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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 落ちて墜ちてただ堕ちて、第9話。もう、ひたすらに芋づる式の悲劇。

 残りわずかの物語、あとはただ見届けるしかない。太宰府からも見限られ、行く宛ても無くなってしまった平家の一門。みな気丈に振る舞いはするものの、その精神は擦り切れていよいよ限界が近い。ただひたすらに歩き続ける道行きは本当に辛いものだったろう。無造作に帝が籠の中に放り込まれて運ばれていく様子は壮絶だが、それでもまだ前を見続けられる徳子の強さだけが唯一の頼み。

 しかしそれでは保たぬ者が出てくる。変調を最も悲劇的な形で知らせたのが清経であった。雅を良しとしたその人生に、今の平家の在りようはあまりに酷である。悲劇的な一族の末路を見ずして、その命脈に終止符を打つ。そして戦の恐怖に囚われ続けた維盛もまた。平家の者に、安息の最期が訪れることは決して無い。ただ、だからとて攻め立てる源氏が盤石なものかというとこれも違う。散々に暴れまわった木曽義仲もすぐさま討たれ、いよいよ次の時代・鎌倉源氏がその台頭をあらわす。これまでのらりくらりと生き抜いてきた頼朝の下に燦然と輝く弟が舞い降り、一ノ谷での伝説を残す。これまた1つの悲劇の幕開けでしかないというのがなんとも皮肉な配置ではないか。

 こうして物語が巡り、ただ陰鬱な時が過ぎるばかりであるが、今作の白眉な点は、それでもただ通り一遍の悲劇を垂れ流すでなく、もう一本の筋を通そうとしているところ。びわは第三者視点を置くための「外付け付録」みたいな存在だと思われていたわけだが、ここにきての母親との再会、再起からの旅立ちできちんと「彼女の物語」も形作ろうとしている。白拍子3人娘との道中なんかは貴重な息抜きの場面として機能しており、遠く離れた京の地からでも物語の中核をしっかりと見据え、「死の物語」と対比的な「生きる」を示す存在として成り立っている。おっかあとの再会、割とあっさり片がついた感はあるが、なんかもう、CVのセッティングで全てOKな気がした。

 ちなみに余談だが、静御前と行動を共にしていた白拍子の子の片方のCVが松浦愛弓ちゃんという子。どっかで見た名前だと思ったら「うさぎドロップ」でりんちゃんをやっていた(当時)子役だった。ここにきて声優仕事にカムバックしているのだが、さて、どんな道を進むんでしょうかね。

 

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 つれぇわ……第8話。本当にもう、見る影も無い……。あれだけ我が世の春を謳歌して好き放題していた平家が落ちぶれていく様子を見ていると、悪辣な連中が懲らしめられてるみたいでスカッとする案件でもいいはずなのだがそうもいかぬ。やはり弱くなった方に同情心を持ってしまうのは致し方ないのだろうなぁ。「こういう心境をなんと言ったか……」としばし考えて出た結論が「判官贔屓」なんだんけど、「よりによってその言葉も違うやろ」という気持ち。

 世は完全に源氏VS平氏の構図で固まった。そして、その趨勢もすでに固まりつつある。戦局を体現している存在の1人が木曽義仲。猛将として名高い武将だが、本作においては、もうとにかく野生児。いくら武士だからってそこまで野生じゃなくてもええやろ、とは思うが最も名を馳せたエピソードが倶利伽羅峠の戦いなので(少なくとも俺の中ではね)、それがわかりやすいキャラ造形になっているのだろう。これまで繰り返し重盛ファミリーを中心に「芸事に達者な貴族寄りの平家」が描かれてきただけに、ここにきて野生の武士の魂を体現した義仲の存在感は強烈である。おかげで頼朝のキャラがますます埋もれていってる気がするのだが、おそらく今作における頼朝像は徹底的にこの路線なんだろうな。清盛が元気だったら間違いなく「面白くない」と言われてしまうような男をトップに立てていることで、源氏と平氏の違いがはっきり分かろうというものだ。

 そんな義仲の猛攻にさらされて本当にかわいそうだったのは維盛である。以前の敗戦から本当に心を痛めており、必死に自らを奮い立たせて「武士」であろうとする様子は本当に痛々しい。一応その甲斐あって戦果も挙げていたようなのだが、すでにそれを認めてくれる清盛もなく、1人で頑張ったところで後を繋げる者がいない。そして歴史の転換点とも言える倶利伽羅峠では、平氏の命脈を絶ったに等しい大敗北を喫してしまった。はたから見ればあまりにも分の悪いマッチメイクだったし、ここまで本当によく頑張ったと褒めてあげたいくらいなのだが、残念ながら本人にその声は届かぬであろうし、失ったものはあまりに大きすぎる。すでに平家に残された戦力は少なく、わずかな望みをつなぐための西行きを余儀無くされる。京・福原と流れても全く再興の兆しなど見えず、ただただ廃れていく様を見せつけられるというだけでも心苦しくあるし、何よりも「自分たちの足で着実に壇ノ浦へと向かっているのだ」ということが分かるせいで胃がキリキリするような道行きである。こんな中でも幼い帝を支えながら気丈に生き抜く徳子さんが本当にお美しいのが救いといえば救いか……。

 すでに平家のお歴々とは別行動で歴史の行方を見守ることとなったびわ。この時代に女の子1人旅で越後まで行ったってのは大したもんだが、そこからまた京までとって返すって、どんだけの旅路だったんだろう。琵琶一本で食べていけるのは大したもんである。そして舞い戻った京の町での出会い……「誰だこれ?」って思ったら最後のキャストロールのところでネタバレされてたわ。静御前がここで登場とはね。びわの視点は以降は彼女とともにあるってことかしら。

 

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 徳子さん、ええ女やなぁ……第7話。このキャラデザでもちゃんと美女になってるのがすごい。

 いちいち胃がキリキリするしかないアニメ。ついにこの時がきてしまった、サブタイトルが示す通りの事態。一応Wikiで確認したが享年は64。この時代の人にしては長生きした方なのだろうか(ちなみに重盛が享年42だそうで)。一応、末期の一言では「やりたいことはだいたいやった」と言っていたものの、際限のない野心を抱えていた男のこと、憎き頼朝の首を拝めなかったことを呪いの言葉として残し、その後にはただ熱だけを残して消えていった。1つの時代を作った男が逝き、1つの時代が終わりを告げる。ここから先の平家には、栄華も何も残されていない。

 そんな平家の行く末については、当然門下の面々が一番深刻に悩んでいるわけで。清盛の息子連中は実質的な指揮を振るう責務があり、知盛あたりはなんとか頑張ろうとしているようなのだが、どうにも不安な宗盛なんかもいるせいで心配のタネは尽きない。そしてまだ若い重盛の息子連中についても、維盛があの調子で前を向くことが難しく、まだまだ実質的な権力も有していない3兄弟はただ荒波に翻弄されている状態。そんな中で今回きらりと光ったのは資盛の心遣いだろう。びわに対して放逐を言い渡した彼の本音としては、やはり「これ以上平家と共にいては累が及ぶばかりだ」という配慮があった。この時点で既にそこまで考え、自らの進退にもある程度覚悟を決めていたということになりそうだし、資盛は見た目以上に聡明な人物だったのかもしれない。

 そして、アニメとしてのメタ的な視点では、ここでびわが重盛の家を離れたというのが「語り手がこの場を離れねば、俯瞰して描けない」ということでもあるというのが心苦しい。今まではかろうじて火の粉の飛ばぬ場所だったはずの重盛家が、いよいよ「びわがいてはならぬ場所」になりかけている。おそらく太眉のにゃんこもびわが本当に一人きりにならぬための配慮で登場させたものだと思われるが、彼女がもし「実在の」人物だったとしたら、果たしてどんな生き様になっていたことだろう。

 そうした動乱の最中、歪まぬ愛を貫き、正面を見据えているのが徳子という存在。上皇への一途な思いを貫き、(少なくともびわの目線からは)その愛は確かに届いていたという。清盛との関係性においても自らの視座を揺るがすことなく、最後までかの入道をハラハラさせる愛娘のままであった。残念ながらびわが家を出たことで徳子とびわの仲睦まじい団欒がなくなってしまったが、これから先、渦中の徳子と傍観者のびわは、どんな時代を目の当たりにするのだろう。

 ちなみに余談だが、今回冒頭に登場した「毬杖(ぎっちょう)」という遊戯。これ、以前たほいやで出題された「ぶりぶりぎっちょう」のことなんですね。まさかこんなところでその正体を拝めるとは思わなんだ。800年以上昔の遊びらしいが、結構現代的なゲームもあったんですね。左利きを「ぎっちょ」というが、その語源になったなんて説もあるらしい。繰り返し勉強になるアニメである。

 

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 最後の白猫、びわ(の中の人)の飼い猫に似てるな……第6話。いや、全然関係ないとは思うけどね。真っ白い猫って、汚れが目立つから気をつけろよ。猫は綺麗好きなので、滅多なことで汚れは残さないけどね。

 猫に目を向けてないとキツいくらい、世の中が張り詰めている。朝廷と平氏の対立は決定的となり、清盛は福原への遷都をも目論む。しかしすでに重盛の死により屋台骨は傾きかけており、度重なる天災の影響もあってか、京の街の疲弊っぷりは尋常ではない様子。それが平氏のせいなのか、それともこの国がなるべくしてなった姿なのかは分からないが、どこかで変革が求められているのは事実なのだろう。いよいよもってここで持ち上げられる男、それが源頼朝。

 この頼朝のキャラもなかなかに強烈だなぁ。だいたいの創作物において頼朝ってもっと苛烈な人物として描かれることが多いと思うのだが、今作ではあくまで「敵役」というか、平氏が見舞われる災厄の1つでしかない存在。そのおかげかどこか薄ぼけた印象の人物として描かれており、竜巻や疫病と同様、気づいたらそこにいて、漠然とした不安を与えていくようなキャラに仕上がっている。裏で糸を引いているのは当然後白河法皇であるが、彼だって清盛に対してあれこれ手を尽くして散々にやり込められているわけで、頼朝を担ぎ上げた今回の企みだってどの程度うまくいくかはわかったもんじゃない。それでも、少しずつ世情は平氏から源氏へと傾いていくのである。

 それにしてもかわいそうなのは維盛である。今まで頼れる父の下で穏やかに生きてきた若者が、今となっては「物の怪などよりよほど怖い」と戦場に怯えねばならなくなってしまった。重盛の温厚な部分を受け継いでしまったのだろう、祖父らとは違って全く戦には向かない男。そんな彼がいきなり総大将に引っ張り上げられても、うまくいくはずなんてない。清盛の大きすぎるプレッシャーが若者を押しつぶさんとしている。これまで表舞台に出てこなかった源氏という相手が得体の知れない存在だったことも事態を悪化させているのだろう。かつては平氏がほしいままにしていた武家としての威名も、今ではすっかり源氏のものに。腐った世を変えるという覚悟がなければ、この状況はひっくり返らない。そして、重盛の残した子供達に、そのような気概を持つものも無く。

 そうなのよなぁ、やっぱり中心にいるキャラクターに、「戦場で輝くタイプ」が1人もいないんだよなぁ。おかげで作中では当時の文化についての描写が多くなっており、その辺への興味がやたらと引かれる。そりゃ娯楽の少ない時代には違いないのだが、こういう時代の人たちって、本当に花や月を見てるだけで楽しめたんでしょうかね? 3分で飽きるよね。清経たちが取り出してた笛についても、音調にバリエショーションがないから「名手」とか言われてても上手いのかどうかもよく分からんしな。この時代に生まれなくてよかったわ(多分、毎日飯食うのが一番楽しみだったんじゃないかな)。

 

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 コンテ演出の「モコちゃん」って誰、第5話。確認したらどうやらサイエンスSARUの専属のアニメーターっぽいのだけども。今作は多分監督の指揮下でスタジオの力がフル回転で起用されてるっぽいな。

 時代が動いていく。重盛の死によって大きな楔が外れてしまった状態。一時は清盛も腑抜けたようになり、平家の力がそのままフェイドアウトするかに思われたが、これまで平家が行ってきた所業を考えれば静かにただ消えゆくなどということはあり得ない。動くべきは2つ。1つは、重盛の兄弟連中の動き。清盛の力を借りずに各々で「平家を守っていかねば」という意識があり、それは良い部分もあるだろうが、やはり問題の方が多いようだ。これだけ権力が大きくなり、その大部分が清盛と重盛によってなされてきた功績だったのだ。2つもタガが外れてしまっては、大きすぎる力は暴走してしまう。締め直さねばという警戒心、そして、実は無くとも今まで通りでいいのだという虚栄心。そんなものが入り乱れ、平家も行く先が知れぬようになる。

 そうしてもう1つ、平氏の世にほころびが見えたことで朝廷も動く。しかし、その気配を察知した清盛はより大きく動く。後白河法皇は武家との関係性を未だ測りきれていなかったのだろうか、結局この度の復権もならず、自身はまた伏すこととなる。その間にも、平氏への反乱の火種はそこかしこで起こっており、どうにも清盛も今まで通りにただ武力で押しつぶすということも叶わなくなりつつある様子。安全弁として機能していた「面白くない」重盛がいなくなった影響が、こうも如実に表れるものか。

 朝廷と武家。そのぶつかり合いは何も戦場だけにはとどまらず。びわに見える範囲では、今最も苦しんでいるのはどうやら徳子であるようだ。彼女は父に言われるままに政略結婚をさせられ、そのことについての覚悟はすでに決めていたはずなのだが、いざ世相が変わり、上皇の立場が微妙になってきたことで、自分の立ち位置が定められずに悩んでいる。そこには謀略の手駒にされることに抗わなかった過去の自分と、それでも上皇に対して並並ならぬ想いを抱えてしまっている今の自分との軋轢がある。決して表舞台には立たぬ、この時代の女の戦いがある。

 そして、びわの左目はそうした「過去」を映す。彼女の目に見えるのは、元の持ち主だった重盛か、それとも、自分をこの世に残した父か。びわの右目は何も見ないようにしている。徳子の苦しみを思えば、今の世以上のさらなる苦しみを見るなど耐えられぬ。それでも、未来は着実に「今」進んでいる。

 

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 諸行無常、第4話。重盛にとっては救いとも言える死。しかしそれは、事実上の平家の死の暗示でもあり。

 前回が「奢る平家」の終わり、影が差し始めるお話だったわけだが、今回はもう、遠慮なしにその影が次々に画面を覆っていく。清盛と朝廷の関係が鹿ケ谷で事実上の終わりを告げ、これ以降は平家といえば災厄の体現でしかなくなってしまっている。清盛の隆盛に天変地異が追随し、武士が打ち立てたはずの太平の世を切り崩していく。いかにこれまでの栄華が仮初めのものだったのかが分かるというものだ。とうの清盛は京都から離れていることもあり、未だ平家の世を疑うことすらしない。徳子の奮闘によって「未来」すら手にし、全てが手に入ったものだと思っている。しかし、今や平家の中においてすら、そんな清盛の独善を認めるものもおらず……。

 こうしてみると、重盛の持つ「目」も物語をわかりやすく進めるための重要なファクターであった。当たり前の話だが、別に重盛の目はなくても話は進行できる。ただ、未だ政も教も分離し難い時代のこと、政にも様々な霊的要因が絡んでくる。そして、そんな人々の世であれば、間違いなく霊的なものは「存在する」のである。それは明確に現代人の生活とは違うところ。だからと言っていくらアニメとてそこらへんにフラフラとおばけが彷徨っているような世界を描くわけにもいかないので、視点人物である重盛のみが、そうした要素を「事実として」間違いなく認識し、描写できるのである。

 そしてその目も、いまやびわの中へ。父の所業と己が正義の間で苦しみぬいた重盛。彼はすがるもののない世の中で、必死に神に祈った。そしてそれは「見たくない未来」を見ないという切実な願いだった。彼の徳を讃えてのことか、どうやら天は彼の願いを聞き届けた様子。びわと維盛の見守る中、重盛の魂は天へと召し上げられた。あちらとこちらを繋いできた「目」の役割を果たす重盛の死は、もはやそうした要素を拾ったところで平家には取り返しのつかぬところまで来てしまっていることを表している。「今」を見る重盛の目は、なんとかその事実を清盛に伝えてすがろうとしていた重盛を離れ、未来の全てを知り、ただ「見る」ことしかできぬびわに受け継がれていく。あとはただ、見守るだけである。

 

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 やっぱムズい、第3話。ある程度のバックグラウンドを押さえておかないと画面とか言葉の意味をしっかり捉えるのは難しいな……「平氏」と「瓶子」をかけた洒落とか、なかなか分からんだろうに。

 速やかに歴史は進んでいく。前回まででたっぷりと提示された「奢る平家」の世。当然そこには終わりがあるわけで、次第に歪み、ほつれていく清盛の天下がそこかしこから滲み出るようになってくる。天皇家をめぐる問題も根深く、世は太平に見えてはいるが、そこかしこに戦乱への種火はくすぶっていた。考えてみりゃ、この時代の「統治」と言っても今の日本に比べたらたいそう小さなものには違いないのだが、それでも1人の法王、1人の武士が治めるには大きすぎるわけで……権力がどこに座しているのか、それが定まらぬままに、少しずつ足場が揺らいでいく。

 不安定になってくれば、それを拠り所にする者たちの中には現状を打開したいと願うものが出てくる。それは平家にもいるだろうし、法王方にもいるに違いない。もともと武家の始まりは公家の護衛であり、天皇を擁立し、守るための存在だったはず。それが次第に力を持ち、今や平家はこの世の頂点にある。しかしそれだって少しの揺さぶりで危うくなる程度の権威。数百年に渡る天皇の世に比べれば、武家による統治などまだまだ定まらぬ流行り廃りなのだ。そこで公家衆が持ち出した名前が「源氏」。そう、いよいよここで源頼朝という名前が出てきた。もう、それだけで見てる方はぞわっとするわね。法王は2つの武家をぶつけての漁夫の利を狙う。それがあまりに危険な賭けであることは、どれほどの人が気づいているのだろうか。

 世の不条理について、現時点で最も先が見通せているのはおそらく重盛なのだろう。父親の所業がいかにまずいものかをなんとか伝えねばならず、命を賭しての必死の申し立て。しかし如何せん彼は「面白くない」男。奇策を弄するでもなく、ただ無骨に自分の思いを訴えるしかない。海千山千の化け物たちに、彼の訴えがどれほど届くものだろうか。

 全ての平家が清盛のように豪胆ではなく、重盛を始め、彼の息子たちもあまりに急すぎる時の流れに翻弄されている。今日と明日で景色は変わる。誰が偉いのか、何が正しいのかも分からぬ世の中、彼らにはどんな未来が見えているのか。そしてびわには……。知るも知らぬも地獄よな。

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 わーい、頭のイカれた女だー、第3話。トチくるった女が出てくるだけで楽しいよね。そういう異常性癖だよ。

 考えてみりゃ、今期は源平合戦と薔薇戦争が同時に進行している珍妙なシーズンなのだな。あちらは1クールで終わるはずだが、こっちはCMの様子を見る限り2クール以上が確定してるっぽい。歴史的にはどちらの方が重みを持ってる事件なんでしょうかね。まぁ、国の覇権を争う二派閥の激突っていう意味では似たような部分もありそうだけど。日本は王制じゃないから奪い合うものがわかりにくいね(厳密には、王制ならぬ天皇制が形骸化する要因だったわけだが)。

 さておき、歴史の云々を前振りに使っておきながら、わたしゃ世界史知識ミニマムな人種なので、ぶっちゃけ薔薇戦争のディティールなど何も知らない。今作が歴史に忠実なドキュメンタリーでないのは間違いないが(史実でリチャードがあんなんだったらびっくりである)、最低限の歴史に沿って展開するのは間違いないはず。1話目を見た時点では「面白そうならちゃんと歴史を予習してからアニメを追いかけるのがいいのかな……」と思っていたのだが、今回のお話を見て、「もう、いっそ開き直ってネタバレ無しでみてやろう」という気になってきた。歴史にネタバレもクソもあるかい、という話だが、ここはもう自分の無知を武器にして素直な心で見守るが吉ではなかろうか。いや、流石に最終的にどっちが勝つかくらいはわかってるのだが、キャラクターたちが細かくどのように動いて、どんな人生を歩むかは全然知らんしね。

 そうして「いっそキャラごと楽しめばいいのでは?」と思い始めた理由が、今回登場したエリザベスってわけよ。トチ狂った女性キャラのトチ狂った表情は好きだし、遠慮なく濡れ場を展開してくれる生き様も見ていて気持ちいい。そして何よりキャストがいい。誰がなんと言おうと私はやはりこのあたりの世代が原体験なので、中堅以上、ベテラン未満くらいの立ち位置になった面々が頑張ってくれているのは本当にありがたい。今作はマーガレット・エリザベスのランカスター酒乱コンビが頑張ってくれればより捗りそうで何よりである。

 

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 坊主ばっかの世界、第2話。男女を問わず坊主が多いので、キャラクターの識別が大変。まぁ、声が個性的なのでそこで区別すればいいんですが……でも尼僧4連打は結構キツくない?

 まだまだ見方の定まらぬ作品なのだが、やはりというか当たり前というか、もっとお勉強しないとなぁ、と痛感させられる。そもそも今作は山田尚子曰く「抒情詩としての平家物語を描きたい」とのことだったわけだが、見ている方が物語の全容を大まかにでも把握していないと、なかなか「情」に回せるリソースが増えてくれない。まぁ、デザインとしても結局「叙事」の部分は避けて通れないわけで、そこをいかにしつこくなく提示し、最低限の知識でフォローできる程度の物語でバックアップしていくか。やはり教養が試されるのは間違いなさそうだ。

 もちろん、「最終的に平家は滅亡すんねん」くらいを知っておけば大筋で支障はないわけだが、それだけだとせっかく編まれた今作のあれこれを楽しむこともままならない。例えば今回のお話で言えば「白拍子」とはなんなのか、「今様」とはどんな文化なのか、その辺がちゃんとわかってないと、後白河法皇や清盛のキャラクターを完全に理解するのは難しいだろう。もちろん、この坊主2人に関してはクドいくらいにキャラが描かれているので、要素としては些事も些事なのかもしれないが……せっかくだからこの微妙な「境目の時代」の文化が如何様なものかっていうのは知っておきたいじゃない。個人的には後白河がプレイしてたボードゲームなんかは気になるところ。「盤双六」という、見た目通りにバックギャモンのようなゲームらしいのだが、日本に伝わったのは遅くとも7世紀のことらしい(Wiki調べ)。となれば後白河がプレイしているのはごく自然な光景のようだ。

 他にも、彼の歌った今様の中に「かたつむり」という言葉が出てくるが、かたつむりの名称と言えばかの柳田國男の論考でも知られる通り、呼び方によって時代差があるはず。こちらも調べてみると「かたつぶり」の名はすでに平安期に確認されているとのことで、ここもなるほど時代に即している。様々な面から「この時代はどんな時代だったのかな?」という興味が引っ張られるため、やはり「叙事」の部分を追うだけで手いっぱいな感じがあるな。まだ序盤も序盤だってのに。

 とりあえず、ここまででびわ・徳子・重盛あたりの関係性は固まってきた。「驕る平家」が出来上がっているわけだが……さて。

 

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