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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「キングダム」 3

 なんだか中途半端な時期に始まったNHKアニメ。全38話のBS放送ってことは現在地上波で再放送している「へうげもの」と同じ構成だと思うのだが、それにしても時期が変だな。見逃さずにすんで幸運だった。

 とはいえ、1話目を見た第一声は、「なんじゃこりゃ」である。制作はぴえろであるが……何これ? このもっさりCGモデルは何がやりたいんだ? 原作のことは何も知らないし、春秋戦国時代の中国の軍記物なんてなかなか楽しそうなセッティングだが、合戦の様子を描くのが最大の眼目であるはずのテーマ性で、この味も素っ気もないモデリング丸出しの描画は流石に話にならないんじゃなかろうか。まず、全てにおいてとにかく「軽い」。2人の少年主人公の剣戟も軽いし、画面を埋め尽くす軍勢でぶつかり合うはずの大合戦も軽い。もちろん、雑魚兵士は全部同じモデルを並べているだけなので、PS2初期のどうでもいいゲームのでもムービーを見ているような気分にさせられる。その他にもあらゆるオブジェクトに臨場感が無く、二人が担いでいた大きな荷物や、ぶっ壊された家の壁、たたきつぶされてしまった人間にいたるまで、単に「そこにあること」のサインとして示されているだけで、「それがある意味」が無い。10年前ならこれでも「すごいCGだ」と喜ばれたかもしれないが、今のご時世にこれを真正面からやられても、全く感慨もないし、一切うまみはないだろう。

 制作側から見たら、これは効率の良い省エネ作画なのだろう。動かし始めれば原画を落とし込む要素も少なくなるし、確かに慣れてしまえばこれだけでも「シナリオ」は作れる。実際、50分の拡大放送だった1話についてみれば、お話だけならそれなりに興味を引くものだ。それなら、あとはここに必要なのは「アニメである必要性」だろう。キャラクターの顔もパターンが限られるおかげで、どんな会話にも感情が付いてこず、「出来たらこれは原作漫画で読みたいもんだ」と思われてしまった時点で存在意義がない。「へうげもの」も含めて数々の名作アニメを世に送り出してきたNHKが、何故今になってこのような無謀なチャレンジを試みているのだろうか。意図がよく分からない。

 どうなんだろう、こういう新しい画面を見て拒絶反応を示すのは、単に狭量なだけなのだろうか。しかし、少なくともこの技法では、私がアニメに求めているものは得られそうもない。決して作り手側が怠慢を働いているとか、原作シナリオがつまらないとかいうのではないだけに、この方向性で始まってしまったことが残念でならない。いっそのこと、シナリオがどうしようもないくせに映像だけで見続けなきゃいけない「氷菓」と相取っ替えしてくれないだろうか。この技法で作られた「氷菓」なら確実に見ないですむし、京アニが作った「キングダム」なら、おそらく毎週が劇場版クラスだ。ただ……確実に過労で何人か社員が死ぬだろうけど。中華大活劇が見たいなら、現状はマッドハウス版の「蒼天航路」で足りてる気がする。

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