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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「LAST EXILE –銀翼のファム-」 6

 サァ来た、ヤレ来た、どんと来た。ある意味、昨今のアニメ業界シーンを語る上では欠かせない存在となるであろう、期待の1本。生きているうちにこれが拝めるってんだから、人生というのも無駄にだらだらと生きながらえてみるものである。

 前作「LAST EXILE」が2003年製作。実に10年近くもの間をおいての続編である。そして、その間に起こった出来事といえば、当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったあのGONZOが業務解体、GDHに吸収合併という悲しい凋落の物語。アニメ業界の商売としての難しさを、視聴者層にも実にリアルな形で突きつけてくれた。もっとも、わざわざそんな事実を知らずとも、中期GONZO作品のグダグダっぷりを見れば、嫌でも「この会社、大丈夫なんかな?」というのは伝わってきたんだけどね……ちなみに、現在私はたまたま知り合いから借りた「SPEED GRAPHER」のDVD全巻走破を実施中なのだが、まぁ、そりゃもう、凄いですよ。製品版とは思えないくらいにね。ただまぁ、2004〜2007年あたりは、本当にひどい作品もゴロゴロしてたので、何もGONZOだけに言えたことじゃないとは思うんだけどね……

 ちなみに、馬鹿にしているように見えたらまずいので補足しておくと、わたしゃあの当時からGONZO作品はかなり好きだった。「カレイドスター」の栄光は永久に色あせることはないだろうし、「砂ぼうず」「バジリスク」といったストイックな製作姿勢も、今となってはあの時代特有の怖いもの知らずなチャレンジだった。「キディグレイド」や「シャングリ・ラ」など、どれだけ好きだったかは過去の感想を振り返ってもらえば分かると思う。全てにおいて全力で振り切れるために、滑った時に取り返しがつかない愛すべき馬鹿野郎、それがGONZO。

 さておきこの作品だ。実をいうと前作の時には私はアニメを見る体勢が整っていなかったため、一応シリーズは見たはずなのだが、中身はさっぱり覚えていない。とにかく、その圧倒的なCG技術と精巧なキャラクターデザインに、「(当時の)現代アニメとはここまで来たものか!」と驚嘆したことだけを覚えている。あと、声優・斎藤千和の華々しい歴史の1ページとしての印象も強いかな。お話をあんまり覚えてないってことは、つまり単にオープニングの見事な映像なんかを見てるだけでも満足していたってことかもしれない。

 時は流れ、今や2011年。あの当時のようにちょっと頑張ったCGなんかじゃ売り物としての押しにはならない時代。改めて当世風に作り直された「LAST EXILE」の世界は、むしろ丸くなったような感すらある、ちょっと予想外のものだった。確かにヴァンシップを含むCGバリバリの空戦シーンは相変わらず。無体なまでの大規模空中戦を「それらしく」見せて、なおかつシャープで格好良いのは素晴らしいのだが、今なら他のスタジオも頑張ってやればこれくらい出来るだろう、って気もする(特にサテライトあたり)。そして、「シャングリ・ラ」までの最大の見どころであった村田蓮爾の手によるキャラクターデザインも、前作のような完全な再現度を求めるものではなく、いくらか馴染みやすいようにチューンされ、いかにも現代の「萌えも同時に狙えます」みたいな形に落ち着いた。見やすくなった上でちゃんとCGシーンとの接合もシームレスで実現させているのは流石の一言だが、あのやや癖の強い蓮爾画を楽しみにしていた身としては、ちょっと拍子抜けだ。

 しかし、やはり面白い。いや、面白そう。1話目での期待感は、かなり高いものになった。「他所のスタジオでもマネできそう」とは言ったものの、やはりこの映像美はそれだけでオリジナルの売りになるし、千明監督の手による手慣れた導入構成が見事にはまっている。前作のクラウスと比べて、あまり面倒なことを考えずに済みそうなファムのキャラクターが、無体なまでのど派手な戦艦バトルに真っ直ぐ突っ込める下地を作っているし、「たかだか空族の小型ヴァンシップ程度で戦争に行こうとしてる大艦隊に対抗できるわけないやん!」という当然の突っ込みも、いかにも「悪人」らしいこすっからい作戦を駆使して何とか打開してしまう大味さがたまらない。1話目ってことで世界観導入や歴史背景の説明なども織り交ぜつつで、1本の「戦争模様」をきちんと起承転結を含めて時間内に収めたのは、本当に見事である。魅力は前面に押し出しつつ、多少の穴や難点は見えないように勢いで誤魔化す、お手本のような1話目であった。構図がシンプルで見やすいので、次回以降も労せずシナリオが追えそうな安心感も大事です。

 そして、なんといっても中の人の話。前作は、実は喜多村英梨、花澤香菜といった今をときめく看板声優たちがこっそりと出演していたことでも有名だが、今作はメインをその花形声優たちでガッツリと固めてしまい、そっち方面にやかましい人間にも大量のごちそうを用意して待ち構えている。メインを務める豊崎愛生・悠木碧のコンビがまずワンパンチ。豊崎がここまで男の子っぽいトバし気味の役でメインを張るのは初めてな気がする。ちゃんと一番のセールスポイントである甘ったるさも残しつつ、低音域でエネルギーを飛ばし続ける演技プランが本当にお見事。パートナー役のあおちゃんは、今期よく見る「抑え気味の」役。大丈夫、はっちゃけ側は「ベン・トー」とかで補充するから。なんかもう、この2人がしゃべってるのを聞いてるだけでテンションが止まらない。

 そして王国のお姫様側に回るのが、沢城みゆき・茅野愛衣という「年甲斐もなく落ち着きすぎだろ」コンビ。ただひたすら、かやのんが過労でぶっ倒れないことを祈る。その他、前作で華々しい戦果をあげた千和が今作ではサポートに回り(またみゆきちより年下の役だ……)、敵役としても強烈なインパクトを残したディーオがそのまま登場するという嬉しいサプライズ。相変わらずの性格のままで、素敵なノダジュンボイスを聞かせてくれる。そういや彼女が大活躍した「灰羽連盟」も前作と同じくらいの時期だったっけ。何一つ変わらない声を聞かせてくれるのは本当にありがたいです。

 想い出補正半分、理屈抜きの期待半分のこの作品、はたしてどんな形で「新生GONZO」を見せてくれるのか、期待は高まるばかりである。

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