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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「ダーリン・イン・ザ・フランキス」 5→5

 新番組もガシガシ始まるこの時期に、ようやく終わった今期最後の終了作品。今期感想が書けた作品総数は36本。春クールの新番チェックが48本だったことを考えると、2クール作品との絡みなんかもあるが、かなり数を減らしたことになる。これは、今期意図的に切る作品を増やしたことによるもので、例えば一応最後まで視聴・録画していた「カリギュラ」「されど罪人は竜と踊る」あたりは、もう途中から頑張ってみる気も無くしていたので評価する権利がない為に放棄した。他には「実験品家族」「東京喰種:re」など純粋に切った作品もあるし、最大の問題としては「BEATLESS」「フルメタル・パニック!」など、こちらの都合と関係なく感想が書けないものも……いろいろ複雑化していますね……まぁ、今作は感想が書けるだけでも感謝すべきだろう。

 しかし、そんな最後の1作は、これがなかなか難しい作品である。誤解を恐れず一言で言えば、今作は期待されたゴールにたどり着けなかった作品だからだ。本当に評価するのが難しく、例えば同じ2クール作品の「刀使ノ巫女」と比較してみると、あちらはスタート時点で4点から始まったけど、回を増すごとに5点、6点と点数を加算する展開で、最終的には良作と言える位置に落ち着いた。それに対し、こちらの作品はスタート時に平均点やや上くらいの印象を与え、途中中だるみするも、1クール目終了のタイミングくらいで見事な盛り上がりを見せ、心踊るメカニック描写や驚きを伴うスリリングな展開から「いやぁ、さすがにトリガーのオリジナル作品は気合が入っているな」と感心させられた。途中で毎話感想を書くくらいにちゃんと読み込んでいなかったことを後悔したものである。

 しかし、その雲行きが怪しくなったのはいつからだっただろうか。叫竜の姫がその正体を現し、「パパ」たちもその真の目的が露見する。パラサイト達の苦闘は何がゴールなのかわからなくなり、まさかの展開で最終決戦は宇宙へ。そのまま、作品の中心にあるべきヒロとゼロツーだけが独立部隊として明後日の方向に消え、残りの面々でアグリコラを始めるというよくわからない結末に落ち着いた。意外な展開が「オォ! そういうことか!」から「えっ、何でそっちに行くの?!」に変わってしまった明確なポイントは定かでないが、個人的にはココロとミツルの結婚式後に、2人が記憶を消されてケロッとした顔で帰ってきたあたりで「あれ、これ作中の齟齬を解消する気は無いのでは……」ということにようやく気付かされた。幾ら何でも、要素を盛り込みすぎて畳むことを考えていないのは明らかである。

 繰り返しになるが、個々の要素に優れた部分は多いのだ。脚本にしても、例えば最初期から与えられた「繁殖を目的としない時に男女という器の違いは何のために存在するのか」というテーゼは興味深いものであり、ジェンダー論の試論としては面白そうな設定。もちろん、それだけでは何も進まないだろうということで間をつなぐ為にフランクスという「理由」が置かれている。その上で形成されて行くゼロツーとヒロの関係性は人間ドラマ、ラブロマンスとして文句なしに見応えのあるもので、絵本の記憶を通じてゼロツーが「ダーリン」に出会うまでの展開は素直に素晴らしかったと思う。また、彼女の生い立ちに絡めて「人間」と「性差」という問題を他のメンバーにパスし、そこから情愛を語る手管も間違ったものではないだろう。

 しかし、本作はそうしたヒューマンドラマのみを売りにするつもりはなかったらしい。何とかしてそこにドッカンドッカン暴れるアクションは入れたいし、大見得を切るメカ作画、とんでもないスケールの兵器決戦も盛り込みたい。確実に、スタッフの頭の中には「グレンラガン」の存在があったのだろう(そして多分「キルラキル」も)。そうした部分に「トリガーらしさ」を見せるのがお客さんへのサービスだと認識し、地味に土いじりや子育てをする若者達の姿だっけで終わらせず、とんでも宇宙戦争や大パニック恐竜決戦も盛り込む。うむ、盛り込んでもいいだろう。確かにトリガー作画は素晴らしいのだ。ただ、それを物語にちゃんと絡める努力をしないなら、それは空中分解して別な作品になってしまう。

 後半になるにつれて色々なところで「まぁ、ストーリーの都合上そこは割愛します」と言って飛ばす部分が増え始めた。大いに首をひねったココロたちの記憶の件もそうだし、最終回だけを見ても、突然地球の連中がお手手繋いで空に祈り出すことに一切の理由がない。意味がわからない。「何となくそうしないと少年漫画的にヒロ達が輝けないから」というそれだけの理由であのシーンが挟まれるし、それだけを根拠にゼロツー達が最後の輝きを放つ。普通に考えたら、ああいう「仲間達の最後の一押し」は同じ戦場で、最後まで戦い抜いた仲間達が背中を押すからこそ輝くのであって、遠く何光年も離れたような宇宙空間で異形の2人が求めるものではないだろう。もっと早い時点でどういう幕引きにするかが分かっているはずなのだから、そこに整合性を与える脚本は考えられたはずなのに、スタッフはそれをしなかった。「色んな面白そうな要素のごった煮」に単品の材料だけをぶちこんで、味を整える気がないような、そんな作品だった。

 最終的な印象だけを考えれば、やはり本作は失敗だと思う。しかし、そうして最後の局面だけを見て「失敗だ」と点数を下げるのも何だかもったいない気がするのも事実だ。「あんなに面白かった部分があるのに」という口惜しさみたいなものがあるのだろう、何とか中盤の盛り上がりや、個々のアイディアの秀逸さを取り上げる方法があれば良いのだが。今のところ、残念ながらそうした評価軸は設定しづらく、ひとまず点数を動かさないことでこの「口惜しさ」みたいなものを残しておきたいと思う。「早見沙織に妊娠・出産させた作品」っていう価値の置き方でどうでしょう(誰に聞いているんだろう)。

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