最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
爆殺幼女と大型犬、第8話。いよいよもって、メインヒロインはワンカットたりとも登場しなくなりましたが、こちらはこちらで充分可愛いので良しとしましょう。体拭いてもらってる時のリクの笑顔がとても素敵。大型犬って割とはっきりした笑顔を作るよね。 「もうひと組の主人公」であるシズ御一行。以前の船の国騒動で仲間にした幼女・ティーとの三人組となり、キノたちの気楽な二人旅ともまた違った珍道中である。シズさんは刺された傷も大方治っており、刺した側と刺された側のパーティという変な構成ながら、その辺りにあんまりわだかまりはない様子。普通は刺した方に後ろめたさがあるはずなのだが、もともと善悪の判断基準に乏しいティーはあんまり気にしている様子がない。まぁ、気にされたらされたでシズの方も気まずかろうし、これはこれで良いパーティなのだろう。これからゆっくり情操教育を施していけばいい。相棒のリクも、そんな幼女の面倒を見る役割はぴったりの穏やかな性格である。率先して危険なことをやらないタイプのシズに刺激物のティーが加わるバランスは、案外ベストなのかもしれない。ただひたすら幼女がテクテク歩くだけのお話でも、色々と感情の漏れが見え隠れして面白い。 そして今回本編となったのが、タイトルだけでもなかなか刺激的な「電波の国」。今回も実に道徳的な内容で、なんともアイロニカルな寓話となっている。「すでに失われた毒電波」という設定に、サブタイトルの「Not guilty」。今回のテーマは「犯罪の責任はどこに帰着するか」という問題。今回のお話を見て大概の人間なら「なんて愚かな国なのだろう」と笑って済まされるところではあるのだが、はてさて今の日本人がこの国を笑っていられるのかどうか。もちろん罪の責任がしっかりと個人に帰着する司法体系は形成されているはずなのだが、極端なところでは精神疾患の責任能力の話がわかりやすい。病気だからしょうがないという罪の軽減・放免は、なかなか簡単には成否を語ることができない問題であるが、そうした明確な「罪の軽重」以外にも、「何が原因で罪を犯すことになったのか」という話題は一筋縄ではいかない問題だ。 我々アニメオタクがよく引き合いに出してくるのは、異常犯罪者が捕まった時のアニメ報道。「被害者はアニメを見ていた」「アニメに影響されてこんな犯罪に走った」などという報道に、「なんでそんなこと言われにゃならんのだ」とか、「関係ないやんけ」とかいう義憤を抱いたことがある人も多いだろう。もちろん、社会全体のことを考えれば、「犯罪が起こった原因」を突き止め、それを抑止して未然に犯罪を防止するという方向の運動は大事だろう。しかし、安全策を求めるばかりに、安易な方向に原因を求めてはいないだろうか。何かに「罪の責任」をなすりつけようとはしていないだろうか。今回の「電波の国」の場合、そうした「罪の責任」を一切合切「電波」に委ねることで、完全なる性善説を敷き、あらゆる罪の原因を丸投げすることで「楽」をすることを望んだのである。 「自分は悪くない」は人の心に安寧を与え、「みんなが悪くない」は生活に平穏をもたらす。仮に不幸な出来事があっても人を裁かないということは、自分が悪いことをしても裁かれないということ。悪い人はいないのだからネガティブなことは考えず、起こってしまったら諦めればいい。なるほど確かに簡単にはなるだろうが、それはつまり「犯罪の発生を未然に防止する」という方向性の努力を放棄するという意味でもある。完全な思考の放棄と、「起こってしまった犯罪はしょうがない」という怠惰の思考。今の日本にも多かれ少なかれそうした安易さみたいなものは息づいており、今回のお話はそんな「原因至上主義」へのやんわりとした皮肉に見えるのである。もちろん、そうした怠慢への代価はしっかりと払わねばならないわけで、ラストでシズはなかなか刺激的な問題を提示してからかの国を立ち去った。あの警察のおっちゃんは、これから自国がどうなっていけば納得できるだろう。犯罪が起こらなければ電波の存在が否定される。自分に変化がなければ今後の「罪」は全て自身のもの。これまで放り投げていた「責任」を突きつけられて、果たして対抗できるものかどうか。まぁ、「シズが嘘ついてたんだな」って思えばそれで済むわけだが……。一度疑問が生じてしまった以上、あの国の安寧も長くはないのかもしれない。そもそもあんな猟奇事件が起こっている時点で割と末期だけどな。 PR リッちゃんヒメちゃんコンビ最高だよな、第7話。もう、この2人の大人の女性(??)トーク聞いてるだけで安眠できるし永眠できる。 2期に入ってからはどんな引っ掻き回し方になるかと思って見ていたが、意外なことにメインで投入された新キャラのワーくんはツッコミサイドの人間だった。ドボちゃんに至っては作中キャラの中でもトップレベルで紳士的だし、あまりかき回す方のキャラは増えなかったなぁ、と思っていたら、3話で海月が確変。「そっから出てくるのかよ」という驚きとともに壊れキャラをじっくり堪能できた。そして前回、満を辞して登場したのが歌苗のママン・日芽歌さんだった。典型的なさぁやキャラのホワホワ天然お母さんというだけでも割と最高度合いが高かったのだが、これが別な意味で突き抜けたリストさんとがっちりタッグを組むことで破壊力が縦横に拡大。今回のようなやりたい放題の所業を展開することになった。ただでさえやりたい放題だったリッちゃんが、ヒメちゃんの持つ天賦の豪運(つまり軍資金)と「歌苗の親である」という大義名分を手に入れてしまえば、もう怖いものなしだ。 バーカウンターが似合う大人の女性コンビの一発目の共同作業は、歌苗の未来を案じての将来設計。母親が娘の恋愛事情を心配するのは当然、そしてリッちゃんが愛を論じるのはさらに当たり前。それなら二人が揃った時に花婿探しを始めるのはもはや必然と言える(?)。せめて学校まで出て行って探すとか、もうちょっと歌苗に気を使ってやれよ、という気もするのだが、そんな面倒なことはしないので手っ取り早く音羽館の中から見つけちゃおうというズボラ行為。歌苗からしたら罰ゲーム以外の何物でも無いが、なぜか不思議と呼吸を合わせてしまう歌苗さんの悲しき性。何もしてないのに五人連続でフられるとかいう理解の追いつかない状況が、歌苗さんの何かを壊してしまったのかもしれません。でもほら、彼女だって夢見る乙女だから……奏助の壁ドンとか、中の人要素(だけ)を考えれば、それなりにときめくシーンですのに。なお、必ずモツが貧乳をいじってくるのも(中の人の)仕様です。みかこしの結婚は、いつ報告されるんでしょうかね。 そういえば今回初めて気づいたのだが、ワー君がわざわざ仮面つけてるのって、関係者に素性がバレないためだったのね。一応クラクラの二人とかは面が割れてるからな……でも、バレても特に問題ないような気がするし、そもそもあれでバレない世界の方がおかしい。アニメ的お約束って大事ね。 踊れマンボウ、第7話。聞けば聞くほどにエルメスの相槌は適当すぎるよな。おしゃべりなモトラドって個性のくせして……。 今回の旅人は「キノの師匠」と言う謎の人。そうか、そりゃキノもあんだけの射撃技術があるんだから師匠筋の人間くらいいるわな。ってことは少なくとも過去にそこに定住してしばらく修行してる期間があったってことなのだね。いや、もしかしたら生まれ育ちがそこなのかもしれんが。バックグラウンドについての説明は一切無い作品なので、主人公であるはずのキノの情報すらこんなにあやふや。でもまぁ、こんな短いエピソードの中でも、「アァ、この人なら確かにキノの師匠かもしれんわ……」と思えるようなスケールの大きな人でございました。 今回のサブタイトルは「歴史のある国」。ただ、ちょっと面白いのは「歴史のある」という部分が必ずしも「国」だけにかかっていると言うわけではないところ。なにしろ、これまで訪れたたくさんの国だって、そりゃ歴史はあるはずなんだ。ずっと海を彷徨い続ける船の国とか、ずっと移動し続ける迷惑な国とか、それぞれの国を「歴史ある」と形容するのは間違いではないわけで、今回の国だけを取り上げて「歴史のある」というのは妙な話。それじゃ、一体どこに「歴史」という特性を感じれば良いかというと、キノと師匠という二世代の「旅」のおかげで、国のビフォーアフターがはっきり見える、「時間が認識できる国」というのが、(視聴者目線からすれば)この国最大の特徴と言える。他の国々はあくまでもキノたちが見た「今」だけが問題になるお話であり、今回のように「数十年前があり、今がある」という2つの時点をお話のキーにしているのは、今回だけということだ。 国に歴史あり、人に歴史あり。しかし、歴史というのは人が作るものであって、国はその語られた歴史だけが残されている。そんな誤謬というか、欺瞞というか。見せたくない部分がチラッと見えてしまうのがキノさんの底意地の悪さである。でもまぁ、当時暴れまわっていた腹黒いお役人さんたちも、今となっては孫が可愛いだけのおじいちゃん。過去には色々あっただろうし、ムカつく奴らだったのは間違いないのだが、それこそ「昔の話」ですからね。師匠とそのお弟子さんも、三日三晩のバカ騒ぎで散々困らせた時点である程度溜飲は下げているでしょうから、キノ目線でも師匠目線でも、この国に対してそこまで悪感情はないのかもしれない。今となってはただの「歴史のある国」なのだ。 それにしても奔放で無敵な師匠だったな……いくら武器が豊富だからって、同じ技術レベルを保持しているはずの軍を相手にしてたった二人で戦えるものなのか……まぁ、基本的にこの世界は「国と国との戦争」みたいなタイミングが多くないので、警察も平和ボケしてたのかもしれないですけどね。そうなると、師匠やキノみたいな生粋の武力頼みって珍しい人種なのかもしれない。いかにもラノベにふさわしい、明快でスッキリなオレツエー展開。ここまでふざけた強さを見せられると楽しくていいですね。理屈抜きのチート性能だと「師匠にだけは勝てなかった」っていうキノの強さも格が落ちないから安心だし。 あと、すげぇ細かいところで1つ気になったのは、この世界における通貨の概念ってどうなってるんだろう、という部分。これまでたくさんの国を巡ってきたわけだが、どの国も完全独立自治だったから、おそらく国の中で完全に閉じた経済が存在しているはずなんだ。話の通じないようなオリジナリティ溢れる国もいっぱいあったし。そういう世界において、「全ての国で隔てなく使える通貨」なんてものは存在し得ないと思うのだが、師匠は最初に警察に捕まった時に「どれくらい払える?」と聞かれていくらかの通貨を提示している。キノもそうなんだけど、入国時にいちいち貨幣の両替とかしてる様子もないし、「外から持ってきた通貨」がそのまま使えているという描写なのだが……もしかしたら金や銀など、そのまま価値を持つ物品で流通させてるのかなぁ。まぁ、細かい部分だから気にしてもしょうがないんだけども。 叫び声がほんとしゅごい、第6話。ものすごい声量とものすごい安定感で、ひょっとしたら途中でサンプリングして引き延ばししてるのかなぁ、とも思ったが、水瀬いのりだったらこれくらいの荒技は可能かもしれん。絶唱経験者ですしね。世界を壊す声がある。 それにしても、なかなかタイトル通りに「キノが旅」してくれないアニメである。まぁ、誰が旅したっていいんだけどさ。いや、今回の話に至っては誰も旅してねぇな。「フォトの罪」とか、そういうタイトルなんだろうか。最終的な結末だけを見れば「清廉正直を信条としていたか弱い少女がすったもんだの末に幸せになる話」なのだからハッピーエンドといえばハッピーエンド。その過程でクソみたいな連中もみんなして最悪の死に方をしているのでさらにメシウマ度合いも高いのだが、その筋立てはペロリと飲み込んでしまうのが案外難しい。結局、このお話は少女のどんな側面を描きたかった話だったのだろうか。 単純に「正直者は最後に報われるというお話」であるという結論に対しては、基本的に反論する根拠はない。そのように読んだとしても大きな問題はないのである。ただ、これまでの数話を見ている限り、そんな日本昔話みたいな教訓話をわざわざこんなところでやる必要がないというのが一番の違和感。そして、細かく見ていくと多少なりともそうした寓話としてはいびつなところもあるのだ。一番気になるのは、商人家族の連中が毒を食ったあたりの一連の描写だろうか。少女は毒に気づいたあと、まだ止められるタイミングで一瞬の戸惑いを見せ、まだ連中が助かりそうなタイミングでも結局言葉を飲み込み、毒杯をあおろうとしていた。それがガキに邪魔され、そのガキが「もっと食べたい」と言った時点で初めて毒のことを進言。それを黙らされた結果、家族は死ぬことになった。その後のクライマックスとなる慟哭のシーンについても、何故彼女の叫びに呼応するように毒が効果を発揮した(ように見えた)のかというのも疑問の残る部分だ。もっと端的な問題としては、最後の猟銃のおっちゃんが何故自殺したのか、なんてのも問題ではある(まぁ、安楽死でいいんだけども)。 基本的に、少女は「善」であった。そのことは、堂々としたハッピーエンドを享受していることで逆説的に証明されるだろう。彼女が嘘偽りなくクソ家族の心配をし、「殺して」しまった後に悔悟し、後を追おうとしたその気持ちもおそらく本物なのであろう。しかし、やはり人間は完全な善性などというもので一言で説明できるようなものではなく、正しく生きる人間の中にも泥シミのように滲んだ「何か」があるということを、この物語はほのめかしているのではなかろうか。彼女が最初に一瞬の躊躇いを覚え、一同に一口めを食べさせてしまったところがそんな「滲み」の1つ。彼女はのちに語っていた通り、その光景を見て「自分も死のう」と考えた。しかし、この行動はつまりは彼女が「人を恨み、傷つけ、殺した」ことを認めた表れである。まず、この時点で彼女は「奴隷」から「人」へと近づいた。 そんな彼女の「帳尻合わせ」の自害をくそガキが阻止する。ここで彼女はわがまま勝手で人の心を持たぬくそガキを見てますます殺意を高めるかと思いきや、今度ははっきりと毒の存在を告げて制止を試みる。この彼女の行動が一番謎めいているのだが……うがった見方をするなら「どうせ何を言っても止まるわけがない」「逆に自分が騒いだ方が連中の食が進む」とかいう考えがあった……かどうかはわからない。ただ、なんにせよ「さっき止めなかったのに今度は止めた」ことの不自然さは説明されなければならない部分なのだが、それが宙ぶらりんのままに彼女は気絶する。 そして、すっかり完食した連中を前にして、彼女は最後の仕上げの慟哭の声をあげる。もちろん、その声に呼応するようにして次々に人が死んだのは偶然以外の何物でもなかろうが、少なくとも、あれだけの数の人間の死を目の当たりにした彼女にとって、それは自分の罪を見せられたことになるはずだ。「気絶している間に全滅」ではなく、しっかりと「自分の選択で人が死んだ」ことを示すために、彼女の意識がある中で、彼女の声をきっかけに、死がスタートするのである。彼女はここで初めて、はっきりとこれまでの信条に反する事実(自分は人を恨み、殺した)を突きつけられる。さらに、次に出てきたおっさんがわざわざ少女の手を借りて自害したのも、よりはっきりと「彼女が人を殺したのだ」という事実を突きつけるための存在であろう。形はどうあれ、あのおっさんにとどめを刺したのは彼女である。彼女はこれにより、どうあがいても「人を殺した自分」を直接的に受け入れる以外の生きる道がなくなった。あのおっさん自身が彼女にそうした意識を植え付けようとした訳ではないだろう。おっさんは冒頭のクソみたいな議論の時も割とニュートラルな視点に立って発言しており、少なくとも彼女にとって「敵っぽくはない」人だったが、特に味方というわけでもない。彼女に明らかな殺意を見せたくそガキを含め、完全な「敵」である一同を殺す。そして敵っぽくはないおっさんも殺す。こうして彼女は完全なる「罪」を手に入れた。 しかし、これまで狭い世間で生きてきた彼女は、本当に外の世界を何も知らない。突如現れたモトラドは、そんな彼女の「自分も死ぬしかない」という観念をあっさりと打ち崩す。まぁ、これまでろくな根拠もなしに他人に植え付けられた信条を抱えて生きてきた彼女のことであるから、ショッキングな体験をして世界が姿を変えたところに、新たな常識を与えてやるのもさほど難しくはないということだろう。ここで興味深いのは、彼女がモトラドによって塗り替えられた「常識」というのが、「人を恨んでもいいんだよ」というだけではないというところ。単にお外で遊びたかったお調子者のモトラドの言葉を全て間に受けて飲み込んでしまえば、彼女は目の前で起こった全ての出来事を「飲み込む」ことになる。つまり、「人を恨む自分」と、「人を殺した自分」である。おそらくこのあたりの「常識の反転」を実現させるために、彼女はことさらに「自分が人を殺した」という事実を突きつけられたのではなかろうか。単に「事故で死んだ人たちを見ていた」というだけでは、彼女の信条がこの先の人生でガラリと変わることはなかったかもしれない。「自分は人を恨んだし、傷つけたし、殺した」というコンプリート状態を「それでも生きろ」と丸め込まれた時点で、ようやく彼女は人並みの人生なのである。 別に「人を殺してもいいんだぞ」というお話ではなかろうが、今回のお話はこうして1人の少女が「自分に人の心があることを知る」という物語だったんじゃなかろうか。善だろうが悪だろうが、そこにあることがわからないと、疑ったり変えたり、そうした対処ができないですからね。キノも言ってたじゃないですか、「知ってないとどうしようもない」って。 旅先の見知らぬ森の中で気の触れた石田彰に襲われる恐怖、第5話。多分、「困った時に出会いたくないCV」第1位は石田彰だと思う(個人の感想です)。 今回は短めのお話が2本立て。Bパートはちょっと詰め込み過ぎな気もしたけど、流石にこれを1話ずつに分けてしまったら間延びするかな。ネタとしてもさっぱりしているし、多少分かりにくかったり、矛盾しそうな要素を抱えたとしても、これくらいのテンポでサクサク進む方がいいということなんだろう。 Aパートは何の国なのかよくわからないけど、強いてあげるなら「ものの心がわからない国」。いや、そもそもものの心って何だよ、って話なんだけども。「モトラド」ってのは「motor ride」の縮約なんだろうか、ちょっと調べてみても確証はないのだが、とりあえずこの世界オリジナルの言葉なのだろう。そして、「モトラドってのは口を聞くバイクのことなんだな」と勝手に思っていたのだが、何とエルメスは特別製だったことが判明。これだけ世界中を旅しているキノですら、モトラドはエルメス以外見たことがないという。お前、そんなもんを普通に乗り回してたのか……シリーズの中にはキノがエルメスと出会う話とかもどっかに収録されているんでしょうかね。 しかし、それでも「喋るかも」という可能性はどのモトラドにも共通してあるらしく、キノさんはせっかくの機会なのではじめましてのモトラドさんが愚痴を言いやすいように身内を人払いしての密談タイム。歴戦のモトラドが話し始めたのは、案の定何とも鬱々とした残念話であった。まぁ、冒頭から高らかに救国の英雄の話を垂れ流す添乗員さんのテンションを見れば、この国の性質があんまり良いものでないことは想像できますからね。そういう話になるってことも大体わかるわけで。至極話が追いかけやすいし、追いかけた結果どうにもやるせなくなるエピソードである。 キノさんもさぁ、「ぶっ壊してくれ」は駄目なのもわかるけど、「外に連れ出して乗り回してくれ」くらいは係の人に伝えてあげてもいいと思うんだけども……まぁ、この国の人たちの独特のテンションを考えると、いくら言っても取り入れてはもらえないかなぁ。いうだけ言ってやるくらいの親切心は見せてもいいと思うのだが、どこまでもドライなやつである。結局、「モトラドは走るために生まれてきたから走りたいんだよ」っていう彼の願いは、自我なのか、それともあくまでもプログラム的なものなのかははっきりしないまま終わるのも今作らしい処理だろうか。エルメスやリクの存在を考えれば人間以外の「喋る何か」も立派に自我をもつ存在だと考えるべきなのだろうけど、モトラドはどう考えても人工物だろうし、その出自がわからないままだと確証には至らない。その辺がふわっとしているからこそ、今回のお話も考える「あそび」があるってことですかね。 Bパート、表題通りの「嘘つき」のお話。話の構成を見ていると、多分かなり駆け足なんだろうな、っていうのが想像できる内容になっていて、正直いうと台詞回しなんかも説明くささが強くてちょいと気になってしまう。中心となる男達の話もよく考えると妙な部分が多く、例えば男が爆殺したのは「身代わり」だったはずなのにそこで男が初めて恋人が王女だと知った、っていうのは変なんだよな(よっぽどなそっくりさんだったとしてもさ)。もちろん、この国にいるのは「嘘つき」なわけだし、彼らがそれぞれに抱えている「秘密」を思えば多少の齟齬は「そういうことにしておいてくれよ」っていう各人の「うそ」として処理してしまえるのだが、ただ1点、男が王女の正体を知ったタイミングだけは、男本人、王女本人、そして村人などの周りの観客の全員を納得させられるタイミングが存在しない気がするんだよね。まぁ、「勢いで」ってことでいいんでしょうかね。 複雑な「家庭」を形成する男と女。お互いに騙し、騙される関係性なのだが長年の共同生活ですっかり基盤が出来上がっており、細かい部分で「所帯染みた」雰囲気が出ているあたり、きちんと2人とも目的を達成しているんだなぁ、というのがわかって微笑ましい。これも確かに1つの幸せの形なのかも。そして、そんな秘密のお話を顔色一つ変えずに全部受け入れてしまうキノ&エルメスの図太さな。本当に根っからの「旅人」体質なのだろう。普通に考えれば「よそ者」の怪しさは一切払拭できていないはずなのに、何故かどこの国の人たちもキノを前にすると何となく胸襟を開いてしまう。何とも罪作りな連中である。まぁ、マジで淡々と受け入れてそのまま飲み込んで持って帰るだけのマシンみたいな行動をしているので、確かに秘密を話す相手としては最適なのだけども。唯一気になるのは、今回のカップルみたいに「惚れた腫れたのお話」をしているとき、キノさんはどんな心持ちで聞いているのだろう、ということ。この子、恋愛とかしたことあるんでしょうかね。いっそ赤裸々な夫婦生活の話とか聞かせて赤面させてやりたい。誰かそういう薄い本を( 学園艦やんけ、第4話。実際に豪華客船って町ぐらいの規模があるらしいし、空母みたいな巨大建造物もあるのだから一応「国」と称するのもありえない話ではないのかもしれないな。 今回はあんまり「キノの」旅ではないな。そういう意味ではタイトル詐欺である。金返せ(払ってないけど)。2話で登場した元王子様のシズさんとその愛犬(?)リクのコンビがサムライソードで無双する話である(嘘)。別にここで主人公をキノからシフトする必要ないやんけ、って気もしたのだが、キノってどこまで行ってもクールなところがあるので、この国の現状を見て義憤に駆られて革命を目指す、っていう展開があんまりそぐわないので別主人公を用立てた感じなんでしょうかね。2話でも革命はしてるんだけど、あれは巻き込まれた末の成り行きだったからな。 学園艦に居住し続ける「船の国」。そこに自治が発生し、主権があるならば確かにそれは「国」である。しかし、その実態はとにかく船の中という無謀な住環境で生き抜くための過酷な労働を強いられる「国民」と、それをコントロールする統治者の世界。そして、航海を続けながらの船の修繕にも限界があるわけで、どこかで一度船を降りない限りはいつか滅びゆく運命の国でもある。統治者サイドが何故少しでも船を修繕して長生きする方向を目指さなかったのかは謎だが、現時点ですでに労働環境は飽和状態だし、これ以上の労役を生み出してしまったら限界だと判断したのかもしれない。もしくは、どうせなら船が崩壊してくことで自然にこのいびつな国が消滅することを良しとしたとも考えられるな。 とにかく、コントロールする側は文字どおり機械的に、ひたすら船を動かし続け、国を国として存続させる方向で「政治」を牛耳る。国民たちもそれを良しとし、船は人の血を燃料に進み続けているのだ。そんな状態を外から見た旅人がおかしいと判断するのは真っ当な判断であり、特に正義感の強いシズは黙っていられなかった。なお、キノさんは別にどうでもいいと判断して塔サイドのお役目を選んだ模様。さすがやなこのヒロイン。 結局、シズの登場はこの国の歪んだ構造の正体を暴くだけに留まり、それを変えるところまでは至らない。しょうがない、長年積み上げて来た実績と伝統がたった一人の刀でどうにかなるわけもないのだ。統治者は新たな指導者の誕生に安堵し、後のことを押し付けてその生涯を終えた。そして押し付けられたシズの方も、国民たちを陸地に下ろしてしまえばそれで済むと考えていたようだが、そんな甘いことはない。普通に考えたって、国ひとつ分の人口が一気に移動したら事件にならないはずはないんだしな。まぁ、実際はそれ以前の問題として、人々が船から動こうとしなかったけども。「ここ、揺れないよ」はさすがにひどいと思うが、それ以上に、彼らにとって船は「ふるさと」であるというのは致し方ない。船の中だけで何世代もの人生を続けて来た人々を、突然何の庇護もない状態で外に放り出すのは確かに残酷である。結局、船に生まれ、船に生きる人々はこのまま船と一緒に滅びゆくしかないのだ。何ともやるせない結末。前回の国が同じように「移動する国」だったのにテンションが全然違うあたり、面白い対比になっているのかもしれない。 シズの物語として描かれた今回のお話、最後はすったもんだの末におまけとして佐倉さんボイスの幼女が手に入りました。キノは「死ぬほど驚くかも」と言っていたが、あの幼女にまだ何か隠されてるんですかね? その辺よくわかりませんでした。 女性キャラ大集合で賑々しい第3話。そして、そんな中で一際異彩を放つ存在感、CV日笠陽子のビジネス破天荒。 今までこいつらにそこまでスポット当たったことなかったよな、っていう、モツ親衛隊、一応歌苗のクラスメイト連中の大躍進。取り巻き三人はABCっていう適当な名前なのに(一応漢字表記だと詠子・美衣子・椎子らしい)、その脇に控えているのは唯一ちゃんと名前をもらった海月である(クラゲではなくてウヅキと読む)。一体どんなキャラなのかと思えば、うちに秘めた闘志は音羽館の連中に負けず劣らずの強烈なおねーさんであった。中の人の「パリピの権化のように見えるけど、実はすごく気ぃ遣いで真面目」っていう性格がそのままのような、真逆のような。ぴかしゃと合コンやったらすげぇ面白そうだけど、男女交際云々いう以前に日笠陽子ソロステージみたいになりそうでこわい。 考えてみりゃ、モツは親衛隊がこれだけの練度で付き従っているのだから無茶しようと思えばこれまでだっていくらでも今回みたいな暴れ方はできたと思うのだが、幸か不幸か放送チャンネルがNHK教育ということもあり、なかなか倫理道徳に触れる行動は起こしにくかった(そうか?)。しかし、今回歌苗やリストさんを外に追い出すことにより、ついに実現した謎の合コンイベント。女性陣はまだしも、野郎の方に本当にろくな人間がおらず、一体は人間ですらないという重大な欠陥はモツにとっては大した問題でもないのだろう。ドボちゃんはとてもお行儀がいいので問題は起こしませんね。ただ、カバが室内で普通に飼育されてる状態って、すげぇ獣臭い気がするのだが大丈夫なんだろうか。 モツの信念である破天荒合コンVS海月の想像していた清く正しい合コンの対決。一度は海月の快進撃によりモツのハーレムはあえなく革命されたかに思われたが、おとなしいことを良しとしないのがクラシカロイドという面倒な連中の常。帰還したリストさんはなんとクラクラの二人を連れての凱旋。愛を声高に叫ぶ彼女によって革命は再び火を灯す。普段なら常識人サイドに回るべきだったバダやんまで何かおかしなところにスイッチが入ってしまい、現役アイドル二人を巻き込んだ合コンは泥沼へ。必死に常識を解く海月、そしてワー君の2人は完全に被害者になるも、どさくさに紛れて愛を育み、唯一真っ当な意味での合コンを成し遂げたりもしているのである。いや、でもいくら革命の乙女とはいえ、あんなんに惚れてしまうワー君もどうかしてるとは思うが……。 海月という大きな戦力を加え、リスト・チャイコ・バダやんに歌苗と、やかましい女ばかりがどんどん集まるこの地獄の様相。ギャグアニメの真骨頂である。もう、とにかく楽しいのだからこれ以上の何が必要だというのか。 そして次回は……チョッちゃんとドボちゃんのカップリング(?)。なんだ、この無限の可能性しかない組み合わせは。 これ、そのうち「宝石の国」っていうタイトルの回が放送されたりしないんだろうか、第3話。いや、されたからどうってこともないんだけど。 いかにも今作でしかできないような、実にシニカルで興味深いシナリオである。初回放送を見て「今作では国と言っているが、それぞれの国が別々の世界を構築しているようなもので、キノは一種のプレインズウォーカーだな」みたいなこと(意訳)を書いたのだが、今回の話はある意味でそれをひっくり返すようなお話。国が「国」であることに付随する条件として、「他国との関係性」が生じている。これまでの国はそうした周りとの相互関係が存在せず、1つ1つの「世界」の中でルールをいじくり回していたわけだが、改めて「国」という存在の独自性を見出し、そこを実に皮肉にいじっているシナリオなのである。 相変わらず、バックグラウンドなどというものは今作に存在しない。誰がどう見ても今回の国はオーバーテクノロジーであり、キノの言うように侵略しようと思えば他国など容易に侵略できるし、世界征服だってあっという間にできてしまう、そんな無茶苦茶な「設定クラッシャー」な設定である。しかし、本作はそうした背景を一切気にしない。国は国として独立に存在し、それが周りの世界とどのように融和するかなどということは問題にならないし、「なぜこの国の人たちは支配欲がないの?」とか、「絶対に旅人を偽って技術を盗み出そうとする他国の人間に荒らされるよね」とか、そうした疑問は一切取り扱う気がないのである。 これが、最終的に「これまで出て来た国が全て再登場して一本のストーリーを作る」とかいう展開ならば問題もあろうが、今作はそうした展開を一切意図しておらず、多少の齟齬は問題にならない。だからこそ、毎回毎回ショートショートのような切れ味で一番描きたい部分をはっきりと描くことができるのだ。まぁ、最近だと似たような制作理念で作られていると思っていたのが「18if」だったのだが、あちらは「絶対に相互関与しないだろうと思っていた全ての世界が最終的に収斂する」というとんでもねぇ展開を見せたおかげで良くも悪くもキマイラ的なおぞましさが出たのであるが。 今回のタイトルは「迷惑な国」。これはオチの部分でキノたちが言っていた「2つの迷惑」に結びつけるためのタイトルだが、ぶっちゃけ、壁の国の方の設定は蛇足だったんじゃないか、という気もする。できるなら「動く国」の方のイカれ具合を前面に押し出し、彼らのやっている(常識的に考えたら)悪行三昧について、ただ淡々と描くだけの方が、一本のお話としては際立っただろう。ただ、そうしてしまうと、彼らの行軍に手を貸したキノが完全に悪人になってしまうことになり、いくらかドライで割り切ったところのあるキノとはいえ、完全なヒールにしてしまうのは作者の望むところではなかったのだろう。一応の大義名分を与え、彼女の行動にも(最低限の)動機を与えたというところか。 それ以外の部分ではきちんと「頭のイカれた国を存分に狂ったように描く」と言う作劇がなされており、普通なら傍観者であるキノが異議を申し立てたり疑問を抱くことでこの国の「間違い」を浮き彫りにするところなのだろうが、劇中ではキノも淡々と受け入れているかのように描かれているし、中の人々は自分たちの行動に一切疑問を抱く様子はなく、全ては「生き方」の一部として自然に埋め込まれている。こうして1つの常識を新たに捻出することで、周りの国との差異が浮き彫りになり、「狂った国」の狂気が鮮明になるのである。淡々としている中にもちゃんと見せ場が多くあり、なんともやるせない、鮮烈なお話になった。 キノさん、ひょっとしたら数百日後にまたこの国に出会うこともあるかもしれないけども……壁画が萌え絵になってたらちょっとかわいそうだな……。
自意識ライジングやめろや、第21話。さりげなく監督がおそ松ネタぶっ込んでくるNHK教育アニメって……。 本当に面白いんだが、週末はアニメラッシュなので時間がとりづらくてどうしても感想が書けなかった本作。もう、なんか今週は色々最高だったので備忘録代わりにここに残しておこう。このアニメ、全何話なんでしょう。もうずっと続いてほしい気もするんだが、残念ながら4月からは「RINNE」の3期が決まってるからなぁ。まぁ、あっちはあっちで好きなんだけども。 ホントにね、なんであまり話題に上らないアニメなんでしょう。毎度毎度NHKとは思えない全力の悪ふざけが加速していて今期で言えば「ヘボット」に勝るとも劣らないエネルギーに満ちた作品なんだ。その上で、ちゃんとクラシックの名曲に(それなりの)オマージュを忘れてないし、クラシックを現代アレンジしてネタに使っちゃおうという試みも非常に面白い。そして、そんな名曲云々を突き抜けたのが、今回の「シューベルトの魔王道」である。まさかの魔王からのラップバトル。いや、バトルっていうか単なる一方的なフラストレーションの爆発。個人的には、音羽荘の面々はどいつもこいつも個性が強くて好きなんだけど、こういう関係性だと、何故か苦労人のキャラを応援してくなるのでシューさんはかなり好きな方。ドタバタ喜劇の基本として、ひどい目に遭えば遭うほど面白くなるのはお約束であろう。マスの回(13話)も笑わせてもらったが、今回もいい感じに壊れてらっしゃる。ラップバトルの時の壁画の演出も小気味よく描けており、日本ラップの黎明期の文化として持ってきたのが「パラッパラッパー」ってのも権利関係を気にしていない姿勢が勇ましい。全体的にデザインが可愛らしくなるのも良いね。そりゃね、「このチャンネルでは谷間はNG」らしいですからね。 実は今回、シューさんが直接「何故私たちを産みだしたのですか」って全ての元凶に問い質しているんだけど、この感じだと、生まれ出る悩みに答えは出ないままでシリーズが終わるんだろうね。まぁ、そこでシリアスになってもしょうがないんだけども。 |
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Thraxi
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声優のこと全般
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧 |