通り、地味ながらも確実に一定以上の効果を持つ渋いエンチャントである。コスト分の働きが出来るかどうかは相手次第だが、これで末裔トークンなどの横に伸ばそうとする戦略は大きく瓦解することになるため、特定のデッキにはかなり刺さる。上手いことそういう相手に当たった時には、是非ともフレーバーにあるノヤン・ダールの罵詈雑言を相手に向けて叩きつけてほしい。その後の対応は自己責任で。

 

Dispel/払拭(RTR)」 C

 初出がワールドウェイクなので、実はこの呪文はゼンディカー原産。だからどうしたと言われたら困るが。「とりあえずサイドボードスタートでいいんじゃないかな」くらいしか書くことがないので、やっぱりここはフレーバーに注目しましょう。「目」に辿り付いてウギンとの邂逅を果たしたジェイスさん。大先輩の意見を聞いているわけだが、同じプレインズウォーカーでも年寄りとルーキーでは意見が分かれているようで……。ギデオン・ジェイスあたりの「エルドラージなんてみんなで協力すれば倒せるんだよ」派がどのくらい頑張れるか。今回はウラモグ1体だけなんだから、精霊龍のおじいちゃんも頑張って協力してくれれば何とかなるんじゃないかな。

 

Eldrazi Skypawner 空中生成エルドラージ (2)(U) C

クリーチャー・エルドラージ、ドローン

2/1 飛行 欠色 

〜が戦場に出たとき、[末裔トークン]を1体戦場に出す。

 分かりやすい名前のドローン。2/1と1/1が出せる3マナのカードといえば「砂草原ののけ者」「ギラプールの歯車造り」と続いており、どちらもリミテッドの基盤を成すトップコモンになっている。そして、このカードはよりによって2/1の方が空を飛んでいるのである。どう考えても強いに決まっている。コモンから青をスタートさせる動機付けの筆頭。これ1枚押さえておけば次の手から飛行ビート、末裔戦術、無色コントロールと様々な方向に進むことが出来る。便利すぎる。

 

Halimar Tidecaller ハリマーの潮呼び (2)(U) U

クリーチャー・人間、ウィザード、同盟者

2/3

〜が戦場に出たとき、あなたは対象の、自分の墓地にある覚醒を持つカードを手札に戻してもよい。

あなたのコントロールする土地・クリーチャーは飛行を持つ。

 デッキの根幹を成す重要すぎるアンコモン。見ての通りに彼女がサポートするのは覚醒呪文。覚醒呪文の分布を確認すると、赤と緑がコモンに1枚だけ、黒はさらにアンコに1枚で計2枚、青だけがコモンに2枚の覚醒呪文を持っており、ついで多いのがアンコモンに2枚の覚醒を持つ白。青白マルチカラーも覚醒呪文で、つまりこの2色が「覚醒色」なのである。ということはこのおねーちゃんを使うのに一番フィットしているのは青白。青白で手っ取り早いデッキの作り方は飛行クリーチャーをかき集めてさっさとビートする方針なのだが、このおねーちゃんがいるなら渋い覚醒呪文を集めて土地の大群で相手を叩き潰すのもおしゃれだ。ただ、残念ながら覚醒呪文ってのは単体でも充分強い場合が多く、そういう戦術を狙いたいと思っている人間以外でも割と早めに引いてしまうことが多い気がする。他の戦術同様、「まぁ、何となくそういうサポートがあるよ」程度で無理に偏らせないのが吉。このおねーちゃんを使う場合、覚醒3くらいの呪文が1回使い回せるだけでも充分過ぎるくらいに強いのだから。

 

Oracle of Dust 塵の預言者 (4)(U) C

クリーチャー・エルドラージ、昇華者

3/5 欠色

(2)、対戦相手がオーナーである追放領域のカードを1枚そのオーナーの墓地に置く:カードを1枚引き、その後、手札を1枚捨てる。

 中堅サイズの昇華者エルドラージ。能力自体はさほど強くはない。そりゃルーターは便利だろうが、5マナのクリーチャーが専念するほどの業務ではないし、コストが高い。そして、この世界の場合、普通の世界のルーターで有効な「いらない土地をディスカードに回す」というセオリーが適用しにくいのである。一体土地が何枚あれば充分なのか、それを判断するのは案外難しく、積極的にルーターで捨てたいカードが少ないのである。あくまでも「ちょっと嚥下クリーチャーとかが集まり過ぎちゃって、無駄に相手のライブラリ削りまくってるわ」というときの無駄の活用法というレベル。それ以外では単純にサイズが平均値なので、真打ちであるデカブツまで繋ぐための壁役と割り切るのが賢い付き合い方かも。そのために、親分を引くためのルーター能力があるわけだし。くれぐれも、フレーバーに書いてあるような空しいルーター連打にならないことを祈る。目的ははっきりとね。

 

Roilmage’s Trick 乱動魔道士の計略 (3)(U) C

インスタント

収斂 - あなたの対戦相手のコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで-X/−0の修正を受ける。Xは、〜を唱えるために支払ったマナの色数である。

カードを1枚引く。

 コモン収斂の2枚目は、青のお家芸であるパワー削減。3マナの「水撃」がー2で、5マナの「目潰しのしぶき(KTK)」がー4。ということは単純に考えるとこの呪文はー3くらいにはなってほしいところ。収斂用のデッキならば余裕でクリア出来るだろうが……。悩ましいのは、この呪文をたくさん見て、たくさん取れたからといって「よし、収斂用に色を広げたデッキにしよう」とはあまり思えないこと。元々あまり優先度の高くないジャンルのカードだし、別に無いなら無いで困らない場合がほとんどだろう。白いデッキの「鼓舞する突撃」への返し技としては百点満点なのだが。

 

Ruination Guide 破滅を導くもの (2)(U)

クリーチャー・エルドラージ、ドローン

3/2 欠色 嚥下

あなたのコントロールする他の無色のクリーチャーは+1/+0の修正を受ける。

 まさかの、同一セット内で和訳名が被るという、どうにも救いようの無い致命的なミスに遭ってしまった可哀相なクリーチャー。いや、コイツの方は名前を維持されてるからまだいいのか。確かにエルドラージって全部似たような概念だし、名前が似るのはしょうがないのだが……それでも流石に管理チームは気付よな。さておき、そんな可哀相な間違いがあった割にはけっこう重要なクリーチャーである。何しろパワーを引き上げるタイプのロードなのだ。「刃の隊長(KTK)」がどれほど重要な存在だったかを思い出してもらえば話は早いだろう。そして、この能力は実は様々な色と独自の協調路線を成す。純粋にエルドラージが多いのは黒青の組み合わせ。全軍が底上げされる分かりやすいサポート。末裔トークンをフル活用するなら青緑。これなら一気に人員を水増し出来るので増強の恩恵を得やすい。そして、何も無色なのはエルドラージだけではない。覚醒を多様して土地に進軍させる青白デッキでもこのカードはサポートに回れる。とにかく多方面に強いのである。まぁ、嚥下能力との兼ね合いを素直に考えるなら黒と組み合わせるのが一番正当なのかな。

 

Rush of Ice 氷の猛進 (U) C

ソーサリー

対象のクリーチャーをタップする。それは、そのコントローラーの次のアンタップ・ステップにアンタップしない。

覚醒3 - (4)(U)

 コモン覚醒の2枚目。バウンスに比べると流石に優先順位は落ちるようにも見えるが、どちらも同じソーサリーであるなら実はそこまでの差はない。もし軽いクリーチャーが対象ならば、バウンスでは相手がリキャストすると次のターンはブロッカーとして立ちふさがる。しかし、こちらの呪文で氷漬けにすれば次のターンも絶対ブロックは出来ないのである。また、余計な187能力を使い回されずに済むというメリットもあるだろう。攻め立てている状況ならばこちらの方が強い場合だってあるのだ。さらに覚醒能力でその「攻め立てる」状況を強引に作り出せる自己完結も素敵。「ハリマーの潮呼び」から覚醒能力に突っ走りたい人には必須の1枚。

 

Salvage Drone 回収ドローン (U) C

クリーチャー・エルドラージ、ドローン

1/1 欠色 嚥下

〜が死亡した時、あなたはカードを1枚引いてもよい。そうしたなら、手札を1枚捨てる。

 名前から推察するにてっきり「マイアの回収者(MRD)」みたいに墓地からエルドラージを回収するクリーチャーかと思ったのに、やってることはルーターである。この世界は土地を捨てるかどうかの判断が難しいので若干(ホントに若干)ルーターの価値が落ちるし、そこまで魅力のある能力でも無いかな……と思ったら、こいつ1マナなのかよ。1マナでこれだけ能力付いてたら充分やろ。1ターン目に出す、2ターン目に殴って1枚嚥下、で仕事が終わってるわ。中盤以降もチャンプブロック1回でルーターまでついてくるならそこまで損な取引でもないし、「とりあえず無色のカード置いとく」だけでも重要なお仕事なのである。少なくとも「1マナエルドラージ」という特性は貴重なものなのだから、こいつはそれだけでも満足してもらおう。

 

Scatter to the Winds 風への散乱 (1)(U)(U) R

インスタント

対象の呪文を打ち消す。

覚醒3 - (4)(U)(U)

 単なる「取り消し」がレアにまで昇格。そんなに覚醒能力ってのは強いものなのか?! ……うーん、どうなんだろうね。確かに素で「取り消し」なんだから一切損してない。そこにメリットがプラスされてるんだから弱いはずはないんだけども……6マナで3/3がついてきてもそこまで大喜びするようなもんでもないよな。同じ6マナなら「吸収するウェルク(TSP)」みたいな化け物もいたわけだし。いや、選択肢が多いのが強さだってのは分かるけども……今後の環境でコントロールデッキが選択すべきカウンター呪文ってのはどのあたりになるんでしょうか。ミシュランと合わせてデッキイン出来るなら割と強そう。よりによって青緑のミシュランは呪禁だし。

 

Spell Shrivel 呪文萎れ (2)(U) C

インスタント

欠色

対象の呪文1つを、そのコントローラーが(4)を支払わない限り打ち消す。その呪文がこの方法で打ち消されたなら、それを墓地に置く代わりに追放する。

 「巻き込み(RAV)」のエルドラージ版。「巻き込み」は単純に「マナ漏出」の使いにくい版、みたいな扱いだったわけだが、今回は追放効果が得られたので差別化は図れるようになっている。一応は不確定カウンターに属するが、4マナの支払いなんてしばらくは無理なわけで、試合中盤までは色拘束の薄い「雲散霧消」として活躍出来るこのセットの代表カウンター。問題は、この環境のデッキメイクにおいて、「3ターン目にマナを立ててエンド宣言する」っていうのがどれだけ有効かっていう部分。青も割と序盤から積極的に動く色になっているはずなので、受けの選択肢であるカウンターはそこまで優先順位が高くない気もする。相手が大艦巨砲のエルドラージ戦術だったときのサイドボードとしては有効なので、むしろそういう役目に特化させた方がいいのかも。

 

Tide Drifter 波に漂うもの (1)(U) U

クリーチャー・エルドラージ、ドローン

0/5 欠色

あなたのコントロールする他の無色のクリーチャーは+0/+1の修正を受ける。

 「破滅を導くもの」と対を成すタフネス増強ロード。そして、そのステータスはどう見ても壁。何がおっかないかもよく分からないという、破壊と消耗の化身であるエルドラージらしからぬ存在である。フレーバーテキストも困ってるやないか。怖いのか怖くないのかはっきりしてほしいもんだ。とりあえず、置いておけば序盤はガッチリなので、その後の仕込みをする時間を稼げる。そのまま飛行で殴り切るプランなのか、末裔トークンからデカブツに繋ぐパターンなのか、追放領域を満たして昇華していくパターンなのか。何にせよエルドラージや土地のタフネスが1あがるのだから「何となく立ってる」壁の仕事としてはそれなりだろう。適材適所で。

 

Tightening Coils 巻き締め付け (1)(U) C

エンチャント・オーラ

エンチャント(クリーチャー)

エンチャントされたクリーチャーは−6/−0の修正を受けるとともに飛行を失う。

 とりあえず、フレーバーのキオーラさんが可愛い。まぁ、気持ちは分かるけども。いや、「苦労して奪った」って書いてあるけど、完全にたまたまやんけ。しかし、「大地への縫い止め(JOU)」に続いてこのカードと、タッサの二又槍・デケーラは相手のパワーを下げるのにしか使われてないな。タッサさん、こんなんでいいんですかね。「縫い止め」と修正値が同じで、さらに飛行を失わせるおまけもついた上位互換。大体においては攻撃禁止オーラと同じ意味ではあるが、この世界はひょっとしたら−6でも抑えきれないクリーチャーがいるかも、っていうのが恐ろしいところ。まぁ、それでもせいぜい2〜3点のパワーが余るくらいだろうから、大体のクリーチャーはこれで無効化出来るだろう。さらに相手フライヤーに張ればこちらのフライヤーを通すルートも確保出来るので、この手のカードにしては珍しく、幾ばくかは攻撃支援の側面もある。軸戦をずらす飛行デッキなら評価はある程度高めでも大丈夫なんじゃなかろうか。

 

Ulamog’s Reclaimer ウラモグの回収者 (4)(U) U

クリーチャー・エルドラージ、昇華者

2/5 欠色

〜が戦場に出たとき、対戦相手がオーナーである追放領域のカードを1枚そのオーナーの墓地に置いてもよい。そうしたなら、対象の、あなたの墓地にあるインスタントかソーサリー・カードを手札に戻す。

 昇華コストがかかる分、ダイナミックにサイズアップを果たした「記憶の壁(THS)」。レアリティが変わったとはいえ、0/4から2/5に激変しているのは流石にでかいな。「記憶の壁」はそれなりに優秀なカードだったはずなのだが、スピード勝負のテーロス環境ではあまり活躍の場を与えられず、真木孝一郎もハンドブックで「まさか記憶の壁が役に立たない環境があるなんて」と驚きの言葉を残していた。でも大丈夫、この世界はまさにその「役に立てる環境」。そう簡単に試合は終わらないはずだから。そして、こいつ自身も最低限のアタッカー性能を持ち、盤面に与えるインパクトはそこそこ。アドバンテージを確保しながら攻め続けられるので、イメージとしては「眼の管理人(KTK)」が近いかも。覚醒能力を持つスペルを戻せば更なる軍拡にも繋がるぞ。使い甲斐のあるカードだ。

 

Wave-Wing Elemental 波翼の精霊 (5)(U) C

クリーチャー・エレメンタル

3/4 飛行

上陸 - 〜はターン終了時まで+2/+2の修正を受ける。

 青コモンに与えられた唯一の上陸クリーチャー。旧ゼンディカーでは4マナ2/2の「風乗りの長魚(ZEN)」がこのポジションにおり、リミテッドでは堅実なクロックとして活躍したが、今回はワンサイズ大きくなって登場。上陸時には5/6フライヤーと迫力充分だが、その分6マナという微妙なコストになってしまった。幸い、このマナ域だからといって空のライバルが一気に増えるということはない。5/6ならばレアでもなければ充分打ち倒せるので、制空権を握り続けていればそのうちゲームには勝てる。そういう意味では決して無駄になるカードではない。また、青には末裔トークンという武器もあるので、中盤のエルドラージからさっさとこれに繋いでしまうという、コモンだけで実現出来る現実的な勝利プランも馬鹿に出来ない。仮にこれが4ターン目にでも出せてしまえば、土地も置きやすいし、よっぽどのことがない限りは対処されないだろう。フレーバーのノヤンさんの弱気な発言は気にせず、いっそ2枚くらいデッキインして勝負してみるのも手。


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Akoum Stonewaker アクームの石覚まし (1)(R) U

クリーチャー・人間、シャーマン

2/1

上陸 - あなたは(2)(R)を支払っても良い。そうしたなら3/1でトランプルと速攻を持つ、エレメンタル・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。次の終了ステップの開始時に、そのトークンを追放する。

 ここまでの3色ではほとんど添え物扱いだった上陸だが、ここからの赤・緑ではその数を増やす。まずアンコモンに与えられたのはこちらのような「土地が出たときに追加コスト払っても良い」という「アクームの火の鳥」と同じデザイン。こちらのシャーマンは3マナで「火花の精霊(10ED)」を生み出して突っ込ませる。ターンエンドに消えてしまうのでクリーチャー戦力としてはカウント出来ないが、上手く行けば上陸+3マナで恒常的に3点をぶっ込み続けられるわけだ。速いデッキならば一考の余地がある選択肢。ただ、やっぱり継続的に捻出するには3マナは重たい気もする。このコストが気にならなくなる後半戦はなかなかトークンパンチも通らなくなるだろうしなぁ。「もう、3,4ターン目くらいに何回か殴れればいいや」と開き直るか、黒と組んで生け贄エンジンを組み込むなど、何か普通とは違った一工夫が求められそう。

 

Belligerent Whiptail 好戦的な鞭尾 (3)(R) C

クリーチャー・ワーム

4/2

上陸 - 〜はターン終了時まで先制攻撃を得る。

 4マナ4/2は現在の世界では「剣歯虎の先導隊」のもつステータス。おかげで、そこに先制攻撃が付くとどれだけ面倒かもイメージしやすいだろう。「剣歯虎」は圧倒能力なので不安定だったが、こちらは上陸なので比較的安定して狙い通りの先制攻撃をつけることが出来るようになった。一方的に負ける展開はほとんどないはずなので、中盤に継続して攻め手を維持するのには重宝するクリーチャーだ。ただ、相手がトークンでチャンプブロック出来る体勢をになってるとちょっと無駄が多いかも。まぁ、その辺はコモンだしね。

 

Boiling Earth 沸き立つ大地 (1)(R) C

ソーサリー

〜は対戦相手のコントロールする各クリーチャーに1点のダメージを与える。

覚醒4 - (6)(R)

 相手を選ぶ系除去。基本仕様は最近流行りの「相手クリーチャーにだけ1点届く」もの。昔の赤はフライヤーに届かなかったりしたものだが、その辺の性能は向上しているようで、「洗い流す砂(BNG)」に「石弾の弾幕(KTK)」と、メインで入れても腐らないレベルのカードがいくつも登場している。このカードも、そんな「腐らない」工夫が施された気の利いた1枚。1点火力が役立つかどうかは定かでないが、後半になって4/4クリーチャーが出せるならそれなりに意味があるだろう。流石に7マナ時点では1点火力は意味をなさなくなっているだろうが、そこは割り切って「別な呪文になった」と思えば抵抗も無い。第1ゲームからメインで入れておけるのは何となく安心感がある。今回は末裔トークンのおかげで刺さる相手には覿面効果があるし、フライヤーも含めてタフネス1は決して少ないわけじゃない。何枚もほしい呪文ではないが、隙を見て1枚確保するくらいはしてもよさそう。

 

Chasm Guide 地割れの案内人 (3)(R) U

クリーチャー・ゴブリン、スカウト、同盟者

3/2

結集 - あなたのコントロールするクリーチャーはターン終了時まで速攻を得る。

 赤の結集は白と並んで5色で最も多く、コモンに1枚、アンコに2枚という配置。そしてそのどれもが、あまり人数を必要としない(というか人数が集まってもあまり意味が無い)能力になっている。白緑系の横に並べる同盟者と、白赤系のさっさと殴りに行く同盟者の差別化が図られているということだろう。このカードは結集とは言っているが、実質的には「全ての同盟者は速攻をもつ」という常在型能力と見てしまって良い。4マナ3/2速攻だけだとギリギリのレベルだが、後続の加速も期待出来るならそこそこか。一応、1ターンに「関係無いクリーチャー」→「軽い同盟者」と繋げることで同盟者以外にも速攻を頒布することも可能だが、まぁ、そこまで頑張って活用するほどのものでもない。結集の中では優先順位は低いだろうが、前のめりなデッキならば相手にちょっと嫌な顔をさせるくらいは出来るはず。

 

Firemantle Mage 炎套の魔道士 (2)(R) U

クリーチャー・人間、シャーマン、同盟者

2/2

結集 - あなたのコントロールするクリーチャーはターン終了時まで威迫を得る。

 アンコモン結集の2枚目。こちらも見ての通りに非常にアグレッシブな能力。3マナ2/2威迫だけでもそれなりだが、これが全軍に流布するとなるとけっこう洒落にならない。常に倍するブロッカーを必要とするなんて、あまりに馬鹿馬鹿しくてやってられないだろう。1枚で劇的に貫通能力を向上させられるカードだ。問題は、ダメージの総量自体は変わらないというところ。相手もブロックを諦めてすれ違い殴りモードに突入してしまうとせっかくの力も持ち腐れ。出来れば赤に多い頭でっかちさんを多めに揃えて、コストあたりのダメージ効率を上げたデッキで挑みたい。

 

Goblin War Paint/ゴブリンの戦化粧(M12)」 C

 こちらはゼンディカー生まれで2度目の再録を果たした基本オーラ。これが与える速攻が機能しているのを見たことがないのだが、まぁ、いつか役に立つかもしれないからあった方がいいのは間違いない。あくまで基本形の増強オーラだが、なんと、今回のセットでパワー/タフネス修正を加えるコモンオーラはこの1枚しか存在していない。モダマスにおけるポジションと全く同じである。単体除去が弱く、バウンスもそこまで多くない環境、さらにエンチャント破壊はほぼ無いという世界なので、オーラの有効性は普段よりも高い。意外にオンリーワンな活躍が見られるかも。

 

Kozilek’s Sentinel コジレックの歩哨 (1)(R) C

クリーチャー・エルドラージ、ドローン

1/4 欠色

あなたが無色の呪文を唱えるたび、〜はターン終了時まで+1/+0の修正を受ける。

 この世界からはウラモグ族以外のエルドラージは既にいなくなっているはずなのだが、たまにこうして他の氏族も残ってる場合があるんだね。コジレック系のドローンは、無色の呪文をどうこうする能力を与えられた一派で、分類としては青赤系になる。1ターンに呪文を連打すれば2マナクリーチャーとは思えないサイズになるし、そうでなくても2マナ1/4は充分なサイズ。どっしりと構えながら、折を見て2点、3点のパンチを繰り出していくだけでも悪くない選択肢。「凍結燃焼の奇魔(RTR)」みたいな八面六臂の大活躍とまではいかないだろうが、あれに近い安心感がある。

 

Lavastep Raider 溶岩足の略奪者 (R) C

クリーチャー・ゴブリン、戦士

1/2

(2)(R):〜はターン終了時まで+2/+0の修正を受ける。

 世にも珍しい1マナ1/2のゴブリン。タフネスの方が大きい1マナとか、ゴブリンにあるまじきステータスである。一応「マナフラッド回避系」であり、中盤以降も戦力として衰えないのが売り。3マナ域で3/2アタッカーならそれなりだし、後半になっても5/2のパンチャーなら相手も無視できない。似たような構造の「炎蹄の騎兵(KTK)」は本当に何がしたいのかよく分からなかったが、こいつなら1/1に一方的に勝てるし、起動コストも現実の範囲内なので馬鹿には出来ない。マナカーブはそこまで1マナ域を意識する必要もないと思うが、「前のめりデッキで1マナ域に何もしないなんてありえん」という人のために。ちなみに、フレーバーテキストのゴブリンテイストが久しぶりに素敵。間抜けには違いないが、これって実は世界を救う重大事なのでは……。

 

Nettle Drone 棘撃ちドローン (2)(R) C

クリーチャー・エルドラージ、ドローン

3/1 欠色

(T):〜は各対戦相手に1点のダメージを与える。

あなたが無色呪文を唱えるたび〜をアンタップする。

 何ともいびつなステータスをもつ狙撃ドローン。普通、この手の「本体に1点」クリーチャーは狙撃砲台としての役割に徹するために、守備的なステータスを与えられている。リミテッドで大活躍した「高射砲手(RTR)」がそうだし、この手のクリーチャーのひな形である「燃えがらの紅蓮術士(EVE)」もパワーは0だ。最近でこそ「カラディシュの火、チャンドラ」というパワー2がいたが、あれは例外と見るべきだろう。そしてこのクリーチャーである。タップで本体1点、特定トリガーでアンタップという仕様は先輩たちと一緒。しかし、そこに刻まれたパワーは圧巻の3。つまり、通るなら普通に殴った方がよっぽど早い。この積極性こそがエルドラージということなのだろうか。3マナ3/1は赤なら充分。うまくチャンスが見つかればワンパン入れてダメージを稼ぐし、すぐに討ち死にしてしまいそうなら、様子を見て無色呪文のサポートを受けながらちくちく本体を削っていく。なるほどよく出来ている。このクリーチャーが2体3体と並び始めると恐ろしくて、無色呪文が全てダメージをおまけに引き連れてくるようになる。幸か不幸か、エルドラージ呪文には軽量ドローみたいな燃料を維持し続ける仕組みはないので無限に撃たれ続けるということはないだろうが、無色が多い黒や青と組んだときのダメージ量は結構なものになりそう。これくらいピーキーなら「従順な復活」での回収を視野に入れてグルグル軽量エルドラージだけを回し続けるのも面白そうだ。

 

Ondu Champion (2)(R)(R) C

クリーチャー・ミノタウルス、戦士、同盟者

4/3

結集 - あなたのコントロールするクリーチャーはターン終了時までトランプルを得る。

 何が言いたいんだか分かるような分からないような微妙なギデオンの言葉が目印のコモン結集。「角があるような働き」ってのは、これつまりトランプルのことなんですかね。正直、トランプルは全軍に波及したとしてもあんまり意味はないので、こいつの結集能力は活用しにくい。一番輝くのはサイズのでかい緑と組んだときだろうが、赤緑での同盟者デッキってのが形になるかどうかは現段階では微妙なところ。どうせならパワーしか能がないバニラエルドラージの支援にでも回した方がいいのかもしれない。しかし、こいつの場合はそうした結集能力の微妙さはあまり問題にならない。何しろ素で「山頂に潜むもの」と同じ。それなら別に能力なんかなくてもいいじゃない。たまにトランプルが付くんだから上位互換じゃない。これで全軍に接死が付く同盟者がいればパーリナイだったのだが、流石にそんなうまい話はないわな。

 


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Blisterpod 膨れ鞘 (G) C

クリーチャー・エルドラージ、ドローン

1/1 欠色

〜が死亡した時、[末裔トークン]を1体戦場に出す。

 シンプルかつストレートに魅力をアピールしてくる生まれ変われる系ドローン。場に居座る限りは単なる1/1だが、いっぺん死ねば今度はマナになる1/1。むしろさっさと死んでくれ。骨子としては「ツカタンのサリッド(CON)」や「マイアの種父(MBS)」なんかと同じ。死を死とも思わないので生け贄系の効果との相性がいいし、序盤の戦闘だけを考えれば純粋にアドバンテージ要員。末裔を育むタイプの緑をやりたいならば是非ここからスタートしたい。特に輝くのはやはり生け贄系が美味しい黒とのコンビネーション。放っておくと稀に追放されたりもするので、やっぱり積極的にサクれる手段があると安心できる。

 

Brood Monitor 血統の観察者 (4)(G)(G) U

クリーチャー・エルドラージ、ドローン

3/3 欠色

〜が戦場に出たとき、[末裔トークン]を3体戦場に出す。

 トークン3体という物量のでかさが売りのドローン。旧環境でトークン3体といえば「エムラクールの孵化者(ROE)」だったわけだが、今回出てくるのは落とし子ではなく末裔、比べるべくもない。合計パワーが6とそれだけでも充分な結果であるが、ここから一気にジャンプアップすれば次のターンは10マナでウラモグさんへ直結出来る。3体ものクリーチャーアドバンテージがあるので様々な戦術への貢献度が高く、白と組めば全体増強でフィニッシュ、青と組んでも末裔に修正を与えることが出来るし、黒と組んだらサクって色々と楽しむことが出来る。もちろん、緑単色で組んだとしても、全軍増強の同盟者あたりで手軽なフィニッシャーに。この環境を端的に表すパワーヒッターだ。

 

Broodhunter Wurm 血統絶やしのワーム (3)(G) C

クリーチャー・ワーム

4/3

 エルドラージ環境+ワーム=「ペラッカさん!!!」という黄金の方程式があるために、我々はこの世界のワームに並々ならぬ期待を寄せていたわけだが……なんだこれ。バニラじゃん。4マナじゃん。普通じゃん。「聖鐘の僧団(9ED)」じゃん。はげと一緒じゃん。……納得いきません。こんなんワームちゃう。テキスト欄にフレーバーテキストしか書いてないなんて、そんなの認めない。氷河期の災厄でもない限り認めない。なんか口元のディティールが微妙にペラッカさんに似てるのも腹立つわ。くそっ……まぁ、リミテッドなら普通に……。

 

Call the Scions 末裔の呼び出し (2)(G) C

ソーサリー

欠色

[末裔トークン]を2体戦場に出す。

 素材そのままで直接末裔。3マナソーサリーで1/1が2体ってのはトークン呪文としてはあまり優秀ではないが、その分出てくるトークンが優秀なので我慢しよう。これを使えば次のターンに6マナにジャンプアップが可能なのだから、マナ加速としての性能はかなり高い。マナをストック出来る貯金システムみたいなもんだと考えると、特にデッキタイプを気にせずに適当に放り込んでおいても無駄にならない呪文だ。

 

Earthen Arms 大地の武装 (1)(G) C

ソーサリー

対象のパーマネントの上に+1/+1カウンターを2つ置く。

覚醒4 - (6)(G)

 お手軽ビッグライト。わずか2マナでカウンターを2つも置けるってのはけっこう破格の効果で、在りし日の「旅の準備(ISD)」の猛威を思い出させる。現在でも鼓舞という似たような能力があるわけだが、鼓舞は対象をある程度制限した状態で、鼓舞3のソーサリーが3マナアンコモンなのだ(「隠匿物の防衛(FRF)」)。こちらは2マナのコモンで、対象は選び放題。どれだけ破格の設定かは比べるべくもないだろう。緑をやるなら是非とも確保したいかなりの鬼呪文。加えて覚醒モードまで持ち合わせており、ご丁寧にカウンターを置く対象は「パーマネント」なんだよね。別な覚醒土地を育ててもいいし、これで生み出す土地クリーチャーを6/6で爆誕させてもいい。また、世にも珍しい「クリーチャー以外に+1/+1カウンターを置けるカード」なので、例えば下の環境で「墨蛾の生息地(MBS)」にカウンターを乗せておく、あんてアクロバティックなことも。これは台風の目。

 

Eyeless Watcher 目無しの見張り (3)(G) C

クリーチャー・エルドラージ、ドローン

1/1 欠色

〜が戦場に出たとき、[末裔トークン]を2体戦場に出す。

 わざわざ「目無し」っていうけど、大抵のエルドラージって目は無いよね。「目もないのに見張りってどういうことやねん」っていう突っ込み待ちの名前なんだろうか。よく分からないけども、上にあった「末裔の呼び出し」を1マナ重くしたらおまけで1/1が付いてきたよ、っていうカード。正直、トークン2体も1/1だからその横に特に能力のない1/1がついてきてもあまりうれしくはないのだが……まぁ、選択肢は多い方がいい。コモンにこの2枚が連なっていることにより、ドラフト時によっぽど運が悪くない限りは安定したトークン生産を見込めるということだ。あと、一応187能力なので墓地から回収して使い回したり、バウンスで使い回す選択肢もある。やっぱり「従順な復活」を使えってことなのかしら。

 

Giant Mantis 大カマキリ (3)(G) C

クリーチャー・昆虫

2/4 到達

 この世界の蜘蛛は蜘蛛じゃなくてカマキリです。うん、まぁ、緑からしたら必須クリーチャーだからね、助かるよね。……いや、あの……多分、みんな感じてることだとは思うんだけども……「カマキリなら飛べよ」。

 

Infuse with the Elements 大自然の注入 (3)(G) U

インスタント

収斂 - 対象のクリーチャーに+1/+1カウンターをX個置く。Xは、〜を唱えるために支払われたマナの色数である。そのクリーチャーはターン終了時までトランプルを得る。

 緑の収斂呪文の割り当てはコモン1,アンコ1。コモンに2枚あった青よりは遭遇率は低いが、それでもリミテッドで影響を与える要素にはなっている。そして、単体での性能が微妙だった青の収斂に比べると、こちらはしっかり強い。2色デッキで使っても「龍麟の加護(KTK)」くらいの仕事はしてくれるし、きっちり収斂用にマナを広げておけば、なんと脅威のカウンター4つ。あの「ドロモカの贈り物」に並ぶ超絶性能に、トランプルまでおまけ。これは強い。これなら1枚のために他の色マナを入れておこうかな、という気にもさせる。収斂はあまりリミテッドに影響を与えないギミックであり、ぶっちゃけマナサポートもそんなに多くはない。だからこそみんな狙いにはいかないわけで、その隙をついてこの呪文が2枚以上集まれば、収斂ぶっぱの大チャンスだ。

 

Jaddi Offshoot ジャディの横枝 (G) U

クリーチャー・植物

0/3 防衛

上陸 - あなたは1点のライフを得る。

 壁。ほぼ「木の壁(10ED)」。そこに上陸によるささやかなライフゲイン機能が付いただけで、まさかのアンコモン認定。……さすがにそれはちょっと……。緑はこれと「カザンドゥへの撤退」の2枚でライフを得ることが出来るが、流石にアンコモン2枚だけでは黒のライフゲイン誘発と絡めるのは無理だろう。つまり、この壁は純粋に「ちょっとライフが増えるかもしれないだけの壁」だ。それでも、1ターン目に出てくる嚥下ドローンが止められるとか、速いデッキ相手に緑が必死に時間を稼ぐ時間を与えてくれる可能性はなくもない。1マナってことは、それだけ上陸の恩恵を受けるチャンスが多いってことでもあるからな! ……まぁ、出来れば入らないデッキを組みたいもんです。

 

Lifespring Druid 生命湧きのドルイド (2)(G) C

クリーチャー・エルフ、ドルイド

2/1

(T):あなたのマナ・プールに好きな色のマナを1点加える。

 エルドラージ環境、デカブツをいっぱい出さなきゃいけない世界。そりゃもう、マナ本舗の緑はさぞかし気合いを入れて準備をしてるはずですよ。……残念! 3マナです! いませんよ! 「エルフの神秘家」に代わる新たな1マナエルフなんて! いません!!! これが現実!! ……まー、確認したら旧エルドラージ環境もコモンにマナエルフはいなかったわ(アンコに「ジョラーガの樹語り(ROE)」がいるだけ)。緑だけ贔屓はしませんよ、ってことか。序盤からのマナ加速が毎回出来るなんて思うなってことか。しかし、これで今後のスタンダード環境には1マナのマナクリーチャーがいなくなるんやな……(一応「名誉ある教主(ORI)」はいるけども)。まぁ、そうした構築レベルの要請を考えなければ、好きなマナを出せる「葉光らせ」が3マナなのは妥当。マナ加速になるし、さらに収斂用の多色サポートも。いつの世だってマナエルフが弱いわけないんです。

 

Murasa Ranger ムラーサのレインジャー (3)(G) U

クリーチャー・人間、戦士

3/3

上陸 - あなたは(3)(G)を支払っても良い。そうしたなら、〜の上に+1/+1カウンターを2つ置く。

 アンコモンに用意された追加コスト系上陸。赤のこの枠はトークンを生み出していたが、緑は自らの成長にマナを注ぐ。「撤退」シリーズなんかを見ると、上陸ってのは未踏の大地へと開拓を進めるイメージな気がするので、この人はアドベンチャーの過程でレベルアップしてるってことなんだろう。スタート時点で4マナ3/3はけっして悪くないステータスで、そこから5/5、7/7と膨れあがっていく。そのためのコストは安くはないが、5ターン目に5/5で殴れるならば充分払う価値はあるだろう。イメージとしては、自己完結した「信条の戦士(THS)」みたいな感じじゃなかろうか。一点豪華主義ではあるが、一度サイズアップしてしまえば黒除去でも対処出来るカードが限られてくる。エルドラージなんか無くたって、人間だけでもサイズで蹂躙できるってところを見せてやれ。

 

Natural Connection 自然の繋がり (2)(G) C

インスタント

あなたのライブラリから基本土地・カードを1枚探し、それをタップ状態で戦場に出す。その後、あなたのライブラリを切り直す。

 インスタントになった「不屈の自然(M12)」。なるほど上陸能力との兼ね合いを考えればこれはコンバットトリックにも転用出来るわけで、インスタントにするというアイディアは面白い。なんでこれまでこういうカードが無かったんだろう、と思ったら、旧ゼンディカーではこの枠が「砕土(ZEN)」だったんだよね。うむ、上陸だけを考えるならあっちの方がさらに強いな。まぁ、流石にあそこまでの爆発力はまずかろう、ってことでちょい調整気味のこのカードが作られたわけだ。調整されたといっても、決して弱いわけではない。マナを伸ばす意味はいつだってあるわけだし、好きなタイミングで土地が出せるとなれば上陸デッキも多少は柔軟性を増すだろう。もちろん収斂方向に伸ばすための色マナのフォローにも。ゼンディカーの地を踏破したいなら、やっぱり押さえておくべきカードだ。


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「赤髪の白雪姫」 6→5

 点数下げてますけど、別に嫌いじゃない。いや、むしろ好きだった部類の作品。ただ、あまりにもベタで、「これ知ってる」と言われたら返す言葉もないようなストレートな作品であるため、なかなか積極的に押し出せないのですよね。

 「白雪姫」の名を冠してはいるが、その中身は紛う事なきシンデレラストーリー。一介の町娘でしかなかった白雪が、たまたま王子様と出会ってしまい、面相も気立ても良かったもんだからそのまま寵愛を受けてのし上がっていくという、女性の夢と希望が詰まった都合の良いストーリー。古今東西、何千何百と作られ続けているテンプレ話の新たな一本である。

 もちろん、それが悪いことだとは全く思わない。ベタにはベタの良さがあり、憧れを持って見る正規の読者層にはこの上なくハマれる物語になっているだろう。また、こうしたシンデレラストーリーってのはどうしても「女性にとって都合のいい」話になることが多く、例えば「オオカミ少女と黒王子」とか「好きっていいなよ。」とか、男目線から見てると「こんな男いねぇよ」とか「このバカップルは何を言ってるんだ?」みたいな展開が続いてイライラさせられることもままあるのだが、この作品は少なくともイライラさせられることが一切無い。白雪もゼンもまっとうに恋愛して、まっとうに人生に励んでいるキャラクターなので、応援したいという気持ちこそ起こるが、そこに苛立ちや嫉妬は湧いてこない。もう「若者たち頑張れ」と応援したくなるカップルである。まー、ぶっちゃけると白雪の性格ってのが男にとっても都合のいい「理想のお姫様」だからなのかもしれないけども……この辺は「それせか」のニケ・リビカップルに通じるものがあるかもしれません。

 こうして「なんか応援したくなるカップルがいて、その2人が恵まれた環境と、恵まれた才能から順調に愛情を育んでいく」という恵まれた者たちのお話。まー、王子様が出てきてる時点でそうなるのは分かってるんだから。あとは末永く爆発すればいいと思うよ。2期目も決まっているらしいので、またしばらくはこの2人の至極まっとうで初心ないちゃいちゃを楽しむことが出来るでしょう。

 個人的には安藤真裕の監督作品ってことで映像面での際だちを期待していた部分があったのだが、残念ながら今作はそうした画面上での際だちはあまり見られなかった。まー、変にかき回してもこのベタベタな良さが失われてしまうし、原作の雰囲気を損なわないよう、ソフトに映像化してくれたのだと思う。これはこれで正しい方向性だったのだろう。ファンとしては物足りない部分はあったのだが、そんなに毎回吹っ切れる必要も無いしね。安定した映像クオリティでこのまま2シーズン目も継続して欲しいもんです。

 中の人については「はやみんマジお姫様」という一言で終わる。勝ち気なはやみんボイスも堪能出来るので、白雪はマジでよく出来たヒロイン。

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「六花の勇者」 6→8

 無事に、放送終了後に原作を買ってとりあえず1巻は読み終わったので、アニメ感想をまとめていこうと思います。毎回の感想を見てれば分かるだろうが、今期一番楽しんでた作品なのは間違いないですわ。

 今作を視聴していて一番驚いたことは、作品そのものではなく、回りの感想の声などで漏れ聞こえてくる見当はずれな不満である。「いつまで内輪もめしてるんだ」とか、「ずっとこのままダラダラしゃべるのか」とか……いや、違うだろ。ミステリってのは、その「揉めてしゃべってる間」が真骨頂なんだっての。なんや、現代の若者はちょっと推理するだけでも人の話を聞く集中力がないんか。こういう部分に楽しみを感じない人間がいるっていうことを改めて思い知らされると、ミステリってのも結局はニッチなジャンルなのかと不安になってしまう。いや、実際そうなんだろうけどさ。

 「単にしゃべっている」だけでなく、その会話劇をどうやって「真に迫ったもの」にしていくか、会話だけで終わらせずに合間にどのような展開を挟んでいくか、そうしたシナリオの妙、演出の妙をしっかりと見られるようになれば、今作は俄然楽しくなってくる。そして、たっぷり1クール使ってたった1つの謎について描いてくれるという丁寧さ。中心となるテーマが分かりやすいのでどの部分に気をつけて見れば良いかも分かりやすいし、作劇するスタッフもそのあたりはちゃんと心得て、「衝撃の結末」に向かう山の作り方も手慣れたものだ。ミステリ劇の良いところは、最後に用意されている「解決編」というクライマックスが誰の目にも明らかで、そこに高揚感を覚えない人間はいないということだろう。そして、今作はこの「解決編」への尺の取り方が絶妙で、1クール作品のラスト1話に全てを集約させる事に成功している。11話準備して、ラスト1話で全ての開放。こんなに気持ちの良い作り込みは、現代アニメでは見たことがありません(ある意味、近いけど似て非なる構成になっていたのは「BLOOD-C」かも)。

 もちろん、「ミステリとして見たときの質」については色々と議論のあるところで、犯人の動きが不自然であるとか、いくらなんでも後付けが過ぎるとか、厳密性を突き詰めたら穴が多いのは事実かもしれない。もっと頭を固くして「限定ガー、伏線ガー」と言ってる時代だったら、私も色々と噛み付くポイントは多かっただろう。しかし、本作はガッチガチのミステリアニメと銘打っているわけではなく、あくまでも「人狼」程度の要素でファンタジー作品との接続を果たしているのだ。確かにご都合主義的なところはありながら、それはこの世界に生きるアドレットたちにとって充分な謎であり、論理であった。そして、それを我々視聴者も納得できる最低限のマナーは守ったシナリオになっていたと思う。そして、「人狼」にもとめられるのは細かい論理よりも疑心暗鬼で互いにせめぎ合うキャラクターの心理描写の方なのである。その点、この作品における人間関係の構築は本当に見事で、探偵役のアドレットを中心に、不穏分子のフレミーの使い方なんかが非常に「納得できる」人間ドラマに繋がっているのである。こういう、「どう考えてもトンデモ要素なのに、どこか人間味を残して共感を導くキャラ造形」は山形石雄の上手いところなんだと思う。「戦う司書」におけるモッカニアのドラマとかオリビア=リットレットのドラマなんて、理不尽極まりないと思うのにどこか引っかかる見せ方が気に入ってるんだ。

 そして、こうした人間ドラマの組み立てを見る上で避けて通れないのは高橋丈夫というクリエイターの手腕である。彼の作品を評する時には毎度毎度書いていることなのだが、本当に「人と人の距離」を描くのが上手い作家で、些細な画面の作り方から、絶妙な体温を導き出してくれる。「狼と香辛料」で惚れてからというもの、高橋監督のこういう特性を活かせる作品がなかなか登場しなかったのはもどかしかったのだが、この作品で、ようやくズドンとハマる作品に巡り会えたように思う。「狼と香辛料」におけるホロとロレンスの言外での心の交流、そして今作におけるアドレットとフレミーの歩み寄り(あとナッシェタニアとゴルドフのすれ違いとかも)。そういうものが、言葉でなく画で描けるクリエイターというのは本当に貴重。「疑心暗鬼の人狼劇」という設定の中で、そうした貴重なスキルが余すことなく活かされていたのではなかろうか。もちろん、最後まで秀麗な背景美術で見せ、要所のアクションシーンをびしっと締めてくれた作画スタッフの頑張りにも感謝。製作スタジオのパッショーネは、これでようやく胸を張って紹介できる看板作品が出来たことになる。

 視聴後原作を読んで驚いたのは、想像以上に「原作通り」にことが進行していたということ。まるで原作の時点でアニメ脚本にすることを想定していたかのようで、普通ならもっと説明臭く長引いてしまうはずの解決編が、原作でもサラッと短いページで終わっている。アニメの最終話にぴったりはまり、それが過不足無く読者に理解されるように構成されている。これが偶然なのか、はたまた作者の狙い通りなのかは分からないが、まるで誂えたように「アニメにハマる」ミステリ脚本だったというのは嬉しい偶然である。この後も同じような展開だと素晴らしいのだけども……とりあえず、原作の続きを読んでいきたいと思います。

 最後はやっぱり中の人。今作はほぼ7人だけで回すという、舞台演劇のような密度の濃い掛け合いが見もの。もう、7人全員が素晴らしいとだけ。あー、でもやっぱり2大ヒロインかな。ぴかしゃとあおちゃん、本当に素晴らしい仕事をありがとう。そして「おばちゃん」役を見事に果たしたサトリナ、ここから新境地が見えてきそう。

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「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」 5→6

 実は好きでした。馬鹿も通せば男伊達。これくらいはっきりと「自分にしかない魅力」をアピール出来るなら、ラノベアニメも観ていて退屈しないんだけどなぁ。

 合う合わないが割とはっきり出る作品だったんですかね。新番チェックの時にも書いたけど、この作品に何か真面目にやろうとしている部分が(もし)あるならばそれはあまり見るに値しない。「もしも日本という国から下ネタが排斥されたら?」というifの世界を描いているわけだが、あまりに荒唐無稽でそうした問題に対するメッセージ性は感じられないし、世界設定も穴だらけで「真面目な問題を取り扱う」舞台としてはあまりにも貧相である。ただ、そういう見方はしない作品だよね。このアニメを観て「雪原の青があれだけ警察の前に姿を現しているのに全然捕まらないのはおかしい!」とか目くじらを立てる人間はいないでしょ。つまり、下ネタテロとか、性教育のイデオロギーとか、そういうものはあくまで「下ネタを投げ散らかして遊ぶための舞台設定」でしかないんですよ。「この世界、この状況なら下ネタを言ってもいいんだ」っていう、野郎だらけの酒飲みの2次会みたいな状況設定が与えられれば、それでいいんですよ。

 そうして出来上がった「下ネタワンダーランド」だと見れば、こんなにも馬鹿馬鹿しく、活き活きしてる作品もなかなか無いんじゃなかろうか。もちろん、単なる「エロ」アニメってのは昨今では溢れかえっているけど、今作はそれだけじゃないんだ。女の子がおっぱいや尻を晒すだけではない。野郎の尻にも容赦無くスタンガンは突っ込まれるし、胸にローターを仕込んだ女性に陵辱されて貞操の危機を迎えるのも男。真の男女平等がここにはある。下ネタを振りかざすのは何も男ばかりじゃないんやで。女性だって、こうして下世話なアニメで笑ったっていいじゃないの。そう、これは「エロを見るアニメ」ではなく「下ネタを笑うアニメ」なのだ。そこに徹底的にスポットを絞り、隙あらば隠語をぶち込んで一切の「間」を排除。シナリオの要請上どうしてもシリアスになる必要があるシーンでも、そこに性的なモチーフを強引にぶっ込んで茶化すのである。性的なシンボライズがこうした漫画・アニメで研ぎ澄まされていくのは、日本の漫画文化に古くから根ざしていたもの。それがようやく、ラノベ文化にも届いたということなのかもしれない。

 まぁ、そんなわけで「華城先輩は毎回元気で素晴らしいなぁ」と思いながら、「アンナ先輩の汁気の多さは本当に中の人まんまだなぁ」と思いながら堪能させて頂きました。やっぱり私は藤井昌宏氏のキャラクターが好きなんだな。毎回映像面でも尖ったものを見せてくれていたと思うが(まぁ、半分以上が修正で見えなかった気もするが……)、どれだけ酷いシチュエーションでも愛嬌を忘れず、萌えのラインを守っていたデザイン性は秀逸だったと思います。早乙女先輩のレロレロとか、エロアニメ以外ではなかなか見られない映像でしたし。「真面目に不真面目」って、大事なことよね。

 そして、個人的にこんだけ楽しめたのってやっぱり中の人フィーバーがでかいわけでね。MVPは華城先輩役の石上静香にあげたいところだが、それを上回る完璧な狂気、早く元気になって下さい松来さん。今作はアンナ先輩のためにあった作品だと言っても過言ではないですよ。彼女の活躍がずっと見ていたかったです。その他にも早乙女先輩役の新井里美の盤石さ、毒を塗ったナイフのように確実に内蔵をえぐってくる不破さん役の後藤(弱)さん。やっぱりこんな役ばっかり、成田剣。ほんとにみんな楽しそうでなによりです。脇で見ていた小倉唯も良い勉強になったんじゃないでしょうかね(そうか?)。

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「境界のRINNE」 5→6

 祝! 続編決定! いや、最初から分割だろうけどね! 来年もRINNEが見られるよ!!

 あえての加点である。だって、好きなんだもん。この平熱ギャグが。いいじゃない、土曜日の夕方にこういうヌルッとした空気が流れる安心感ってのはまた格別だよ。おっちゃんくらいの歳になるとな、アニメ見るのも疲れるねん。「監獄学園」みたいなアニメもそりゃ面白いけど、そればっかりだと胃にもたれるねん。軽くサラサラッといけるお茶漬けみたいなアニメがほしいねん。いや、だったら週に40本もアニメ観なきゃいいやんけ、って話なんだけどね。それとこれは話が別なの。とにかく、ボーッと見てても問題無くて、それでいて満足感が得られる作品がほしいの。

 今作については、「古い」「寒い」などの意見も漏れ聞こえることもありますが、「古い」はしょうがないだろ。だって高橋留美子なんだから。どう考えても新しくはならねぇよ。でも、考えてみなさいよ、「新しい」を求め続けた結果、今のアニメの何本が正当に評価出来る「新しさ」を持ち合わせているというのだね。作品の面白さには新規さばかりが必要ではないのだよ。「何となく得られる安心感」だって、アニメの良さとして認められてもいいじゃない。「寒い」っていう意見については……しらん。ギャグの合う合わないなんて理由は分からんしな。俺だってこのアニメ見て毎週大爆笑してたわけじゃねぇよ。多分そんなに笑ってねぇよ。でもいいんだよ、真宮桜とりんねの夫婦漫才をのんびり見て、そこに十文字のお約束芸をはさみ、アゲハのテンション芸を満喫する。それでいいじゃない。とても幸いなことに、今作は映像面についての低品質化が起こらなかったんだ。別に毎回毎回目の覚めるような映像技術を見せるなんてことは無いわけだが、ず〜〜〜〜っと平熱のまま、必要充分な映像クオリティが維持され続けた。そして、それはキャラの可愛さなり、おかしさなりに繋がっているのだ。このNHKアニメの安心感。素晴らしい。ご丁寧に分割で放送クールを分けて品質維持に気を遣ってくれてるんだぜ。ありがたい話だ。

 中の人の配置も完璧よね。序盤はずっと井上麻里奈・石川界人の漫才だけで見てられたが、増えるキャラクターがいちいち賑やか。親父役が勝平ちゃんってのは「留美子補正やんけ!」って思ったけど、ちゃんとベストポジションで配置されてる感があるんだよな。他にもりえしょんとかいず様とか、そのあたりのヒロイン勢が良い味わい。

 半年後を心待ちにしています。

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「乱歩奇譚 Game of Laplace」 6→4

 オリジナルものを担当した時の岸誠二の法則。……うーん、うーん。

 画面はすごく良かったですよね。キャラのメリハリははっきりしてたし、サイケな画面造りも個性が際だっていて、舞台を意識した独特の進行様式も見た目に新鮮だった。もちろん、単に見た目の珍しさを引き出す目的だけでなく、例えば小林少年の認識の状態を表示したり、登場人物が多くなっては面倒な推理ものにおいて、どこまでが「関係者」であるかを示すサインとして用いたり、単に飾り立てるだけの演出で終わっていない。そうしたチャレンジングな画作り、構成については、流石に最先端を突っ走るノイタミナ作品だなぁ、という感心はある。

 でも……圧倒的にチープな内容だったんだよなぁ……。これ、乱歩じゃないよね。いや、乱歩ってのはこういうものなのだと認識されてるのかな? 確かに子供向け作品の印象も強いし、目先のエログロみたいな部分に注目が集まるのも分からないではないが、そこだけを掬い取ってアニメの土台にするのは駄目でしょ。そこだけを取り出すなら、わざわざ乱歩の名前を表する意味が無いんだ。乱歩をやります、というのなら、もっとあのじっとりとした湿気が欲しいし、どこか底抜けな明るさから導き出される狂気じみた空気が欲しいんだ。常人では理解の及ばないような、本当の暗さが見たいんだ。単にキチガイが出てくればそれでいいってわけじゃない。

 「Game of Laplace」という副題が示すように、物語の後半はナミコシと明智が「数式」を巡ってあれこれと対決する姿が描かれるわけだが、この「数式」の概念のご都合主義は作品作りをする上で致命的。運命論を主軸に置いて、何のドラマが広がるものか。いや、上手く書けばいくらでも広げようはあるのかもしれないが、本作における数式、そしてナミコシの存在はいわば神の道具立てであり、そこに人の情念も感じなければ世間の難しさも見受けられない。ドラえもんの秘密道具よりもあっさりと、無味乾燥な「運命」が押しつけられるだけである。妹のために殺人鬼に身をやつしたカガミ警視も、地下の牢獄で失禁する黒蜥蜴も、みんなみんな数式の下で任務を果たすだけの道具でしかないと言われては、そこに感じ入ることは出来ないだろうし、現実味の無さにどうしようもない距離を感じてしまうのも仕方ない。奇人変人だらけの世界観にしても、どこかに世界を規定するニュートラルが存在してこそ際だつもの。全部が全部おかしかったら、もう、それがおかしいのかどうかも分からないのだ。なんだか、「乱歩だからこういうものだろ」がすごく残念な方向に曲解されて出来上がった、何とも浅薄な作品世界であった。

 まー、以前の「UN-GO」と比べて大してかわらんだろ、と言われるとひょっとしたらそうなのかもしれないが……安吾の方が知識が乏しいから気にならなかったのか、あの世界がそこそこ納得できるものだったのか。いや、違うな、多分「UN-GO」は最低限ミステリの文法に乗せようという意識があったから見られたんじゃないかな。ちゃんと事件があって、捜査があって、解決があったんだ。こっちの作品は、事件はいっぱいあるけど捜査も無ければ解決も無いんだ。何となくそれっぽいことしてたのって最初の「人間椅子」だけで、あれだって本当になおざりだったんだ。1話時点では「まあ、最初の事件だからこの程度かな」とか思ってたが、まさかあれが最後の事件でもあったとは。

 ウーム、勿体ない作品。本作の収穫→高橋李依のショタが可愛い。あと、藤田咲のブチギレ検死官のお仕事も良かったです。作中一番ドキドキしたのって、「このBGMはキューピーに訴えられないのか?!」っていう部分だった気がしますね。

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 解明の時! 最終話! とにかく! すっきり! したかったの!!

 

 

 

 

 

(以下、ネタバレになるので未視聴の方注意です。)

 


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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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