最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
キャロルがチューズデイのことを「チュー」って呼ぶのいいよね、第6話。いつの間にやら完全にコンビとして定着してんだよな。1話目の時点で「理由もなく仲良いなこいつら」って思ってたけど、すでに十年来のコンビみたいな風格が出てるわ。 艱難辛苦。ここまで様々なドタバタがあった2人のデビュー戦だったが、そこから進むための道はなかなかに険しい。とはいえ、いきなり10万人規模のステージに立てるかもしれないなんてのは特大のラッキーであり、いささか御都合主義の間は否めない。しかしそれも「問題ありのアーティストの補欠枠」というなんとも珍妙な制限がかかっており、相応のリスクと、なんかそれっぽい「らしさ」が同居した絶妙な設定になっているような気もする。確かに、音楽業界ってこういう枠あるもんなぁ。客の入りが少ないからって興行中止するアーティストとかさ。まぁ、そういう部分も含めてファンはついていくんだろうから、今回登場したヨシュアも実は案外アーティストとしては真っ当な人物なのかもしれない(そうか?)。 そして、今回の舞台である「フェス」という設定のおかげで、ぐっと世界が広がって見えたのも注目すべきポイントだろう。業界のお話とはいえ、本当にぽっと出のキャロチューが他のアーティストと絡むチャンスなんてのは普通は作れない。しかし「フェスのステージに立てる」という状況なら、そのどさくさでこの世界に存在している様々な「音楽に向かう姿勢」を垣間見ることができるのだ。まぁ、ヨシュアは置いとくとしても、今回だけでもアーティガンの様子が改めて観察できたし(まさかあんなにトラウマになってたとは)、二人が憧れる孤高の歌姫「クリスタル」、そしてその彼氏(元カレかなぁ)であるスキップが登場している。「フェス」というと大人数で底抜けにぶち上がるイメージが強いのだが、この二人の奏でる音楽はむしろ良い塩梅でのチルがかかっており、キャロチューの二人も無理なく入っていける、「理想の高み」を設定するのに一役買っていると言えるだろう。おそらく、アーティガンたちのような「AI音楽至上主義」の火星文化とはまた違った存在として立脚しているはずだ。 スキップのCVが安元なので地声がめっちゃ低いのに歌い始めると割と高音なのが笑いどころ。多分中の人にあのキーの曲渡しても絶対歌えないだろ。また、クリスタルの方も最初に登場した時点でのCVだけ聞いたら「このキャラだけ歌キャス使わないのか?」と思いきや、まぁ、そこは流石に歌キャスを入れてきた。その辺りは世界観を合わせる意味が強いのでしょうがないだろう。いわゆる一般的な「アニメ向け音楽」とは異なる「キャロチューの世界」の音楽なら、やはり専門の歌い手さんに任せる方がいいって判断だろうし、これはこれで正しい。 こうして「高み」に接することができたキャロチューの二人。チューズデイがガチガチだったもんだからステージが成立するかどうかすら危ぶまれたが、そこは「酒の力」という古典的かつ強引な手法で突破。無事にステージを飾ることはできたが、その成果はこれまでのような都合のいいものでは済まされなかった。まぁ、ここでいきなりフェスのステージが大成功したら話の筋立てがおかしくなるからな。やっぱり一度は叩いて落ちて、悔し涙を流す展開があった方が良いですよ。何回も書いてますが、わたしゃ初代ラブライブの3話が大好きな人間なのでね。「うまくいかなかった、でも次はうまくやる」という克己の精神。それが見られるだけでもお話としては文句なしだ。最後にクリスタルにフォローしてもらって二人の傷がすぐに治っちゃったあたりはむしろ甘やかしすぎな感じもするんですけどね。でもまぁ、彼女が言う通りにあそこでゴミを投げていた観客がいる一方で、「あれ、案外悪くないんじゃ?」と思ってた観客も少なからずいたのは事実なのだろう。そんなか細い可能性が、今後のキャロチューの道を開くきっかけになるってことかしら。あのおデブ社長は実際に見たキャロチューをどんな風に判断したのかなぁ。 個人的には、今回歌った曲が3話の「洗濯機の歌」だったのがお気に入り。二人が元気を出すとき、ぐるぐる回るラウンドリーを思い出すのって、なんか「初心を忘れない」みたいな姿勢が見え隠れしてほっこりしません? どこまで羽ばたいても、キャロルたちにはオンボロアパルトマンの生活を忘れないでいてほしい。
PR 大塚meets 大塚、第5話。乗り込んでった先に芳忠さんがいるとやっぱり笑ってしまうな。まぁ、今回の役は割とまっとうでおとなしそうなキャラではあったけども。おっさんにも活躍の機会が多そうな良いアニメ。 前回のPVパニックは完全にギャグのお話だったが、今回はちゃんと前進して今作らしい細やかな美点に満ちていた。やっぱり毎回なんだかんだで曲を披露してくれるのは嬉しいですね。そして、前回まったく登場しなかったので忘れかけていたがアンジェラさんサイドのお話もきちんと進行。ここまでの演出を見る限りではキャロチューサイドの進行とアンジェラサイドの進行が綺麗に重なるような作劇になっているので、前回出てこなかったってことはこないだの話は本当に「何も進んでない」話だったってことになるんじゃなかろうか。 アンジェラとの対比は非常にわかりやすいシーンの繋ぎ方で提示されており、今回は例えば「責任」なんて言葉が2つのシーンで効果的に繋がっていたことなんかでもその様子が確認できる。また、かたや家の電気を止められてしまうほどの財政難に見舞われているのにもう片方は一発勝負でさっさと大金をせしめたり、かたや少しでも世間に顔を出そうと必死のプロモーションを仕掛けているのにもう片方は「地下に潜る」と宣告してその姿を民衆に見せることを拒んだり。どう考えてもドブ板作戦を実行しているキャロチューサイドの方が「まっとうな」進行ではあるのだが、タオが企むAI仕掛けのプロモ戦術の方がこの火星ではむしろスタンダードな攻め方なのかも。「民衆は露骨なプロモーションを嫌う」とか、言ってることはなんだか現代の地球と大して変わらない気もするんですけどね。 アンジェラもタオによって振り回されているのが現状だが、キャロチュー組も実際に動けるシーンはあまり多くなく、活動方針については基本的にプロデューサー組に任せっきり(まぁ、二人はバイトせにゃならんしな)。陰で努力をする自称プロデューサーとイケメンプログラマーは、それぞれにキャロチューへの熱意が本物であることは示しつつも、アプローチが随分違っているし、そもそも基盤となる社会的地位も違うので結果は雲泥の差。一応ガスが「現在の有名プロモーターと知り合い」っていう設定は今後活きてくることになるんでしょうかね。前回の元奥さんもそうだったけど、ガスはコネだけ見れば業界人っぽい良い部分もあるのだが……如何せんそこからの押し方がおかしいんだよな。どうにも古臭いし、身勝手なところがあるので社会に出て行こうという方向性のキャンペーンとはあまり相性がよくないようだ。 他方、ロディの頑張りはきちんと実を結び、無事に伝説の幕開けとなるファーストライブを終了させた。ハウスの主人である「あんた、ライブハウスCIRCLEにいませんでしたか?」みたいなおばちゃんのお眼鏡にも叶ったようで、ついにまともな足がかりが見つかった様子。まぁ、基本的に「キャロチューの歌は良い」っていう前提で成り立っている世界なので、演奏する機会さえ与えられれば自分たちでブレイクスルーできるコンビではあるのだが。 今回のライブもさりげない演出プランが実に「気持ちいい」仕上がりになっている。昨今の音楽アニメというとどうしても演出バリバリでとにかく画面を飾り立てることで盛り上げようとするが、本作はさりげない光の演出など、動きは最小限にとどめて本当に生っぽい演出からの「ライブ感」を大切にしてくれる。曲がどれほどいいかなんてことはわからないが、確かにこの時、この場所でのライブが聞けたのなら、それは満足できるものだろうな、という説得力がある。こういう地味で丁寧な作劇でいいんだよな。 さて、無事に一歩を踏み出したわけだが……これ、多分アンジェラの曲は完全なる「アンチ・キャロチュー」として立ちはだかる障壁になる展開なのよね。最初のナレーションで「奇跡の7分間の原動力となった」と言っていることから、個人的にはこの7分が「キャロチューとアンジェラの共同作業」になるのだと期待しているのだが……3人が出会うのはいつの日になるだろう。 そうそう、お兄ちゃんも来てましたけど……予想以上に物分かりのいい人だな。妹さんのことを第一に考えてくれているみたいなのだが、果たしてあのママンをどうやってまるめこむのか。チューズデイの里帰り(拉致監禁)話は今後どこかで一悶着ありそうだ。
突然スペースダンディみたいな回がきたな、第4話。どないやねんと思ったらコンテが岡村天斎だった。やたらカッ飛んだモーション作画が多かったおかげで、本当に馬鹿馬鹿しくて何もしてないエピソードのくせにどこか気になる仕上がりになっているのが悔しいわ。 今回でようやく、私はサブタイトルが過去の名曲から取られているということに気が付いたのですが(洋楽とかほんと知らんし)、肝心のキャロチューはなかなか名曲に一直線とはいかないようで。まぁ、ここまでの展開がとんとん拍子すぎたし、さすがにこの辺りで一拍おいてくれた方が安心できるかな。まぁ、いくらなんでも休み方が適当すぎる気はするけど。やっぱどう考えても騙され方がスペースダンディとか「ギャラクシーエンジェル」のそれなんだよなぁ。敏腕プロデューサーがチョロすぎるのが最大の問題点だが、割と業界でスレてるっぽい(元)奥さんのマリーまでがしれっと騙されているし、一番そういうところでひねくれてなきゃいけないはずのロディが最大の被害者になってるのはなんだかね(いや、最大の被害者はアーティガンか)。まぁ、この辺りのへっぽこ要素がきちんとあった方が、ここからの立身出世は見やすくなるってことでしょう。全体的に学園祭の準備みたいで楽しそうだったから良し。 結局一歩も進んでいないように見えるお話ではあるが、一応周りの人間関係は少しずつ固められている。最大のトピックはやはりガスの周りってことになるだろう。マリーは良い奥さんだったし良い業界人でもある模様。そんな女性から一目置かれている上にはっきりと「人を見る目は確かだ」と太鼓判を押されることで、ガスがキャロチューを見初めたことに一応の保障を与えている。さすがに「単なる酔っ払いが気の迷いでスカウトしただけ」っていう可能性がちらついている状態だと、それこそ今回のロボットと大差ないわけでね。ちゃんと冒頭で「奇跡の7分」への道筋だと言われてるんだから心配はしていないものの、それでもガスの依って立つところがはっきり示されたことの安心感は大きい。 そして、案外キャロチュー関係で協力的な姿勢を見せてくれるロディ。前回までは完全に流れでついてきてるだけなのかな、という印象だったが、今回作業中のワンカットの中で二人を見て顔を赤らめるシーンがあり、もしかしたら案外キャロチュー(のどっちか?)に特別な感情を持ったりしているのかもしれない。でないとここまで献身的にご奉仕はしてくれない気がする。まぁ、そんな献身が一切実らないところが本当にかわいそうなのだが……「黒歴史」の一言で処理されてしまったけど、今後今回撮ったPVが活きてくるような展開はないもんかなぁ。ロディがダンスにスカウトされるとか(そっちか)。 ちょっくらコインランドリー行ってくる、第3話。突然両サイドを若い女の子に挟まれて、気づいたらセッションが始まってるのってこわくね? 今回は割と緩やかな進行。一応一番大事だったのはプロデューサー役のガスの人物紹介の部分だろうか。よくある「かつては名を馳せた業界の名士だったが……」みたいな展開ではなく、そこまで大したことないぽっと出のPだったというのは意外。まぁ、あんな風体で大人物だったって言われても困るが。実際、ガスはなんやかんやと盛り上げるだけで実務の方で頑張ってるのは盗撮動画バズらせ青年のロディの方である。イメージとしてはプロダクションの社長がガスで、実際の雑務をこなすのがロディって感じになるのかな。ガスの方はキャロルたちに一目惚れしているのでモチベーションが高いのはわかるのだが、ロディの方はどんな気持ちで一連のプロモーションに参加しているんだろうか。まぁ、最初に動画を撮った時点で興味があったのは間違い無いのだし、あんな態度でも意外とお熱なのかもしれないけども。 こうして一応はスタート(?)したキャロチューの音楽活動。まだまだプロになったわけでもなければ収入があるわけでもなし、バイト生活に変わりは無い。むしろガスにけしかけられていろんな仕事が増えそうなので、バイト生活以上に忙しくなりそうだ。キャロルの方はこれまで散々(クビになってるとはいえ)バイトしてるからいいとして、今後はチューズデイの方も額に汗して働くことになるんだろうか。是非ともアイドルの卵ならファーストフード店でバイトして欲しいもんですね。大量のポテトをあげろ。 そうして少しずつ「趣味以上のレベルで音楽ができるかもしれない」という夢が生まれたキャロチュー。ガスが胡散臭いのは問題だが、それでも自分たちが認められたという事実を突きつけられたらちょっとくらいは気持ちもアガる。そりゃコインランドリーだって歌える場所になりますよ。火星の人たちは思いの外ノリがよくて助かります。ただ、この世界のチャートを席巻しているのは「AIが作った音楽」らしく……おそらく音楽シーンを支えているのであろう宮野(アーティガン)もそうしたAI音楽の信奉者の1人。彼からしたら自分の成功という裏付けがあるだけに、「AI音楽以前の古臭い音なんて聞く価値もない」という姿勢は真っ当なものだ。ただ、単なるいけ好かない銭ゲバ野郎かというとそうでもなく、今回はチューズデイの無茶な行動にもどこか理解を示したような、興味を覚えたような顔もしている。これまで全てが金と人気で動いてきた人物だけに、自分の価値観からずれた、先の読めない行動をする女の子には気になる部分もあるのかもしれない。まずはこの男の攻略から始まるんでしょうかね。チューズデイの方がこういうシーンで無茶に走るっていうキャラ設定はなかなか面白い。 そして、そんなキャロチューと対照をなしつつも少しずつ前へ進んでいるのが純正アイドル(?)のアンジェラ。ちゃんと活動していることが紹介されるのと同時に、ボカロPみたいな隠キャの下で人体改造にも勤しんでいる。彼女とキャロチューが同時にボイトレを行なっているシーンが重なって、そのどちらも何だかうまくいってないのはちょっと面白い。かたや宇宙ヨガ、かたや拷問発声法。この世界のPはまともなのがおらんな……。
よかった、2話目もちゃんと気持ちいい、第2話。正直、今期は感想書きたいアニメが全然出てこなくて不安だったんだ。これも2話目でトーンダウンしたらどうしようかと。幸い、2話目もちゃんと1話目で受けた印象がそのまま維持されている。 とはいえ、お話としては本当にまっさらというか、まっすぐというか、「音楽を志した2人の少女が最後には最高に輝く物語」と言われて想像する展開をしごく当たり前になぞっていくようなシナリオラインである。今回は例えばチューズデイの生まれ育ちをキャロルが確認するくだりが挿入され、「実はめっちゃええとこのお嬢様やんけ……」と呆然とし、キャロルはキャロルで全く家事ができないポンコツぶりを披露して箱入りっぽさを強調。そうした展開の細部に関しては、本当にテンプレ通りのパーツを組み合わせているので筋立て自体に新鮮味はない。まぁ、逆に言えばこれこそ王道展開で何も悩まずに見られるということでもあろうが。そうした王道部分にどれだけなおざりにならずに手を費やせるかが質の向上につながるというものだ。 意外だった点といえば、流石に(自称)プロデューサーと出会うのが早すぎるってことくらいだろうか。もうちょい成り上がるまでの手順には段階があるかと思ったら、トントン拍子で話が進んでSNS拡散までの流れはあっという間だった。まぁ、今のご時世、世間的にバズるってのはこういうことを言うのかもしれないが。ちょっとしたネット上の情報から一瞬にして本名から住所まで割れてしまうスーパーハカーっぷりは恐ろしかったが、冷静に考えてみりゃ「たまたま自分が撮った動画から顔認証+画像検索で類似画像をサーチ」→「インスタの写真で同一人物がヒット」→「写真うpするときに位置情報消してないやん」なんてくだり、やろうと思えば現代技術でも充分可能な展開なんだよな。なぜか今作の「火星」では意図的に「現代っぽい道具立て」がそのまま残されており、普通に考えたら「未来感」を出すためにいじってきそうな要素も平気で使うという特徴がある。火星がテラフォームされて隆盛するご時世までインスタやらツイッターが残ってるとも思えないのだが、その辺はわかりやすさ優先ということなのだろう。まぁ、確かにそんな部分でひねっても別に旨味はないし、「そうやな、やっぱりイケてる女の子を見つけるためにはインスタやな」という妙な納得感がある。 そうして記念すべき成り上がりロードの第一歩を踏み出したキャロル&チューズデイ。こうしてみると、もうこの段階で音楽的に完成しているってことは前提条件なんだな。1話目時点で二人がなんとなくで合わせたセッションがすでに完成度が高かったわけで、どこかで猛特訓するとか、音楽理論を学ぶなんてこと無しでも2人の音は世間に通用する。言ってしまえばオレツエーみたいなものだが、なぜ2人の音楽がこうまで人の心を惹きつけるのか、という部分については、もう1人のアイドルっぽい子の存在が対比的に示してくれている。CV神谷のAI人間が諭しているように、この世界ではすでに音楽作成は人間の手を離れた文化になっているようだ。このあたりの絶妙な「それっぽさ」も作品の見易さに繋がっている部分で、作詞部分についてはどうなのか微妙だが、作曲なら確かに「パターンの構築」なのだからAIの得意分野といえる。おそらく現代技術でもある程度「人気楽曲のパターンを学習してAIが作曲する」と言う工程は可能だろう。もちろんそれがチャートを賑わすほどになるかどうかはわからないが、その部分だけお話的に「盛った」状態の火星の音楽業界は、なんだか不思議と納得できる部分が多い。そうして「機械が作った音楽」が市場を席巻しているこの世界において、「なんだか分からないけど吐き出したい」という気持ちを抱えた思春期の青臭い女の子2人。彼女たちの音楽は、計算や理論で成り立ったものではない「心の音楽」として、逆に新鮮さを与えていると言う設定なわけだ。 まぁ、我々視聴者からすればそれは単なる「やたら完成度の高い曲」でしかないのだが、それでも狙っている方向性は理解できるし、素直に気持ちのいい音楽に仕上がっているのだから文句はない。普段は粗野なキャロルの奏でる繊細なピアノ、そして普段はトンチンカンなチューズデイが舞台の上で堂々と爪弾くギターと歌唱。その魅力が火星の人にも、現代のアニメファンにも、平等に届くように感じられれば面白い作品に仕上がるだろう。 あとはまぁ、百合的な要素とか。キャロルは幾ら何でも無条件でチューズデイを受け入れすぎな気はするが、こんな2人だからこそできるセッションってのがあるんだろうなぁ。お嬢だということが判明してもチューズデイをおもちゃにしてるキャロルは悪い子じゃないのは間違いないし。今後、あのおっかないオカンが出張ってきたときに彼女がどういう反応するかが見ものである。
えっ、何これ、こわっ……第5話。こういうのが突然飛び出してくるから、現代アニメってのはあらゆる番組にアンテナ張ってないと後悔するんだよね。歴史に残るとんでもない回だった。 呆然としながらスタッフロールを見ると、なんと今回は一人演出・作監回だという。担当したクリエイターの名前は伍柏諭(ご・はくゆ)氏。台湾系のアニメーターで、過去にもアクション系の作画で評判が高いとのこと。ただ、個人的には注目すべきはアクションパート(だけ)ではなかったけども。「なんか今回ヤベェことになってるな」って認識が確定したのはいちいち細かすぎる浅桐さんの表情芝居のところ。M・A・Oのきっちり噛み合った演技プランも相まって、アニメーションでここまで掘り下げるか、というとんでもない粒度に仕上がっていた。そりゃこんな作劇ばっかりやってたら、日本のアニメ業界は人手と予算不足で立ちいかなくなるだろう。あまりにも贅沢で、視聴者ともども、憑き物が落とされるような一本だった。 まぁ、ここが中盤のクライマックスということで制作側もかなり力を入れて作った話数ということなのだろうが、そんな大事なエピソードで単独構成を任され、あまつさえ作監作業までやってしまうとなると、相当信頼に厚い期待のクリエイターということなのだろう。確かに、その期待に十全に応えるだけのものを叩きつけてくれているのだから文句の出しようもない。こういう思い切った采配が可能な作品ってのはそれだけで恵まれてるよなぁ。 あ、今作も本当に霊幻が格好いいのがずるい。ここまでシリアス多めだから今のところ全話に渡って格好いいんだよなぁ。 オチ画像! 最終話! 一体どこに行ってたんですかぁ〜名緒すぁ〜ん! 文字通りに「良い最終回だった」。1クール作品だとこれくらいのスッキリ収まる感じが一番気持ちのいいところですね。誰も不幸にならない匙加減もありがたく、ひそねの能天気なテンションが最後まできちんと作品の雰囲気を維持してくれていた。ぶっちゃけ、「楔女の代わりに誰が行く?」って流れになった時に、「まぁ、一番悲しくないパターンで消去法ならババァがかつての恋人と添い遂げるために犠牲になるのが一番だな……」って思ってたんだけど、それすらなかった。今後は100万円のジョアを売り歩く強欲な生活が続くに違いない。 最終的になんでひそね達が帰ってこられたかはさっぱり分からないわけだが、まぁ、そもそも「楔女の犠牲は必須」っていう取り決め自体に根拠がなかったわけで、 別にミタツ様が要求しているわけでなくて「システム的にどうしても1人取り残される」という形なのだとしたら、ひそねはミタツ様の中でそれを回避する方法を見つけたというだけなのだろう。これまでは巫女がその任に当たっていたせいで人間1人の力ではどうしようもなかったわけだが、今回は史上初めてDパイが生贄として名乗りをあげ、その傍らにはドラゴンがいたのである。この状態なら、過去の因習を打ち破る何かがあったとしても別に不思議ではない。おそらくひそねはこのあとすぐに自衛隊から召集され、内部で一体何が起こったのかを聴取されるはず。その結果、今後のお役目では誰も犠牲にならない優しい世界が待っているはずだ。まぁ、74年後も無慈悲な恋愛禁止のDパイ選出が待っているわけだが……。 ひそねのマジレッサーという性質が、最終回で見事に主人公の素質に変転したのは面白い展開だった。嘘がつけない上に阿呆という性質の重ね合わせで棗相手も理屈無用のマジギレを起こし、そのまま周りの話も聞かずに突っ走った挙句、「生きて帰るぜ!」と宣言した虚言妄言も小此木から見れば「彼女は嘘がつけないから信じられる」という勇者の発言みたいな扱いになっている。ひそね自身は絶対に何も考えずに叫んだだけの台詞なのだが、それでもなんとなく信じられる空気になったのは、最終回補正というだけでなく、これまでのひそねのなりふり構わぬ態度から生まれてきたものだろう。「こいつに何を言っても無駄だ」という観念が、樋本にまで強引な作戦変更を決意させたわけで、ひそねがいなかったら間違いなく今回の作戦は失敗していた。なんという、強引かつ端正な主人公の形成であろうか。 ぶっちゃけ、彼女が小此木に対してラブを叫びながらまそたんに乗れているのは反則である。棗に対して「浮気者! 不純異性交遊!」と叫んでいるくせに、ひそね自身が完全にまそたんに浮気している。いや、彼女(とまそたん)の言を信じるなら、まそたんが本命とすら言える。結局、ドラゴンの吻合が何を条件として起こるかも確定的要素ではなかったので、「たとえ他に思い人がいたとしても、とにかくドラゴンを愛し、ドラゴンへの想いがナンバーワンならOK」というルールがここで確認されたというだけのことなんだろうな。それくらいに、ひそねの愛は広く、野放図で、無鉄砲なのだ。小此木、今後はどんな共同生活を送ることになるんだろう。今更気づいたけど、このカップルって団長と豚のカップルなんだよな……。 その他、めでたく星野さんは作中でも一番真っ当な恋愛に決着しそう。彼女にいきなり「セフレにしてやる」とか言われたらたまったもんじゃないが、財投さんはとりあえずおっぱいを鷲掴みにでもしたらよかったんじゃないだろうか(蹴り飛ばされるわ)。日登美さんは結局最後まで飄々としていて結論は出なかったが、Dパイ任務が解かれて自由恋愛がOKになったら、彼女のいろんな意味での大きさが今後は男を翻弄する存在になるのかも知れません。絹番さんは……キングダムなぁ……。なお、キングダムの人こと飯干さんと絹番さんの中の人は(略)。 そうなると、結局最後まで宙ぶらりんでかわいそうな気がするのは名緒さん ということになってしまうのだが……ハッ、もしかしてあのラストカットは彼女の救済のための!?(可哀想すぎるだろ) 歌えやぁぁぁああ! 第11話。公式でインスト音源聴けるってかなり貴重なアニメなんじゃなかろうか。何気にアイキャッチのコーラスもめっちゃ綺麗。 うーむ、まるでエヴァのような(そうでもないような)降ろされて乗る流れ。まぁ、ロボットものならこういう展開も一種のテンプレと言える。今作はロボットものじゃないし、テンプレ踏襲したところで色々と尋常じゃない部分が多い気がするけども。特に今回新鮮だったのは柿保さんのブチぎれでしょうね。最初にぶん殴った時には単に「怖い上官」がいきなりキレただけなのかと思ってしまったが、後になって事情を聞いてみれば、彼女にとってのDパイってのはそんな生易しいもんじゃなかったっていうお話。確かになぁ、かつての森山エピソードはこういうところに聞いてくるお話だったわけだね。ひそねが一回まそたんから離れるくだりは、お互いの大切さを理解するためには必要な要素。そこで、強引にでも2人を引き剥がすための触媒が必要で、そのために選ばれたのが「ひそねの態度にブチ切れることができる」柿保さんというキャラクターだったというわけ。一応名緒さんがキレるという選択肢もあったとは思うのだが、彼女が「Dパイを辞めると言ったひそねにキレる」という文脈は、読み取り方が複数生まれてしまって描写が面倒になるので、より分かりやすく落ち着けるための柿保さんだったのだろう。奇しくも同じ日にハイパー釘宮キャラを2つまとめて摂取してしまったのでお腹いっぱいである(もう1つは「ニンジャバットマン」のハーレイ・クイン)。 そして、ひそねが退場した後にお役目を代行したのはなんと驚きの樋本さんだった。まさかの74年ぶりの現役復帰。幾ら何でもそりゃ無理じゃね? と思ったが、ここで名緒さん用に開発していた「なんか呑みたくなるスーツ」が役に立ったという。逆に言えばやっぱりそれがなきゃまそたんもババアは呑みたくなったってことなんでしょうかね。でも割とシャキシャキコントロールできてました。さすがだババア。ジョアの力は伊達じゃない。しかし、ここでもまさかの大トラブルが発生。なんと、樋本は先代の楔女とほにゃららな仲だったというのだ。いや、実際にどれくらいの仲だったのかは確定していないし、マジで当時からヤバいレベルだったらそもそもお役目が果たせていなかったはずなので思い出補正も込みなのかもしれないが、とにかく、そんな青い時代の郷愁を思い出してしまったがために、まそたんが再びの暴走状態。もう、どんだけ繊細なんだOTF。ババアが幼い日の同性との思い出を蘇らせただけでアウトって、もう、この仕事をこなせるのはサイコパスかAIだけなんじゃなかろうか(そういう意味で絹番さんは色々適任かもしれん)。 こうして、「乗り手を失ったロボ」と「やっぱり乗りたいパイロット」という、碇シンジの世からおなじみの2つが並び立った。奇しくもミタツ様の鳴き声や異形はゴジラを彷彿させる「圧倒的なボスキャラ」であり、ここでエヴァならぬまそたんに主人公が乗り込むシーケンスは欠かせない要素。まぁ、かなり無茶な乗り方だし、まだ2人乗りの状態だからまそたん重量オーバーだし、色々とバタバタしすぎではあるのだが……。ちゃんと乗れてしまったということはひそねは許されたのだろうか。いや、おそらくだが、あくまでもまそたんに乗れるかどうかって、本人の心持ち次第だからな。乗ってるDパイの方が「もしかしたら私の中でOTFは1番ではないかもしれない」と思ってしまった時点で拒否反応が出るのだろう。ひそねが柿保さんに言った「まそたんがナンバーワン理論」は屁理屈以外の何物でもないが、それをひそねが丸ごと信じて受け入れてるなら問題ないのだ。さぁ、まそたんはコントロールが戻った。あとはミタツ様を予定通りの方法で……。 というわけで、まぁ「楔女」っていう名称の時点でみんなわかってたことですけどね。棗は「お役目」としてここで果てるのだ。本人はそのことを知った上で、すでに受け入れているのだろう。ひそねが「クズ女」だったり「ずるい」と言われたりする中、なんとも潔い覚悟である。こんな非人道的な儀式の全容を知って、マジレッサーのひそねは最終回でどんな行動に出るのか……今週のスライディング土下座以上の、きらめく君を見せてくれ。 次回予告で一体何があった、第10話。色んな人がそれぞれに苦労を重ねているお話だけど、トータルで見ると一番心労が多いのって結局柿保さんな気がするな……。 トラブルがあるなら、それを乗り越えていけばいい。前回作中最大のトラブルである「恋愛」にぶち当たってしまったひそねと星野さん。このままではOTFへの搭乗が叶わず、下手したらそのままお役目を果たせずに日本がピンチの可能性すらある。しかしことの本質は人間の恋愛感情。本人がいかに努力しようとも、そんなものはコントロールできるはずがない。飯干の言うように一種の罹患であり、自然治癒も何もあったもんじゃない、下手したら一生ものの症状なのである。 「そもそもなんで職場で男女一緒に働かせてたんだよ」という当然のクレームに対し、飯干は上述の通りに回答した。どうせ罹患する病ならば、予防接種のようにして積極的に発症・治療の工程を踏めば、コントローラブルになるのではないかというお話。確かに一面的には正しい部分もあるのかもしれないが、端的に言えば「てめぇに人の心はねぇのかよ」と。以前もそんな議論が起こっていたことがあったが、いざ当事者になった小此木さんも財投さんも、当然のように「彼女を苦しめるなんてできるわけがない」と答えている。当たり前のことだ。 それでも、お役目には国家レベルの命運がかかっており、さらにDパイというお役目はいっときの惚れた腫れたでおじゃんにしてしまうには大きすぎるもの。ことに星野さんの夢は人生をかけた大勝負とあり、財投は自ら汚れ役を買って出て男としてのけじめを見せた。いや、絶対にそんなことをしても星野さんは幸せになれるとは思えないのだが……しかし、「理性的に考えれば」それが最善なのか。星野さんは吹っ切れたと思っているようだが、どこまで自分を騙せているものか。なまじ作戦が成功してしまっただけに、二人の関係性が今後難しいものになるのは目に見えている。 そして片がつかないのはひそねたちのカップルである。小此木はこれだけのトラブルになり、しかも自身が今回のプロジェクトの中心的な存在であることを嫌という程理解しているはずなのに、自ら積極的に動こうとしないのはモヤモヤする。そりゃま、わざわざフりにいくようなことはしないだろうが、ひそねが1人もがき苦しんでいるのをただ見ているだけというのはなんとも薄情だ。いや、だからって何をしたらいいのかも分からないのだが……こればかりはDパイ本人の思いの強さを信じるしかないのか。 懊悩するひそねの代役は、名緒が必死に努めようとしている。彼女も彼女で自分の「お役目」についてはなかなか結論が出ないようだが、おそらく現時点ではひそねとの友情が彼女の大きなモチベーションになっているのだろう。どこまで言ってもDパイとしての資質(依存心)は足りない彼女だが、そんな名緒だからこそできるサポートというのもあるのだろう。やっぱり頼りになりますね。 これだけ周りの人たちから気遣われて、ひそねはどんな結論を下すのか。樋本の説く「ドラゴンとの共生」について、「理解はしたが納得はできない」というのはごく当たり前の感想だ。酒の勢いに任せてわかったふりをしている(?)星野さんの方がよっぽど痛々しい。ひそねは今まで通り、マジレッサーとして考える。自分の気持ちにも妥協はしない。今後の小此木との関係、そして、まそたんとの関係。 そうだよな、無理なんだよな。どれかを犠牲にして身を立てるくらいなら、まず犠牲にすべきはDパイの職務なのだ。乗り込まずにまそたんに関わる新しい方法が見つけられればの話だが……。 |
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HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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