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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 やっぱオムスビ出てない方がネタが安定するやん。いや、ちょっと出てたけども。今回は3本立て。各方面から微妙にやってほしい流れと想像もしてなかった流れが混ざり合っていい具合のカオスである。

 Aパート、「一松ラジオ」。一松の闇ってちょくちょくトピックとして上がるんだけど、未だに底が見えないというか、どっち方向に痛々しいのかがたまにわからなくなることがある。今回のラジオも本当にそうで、凄まじく作り込んでいるたゆまぬ努力とか、単なるニートでは絶対無理だろ、っていうクオリティに仕上げているのが本当に謎。そして、トッティも言ってたけど、理由がわからない努力の意思ってのが、見ていて一番恐ろしいのである。あと、やたらラジオ番組の細かいネタにこだわる一松と、余すことなく全部拾ってやるトッティも怖かったりする。このテンポでやられたら、絶え間ないツッコミも一種の芸として成立してるんじゃなかろうか。

 そして今回最大の見どころは何と言っても2本目の「コンビ結成」である。橋本にゃー、そんなキャラだったか? すでに「どこぞの金持ちと結婚して引退」なんて設定があったかどうかも全く覚えていないのだが、メインキャラじゃないからどこをどういじってもいいだろ、ってんで訳のわからない設定をガンガン突っ込んで謎のシリアス固めをキメてきやがった。そしてトト子がここに絡むことで、ちょっとした友情物語や月9っぽさを醸し出し、あわよくばアイドル2人の間に百合的なフレグランスも漂わせつつの展開にしている。なんだこれ。でもトト子が赤ちゃん抱えた時のあの慌てふためき方はよくわかる。「首すわってないから注意して扱ってね」って預けてくる人間、ほんとに何考えてんだって思う。こちとらどう扱っていいか分からないから困るだけなんだよ!(虚空に向けて)

 もちろん、オチは安定の酷さだったのでホッとしたような、がっかりしたような部分はあるのだが、変貌したトト子を見てもおそ松・カラ松は普通に盛り上がり、チョロだけがあっけにとられているあたりはいかにもな反応であった。

 Cパート「松代の罠」。いつも通りにカオスに振り切ってわかりやすく笑えるお話。個人的には「お前それでもニートか!」という魂の叫びが好き。大丈夫だよ、ニートに生まれずとも、背徳の時間のカップ麺はうまいもんだから。

 

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 マジヘライッチーの完成度が無駄に高いのが相変わらず、第3話。ちゃんと五條真由美に歌ってもらってるんだから、文句の出ようもないわ。ちなみに今季のオープニングについては、なまじZZだけ分かるもんだから「他のカットもなんかのパロディなんだろうなぁ」って思うんだけど、わからないからどうしようもないっていうもどかしい状態である。

 3期に入り、新キャラの投入で縦筋が生まれている。1話のぶっ飛び具合は相変わらずで楽しかったのだが、正直いうとオムスビが登場してるメインパートはあんまり面白くない。かなり冗長な印象があるし、キャラの絡みが今のところパンチの無い状態だからだ。そりゃま、最終的に六つ子のニートパワーで蹴散らすことになるのだろう、ということは予想がつくし、そこに至るまでの布石として少しずつ追い詰める展開にはなってるのだろうが、あんまりこの作品にそういう丁寧な脚本づくりは求めてないんだよな。1話でうんこになってしまった奴が、今更ちょっとやそっとの刺激やピンチでどうにかなるものでもないしなぁ。「正論を振りかざすことで昭和の時代のギャグ漫画を徹底的に問い詰めていく」というアイディアも、AI側の悪意がまだはっきりと示されていないために、視聴者側も反応しづらい。「昭和の設定はもう古いから使えない」みたいなイジり方はこれまでのシリーズでも割とやってしまってるしなぁ。今更ちび太があんなことでダメージを負うとは思ってなかったわ。

 そうしてメインパートが今ひとつ盛り上がらない分、期待したいのはやはりショートネタの部分であろう。マジヘライッチーの作り込みは、割と期待してる方向性に近い。「福山潤に全力で女の子をやらせる」っていう方向の楽しみ方もそうだし、きちんと一松のキャラエピソードとして成立しているので親和性も高い。一松の憧れの人が十四松っていう噛み合わせも、これまでのシリーズを見ていた人間からしたら嬉しいポイントだ。この2人の絡みはそれだけで良いよね。いや、十四松側から絡む気は無い展開だったけど。

 そしてトト子ちゃんが暴走してる展開も個人的には好きなポイント。トト子っていうか遠藤綾のキレ芸が好きっていう方が近いんだけど、普段あんまりこういう仕事をやる人ではなくて、最近は妖怪ウォッチが全然ダメなのでこっちで弾けたお仕事を見せてもらうしかないのである。

 まぁ、考えてみりゃ聖澤庄之助だっていつの間にやら謎の存在感を獲得するに至ったのだから、新キャラだってそのうち馴染む……かなぁ。

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 頭ん中もぅ完成形見えてた、最終話! 走り抜けていったなぁ、映像研……。

 やることやって終わるっていうラストのなので当たり前のことだが、クライマックスの構造は某作(あんまり隠せてない気がするが)と大体同じ流れでちょっと笑った。でもまぁ、アニメ制作で最後に盛り上がりを作るとしたら、やっぱり納品戦争とクリエイターのこだわりの天秤ってことになるよな。今回は事故のおかげで浅草氏が最後にどうにも引っかかっていた部分を直すことができましたよ、っていう形になっているので、不可抗力からなだれ込むエンディングとしてはやはり鉄板ではなかろうか。結果的に水崎氏のこだわりが若干ないがしろにされている気がしないでもないが、彼女の頑張りは本編のUFO大戦動画にこれでもかとねじ込まれているので我慢していただこう。ラストを飾るべきはやはり部長の作家性だ。

 映像だけを見ると「アニメタマゴっぽいな!」って感じになるのは、やはり若手クリエイターが使いたい技術を惜しみなくつぎ込んで好きに作った作品ってことで何かニュアンスが近くなる部分があるんだろうか。今作の製作陣がどういう方向性から「それっぽく」作り上げていったのか、残念ながら具体的な技術論的な部分はよくわからんのだが、確かに観ていると「それっぽい」んだよね。動画の中のモーションの置き方なのかしら。まぁ、今回アニメ本編で流れた映像はおそらく販売されたソフトの中身のダイジェスト部分であろうから、はたして浅草がどのような作品を世に送り出したのか、その詳細は知る由も無いのだが。

 最後に見せつけたのは、浅草が最後の最後まで粘り、こだわりを見せて作り上げた作品が、ばっちり消費者たちの家に持ち帰られて「世界」を作ったってことだけだ。浅草が世界を描き、コンテを切り、水崎氏がモーションを生み出し、百目鬼が音を加えたその映像は、文句なしに見栄えのするものだったということ。それが分かるだけでも最終回としては文句のないところだろう。ついでに映像パートを見ればこれまで彼女たちがやりたかった願望もそこかしこに発揮されていることがわかり、「そういえばスタート時点では制限だらけの中で描いた謎のマチェット少女だったんだよな」なんてことも思い出せる。当時は制動が難しくてなかなか描けなかった戦車の描写なんかはすでに一足飛びにUFOにたどり着いており、UFOのモーションについては浅草一押しの「生物形態模写」がふんだんに取り入れられている。エビだタコだと騒いでいた時の経験も、今回のUFOに繋がっているのである。

 さぁ、むしろ映像研としては(そして金森としては)、今回の販売戦略はまだまだはじめの一歩なのだろう。これから先、彼女たちはなにを生み出していくことになるのか……原作読むか……。

 

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 だいたい元どおり! 最終話!! そりゃなー、ミステリで終わりつったら「事件の解決」なわけで、とりあえずジョンウォーカーに対処出来た時点で最終回だよなー。残念ながら飛鳥井木記を救い出すだけの能力は、現在の人類は持ち合わせていないのだ。

 というわけで、最終回で与えられたミッションは本来なら2つ。「ジョンウォーカーへの対処」と、「飛鳥井木記の救出(そして世界の復旧)」である。前者に関しては、Aパートだけを使ってかなりあっさり解決した。まぁ、そもそも早瀬浦がイドの中に逃げ込んで「永遠の存在」になったのだからそこまで目くじらを立てる必要もなかったのだろうが、今後もイドを使っていくならば、様々なイドを「CHANNELED」して渡り歩くジョンウォーカーを放っておくわけにはいかない。個々のイドの独立性が保持されているはずの世界の中で、ジョンウォーカーだけがイレギュラー、まさに裏技だからこその裏井戸である。

 二人の名探偵が協力して挑む掃討戦。現実を捨ててまでしてイドの中での永遠性を手に入れた裏井戸相手には正攻法など通じるはずもないのだが、そこは名探偵2人が手を組んだだけのことはある。案外あっさりとラスボスに対処してみせた。世界を渡り続ける存在だというのなら、この世界の中でも意識を奪って行動不能にしてしまえばいい、ってんで、自分たちも散々悩まされてきた「第2層」の構造をそのまま使ってやろうという作戦だ。そのために、わざわざ裏井戸を誘い込んだのは第1話で鳴瓢が潜ったイド、そう、あの富久田のイドである。そこならばコクピットがコクピットに見えない。見えないものを見るためには聖井戸の持つ「欠けない目」が必要であり、なおかつこのイドでの奇襲を成功させるためには、一度ここに潜って活動したことがある酒井戸の経験も欠かせなかった。穴井戸のビジョン、聖井戸のビジョン、そして酒井戸の経験。3人の名探偵の力が結集し、見事ラスボス・ジョンウォーカーに打ち勝ったのである。最後の最後、結局富久田は現実世界でも命を落としたことが描かれたが、最後を見届けたのが本堂町だったというのは、富久田にとっても本望だったのではなかろうか。

 そして残されたミッションは「飛鳥井木記の救出・解除」だったわけだが、下手したら今回の最大の見どころはこのミッションの百貴さんの扱いの悪さだったかもしれない。そりゃま、松岡さんだって百貴のことを信頼し、ここで彼が成功しなけりゃどうにもならないとわかっていたからこその無茶だったのだろうが、気を失おうが、ゲロ吐こうが、肋骨が粉砕されようが容赦無く遠隔地から叩き起こす様は完全に拷問。百貴さんもあとから訴えたら勝てるんじゃねぇかというエグいシチュエーションであった。ラストではきちんと現場復帰した百貴さんが描かれていたので幸い致命傷ではなかったようだが、あんだけの仕打ちで生きてたのは奇跡だろうよ。なんやあのハイパー宇宙服は。

 しかし、百貴さんがそこまでの犠牲を持って挑んだとしても、現状では飛鳥井の「症状」をどうすることもできない。そこでさっさと殺すことが出来れば話は早いのだろうが、百貴にはそれはできない。もちろん、蔵の人間は誰だってそんなことはできなかったはず。警察官と連続殺人犯を分け隔てる壁は、歴然とそこに存在するのである。まぁ、だからこそそれを乗り越えた鳴瓢や本堂町が名探偵としてこれだけぶっ飛んでるわけだが。

 百貴は飛鳥井に対し、「いつかきっと助けるから待っててくれ」と訴えることしかできない。飛鳥井側からしたら、またミヅハノメのエンジン部として他人の夢を繋ぐだけのお仕事は勘弁してほしかったところだろうが。その先に自分が「生きる」可能性があるならと、涙ながらに再び箱の中へ。今はハッピーエンドを迎えることはできないが、この先、イドやミヅハノメの研究を重ねることによって、彼女の能力研究が進むことを期待するしかないだろう。そのためには、より多くのイドを見て、より多くの殺人衝動を解きほぐしていくしかないのである。

 このエンディングは多少もやっとしたものは残るが、改めて最初に書いた通り、「事件の解決」でひとまずの決着を迎えているのだ。飛鳥井が救われてしまうと、最大の問題として「もう今後ミヅハノメによる事件捜査ができなくなっちゃう」ことで、蔵の面々が犯罪者を見つけ出すためには、飛鳥井には我慢してもらうしかない。ミヅハノメが運用できている限りは希望は残る。そして、このアニメの続編を作ることだって……なんか、PSYCHO-PASSにおけるシビュラみたいな決着だな。まぁ、あっちよりも随分良心的なので、出来れば続編でもなんでもやって、最後にカエルちゃんが生きて笑って終われる世界にはなってほしいけれども。

 

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 牛乳は背を伸ばすなぁ、第11話。いや、実際には大した因果関係は無いけども……つい最近どっかで「牛乳はめっちゃ飲むけど背が伸びなかった」キャラを見てた気がするんだけど、誰だったっけ?

 今回もなかなかに気になるファクターが提示されている。中でも一番の注目は、これまで描かれていなかった浅草と金森の馴れ初めだろう。なんとまぁ、例の「二人組作ってー」がきっかけだったとは。中学生時代から既に完成形にたどり着いていた金森氏、当然たまたま一緒になった浅草のことなんぞ大して興味もなかったのだろうが、たまたま利用価値を見出したのか、それともなんらかのシンパシーを感じたのか。コミュ障の浅草に改めて声をかけて関係性を作っていった。まぁ、単に使いやすい手駒っぽく見えたということなのだろうが、そこから関係が切れずに今の状態にまで進歩しているということは、おそらく浅草の持つこだわりが金森のセンサーに触れたということなのだろう。浅草の行動原理は金森からすれば理解の及ばないところにあり、彼女なりに「価値があるか無いか」を考えたときに、浅草という存在には観察の価値があると判断した。実際、巡り巡って金を産む存在になり始めているわけで、やはり金森氏の目は確かなのである。

 そして、そんな金森氏だって一応は(ほんと一応は)普通の女子高生でもあるということがわかるのが今回のお話。こんなにも「鬼の霍乱」という言葉がしっくりくるシチュエーションも無いよな。事前にやってた水路探索が悪かった……わけでもないのだろうが、特に前振りもなく突然風邪で倒れる金森氏。まぁ、他の2人以上に仕事量も多いだろうし、学校側や生徒会とのバチバチの状態は少しでも気を抜いたら良からぬ方向に転がりかねない案件だけに、精神的な疲れも溜まっていたのだろう。それでも事態が固まるまで倒れず、勝利がほぼ固まってからようやく離脱するあたり、彼女のタフネスも大したものである。

 そうして生まれた作品は、浅草独特のマインドがたっぷり詰まったものに仕上がった。やっぱり、作品の舞台となっている芝浜がそもそも充分ファンタジックで魅力的なのはずるいよな。あんな地形があるわけもないのに、何気ない描写でしれっと出てくる探検コース。あんなにいろいろと刺激的なスポットがあるのに、なんでこの世界の住人はもっと探検しようとしないんだろうな? まぁ、高校生の面々を見ていると、それ以上に魅力的なアクティビティが多い世界でもあるのだろうが……ほとんど全てのキャラが生きてて楽しそうなのは羨ましいな。

 「水」のモチーフを徹底的に突き詰めて生まれた新たなカッパストーリー。そして金森の根回しが結実して学校側の封殺にも成功。順風満帆でスケジュール通りに完成した作品だが……どこでトラブルが? 音響は百目鬼に任せているのだとばかり思っていたが、どうやらSE以外の劇伴音楽部分に関しては、業者に委託していたようだな……それにしても、こんなミスあるかぁ?

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 なんかJOJO6部のクライマックスみたいになってきたな、第12話。収束してんだかどうなのかもよくわからないが、とにかく盛大に関係者が死にまくっているのは事実である。まぁ、イドの中での死がどの程度現実に影響を及ぼすかはわからないが……名探偵以外は30%でアウトな気はするよな……。

 さぁ、いよいよ動き出すぜ! と思われていた、ジョンウォーカーこと早瀬浦局長。飛鳥井木記を解き放ち蔵全体をミヅハノメへと変質させ、帰還直後の鳴瓢たちのところへ。一体何をするのかと思ったら、なんとコクピットに入ったまんまエクストリーム自殺を繰り広げてそのままイドに引きこもってしまうという斜め上の行動に出た。現時点で彼の目的はまだ判然としないし、飛鳥井との関係性もよくわかっていないために動機は謎のままである。時系列がよくわかっていないんだけど、ミヅハノメが「飛鳥井の特製そのものである」とするなら、彼女がタイマンの被害者として救出・保護された後で彼女の力を囲い込むことでミヅハノメが生まれ、そこから蔵が設立されたっていう順番なのだろうか。だとすると、ここでわざわざ局長がちゃぶ台をひっくり返して自分のイドに逃げ込む意味もよくわからないのだが……なんかその辺はみんなして頭のネジが外れてるせいであんまりストンと落ちる理由づけは出てこない気がするなぁ。

 とにかく、ジョンウォーカーは「自殺と同時に自分のイドに潜る」というウルトラCを使うことで「定着した自分のイド」を完成させ、イド嵐すら回避して永遠に「自分のイドの名探偵」の地位を確立した。あとを追うのは当然酒井戸・穴井戸の名探偵コンビ。どうやら早瀬浦のイドは「拡張したミヅハノメの中で、他の人間のイド(つまり殺人衝動を持つ人間の中)へとワープすることが可能なようだ。早瀬浦がこれまで局長として黙々と思念粒子を回収して様々な殺人犯をコレクションしていたのは、もしかしたらこうした自身のイド特性ゆえのことなのかもしれない。イドの中では仮面を介して他人のイドへとワープする。これが「CHANNELD」の世界。今回真っ先に飛んだのがいきなり初出の本堂町のイドだったってのがなかなかのサプライズであったが、サクサク転移するので本堂町ワールドはあんまり出番がなかったのがちょっと残念だったね。

 複数のイドが交錯し、それぞれをつなぐことが可能になった早瀬浦の世界。残念ながら強引に巻き込まれてしまった一般人は現実の記憶を引き継ぎつつ、その中で襲いくる殺人の脅威から逃げ惑うしかない。対抗できるのは名探偵、つまり殺人犯だけである。まずは自我を得るために自分のイドに飛ぶ鳴瓢。そこでの妻や娘との邂逅は、最後の別れとなるか。そして自分のイドで死を待つのみだった本堂町を救出したのはなんと富久田であった。彼はコクピットを介した入場ではなく、飛鳥井の能力による昏睡からイドへとダイブしているようだ。すっかり良い仲になった富久田と本堂町はしばらくイチャイチャしてお互いの目的意識を確認していたが、突如現れた「墓掘り」、井波の凶弾によって富久田が倒れてしまう。彼が死んでしまうかどうかはまだわからないが、なんでこの2人がやたらうまくいっていたのかっていう部分のちょっとした謎解きに本堂町の「疾患」が関わっていたことなんかが明かされた。穴が開こうが閉じようが、正しい姿が見える本堂町にはあまり問題じゃなかったっていう。まさに破れ鍋に綴じ蓋である。

 そうして改めて殺意を発現させた井波は、自分を形成したオリジンともなる「墓掘り」を遡って数田のイドへ向かうも、悲しいかな、そこにはジョンウォーカーも待ち構えていた。彼女の扱いがどういう意図を持っているのかは正直よくわからんのだが、これで名探偵の権利を持つ人間がミヅハノメから少しずつ排除され、最後の2人に託されたことは間違いなさそうだ。単にそのためだけに退場させられたとすると井波さんはちょっと可哀想ではあるが、彼女がいると本堂町と富久田のカップルがやたら引き立つんだよな。

 そうしてイドの中の対決構図が明らかになり、それを外側からまとめ上げる任務は復活の百貴に託された。果たして飛鳥井とは何者なのか、そして百貴は部下の命を救うことができるのか。無限の存在と化したジョンウォーカーを、正義の名探偵2人が追い詰めることができるのか。わからないなりの盛り上がり、黙って見守るしかないぞ。

 

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 どんどん手足が長くなる金森氏、第10話。もう、最終的には身長2メートル超えてきそうな勢い。

 この世界を形作る最大級の「怪物」である金森だが、前回はそのオリジンとなるエピソードが明かされ、さらに今回は、初の「敗北」を喫した。どう考えても頭が固すぎて阿呆のように決まり文句を並べ立てる教師陣の方が悪いというのは誰が見ても明らかではあるのだが、それがまかり通ってしまうのが現実社会の難しいところ。今作の世界が「現実」かどうかはまた別な問題だが、どれだけアナーキーに見える芝浜高校でも、やはりこうした大人による締め付けは存在しているものらしい。

 金森は、彼らの非を叩くことは簡単だっただろう。実際、議論は平行線をたどるどころか金森によって一方的にねじ伏せられた形になり、教師陣は試合放棄とも言える理不尽な押さえ込みで席を立ったのだ。どう考えても悪いのは大人サイドである。しかし、普段の金森だったらそうして「理屈が通じない奴ら」の存在も考慮に入れた上で、「馬鹿ども」を前提として武装することができたはず。この度の論争において、金森が政治を抜きにして正論一本でぶつかってしまったことは、おそらく時間の無さからくるやむを得ぬ対応だったのだろう。もしくは、本人が言う通りに「あまりに馬鹿らしくて」試合放棄する形になったのかもしれない。しかし、その内実はともかく、結果だけを見れば金森は「敗北」したに違いない。

 ただ、そうして金森が半ばヤケになって学校側を無視してしまったのは、もしかしたら生徒会の黒い人との関係性もあったのかもしれない。彼女(さかき・ソワンデという名前らしい)は映像研と敵対する立場にこそあったが、どうやら根本的には「悪いやつ」ではないらしい。むしろその徹底してドライな物の見方は金森の同類とすら言えるし、彼女の狙いを本当の意味で理解できる数少ない人間の可能性すらある(少なくとも浅草・水崎はそのカテゴリに入ってないだろう)。彼女との対話で映像研が示すべきスタンスは大体示すことができたと判断し、金森はさっさと面倒ごとから身を引いた。あとは、実際のイベントで額面をどのようにごまかして実利をとるかの勝負であろう。

 そんな金森氏の苦労も何処吹く風。相変わらず監督と作監はやりたい放題である。まぁ、水崎氏は今回金森の命令に色々と折れていたし(サイクリングに繰り出した時にちゃんと日焼けに配慮した衣装で登場している)、そこまで作画作業で切羽詰まっているというわけでもないので余裕のある状態。問題は全然シナリオ作業が進まない浅草ということになるが、彼女は芯の部分から気分屋の「現場主義」であるため、何かを掘り出すためには机の前で唸っているばかりではどうしようもない。都合よく(?)百目鬼が「音撮り(ハンティング)」に出向くとのことで、ちょっとしたピクニックがわりのロケハン作業だ。作品のテーマを「芝浜そのもの」にしたことで、どこに気晴らしに出かけても取材だと言い張れるのはずっこいな。

 今回見せ場となったのは百目鬼による音のあれこれをめぐる演出。特にわかりやすいのはやたらと長回しだった「音波」を築いていく演出部分で、オシロスコープのような波が作画素材に溶け込んで音を刻んでいく様子な味わいがある。以前は「作画素材画面」になると全てのSEを浅草たちが全部口で言ってたわけだが、百目鬼が加わった影響なのか、今回はその部分にすぐにSEが載せられるようになっていた。どうやら浅草の中で「音からの刺激」も重要な要素になっているようなので、浅草・百目鬼間の連携も今後の見どころの1つなのかもしれない。しかし、こうしてみると黒い人の多い学園だな……。

 

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 ダイソンの掃除機ばりの収束力で設定が回収されていくぞ、第11話。なんでこんな荒唐無稽の世界なのに、各所で回収していく伏線に愛しさを感じてしまうんだろうか。「穴空きさんが何故自分の頭に穴を空けるのか」とか、「今更それ気にするゥ?!」みたいなところから落とし所が生まれるのなんなの。

 前からちょいちょい書いてることだが、今作の裏主人公って結局富久田だったんじゃないか疑惑があるくらいに、富久田がどんどん面白キャラへとランクアップしていく。前回の時点で「実はイドに潜っても記憶が残っててねぇ、ちょっと鳴瓢さんを激おこさせるために悪いことしてみたよ」とか嘯いていたわけだが、イドの世界における富久田さん(穴井戸)の目的は、「死ぬこと」そのものだった。過去には名探偵としての採用試験がわりにちょいちょいイドに潜ったことがあったが、その都度速攻で死んでいたのは、別に酒井戸が特別優秀なことの証明ではなく、名探偵・穴井戸が死にたいと思っていたせい。そんな斜め上の真実に気付けるわけないやろがい。

 そして、なぜ彼が死にたがっていたのかといえば、それは「穴が空いていないから」であり、何故穴を空けたかといえば、自分の脳機能が原因で人生に耐えられなくなっていたから。「数称障害」とかさらっと当たり前のように出てきた概念だけど、なんやねんそれ。調べてみるとせいぜい「数字にものすごくこだわりがある人」くらいの強迫障害っていう事実しか分からなかったのだが、そうして「数が気になる」というちょっとした精神性も、富久田レベルの才人になってしまうと人生を左右しかねない問題になるってことなんだろう。なまじ頭がいいだけに、その「数」の認識が常人よりも圧倒的に広いのだ。富久田はそんな自分の脳に嫌気がさし、解消のために頭にドリルを突っ込んだ。イエー、解決。まぁ、その後勢いで他人の頭にも同じことしちゃうわけだけど……これにて名探偵・穴井戸が爆誕する。

 そうして富久田の真実に気づくことで、鳴瓢はギリギリでジョンウォーカーの目論見の上を行くことに成功する。先週まで潜っていた「第2層」との時間のズレを手掛かりに、「観測されればそれは現実だが、観測の目から逃れれば時間が広がる」というイドの真理を看破。つまり、自分の時間が大きく延長された「第2層」こそがジョンウォーカーの目を逃れつつ真相に肉薄するためのステージであると解釈する。すでにこの時点で「蔵の関係者にジョンウォーカーがいる」ことは大前提だが、まぁ、あれだけ派手に百貴を巡った詐術が使われたのだから、その辺りは3人の名探偵の中でも共通認識だと考えて問題ないだろう。ついに与えられた「犯人の埒外」での捜査を本堂町に託し、鳴瓢はその手掛かりの回収に邁進する。

 一方の本堂町は、鳴瓢が第2層に残した手掛かりを元にジョンウォーカーの犯人像に迫り、その上できっちり「理詰めで」限定を行おうとする。これだけむちゃくちゃな世界の中で、がっつりアリバイ検証から特定していくってのはなんとも偏執的であるが、そのために使われたのが「第2層の富久田」ってのも面白い。もし現実世界で本堂町が穴を空けられていなかったら、今回のような限定は不可能だったわけだ。またこの世界の富久田さんも恐ろしく物分かりがよく、突飛すぎる本堂町の相談を受けてもすぐさまその本質を見抜いて見事なヒントを与えてくれる。やっぱ富久田さんがこの世界の救世主でいいんじゃなかろうか。まぁ、本堂町が「第2層」を去ったあとにあっさり逮捕されているとは思うが……。

 そうして「第1層」である嵐の世界に舞い戻ることができた本堂町。そこに富久田が触ることで穴が蘇るシーンなんて、考えてみりゃひでぇ展開のはずなのに「これが……二人の信頼の証!」みたいにちょっといい話になっているのが実におかしい。我々視聴者も、このイドの世界に完全に毒されてますな。そうして最後にたどり着いた犯人の名前は、「まぁ、そうなればそうなるやろ」みたいな当然の帰結ではあるのだが、この際意外な犯人像でなくてもどうでもいい。何しろ、物語はここで終わるわけではないのだ。

 最後に残された謎は、カエルちゃん、カエルくん、飛鳥井木記。これまで鳴瓢が接触したのはあくまで「第2層での飛鳥井」であった。そして今週ラストには、いよいよ「現実世界での飛鳥井」が登場。ジョンウォーカーが保護していたと考えるなら、カエルちゃんがイドの中で殺されていることこそが、ジョンウォーカーの動機の根幹ということになるが……。

 もう、なんでもいいからとびきり破天荒な解決を見せてくれ! あ、さりげなく色っぽい話になっちゃってる東郷さん、ありがとうございました。

 

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 ズッコケ株式会社やんけ! 第9話。チビ森氏によって明かされた過去の物悲しい現実。彼女の今が出来上がったのは、世知辛い世の中の風が冷たかったからなのだ……いや、その前から随分カナモリ流が出来上がっていたような気もするけど。

 無事に芝浜祭が終了し、一応は成功に終わった映像研の活動。知名度も上がったし作品の品質はそれなり。水崎氏は御両親の許可ももらったし、順風満帆で言うことなし。しかし、営業成績という側面から見ればどうしたって学生の部活動では限界があるもの。金森氏がもともとどの程度の収益を目論んでいたのかは定かでないが、確かに労働の対価としては甚だ物足りない結果だったのは間違いない。「学生の活動としてやっているうちは限界がある」。その判断から、金森が打った次の一手は、いよいよ「制作集団」としての映像研の名を世に知らしめる方策だ。

 彼女のシビアかつ的確な経営のセンスは、生まれ持った部分もあるが、幼い頃に散々見せつけられた「商売の苦しさ」によるものであった。別にそれが理由で辛い幼少期を送ってきたとかいうこともなかろうが、きっと金森氏は、あの親戚のお店が好きだったのだ。わざわざ浅草・水崎の両名に包み隠さずその過去の情景を見せつけ(実際にどうやったかはわかんないけどさ)、引けぬ一線がどこにあるのかをこれ以上ない形で示してみせる。商売とは、ありとあらゆる経験や試行錯誤の結果生み出される産物なのだ。必死に身体を動かし、頭を働かせてこそ、労働の対価は得られる。働かざる者は食うべきではないが、逆に言えば働いた者は食えなければおかしいのである。

 そうした金森氏の寂寥の過去が情緒溢れる作劇で描かれ、彼女のこれまでの散々な振る舞いも全てが許されるような展開であった。当然、浅草・水崎の両名もこれに大いに刺激され、新たなアニメは商店街促進のためのご当地宇宙戦争に決まった。ものの見事に金森の企み通りにことが進んでいるわけだが、まぁ、それで誰が困るということも無さそうなので大丈夫だろう。水崎氏は相変わらず好き放題に動画のこだわりをほとばしらせており、新型アダムスキーの珍妙な動きは、なるほど確かに初体験だし、奇妙なおかしさが印象に残る。

 そして、水崎氏の物語は前回で一通り決着をつけていたので、いよいよクリエイターとしての素質を問われるのは浅草ということになるだろう。これまで「なんとなく」で描き続けていた彼女の脳内世界が、金森の一言で「演出されたもの」としての力を持つようになる。今までずっと思い描いてきた世界を、何百、何千という他人にも伝わるように表出させるその行為のことを、業界的には「演出をつける」というのである。「何を描くか」、そして「何を描かないか」。アニメーションだからこそ広がり続ける無限の真っ白なキャンバス。また一からの制作になればこそ、浅草氏の真の「演出力」が問われることになるのかもしれない。

 ……それにしても、中盤以降のまるっこい浅草氏がやたらコミカルで可愛かったな……。

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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