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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う 2nd Season」 ―→5 3期か……まさかこれがふつーに人気作扱いとはなぁ……いや、いいんだけどね。嫌いじゃないからね。 というわけで、しれっと終わったもんで全然区切りはよくなくて、「次まで待っとけよ? 人気作だからいいよね?」みたいな態度になってるのがちょっとイラッとするが、すでに続編が決まってたなら無理に尺調整で変な構成にするよりもむしろ誠意ある対応と言えなくもない。「俺たた」エンドっぽくもなく、次のターゲットをなんとなく定めた状態で次の放送をのんびり待つしかないだろう。 見ての通り、1期時点よりも評価は下げている。これはまぁ、「飽き」というか「慣れ」みたいなものもあるのだが、流石にちょっととっ散らかりすぎだろ、という印象が大きい。なんだろね、別にやってることは本質的に変わらないとは思うんだけど(馬鹿馬鹿しさという度合いでね)……。 こう、例えるなら尖ったコンセプトでスタートさせて人気を博したバラエティ番組が、放送が長期になったせいでどんどんよくわからん企画を増やしてグダグダになっていく様子に似ている。「行列のできる法律相談所」的な。本作はとにかく「主人公が自販機で、あらゆる自販機能力が使える」というのが唯一にして最大の特徴であり、実際1期は「どうやってこの能力を使いこなすんだ?!」という部分に興味があったわけだが、ぶっちゃけ1期時点でその辺りのネタはだいたい出し切ってしまっており、2期は使い方を変えるにしても変化球やディティール調整に終始してそこまで馬鹿げたぶっ飛び方は減った(無かったとは言わない)。その分、シナリオをどこで引っ張るかといえば「階層」を広げての冒険譚になるわけだが、そもそも「この世界が迷宮だっていう設定がいまだになんかピンときてない」という状況なのでそこまで魅力的には映らないし、どうしても場当たり的な「思いつきバトル」に見えてしまうという。 まぁ、それでも何かしら面白いことをやろうとしている雰囲気は感じるし、どれだけ強引だろうと意地でも自販機にネタを絡めるその頑張りは嫌いじゃないんだけど。あとラッミスはずっと可愛い。本作に残された最後の興味ポイントは「最終的に人と自販機の恋愛模様とかどうケリをつけたらいいんだよ……」という部分なので、そこになんとか刺激を与え続けてほしいとは思ってる。まぁ、多分アニメで今作が完結することはないのだろうけど……。 PR 「カラオケ行こ!/夢中さ、きみに。」 5→6 珍妙な枠だったけど、案外アニメ化の意義はあったんじゃないかと思ってる。まぁ、おかげでこれを1作品「枠」として処理するか、2つの別なアニメとして分けて考えるかが難しくなっちゃったが……最初にまとめて記載したし、この形式で失礼しますわ。 「カラオケ行こ!」が4話、「夢中さ、きみに。」が5話という配分だったが、尺としてはほんとにちょうどいい。いや、1クール枠になってないってのは各種放送枠でちょっと大変な部分だったのかもしれないが、今期は「フードコート」などの変則枠もあり、もはや現代において「1クール」という区切りがあんまり意味を持たなくなっていることの表れなのかもしれない。だとしたら、その自由になった枠でいろんな試みをやってみるのは悪くない話で。 単品でまとめていくと、まず「カラオケ行こ!」については原作既読だったので「こんな感じの作品だったなぁ」くらいの印象。実在のカラオケ曲の使い方なんかは悪くないし、「声変わり」というテーマを活かすにあたって声付きのアニメにしたってのは意義のある部分。主人公役を務めた堀江瞬の仕事ぶりは評価に値する。ただまぁ、アニメとして何か特筆すべき点があったというわけでもないので、「原作に忠実だったのかなぁ」くらいで大きな加点は感じなかった。 ということは、加点されたのは後半枠の「夢中さ、きみに。」の方ということになる。映像のクオリティは「カラオケ」と同程度だったし、こちらは別に歌も声もそこまで重要なファクターではないのだから加点する必要もないだろうとは思うのだが……なんだろね、こっちのお話の方が、面白かった。最初に原作が「短編集だ」って聞いてたもんで(Wiki情報)、こういう形の群像劇というか、いろんなキャラが絡む「5話分の学園青春ストーリー」だとは思ってなかったので軽い不意打ち。そして、独特のギャグのテンションが案外肌に合った。何か強い押し付けがあるわけじゃないんだけど、しれっと変なことして見せる空気感がなんだか愉快で、その雰囲気がアニメのテンポでうまいこと表現できてた気がするんだよな。これってつまり、原作漫画の目の付け所がいいってことなんだろうね。「そういう要素ってあるなぁ」みたいなあるあるな納得感と、「そうはならへんやろ」みたいなトンデモの絡み方が「ちょっと視点をずらしただけでも、面白ドラマって作れるもんですよ」って主張してるみたいで勉強になりました。 こういう自由な枠ってのは今後も増えていきそうな予感がするので、これまで尺の問題でアニメ化が見送られてた作品なんかも新たな可能性が出てきたかも。 「ダンダダン(第2期)」 ―→6 3期あるかぁ。ま、あるだろうよ。ジャンプアニメの強さが光る。 とはいえ、正直ここ最近はあんまり「ジャンプだから」ってんで面白さに繋がる作品が多くない感覚もあり、おっちゃんが歳取ったせいで「少年」ジャンプとの接続が弱くなってるかなぁ、という感じもしていた。まぁ、どこまでも王道を狙わなきゃいけないジャンプ作品って、「綺麗なアニメ」にするのは簡単かもしれないけど、そこから一歩抜きん出た「面白いアニメ」にするのって結構ホネだとは思うのよね。その辺の話は今期出てきた他のジャンプアニメに譲るとして……今作はいい具合にジャンプフォーマットを守りながらぶっ壊す姿勢が見えるのが良きところ。 ぶっちゃけ、2期のストーリーに関しては若干の間延びはあった気はする。ことに邪視をめぐるあれこれは「ん? まだ終わらんのか?」みたいな引っ張り方で、現時点でもまだ腫れ物扱いの邪視をどういうポジションに置くのかをきめあぐねているような、そんな印象があった。実際にはターボババアにしろなんちゃらデーモンにしろ、今作において「怪異」側に位置するキャラクターって単純な「正義の味方」になれないようなねじくれた部分があり、それが強めに出た「人類の敵だけどなんか共闘」姿勢が色濃いのが邪視だったってだけなんだけど、その辺りをなんとか説明しきろうとしてもたついた感はあった。 ただ、そうして訳のわからんところでグダグダするのも今作の味わいだと言われたらそうかもしれない。とにかく「オカルト」というデカすぎる枠に全部のネタをぶっ込んでごった煮にしてやろうという大雑把すぎるコンセプトはチャレンジ精神に溢れており、ちょっとやそっとのほころびは力業で押し切れるだけのパワーがある。そのためのサイエンスSARUの動画であり、そのために集められたゴリゴリのキャストだ。「意味わかんない子供の落書きみたいな世界だけど、なんか盛り上がってそうだからOK!」という結論に辿り着けるなら、これはこれでファンキーである。 そうしてむちゃくちゃやりつつもやっぱり根底にはジャンプ的王道も残されており、最後にはちゃんと帰ってくるところがあるんだろうな、という安心感もある。その1つにラブコメ要素があるんだけど、ヒロインとしてのモモちゃんがずるい可愛さでね。「オタクに優しいギャル」という一番のオカルト(悲現実)存在ではあるが、若山詩音ボイスでこれを成立させてしまえば、こちらとしてもチョロいオタクくんなので「ほなええか」と。どうせ「オタクくんとギャル」を突き詰めるなら、クラスメイトの富田美憂ボイスの子にもなんかいいポジションあげてください。3期に期待(そうはならんやろ)。 「銀河特急ミルキー☆サブウェイ」 ―→7 そうさ! 実は今期の「なんか分からんけどどハマりしちゃったギャグ枠」、通称ヒーラー枠はこの作品だったってコト! 作品の存在を教えてくれたデュッセルさん、改めてありがとうございました。なのに邪険にしてほんとすみません。私は心の狭い人間です。 いやー、変な作品だった。でも凄まじく完成度が高い。なんかね、映像&脚本の良さはもちろんなんだけど、これこそYouTubeで3分枠を毎週更新っていう構造も含めて全部のプランニングがプラスに働いていた気がするんだよね。 ざっくりと各要素を処理していくと、映像美については言わずもがな。もともと専門学校生の自主制作? かなんかだという話で、なるほどCGワークを学んで作るアニメっていうならスタートは理解できる。でも、結局ツールがあったとしてもこの画面を作れるのってやっぱりセンスだよね。「レトロフューチャー」の醸し方が絶妙で、おっさんたちのノスタルジーを刺激しつつ、それをどこか小馬鹿にしたようなガジェットとしてしれっと置いとく全体構造が憎らしい。だってこれ、作ってる人は別にそこまでおっさんじゃないわけでしょ? いいセンスしてるわ〜。そんで「レトロ」とか「自主制作」風味を押し出すとなると全体的に下手ウマというか、しょぼさを売りにする方向にしちゃうのが手っ取り早いだろうに、キャラデザとかモーションの付け方とか、アニメとしてのディティールはいちいち完成度が高いの。やっぱ女の子キャラが(リョーコちゃんも含め)全員可愛いってのがでかくて、個人的にはアカネちゃんのお顔がマジ美人だったのがほんと最高。カナタがいじめられた時(いじめられてない)のどうしようもなくオロオロしてる表情とか、めっちゃ可愛くてさぁ。ほんと、総長は可憐な乙女でしたよ。 もちろんチハルも大好きだけど(衣装がエロ可愛い)、そっちは造形に加えて脚本の力も大きくて。本作最大の見どころは前作(ミルキーハイウェイ)から続くチハル・マキナのコンビなのは間違い無いんだよ。この2人のけだるーい雰囲気の会話のテンポとか言葉選びのセンス、これまたナイスですよね。他のコンビも多分細かいところまで設定は決まってるんでしょう、いちいちバックグラウンドを想像させる含みの持たせ方が上手い。そんで毎週毎週訳のわからんところで切って「つづく」になる構成が組めてるのも実に現代的。「こんだけむちゃくちゃやってたら流石に食傷気味にならないか?」って心配になるんだけど、なんなら回を増すごとに笑いのポイントが増えていった感すらある。最終話とかマジで爆笑しちゃったもんな。短いからとはいえ、このテンションでずっと「おもしろ」が続くのすごいわ。 で、こうした長所をフル活用したのが、多分3分枠1クールというショート枠の構造だったと思うんだよね。さらにYouTubeの(コメント解放の)無料配信ってのも大きくて、どんだけ飽きっぽい現代人でも、流石に3分だったら最後まで見ちゃうじゃん。ほんで色々と考える余地を残した「いろんなニュアンスが漂いまくってるアニメ」なんて観ちゃったら、そりゃ気になってコメント見にいくわけですよ。そうしたらみんなして好きポイントを語り合ったり、気付きや考察をばら撒いてたり。こういうところで二次的な発見や交流につながって面白さが増幅するのは、まさに「配信」世代の王道の楽しみ方なのよね。ギッチギチに情報を詰め込んだ脚本・映像が「語り」にちょうどいい材料で、1週間みんなが繰り返し視聴しながら「あれが好き、こっちがいい」と盛り上がっている様子は、さながら全盛期のどこぞの掲示板やニコニコ動画のごとく。私は常々「アニメなんて一人で鑑賞するもんだろ」というスタンスで硬派を気取っているが、こうしてメディア全てをまるっと構造の中に取り込むエンタメの形ってのは、受け入れられるべきものだし、決して作品の本質を損なうものではないな、と感じた。 そうして「3分だから」ってんで何度も繰り返し観ちゃうと、ますます愛着も増していくわけじゃないですか。多分私も全編通してこの1クールで3、4週くらいはしてる。ほんとに何の気無しに「またあれが観たいな」って思った時に見られちゃうのよ。多分さ、これが「週刊ラノベアニメ」がやりたかった「好きな時に、好きな方法で楽しめるアニメ」っていう新たな形の1つの正解なんじゃないかな……。 さて、こんなアホみたいな作品を今度は劇場に持っていくってさ……。まぁ、再編集版ってことになるとそこまで期待するもんじゃないとは思いつつ、流石に40分程度じゃ劇場にもっていけないだろうし、何をどう追加してくれるんでしょうね。まぁ、観に行きますよ。 「クレバテス -魔獣の王と赤子と屍の勇者-」 6→6 なにはともあれ2期決定おめでとうございます。尺的には五分五分かなぁ、と思っていたので分割で決まっていたっぽいのは喜ばしい限りである。 半端に原作を読んでいたせいであんまり個別の話数についてのコメントはできなかったが、安心して観ることができた作品だった。「勇者と魔王」という、なろう界隈のせいで手垢でベッタベタの題材ではあったが、その上できちんと作品の個性を発揮し、魅力的なストーリーが展開できるのは熟練の技である。ことに「勇者」という題材は昨今本当になおざりにされがちなので、作中でのアリシアさんの苦闘激闘の数々は尊敬に値しますよ。世の中の有象無象の勇者どもは死してなお虐げられ続けるアリシアさんを見て胸襟を正していただきたい。 というわけでやっぱり見どころはアリシアさんでしたね。個人的には岩原裕二のパキッとしたデザインがアニメでガンガン動くというだけでも満足できただろうが、終始作画は高品質で線のクドさをうまい具合に魅力として昇華できていたと思う。また、1クールという尺はあまり調整が効かなかったところだとは思うのだが、そこまで展開が間延びしたようにも、逆に詰め込んだようにも感じさせず、実に自然に程よくクライマックスまでをまとめてくれていた。この辺りの脚本の下ろし方なんかも実は隠れた評価ポイントになっている。まぁ、このクライマックスが「劇場アニメかよ」ってくらいしっくりくる綺麗な幕引きだったので、学園編となる2期目をどうまとめるのかは気になるところだが……。 そしてなんと言ってもアリシアさんを褒めるなら中の人の話は避けて通れない。今作MVPは文句なしにアリシア役の白石晴香で、ぎゃんぎゃんに喚き散らし、叫び続けなきゃいけない不遇の勇者様を熱演。こんだけの太い声でゴリゴリにバトってた人が、同時期には勇者を担ぎ上げてふわふわしてるゴアさんと同じ声だとはとても思えまい。くっころ力の高さを遺憾なく発揮してくれていた。他にもルナ役の会沢紗弥の「実はほんとに幼児なのでは?」と思えてくるような限界サウンド、ネルル役の悠木碧に姫様役の豊崎愛生などなど、声優ファンにも嬉しい作品。あと珍しく男性キャストにも触れるのだけど、曲者・メイナードを担当した重松千晴っていう人が名前を知らなかったけどなんか印象に残る仕事ぶりでよかった。今後ちょっと注意してみてみたい。 さて、こうなると問題は2期がいつになるかですね。……なるべく早く帰ってきてね。 「ネクロノミ子のコズミックホラーショウ」 5→4 とりあえず、安元は楽しそうにしていた。大々的にニャルラトホテプを演じた声優2人目である(いや、他にもいるだろうけど)。 なんだろ、まぁ、クトゥルフ関係のお話ってのはどこまで行っても「混沌」なわけで、あんまり端正な構造の作品は成立しないんだろうなぁ、という感覚はあった。それでも世間的にはCoCといえば多数のシナリオが生み出され続けているジャンルなわけで、何か一筋縄ではいかないような凝ったものも出てくるかもなぁ、という期待もちょっとはあったのだが、残念ながら本作はその舞台ではなかったらしい。私が全くクトゥルフ関係に明るくないせいかもしれないが、「これをクトゥルフものの文脈で作る意味ってあったんかいな」というのが正直な感想。「混沌」を雑多な世界観の言い訳に使っているように見えてしまい、あまり印象が良くないのである。 おそらく根源的な神話の目的は人の恐怖や苦痛など、精神的なあれこれを描くためのツールこそがクトゥルフだと思っているのだが、あんまりドラマとして盛り上がるポイントが無かった。一応途中で味方の裏切りと、敵の裏切りとか、色々とヒネりを加えよういう意識は見えたものの、よりによって正式に「デスゲーム」と組み合わせてしまったところが座りの悪さ。「命(SAN値)のやりとりなんてまさにデスゲームにピッタリじゃん」と思うかもしれないが、カイジやライアーゲームなどの「知略ゲームもの」って、一番混沌からは縁遠いジャンルなのよね。ゲームを面白く描こうとしても、そこで描けるのってせいぜいお約束のヒューマンドラマ止まりで、「ゲームをイレギュラーにするか、精神をイレギュラーにするか」のどちらかを選ばなければいけないはず。その2つの題材が並んでしまった結果、本作はどちらもイレギュラーになり切らずに中途半端なままで終わってしまった。 まぁ、色々と文句は言っているが、まとめると「とにかくゲームがつまらないんだよ」というのが一番の不満点。1話目のFall Guysの時点でやっつけくせぇな、とは思っていたがその後も「知略で勝てる!」みたいなゲームはほぼ登場せず、どこかで見たようなゲームを雰囲気でなんとなく描いているだけ。一番の見せ場であるはずの「配信中のゲーム」に見栄えがしないなら、「配信者もの」というジャンルを選んだのもなんだかなぁ、という話で。色々と思いついたものをくっつけてはみたが、足し算に終始して相乗効果は生み出せなかったというオチである。 映像部分についてはそこそこのこだわりは見られたと思ってるんだけど、そこもあんまり魅力として加算はしてない。画で頑張れる要素も結構あったとは思うんだけどなぁ。 「まったく最近の探偵ときたら」 6→6 多少強引ではあったが、最終的にタイトルで締めてくれる作品はなんとなく「締められたな」感が出ていいですね。 ギャグアニメなので刺さらない人には全く刺さらないテイストだが、個人的には第一印象そのままに悪くなかったアニメ。ちなみに毎クール1本くらい「なんかよく分からないくらいに刺さっちゃうギャグアニメ」ってのがあって、私はそれを「ヒーラー枠」と呼んでいるのだが、残念ながらヒーラー枠には一歩届かずかな。そこまで手放しで愉快愉快と見ていたわけじゃないけど、本当に手数で攻めるタイプのギャグだったのでその中の何割かはクスリと笑えるものになっていたし、アニメになった時に大仰な画風いじりとかアホみたいなアクションのテンションなんかは画面に映える要素であり、その辺の勘どころをしっかり理解した上でアニメにしてくれてるな、というので印象は良い。ライデンフィルムは今期「よふかしのうた」と今作の2本並行だったが、どちらも作画については大崩れしなかったので助かりました。 あとはまぁ、時節柄なんかいじりにくい雰囲気が出たり、なんならもっといじって欲しそうにしているが花澤香菜のテンション芸に全振りした作品というのも強烈なインパクトではあった。どこまでぶっ壊れ花澤ボイスが通用するかの実験みたいな部分があり、これに変則的なギャグ絵を載せた時にクドさマシマシで刺さる人にはより刺さるネタ回しになっていたんじゃなかろうか。この辺りは、やはり長年のキャリアへの信頼を寄せられる部分である。もちろんそれ以外のキャストの面々も良い仕事をしており、個人的にはなんか渋いところで存在感を見せてきたハナさん役の平野綾の仕事っぷりに「そうなんだよな、この人、声綺麗だし仕事できるんだよな……」ということを再確認させてもらった。過去には色々あったり無かったりだが、声優業にもうちょい力入れていい仕事してほしいね。 ちなみに唯一文句があるとしたら、「35歳でそんなにジジイの自覚持って卑下するなよ!」である。「30過ぎたら色々クる」は事実ではあるが、流石に名雲のあれこれは35歳にしちゃぁ酷すぎると思うので……世の中の35歳、もっとずっと元気やろがい! ねぇ、花澤さん! 「TO BE HERO X」 6→8 今期もぼちぼち最終回ラッシュに入っていくが、まず最初にゴールテープを切ったのはこの作品。まぁ、内容的には中間ゲートくらいなのだが……再開がいつになるか分からないのでとりあえず現時点での評価は必須である。 とはいえ、毎週感想を書いていたのでディティールには今更触れなくてもよさそうだが……とにかくすごい作品だった。ここ最近は中国アニメに驚かされることが多くなってきていたが、その最右翼と言ってしまってもいいんじゃなかろうか。個人的に「中国アニメすごいなぁ」と思った履歴をざっくり確認しておくと、まずは単品作品として「羅小黒戦記」は動画クオリティが非常に高く、しかもアニメーションの質感も日本のそれにどこか共通するものは感じさせつつも充分にオリジナリティが出ていたところが評価点。そこからしばらくは細かいコメディ作品で評価することが多くなり、「万聖街」や「Call Star」、「フェ〜レンザイ」といった細かな秀作が続く。さらに「時光代理人」ではシナリオラインの運び方も新鮮さを感じるようになり、直近では「RINGING FATE」でいよいよ「こりゃぁ日本では出てこない作品だなぁ」と舌を巻くことになった(ついでに「この恋で鼻血を止めて」もシナリオラインだけ見たらその破天荒さは充分に主張できていた)。 こうして着実に培われてきた「チャイナ・オリジナル」の1つの完成形がこの作品だと、個人的な観測結果として認識している。大きく分けて「シナリオ部分」と「映像部分」に分けて見ていくが、まず、シナリオについては「多数のヒーローがくんずほぐれつ、時に殺し合いながらも複雑に絡み合う群像劇」という構造が実に興味をそそる。時系列シャッフルもうまい具合に興味を引く要素になっていたし、毎回の引きが衝撃的で「どうなっちゃうの!?」というインスタントな興味の惹かれ方で常に引っ張り続ける形は、刺激が強くないとすぐに見限られてしまう現代エンタメ消費社会でもハートを掴み続ける強烈な要因となっていた。普通に考えたら10人以上の「主人公」が入り乱れる構造はすぐにでもとっ散らかって破綻してしまいそうなものだが、毎回ちゃんとメインのヒーローに際立ちがあり、単発の物語としても成立していたのは素直に脚本のうまさだ。まぁ、強いて言うならジョニー編とかは単発ヒーローの力で引っ張る形ではなかったが、その辺りからはもう、「この世界はどういう全体像を構築するのだろう?」っていう興味の方が強くなっていたからね。 それと、これは「時光代理人」あたりからぼんやり思っていたことなのだが、「えげつないこと」「悪を悪として描くこと」に関しては、中国作品の筆致というのは日本人の(少なくともアニメしか見ていない私の)視点からするとかなり強烈に映る。なんだろ、根本的な道徳観の持ち方の違いなのか、はたまた日本のアニメ業界が「鬱」にやたら敏感になってしまってソフト路線を強く押す流れがあったのか、「刺激の強いもの」をあけすけに見せる手管は中国アニメは共通して上手い……というか、やっぱ「えげつない」印象がある。今作でもナイス編の常にありえない悲劇に叩き込まれる展開とか、謎のはらみつつも圧倒的な闇堕ちを描き切った魂電編の構造あたりは、普段はなかなかえられない刺激にゾクゾクしてしまった。脚本の引っ張り方、これがまず素晴らしい。 続いて映像面だが、これはもはや説明不要だろう。最終話に全部出し切っていたが、「アニメのデザインそのものを作中でコロコロと変える」という「アニメでしか実現しえない」表現を大胆に展開するその表現が、ほんとうに刺激に満ちた斬新なものになっていた。思い返せば「RINGING FATE」では平気で「実写映像」をぶっ込んできたわけで、そりゃアニメのデザインの変化など、まだまだ優しい方である。しかもそれを単なるこけおどしではなく、「Xの能力」に絡めてしっかり意味のあるものに仕立て上げているというのも念が入っている。ぼんやりと眺めてシナリオの展開が分からなくなったとしても、このファンキーでぐるぐると目まぐるしく入れ替わる画面を見るだけでも、本作は楽しめてしまうのではなかろうか。いったいどれだけの手間と人員を割いて作られているのか分からないが、こいつぁ新しい時代の、新しいアニメの形だと胸を張って言えるだけの成果を残したのではなかろうか。 さて、こんだけ褒めてしまうと後半戦でぐだった時にちょっと恥ずかしい思いをしそうだが……この作品の監督ならきっとやり切ってくれると信じている。待ち遠しきー。 「フードコートで、また明日。」 4→5 「こんなん、延々続ける内容でもないやろ」と思ってたら実際その通りだったらしく、なんとシリーズアニメのくせして6話で終わりを迎えた。来週からは「アンコール放送」ということで、また1話から放送が再開するんだろうか。なんやその番組構成。色々と自由な作品が増えたなぁ。 というわけで夏の幻の如く去っていってしまった作品。1話目視聴時点で「流石にアニメにする内容じゃないやろ」というので期待はしてなかったし、まぁ、実際に何か良いものが得られたかと言われたら疑問符は飛びまくるのだが……これはこれで、ひたすら一貫して作品のコンセプトを貫いたその姿勢が立派だとは思った。「こんなもん、どう足掻いても装飾に限界があるわ!」というので制作スタッフがやけっぱちになった可能性は否定しきれないが、もはや動きなど放棄する形で、さらにはネタ回しすらダルダルのままで展開される30分。最後まで特別面白いとは思わなかったが、本当に「フードコートでのだベり」だったらこのレベルの内容になるだろうし、そこに文句を言っても始まらないのだ。 「特別面白いとは思わない」とはいいつつも、少なくとも6話分は視聴を切らずにいたということで、多分つまらなくもなかったのだ。一応フックになったかもなぁ、と思ったのはセンターの2人よりもむしろ周りに配置したサブキャラとかサブ設定の方で、インパクト抜群のゴリラギャル斉藤さんを筆頭に、オフビートとは思えないようなキワマったキャラが味変程度にちょいちょい出てくるのは意外といいバランスだったのかもしれない。 そしてセンター2人についても、割とダイレクトに百合的要素というか、「そっち系のオタクが欲している女子高生どうしの関係性」は焦らしつつも提供してくれており、素直じゃないけど割とまっすぐに山本の必要性を訴える和田と、理知的で関係性の良いところもちゃんと説明してくれる山本のバランス配分がちょうど良い。個人的にはどっちかというとあと2〜3年くらいしてこの2人フードコート外でどんな生活を送っており、お互いのことをどう思っているかの方が気になった。いつか言っていたようにフードコートが無くなったら関係は切れてしまうのか、それとも、結局はお互いがかけがえのない存在として重要度を増していくのか……。妄想の土台としては充分機能してましたね。 改めて「オタクに優しいギャルなど実在しない」という重要事項を確認しつつ、それでもなお、僕らは禁断の果実を追い求めていくのである。 |
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Thraxi
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声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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