最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「それでも歩は寄せてくる」 5→4 高木さん・ツバキと続く山本崇一朗三部作のトリを務めた、将棋アニメっぽい顔をしながら将棋は全然重要じゃないアニメ。まぁ、ツバキのくノ一要素だって重要ではないわけだしな……。高木さんはせいぜい頑張ってからかってくれ。 何も悪い所はない。放送開始時から、なんなら放送前から「こういうアニメになるんやろな」って思った通りのアニメだったし、最後までその空気感は変わらずに維持されていた。「先輩は可愛いなぁ」と思えばそれで全てが事足りるし、最終的に距離が近づいた2人を観て「はいはい、爆発爆発」と思ってればそれでいい。 ただ、本当にただそれだけというのも……ねぇ。高木さんには「実は今作で一番やべぇのって西片だよな」という不可解な高木さんへの同情(?)があったし、ツバキにはただひたすら女の子どうしで絡み続けるパライソ状態があった。今作においては……うーん。ほんとに無いんだよなぁ……。もうちょい将棋を深掘りした絡め方があるのかと思ってたんだけど、これ、別に将棋じゃなくてもいいんだ。チェスでも囲碁でもオセロでも、なんならテニスやバドミントンでも成立する話だろう。せっかく将棋という妙なテーマ設定にしたんだから、そこはもうちょっとオリジナルな何かがあれば嬉しかったのだが。でもまぁ、アニメの画面を作るに際して、多分最低限盤上が成立するくらいの気遣いはあったのかな? 映像品質はCloverWorksによる「ツバキ」には流石に敵わないが、高木さんには負けてないくらいのクオリティは維持できていたと思う。周りを固めてる女の子も可愛いといえば可愛かったし、いや本当に「積極的減点」は無いのだけど……環境音楽にするにもなぁ……。たまに羊宮ボイスが聞こえてくるから、それだけでソワソワするんよ。あ、部長役の中村カンナはこれが事実上のデビューみたいなもんだけど、それなりにいい仕事ができたと思うので次につながるといいですね。 個人的に今作における一番のツボは、何故かwikiのページに「将棋の駒一覧」っていう謎の項目があり、しかも何故か金が載ってなかったことです。どういうことぉ?
PR 「Extreme Hearts」 3→4 すげぇ、本当に実体を一切伴わずに1クールアニメとして成立させてしまった。途中からもう、いっそ怖くなったよ。「俺は何を見せられてるんだろう」って思索が哲学の領域に突入しそうなレベル。 点を上げるのもどうなんだろうと思ったのだが、最初に抱いた嫌悪感というか、諦観みたいな感情がどんどん薄れていくのは感じたんだよね。それが「プラスに転じた」ってんじゃなくて、本当にあらゆる感情が「無」になっていく感覚。もう俺にもその実態は分からん。ただもう「この世界はこれでいいんだろうなぁ」と受け流し、豆乳鍋に浮かんできた湯葉だけを掬いあげるように、上澄に出てきた「味がしそうな部分」だけを摘むという行為を、脳が受け入れてしまっていた。もし制作側がこの「無の摂取」という哲学的行為を前提として今作を作り上げたのだとしたら、それはそれで凄まじい戦略だ。どこぞの国の秘密結社とかマッドサイエンティストの人体実験の一種かもしらん。 結局最後までスポーツパートでなんのスポーツをするのかということの意味は一切得られなかった。「3人で野球したら、相手チームは人数が多くて絶対敬遠策をうってくるよ!」「4人目が入れば大丈夫だ!」←??? などといったミラクルロジックが飛び交い、「結局サポートロボってのは役に立たんっていう認識でいいんだな?」と思っていたら途中でエンジニアが登場してロボの性能がアップしたりもする。その結果やるのがバスケだったりするのだが、結局生身の人間が一番大事なはずなのに、足を痛めたプレイヤーは謎ブーストがかかるドーピングバッシュで加速して得点したりする。もう、「スポーツアニメ」という概念では絶対に収まりきらないし、多分「物語の雛形」にも収まっていないと思う。 アイドルパートもアイドルパートで、こんだけ虚無の活躍を続けるチームながらも着実にファンを増やし、ラストはライバルチームたちと一堂に介して感動のライブを繰り広げる。最後は見たことのない演出を施されて不覚にもちょっと感動してしまったのだが、すぐに「俺は何に感動させられているんだ?」と自分の脳と喧嘩を始める。本当に「アイドルアニメだったらこういうシーンあるよね」をスポーツごっこの合間に埋め込んだだけのはずなのに、何故か脳はそれを「アイドルアニメ」として認識してる部分がある。なんだこれ、錯視、騙し絵か? どこまで「それっぽい類型」だけで作品として成立するかを試みた社会実験。いわばタコの入ってないたこ焼き。粉のかかってないハッピーターン。小麦粉の味がするはずなのに、脳は「だってたこ焼きの形してるし」ってんでそこにタコを感じたり、ハッピーパウダーの幻影を見る。我々アニメ視聴者は何を試されているのか。今作はもしかしたら、今後のアニメ文化への警鐘なのかもしれません。 俺は何をいっているんだ? 病室に戻るか……。
「Engage Kiss」 6→6 楽しかったです(素直)。今期2人目の契約しちゃう系悪魔ヒロインにして、今期2人目の記憶失っちゃう系ヒロインでもある。みんなして悪魔と契約しすぎ。 1話目でもたせた期待にきちんと応えてくれた作品と言えるんじゃなかろうか。映像のクオリティは維持されており、バトルシーンは毎度見応えがあったし、ヒロイン勢は毎回可愛かった。地上波セーフの限界を見定めるようにエロシーンも積極的に盛り込んでいるが、タイトルの示す通りにキスが大事な要素になってくるおかげで、開けっぴろげな裸とかじゃなく(まぁ、それも大いにあったが)ねちっこいキスシーンで煽ってくる姿勢もこだわりがあって良い。そして、主人公のシュウは遠慮なく女の子を取っ替え引っ替えしてキスできる立場にいる。眼福とはまさにこのこと。 1話目で「こんだけはっきりとクズヒモって描かれる主人公も清々しいな」と思っていたわけだが、シュウのヒモ設定がきちんと物語の根幹に関わっている、というかキサラとの関係性に紐づけられており、「ヒモです、だからムカつくやつです」じゃなくて、「ヒモなのはどこからどうみても間違いないんだけど、そうなっちゃった理由もあるし、そうすべきだったからやってるんです」という大義名分の通るヒモ。シュウがクズ人間として振る舞ってくれないと物語が進まず、彼がいろんな女と寝たことで世界がひらけてくる。まぁ、冷静に考えればそれってエロゲーの設定なんじゃないかという気もするが……。とにかく憎めないクズ野郎という主人公像が際立っていたことで試聴時に軸がぶれなかったのはまずありがたい。 そしてそんなシュウを取り巻くヒロイン勢。メインとなるキサラ・アヤノの丁々発止の三角関係がまず見どころ。人間ってのは下世話な話が大好きなので、クズ男を取り合って今カノと元カノが醜くキャットファイトしているのを見るのは楽しいのである。これが「かのかり」みたいに遠回しな牽制合戦が続くと疲れてくるのだが、今作はキサラのベタベタっぷりが一切隠れておらず、それにツンデレ風味強めのアヤノさん(とても苦労人)が絡んでくる構図。そこに淫乱シスターが横入りしたり、最終的に妹が家を爆破したりと、とにかくハーレムものを賑やかに爆裂させたらこうなった、という構図が分かりやすくて愉快。ラスボスが「悪い虫にお兄ちゃんを取られたことにイラついて世界をぶっ壊そうとした妹」っていうのも良いじゃないですか。まぁ、ちょっと前に「お兄ちゃんよりカードゲームの実力があがっちゃったせいで嫌われ無視されたことを嘆く妹」っていうもっと訳のわからんラスボス(?)もいたけども……。妹も彼女も悪魔っていう条件付き四角関係、結論の出しようがあるんでしょうかね? そんなわけで最後までドタバタハーレムに決着がつかず、仲良く喧嘩し続ける女の子が見守れたという満足感だけが後味すっきりで楽しめる。まぁ、この世界観をベースにしたソシャゲがリリースするってことで「悪魔ガールズがうろついてる変な島」という舞台の紹介が目的だったと考えれば、これで何一つ不足はないのです。ごちそうさまでした。会沢紗弥が立て続けに良いヒロインをゲットしてるこの流れは是非のっかりたいところだなぁ。 「シャドーハウス 2nd Season」 ―→6 ここで終わるんかい……。まぁ、ほぼ確実に3期はあるんでしょうね。3期も面白いぞ〜、あの辺の話とか、あの辺の話になってくるぞ〜。 てなわけで、1期と違って原作を全部読んだ上での2期目、それでも充分に面白かったので一安心です。先の展開を知っているからこそ楽しめる要素なんかも多いのが特徴の作品なので、知らないなら知らないなりにハラハラしながら観られたんでしょうが、こちらの試聴体制でも文句はないです。唯一心残りなのは、1期と比べるとちょっと作画部分でパワーダウンしたことでしょうかね。崩れってほどではないのだが……CloverWorksの本気はこんなもんじゃないだろ、というので歯痒い部分はあります。3期をやるなら、多少充電期間長めでもいいので、しっかり人員を整えた上での制作をお願いしたいです。 毎週感想を書いていたので特にまとめることもないので最終話の感想と一緒にしてしまうんですが、マリーローズの退場がケイト・エミリコの2人にどのように影響を与えたのか、というのが見どころになっていますね。ケイトはまだクレバーな部分があるので「いかにしてマリーローズの遺志を受け継ぐか」ということを考え、いよいよ自分の足で本格的に歩き出しているのだが、エミリコの方で印象的だったのは、双子のことを考えていた時に脳裏によぎった「失った仲間」というのがラムとローズマリーだったこと。そうか、エミリコ目線だと確かに同じ班だったこの2人の仲間を失ってしまったことになるんだものな……必死にベルを助けようとする気持ちはよく分かる。 また、ラストシーンが交差するケイトとバーバラだったというのも印象的。これから先、ケイトはなんとか星付きとうまい関係性を作っていく必要がある。原作ですらまだそこまで辿り着いていいないのでなんとも言えないのだが、おそらく彼女が身近な人物の中で一番関係性を結ぶべきはバーバラのはずだ(多分彼女を味方につけられればベンジャミンあたりはついてくると思うし(スザンナは知らん))。 本作2期目がお見事だったのは、マジで2期を計画していなかったのかもしれない、1期のアニオリ展開から多少強引ながらも原作の流れに引き戻し、なんとかお話を繋げきったこと。感想でちょいちょい触れてた通りに若干の無理は出ているのだが、それでもなんとか「先のある作品」の未来を見出したというのは大きな功績だ。まぁ、そんなんいうなら1期の時からアニオリにしなきゃよかったじゃん、という話なのだが、尺の問題とかもあるしねぇ。1クール分で微妙に足りなかったんでラストにちょっとした冒険を付け加えたら、まさかの2期がすぐにきちゃって接続が大変だったっていう……まぁ、おかげで原作既読でもちゃんとアニメなりの楽しみ方もできたし、結果オーライとしておこうじゃないか。 改めて、3期をお願いしますね。そしてその際には是非、テーマソングはReoNaの続投で。ほんと、1期も2期も曲の中身がいやらしくて最高なんですよ。 「てっぺん!!!!!!!!!!!!!!!」 5→4 色々と惜しい気はする。放送延期になった理由とか、よく分からん方向にむしろ「持ってる」作品だったとは思うのだが、やはりこれをただOKと素通ししちゃうのもなんか違う気はするんだ。 目指すべき方向は、おそらくブシロード系列の大先輩であり、数多の軌跡を巻き起こした「ギャラクシーエンジェル」から「ミルキィホームズ」への流れだろう。この2作品に通底する圧倒的不条理感と世界観をなげうっての全力ギャグに関しては、他作品では絶対実現し得ないものだったと思っているし、両作品とも間違いなく歴史に名を刻む結果を残している。どうせ「笑い」がテーマになっているのだし、振り切るならそこまでやって傷跡を残すのが、今作の最大目標だったのではなかろうか。 そして作品の方向性を見る限り、多分制作側もある程度は「GAミルキィライン」みたいなものは意識してるような気がするんだよな……。「漫才」をテーマにしているくせに板の上でやる演目にはそれほど重きを置いておらず、突き抜けたキャラを15人ばかり用意し、彼女たちの周りで巻き起こる出来事を不条理でコーティングし、適宜ツッコミを入れて漫才風に見立てながら展開していくギャグアニメ。これで新たな鉱脈が発見できれば、ギャグとして伝説にも残せるし、新たなユニットプロジェクトとして五組もの「トリオ」を世に送り出すことができる。事業者としては美味しいとこ取りで最大結果を狙いたくなるのもわかる気がする。 しかし残念ながらその目論見は100%成功したとは言えないものになってしまった。試聴していて感じた問題点は大きく2つ。1つは、アニメとしての質の低さ、有体に言えば作画クオリティのショボさ。これも「邪神ちゃん」なんかと同じでメタレベルでのしょうもなさを飲み込んでネタに出来る可能性があったので作画がユルいことは決してデメリットばかりではないのだが、一応はアイドル的要素も含ませて「女の子ユニット売り出し番組」的性質も持つ作品だとすれば、やはりキャラがあんまり可愛くないというのはネガティブな要素になってしまうだろう。今にして思えばGAはマッドハウスによる作画が安定していたし、ミルキィだってJ.C.による美少女キャラの安定感は不可欠なものだっただろう。今作はポッと出のスタジオによる作画で、どう見ても「しょぼい」と言わざるを得ないクオリティ。ちょっと「ネタなので」で済ませるわけにはいかないだろう。 そしてもう1点は、やはり脚本段階で「漫才をネタにする」ということの難しさを克服しきれなかったこと。過去の漫才アニメに比べると、「直接ネタをやるシーンを減らし、日常のドタバタ風景から最後に漫才の締めで落とす」という形にして多少なりとも不自然さを解消しているのは良い工夫だと思う。実際、不条理ギャグとして笑える回も何回かはあって、個人的には挑戦的だったシンリャクシャループ回なんかは印象的だった。もっとバリエーションを増やして攻めた構成にすることも可能だったかもしれない。それでもなお、やはりお笑いを前提にした掛け合いってのはアニメで十全にその魅力を伝えるのが難しいのだ。なんだろね、本当に感覚的なものでしかないのだが……個人的には、ボケのクオリティというよりもツッコミのテンポとかで印象がガラッと変わった気がするんだよね。どうせそんなにクリティカルなボケなんていくつも出せるわけがないのだし、明暗を分けるのはそうして出てきたボケをどう転がし、処理していくか。アニメでの会話劇の間の取り方というのは画とアフレコの要求でかなり制限されてしまい、「理想的なツッコミのテンポ」から微妙に呼吸がずれてしまっているような印象が強かった。こればかりは、リアルタイムで「ライブ」を演じ続ける本物の漫才と、何人もの手に渡って少しずつ構成されているアニメという媒体の相性の悪さなのだろう。どうしようもないですよ。 というわけでちょっと残念な結果にはなってしまったのだけど……これに懲りず、ブシロードは次の手を用意するはずだ。チャレンジすること自体は悪いことではない。次のプロジェクトに期待しよう。
「シュート! Goal to the Future」 4→3 サッカーアニメも2本続けて終了です。そしてその結果は綺麗な対照を描いており……。 まー、ある意味ですげぇ面白かったけども。点が下がった要素に関しては全部「アオアシ」の逆をいっていたと考えればわかりやすい。まずは何といってもヘチョい作画。試合パートはくっそ適当な効果で誤魔化そうとしている部分が多く、テイストとしてはむしろ「イナズマイレブン」系のなんちゃって超次元サッカーとして見た方が面白そう。フィールド全体がのっぺりしており、動きも全くサッカーをしているように見えないモーションが散見され、シリアスをやろうとすればするほどギャグに磨きがかかっていく。そんな状態であれば日常パートについては推して知るべしで、キャラの1人1人に魅力を感じられるようになるとはとても思えない。 いや、でもすげぇキャラが揃ってたなぁ……中でも最大の見どころになったであろう、クレイジーサイコホモの一連のエピソード。「行きすぎた友情」を描きたかったのかもしれないが、言ってることが1つも理解できずに全力で「気持ち悪っ!」しか出てこない、元々主人公が人嫌いから引きこもった設定であり、対人関係に問題のある連中しかいないチームスポーツという斬新な展開。 もちろんサッカーの戦略性など感じられるはずもなく、基本は気合と根性、なんかよく分からない友情パワーで乗り切る姿勢。そしてその友情パワーがどうやって形成されたのか、日常パートから全く理解できないっていう。何でこの内容で往年の名作タイトルのリメイクを打ち出そうとしたのかがよく分からん……。誰か得した関係者はいるんだろうか? 作れないアニメならオーダーを受けるな。
「アオアシ」 5→6 土曜夕方のスポーツアニメが同時フィニッシュ。そして、これが2本ともそれなりに評価できたっていうのは正直嬉しい誤算。これね、もしかしたら生まれて初めて「素直に面白かったサッカーアニメ」かもしれない(ただしイナズマイレブンを除く)。 まず、映像部分は文句なしに及第点。流石のIGはそもそものベースラインが高品質だが、試合シーンは作画とCGを綺麗に組み合わせて躍動感のある動きを見せてくれていた。今作は特に試合中の細かい動きをどう見せるかが重要であり、さらには「フィールド全体の選手の動き」にもスポットが当たるために作画コストはかなり重たくなったはずなのだが、良い意味でサボれるところはサボりつつ、「ここを観てほしいんですよ」というセールスポイントが明示されていた。なるほどサッカーアニメのやりたかった描写ってこれなのか、という「正解」がようやく見えた気がする。どこぞの「さよなら」に爪の垢を煎じて飲ませたい。 そうして映像部分に不安がない状態で描かれる「サッカーアニメ」の中身も、これまであまり見たことのないもので非常に鮮烈だった。私は全くサッカーファンではなく、リアルでの試合観戦なんてのもほとんどやったことがない。その大きな理由が「サッカーって、単にボール追っかけて運良くいいところに転がせたらゴールに入るだけやん」くらいの理解しか無いこと。野球と違って常にハイライトになる可能性があるのでずっと注意して視聴するのはすげぇ疲れるだろうし、そもそも試聴したところで何が見どころなのかも分からない。そんなサッカーの構造は多分これからも好きにならないと思う。 ただ、そうした問題を解決するためには「ハイライトと分かる部分のみを」「丁寧な技術解説付きで」見せてもらえればいいというのが一番シンプルな解法なのも、アホみたいな話だが事実であろう。サッカーアニメという媒体は、この2つの無茶な要求を一気に解決してくれるものである。アニメにするというのは「強調の描写」そのものなので観たいシーンは一発で分かるし、今作はサッカーの戦略性、個々の選手の技能への言及など、とにかく「考えるサッカー」がどんなものなのかを丁寧に教えてくれる。主人公のアシトがストライカーからディフェンダーへと振り回される展開のおかげで文字通りフィールドの隅から隅までみることができたし、ありがちなお山の大将キャラのエゴイスティックな「点が取りたい欲求」を一人のサッカー選手としてどのようにコントロールしていくかも、何とも生々しく見せてくれる。もちろん試合の描写が安定していることは大前提だが、その上で、試合以外のパートでもドラマに見応えがあったおかげで全編を楽しむことができた。 これを受けて、改めてサッカーの試合を見れば少しは楽しく観られるように……なるかどうかは分かんないけど、理解できなかった要素に楽しさを見出せるようになったことには素直に感謝したい。ふつーに2期が観たいですね。
「ラブオールプレー」 5→5 終わってみると、何だか憎めない作品になった気がする。例によって土曜夕方のアニメは相性が悪いのでそこまで真剣に観ていたわけでもないんだが、視聴中に減点があんまり無くて、ず〜っと「なんとなく」で観ていられる作品になっていた気がする。 1話目視聴時の印象からも特に大きな変化はなく、「スポーツアニメにしちゃぁ試合時の作画がもっさりしてんな」と思った部分はそのまんま。アニメーションでみるべき点があまり無いのだが、「ながら視聴」くらいの気楽な付き合い方が出来るという意味では負担がかからない楽な作品。特別良くはないとはいいながら、それが大きく崩れることもなく、2クールを平均的なクオリティで安定して走り切ったのはむしろ評価ポイントかもしれない。 シナリオに関しても、個人競技のバドミントンを題材にしているため、ダブルスやチーム戦などで仲間との絆を描くことも可能だが、最終的にはドラマは個人に帰属していく。最後に収まるべきは主人公・水嶋の物語であり、そこに至るまでのシナリオラインは手堅くまとまっている。興味深いのは対戦相手の構造で、IHなどの学校対抗が基本である高校スポーツにおいて、個人競技ではライバルはだいたいよその学校にいるのが一般的。その点、最後まで同じ部活の先輩である遊佐が最大最強のライバルとして立ち塞がり続け、その王者としてのポジションが揺るがないというデザインは案外珍しいんじゃなかろうか。遊佐は最後まできちんとキャラが立っており、ねーちゃんも絡めた三角関係(?)を活用して日常生活と競技においての二面性を面白い形で表現してくれた。強いキャラが最後までちゃんと強い作品は安心出来るよね。 2クールとそれなりに尺はあったが、2年分(エピローグも含めれば3年分)の物語が詰まっているので間伸びしている感じはなく、チームメイトの個別エピソードを適宜挟みながら成長が描かれるので、「部活運営アニメ」としてもそれなりの解像度がある。個人競技としてのライバル関係、そして団体戦レギュラーをめぐるやりとりに、学年の上下を巡る対抗意識など、中高時代に運動部に所属していれば「あー、何となくこんな雰囲気もあったなー」と感じられる部分がちょいちょいあるのも面白い。おっさんになってから振り返れば、部活してる間の時間って、もうそれだけで面白いし、貴重な時間だったよなぁ。 というわけで無事に2クール完結できて良かったです。秋からはまたまたこの枠にヒロアカが戻ってきます。 「プリマドール」 6→5 今期は(今期も?)突然歌うアニメは多かったですね……みんなしてS2CAばっかりでセットハーモニクスでございます。 まず評価すべき点を挙げておくなら、そりゃもう作画である。今期は「ヲイヲイ、こんなメタメタになるなら最初から作るっていうなよ」みたいな作品が頻出した中、こちらの作品は最初から最後まで圧倒的キューティー作画を維持して不動の萌えパワーを発揮してくれた。細やかな所作でいちいち愛らしさを発揮するドールたちの様子は見ているだけで癒されるし、そんなドールたちが歌って踊る「歌謡ショウ」というテーマ設定も持てる武器を最大限活用する手段として正しい方向性だったと思う。突き抜けアイドルアニメや癒し系カフェアニメとしてなら、第一印象の鮮烈さを維持し、突き抜けた良作になったと断言できるだろう。 ただ、転じて問題点となるのは、どうしても最初に不安視した違和感を拭いきれなかったこと。「なんでドールなん?」という世界設定そのもの。「戦後」を舞台に、破壊のために作られた戦闘兵器が平和な時代に単なるお給仕ロボとして働ける時代を描いた物語。「アイドルアニメもやりたいけど、お前らは幼女が銃を撃ったり戦場を駆ける様も大好きなんだろ」という2つのジャンルのいいとこ取りを狙った世界。制作側が何故この世界を作り上げたのかという「世界外」での理由は全部わかるし、そこに一定の価値があったことも否定はしない。ただ、残念ながら最後の最後までそんな世界が「何故あるのか」という世界内の理屈には納得できなかったのである。 まぁ、これってガンダムに対して「二足歩行の人型ロボットで宇宙戦争する必要なくない?」みたいな不毛な議論と根本的には同じレベルだと思うのだが、どうしてもこの世界におけるドールがあまりに異質すぎて、その存在を受け入れることが出来なかった。いや、「かわいいなぁ」って脳死状態で見てる分には構わないのだが、いざシリアスが絡んで「戦争」との対比が描かれ出すと、「やっぱこんな精巧な自動人形がこの世界にあるのはおかしいよなぁ」という違和感が先に立つ。兵器以外の文化レベルとどう足掻いてもフィットしないのもそうだし、兵器の中の話でも「世代ごとのドールでは命令が出せる」みたいな重要な設定に「なんで?」とは思う。全てはエンディングに向かうための導線であり、本当に「こういう話がやりたいんだよなぁ」ということは痛いほどわかるのだが、そのために無理くり作った世界なので、そこかしこにオーバーテクノロジーが介在しすぎていて、何が本当なのかもよくわからなくなってくる。そうなると、「ドールたちにとっての感情って何?」というお約束の問題、いわゆるプラスティックメモリーズ問題が未解決のまま転がり続けるのである。 「こまけぇことはいいんだよ」と全てを放棄し、「かわいい&かわいそう」のお話として飲み込むのが一番幸せな見方。ドールどうしの百合なんかもとても可愛らしくて魅力的だ。それはわかっているんだけど、どうしても割り切ることが出来なかったのでやっぱり点は引かせてもらいます。でも「世界を滅ぼしたい黒沢ともよ」は大好きです。
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Thraxi
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声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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