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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「グレイプニル」 5→6

 結局見入ってしまった作品だったなぁ。これもコロナの影響を一切受けていなかったけど、業界の製作スケジュールってのはどんな風に決まってるものなのでしょうね。

 1話目を観た時点では「映像は悪くないけど、なんか話の筋が雑で、あんまり面白そうな予感がしない」みたいなことを書いているのだが、まぁ、雑は雑なのかもしれない。ただ、それって勝手に「おっ、異能バトルでデスゲームか?」と余計な期待を抱いてしまったせい。その手の作品ってのはいかに主人公の能力を設定し、それを他の能力者と差別化して「ギリギリ勝ち抜いてる」感を出すかが見せ場なのだが、今作の場合、確かに異能バトルだしデスゲームではあるのだが、バトルのディティールはあんまり問題にするような作品ではない。そもそも修一の能力の全容もさっぱりわかってない段階で戦いに挑んでる時点で頭使う余地もないし、基本的には暴力が強い方が勝つ、それだけのお話である。

 別にそれって悪いことではなくて、割り切ってしまえばあとはバトルのディティールを気にせず、「ヘンテココイン集めに巻き込まれちゃった修一少年」(実際にはクレアさん)の苦悩や葛藤や努力を見守るだけである。良いアクセントになるのは問答無用に形成されてしまった修一とクレアの一蓮托生な関係性で、恋愛というのもまた違うくせに、やたらとエロティックでフェティシズム溢れる描写が光る。何回も書いたけど、今作のスレンダーすぎる女体は、ハマると結構良いものなんですよ。いちいち裸を描くときにこだわりが感じられる構図や演出になっているし、一切エロいことはしてないけど「一つになっちゃう」という倒錯した状況を、どれだけ真剣な状況でも官能的に見せられるかっていう勝負だったんじゃなかろうか。そして、そんな唯一無二のチャレンジは成功していると思うのですよ。吉岡さんのあられもない姿、もっと観てみたかったわねぇ。

 繰り返すが、シナリオラインはあんまり突っ込む意味はない。ざっくりしすぎてるというのも1つだが、1クールが終わった現段階で、まだまだ修一周りの事象が謎に包まれすぎているからだ。原作未完のアニメ化って時点でこんな感じで終わることは想像できていたわけだが、正直、あんまり「半端やなぁ」という感じもしない。ここで終わるのはしゃーないというか、「機会があったらこの続きの完結編を見せてもらえばええで」くらいの心持ちだ。まぁ、そんだけ筋立て部分には特に求めるものがなかったってことなんだろう。最終的にクレアさんとどんな形で結ばれるのかだけわかればいいかな。個人的には、ここまできたらクレアが惨たらしく殺されるような展開もありといえばありですね。修一というバケモンにちょっかいを出してしまった「一般人」のクレアが無事で済むのも変な話だし(単なる性癖ともいう)。

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「イエスタデイをうたって」 5→5

 とりあえず分かったことは、私は本当に小林親弘の仕事が好きだなぁ、ということ。どれくらい好きかっていうと細谷佳正の仕事と同じくらい好き(他に例えられる素材ないんかい)。今まで不死身の何某とか狼獣人だとか変な役回りが多かったけど、今作でもバッチリハマってるのを聞いてるだけでも楽しかったです。

 改めて新番チェックの時の印象を見直すと、「アニメとしての質は良さそうだけど、テーマ的にダメージを負いそうなので5点」という評価だった。そして観終わった後の結論については悩みに悩んだが、やっぱり変わらず5点とした。実はその理由も割と似ていて、「アニメの質はとても良かったのだが、最後の結論が納得できていないので5点」である。これ、原作コミックだとどれくらいの配分で、どんな結末になっているんだろうか。

 結局、リクオと榀子先生がそれぞれに「二択の恋愛」を展開して、それぞれに相手を想い合っていたはずなのだが、結論はお互いに「合意の上での別離」という答えを導き出すというもの。まぁ、最初のハルの配置からしてそんなことになるんだろうという予感はあったが、ただ、あそこまで接近しておきながら、フラッと別れてしまう流れはやはり理解が及ばない。いや、理解は一応可能かもしれないが、絶対に共感はできない。あそこまで行ったら、もう、いいじゃんね。

 リクオの場合、榀子に対する感情を「勘違い」と結論づけた。ただ、勝手な見方だがそれは言い訳でしかなく、結局リクオは、榀子が自分と一緒にいると不都合が生じるということに我慢ができなかっただけなのではないか。「優しすぎる」といえば聞こえはいいが、「恋愛感情」というものに絶対的な優位性を与えず、それぞれの「都合」を優先した結果、「まぁ、恋愛感情なんて後からどうとでも説明できるから間違いってことにしておこう」という選択をしたように見える。榀子の方は果たしてどうなのかは正直わからないのだが、そりゃま、肝心の男の方がそんな日和見な提案をしたのであれば、それが正解だったと飲むしかないだろう。まさにリクオが言っていたことで、「他人から好きだと思われれば嬉しいもんだ」が、リクオはそれをわざわざ「キャンセルする」と言ってきたのだ。それなら、榀子の方から引き止める積極的理由もなくなる。逆に言えば、あそこでリクオが食い下がり、問答無用で榀子との関係性を第一に主張していれば、おそらくそれはそれで叶ったのではないかと思うのだ。それができないリクオという男の気持ちには、残念ながら僕は共感できない。

 でもまぁ、そういう恋愛観ってのもあるよなぁ、という理解は及ぶんだよなぁ。結局、そこまで面倒抱えてまで惚れた腫れたを考えたくないというか……。最終的にハルという「もう1つのゴール」があったからこそハッピーエンドになっているように見えるが、私はどうしたって、榀子ルートの方が正道に見えるので釈然とせんのだ。ハルの方がそんなリクオを受け入れちゃうくらいに度量の大きな子だったから良かったものを……。

 とまぁ、本筋の方にはかなりもやっとしたものがあるのだが、先述の通り、そうしたモヤモヤした部分も含めて、地味すぎるテーマをじっとりと描くアニメーションとしての質は高い。全体的な風合いも好みだったし、細かい表情芝居など、かなりディティールまで気を使ってデザインされていることは伝わってくるアニメである。あとは、シナリオ部分がどれくらい原作の内容を網羅できていたかなのだが……。どうなんでしょうね? 流石にアニメ12話でコミック11話分を全部やったとも思わないが……原作確認した方がいいかなぁ(これ以上辛くなる必要なくない?)。

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「かぐや様は告らせたい(第2期)」 6→7

 やっぱりいい作品なんだよなぁ……今期は数が少ないおかげで1本1本のアニメに不思議と愛着が湧きやすかったのだが(普段どんだけ適当に観てるんだって話よね)、今作はその中でも安定して見守ることができる作品でしたね。圧倒的な信頼感を加味してちょいご祝儀点。世間もそろそろ畠山守という才能と真剣に向き合ってもいいと思うんですがね。

 2期目における純正強化、というのが素直な感想。1期の時点で「恋愛頭脳戦」という一見すると出オチ臭いネタもあらかた使い尽くした感があり、そこからの2期はマンネリに堕ちてしまうんじゃないかという懸念はあったのだが、今作の場合にはそんな心配は無用で、むしろこれまで蓄積してきたあれこれを活用してどんどんエピソードの芯が太くなっていくのを感じる。なるほど、今まであまり真面目に考えたり感じたりしたことがなかったが、確かに「ラブ」と「コメ」という組み合わせはこういう育て方が正しいのであるか。いやでも人と人が絡み合う「ラブ」の世界。人間の関係は好き合うばかりではなく、そこにボケがあってツッコミもある。人間関係が濃くなれば濃くなるほどに、そこにまとわりつくネタ回しだって濃くなるのである。これがいわゆる「日常モノギャグ」みたいなデザインだと、なかなか蓄積の要素が出しにくい。今作はきちんと時間を重ね、青春と恋愛要素がそのままネタ回しの燃料になっていたのが「2期目からの加速」につながったのだろう。

 もちろん、追加要素だってバンバン増えており、2期で最大の見どころは間違いなくミコちゃんの存在だっただろう。かぐやが順調にポンコツとしての練度を挙げる中、いやでも会長との距離を詰め、どんどん近視眼的なキャラになっていくと、どうしたって外からのツッコミの手が欲しくなるが、そのニーズを見事に埋めてみせたのがミコちゃん。彼女自身もキャラをアピールしつつ、メインとなる生徒会の面々を気兼ねなく全力疾走させられるように新たに取り付けられた安全装置みたいなものだ。こういうキャラをちゃんと選挙戦のあらましを描くことで追加していくあたりに学園モノとしてのこだわりが感じられるし、体育祭編での石上の取り回しなど、単なるギャグやバカだけで終わらせずに「学園ドラマ」としても要素を拾っていこうという貪欲さはありがたい。これだけ硬軟織り交ぜた内容なのに、雰囲気もほとんどブレずに1シリーズが見やすくしあがっているのもポイントが高い。個々のエピソードが短めだったり、かなり自由度の高い作品なのだが、方向性が多岐にわたるだけに、ちょっとでも手綱を緩めたら空中分解してしまいそうな危うさがある。これをしっかりと逃さずにまとめきったのは、間違いなくアニメ製作の手柄であろう。

 ほんと、今期でかぐや様の愛らしさが確実に充填されメインヒロインとしての貫禄が出たことに加えて、ミコちゃん、早坂、そして藤原書記と、全ヒロインがまったく衰えを見せないんですよ。まー、そりゃ個人的にはやっぱり藤原書記のフルスロットルっぷりが見られるのが一番嬉しいが……会長特訓回みたいに、彼女が理不尽に苦労かけられるタイプの話の方が好きだったりもする。ああいうキャラはいじめてなんぼやねぇ。

 

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BNA」 6→6

 クライマックスで「遠吠え」がキーワードになってくるあたり、まさにズートピアである。新番チェックの時に「勢い任せの汚ねぇズートピア」って言ってたけど、やっぱり大体あってた。クライマックスの展開も似たようなもん(?)だしな。まぁ、やっぱり「ガチけものフレンズ(フレンドとはいってない)」をシナリオに起こそうとすると、大体こんな感じになるってことだろう。

 ぶっちゃけ、そういう意味ではあまり新鮮味もないお話だし、TRIGGER作品で言えば「プロメア」と同じくらいの満足感。「プロメア」が2時間のアニメ映画だったのに対し、こちらは一応シリーズアニメなんだから、尺を考えると多少物足りないとすら感じてしまう程度のものだが、まぁ、これで物足りないといったら贅沢でしょうね。TRIGGERアニメに慣れてしまっているせいで、「そうだね、TRIGGERだね」というだけである程度の刺激に対しては情報が処理できてしまう現状は、満たされているとも言えるし、何だか寂しい状態だとも言える。TRIGGER節は「グレンラガン」で突き抜けて「キルラキル」で既に完成してしまっているので、なかなか純正のパワーのみでそれを打ち壊すのは難しい。個人的には「リトルウィッチアカデミア」みたいな別方向の職人業で満足させてくれるとか、「SSSS.GRIDMAN」みたいな完全に振り切ったニッチな趣向の方で楽しませてくれるのを期待してしまうのだが、今作の場合は、割と正面から「TRIGGER的な」路線に挑戦しているので、まぁ、比較されて「これくらいかな」と思われるのは覚悟の上だろう。その上で、およそ期待に沿ったものを出してこられるのだから、やはり大したスタジオには違いない。結局、コロナの影響はなかったのかしらね。

 個人的にオススメしたいポイントは、毎度中の人の話で恐縮だが、やっぱりミチル役の諸星すみれ。これ、多分何度も書いてることだけど、やっぱり子役上がりの声優の発声って面白いところから出てくるのよね。おいちゃんは既に「声優的に」完成してしまってるんだけど、ともよちゃんなんかはまだまだそのラインに乗っているし、すみれちゃんもまさにそう。「普通だったけど普通じゃなくなった」ミチルの凡庸さと特別さの入り混じった空気を、身の丈にあったキャラ作りで打ち出してくれているのが見どころだ。あとはTRIGGER名物となった村瀬迪与のいつも通りのお仕事とか、とにかくぶっ壊す方に突き進むジャッキー役の潘めぐみとか、この辺りをスルメのように味わうのが、やはりTRIGGERアニメの真骨頂といえる。特にジャッキーは今作において唯一「ぶっ壊れ方向のTRIGGER世界」を背負って動くキャラで、いわばキルラキルにおけるマコをさらにギトギトに煮詰めたような存在。「思いっきり浮きまくるのが仕事」という、役者業にあるまじき大活躍である。

 やっぱりこっち方向に突き抜けた作品もまた観たいなぁ。ルル子くらいの尺でもいいから。

 

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「プランダラ」 4→5

 とりあえずリィン曹長が可愛かったです(特に声が)。なんでこんな可愛いのに滑り台キャラになってるのかはよくわからんが、まぁ、今作はあんまり細かい感情の機微にツッコミを入れるのも虚しいし、そもそも最大の難所がリヒトーの感情がよくわからんところだったので、あいつに惚れられないことはむしろよかったと思うべきかもしれない。どう考えても部下の子と仲良くしてた方が将来性あるよ。彼もほんとに甲斐甲斐しくていい子だし(最後まで謎を残したし)。

 いくつか残念な点はある。まず、やっぱり最初に釈然としなかったカウントのシステムについてはあんまり大上段に振りかざさない方がよかったと思う。導入で「訳のわからないもの」を提示して、その不可解なものと現実の齟齬が中盤戦への伏線になっているってことなのだろうけども、それにしても「設定ザルすぎんだろ」と思われるのは損だし、いざネタを明かされたあとでもやっぱり意味がわからないのは設定ミスだ。最初に見える図式ではカウントシステムがすごく重要に見えてしまったのは勿体無かった。そして、多分これは作者のクセというか性分、もしくはセールスポイントそのものなのでしょうがないんだろうけど、この凄惨な設定で随所にギャグを挟んでいくのはやっぱりちょっとキツいと感じた。まぁ、「そらのおとしもの」の時だって設定は割と殺伐としてた割にギャグの方に突き抜けていたが、あの作品はギャグ8:シリアス2くらいのバランスだったのでそれでよかった。今作は本当に5:5くらいのウェイトなので、どうしても「そんなことしてる場合じゃねぇだろ」というツッコミが先立ってしまう。見せ方次第だろうとは思うんだけど、決して「ギャグがつまらない」わけではないので、噛み合わせ方で損してるように感じてしまったのは勿体無い限りである。

 でもまぁ、そうして細かい点で「もっとこうすれば」と思えたということは総体としては決して悪くなかったということだろう。突飛だったとは言ってもやっぱり8話で展開されたどんでん返しは素直に驚いたし、その後の「現代編」での展開もちょっと設定を盛りすぎてはいたがある程度の説得力があった。もうちょいリヒトーの心情面に説得力があればなお良かったが、それ以外のキャラ、例えばジェイルの戦いなんかは見応えのある部分も多かった。個人的にはちょっと気に入っちゃったのはドーアンさんで、初登場時の「すくいようのないチンピラモブ」っぷりから、気づいたらかえって友情に厚いイイ奴になってたのは楽しい。こういうツンデレさんも可愛いよねぇ(しかしあの目は一体何だったんだろう)。

 続きが気にならないではないが、原作はまだ続いているようだし、今回のお話で割とキリのいいところまで進めちゃっただろうし、もし今後アニメ化するとしたら「完結編」が見られる時以外はないんだろうなぁ。……作られない気がするなぁ。

 

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「神之塔 -Tower of God-」 4→6

 結局、男として生まれたからには早見沙織ボイスの女の子をなんとしても守ってあげたいし、そんな女の子に人生を狂わされ続けるだけなのだなぁ、ということが確認できる作品。そんな作品たくさんあるわ。

 正直、最終話だけの評価なら7点でもいい。それくらいに満足するし、「続き気になるぅ!」と思わせるエンディングになっていた。とにもかくにもラヘルだ。何もかもが不確定のこの世界の中で、ただ彼女の存在が、それこそ天を衝く塔のごとく、一本の筋を貫き通した。ここに来ての大逆転現象。彼女の目から見た全く異なる「塔」の景色。うーむ、この構成には文句は言えない。まぁ、純粋にこういう女の子の設定が大好きすぎるっていうのがあるんだけどね。早見沙織ボイスはもちろんなのだが、そんな声で囁いてくれる「守ってあげたくなる系女子」が、こんなにも愚かで、こんなにもしたたかな女になるなんて。騙されてもいい。彼女の汚い笑顔が見られれば、僕はそれで満たされる。それがM気質の役得である。

 まぁ、ラヘル万歳は差し置いても、実は中盤あたりから割と面白く見られていた作品である。個人的には注目しだしたのはアナクが暴れ始めたあたりかな。トカゲ姫はビジュアルも強烈だったが、悪辣な敵サイドのキャラなのかと思っていたらエンドロシとの関係性でどんどん背景が見えて可愛くもおかしくもなっていくし。エンドロシはまっすぐにかっこかわいいし。不思議と、キャラクターの配置に無駄がない。

 今作は海外の作家さんの作品ということで、同様に日本原産ではない「凹凸世界」とイメージがかぶる部分があった。訳のわからないゲーム世界がいきなり幕を開け、個々のステージのルールもガバガバのまま、なんとなく「ゲームだよ」と言われてる状態で進行していく。クリアするのに特に知力が求められているのでもないのでハンター試験みたいな妙味があるわけでもないし、何よりも世界観がよく分からないのでとにかく最初の方はお話に没入できない。そう、「凹凸世界」も今作も、「ゲーム会場の外」がどうなっているのか全く分からないというのが共通しているのが面白いのだ。最終話を迎えてなお、ラヘルとヨルがなんであんなところであんな状態だったのかは分からないし、外の世界から「塔」がどう見えてるのかも分からない。かろうじてザハードの血筋についての背景はそれなりに語られたが、それだって本当に概形をなぞっただけで、この塔との関係性も、世界の構造も規模も、さっぱり分からないのだ。

 そんな状態で丁寧な物語など進行できるものか、と訝しんで序盤は流し見していたのだけど、今作の場合、試験開始時に大量にいた人員が減りだし、モブに「顔がつき始める」ことで次第に視界がクリアになっていく。シビスなんてその最たるもんだろうが、「どのモブも区別つかねぇよ」と思っていたところから、気づけば雑多なヘンテコキャラたちに少しずつ表情がついていくのである。かわいそうなホー、何かと気になるレロロー、それに最初から謎は抱えっぱなしのクン。登場時に「これ、絶対モブやん」って思ってたワニ(ラーク)が、こんなにも愛すべきキャラになるなんて誰が思うだろうか。最終話で彼のあげた雄叫びに、思わず泣きそうになってしまった。

 こうして「何も分からない場面に放りだしておいて、さらに進行内容もすげぇいい加減なのに、少しずつキャラが絞られてドラマが見えてくる」という構図は、多分日本の漫画・アニメではなかなか見られない構造なんじゃなかろうか。理由はよく分からないが、多分ジャンプ漫画的な「漫画のセオリー」「アニメのフォーマット」に当てはまらないからだ。確かに今作のスタイルだと、最初に訳がわからなくて切られる可能性が高いのでリスクは非常に高い。しかし、そこを耐えられると判断すればこその見せ方なのだとすれば、色々と学ぶべき点も多いのではなかろうか。「なんかふわっとしてんなぁ」という印象も、実際は最終話の「裏面」との合わせ技一本の効果を狙った演出だったわけでなぁ。こういうアニメを取りこぼしなく、きちんと見られるようなシーズンになったことを感謝せねばなるまい(倍近い数を処理しなきゃいけない例年通りのスケジュールだとスルーしてた可能性があるわ)。

 海外資本が入ったおかげなのか、アニメーションも悪くない水準で最後まで完成していた本作。独自の風合いが胡散臭い世界観を際立たせるのに役に立っていたし、キャラ絵も慣れてくるとなかなか魅力的。是非とも、この続きをアニメで見たいとは思うのだが……これ、2期の予定はあるのかしら? そして2期が始まったとして、ラヘルは今後どんな人生をあゆむのかしら? ……原作買うかぁ……。(今期多いな)

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「アルテ」 5→5

 今期はカタリ(ー)ナっていうヒロインが同時に2作品で活躍するという微妙な被りが発生していたのだな。まぁ、向こうではメジャーな女性名なだけかもしれないけど(向こうつっても、旧世紀のイタリアとなろう的乙女ゲー世界の常識が同じかどうかは知らんが)。

 実に真っ当に、望まれたものを提供してくれた作品だったと思う。こちらもコロナなど何処吹く風で安定感のある作品で、映像部分に大きな不満はない。中世ヨーロッパの街並みがどこまで華やかなものに見えるかと期待していた部分はそこまで華々しいものではなかったが、冷静に考えて、この時代の平均的な街並みがそんなにびっくりするような綺麗なものな訳ないよね。「美術品」というメインテーマがあるため、そちらの方に作画リソースがそれなりに割かれているし、見栄えはバランスの良い画面展開になっている。キャラ絵もちゃんと可愛いところは可愛くかけており、アルテ、カタリーナ、そしてヴェロニカさん(個人的な趣味です)あたりが個々にタイプの違う色気を見せてくれているのはありがたい部分。まぁ、アルテのおっぱいはもう少し平均サイズでも良かった気もするが……そういう設定ならしょうがないよな。あんまり作中でその辺は触れられてないんだけど、別に巨乳キャラが巨乳であることに触れなきゃいけないルールはないからな(そらそうよ)。

 そうして画面はかっちりと安定していて、お話の方もそれに見合うようにかっちり。意外性のある展開は何一つなく、こちらも世界名作劇場みたいなシナリオラインだな。一応チェックすべきなのは、純正の「頑張る女の子」な流れではあるものの、アルテ自身は「女性であること」をビハインドと捉えて極力性差を消そうと努力している部分だろうか。割と早い段階でレオに対して特別な感情を持っていることを認識してしまうのもむしろ興味深い部分で、性差を乗り越えようとしつつも、どこかで決定的な違いを認めなければいけないという意識もある。ジェンダー論なんてのは今のご時世では非常にセンシティブな内容ではあるが、今作の場合は「まぁ、中世の価値観なので」という免罪符があることに加え、アルテが「性差別なんぼのもんじゃい」と非常に前向きな性格になっていることで重たくなりすぎずにその辺りの問題を取り扱っているのでとっつきやすい。特別大きな達成感のある作品でもなかろうが、アニメ化されただけの意味はあったと思うし、観て損するアニメではなかろう。

 個人的には、ベネツィアにいったあとのユーリの邸宅でのキャストの謎の充実っぷりが好き。カタリーナは文句なしで可愛いし、母親・田中理恵、お付きのもの・戸松とかいうよく分からない固め方。これ観てて気づいたけど、最近の戸松、妖怪ウォッチの専属声優みたいになってんな。

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「A3!」 5→5

 だいぶ時間はかかってしまったが、なんとかゴールまでたどり着くことが出来た作品。まぁ、それだけでもとりあえずおめでとうと言えるんじゃなかろうか。

 そして、存外嫌いじゃなかった作品である。「ソシャゲアニメに成功なし」かつ「乙女ゲームはNot for me」という2つものハードルがあったおかげでそこまで大きくハマるようなこともなかったのだが、今作の場合にはこの2つのハードルを飛び越えるだけのものがあった。まず「ソシャゲアニメ」という大きめのハードルだが、最大の難点である「キャラ多すぎ問題」に関しては、「前半と後半を分ける」というありそうであんまり無かった構成によって打破してみせた。ソシャゲアニメがどうしても一見さんお断りになる最大の理由に「人気キャラを全部出そうとして収拾がつかなくなる」というのがあるわけだが、初見で困らない程度の人数、つまり春組と夏組の数人だけで半分ずつ回すという構成にすることで初見の人間でも大きな負担を与えることなくキャラを伝えることができる。アイドルもののアニメはこれくらいの人数になることもあるのでそこまで新しい手法ではないのかもしれないが、ゲームの設定に「春〜冬の4チームがあるよ」と書かれているなら、どうしても先に全員出してしまいたいという欲求は出てくるだろう。そこをぐっと抑えて、文字通りに四季が巡るようにしてゆっくりと1つ1つの舞台を描いていくという構成自体が、「ありがたい」見せ方になっていたのである。それぞれが完全に独立しているわけではなく、適宜接続してバトンタッチが描かれるのも良いね。

 こうしてキャラが頭に入ってくる状態さえ作ってもらえば、「舞台演劇アニメ」ってのはなかなか新鮮。まぁ、私の心に致命傷を残した「少年ハリウッド」に勝るものではないが、ちゃんと「舞台俳優とはなんぞ」「何故、舞台を大事にするの?」といった今作ならではの要素は無視していないし、舞台人がこだわりを持つ独自の面白みなんかも一応は形として見えている。また、「乙女ゲーである」というハードルは、あんまり男同士の関係性をベタベタものにしすぎず、あくまでも「同業者」からの「舞台仲間」というところで節度を守って描いているので余計な匂いがせずに心おだやかに見られるレベルになっていた。まぁ、いくらかキャラが強すぎる奴もいたので、その辺はちょっと目を逸らしながらの視聴にはなるのだが……三角星人とか、流石に見ててキツいからな……いや、でもこの程度のキャラ造形って、女の子のアイドルアニメなら割と普通(?)かもしれんな……頭のネジ外れたキャラって普通に出てくるし……。いやいや、でも流石に不法侵入から不法占拠して一切悪びれない社会人は見たことない……かな? いやいやいや、弦巻こころのイカれ具合とか、女性目線からだとどう見えるんでしょうね?(男目線でもどう見てもイカれてはいるな)

 まぁ、そんなわけで完全に世界観を飲み込んだとは言わないが、「受け入れられるレベルに留まっているし、キャラさえ受容できればお話は割と真っ当」ということで不満はありません。これ、また次に秋組と冬組がくるんだよね? 正直いうと、「いっそバンドリアニメもこの形式で全部のバンドストーリーやってくれないかなぁ」とは思ってるよ。

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「邪神ちゃんドロップキック」 5→6

 相変わらずのフリーダムっぷり。ファンが求めているものには間違いなく応えてくれるアニメになっていた。まぁ、クラウドファンディングに投資したツワモノどもなら、何が出てこようが邪神ちゃんが邪神ちゃんである限り満足してるとは思うけども。

 これだけ破天荒なアニメであるし、鳴り物入り(?)での2期目にはよっぽど刺激的なことをしなけりゃ満足できねぇぞ、と思っていたが、なかなかどうして、しっかりタガを外した展開で我々の意表をつくことを忘れない。もともとが無いはずのところから復活を遂げた「ゾンビアニメ」であるからコロナの影響などみじんも受けない完パケ状態だったというのも今期アニメの中で他作品と差を広げる要因となり、なんかよく分からないけど邪神ちゃんラッキーである。まぁ、おかげでオリンピックネタとか、奇跡のネタ潰しがあったのもらしいといえばらしいのである。

 中でも唖然としたのは、なんのためらいもなく全12話のくせに10話目に最終回を持ってきたこと。「どないやねん」と思いながら何が出てくるかと11話、12話を見たら、なんと11話は全部終わってからの総集編というよく分からないセッティングに邪神ちゃん(鈴木愛奈の別称)の熱唱で枠の半分を埋めるというとんでもない構成で呆然とさせ、最終話に持ってきたのは謎の聖地巡礼アニメで完全なる「金の匂い」を残していった。確認したら、千歳市がふるさと納税でアニメを作ったという、冗談みたいな本当の話があったらしく、これまた邪神ちゃんでもなければ出来ないとんでもない展開だ。いや、でもちゃんと千歳編が面白かったんだよ。その上できちんと「まぁ、気が向いたらちょっと行ってみたい……かも?」と思わせる程度には「聖地アニメ」としても成立しており、このコロナ下でなければ案外経済効果も出ていたんじゃないかと思わせてくれるものだ。これだけ愛に満ちたアニメ作りが実現されたファン密着型の作品もなかなか無いのではなかろうか。

 そして、やっぱり邪神ちゃん(鈴木愛奈の別称)はすげぇなぁ、と思う。なんで聖地が千歳市なんだよ、と思ったら、彼女の出身地なのね。普通、「主演声優の出身地だから」っていう理由が巡り巡って税金でオリジナルアニメは作られねぇだろ。これで彼女は沼津に続いて千歳まで救った英雄になるかもしれないのだ(どちらの都市も、救われたという実績を保証するものではありません)。2週連続で謎の歌謡曲まで熱唱してくれるし、骨までしゃぶり尽くしたアニメだ。ほんと、神保町哀歌は良い歌だなぁ(そしてこの民謡歌手うめぇなぁ)。

 

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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