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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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想像以上に最終話。事ここに及んでオリジナルエピソードということで正直不安だったのだけれど、実に良い終わり方になったのではないでしょうかね。西尾維新の無難な仕事ぶりに安心させられる一本。

 最終話のみ許されたオリジナル展開ということで、期待すべきことは大きく2つ。1つは「アニメならではの何かが見られるか」という部分。どれだけ頑張って演出面でフォローしても、普段放送しているエピソードは全て「漫画原作」という枷がついたものである。その構成や見せ方については「漫画によることを前提とする」ものであって、必ずしもアニメにしたときに最大限の効果を発揮するものではない。そこで、今回は改めて「アニメになったときに見栄えがする」ものを最初から想定して作ればどうなるのか、ということが見たかった。結果から言えば、まぁ、そんなこたぁ毛ほども感じさせない出来である。アニメだろうが漫画だろうが小説だろうが、西尾維新はいつも通りである。そういう意味では肩すかしではあるが、むしろ「平常運転か」と思えば安心出来るという見方も出来るか。オリジナルキャラでわざわざアニメにする意味が薄そうな将棋部員を持ってくるあたり、本当にひねくれていて最低である。

 そして、なんで将棋部なんて地味な題材にしたのかというと、今回のエピソードで期待されたもう1つの要素である、「アニメ1クールの最終回としてのエピソード」という要素を満たすための必要条件であったからだ。今回のテーマはサブタイトルに表示されているように非常に分かりやすく、「黒神めだかがいないことによって、黒神めだかの存在感を最大限に示す」ことにある。最終回に主人公が一切出てこないというひねくれた構成も憎たらしいが、「不在」によって「存在」を浮き彫りにするという構成は、過去にも実に多様なメディアで用いられた定番の演出方法。そして、今回はそうした「めだかの不在」が「穏やかな生徒会」に表れており、「緩やかな時間」を表示するために選ばれた題材が、将棋部であったというわけだ。

 「無くした駒を探して欲しい」という依頼も地味だし、事件そのものの構造もおしなべて地味。餅原と鉈山の対立構図にしたって、「楽しい部活と勝つための部活」という、部活動を描いた物語の永遠のテーマであり、新しさは一切無い。しかし、そんな中でもきちんと「めだかちゃんがいない生徒会」の活動が描かれ、3人の役員がそれぞれに「めだかちゃんの生徒会」のために行動していることが分かり、その背後にある生徒会長の存在感を示してくれているのだ。原作では、雲仙戦から次のアブノーマル対決までは具体的にどれくらいのブランクがあったのかは描かれていないが、めだかちゃんの超人的回復力を考えると、さほどのタイムラグは無かったはず。それでも「空白の期間」があったことは確実で、この間に、生徒会の面々がどのように成長を遂げていたのか、というのは原作で描かれていない部分だったので、ファンからすると嬉しいボーナスであった。

 個々に見ていくと、阿久根は大した変化は無い。彼の場合は大きな変化がもたらされるのがノットイコール編と随分遅れているので、まぁ、それは仕方ない。ただ、変わってきていることが分かるのは、善吉との関係性において、だろう。雲仙編の前までは何かと反目することが多かった2人なのだが、この後のアブノーマル編になると、それまでの仲の悪さが無かったかのように妙な相性の良さを見せることになる。この、間を埋める「少しずつ理解を深めている期間」が今回のお話と考えられる。具体的には、阿久根が鉈山に解決策を提示し、立ち去ろうとするシーンなんかが象徴的だろうか。阿久根は「窃盗事件について教師に報告して手打ちとする」という、至極一般的な解答を提示しているが、そこに善吉が「めだか的な」解決を示すために割ってはいる。本来なら、阿久根はここで善吉を止めるべきだ。「勝負する」なんて無茶な提案は、常識的な解決を提示するような人間ならば受け入れられるはずがないのだから。しかし、阿久根はこの善吉の提案について、事前に打ち合わせでもしていたかのように、何も言わずに受け入れている。これはおそらく、「自分がまず一般論としての解決を示せば、善吉が生徒会長の意志を受け継いで更に上書きしてくれるだろう」という役割分担が出来上がっていたおかげである。この時点で、阿久根はある程度善吉との関係性を完成させており、その中で自分の立ち位置を把握しているものと思われる。

 他方、もがなちゃんについては、実際の事件の最中はあまり出番が無い(せいぜい、例の「無理矢理良いことを言おうとしてテンパる」そぶりを見せたくらい)。その代わり、冒頭の生徒会室のシーンで、「めだかとトラブルの種」というテーマで自らの見解を述べている。それを見る限りは、既にもがなちゃんも自分の立ち位置を理解し、めだかちゃんの存在意義を特定しているように見える。この後、実はもがなちゃんとめだかちゃんは2人きりで遊園地に遊びに行くほどの仲になっていることが明かされるわけだが、おそらくこのあたりの時期に親交を深めたのだろう。それにしても、将棋の駒のお値段にまで精通しているとは、さすがの金の亡者。

 こうして、三者三様のあり方で「生徒会」に接する3人は、まだまだ完璧なチームワークとは言い難く、ちゃぶ台の片付けひとつまともに出来ない状態ではあるのだが、確実に「黒神めだか」に吸い込まれるようにして、ひとつになろうとしている。「黒神めだかがいなくても」誰かがめだか役を演じ、誰かがめだかを思う。そんな目に見えない完成形が、きちんとこの最終話の中で描かれていたのではなかろうか。個人的に、この「めだかボックス」はバトルに入ったり球磨川が出てくる以前からのファンだったわけだが、実はバトルなんかにならずにダラダラと生徒会活動を続けてくれているだけでもいい、と思えるくらいに、こういう「普通のお悩み解決」エピソードが好きなのだ。バトルはバトルで面白味もあるのだが、なんだかこまっしゃくれた西尾維新の「日常感」が見える筋書きの方が、オリジナリティがあって面白いと思うのですよ。まぁ、同意が得にくい部分ではあるし、今回のシナリオだって何が面白いかと言われれば説明は難しいんだけどね。

 アニメ的に見ると、今回のボーナスは餅原・鉈山というオリジナルキャラの登場である。2人ともなかなか良いデザインだったし、こんな一発キャラなのにきちんと「立って」いるのがすごい。鉈山の方は割とありがちな「ちょっとした跳ねっ返り」程度だが、餅原先輩の「強いんだか弱いんだか、優しいんだか心ないんだか分からない」微妙な造形はなかなか面白かった。「頭を押さえてないと」云々が最後に何かの伏線になるのかと思ったら全然そんなことが無かったあたり、毎度のことながらひどいキャラ設定ではあるが、頭を押さえてわたわたする仕草が可愛いだけでも充分。ビジュアル面の良さもさることながら、やっぱりアニメといったら中の人。ゆかち演じる餅原先輩は、まぁ素直に「可愛い」。つまりゆかちが可愛い。ゆかち可愛い? うん、ゆかち可愛い。そして鉈山先輩の方は、安定の画伯である。小林ゆうの起用法ってのは実に難しくて、あまりに個性が強すぎるために時として「完全に嘘」になってしまう場合があるのだが、こうして聞いてみると、西尾維新の嘘くさくて「芝居がかった」台詞回しとは相性が良いようである。もうちょっと活躍が見てみたかったもんだなぁ。

 とまぁ、色々とありつつも充分「締め」に相応しい良作エピソードになったと思う。あとは当然、分かっちゃいたけど2期目に期待しながらの終幕。古賀ちゃんや名瀬先輩の活躍が早く見たい、そしてその声が早く聞きたい。都城だけキャストが事前に明かされたわけだが、期待と違ってちょっとショボン。中の人、つい最近どこかで名前を見たと思ったら、「ヨルムンガンド」のウゴの中の人だった。縁起悪いわ!

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