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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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8月24日 ドラフト模様(M20×3)

ピック順 【Alessi】→【Thraxi】→【Logical】→【Serra】→【Chrolony】→

 

 2週間ぶりでございます、ぶっちゃけ、お盆明けの今週もドラフト開催は微妙だった気もするのだが、なんとか人数を確保しての開催。「やっぱり紙のドラフトはええわぁ」というアリーナ民の数が増加しております。

 一応今回のドラフトで最初に買ったM20の箱は使い切りました。まだエルドレインまで1ヶ月以上あるので買い足す必要はあるんだろうが、プレイするのはM20がいいのかどうかってのは話し合いの必要がある部分で。一応、次回は余ってるパックを消化することにしたのでM20以外のドラフトを開催します。なんか「M20やだなぁ」って言ってる人間も1人いたしね。選択肢としては当然最有力が灯争大戦なんですが、まだモダホラも残っているので、当日話し合ってこのどちらかをプレイすることになるかと思います。一応、Unstableをやるっていう案も出たんだけど……あれはかなり予習が必要なセットなので(俺ですら忘れてる気がする)……。まぁ、やるときは事前に告知します。

 日程は全然打ち合わせずに解散してしまったので、一応、通常通りの土曜昼をデフォルトに設定しておきます。バイト戦士その他、レギュラーメンバー6人で都合が悪い人は事前に報告・相談願います。

 

 

 


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8月10日 ドラフト模様(M20×3)

ピック順 【Logical】→【Tanaka】→【Alessi】→【Thraxi】→【Chrolony】→【Serra】→

 

 通信の形ではお久しぶりです。約1ヶ月も空くってのは流石に初めてのこと。あんまりやってなかったってのもあるけど、実際はダウナー期に1回だけドラフトやって記事をあげなかった回があります(多分、通常のドラフトをやって記事をあげなかったのは初めて)。「今回は通信書かないからピック表いらないよ」って言ったのに完全に癖でピック表を自主的に書いてる奴がいたのはちょっと笑った。

 さて、M20ドラフトを順調に消化していますが、次回はまだ未定です。来週は私が帰省しているのでおやすみが確定、再来週もすでに誰か休みの報告が入ってた気もするけど、まだ未定です。まぁ、次のエルドレインまではまだまだ時間があるので、余ってるパックを適宜消化していく作業をしていきましょうよ。

 

 


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7月14日 ドラフト模様(WAR×3)

ピック順 【Chrolony】→【Serra】→【Metallica】→【Thraxi】→【Mei】→【Tanaka】→【Alessi】→

 

 一応新環境! まぁ、基本セットだけどさ。今回は前回の告知通りにM20でやるやでー、って言ってたら、なんか知らんけど突然人数が増えて7人まで膨れ上がった。この突然のパンプアップが可能なのが謎空間である。ただ、それ以外にも突発的に事故があってスペースが使えず、例によってカラオケボックスに避難してのドラフトになったのだけど。カラオケに行って1回もマイクを握らずに出てくるの、本当に身体に悪いんやけど……。

 さておき、初めての環境だし、基本セットってことでしょんぼり要素も無いことはないのだが(基本的にピックが粛々と進む)、言うほど悪い環境でもないかもしれない、くらいの最低限のレクリエーション性はあった模様。とりあえず来週分のパックを確保する目的もあるし、しばらくはこの環境で行ってもいいかもしれないです。つまり、もう1箱くらいは買っておくかってことだ。

 

 次回も日程はいつも通りの土曜昼です。基本セット好き寄っといで。

 

 

 


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7月6日 ドラフト模様(WAR×3)

ピック順 【Tanaka】→【Thraxi】→【Alessi】→【Chrolony】→【Serra】→

 

 今週は灯争大戦でございます。一応モダホラとの2択で決はとったけど、なんとなく流れで「まぁ、灯争にしますか」みたいな感じになった。一応、通常ならこれが「最終回」になるはずなのだが……次が基本セットだからなぁ。

 以前アナウンスした通り、次回は一応M20で開催予定です。1箱買うつもりなので、パック数の関係で翌週もかな? ただ、その後の8月、9月は完全に未定なので、できたら希望を出してもらった方がいいかもしれないですな。なお、我が家にはモダホラ1戦分と灯争大戦1箱が丸々残っているので、そちらの在庫処理は強制的に開催されると思われます。(実はUnstableも残ってたりするが、多分これはこのまま死蔵する流れだろうな……)

 次回も日程は通常通りの予定です。参加希望の方はお早めに連絡を。

 

 


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6月29日 ドラフト模様(MH1×3)

ピック順 【Chrolony】→【Alessi】→【Thraxi】→【Serra】→【Newcomer】→【Tanaka】→

 

 モダホラ3回戦。先週の予告通りに今回は灯争大戦との2択で各プレイヤーに選んでもらったわけですが、「希望がある人は選択して、どっちでもいい人は反応せず」という投票を行なった結果、「灯争大戦0:モダホラ1」という最小得票でモダホラに決定した。みんな自分の意思なさすぎでワロタ。

 

 ちなみに、一応次回も選択可能ですので意見は募ります。多分大事なのは次回よりもそれ以降の話で、プレリに出る予定はないので、今回は普通に一般発売日、つまり2週間後からM20が使用可能になります。ただまぁ、例によって基本セットですので、そこまでドラフトが盛り上がるかと言われたら責任は持てません。とりあえず箱で買うのは1つにとどめようと思うので、2週間後は確定でM20、その後は残ったパックで随時選択制ってことになると思う。まぁ、流石にモダホラについては(経済的に)これ以上買い足すのは厳しいと思うので、現状モダホラについてはあと1回分。次のセットの発売が10月(or9月末)になるので、ぶっちゃけあと3ヶ月もの間何をするかは結構悩ましいのよね。多分「余ってる」って言ってる灯争大戦は自然にそこで焼却できそうだからあんまり心配してないんだ。M20が面白い環境になってくれるならそれに越したことはないのだが……。まぁ、灯争大戦が面白いかって言われたら、それはそれで意見は分かれるやろ?

 次回も特に意見がなければ土曜14時開始。強い意志を持ったプレイヤーが来たらその人の意見に引っ張られるかもしれないよ。

 

 


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<白>
 
共同突撃 Allied Assault (2)(W) U
インスタント
最大2体までの対象のクリーチャーは、それぞれターン終了時まで+X/+Xの修整を受ける。Xは、あなたのパーティーの数である。
 今回の記念すべきコレクターナンバー001のカードはこちら。パーティー数を指標に使っているために場合によっては白にあるまじき修正値を叩き出すコンバットトリックだ。こうしてみると、「白はあまり数字のでかい修整はしないっていう設定はどこ行ったんや?」って言ってたけど、「仲間と団結して力を増幅させる」ってのは白の昔からのカラーなので、そっちで解釈すれば問題ない効果なんだな。最小では3マナ払って何もせず、最大ならなんと+8という極端な呪文。わざわざこれを入れるくらいならだいたい+2(×2)くらいは期待していいだろうから、「同期した一撃」くらいの効果にはなりそう。リミテッドでは、こうして2体以上に影響を及ぼすトリックだとアドバンテージが取りやすいのでかなり強力。ちなみに対応してパーティーメンバーを除去られると踏んだり蹴ったりという意味でも影響は大きい。タイミングを間違えないように。
 
運命の天使 Angel of Desitny (3)(W)(W) M
クリーチャー・天使、クレリック
2/6 飛行 二段攻撃
あなたがコントロールするクリーチャー1体がプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、あなたとそのプレイヤーは、それぞれその点数に等しい値のライフを得る。
あなたの終了ステップの開始時に、あなたのライフが初期ライフよりも15点以上多かった場合、〜がこのターンに攻撃したプレイヤーはこのゲームに敗北する。
 なんやこいつ(困惑)。自軍クリーチャーが対戦相手にダメージを与えるたびに、「その分だけみんな回復」するという謎シチュエーション。つまりこれがいる限り、戦闘ダメージは全部チャラ。相手を殴り倒すことはできなくなる(一応、絆魂と違って誘発型能力なので、解決前に相手のライフが0になったら死ぬが)。何が楽しくてそんなことをするかというと、与えたダメージが「相手の傷」じゃなくて「自分の利益」に転化される。相手のライフはゼロにならないが、自分のライフが35点になれば、「この天使に殴られたプレイヤー」は敗北。つまり2人プレイなら、「この天使が殴ったターンに、自分のライフが35点に到達すれば、終了ステップに勝ち」である。感覚的には、「相手のライフを20点削る」を「自分のライフを15点回復する」に置換するデザイン。かつて存在した謎カード「卓絶」の解釈違いみたいなカード。この転換は「相手のライフを20点削るより、自分のライフを15点回復した方が楽じゃね?」という部分を売り出すもの。確かに、ダメージソースよりも回復ソースの方がチェックが緩いのは事実であり、現在もヴィトさんがその穴を突こうと奮戦しているところ。この天使はヴィトさんのような特別な工夫をせずとも、出すだけで全てのクリーチャーが回復方向に回れ右をするのでコンセプトが統一しやすい……のかなぁ。でも、クリーチャーが並んでるなら、そのクリーチャーは前のターンまでは相手のライフを削ろうとしてたと思うのだが……。いや、まぁ、回復デッキなら別にその辺はいいのか。最大の懸念点は、やはり勝利条件に「こいつが殴ったターンの終了ステップ」という文言が盛り込まれている点。どれだけライフの回復準備を整えたとしても、最終的にこいつが着地して、召喚酔いを超えて、攻撃して、生き残る必要がある。こいつが茨の道なんよ。そこのハードルを超えるくらいなら、やっぱりヴィトさんの方が素直で簡単な気がするんだよなぁ。まぁ、特殊勝利条件マニアの人は頑張ってみよう。一応タフネス6で二段攻撃持ちの天使はそれなりに強いは強いしな。リミテで出されたらやっぱりきついよ。
 
天使心の守護者 Angelheart Protector (2)(W) C
クリーチャー・人間、クレリック
3/2
〜が戦場に出た時、対象のあなたのコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで破壊不能を得る。
 天使心とか言っちゃいるが、やってることは「ほれ、お前死なねぇから突っ込んでこい」という特攻製造マシーン。まぁ、死なないなら別にいいんだけどさ。ちなみに「天使心/Angelheart」という名称はかつて「天使心の薬瓶」で使われたことがあるので、単に「天使様の御心」というだけでなく、ゼンディカー次元特有の名称なのだと考えられる。3マナコモンとしてはそれなりのお仕事で、うまく先陣が配置できていれば、本来殴れなかったところが殴れてダメージを稼げるかもしれない。逆に言うと、そうして他人の力を借りることが必須なので、状況が用意されてないと単なるバニラ。瞬速が付いてればかなりのやり手だったのだが、多分そこまでいくとアンコモンになっちゃうからなぁ。
 
エメリアのアルコン Archon of Emeria (2)(W) R
クリーチャー・執政官
2/3 飛行
各プレイヤーは、各ターンに呪文を1つしか唱えられない。
あなたの対戦相手のコントロールする基本でない土地はタップ状態で戦場に出る。
 出た、どこの次元でも節操なく顔を出す割に、結局なんなのかよく分からない存在、アルコン。せっかく「猟犬」が「犬」になったこの令和の時代にも、残念ながらアルコンの日本語は執政官から変わらずである。しかしこのアルコン、実はこれまた歴史を塗り替えた1枚だったりする。どの部分が新しいかというと、そのコストだ。レアなどに配置されることが多いアルコンはどうしても重量級フライヤーになることが多く、5〜8マナあたりが基本なのだが、これが更新されたのがエルドレインで登場した「赦免のアルコン」の4マナ。すぐにこれに「太陽の恵みの執政官」が続き、この度さらに1マナ軽くなって、3マナ2/3というありえない軽さの執政官となった。まぁ、デザインとしては白がよくやる諸々の制限付与クリーチャーなので、あんまり新鮮味もないけども。「法の定め」効果は3マナなので割と普通だが、アタッカーとして優秀なボディにくっついている分だけ効率的。そして下についているのはさらに相手を締め上げる能力なので、なるほど総じて見れば確かにレアか。せっかくのゼンディカー、今回も変な土地は多くなりそうだが、一番見かけるのは元からタップインの両面カードなので、今んところそこまで大きな影響はなさそうかな?
 
イオナの大司祭 Archpriest of Iona (W) R
クリーチャー・人間、クレリック
*/2
〜のパワーは、あなたのパーティーの人数に等しい。
あなたのターンの戦闘開始時に、あなたのパーティーが全員揃っているなら、対象のクリーチャーはターン終了時まで+1/+1の修正を受けるとともに飛行を得る。
 クレリックというタイプに大々的にスポットが当たるのは随分久しぶりのことで、セットギミックとしてはマジでオンスロート以来、つまり20年ぶりくらいのこと。オンスロートにおけるクレリックは白黒の部族で、とにかく軽減や回復に特化した鬱陶しい部族だった。黒のクレリックは相手のライフを蝕む方法も持っていたが、メインアタッカーの「不快な助祭」や「腐敗を導く者」、キーとなる土地である「星明かりの聖域」が引けないとなかなか相手を削れなかったり。それに比べて、ゼンディカーのクレリックはパワフルである。このおじいちゃんも、パーティーをパワーに参照するので最大で1マナ4/2。もう白クリーチャーのステータスではない。さらにフルメンバーなら戦闘時ボーナスも稼げて、自身も5/3フライヤーという決定打になりうるサイズ。まぁ、本当に周りの人と助け合ってのカードであり、単体での性能はレアとしてはキツいところだが……こういうカードを頼みにしたパーティービートは成立するんだろうか。全体除去へのケアがきつすぎる気はするんが……。

 


従者つきの癒し手 Attended Healer (3)(W) U
クリーチャー・コー、クレリック
2/3
あなたが各ターンで最初にライフを得るたび、1/1で白の、猫・クリーチャー・トークンを1体生成する。
(2)(W):対象の、他のクレリックはターン終了時まで絆魂を得る。
 従者っつっても、ネコなのよ。山岳救助隊が犬を連れてるのは理解できるけど、癒し手が猫を連れてるのはどういうことなのか……しかも、誰かを癒さないと猫出てこないし。おかしくない? 猫がいて初めて癒されるんじゃない? まぁ、とにかくM21で勃発した犬猫大戦争を支援する1枚だ。ライフゲインがトークンにつながる構造は「グリフィンの高楼」と同じだが、こちらは1点のライフでも誘発するし、相手ターンでも誘発する。両方使えばグリフィンと猫の両面体制で癒しにいけるが、ぶっちゃけ猫は1/1バニラなのでそこまで求めるもんでもないか。これで猫もちゃんとクレリックだったら再生産が見込めたんだけどなぁ。まぁ、今回のクレリックデッキはライフゲインに絡めたシナジーは多いみたいなので、その中に自然に混ぜ込んでおくとライフゲインの方策も報酬も増量できるので各方面に連携しやすいんじゃなかろうか。猫トークンが増えればそれだけで勝ちみたいなもんやろ?

 


峡谷のトビネズミ Canyon Jerboa (2)(W) U
クリーチャー・ハツカネズミ
1/2
上陸 - あなたのコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで+1/+1の修正を受ける。
 可愛い……のか? なんか、小動物特有の目のデカさがグロさに繋がってる気がするな。エルドレインで新しく作られた「ハツカネズミ」というクリーチャータイプを持つ、初のカードである。そう、エルドレインの時は馬車が引き連れるトークンだけが存在したので、カードとしてのハツカネズミはこれが初。いや、英語の「jerboa」は「トビネズミ」ってなってるので生物学的な分類はよくわからんけども……。とりあえず、そんな貴重なネズミである。ネズミなので戦力としてはほぼカウントできないが、こいつがいるだけで謎の癒しパワーが炸裂し、土地をおいただけで全軍発奮。ヤバい薬でもやってるんじゃなかろうか。全軍が恒常的に+1するとなればそれってつまり「栄光の頌歌」なわけで、レアクラスの能力だ。もちろん、毎回必ず発動する保証はないし、防御時にはほぼ使えないというデメリットもあるだろうが、その分、なんとかして土地を2枚3枚と置ければそれだけでゲームに勝てるプランもあるのだ。リミテッドではたまに事件を巻き起こす大きな存在になるんじゃなかろうか。あとは、これを採用すべきかどうかをデッキ構築の時にたっぷり悩むがいい。
 
岸壁安息所の売剣 Cliffhaven Sell-Sword (1)(W) C
クリーチャー・コー、戦士
3/1
 まだまだ更新を続ける、白の2マナ3/1バニラ軍団の新作。前回はM21で「夜明けの突撃獣」が登場し、「いよいよボーナス付きが標準になってきたので、そろそろバニラの更新も伸び悩むか」と書いたわけだが、早速追加されたのはこの世界が部族環境だから。額面上はバニラだが、欲しいクリーチャータイプを持っているというだけで純粋に能力がプラスされたようなものだからだ。白は戦士の第2種色なので、集めやすい戦士がいるというだけでパーティー結成のプランは組みやすくなる。まぁ、「こいつが死ぬと戦士がいなくなっちゃうし……」とかで戦闘に二の足を踏むようになっちゃうと、せっかくのステータスが活かしにくくなるので悩ましいところではあるのだが。
 
不屈の結束 Dauntless Unity (1)(W) C
インスタント
キッカー(1)(W)
あなたのコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで+1/+1の修整を受ける。この呪文がキッカーされていたなら、代わりに+2/+1の修整を受ける。
 全体増強の基本のキ。現在の基準だと既に+1なら「突撃」の1マナだが、おまけがついていることを考えれば2マナ(つまり「栄光の突撃」)でも文句なく実用レベル。これにさらにキッカーモードもついていて決め技になってもいるのだから至れり尽くせり。まぁ、そうは言っても結局はある程度数が並ぶデッキでないとデッキインはためらわれる気もするけど。アンコモンの方には土地にもなる全体+2呪文もあるが、そちらはソーサリーなので一長一短。まぁ、持っているカードでなんとかするしかないってどこぞの犬も言ってますからね(Magicの解説でその例えを使うのはむしろどうなんだろう)。
 
解呪/Disenchant(M20)」 C
 お世話になります。一応これでスタン落ち回避ではあるが、ぶっちゃけ今のスタンで見かけたことあんまり無いな。
 
エメリアの隊長 Emeria Captain (3)(W) U
クリーチャー・天使、戦士
1/1 飛行 警戒
〜が戦場に出たとき、あなたのパーティーのクリーチャーにそれぞれ+1/+1カウンターを1つ置く。
 さすがはアンコモン。かなり運用効率の高い、リミテッドでのボム候補と言えるんじゃなかろうか。ステータスだけを見れば大した事はないが、登場時に最大4つまでのカウンターがバラ撒けるとなると結構な事件。最低でも自身が2/2警戒だし、3ターン目までに出したクリーチャーを増強しながらさらに空の戦力を追加する動きはビートなら願ってもないものだ。問題は、攻めっ気が強いとどうしても戦士クリーチャーばっかり集まっちゃって、結局置けるカウンターが少なくなるパターンがありそうなことだが……。そこはリクルート力が試されるところだ。ところで、戦士と天使で韻が踏めるな?
 
エメリアの呼び声 Emeria’s Call (4)(W)(W)(W) M
ソーサリー
4/4で飛行を持つ、白の天使・戦士・クリーチャー・トークンを2体生成する。あなたのコントロールする天使でない各クリーチャーは、次のあなたのターンまで破壊不能を得る。

砕け散ったスカイクレイブ、エメリア Emeria, Shattered Skyclave
土地
〜が戦場に出るに際し、あなたは3点のライフを支払っても良い。そうしないなら、〜はタップ状態で戦場に出る。
(T):(W)を加える。
 天使様のハイパーご支援呪文。2体の天使が駆けつけ、しばらくの間は民を庇護してくれる。安全安心だし、次のターンに天使が殴れば勝ちは固い。強いのは間違い無いのだが、まぁ、7マナ神話だと考えるとそこまで驚くようなもんでも無いかな……。ちなみに天使さん自身は破壊不能じゃないので除去られるという部分が無駄にフレーバーに忠実。そして7マナのソーサリーなんてそうそうデッキに入れられるか! というニーズにお応えして土地としてもプレイ可能。さらに神話なのでアンタップインの選択肢ももらっている。至れり尽くせりだが、そのための3ライフはそれなりの代償。まぁ、初手にあったら1ターン目タップインとかでごまかしておけばいいんじゃないかな。リミテッドで初手にあったら死ぬほど悩みそう。どこかに土地も戻せるバウンスはないもんですかね?
 
探検隊の癒し手 Expedition Healer (1)(W) C
クリーチャー・コー、クレリック
2/2 警戒
あなたが他のクレリックをコントロールしている限り、〜は絆魂を持つ。
 クレリックらしさなんてとりあえず絆魂つけとけばええやろ、という割と適当なコモン。すでに2マナ2/2絆魂持ちでデメリット無しの「司教の兵士」や「メサ・ユニコーン」が存在しているので絆魂だけじゃ存在感をアピールするには物足りないってことで、今回は条件付き絆魂+警戒のパッケージだ。攻守に活躍できる絆魂持ちってはリミテッドでは存外でかい。まぁ、だいたいは「どうせスルーしても立ってるから意味ないんだよな」ってんで相打ちを誘発する効果になるわけだが。ただ、「もう1体クレリックがいる」という条件を序盤に安定して維持するのは案外面倒くさい。クレリックデッキならいいんだけど、パーティー狙いで職業が散った場合には、割と一般兵。
 
遠見の達人 Farsight Adept (2)(W) C
クリーチャー・コー、ウィザード
3/3
〜が戦場に出たとき、あなたと対象の対戦相手はそれぞれカードを1枚引く。
 こっそり新しい歴史に挑戦しようとしているクリーチャー。3マナ3/3というナイスバディは白ならバニラでも文句は出ないところだが、これにメリットともデメリットとも言えない能力を加えることでオリジナル色を出そうとしている。そして、これがあまり白っぽくない。場に出たときにカードが引けるクリーチャーってのは、歴史的に青・緑・黒の仕事だ(黒ならライフルーズが必須だが)。白は直接的にドローする手段を与えられないというのが基本理念だが、そこに「じゃぁ、相手も引くことにして公共の福祉みたいにしたら白っぽくなるのでは?」というギミックを加えての試験。開発チームは統率者戦のためになんとか白にもカードを引く能力を与えようと試行錯誤しており、その試験の一環だと思われる。多人数戦ならこれだけの能力でも充分強いし、駆け引きにも使えるのでね。まぁ、主な活躍の場はリミテッドになるだろうし、能力自体があまり問題になることはなさそうだが、白のウィザードは3種色なので数が少ない。青を使わない構成になった時の貴重な頭数として、色を見ながらのキープを目指そう。
 
恐れなき雛 Fearless Fledgling (1)(W) U
クリーチャー・グリフィン
1/1
上陸 - 〜の上に+1/+1カウンターを1つ置き、〜はターン終了時まで飛行を得る。
 これはなかなか育てがいのある子供。2マナで出てくるので上陸の恩恵を受けやすく、うまくいけば3ターン目には2/2飛行。その後も毎ターン土地を置ければ常に最前線で戦えるステータスのままで成長を続けるので、1枚でゲームに勝ててしまうレベルである。土地が置きにくくなる中盤以降までくれば地上でもそれなりに戦えるサイズにはなってるだろうし、飛行の付け外しもそこまで大きな問題にはならない。まぁ、グリフィンのくせにサポート無しで飛べないのはどうかと思うが。ただ、問題はそうしていつも2ターン目に出せるわけではないという部分。2マナクリーチャーに高望みしてもしょうがないが、中盤以降のドローで出会った時のガッカリ感はちょい寂しい。そう考えるとやっぱり飛行はデフォで欲しかったところだが……それだと強すぎたのかしらねぇ。

 


フェリダーの撤退 Felidar Retreat (3)(W) R
エンチャント
上陸 - 次のうちから1つを選ぶ。
「2/2で白の、猫・ビースト・クリーチャー・トークンを1体生成する」
「あなたのコントロールする各クリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置く。これらのクリーチャーはターン終了時まで警戒を得る」
 古いプレイヤーをニヤリとさせる1枚。元になっているのは「戦乱のゼンディカー」で作られた「撤退」サイクル。これは各色に1枚ずつ与えられたエンチャントのサイクルで、それぞれ「〜への撤退/Retreat to 〜」という名前になっている。そして共通するのは、上陸によって選べる2つのモード選択型能力だったということ。たとえばこれと同じ白なら「エメリアへの撤退」で、上陸することでトークンを1体出すか、全軍に+1修整を与えていた。今回はエルドラージがいなくなったのでゼンディカー民が撤退する必要もないはずなのだが、そこはフェリダーさんが隠れ住む場所として再解釈されているわけだ。レアになったので上陸1回の効果は大きめ。トークンが2/2とでかくなったし、+1モードも永続するカウンターになり、さらに警戒までつく。ぶっちゃけ、5ターン目に出して1回上陸するだけでもそこそこ元が取れてしまうレベル。2回以上の上陸ができれば、なるほどレアクラスだろう。リミテッドなら当然キラーカードになりうるが、4マナのカードを置いたあとの上陸回数ってのはかなり限られてくる。そこんところをちゃんと考えた上でのデッキ構築が求められるだろう。

 


忘却の旅 Journey to Oblivion (4)(W) U
エンチャント
この呪文を唱えるためのコストは、あなたのパーティー1体につき(1)少なくなる。
〜が戦場に出た時、対象の対戦相手のコントロールする土地でないパーマネントを、〜が戦場を離れるまで追放する。
 このイラスト、完全に「AWOL」じゃんね。いよいよ銀枠世界がここまでゲームを侵食するようになったか……いや、多分「AWOL」じゃなくて「未達への旅」が元ネタでしょうけどね。そういや「未達への旅」もゼンディカー産なんやね。カード名からもオマージュがわかりやすく、「未達への旅」に「忘却の輪/Oblivion Ring」を足したようなストレートな名付け。これこそまさに「リング系除去」の最新作と言える。効果は最近のリング系のスタンダードな仕上がりで、トッピングとしてパーティーによるコスト軽減を導入。この手のカードのコストは3マナなら強くて4マナで普通くらいなので、だいたいパーティー1人でも採算が合うようになっている。少なくともリミテッドなら必須カード間違いなし。構築では「払拭の光」が現役なので、さすがに出番はないかなぁ。

 


カビーラの先導 Kabira Outrider (3)(W) C
クリーチャー・人間、戦士
3/3
〜が戦場に出た時、対象のクリーチャーは、あなたのパーティーを構成しているクリーチャー1体につき+1/+1の修整を受ける。
 実は結構変なクリーチャー。「場に出た時に自軍クリーチャーを増強」というのは白クリーチャーでもよくあるギミックではあるのだが、色の役割委員会によれば、同じ増強でも、緑なら上限は無いが、白は「狭い範囲での増強か、全体増強」を担当しており、インスタントによるコンバットトリックなども基本的には+2までの範囲で抑えられている。クリーチャーにつける場合も、全軍+1の「アンプリンの戦術家」のようなデザインが一般的だ。こちらの戦士は、最大で+4の修整を単体に付与する動きが可能となり、イメージはかなり緑寄り。色の「折れ」ではないが、場合によってはかなり「曲がった」クリーチャーといえる。まぁ、そんだけパーティーを3人も4人も集めるのは大変ってことなんだろうけど。こいつ自身が戦士なので、他の職業をサポートできれば+2は保証される。そう考えると、やっぱり白の範囲内なのかな。リミテッドでは程よい穴埋めだが、環境の速度が加速するとフィニッシャーになったりもする。

 


カビーラの叩き伏せ Kabira Takedown (1)(W) U
インスタント
〜は対象のクリーチャーかPWに、あなたのコントロールするクリーチャーの数に等しい値のダメージを与える。

カビーラの高原 Kabira Plateau
土地
〜はタップ状態で戦場に出る。
(T):(W)を加える。
 土地兼用の除去。除去呪文なんていつだって必須なんだし、流石に土地として置くことはないやろ! と思われそうなところだが、そこはちゃんと2択問題を作ってある。何しろ自軍にクリーチャーがいなければ全く役に立たないのだから。これなら確かに除去ではあるがいらんタイミングは分かりやすい。ただ、このカードをわざわざ入れてるのにいらんタイミングって、割と手詰まりになってる気もするけども……。

 


帆凧の僧侶 Kitesail Cleric (W) U
クリーチャー・コー、クレリック
1/1 飛行 キッカー(2)(W)
〜が戦場に出た時、これがキッカーされているなら、最大2体までの対象のクリーチャーをタップする。
 突然空から降ってきて閃光弾で目潰していく迷惑なやつ。普段は1マナ1/1飛行クリーチャーとしてそれなりのクロック役を全うするが、1マナクリーチャーが役に立ちにくいような中盤以降に引いてきても相手ブロッカーをどかす役割が担えるという。なんや、わざわざ両面カードなんて使わんでもこうして2つの役割を1枚のカードに持たせることは簡単やないか(身も蓋もない)。「アーデンベイルの戦術家」ってこれがインスタントでできたんだよな。あいつやべぇな。

 


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<青>
 
認識否定 Anticognition (1)(U) C
インスタント
対象のクリーチャー呪文かPW呪文を、そのコントローラーが(2)を支払わない限り打ち消す。いずれかの対戦相手の墓地にカードが8枚以上あるなら、代わりにその呪文を打ち消し、その後占術2を行う。
 色々と変則的な「本質の散乱」。同じ2マナのカウンターとしては、環境を去る「火消し」との比較になるが、「2マナ追加要求」の部分が同じで、対象はこちらの方が圧倒的に狭い。ただ、「本質の散乱」と違ってPWも視野に入れているのは存外大きく、今時の試合なら、この2面体制だけでもかなり対応範囲は広いはず。そして、「火消し」はゲーム中盤以降に使いづらい局面が増えてくるが、こちらの呪文は相手の墓地さえ用意できればむしろ威力が増す。2マナの完全カウンターが占術まで提供してくれるってんだから、「悪意ある妨害」に満足していた我々にさらなる発展を見せてくれている。今後の世界ではそれなりに見かける呪文になるんじゃなかろうか。墓地のケアまで考えると、マジで「盗賊ギルドの処罰者」あたりのニーズが高まる気もするな。
 
ベイーンのヴェール Beyeen Veil (1)(U) U
インスタント
対戦相手のコントロールするクリーチャーは、ターン終了時まで−2/−0の修正を受ける。

ベイーンの沿岸 Beyeen Coast 
土地
〜はタップ状態で戦場に出る。
(T):(C)を加える。
 青におなじみのパワーだけ下げるよ系トリック。ベースになっているのは「形勢一変」で、効果は全く一緒だが土地モードの追加でアンコモンに格上げされている。もともとメインデッキには入れづらいタイプの呪文であったが、さて、土地にもなると言われたら入れる……かなぁ……。一応イゼット系では土地を圧縮しながらスペルカウントを水増しできるので、そういうニーズはあるかも。
 
泡の罠 Bubble Snare (U) C
エンチャント・オーラ
エンチャント(クリーチャー)
キッカー(2)(U)
〜が戦場に出た時、これがキッカーされていたなら、エンチャントされたクリーチャーをタップする。
エンチャントされたクリーチャーは、そのコントローラーのアンタップステップにアンタップしない。
 キッカーを使って分業に成功した青除去オーラ。キッカーを払えば「金縛り」とだいたい同じ。最近は「捕獲球」に慣れてしまっているので瞬速が無い分だけ物足りなくはあるが、代わりにこちらは1マナで唱えられるという非常に大きなアドバンテージがある。「捕獲球」などのカードの最大の難点は、どうしてもアクションとして重たいのでリミテッドだと1ターン丸々そのマナのために犠牲にする必要があり、テンポでの優位を築きにくいところだった。こちらのカードなら、相手に1回殴らせる覚悟さえあれば、簡単に他のアクションと複合させながら除去を展開できる。いわばマナコストをライフで賄っているようなものだ。そして、単なる代替コストではなく「選択可能」というところに意味がある。殴られるのが嫌なら普通に4マナで唱えればいいだけで、そこに不便はほとんどない。このセットを象徴する青の必須カードになるのは間違いないだろう。
 
滝の予見者 Cascade Seer (3)(U) C
クリーチャー・マーフォーク、ウィザード
3/3
〜が戦場に出た時、占術Xを行う。Xは、あなたのパーティーの人数に等しい。
 このセットの「予言ダコ」。叡智を求めるウィザードさんがタコと比較されるのも屈辱かもしれないが、実際にやれることはほとんど同じである。タコは占術が2で固定だが、こちらの御仁はパーティー規模による変動制。まぁ、一応期待値的には2.5なのでタコよりは有利と言えなくはない(期待値とは?)。「予言ダコ」は他に際立ったシナジーもないくせにリミテッドでは割と活躍した印象があり、青が持て余す4マナあたりの地上戦力として無難な数字を保持しつつ、未来への可能性をつなぐ良い1枚であった。こちらはパーティー構成のサポートもこなしつつのお仕事なのでタコ以上にやることが多い。マナカーブに注意しつつ、必要な枚数を見極めたいところ。

 


怒り狂う島嶼、キャリクス Charix, the Raging Isle (2)(U)(U) R
伝説のクリーチャー・リバイアサン、カニ
0/17
対戦相手の唱える〜を対象とする呪文のコストは(2)多くなる。
(3):〜はターン終了時まで+X/-Xの修正を受ける。Xは、あなたのコントロールする島の数である。
 カニカニカニカニ! Fly Away! いや、全然フライアウェイしないだろうけど。びっくりするぐらい海の底深くに沈んどるやろうけど。突然の記録更新クリーチャー。なんの記録かは言わずもがなだろうが、もちろんタフネスの最大値である。銀枠の「B.F.M.」を除けば、タフネスの過去最高値は「動じない大ワーム」の16。1点ではあるが、2年ぶりの記録更新となった。加えて、当然「パワーとタフネスの差の最大値」も「解放の樹」の13点をぶち抜いてのトップ。これ、当分は抜かれない大記録だ。そんな記録尽くしのカニは、4マナであることを考えればネタキャラでは終わらない危険性を孕んでいる。「パワーとタフネスの合計値が17」という見方ができて、これを均等に分けて8/9のクリーチャーだったとしたら、どうあがいても7マナ以上はかかるところ。それをこいつは4マナでクリアしているのだ。あとはたっぷりの島を用意して道筋をつないでやれば……ゲーム中盤なら1回の起動で6/11くらいにはなるかもしれない。常に3マナかかるのは確かに鬱陶しいが、どうせどんだけ殴ったって相手は戦闘でこれを殺すのはほぼ不可能なのだ。いつかは突破できるチャンスだってくるんじゃなかろうか。面倒に感じる人はタフネスで殴る系のカードと併用しよう。ただ、今回のローテで「太陽の義士、ファートリ」と「厳戒態勢」がいなくなるので、その手のカードはほとんどなくなっちゃうんだけどね。そして、その手のデッキでも別に無理して17点狙う必要はないんだけどね。夢はドリームじゃないか。さぁ、デッキを作ってみよう。愛情を込めて「キャリさん」って呼ぶと、自動的にCVが決定してすげぇかわいくなる。
 
凍える罠 Chilling Trap (U) C
インスタント
対象のクリーチャーは、ターン終了時まで−4/−0の修整を受ける。あなたがウィザードをコントロールしているなら、カードを1枚引く。
 青的コンバットトリックの基本形。パワーを下げるだけでは一時しのぎにしかならないことが多く、単体ではあまり歓迎されないタイプの呪文。過去にコンスタントな使用実績があるのは諜報シナジーがあった「眩惑の光」くらい。しかし今回はついに期待のアップグレードに成功。なんとウィザードさえいれば1マナキャントリップ。絶対損しない設計。これまたたまに使われることがあった「混迷」が2マナも軽くなった形である。手札を減らさずにインスタントを唱える回数が増えるのはウィザードデッキの目指すシナジー方向に合致するのでデザインそのものが種族に噛み合っているのも大きい。ウィザードデッキなら必須レベルに格上げされたんじゃなかろうか。
 
冷たき深淵の僧侶 Cleric of Chill Depths (1)(U) C
クリーチャー・マーフォーク、クレリック
1/3
〜がクリーチャーをブロックするたび、そのクリーチャーは、そのコントローラーの次のアンタップステップにアンタップしない。
 最近は類例があまり無いタイプの能力だが、過去を遡れば一応「眩暈の落とし子」というかなり似たようなクリーチャーが見つかる。「落とし子」は2マナ0/3の壁でこの能力、こちらは2マナ1/3で一応殴れてこの能力。しかも先輩はアンコモンだったがこっちはコモンだ。色んなところでクリーチャーの進化というのは確認できるもんである(一応、「落とし子」はブロックしたクリーチャーをタップする能力も持っているが、警戒持ち以外には意味のない部分である)。どこをどう見ても防御要員。そしてタフネスは3しかないので、この能力で長時間にわたって2体のクリーチャーを止め続けるなんてのも難しい。あくまで時間稼ぎと割り切って、序盤に自信のないデッキがなんとか場をつなぐために採用する程度だろうか。一応青のクレリックなので、白や黒に触らずにパーティーを集めたい時にはニーズがあるかもしれないが。ちなみに「青単色のクレリック」というのもなかなか珍しい設定で、考えてみても私はさっぱり前例が出てこなかったのだが、調べてみたら過去には14体もいた。そのうち実に8体がアモンケット出身で、なるほどあの次元の特徴が分かるというものだ。
 
一枚岩の防衛 Concerted Defense (U) U
インスタント
対象のクリーチャーでない呪文1つを、そのプレイヤーが(1)に加えて、あなたのコントロールするパーティー1体につき(1)を支払わない限り打ち消す。
 基本は非クリーチャー限定の「魔力の乱れ」。1マナに対して1マナを要求する青の伝統的な小技で、実はこれだけでもちゃんと採用実績のある良い呪文だ。今回はそれがグッと強化されており、パーティーが増えればわずか1マナで「火消し」になり、「マナ漏出」になり、「巻き込み」になる。1マナカウンターとしては最上級のスペックである。最低1体でもクリーチャーが用意できれば「呪文貫き」になるわけで、今後の青がこうした妨害手段とクリーチャーのベースをどのように調整していくのかが注目される。クリーチャー呪文がメインメタなら……まぁ、「本質の散乱」使えばいいじゃん。
 
当惑させる難題 Confounding Conundrum (1)(U) R
エンチャント
〜が戦場に出た時、カードを1枚引く。
あなたの対戦相手のコントロール下で土地が戦場に出るたび、そのプレイヤーがこのターンに他の土地を自分のコントロール下で戦場に出していたなら、そのプレイヤーは自分のコントロールする土地を1つ、そのオーナーの手札に戻す。
 なんとも妙な効果を持った青の限定的対策エンチャント。こういうヒネたデザインの青カード、なんだか久しぶり。「ついえし希望」とか「重荷」みたいな懐かしのカードを思い出すわね。これがあると、相手の場には絶対1ターン1枚ずつしか土地が増えない。つまりはくたばれウーロだしくたばれ「樹上の草食獣」ってことになるが、だいたい1ターン目に置かれるあれの対策にはならねぇな(そもそもスタン落ちするやん)。最近は「耕作」の使用頻度も上がっているので、そのあたりを対策するカードとしてはそれなりに面白い。面白いが……かなり仮想敵が限定的なので、実際に使われるかどうかは微妙。サイドボードに仕込んでおくと面白いかもしれない。ちなみに、「出した土地を戻せ」とは書かれていないので、相手は戻したい土地を積極的に戻すことも可能になる。スタン環境では問題なさそうだが、何が起こるかわからない下の環境では要注意。みんなで一緒に土地を並べる「未踏の開拓地」みたいなカードを使うとちょっとズルくて楽しいかも。
 
珊瑚兜の年代記編者 Coralhelm Chronicler (2)(U) R
クリーチャー・マーフォーク、ウィザード
2/2
あなたがキッカーされた呪文を唱えるたび、カードを1枚引き、その後手札を1枚捨てる。
〜が戦場に出たとき、あなたのライブラリを上から5枚見る。あなたはその中からキッカー能力を持つカードを1枚公開し、手札に加えても良い。残りをライブラリの下に無作為に置く。
 どうやら今回のキッカー応援団は青のようだ。戦場に出た時点で1枚分のアドの可能性をちらつかせ、さらにその後も恒常的なルーターで後押し。なるほど便利には違いないが……キッカーってそんなに応援したくなるようなギミックだっただろうか……。やっぱり「そんなに連打するもんか?」っていうのが現時点では引っかかる部分なのよね。正直、レアかと言われると微妙な気がする。

 


狡猾な泉魔道士 Cunning Geysermage (2)(U) C
クリーチャー・人間、ウィザード
3/2 キッカー(2)(U)
〜が戦場に出た時、これがキッカーされていたなら、最大1体までの対象の他のクリーチャーをそのオーナーの手札に戻す。
 いわゆるクラゲ系クリーチャーの新作だが、ギミックにキッカーを加えたら何故かやたら重くなってしまった。この系譜の最近の傾向は、3マナ2/2が最上級で、4マナだとそれにちょいステータスのボーナスがついたりして強化されるイメージだったのだが、こちらはパワー1点の代償として、6マナもかかるようになっている。残念ながらキッカーの方は本当におまけ程度で、単なるバニラとしての運用が多くなってしまうだろう。おかしい、基本セットでは5マナ3/2で空まで飛んでたのだが……。一応青緑のキッカー系シナジーが増えたなら多少は改善されるか?

 


熟考 Deliberate (1)(U) C
インスタント
占術2を行い、その後カードを1枚引く。
 なるほどそうきたか。あの名作呪文「定業」が、2マナインスタントになって帰ってきた。1マナソーサリーだと強すぎるレガシークラスの呪文になってしまうが、2マナなら適正という判断だ。実際、こうしてみると「選択」の豪華版だとみることもできるし、「予期」の微調整版とみることもできる。まだまだ呪文開発の可能性ってのは残されているもんである。「予期」よりも見られる枚数は1枚減ったが、2枚ともいらないと判断すれば3枚目が引けるのでそこまで大きな差でもなかろうし、2枚とも必要な場合にトップに置く選択肢がある。さらに正式にドローになったのでエルドレインやM21の「2枚ドローしたら」系のシナジー、テーロスの「相手ターンにドローしたら」ギミック、「テフェリーの後見」の誘発など、細かい部分で噛み合うカードが増えた(ドローを咎めるナーセットは環境を退場するのである)。今後のコントロールデッキでは常に検討されるべき1枚になるだろうし、リミテッドでも程よい調整カード。相変わらずこういうカードは人気だわ。
 
探検隊の占者 Expedition Diviner (3)(U) C
クリーチャー・マーフォーク、ウィザード
3/2 飛行
あなたが他のウィザードをコントロールしている限り、〜は「このクリーチャーが死亡した時、カードを1枚引く」を持つ。
 ウィザード部族推しカード。これだけを見ると普通の部族環境だったオンスロートにあってもおかしくないくらいのデザインだ。もちろん、時代が経過しているので4マナ3/2フライヤーという普通に使えるステータス+ボーナスという強さは保証されてるけども。あの時代だと、4マナ2/2で死んだ時1ドローの「エイヴンの魚捕り」が割と英雄でしたからね。面白いのは「他にウィザードがいればお前が死んでもいいや」ってんで、パーティー狙いの時はこいつが死んでも問題ない時に恩恵が生まれるっていう部分。「このパーティーに魔法使いは2人も必要ないんだ……追放しよう」って、まるで現代なろう小説のメインストリームのごとき。
 
実地研究 Field Research (2)(U) C
ソーサリー
キッカー(2)(U)
カードを2枚引く。この呪文がキッカーされているなら、代わりにカードを3枚引く。
 「まぁ、そんなもんやろな」というシンプルなコモン。普通に使えば「予言」と全く一緒だし、中盤以降に余裕があるときのためのオプションが加えられた完全上位互換。キッカーモードだとマナ効率はあまり良くないが、コモンでこの選択肢があるのは悪い話じゃない。青のウィザード系デッキのソーサリー水増しの選択肢としては至極真っ当だ。ちなみに意外なことに、この手の「キッカーしたら枚数が増える青のドロー呪文」というのはこれまで歴史上存在しておらず、「前のゼンディカーはどうなってたっけ?」と思ったら上陸でドローが増える「深遠の謎」があった。まだ未開発の部分ってあるもんなんやね。
 
氷河の掌握 Glacial Grasp (2)(U) C
インスタント
対象のクリーチャーをタップする。そのコントローラーはカードを2枚切削する。そのクリーチャーは、そのコントローラーの次のアンタップステップにアンタップしない。
カードを1枚引く。
 切削ボーナスがついた「悪寒」。「悪寒」自体はリミテッドだと大体2324枚目くらいのカードで採用されるかどうかはデッキタイプによってまちまちだったが、形はどうあれ、そこにボーナスが付与されたことで採用率は高まった。ならず者戦略が目指す「墓地8枚ライン」は、なんの準備もしていない状態ではやはり達成しづらい。サポートのための切削カードは割と多いが、どれもせいぜい2〜3枚を削るもの。かっちり運用させるならばその手のカードを2、3枚は使っていく必要があり、デッキにはかなりの枚数が求められるはず。そうしたギミックに、こうして負担の少ないキャントリップが加担しているというのは存外ありがたいものである。インスタント・ソーサリー推しのギミックにも組み込めるし、上陸によって一時的にだけサイズアップするクリーチャーが多いのも追い風。意外にニーズが多い1枚になりそうな予感。
 
玻璃池のミミック Glasspool Mimic (2)(U) R
クリーチャー・多相の戦士、ならず者
0/0
あなたは、〜のクリーチャータイプが他のタイプに加えて多相の戦士・ならず者であることを除き、あなたのコントロールするクリーチャーのコピーとして戦場に出ることを選んでも良い。

玻璃池の岸 Glasspool Shore 
土地
〜はタップ状態で戦場に出る。
(T):(U)
 このセットの「クローン」。レジェンドルールの変更以来、相手クリーチャーの除去に使えなくなったクローン系カードは価値が低下し、様々なボーナスで復権を狙っているが、3マナというコスト軽減もその1つ。このクリーチャーも、3マナクローンである「鏡像」とだいたい一緒。そこにレアリティが追加されたおかげで、「ならず者はキープできるのでパーティーとして使いやすい」というサポートと、土地としても置けるサポートの二段階強化が施された。なるほどここまでしてくれるのなら、「とりあえず入れとこか」の精神で使えるカードにはなっているだろう。これ、パーティーを狙うよりも率先してならず者デッキに入れた方が使いやすい気もするんだけど、ならず者デッキだとどうせコピーするのもならず者だから旨味が少なくなるっていう。
 
洞察の碑文 Inscription of Insight (3)(U) R
ソーサリー
キッカー(2)(U)(U)
次のうちから1つを選ぶ。この呪文がキッカーされていたなら、好きな数を選ぶ。
「最大2体までの対象のクリーチャーを、そのオーナーの手札に戻す」
「占術2を行い、その後、カードを2枚引く」
「対象のプレイヤーはX/Xで青のイリュージョン・クリーチャー・トークンを1体生成する。Xは、あなたの手札の枚数である」
 「碑文」サイクルの青は意外なことにソーサリー。青なんだからそこはインスタントにせぇよ、とは思うが、居並ぶ先輩たちと正面から戦う勇気がなかったのかもしれない。「ソーサリーにしたから多少効果が強くてもいいよね」ってんで、割と単発での威力は高めに設定されている。上からまずは2体バウンス。一応「虚空への突入」と同じなのでアンコモンレベルではあるが、それが選択肢の1つってのはありがたい。そして次はプチ「予感」。単体での性能がコモンに劣るのは残念だが、まぁ、カードが引きたい場合はこれくらいでも文句はでないところだろう。最後は青には珍しくそれなりのサイズのトークンを生成する。まぁ、このモードだけで使うのはよっぽど状況が切羽詰まった時だけだろう。そして、8マナという特大コストからのキッカーモードはフィニッシュブローになりうる威力。相手を2体戻し、手札が差し引き1枚増えた状態から、それなりのサイズのトークンにつなぐ。一応、戻すクリーチャーは自軍のやつでもいいので、トークンのサイズを水増しするために自軍クリーチャーを手札に戻す選択もあるかもしれない。まぁ、なんにせよ戻して引いて産んだら強いには違いない。そりゃま、このコストだしな。……やっぱりインスタントが欲しかったなぁ。
 
乱動への突入/Into the Roil(ZEN)」 C
 初代ゼンディカーから再録されるキッカーバウンス。普通に使っても「分散」と同じスペックで、さらにボーナスが付いている純正強化版である。当時も重宝したし、今回だってお世話になるさ。ちなみに「4マナで戻した上でカードまで引けるんだから、これって実質クリコマだぜ」っていう褒め方があるのだが、大体嘘なので騙されないように。
 
鏡映魔道士、ジェイス Jace, Mirror Mage (1)(U)(U) M
伝説のPW・ジェイス
キッカー(2)
〜が戦場に出た時、これがキッカーされていたなら、これが伝説でなく、初期忠誠度が1であることを除き、〜のコピーであるトークンを1つ生成する。
<+1>: 占術2を行う。
<0>: カードを1枚引き、それを公開する。〜の上から、そのカードの点数で見たマナコストに等しい数の忠誠カウンターを取り除く。
【4】
 しばらくおやすみしていたジェイス君。その鬱陶しさもしばらくいなくなると恋しいもので、「もう時間を操るハゲはたくさんなので元祖青PWに帰ってきてほしい!」というファンも多かったことだろう(俺調べ/てない)。しかし、そんなクソハゲのせいで、せっかく灯争大戦の時に開発された「PWに常在型能力」という新形式も、「これ、想像以上に鬱陶しいのでは……」と最近はみんな眉間にシワ。その流れを一旦断ち切るためか、なんと、今度は常在型じゃなくて誘発型能力だよ! いや、だからなんやねん! そしてゼンディカーといえばやっぱりキッカー。ジェイス君はめでたく史上初のキッカー持ちPWとなった。そしてキッカーを払うと……分裂する。イクサランの時の頑張ってサバイバろうとしてたときのやつに似てるな。3マナだし。まず、3マナの性能だけで考えると至極普通。コストの割に忠誠度が高いので場持ちは良さそうだが、それは場にいてもそこまで迷惑じゃないから。自動で占術2ができる置物は鬱陶しいに違いないので相手もやはり処理はしたいだろうが、これがナーセットの代わりになるかというと……微妙なところだ。
 そして5マナだとどうなるか。2体目の「幻ジェイス」の方は初期忠誠度が1なので流石に0能力は起動しにくい。つまり、コピーの方でまずライブラリの上をいじって、その後で本体がドローしてやれ、というデザインなわけだ。まぁ、その場合にも安全に引きたいなら土地だけになっちゃうけども……。うーむ、ギミックがクソめんどい割に見返りがそこまで大きくないのが……。一応、これまでのPWと異なり、2枚目以降を引いた時に相乗効果が見込めるという謎性能があるのは気になるところ(本体は伝説ルールで死ぬけど、キッカーしておけばコピーは残せる)。まぁ、5マナかけてやるようなこととも思えないが……ジェイスさん、扱いがアリリオス並みでいいのだろうか。
 
ジュワー島の撹乱 Jwar Isle Disturbance (1)(U)
インスタント
対象の呪文を、そのコントローラーが(1)を支払わない限り打ち消す。

ジュワー島の遺跡 Jwar Isle Ruins 
土地
〜はタップ状態で戦場に出る。
(T):(U)を加える。
 こちらもアンコモンのカウンターで、これこそ「魔力の乱れ」なんだけど2マナかかるから厳密にいえば「目くらまし」。相手に要求するマナよりも自分が払うマナの方が多いのでやや効率は悪いが、刺さる刺さらないでいえば使える状況は「魔力の乱れ」とそこまで大きな差はない。問題は、こうした呪文が効果を発揮するのはゲームの最序盤が多いという部分で、これが活躍するピークを終えた後にタップインランドとして使えるというボーナスが大きいのかどうなのかよくわからないということ。初手にあった時に「土地が引けない」方の事故を解消する役割としては微妙である。でもまぁ、土地だと思って入れといてカウンターの枚数が増えるのはやっぱり強いか……。
 
生ける嵐 Living Tempest (4)(U) C
クリーチャー・エレメンタル
3/3 飛行 瞬速
 「フェアリーの侵略者」、「風を跨ぐ者」などの多数の同型を持つフレンチバニラクリーチャーの最新版。5マナでキーワード2つというそれなりに特徴的なデザインではあるのだが、やたらとタイプ変更版が多いクリーチャーで、過去には「フェアリー(ならず者)」「マーフォーク(ウィザード)」「スピリット」「ドレイク」などのタイプを持っている。今回はクリーチャータイプが重要な環境でどんな種族になるかと思われたが、これがなんと職業なしのエレメンタルだった。なんでやねん。そこはせめてウィザードでええやろが。なんでパーティーに入れてもらえなかったのかは謎だが、このステータスにさらにボーナスだと強すぎるってことなんだろうか。孤軍奮闘で頑張れ。決して「嵐翼の精体」の方を見てはいけないよ。目が潰れてしまうからね。
 
凪魔道士の威圧 Lullmage’s Domination (X)(U)(U)(U) U
ソーサリー
この呪文を唱えるためのコストは、墓地にカードが8枚以上あるプレイヤーがコントロールするクリーチャーを対象にとるなら、(3)少なくなる。
対象の、点数で見たマナコストがXであるクリーチャーのコントロールを得る。
 今セットの誘拐呪文。今回はオーラの形ではなくソーサリーになり、さらに相手コストによる変動相場制が採用された。この手の呪文で個人的に印象深いのは、おそらくこれのベースとなっているであろう「威圧」。どうしても強いクリーチャーをパクろうとするとコストがネックになっていたわけだが、今回はその部分をならず者ギミックで解消してやろうというデザインだ。これで、条件さえ満たせば「相手クリーチャーと同じ分だけマナを払えばパクれる」ということになる。さらに、コピーじゃないトークンなら3マナでいつでもパクれたりもするので、変なところからの活躍が可能。環境が環境なら相手が出した「ハイドロイド混成体」が3マナでもらえたりもしたが、残念ながら(?)同じ環境にいることはない。まぁ、相手が特大でハイドロイド出すのを通したらパクったところで勝てない気はするが……。
 

拍手


 
 
<その他>
 
高山の犬師 Alpine Houndmaster (R)(W) U
クリーチャー・人間、戦士
2/2
〜が戦場に出た時、あなたのライブラリから「高山の番犬」という名前のカードと「炎血の野犬」という名前のカードを1枚ずつ探し、それらを公開して手札に加えても良い。その後、あなたのライブラリを切り直す。
〜が攻撃するたび、これはターン終了時まで+X/+0の修正を受ける。Xは、他の攻撃クリーチャーの数である。
 すでに2回名前が登場している、噂の犬使い。ボロスの戦術なんてもんはいつでも横並べしてドーンなわけで、今回もトークン出したり、全軍増強したりする類のやつだろ、と思ってたら斜め上のキャラが飛び出してきた。こうして具体的なカード名に言及してダイレクトシナジーを謳うクリーチャーがアンコモン以下で出てくるのはなんだか久しぶりな気がする(「名高い武器職人」がいたか)。リミテッドでこいつを早めに引いっちゃったなら、あとは目を皿のようにして相棒を探すだけ。ただ、そこまでして相棒2頭を見つけたからってそこまでの恩恵があるのかどうかは謎だ。少なくともデッキに2マナ域が3枚は確保されるわけだが、どれを最初に引くかで展開は全然違ってくるだろうし。一応、自身が攻撃クリーチャー分のパワーを得る能力があるので犬など連れていなくても最低限のお仕事はできるが、どうせ相打ち止まりだろうから本当に最低限。さて、犬ボロスは実現するアーキタイプなのかどうか……多分、セット全体で他の犬が頑張ってくれるんじゃないかな。
 
議事会の導師 Conclave Mentor (G)(W) U
クリーチャー・ケンタウルス、クレリック
2/2
あなたのコントロールするクリーチャーに+1/+1カウンターが1つ以上置かれるなら、代わりにそれよりも1つ多い数の+1/+1カウンターを置く。
〜が死亡した時、あなたはこのパワーに等しい値のライフを得る。
 「議事会/Conclave」という名前とイラストから分かる通り、ラヴニカはセレズニアからやってきたケンタウルス。しかしそのギミックはラヴニカにあらず、なんとあの(カラデシュの)「巻きつき蛇」の持っていたギミックである。蛇と違ってアーティファクトはチェックしないし、適用対象が+1/+1カウンターだけなので仕事は限定されるが、その分珍妙なライフ回復能力も備えているので、一応ライフゲインギミックにもちょいと色目を見せることが可能。まぁ、そうでなくても「巻きつき蛇」は強いクリーチャーだったのだから、色が変わったこちらのセレズニア蛇だって時代を席巻するデッキが生まれる可能性はあるだろう。短い間ではあるが灯争大戦の「増殖」ギミックと共闘できる期間が狙い目かも。
 
凶兆艦隊の戦争屋 Dire Fleet Warmonger (1)(B)(R) U
クリーチャー・オーク、海賊
3/3
あなたのターンの戦闘開始時に、他のクリーチャーを1体生贄に捧げても良い。そうしたなら、〜はターン終了時まで+2/+2の修正を受けるとともにトランプルを得る。
 「凶兆艦隊」はイクサランで暴れていた海賊の一派。特性としては赤黒に所属する連中で、比較的ストレートで刹那的な戦術を好む。こちらのオークはまさにそんな脳筋戦術の申し子といえる存在で、デザインの元になっているのは2年前の先輩である「殴りつけるオーガ」だろう。オーガ先輩はこいつと同じようにサクって+2の能力を持ち、4マナ3/3の威迫持ちだった。一応サクり戦術とのシナジーが見込まれていたわけだが、素体の4マナ3/3というデザインがそこまで魅力的でなかったため、多色アンコモンの中では地味な方で終わってしまった。今回は反省してそんなコストの問題を大胆にシェイプアップ。素でも充分戦える3マナ3/3に仕上げ、4ターン目に5/5トランプルでどつきにいくことを可能にした。ここまで身がしまっていればラクドスカラーのビートからのニーズが出てくるんじゃなかろうか。それこそラクドスサクリファイスのデザインにすればトークンなんかを燃料にガンガン殴れるメインアタッカーの役割が果たせるだろう。改めて、オーガ先輩の雪辱戦だ。
 
実験的過負荷 Experimental Overload (2)(U)(R) U
ソーサリー
X/Xで青赤の、奇魔・クリーチャー・トークンを1体生成する。Xはあなたの墓地にあるインスタントとソーサリーカードの総数である。その後、あなたの墓地にあるインスタントかソーサリーカードを1枚手札に戻しても良い。〜を追放する。
 イゼット頑張れカードの新作。使い心地は灯争大戦にあった「都市侵略」とほぼ同じと見ていいだろう。あちらは動員だが、トークンのサイズは大体同じはず。となると、1マナ追加で得られた回収効果がどれだけ役立つかにかかっている。きっちり組めたイゼットならトークン+手札なのでアドバンテージは確実に稼げている。さらにここからドローや除去などが使いまわせるならプランとしては悪くない。「都市侵略」は3マナと軽かったが、「そんな序盤に墓地溜まってないし」ってんでそこまで慌てて使うような呪文でもなかったので、こちらの方がトータルでは上だと考えていいんじゃなかろうか。フレーバーテキストも実にイゼットらしくて良い。こいつらいっつも爆発してんな。
 
耽溺する貴族階級 Indulging Patrician (1)(W)(B) U
クリーチャー・吸血鬼、貴族
1/4 飛行 絆魂
あなたの終了ステップの開始時に、このターンあなたが3点以上のライフを得ていたなら、各対戦相手は3点のライフを失う。
 秀麗なイラストが良い吸血鬼のお嬢様。この雰囲気はイクサラン・ヴァンパイアではなくてイニストラードのご令嬢でしょうね。吸血鬼の推すライフゲイン戦術を示唆する多色アンコであり、デザインとしては「吸血鬼の特使」あたりが近いだろうか。チクチク絆魂で殴るだけでもそれなりの性能だが、やはり狙うは爆裂ライフゲイン。こいつ自身のパワーをオーラなんかで2上げてやればアタックだけで自己完結してかなりのクロックに育て上げることが可能。もしくはやっぱりリンデン女王を呼んでくるとかだろうか。自前の絆魂がヘリカスと噛み合っているのも要注目。単体では「そこそこ」レベルなので、やはりリミテッドで早めに引いての決め打ち推奨だろう。
 
枝葉族の報復者 Leafkin Avenger (2)(R)(G) U
クリーチャー・エレメンタル、ドルイド
4/3
(T):あなたのコントロールするパワー4以上のクリーチャー1体につき(G)を加える。
(7)(R):〜は対象のプレイヤーかPWに、自身のパワーに等しい値のダメージを与える。
 M20では青赤緑のティムールカラーがエレメンタルを応援しており、リミテッドでも「発現する浅瀬」からの有無を言わさぬエレメンタル一直線ルートはハマった時の理不尽さが尋常ではなかった。赤緑にも「這い絡む火跡」がおり、この路線を下支えしていたものである。今回はエレメンタルシナジーがなくなってしまったが、間も無く環境を去る大量のエレメンタルへの手向けのような、謎の骨太エレメンタルが登場した。自身がパワー4なので最低でも1マナは出せて、サポート次第では単体から2マナ3マナと増産が狙える。そして8マナを捻出すれば理不尽すぎる本体火力でジエンドだ。マナソースを兼ねたダメージ源なので、「オムナス」を軸にしたエレメンタルデッキの最後の1ピースとして、何か悪さが出来ないもんだろうか。リミテッドだと、余計な事考えずに「まぁ、4/3なら充分だよね、パワー4大事だしね」くらいで使われる模様。
 
知識鱗のコアトル/Lorescale Coatl (ARB)」 U
 リミテッドの基本戦術を示唆してアーキタイプを教えてくれるのが多色アンコモンに与えられた役割なのだが、その枠に再録カードがおさまるのはすごく珍しい。しかも、なんとまぁ渋いところからの再録……「アラーラ再誕」は収録カードの全てが多色というイかれたセットで、さらにラストエキスパンションだったせいで開封数が多くなかったこともあり、このカードが印象に残ってるってプレイヤーもあまりいないんじゃなかろうか(まぁ、その後ちょいちょいサプライセットで再録されてるが)。カードを引くと強くなるという、特にシミック独自とも言えないギミック。でもまぁ、ちょっと放っておくだけで手がつけられなくなるのは事実なので決して弱いわけではない。むしろ強い。でもなんだろう、多色アンコモンに求めてるワクワクって、そういうところじゃない気がするんだ……。やっぱりスタッフが言ってた「シミックのデザインは難しい」ってのはマジなのかしらね。
 
尊敬される語り手、ニアンビ Niambi, Esteemed Speaker (W)(U) R
伝説のクリーチャー・人間、クレリック
2/1 瞬速
〜が戦場に出た時、あなたは他の対象の、あなたのコントロールするクリーチャーをそのオーナーの手札に戻しても良い。そうしたなら、あなたはそのクリーチャーの手数で見たマナコストに等しい値のライフを得る。
(1)(W)(U)(T)、伝説のカードを1枚捨てる:カードを1枚引く。
 ここでテフェリーの娘さん、ニアンビも登場。ニアンビについてもちょっと前までは知らない名前だったのだが、「ドミナリア」でテフェリーのPWデッキの中に入っていた「忠実な癒し手、ニアンビ」としてカード化されてその名前を知ることになった。せっかくレジェンドクリーチャーになったのに、「パパを呼んでくる」以外の能力が与えられないというひどい扱いだったのだが、今回改めてちゃんとしたカードになった。2マナ2/1瞬速というのはそれだけでも一応武器になるが、やはり見せ場となるのはインスタントタイミングを利用したバウンス効果だろう。自軍クリーチャーが除去に狙われた際にニアンビを出撃させれば、そいつを避難させた上でいくばくかのライフも得られる。防御機構としては悪くない性能だ。そして戦場に出れば、今度は「ウルザの秘本」に近いニュアンスで、伝説を活用したアドバンテージエンジンの役割をこなす。それこそドミナリアにでもいれば効率の良いジェネレーターになったが、残念ながらそこまで伝説てんこ盛りにするのは簡単じゃないので、まぁ、これはおまけ程度に考えたおいた方がいいかも。一応、レジェンドってのは複数枚手札にきてもだぶつく性質があるので、昨今の相棒クリーチャーのようにレジェンドを4枚積んでいるデッキなら、無駄を無くしたスムーズな運用が可能になるだろう。もちろん、真っ先に捨てるのが2枚目にきたニアンビ自身というのもあり得る話だ(まぁ、2枚目のニアンビも救出呪文として使えるので軽々に捨てたくはないが)。
 
偏執的な縫い師 Obsessive Stitcher (1)(U)(B) U
クリーチャー・人間、ウィザード
0/3
(T):カードを1枚引き、その後手札を1枚捨てる。
(2)(U)(B)(T)、〜を生贄に捧げる:対象の、あなたの墓地にあるクリーチャーカードを戦場に戻す。
 かなり攻めたクリーチャー。まず、今のご時世では珍しい、マナコスト無しのルーター。この時点でリミテッドでは破格の設定。3マナというコストも「セファリッドの物あさり」と同じわけだし、タフネス3でソコソコの耐久力を持つのも魅力だ。さらに、下に付いている能力は「宿命のネクロマンサー」と同じもの。現在のリアニ呪文の基準で考えれば4マナで1枚釣れるだけでも強いが、これがインスタントタイミングで起動できるってのはでかい。相手からすると、こいつがターンエンドにルーティングするだけでも鬱陶しいのに、マナが残っていたらとんでもない化け物に変身する可能性を常に警戒しなければならないのだ。その性質上、真っ先に除去が飛んでくるのは間違いないだろう。召喚酔いさえ解けてしまえば、相手の除去に対応して「サイクリングで墓地にデカブツを置く→釣る」なんてアクションが一気に取れる。下手したら構築クラスで使われてもおかしくないスペックじゃなかろうか。
 
ケルドの心胆、ラーダ Radha, Heart of Keld (1)(R)(G) R
伝説のクリーチャー・エルフ、戦士
3/3
あなたのターンである限り、〜は先制攻撃を持つ。
あなたは、いつでも自分のライブラリのトップを確認して良く、ライブラリのトップから土地をプレイしても良い。
(4)(R)(G):〜はターン終了時まで+X/+Xの修正を受ける。Xは、あなたのコントロールする土地の総数である。
 史上3体目のラーダさん。以前「ドミナリア」で復活した時にはあまりにビルドアップしてゴツくなっていたのでびびったものだが、今回はまぁ、まだ許容できるゴツさなので「間の時代かしら?」くらいの印象。マナコストを見ても、初出ラーダが2マナ、こないだのラーダが4マナなのでつじつまが合うだろう(そうか?)。2マナ2/2と4マナ3/4の間なので3マナ3/3。そして、血気盛んなグルールっぽさを出すための先制攻撃と、これまでの彼女の能力を受け継いでマナ加速ができるようにする力を「クルフィックスの狩猟者」能力で表現。まぁ、土地プレイが増えるわけではないのでマナ加速という役割からは外れてしまったが、その分大きなアドバンテージが狙えるようになった。初代の「ムル・ダヤの巫女」に始まり、今のところ「トップから土地」能力者に外れはいないので、嫌でも期待は高まろうというものだ。そうして並べた土地は最終的に彼女のハイパーマッスルへと置換され、おそらくこの時に得た筋肉がドミナリア版への布石になっていくに違いない。いや、多分違うけど。
 
万物の聖域 Sanctum of All (W)(U)(B)(R)(G) R
伝説のエンチャント・祭殿
あなたのアップキープの開始時に、あなたのライブラリや墓地から祭殿カードを1枚探し、それを戦場に出してもよい。その後、あなたのライブラリを切り直す。
あなたが祭殿を6個以上コントロールしている状態であなたのコントロールする他の祭殿の能力が誘発するなら、それは追加でもう1度誘発する。
 祭殿サイクルの親玉。なるほどそうきたか。こうなれば確かに緑の色マナ祭殿も重要にはなってくるのだが……あれ、1色しか出せないんだよね……。祭殿デッキでこれがおけたなら、それはつまりグッドゲームである(はず)。ご丁寧に今回の祭殿のうち3枚はメインフェイズ誘発なので、こちらはアップキープにサーチしてくれるという気配りがあり、まずは黒祭殿を持ってきてライフゲインして一息つくといいだろう。その後は順次祭殿が集まり、スタンダード環境なら6枚、レガシー以下なら11枚まで増やすことができる。全部揃うと1ターンの間に66点のライフを得て各対戦相手が22ライフルーズするのでゲームにはならない。まぁ、多分6枚でも大差ない。さぁ、デッキを作ってみよう。できるかな、じゃねぇ、やるんだよ。現環境なら「牧歌的な教示者」もあるし、テーロスの星座支援系カードを使えば案外なんとかなりそうな気がする。
 
双刃の暗殺者 Twinblade Assasins (3)(B)(G) U
クリーチャー・エルフ、暗殺者
5/4
あなたの終了ステップの開始時に、このターンにクリーチャーが死亡しているなら、カードを1枚引く。
 カード名からして二刀流なのだろうと思ったら、実際は二人組だったっていう。まぁ、確かにツインだけども。ちなみに、同様にtwinbladeを名乗りながらも刀を一本しか持っていなかったのが「双刃の斬鬼」。えっ、そういうこと?ってなる。さておき、こちらがゴルガリの多色アンコモンだ。見ての通り、「さぁ、クリーチャーは死ぬものだ」と言っているので、実にわかりやすいゴルガリイズム。ただし、前作「腐れ蔦の再生」と違って1ターンにどれだけ死んでも提供されるのは1枚こっきり。その分5/4というボディを得ているのだから文句の出るところではないが、ギミックの推し方としてはやや弱め。せめて暗殺者を名乗るなら接死くらい持ってても良かったのに。
 
天球の見張り Watcher of the Spheres (W)(U) U
クリーチャー・鳥、ウィザード
2/2 飛行
あなたが飛行を持つクリーチャー呪文を唱えるためのコストは(1)少なくなる。
他の飛行を持つクリーチャーが1体あなたのコントロール下で戦場に出るたび、〜はターン終了時まで+1/+1の修正を受ける。
 案の定、露骨な飛行推しを打ち出してきた青白の多色アンコ枠。元になっているのは「イーヴォ島の管理人」で、2/2フライヤーという素体と軽減能力は全く一緒。その上で、多色とはいえ1マナ軽くなり、さらに自身のパワーをあげる能力までついているのだから見上げたもの。「イーヴォ島の管理人」だって稀に構築デッキでも見かける程度の実力者だったのだから、それが2段階も強化されたこいつなら、何かデッキを見つける可能性は低くない。ちょうど全く同じ色に「猫空の君主」という飛行の王様がいるのも気になるところだ(まぁ、コストが軽くならんけど)。やはり「天穹の鷲」がいなくなるまでの期間が勝負な気はするが、今一度飛行ビートの栄華を見せることはできるだろうか。
 
 

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6月23日 ドラフト模様(MH1×3)

ピック順 【Serra】→【Thraxi】→【Chrolony】→【Alessi】→【Tanaka】→

 

 モダホラ2回戦。どんどん剥くよ、パックを剥くよ。他の環境と違って短期決戦になるのであまり戦況分析をする意味もないのだが、やっぱり難しいよこの環境。今回(も)やいのやいの五月蝿い某奴が「シールドデッキの方が出来いいわー! ドラフトデッキ弱いわー!」って前回と全く同じセリフを言っていたんだが、この傾向は多分本当。この環境、クセの強いカードが多いので、本当に一方向にハマったらモダン水準の効果を発揮するのだろうが、合わないカードは本当に合わないので、純粋にパーツが足りないことでデッキが成立しないことがあり得る。そのキャパをピック中に見定めるのは事実上不可能に近く、最初に目した方向が間違っていた場合、後のピックはただの破滅への一方通行になってしまう。まぁ、どんな環境だってそういう傾向はあるのだろうが、今回は特にそれが顕著な気がする。例えば前回は「青黒忍者」と「赤緑土地」が優秀な成績を残したが、今回のカードプールで全力でそっちに走ったプレイヤーがいた場合、果たして強くなっていたかというと大いに疑問。「穏当な落とし所」みたいなデッキって成立しうるのだろうか。

 

 さぁ、そんな風に悩んでいますが、次回ドラフトをどんなパックでプレイするのか……は未定! とりあえず開催日程はいつも通りに土曜の14時で決定しているのですが、開封するパックはモダホラになるのか、灯争大戦に戻るのか。前回も書きました通り、どちらもまだ丸々一箱残ってるのでね……。決定を下すのは、当日全員が集まったタイミング、民主的な決定を行うのです。希望がある人は、強めのアピールをお願いします。

 

 


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