|
最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと」 6→6 1回万策を挟んだので他の作品からちょいと遅れてゴールイン。今作を持って、無事夏クールの番組感想を走り切ることができた。今期執筆された最終感想はなんと怒涛の53本。ここ最近はN話切りの効果もあって40本強くらいで落ち着いていたので、揺り戻しで史上最高値を更新してしまったのは我ながらどうかしてるが、そもそも視聴可能本数71本という数字がおかしかったので、これでも頑張った方なのである(実際の視聴本数は13本切りで58本)。幸いなことに、現時点で今期視聴可能本数を概算したらそんな頭のイカレた数字は出てこなかったので、秋クールはもう少し冷静な取捨選択が可能になるだろう。「目標は週40本未満」をここ数年掲げ続けているが、いつになったら達成できるのか……。 閑話休題、こちらの作品。まぁ、結論としては「モニカちゃん最後まで可愛かった」で終わってしまいそうだが、なろう作品としてはそれなりに新規軸なチート主人公設定を開拓してくれていたことを考えればこの「かわいい」は意外に意義深い。「主人公が陰キャのコミュ障」という設定はそこらじゅうに転がってるはずなのに、何故かクソみたいな男主人公たちは転生すると気が大きくなって名ばかりオタクに成り果ててドヤ顔を振りかざす。それに比べて終始縮こまりっぱなしだったモニカちゃんのなんと謙虚なことか。それでいてきちんと七賢人としての立場も忘れず、ノブレスオブリージュではないかもしれないが、きちんと「持てる者としての責任」を果たしてくれていた。まぁ、本人からしたら「山小屋帰りたい゛い゛い゛」だったとは思うが、ちゃんとキャラのラインを守った上でお話が進んだのでそれだけでも他作品との差別化はできていただろう。 そうして紡がれる「コミュ障チート」というヘンテコジャンルを綺麗に彩ってくれたのがStudio五組の功績。1回休止は挟んでしまったが、その甲斐あってか(?)最後まで画面はずっとハイクオリティなままで、やはり一番の売りであるモニカの表情や仕草が全部可愛くかけていたのは評価せねばなるまい。魔法のエフェクトやらなんやらは多少こけおどしの感はあったものの、別にその辺を仔細に描き込むことが求められる作品でもあるまい。豪奢な学園の中での「貴族と魔法使いの日常」のどこかふざけたような雰囲気が出ているだけで充分だ。 あとはまぁ、会沢紗弥の躍進がやっぱりすごいな、というのが最後のお話。この子の「かわいい異音」という異次元の発声(発音?)はもはや一芸と呼べるレベルで。こんなところから技術が突き抜ける若手っての珍しいよなぁ。この度めでたく大沢事務所の所属になったんですよ。ほんと、大沢は単体で無双できるタイプの体幹の強い役者をどんどん囲い込んでいて、声優業界の虎の穴にでもなろうとしているのか……。 PR 「ウィッチウォッチ」 6→6 日曜夕方に2クールの放送、そしてさらに2期も決定。これこそが恵まれたジャンプ漫画のポジション。 後から適当に理由をつけてみると、日曜夕方の時間枠って、これくらいの作品がちょうどいいんじゃないかって気がする。シリアス要素も思い出したように入るけど基本的には1話完結できるショートギャグの連続。ジャンプの代表的なところでいうなら「銀魂」に近いスタイル。これなら気が向いた時だけ観てもそこまで問題はないし、テレビの前で気合い入れて構える必要もない(世の中の人間がいちいち気合いを入れてアニメを観ている前提)。もちろん深夜にやっても問題ない作品だったとは思うが、この枠に入って需要があるジャンプ作品って、そういうスタンスが良かったんだと思う。最終的には期待された以上の成果が得られたんじゃなかろうか。 もちろん映像クオリティの高さは評価の対象。特に今作は原作漫画からして「漫画」という媒体の強みをフル活用したネタ回しが特徴なので、それをアニメに落とし込むのって相当大変だったとは思うが、そこを可能にするのがバイブリーの底力。2クールの長丁場をよくもまぁ走り切れたもんだ。 他に何か触れることがあるかな……そうそう、中の人の贅沢さが頭抜けてましたね。そんな中でも印象的な仕事だったのはやっぱりニコ役の川口莉奈。割とクセがある声質で、下手したらどこかで浮いてしまう危うさも孕んでいると思うんだけど、ニコは役の性質も上手くハマっていたし、いい具合に取り込んで初の大役を見事にこなしてくれていた。ニコのキャラがあってこその作品だし、周りの男どもがサポーターとしてしっかり仕事がこなせる「センター」が機能したことで統制が取れた部分もあるんじゃなかろうか。 2期でもっと騒々しくなるといいですな。
「瑠璃の宝石」 7→8 かくも美しき有様を、宝石となむいひける。 やはり別格だったという評価になりますね。映像制作のスタジオバインドの仕事ぶりがあまりに完璧すぎて、本当に「宝石」のような美しさがここまでアニメの画面に乗るものかと惚れ惚れしてしまった。毎回引き込まれるような風景描写と丁寧な「石」の見せ方は、本作に関わった誰しもが望んだ最上級のものであった。 そして、実はこの評価はバインド作品の中でも最上級のものである。過去作だと「おにまい」に7点をつけていて、藤井慎吾氏というこだわりのクリエイターの影響が共通しているものの、さらにそこから突き抜けたのはやはり今作ならではのテーマ設定が刺さってしまったから。いやぁ、マジで「鉱物採掘」なんてこのアニメを観る前は1ミリも興味は無かったし、な〜んも知らん状態だったけど、そんなまっさらな状態だったことが逆に奏功したんでしょうね。入ってくる情報がいちいち新鮮だし、丁寧な豆知識の出し方もちょうど面白いと思えるところで出してくれる。これは原作のこだわりがそのままアニメにも反映された部分が大きいのだとは思うが、一見して「地味だな」と分かる題材なのに、それを臆することなく、まっすぐな表現で提出したアニメスタッフの判断も評価するべきだろう。 振り返ってみれば別にドラマとしては大したことしてないんですよ。それこそガワだけ見たら「おっさんの趣味を女子高生にやらせる」やつだし、なんならWikiを見たら「女の子をメインにした方がたくさんの人に楽しんでもらえると思って」というストレートな作者コメントもある。女子高生ホビーものであるという事実は何も否定する必要はない。要は誰が主人公であろうとも、いかに本質的に興味が持てそうな情報を提供できるか。主人公・瑠璃の存在は、むしろJK要素なんかよりも「何も知らん素人」要素の方が大きく、おっちゃんは瑠璃と一緒にいちから鉱石について学ぶことが出来たのがとても嬉しかったし、おかげで今後は少し世界の見え方が変わった気がしたのです。ここまでの求心力を発揮するために、やはり映像美の力というのは大きかった。 また、各話感想でも再三触れていたが、今作は「鉱石への興味」を刺激するだけでなく、「学術的研究の価値」というものを訴える作品でもある。何とも地味な分野であり、その有用性を世人が感じ取るのは難しい世界だったが、おそらく世の中の学問なんて素人から見たら大半が似たようなもんである。今作を通じて「学びとは人類が行える最大の娯楽であり、進歩のための方策なのだ」ということが伝われば、今後どこか全く関係ない分野にだって刺激を与えられるかもしれない。 ぜひとも、小中学校とかで理科の時間には今作を視聴する時間をとっていただきたい。え? 思春期男子に今作はまずいんじゃないかって? …………保健体育と合同授業ということで。 「Summer Pockets」 4→5 まずもっていつも通りに謝らなきゃいけないのだが、だいぶ序盤から適当にしか観てませんでした。ほんならなんで最終回まで辿り着いて感想まで書いてんねん、という話になるわけだが、その辺の言い訳をまとめて最終評価としておこう。 前提として、ギャルゲアニメに苦手意識があるという部分はいつも通り。今作も最序盤での台詞回しの薄ら寒さとか、細切れになったルート取りを見てさっさと見切りをつけようかとすら思っていた。個人的には、ギャルゲアニメの「同じ時間軸をループして個別ヒロインのルートを再攻略していく」っていう構造は、それ自体はなかなかの発明だとは思いつつも、やっぱりシリーズアニメとして見るのは億劫だな、という気持ちがある。一本筋の通ったアニメですら1クール2クールで描くのは大変なのだから、毛細血管のように枝分かれしたすべての枝葉末節を追う行為にあまり意味を感じない。 今作も、1クール目の構造がそういう形だったからかなり序盤から適当な流れに。ただ、切るかどうか悩んでたタイミングでしろはパートが回ってきて、「まぁ、小原好美ヒロインのパートくらいは見てからにするか」ってんで視聴を続けていたら、そこから様子が違うぞ、という流れに入ったのである。最初に処理していたのは本当に「脇道」であり、2クール目を丸々費やして進めたお話こそが「本筋」。そこを描く前に舞台をなだらかにするためのパートが1クール目だったことが分かり、「もう、そういうことなら先に言ってよ!」と思った次第である(んな無茶な)。 まぁ、おかげで「本編」と言えるしろは・うみのエピソードをがっつりやってもらったのに「いまひとつ着いていけねぇ……」という状態になってしまったのは自己責任であり、そこに申し訳なさを覚えつつもせめてもの罪滅ぼしで最後まで視聴。「マジで雰囲気でしか見てなかったけど……なんかこう、いい雰囲気だったな……」というアニメ視聴者にあるまじき結論でフィニッシュした。まぁほら、「小原好美ヒロインがほんとにいろんな表情を見せてくれるの最高だろ」という私にとって一番大事な部分は捕捉できたからさ。 こんな事情を説明した後には何を書こうが虚しいだけだが、一応他の要素もお情け程度にサポートしておくと、映像部分の完成度はそれなりに高く、最後まで映像品質が保たれていたのは良かった部分だろう。鍵作品というと京アニやらP.A.やらと恐ろしくスタジオに恵まれる傾向にあるが、今作はfeel.の制作。最近のfeel.は地味に「高め安定」のスタジオ傾向にあるのでちょっと認識を改めたい。また、「全体的な雰囲気はなんだかなぁ」という入りではあったが、タイトルに冠した「夏」という要素に徹底した雰囲気作りは、純粋に良きものだと思った。やっぱり誰にだって「夏の思い出」ってあるわけじゃないですか。「夏休み」って幸せの象徴じゃないですか。無限の夏を続けた今作は、そこかしこに「夏」の情景を連ね、ノスタルジーを掻き立ててくれていた。この通底したイメージが2クールという尺をブレることなく支える基盤になっていたんじゃないかと思っている。画面にしっかり味わいを覚えるというなら、アニメにした意味もあったんだろう。 いろんなところに、お疲れ様。 「鬼人幻燈抄」 6→5 なんとも珍奇な作品であった。結局途中で集中力が切れてしまったことで評価をあんまり上げることはできなかったが、作品とはあんまり関係ない要素でつまづいてる部分もあるのでちょっと申し訳ない。 減点されるような不満点があるとしたら大きく2点。1つはほんとにどうしようもないことだが、やはり2クールの長丁場を付き合った果てに結末に辿り着けないこと。こんな尺では全然足りないくらいの内容があるようなのでハナから完結など想定されなかったわけだが、1話目で高評価をつけたのはやっぱり甚太とうえしゃま、もとい鈴音さんの関係性に刺激を受けてのものなので、お話が中盤以降に鈴音さんと何の関係もなくなっちゃったのは期待はずれではある。甚太の生き様そのものにオリジンの影響はあるわけだが、そこだけではちょっとモチベとしては物足りないのですよ。ただまぁ、これはアニメとしてはどうしようもないところなので「申し訳ない」と思っている。 もう1点は、映像部分での特筆すべきものがなかった点。正直、横ラボにしちゃ頑張ってくれたとは思っているのだが、それはあくまで同社の他作品と比較しての相対評価でしかない。バトルにしろ飛び越える時代設定にしろ、色々と映像で魅せられる要素は多かった気がするのだが、残念ながら「画で評価する作品」にはならなかった。非常に地味な画で、結構とんでもない筋立てを描いているというギャップがすごくもったいないとは思ってしまったので、やはり点数は上げるより下げる形になってしまった。 とはいえ、筋立ての大きさそのものはストレートに今作の魅力だったとは思う。タイムリープやタイムスリップを(極力)使わず、甚太という鬼の人生を一本の経糸に通すことで力技で「時間の超越」を可能とした筋立て。最初に時代を飛んだ時には「何が起こってんだよ」と戸惑ったものだが、臆面もなく時代を飛び越え、大胆にシャッフルしながら悠久の時を紡いでいくシステムはなかなかに魅力的だったし、作品の独自色になっていた。惜しむらくは、このシャッフルは「ゴールが見える」からこそ飛び飛びでも楽しめるわけで、最後に「ゴール」がない現在のアニメの段階では腰が据わらずに消化不良の感覚にも繋がってしまったということ。できることなら本当に最後にどこに辿り着くのかが確定した上で、この演出を見てみたかったものである。 まぁ、それでも思いの外いろんな切り口で語られる鬼の物語は、1つ1つがきちんとお話として成立していたし、パーツごとの完成度に大きな不満はない。懸念があるとすれば、こんだけの内容だと仮に2期が制作されて数年後に戻ってきたとして、どんだけ覚えてるかって話だ。 「光が死んだ夏」 6→6 個人的に一番嬉しかったのは、ホラーとは言うてたけどそこまで「怖い」に振り切れずに済んだところですね。どんなに傑作になったとしても、怖すぎると観られなくなっちゃうチキンハートなもので。 まぁ、ホラーといっても見せ方、広げ方には色々あるよね、ということが分かるお話。普段おっかなくてホラーに全く触れない私からすると、たまに触れるこういう作品でバリエーションが楽しめるのはありがたい話である。もちろん、「さっぱり怖くもない」というマイナス印象というわけではなくて、ホラーで描きたいものが即物的な怖さだけじゃなく、「そういう下地で描けるヒューマンドラマもたくさんある」ということ。いや、これってすんげぇ当たり前のことなんだけどね。元々「怪談話」って人を驚かせるためだけにあるわけじゃないしね。そんなことは以前熱心に落語を聞いていた俺は知ってたはずなんだけど……すっかり忘れてた感覚。恐怖をベースにしたストーリーラインの奥底に、どうしようもない人の情動が見える、そうして描きたいものがちゃんと出ている作品であれば、「怖さ」を怖がらずに観ることができるのです(よく分かんねぇな)。 「因習村」をベースに今作で描かれるメインテーマはとにかくヨシキとヒカルの間の、友情と言えるかどうかも分からないなんとも奇妙な繋がりである。人ならざるものとの交わりというのはある種の「異種間コミュニケーション」ではあるが、ヨシキの心中には「人であってほしい」という願いも間違いなく存在しているし、すでに亡き者となった本物のヒカルへの執着もある。そんな中で「自己とは何か」を問い続ける不安定な怪異存在との関係性がちょっとずつ積み重なり、新しい「友情」の正しさに思い悩むようになる。中心となる要素がとにかくガチガチに固められているため、これだけの尺でもじわじわと前に進んでいる要素を固唾を飲んで見守るしかない。そりゃ2期が決定してほっとしましたよ。ここで終わっていい作品じゃないからね。 ジャパニーズホラーというと、おどろおどろしさ、どこかはっきりしない茫とした雰囲気で怖さを出すことがも多いが、今作を制作するCygamesPicturesはバリバリに現代アニメ技術を使いこなしたシャープな映像を生み出してくる。線のはっきりした映像は一見すると「村」の景色とは食い合わせが悪いようにも見えるが、「意味の分からないもの」をしっかりと意味が分からないままに表現できるのはCG技術の先鋭化の成果。実写取り込みまで多用して作られる「リアルな」村の情景に、ゴリゴリのCGで展開される怪異のビジュアルは、次第に境界性を失って画面のこちらに侵食してくるかのような錯覚を覚える。それでいてどこまでも嘘くさいところもあって、その現実感と非現実感はやはりアニメの強みだと思える唯一無二の画面だ。こういう使い方もあるものなのかと感心させられましたわ。まだまだ世界は収束する気配がなく、2期以降ではこの情景がどんなふうに様変わりしていくのか、今から楽しみである。 「おそ松さん(第4期)」 ―→3 もう……いいんじゃないかな……。 確認しておくが、私は今作1期は大好きだった勢だ。よくもまぁこんなネタを、と感心もしたし、大胆なリメイクに踏み切った度胸も評価していた。キャラものとして古代の文明を掘り起こし、大成功を生み出した功績は本当に素晴らしかったと思っている。ただな、やっぱりそれって劇薬ではあってな。あんまり続けて接種するもんじゃないし、あれだけの異様なエネルギーをさ、3期も4期も維持できるわけがないんだよ。 「飽きてしまった」と言ってしまえば話は早いのだが、正直言って「今期放送されたエピソードは1期の頃にやられたとしても面白くはなかったのでは……」と思っている。脚本家は変わってないのだからおかしな話だが、おそ松ギャグの真骨頂は今まで誰も踏み込んだことがないような危険な領域にずけずけと踏み込むフロンティアスピリットにあった。自らの足でどんどん開拓していったら、そりゃもう未踏の領域なんてほぼ残らない。もし残っていたとしても、それは「わざわざ足を踏み入れたくない場所」であり、打っても響かぬ残念な顛末が待っているだけである。 もちろん、当たるかどうかは打ってみなけりゃ分からない。だからこそこうして発信し続けることで得られるものも絶対にあるはずだが、流石に期待値が下がり過ぎている。おそらく作り手側もそのことは薄々分かっているからこそ、合間に挟まる「あたしンち」みたいな当たり障りのないエピソードも増えており、「このくらいのぬるま湯でずっとコンテンツを延命して……」みたいな方向性も見え隠れしている。ただ、残念ながらそれではこの作品を生きながらえさせる意味がないのだ。ほんで、生きながらえさせたいならせめて最終話は間に合わせろ。 本当に「なんでやってるか分からない」お話の量が増えてきて、今期はむしろ見てて辛くなった。ネタの密度も維持できないのだろう、テンポが悪くてスカスカの回も多かった。3週に1回くらいクスリと笑える時もあったが、おそらくそれを望んでいるファンは数少ないだろう。役目を終えたのだ、そう思ってあげてほしい。 「気絶勇者と暗殺姫」 5→5 出オチじゃねぇかと思ったけど案外頑張ったシリーズ。いや、別に当初予想された方向性から何かがずれることはなかったのだけれど。 1話目時点で「せいぜい女の子3人のきゃっきゃうふふな殺伐冒険ライフになってくれればそれでいいや」と言ってたら本当にそうなったので「予想も期待もそこそこ裏切らず」というライン。終わってみれば、ガワは全然似てないけど構造的には「帝乃三姉妹」が意外と近かったりする。舞台装置となる無体な設定の野郎キャラを中心に、全然性格が違う3人の女の子たちがくっついたり離れたりでいいように気持ちを揺さぶられるというお話である。一番の違いは帝乃さんちは中心にいる男が「出来ないことが個性」だったのに対し、こちらの勇者は「出来すぎることが個性」であるという部分。とはいえ、お互いに「自覚せずにタラシ属性を見せる」という性質はおんなじなので、結局は舞台装置としてシナリオをさくさく回してくれればそれでOK。そういう意味で勇者トトはこれ以上ないくらいの「装置」っぷりであった。 そして、どちらかというとお話の筋だけで見ればこっちの作品の方が好みかもしれない(作画のレベル差で点数的にはトントン)。3人のヒロインの気持ちの昂りと、それぞれのふれあい方はこの作品の方が刺激が多くて楽しかったからね。比較するとアネモネは損してるポジションな気はするが、シエルちゃんの魔族話は別なテーマにまで橋渡しできそうな、単体でいじりがいのあるエピソードだったし、「ラスボス」を担当したゴアさんのめんどくさいメンタリティが最終的に愛嬌に繋がるのも想定通りに。ここで俺たたして終わる短編シリーズとしてはこれで不満はない。ただまぁ、原作は未完ってことで、この後どうにかして落とし前をつけなきゃいけないわけだが……誰か特定の1人とくっついて終わり、という選択が義務化されてないので色々やりようはありそうだよね。 さぁ、「話しちゃう姫」「死んでる勇者」「ドS催眠嬢」の中で、最初に戻ってくるファンタジー白石晴香は誰になるでしょうね。 「異世界黙示録マイノグーラ」 4→5 なろう作品に歩み寄るための発展的加点。品質としてはギリのところはあったが、印象がプラス方向に向いたことも考慮してここで様子をみよう。いや、続きがアニメ化されるかどうかは分からんが。 先にダメなところから確認しておくと、アニメとしてはそりゃぁダメである。安心のMAHO FILMなので追加説明も必要なかろうが、グダグダの作画にヘロヘロの動画。本人たちは真面目にバトルしてるかもしれないシーンでもギャグに見えてしまったり、典型的な「ハズレなろう」の見た目。今期は(今期も)なろう作品はことごとく切ってきたが、これよりも低空飛行の作品はそこまで多くなかったと信じたいものである。 しかし、そんだけダメダメな様子を確認しておきながら、今作は最後まで視聴するモチベーションが維持されていた。正直、3話か4話あたりで「もう切ってしまおうか……」と何度か思った気がするが、その度に「でも一応シナリオラインで気になることはあるから……」というので継続。そのおかげで最終的には作品の全体像を把握することができたし、この「耐え」については自分を褒めてあげてもいいと思う。その他の耐えられなかったなろう作品の墓前に供えておこう。 「気になる」要素は、前半では端的に言えば「シミュレーションゲームっていう設定にこだわってるよなぁ」という部分であった。確か新番チェックの時には「オバロと設定被りすぎだし、オバロの下位互換にしかならんだろ」と思っていたわけだが、むしろオバロでもやらねぇよ、というぐらいにあけすけに「これはゲーム世界なんですよー」という要素を強調してくる展開。チープなコマンドウィンドウや、どないやねんな選択肢とその反映。むしろそのチープさはわざと強調しているようには見えていたので、「そこから何かやろうとはしてるのかもしれん」というモチベに繋がった。 そうしてたどり着いた「多重ゲーム世界」という設定。これもまぁ、別に本作のとっておきオリジナルって設定ではないと思うが、少なくともアニメ化されたなろうの中では新機軸である。シミュレーションゲームの達人プレイヤーがゲーム世界へ転生し、「これまで培った技術と知識で無双できるぞ!」なアホ設定だと思っていたら、実はこの世界の「シミュレーション」パートは一部でしかなかったという。世界が混ざり合い、まず仕掛けてきたのはRPG陣営。うむ、意味の分からん設定だ。さらに最終話ではイカレ本渡ちゃんが「TRPG」陣営であることも判明し、ここから更なるカオスも予想される。この設定はなるほどちょっと気になる。 また、お約束のように「暗黒」サイドに陣取って厨二病気取っていた主人公(とアトゥちゃん)だったが、そのダークな要素は一応展開にも反映されており、「カマキリの化け物だけどおねーちゃんボイスだからママみ最大」という意味の分からんサブキャラをロストさせることで、視聴者サイドからはどう受け取っていいか分からん状況もそれなりのドラマとして立たせることができた。なるほど「シミュレーションゲームでユニットをあれこれいじってたらそりゃロストもするよな」という納得感もありつつ、そこから「チートだと思っていた要素は決してチートではなかった」という現実の表示にもなる。ここからは、本当に「多重ゲーム」という世界設定をいかに処理していくかの「テンプレ外」の展開になっていくはず。これ以降が面白いなら、もしかしたらこの作品は面白いのかもしれません。 2期があったら当然見てしまうだろうが……なんとか制作スタジオを変える方法とかないですかね? |
ブログ内検索
リンク
最新記事
(11/13)
(11/12)
(11/11)
(11/11)
(11/10)
(11/10)
(11/09)
(11/09)
(11/08)
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
アーカイブ
|

