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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 続けてまだまだクライマックス、第24話。その荘厳さ、華々しさが際だった23話に比べると、こちらは何とも理屈っぽいお話。だが、その幕開けを飾る2つの戦いは、もうこれでこの作品も終わるのか、というちょっとした寂しさも吹き飛ばす、実に愉快なものであった。

 切嗣と綺礼、よくみりゃ実に似ている2人の男。その対決は、これまでの英霊達の派手なバトルと比べれば地味な格闘戦のはずなのだが、お互いに自分の手の内と相手の力量を読み切った上で、全然違う2つの思惑、2つの人格がぶつかり合う様子がエキサイティング。正直、一体何がどう転がって決着がついたのかはよく分からん部分もあるのだが、ここまで来てそれを言うのも野暮ってもんだろう。最強戦力と最強戦力がぶつかったら、とにかく何かすごいことが起こるのである。アホな感想だが、そういや「刀語」の右衛門左衛門対七花の時もそんな感想だった気がする(奇しくも片方の中の人が一緒だったりする)。

 そして、23話から跨いで展開されたセイバーVSバーサーカーの因縁の対決は、ここで描かれた3局の戦いの中では一番見ていて面白いもの。バーサーカーの無茶な能力設定は正直あんまり活かせてない気もしたのだが、多分、マスターである雁夜さんがあんな状態になってたせいで限界が来てたんだろう。相変わらずの豆腐メンタルのセイバーが正体を見てショックを受けていたにも関わらず、最終的には真っ向勝負の剣対剣で敗れる結果に。それでも、途中でのいきなりマシンガンな展開とか、セイバーが近くにある車をひっくり返して盾にして突っ込むシーンなんかは「もう何でもありや!」というけれん味たっぷりの壮絶バトル。ようやくセイバーがセイバーらしい活躍を見せたのだから、相手方を務めたバーサーカーも満足したのではなかろうか。まぁ、マスターは人知れずひっそりと死んじゃったけど……。

 2つの戦いが終わり、聖杯は動き出した。その禍々しい正体はあくまでもアイリの姿を取り、更に精神世界で切嗣に「答え」を提供する段になると、今度は切嗣自身の声を使った。衛宮切嗣という男の理想がいかに歪んだものであるか、そして、それをかなえる聖杯が、いかに歪んだ存在であるか。いざ手に入れてみたところで幻滅するなんてことは何かの賞品にはよくあることなのかもしれないが、あまりに純粋に夢を見すぎていただけに、切嗣の失望は想像することも出来ない。どこまでも冷徹に振る舞っていたはずの男が、結局最後には一番の理想論者だったというのは、何とも皮肉の効いたオチである。

 聖杯によって提示された答え(というか解決案?)とその説明は、やはり何度聞いてもどこか馬鹿げていて、子供の考えた理想論をそのまま形にしたような、なんだかこの作品の空気に不釣り合いな印象を抱く。今回の船の例えだって、答えるのも馬鹿馬鹿しい部分もあるし、何か理不尽なことを言われたような状態になっていたが、どちらにしたって詭弁は詭弁。水掛け論をしているだけのこと。今更そんなことを言われたって、単なる言いがかりじゃないか、と思える程度のお話。しかし、結局そんな幼稚な話になるのも、切嗣の持っていた「理想」が幼稚だったことの裏返しでしかない。絶対に正しい正義なんてものがあるわけ無い。そんなことに目をつぶって見ないふりをしていたら、そりゃぁいびつな結果にもなろうというもの。

 ただ、それでも切嗣がかろうじて保てた矜恃は、土壇場に至ってもその幼稚な「願望」を捨てきらず、守ったことだろう。秤の針を振れさせないためにはどうしたらいいか。答えは簡単で、そこにものを載せなければいいだけの話。そんな答えに切嗣を導き、甘い夢でもって片をつけようとした聖杯の意志。そこに現れたイリヤとアイリを、切嗣は涙ながらにその手にかけた。どれだけ夢が打ち砕かれても、そこに残ったのは切嗣の意志だったようである。「素手で首を絞めて殺害する」という構図が以前の雁夜の行為と綺麗にオーバーラップするわけだが、あちらは完全に激情に任せての行為で、錯乱の果てに前後の脈絡が繋がらず、一番「自分がやってはいけないこと」をやった結果。切嗣の場合は、最後の最後まで「自分がしなければならないこと」をやった結果。そう考えれば、まだ切嗣の夢の方が救いはあったのか。

 最後に残されたのは、既にマスターたちの意志を完全に離れた2人のサーヴァント。相変わらず自由気侭なアーチャーに迫られる、拠り所の無いセイバー。バーサーカー戦で彼女は身体に傷を負ったが、より深刻なのは、彼女の生涯を否定する形で現れたかつての臣下・盟友の存在。かつて聖杯問答でライダーに諭された彼女の「未熟さ」は、結局聖杯を眼前にしたこの時まで影を落とし続けたのだ。

 聖杯にすがるしかないサーヴァントと、聖杯に打ちのめされたマスター。どこまでも相容れずに来た2人の関係は、結局どうしようもない形で終わりを告げる。最初からゴールとしての「zero」が見えていた物語なのだから驚くべきことではないのだが、やはり一連の事件の積み重ねの果てにたどり着いたのがこの有様なのかと思うと、なんともやるせないものである。次回は宴の始末。どんな余韻が後に残ることになるやら。

 最後にやっぱり蛇足なんだけど……なんか、最近アイリの中の人が惨殺されることが多い気がするんだけど、大丈夫かな。首締められた時の声とか、マジで怖いんだよ。声優さんって、大変だなぁ(すごく今更)。

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