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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 えっちゃん編決着、第9話。2人の関係はむしろ始まったばかりなので決着ってのも変な話ですが、今、一つの百合が終わり、ここからが真の百合の幕開けなのです。

 本当にせんのないことだけど、時たま真面目に考えてみたくなることがある。「百合好き」にとって、望ましいゴールって一体どこなんだろう、と。我が心の百合バイブルは「ささめきこと」なわけだが、もちろん「マリ見て」のような関係性だって充分素敵だと思う。しかし、「ゴール」とは何かはなかなか難しい問題。まぁ、普通の男女関係だって「ゴール」って何かと問われたら答えは無いのかもしれないが、百合の場合にはそこが更に曖昧だ。

 高校生という年齢を考えれば、花火とえっちゃんに訪れうるゴールは割と簡単だ。「2人が正式に恋人宣言をしてカップルになること」。アニメーションの百合関係としては珍しく、2人はすでに肉体関係はクリア済みなのだが、花火の方に麦・鐘井という「隠れみの」があったせいで、2人はあくまで「身体だけの関係」を維持していた。そこで、えっちゃんは花火の二重失恋(?)を契機に、駄目もとで「ゴール」を狙ってみようという最後のチャレンジに挑んだわけだ。場所は避暑地の大定番、軽井沢の別荘。男女の仲ではそう簡単に2人きりの旅行なんてセッティング出来ないし、出来た時点でもうクリアみたいなところがあるが、女性同士ではそうもいかない。あくまでも表向きは「友達どうしの夏の行楽」。その裏にある意味を2人とも分かっていたとしてもだ。

 事ここに及んで花火が「クズ」であり続けているのは、そうした「本当の意味」を分かっていながらも、傷心旅行のためにホイホイと誘いに乗り、えっちゃんに期待を持たせてしまうところ。鐘井との関係が断たれ、麦にも裏切られ、そこからえっちゃんの胸に飛び込んでなにもかもを投げ出したい、というなら、それはWIN&WINの関係なんで問題無い。しかし、えっちゃん本人が言っている通り、「花火は絶対自分のものにはならない」のである。花火から好意は向けられない。それでも、2人きりの旅行には来てくれるし、同じ布団に入って受け入れてもくれる。そんな状況に「親友」を放置するのだから、本当に最低なのだ。

 しかし、そうして2人きりで悶々と避暑地の日々を過ごすことに待ったをかけた救世主が1人。えっちゃんの従兄弟・ノンストップKYボーイの篤也である。前回も書いた通り、彼は今作では数少ない「クズじゃない」側の人間。いや、確かに空気を読まずグイグイ来るのは明らかにアンフェアだし、違法行為になってる可能性すらあるが、行動の裏に含みを持たせたりしないし、自分の意志をはっきりと伝えてから相手の反応を待つあたりは紳士。相手のことも考えられるし、自分の立場もある程度わきまえている。彼がもし「クズ」に見えるのだとしたら、周りと取り囲む環境の捻れ具合がおかしいだけなのだ。「2人きりの日々」というベストコンディションをぶち壊されたえっちゃんは当然キレるわけだが、こうして怒りを買うのも篤也の想定の内。「最後に最高の思い出を」なんて身勝手で刹那的な選択は許さない。えっちゃんを締め上げて崖っぷちに立たせ、更に花火にも脅しをかけることで、「この旅行中の」決着を確定させる。ひどいようにみえて、これはファインプレイである。何しろ、今の花火だったらマジでえっちゃんの肉食パワーに押されて丸め込まれていた可能性は低くないのだ。えっちゃんにブレーキをかけることでそうした「なし崩し」を未然に防ぎ、更に真性のクズである花火に釘を刺すことでなあなあの結末を許さない。2人の未来を考えれば、篤也の立ち回りは本当に見事なものだった。

 結局、「これを最後に潔く散る」というえっちゃんの男らしくも儚い計画は実現してしまう。どれだけ心の隙間を狙おうと、やっぱり花火は自分のものにはならなかった。2人の関係は百合ではないのだ。百合少女と、それを受け入れるだけのノンケの少女の友情物語なのだ。2人の間に広がる決定的な溝は、(分かっていたことだが)この旅行で決定的になり、えっちゃんは2人の未来、花火の未来を思い、身を引くことを宣言する。苦しいのは自分だけ。花火はこれから新しい出会いを探していく。そう思えば、辛くはあるが思い出にはなるだろう。

 しかし、そんな美しい幕切れを、花火は認めない。「親友」の一世一代の決断を、花火は踏みにじる。恋人にはなれない。えっちゃんの望むような関係性は訪れない。しかしその上で、新しいステージは見えそうな気がする。そこにあるのはこれまで以上の友達関係。まさに「友達以上・恋人未満」という贅沢な繋がり方だ。そんなことを言われても、えっちゃんは当然キレるだけだ。自分の決意を何だと思っていやがる。そんなお為ごかしのお友達ごっこなんかやってられるか。しかし、花火のわがままは止まらない。「慣れるまで待つ」とか言ってのける。あくまでおかしいはえっちゃんの方。自分が望む新しい関係性に、何とかして合わせろ。お前の本心などぶち壊して、作り直して、私の望む関係性を構築しろ。花火はそう言っているのだ。

 本当に救いようのない、エゴイスティックな物言いだ。しかし、こうして花火が臆面もなく「本心」をぶちまけられたことは、えっちゃんの功績であったのだ。どこか醒めたスタンスの花火の心に、ここまで食い込めたのはえっちゃんだけだったのだ。だからこその無茶振り、だからこそのわがまま。いわれた方はたまったもんではない。しかし、この選択は、同時にえっちゃんを救いもする。「自分が儚く散って消えてしまえば済む」という今回の結論は、確かに綺麗ではあるが、あまりに一方的で救いが無い。えっちゃんはずっと花火の亡霊を背負いながらこの先の人生を生きていくことになるだろうし、花火もそれを重荷にしてしまう。潔いように見えて、刻む傷跡の大きさを考えれば実はかなり加虐的な幕切れなのである。花火は、それを止めたのだ。

 「決して自分に向かない好意に挑み続け、破れたから新しい関係を築け」なんて、それがどれだけ辛いことかは今の花火が一番よく知っていることだ。しかし、だからこそそこで終わってはいけないという思いがあったのだろう。自分の中で鐘井をただの思い出にするべきなのか。すっぱり切れたと思い込み、新たな人生を歩めるのか。それが出来ないと分かっていたからこそ、花火はえっちゃんを引き止めたのである。たとえ今は苦しくても、出会いを、絆を失うようなことをするなと、無理難題を押しつけたのである。これが花火の最大限の「友情」。そして、それを受けるしかないえっちゃんの「愛情」。二人の関係性は百合なのかどうか、結論は出ないが、少なくとも汚くはないし、忌むべきものでもない。ただ、答えが出るまでにはしばしの時間を要するのだろう。

 さて、こうして幕を閉じたえっちゃんとの関係性。新学期になって花火は気まずさを抱えながら学校に向かうのだが……花火の脳裏をよぎるビジョンは、なんとえっちゃんよりも先に麦なのである。まぁ、そこが「本当」か「嘘」かの境目なんだろうなぁ……。そんな思われ人の麦は何をやっているかというと……家庭訪問プレイです。DMMの広告ですすめられるようなヤツです。茜さんは相手を興奮させるためだったら何だってノリノリです。もう、本当に最高に最悪です。DEAD ENDしかないと分かっているルートを選ぶしかない麦さん。本当にもう……。

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