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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 聞こえず、届かず、第11話。他作品がクライマックスで重たくなりつつある今日この頃、今作におきましては、割とずっと重たいまま。

 ちなみに私ごとですが、なんか我が家の機材トラブルがあって今回冒頭5分くらい録画できてなかったのでその辺がまだ観られてないんですが、話の流れからしてそこまで大きな問題もなかろうというので一旦記事立てしてます。番組自体は来週のリピート放送で補完する予定。入っててよかった、ワンランク上のアニメチャンネルAT-X(宣伝)。

 さておき、そんなわけでずっと沈みっぱなしで、いかにも今作らしいじっとりジメジメずっしりな展開。比名子にとって、汐莉の欺瞞は思った以上に影響が大きかったらしく、その沈み具合は番組始まって以来最低ラインを割り込んでいる。思えば不思議なもので、元々「死にたい」方向に向かっていた比名子は汐莉からの「美味しくなあれ」という応援にねじくれたモチベをもらっていただけで、それがたち消えたからとてプラスからゼロになるだけのような気もする。しかし存外このカンフル剤は効いているつもりだったようで、気づけば劇薬がプラセボだった、というので一気にマイナスを突き抜ける。その重さはよりによってミコちゃんに降りかかり、「あのミコちゃんが全力で励まして、思い切って気持ちを打ち明けたのに届かない」という形で表されている。この世にもはやミコちゃん以上に比名子を想っている存在などいないわけで、彼女の想いが届かなかったとなると事態は絶望的だ。

 比名子の厄介なところは、その傾向に「死にたい」しかないという部分。普通に考えると、世の自殺志願者というのはほとんどの場合は「死にたい」の前に「生きたくない」がくるはずだ。何か辛いこと、悲しいことがあって、それが理由で「こんな場所は嫌だ」という逃避が起こり、その結果として死という逃げ道を選択する。比名子も「悲しいことがあった」のは共通しているが、彼女はそのせいでこの世界に苦しみを感じているわけではない。あくまでも「家族3人に置いて行かれた」「一緒に逝きたかった」という願望が表れているだけで、いわば向こう側に「引っ張られて」いる形。「生きたくない」であれば苦痛の種を取り払ってやれば姿勢は前を向くが、現在の比名子は強烈に向こう側へのベクトルが働いている。汐莉の振る舞いは結果的にその背中を蹴り付けることになり、比名子の死への妄念は止められない状態になってしまった。

 厳密に言えば、別に比名子の家族は「水難」で死んだわけではないので海に漂う有象無象の中には含まれていない気もするのだが、汐莉の言う通り、海には歴史を重ねたどうしようもない「死」が積み重なっている。これまで何とかその呼び声に抗い続けていた比名子も、このタイミングでは抵抗の術を失った。比名子の周りにずっと出続けていた「沈み込む」エフェクトも今回は最も濃くなった。もはや、海の底への道行きを妨げるものは何もない。

 最後の一歩で、汐莉が間に合うまでは。

 さて、どんな言葉なら、比名子を「こちら側」に戻せるやら……。

 

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