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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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もう何がなにやら第11話。これはもってかれるな……

 もう、正直原作知ってるとか、ネタ知ってるとか、そういう次元の話じゃなくなってきた。原作知ってようが、このアニメにはなんかもってかれる。少なくとも原作の同じ場面を読んでいる時にこのインパクトはなかった。いや、原作が悪いとかじゃなくて、アニメ化するときに抽出したエッセンスが、原作でやろうとしていたこととは別種のものであるというだけの話なのだ。アニメは徹底的に「アニメ的に」。水島監督、本当にどうしようもない鬼畜監督なのは間違いないと思うのだが、これが出来る人間ってのは、そうそういないのは間違いないだろう。原作で一番「アニメにするべき」点を徹底的に突き詰め、それを有り余る作画技術でもって引っ張り出す。P.A.と手を組ませたらこんなことになってしまうなんてなぁ……

 もう、とにかく救いようのない圧倒的惨殺劇を楽しみまくるだけの簡単なアニメ。ごろごろと転がり落ちる転落劇は、冷静に考えたら「流石にお前らリアクションおかしくね?」と思える部分も山ほどある気がするのだが、そこは勢い、テンション、どさくさ。世の中ノリだけでどうとでもなる部分ってのはあるもので。いや、流石に合宿所が豪華ででかすぎる気はするんだけど……そのへんも含めて、シリアス過ぎる笑いもあるんだな。

 そして、なんでわざわざエントリーを立てたかといえば、もう、今週はめくるめく杉浦さんアワー。その大迫力に打ちのめされたのです。さぁ、みんなで一緒に「こぉろせぇぇ!!!」。そんな物騒な台詞吐いちゃ駄目だよ福圓さん、あなたは日曜朝の良い子のアイドルなんだから。……いや、誰が聞いても同一人物の仕事とは思わないだろうけど。放送終了直後に流れたCMが劇場版ストパンっていう神がかった流れもすばらしかった。

 本当にね、水島監督と福圓さんがどんな会話してたか想像するだけで楽しい。「あ、今作もこんな酷い役ですか……」「うん、めいっぱい酷い感じで」。すごいぜ水島! わずか半年で福圓先生を3人も殺すなんて!

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「紺碧ッ(キリッ)」じゃねぇよ、第7話。なんだよあの次回予告。もう、あれだけで今週あったこととかどうでもいいわ!

 あ、すみません、それが言いたかっただけです。今週は冒頭の先生大爆発が最大の見どころだったわけですが、正直、予想してたよりは抑えめだった気がします。インパクトでは最初の事件の方がキツかったかなぁ。いや、克明に描かれたらそれはそれでキツいんだけどさ。

 なるほど、この尺だとオリジナルで海に行くくらいの余裕はあるのか……でも、間にそんなエピソード挟んで、雰囲気がぶれるんじゃないかと心配なんだけどね。

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そこで終わるのか! 第6話。ちょっとまて、来週エラい始まり方になるやないか……尺のあわせ方に何の意図があるやら……3話とかとかぶるのが嫌だったのかしら。

 まぁ、あとはずっと2人がしゃべってるだけだし、特に書くことも無いんだけどね。ほんとに暗い作品やなぁ、と思いながらぼんやり見ているところに、あの突然の妄想劇のインパクトがでかすぎる。あれ、なんやねん。

 ただ、残念なことにそんなインパクトよりも、その直後に報じられた「しばいぬ子さんアニメ化決定!」の方がはるかに気になりました。ついに彼女が本気を出すときがきたか……

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この加速なのに、この静けさ、第4話。メリハリ効き過ぎやろ。

 なんかねぇ、やっぱり凄いね。ネタ知ってるから見ててもそんなに面白くないんじゃないか、っていう不安というか、先入観みたいなものはあったんですよ。やっぱりこの手の作品ってネタありきな部分が強くて、それを知った上で見ちゃうとどうしても気が緩むんじゃないかなぁ、と。

 しかし、このアニメに関しては、現時点でその心配は杞憂だ。まず作画が凄い。要所要所で「いかにもP.A.」っていうシーンがあって、何度見てもただ単に「綺麗やなぁ」というアホみたいな感想しか出てこない。夜見山も湯乃鷺温泉や麦端町の仲間入りだ。今回圧巻だったのは、途中で恒一たちを襲ったガラス板のシーン。本当にね、綺麗ね。こういう透明感のあるオブジェクトを描かせると、P.A.が一番上手いかもしれない。

 そして容赦無い演出も相変わらず。今回の犠牲者は看護婦の沙苗さん。原作では正直言うと「どないやねん」と思った死に方だったのだが、こうしてアニメーションで見せられると素直に「うわぁ」ってなる。「エレベーターが落ちて」っていうとなんかイメージしにくいんだけど、要するに単なる転落死だもんな。そりゃ、ああなりますよ。そして、別に落ちきった時点での箱の中は描かなくてもいいくらいのものなのに、水島さんったら、ちゃんと描いちゃうんですよ。2話続けて、文字通りの出血大サービスですよ。うへぇ。

 相変わらず充分な圧力でもって仕掛けてくる今作。まだまだ終わりませせんぜ。ただ、1つ今回面白かったのは、落下してるエレベーターの回数表示のランプ。アレって高度表示じゃねぇんだから、別に箱が落ちても凄い勢いでランプが移動することはないんじゃね? 教えて詳しい人。いやま、アニメ上の演出だからどうでもいいんだけど。目に見えた方が怖いのは間違い無いしね。

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 ついに動いた、第3話。

 この作品はネタを知っているから基本的に感想は書かないようにしようと思っていたのだが、実際に事件が動き出したこの3話をみると、やはり端々に「上手いな」と思わせるだけの演出があり、ちょっとだけ褒めておこうと思った。

 なんといっても衝撃的なのは、ついに起こった1つ目の「事件」のこと。水島監督は「BLOOD-C」でグロはやり尽くしているのだが、今回は「静かに、その上で凄惨に」という、「BLOOD-C」とは真逆のコンセプトにチャレンジしなければいけないので結構大変だ。そしてこれが何ともエグい出来。当然、突き刺さった箇所そのものは見えないようになっているわけだが、音響がまずキツめに入っており、これだけで実はグロが苦手な俺なんて卒倒しそう。あの音はキツいわ。そして、そこから被害者の手の動きにズームし、合わせて恒一が息を呑み、のど元をゆるめるカットへ。この繋ぎが自然に「被害者に何が起こったか」を連想させてしまい、エグさがより増すのだ。これはキくぜぇ。こうやって見せたかでパワーを上げる演出方向は見応えがあるのです。

 他には、相変わらず普通のシーンには動きが無くて大変な作品なんだけど、音響の工夫やなんかで上手いこと緊張感を維持しているなぁ、と感心させられる。特に人形店の中の描写なんかは、単におなじようなカットを繋いでいるだけなのに、少しずつ「人形の顔」を変化させることで時間経過や心的変化についても想像させることが出来るようになっている。よくもまぁ、これをアニメ化してるもんだ、とひやひやしながら見ています。

 あとはまぁ、ネタを知ってる身で一つだけ思ったが、ある箇所について、「そのカット繋ぎは流石に危うすぎないか?」と思った。原作だとどうなってたっけかな。いや、ギリギリやで。

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壮絶凄絶最終話。これがこのアニメの「1つ目の」結末。ただの1点に特化させた異形の結末。

 正直、意外性のあるどんでん返しなど全く無かった最終回である。既に先週の時点で最大のちゃぶ台返しは完了させており、今回ギモーブ店長文人のモノローグなどで補完されたのはせいぜい唯芳(と小夜)の正体くらいか。それだって、大したサプライズになったわけではないだろう。この最終回の最大の眼目は、伏線の回収ではなかった。

 では何が見せられたかといえば、更なる拡散である。そうだ、この作品は元々劇場版に繋がる前振り段階であることが了解済みの状態での1クールだったのだ。この最終回は、何事も丸く収まってはいない。むしろ、より大きな物語へのジャンプ台の役割しか果たしていないのである。そして、どうせ飛ぶなら、そのジャンプは特大の方が面白かろう、というのが今回のコンセプトだったわけだ。

 そりゃもう、飛んだ。盛大に飛んだ。投げっぱなしと誹られても文句の言えぬこの最終回で、とりあえずやれることはやりきった。今回は大きく3つに分けてその行き着く先を見よう。1つ目は、先週からの続きである茶番の結末。メインキャストが2派に分かれていたわけだが、文人のゴーサインで、役立たずの異分子は淡々と処理されていった。時真は瞬殺、存在感のかたまりだった双子姉妹も徹底的に残虐に処理されていく。色々あったが、やはり今回最大のハイライトはのの・ねね姉妹の末期だった気がする。下衆であることが嫌というほど伝わるそれぞれの最後には、「双子」という唯一の繋がりすら軽々と踏みにじられる。彼女達の断末魔の絶叫は、他のキャストには無かった魂の叫びである。

 2つ目の見せ場は、正体を現した唯芳と小夜による「親子」血戦。お互いに望まざる血の混じり合い。これぞプロダクションI.G.の真骨頂とも言える、笑えるぐらいの殺陣の迫力。鉄拳シリーズでも見たことがない壁バウンドをフル活用し、狭い屋内で飛び回る2人の人外と飛び散る血しぶき。これまでも様々なフィールドで見せ付けられたこの作品の見せ場の1つであったが、最後の最後で初めて「人の形をした者」と正面からぶつかり合い、これまでの全てを清算するような出し惜しみせぬ大迫力活劇シーンだ。

 そして3つ目、悠々と退場する文人と、それを追撃する小夜を描いた野外戦の、冗談とも見える地獄絵図。解放された古きものと監視を行う「上層部」による「実験場」の撤収劇は、エキストラとして呼び出された全ての人々を綺麗さっぱり無かったことにしてしまった。無表情に淡々と大衆を惨殺していく管理側の残虐さは、「学園黙示録」などをも上回る救いようのなさ。分裂増加した量産型「古きもの」は、なんだかユルい表情と独特の造形のせいで、最初のインパクトが「うわ、八頭身モナーみてぇ」って思っちゃった。おかげでもう、そこから先は全部モナーにしか見えなくなってしまったのだが、残虐を残虐とも受け取らせぬほどの稚気にあふれた惨殺劇は、ある意味この作品に最も求められた要素なのかもしれない。1つ1つの古きものの振る舞いが細かく「楽しさ」に置換されており、「あ、とんがりコーン喰ってる」とか、「栄養ドリンクか」とか「ミキサーは駄目だっぺよぉ〜!」とか、笑っちゃいけないシーンだと分かっていながらも、奇妙な引きつり笑いみたいなものがこぼれてしまう。この何とも言えない感情は、他のどの作品でも受けられない唯一無二のものには間違い無い。個人的には、ぼかしアリでギリギリレベルですけど。これ、製作側は一切手抜き無しで描き込んでるんだろうなぁ……

 最終的に残されたのは、「劇場版仕様」となるために潰された目を覆った隻眼の小夜と、結局なんだかさっぱり分からないままの犬っころ。敵方は、完全なる悪役として立ちはだかった「罰するもの」七原文人と、「やっぱお前女子高生は無理があったんだな」という衝撃の事実が判明した網埜優花。対決の構図は実に分かりやすくなった状態で、1年後の劇場版を迎えるわけだ……って、長いわ! 1年て! どうやってモチベーション維持したらええねん! ……観に行くだろうけど。このまま終われないのは間違い無い。しかし、「終わらせない」という役割を恐ろしい方策でもって実現させたこの「最終話」の存在感、恐ろしいものである。

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陰謀論、箱庭観、第11話。ついに吹き出した、この物語の全て。ちゃぶ台を思い切りひっくり返した展開ではございますが、既に傾いていたガタガタのちゃぶ台に最後の一押し、というのが正直なところ。茶番すなぁ。

 もう、今回のネタのためにこれまでの10話を回してきた、というのが全てなのだが、あまりに長く、あまりに執拗で、あまりに明白なこれまでの展開のおかげで、全てはある意味予定調和だ。そして、はっきり言ってしまえば、あまりにチープだ。「冬服がない」とか、そういうよく分からない伏線みたいなものこそあるのだが、例えば「制服が嘘っぽい」だとか、「名字が珍しすぎる」とか、そんなこたぁ、「だってCLAMP作品だし!」と言ってしまえばおしまい。そんなこと言われても、馬鹿正直に見てきた人間は報われることはない。何かが上手く機能している、ということは特に感じられず、「どんでん返しっていう言葉を使おうとして、あまりにも安易なネタをそのまま使いました」という感じの、本当に分かりやすい内容である。怒られたとしても、返す言葉はない。

 が、嫌いじゃない。

 馬鹿馬鹿しく、陳腐だとは思いつつも、この崩れ落ちたちゃぶ台は、嫌いじゃない。ここまで労力を傾けてたった1つのネタに神経をすり減らす姿勢が、嫌いじゃない。どんでん返しの本懐は、とにかく「見えていた景色」がどれだけ入れ替わるか、という振れ幅の大きさである。この作品の分かりやすい「陰謀」は、その振れ幅としては充分な距離を稼ぎ出したのではなかろうか。

 誤解を恐れずに言ってしまえば、今回生み出された振れ幅は、キャストの力による部分が大きい。なんと言っても、今回圧倒的に台詞量が多かったノノネネ姉妹。彼女達の打って変わってすれっからした胡散臭さ、駄目人間っぽさは、今までの景色が虚構であったことを、必要以上のリアリティで伝えてくれる。「あり得ないアニメキャラ」であった愉快な双子、ののとねねが、本当に単なる「キャスト」であったことを教えてくれる。視聴者の純な「受け入れよう」という心をバキバキにへし折るあれやこれを悪びれもせずに打ち明けていく犯罪者姉妹の非道な台詞の数々は、小夜だけではなく、世界も容易くぶち壊してくれる。他にも、これまで「クールガイ」だった時真のあふれ出るチンピラ感とかも、「茶番って、本当に茶番だったんだぁ……」というのが嫌というほど伝わって、救いのない小夜の現状を更にどん底にたたき落としてくれる。これまで長らく持ち続けていた「どんだけ引っ張んねん……」という視聴者達の感情を、作中のキャストの皆さんも感じてくれていたのだ。それが分かっただけでも、救いがあるじゃないか。ん? そうでもないか?

 とにかく、私は笑わせてもらいましたし、楽しませてもらいました。あれだけ長々と続いていた本編10話についても、今回のエピソードとのギャップを楽しむためにもう一回見てやろうか、という気にすらなります。

 さて、メインヒロインさんは今回自己紹介した以外にほとんどしゃべっていませんが、次回でちゃんと盛り返してくれるのでしょうか。何が起こっても、茶番の延長かと思うと……楽しい!

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舞首か毛羽毛現かと思ったらペナンガランだった第10話。いや、正確には引きずってるのは内蔵じゃなくて脊髄だったみたいだけど。やっぱりあのビジュアルは、突如出てくると怖いよね。しかもそれなりに端正な容姿で、声がサトリナなんだよ。怖いけどちょっと可愛い。どうしよう、これが吊り橋効果か!

 この期に及んで本当に遅々として話が進まず、これまで経験したことを繰り返し繰り返し、しつこいくらいに何度も確認させる脚本。流石にしつこすぎるとは思うのだが、これだけ執拗な確認をしているということは、この後やってくるカタルシスによほどの自信があるのだろう。

 ほとんど新規の情報が出てきていないのに、なんだかジリジリしていて時間が長く感じないのが不思議な作品である。冒頭のペナンガラン戦、実は10分近くあったんだよ、あれ。その割りにキメる時は一瞬だし、今回は動きの面でもかなり充実していたし、どうしても見入っちゃうのだよ。いや、時真君惨殺なんてトピックはあるにはあるんだけど、あまりに回りの人間が気にしてないもんだから、こちらとしてももうどうでもいいのかな、と。これで残った人員は先生、店長、親父さん。もう、「仕掛け人」候補しか残ってませんわ。「こんな茶番はもう終わりにしましょう」って、先生、それはこっちの台詞です。

 もう、かなり強めに伏線の含意を押し出してくるようになってますね、「赤くて人の肉に近いギモーブ」に加えて、今回は小夜が元気を出すために飲み干し、先生は飲むことを拒絶した「コーヒー」っていうのもある。小夜が好きなものって、何?

 次回より、いよいよ「解答編」。何が起こっても驚かないので、出来るだけ驚くような展開をよろしくお願いします。

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大量虐殺フェスティバル、第8話。「もう誰も死なせはしない!」って、目の前で未だかつてないくらいに死んどりますがな。とめろとめろ。

 相変わらず、じわりじわりとにじみ出るような速度で物語が進むために何とももどかしい印象が否めない今作。それでも少しずつ、世界は真実へと向かっている実感はある。大半の時間を風呂場で経過させるという、この期に及んでよく分からないくらいのサービス回だったが、その中で出てきたファクターを一応数え上げておくとしよう。

 「何が正しいのか?」「誰を守るのか?」という疑念については、陳腐ではあるが、どうやら大方の予想通りの方向に向かっているらしい。なんと言っても、今回は親父さんの挙動が実に怪しく、ギモーブ店長との対話は含意に富み、一体「コーヒー以外の何か」は何を出されたのか。ギモーブで何かを飲んだ親父さんが帰宅し、本殿でぶっ倒れ、それを抱え上げたら口元に血がついている。うーむ、あまりに露骨過ぎて逆に怪しいくらいだが……「BLOOD」シリーズの前作では一体どういう敵キャラが登場したのかを考えると、やはり「血」というメインテーマが鍵を握っているのは間違い無いだろう。ギモーブ店長は親父さんと小夜の関係についても「血」という言葉に言及しており、この2人の共有する、「小夜の知らない何か」が根深いものであることを臭わせてくれる。

 小夜の不可思議な立ち位置を知ることになったのは、クラスのぶっきらぼう大将、時真君。何かにつけて小夜に優しく、必死に好意をアピールしているというのに、鈍感印の小夜にはなかなか伝わらずにあきらめ顔。しかし、幸か不幸か、(生きている人間の中では)一番最初に小夜の裏稼業を目撃することになった。しかし、そこから大きく話が動かないのもこの作品の不思議なところ。時真は愛しい彼女が言ってることなら何でもスルーかしら。ただ、「古きもの」のことを「化け物」と呼称した時真に対し、小夜は「それは古きものである」という風に訂正を促した。これはつまり、深層心理において、小夜は「古きもの」についてよく知っているということであり、「化け物と呼ぶべきではない」ことも知っている。あの連中が「古きもの」であるならば、それと対峙する小夜たち人類は、「新しきもの」ということになる。「古きもの」を「古く」ならしめているのは、一体どんな要素なのか。小夜たちの学園生活が「新しき」ものであるなら、のうのうと学校で生活する「新しきもの」たちを見る「古きもの」の胸中はどのようなものか。つまり、そういうことだ。

 もちろん、小夜にとってはあくまで「古きもの」は滅する対象である。しかし、その信念すら、どこで与えられたものかも分からず、何のために与えられたのかも分からない。思い出せないような仕掛けがしてあると犬っころは言うが、少しずつそうしたフィルターは剥がれ始めている。そして、いざことが失敗したと判断されれば、小夜は「罰」を受けることになるかもしれないという。「褒美」が何で、「罰」がなんなのか。犬っころは、そのことを知っているのか。

 そして、いよいよ安心スペースだと思われていた学校の教室にまで乗り込んできた多脚型の「古きもの」。やたらシンプルな化け物コンセプトを押し出したレトロタイプの「古きもの」だが、硬軟織り交ぜた攻撃による無差別殺戮っぷりはなかなかのもの。今までで最も多くの命を、出来る限りグロい方向で刈り取っていく様は、血の信徒たる古きものの面目躍如といったところか。今回は前半の動画部分が何だか適当だったので不安だったのだが、奴が現れてからの冗談めいた不気味さは存分にでており、グロさえちゃんと見られればある程度満足ではある。これって、DVDで光渡しは外れるのかしらん?

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