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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 随分空いた気がする第10話。完全にサイドなストーリーが1話入った上に1週休みだったもんだから、冒頭で千紘が拉致られてるの見て「あぁ、そういえば」ってなったよ。

 本筋に戻って、拉致られた千紘の視点から謎めいた散華家の過去が紐解かれていく。語り手は礼弥の義母、亜里亜。散々飲んだくれていただけのキャラクターだった彼女の内幕が、今回一気に明かされることになった。これまでのストーリーから、散華家は基本的に「異常なしきたりを持ち、礼弥に不幸を押しつける諸悪の根源」であると思われていた。禁忌的な愛情を注ぐ団一郎と、それを見ても一切娘を助けようともしない亜里亜。単なる「駄目な名家」がそこにあると思っていた。しかし、今回の話を見る限り、どうにもそう簡単な二極対立にはなっていないようである。亜里亜はもちろん、団一郎にも、「ああなって」しまうだけの理由というのはあるものだ。

 まず、散華団一郎という人物が持つ「正しさ」と「過ち」。最も意外だったのは、家柄・血筋を大事にしているお堅い人間だと思っていた団一郎だが、彼は若かりし頃、意中の相手を求めるために一度は家を捨てる決心までしていた。彼の目には家から用意された「花嫁候補」などはいっておらず、たった1度の会話だけでもって、家柄もなく、人並みの身体機能すら有することが出来なかった純真な少女こそ理想の相手だと見据えたのだ。そう考えると、彼の価値観、ものの考え方は、実に高潔であるし、立派なものであると言える。彼は、俗っぽいレッテルなどではなく、あくまで自分が求め、自分が必要としているものに対して純粋であるだけだったのだ。考えてみれば、彼がこれまで行ってきた奇行、蛮行の数々も、ただひたすら「礼弥を守る」ために行ってきたことであり、自分のための打算や、計算尽くの行動などではなかった。

 そして、そんな団一郎に見初められて玉の輿を狙う亜里亜。彼女についてもまた、実はその胸の内に純粋なものを秘めていたことが分かる。確かに、最初のうちは他のメイドたちと同じように散華の家を狙っての作戦であったかもしれないが、彼女が団一郎に尽くしてきた心遣いは本物である。「相手に取り入る」というのはあくまで打算を承知した行為者の側からの見方であり、行為の受け手から見れば、それはあくまで「やって欲しいことをやってくれるありがたい存在」である。そして、実際に「やって欲しいことを的確にやる」には、非常に神経を使わねばならない。それが出来ていたということは、狙いはどうあれ、亜里亜は団一郎にとって「ありがたい」存在であったはずなのだ。

 しかし、残念ながら亜里亜の願いは団一郎には届かず、そうこうしているうちに彼に大きな不幸が訪れてしまう。最愛の人を失った団一郎は、この時点でどこか歪んでしまっていた。そして、そんな彼にひたすら尽くし続けた亜里亜も、彼の妄執に巻き込まれていくことになる。願い叶って後妻として散華家に加わった亜里亜だったが、気付けば彼女が望むものは「団一郎の愛情」になっていた。打算から動いていたはずの行為が、気付けば純粋な愛情になっていたのである。そして、既に団一郎はそれに応える能力を失ってしまっていた。そこには、何の罪もない礼弥という異物が入り込んでいたのだから。

 こうしてみると、誰が悪いこともない、本当に悪い偶然が重なった結果である。団一郎の悲劇にはかける言葉も無いし、それを見続けてきただけに、亜里亜の心中も思って余りある。どこかで修正出来たかもしれないが、結局どうにもならなかった「家族」の姿がそこにはある。そして、そんなどうにもならない状態の「家族」に、今、降谷千紘が飛び込んできたのだ。ノイズとしての彼の影響で、まず亜里亜の仮面がはがされた。娘のボーイフレンドに迫る亜里亜に対し、千紘は当然それを突っぱねた。全ての拠り所を失った亜里亜の正体は、単に恋に焦がれ、夢破れた一人の女の子でしかなかった。思えば礼弥のゾンビ化も彼女にとっては本当に可哀想なイレギュラーであり、ようやく団一郎の思いを自分に向けられるようになったかと思ったら、死んだ娘が呪いのようにつきまとってくるのだ。そりゃぁ、おかしくなっても仕方ない。少女のように泣きわめく彼女を見ていると、なんだか本当に申し訳ないような気持ちになってしまうのである。

 そして、最後に残されたのは、ゆがみから解き放たれていない最後の砦、団一郎ということになる。純愛を貫き通し、自らを強く持ち続けた1人きりの男の戦い。人生で2度目の「最愛の人の死」で挫けかけた彼だが、ゆがみを大きくする方向で、彼はまだ立ち続けている。彼の妄執を、千紘はどのようにして解放することが出来るのだろうか。正直、ここまで来たら誰も不幸にはなって欲しくない。円満な解決を期待して、次回を待ちたい。

 ちなみに、今回は若干動画面で不安の残るシーンも見られたのだが(フェンシングのシーンとかかなり微妙だった)、相変わらず、1つ1つのカットの見せ方に気が利いているので、あまり動きが無くても気にならない。今回は壁の穴から団一郎の様子をのぞき見る亜里亜のシーンがものすごく胸に詰まった。見開かれた目の変化と、切り替わるシャッター音、切り替わる画面。目の前に広がる1つ1つの「景色」が、亜里亜に絶望を刻み込んでいく様子が痛々しく伝わってきた。そして、やっぱり人妻はエロかった。

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