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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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<黒>
 
 
アズラの煙纏い Azra Smokeshaper (3)(B) C
クリーチャー・アズラ、忍者
3/3 忍術(1)(B)
〜が戦場に出た時、対象の、あなたのコントロールするクリーチャーはターン終了時まで破壊不能を得る。
 アズラまでおるんかい……。ぶっちゃけ私もよく知らないので付け焼き刃の知識だけ書き写しておくと、アズラは数年前に発売された「バトルボンド」の中に登場した新たな種族。ちょっと鬼っぽいツノが生えた人間と悪魔の中間みたいな見た目の種族で、どうやら先祖がデーモンらしい。赤と黒に位置したこの種族は割と享楽主義らしく、唯一彼らの存在が確認されている次元「ケイレム」ではラヴニカにおけるラクドス教団みたいな立ち位置でお客さんたちに迷惑をかけている様子。で、そんなアズラが今回はなぜか忍者にジョブチェンジ。背景が見えにくいのでわかんないけど、これもケイレムの風景なんだろうか。そして、これまでにない忍術の使い方になっているのがこのクリーチャーの面白ポイント。なんと「プレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび」の能力ではなく、単に「場に出た時」の能力を持っているのだ。忍術で出た場合、どうせこいつはブロックされていないのだから破壊不能は必要ない。つまりこいつは周りの誰かが戦闘で死にそうな時に駆けつけてくれるナイス助っ人役なのだ。忍術コストの割にサイズもそこそこだし、これでコンバットの結果を書き換えつつ、後詰を次々に送っていく展開はまさに忍者の真骨頂。
 
 
陰謀団の療法士 Cabal Therapist (B) R
クリーチャー・ホラー
1/1 威迫
あなたの戦闘前メインフェイズの開始時に、クリーチャーを1体を生贄に捧げても良い。そうした時、土地でないカード名を1つ選ぶ。その後、対象のプレイヤーは自分の手札を公開し、その名前を持つカードを全て捨てる。
 セラと同様、セット発表時に公開されて話題を呼んだ1枚。あの「陰謀団式療法」がクリーチャーの姿を借りてモダンに殴り込みをかけてきたってんだから話題にならない方がおかしいだろう。しかも1マナ1/1威迫って最低限のステータスは守った上でだ。もちろん、本家「療法」に比べればセーブされている部分も多く、例えば起動タイミングが「最初のメインフェイズの開始時」に限定されているので出したターンに起動することができず次のターンまで生き残る必要がある。そしてコストはクリーチャー1体と安くはないので、そう簡単に連打できるようなものでもない。まぁ、このクリーチャーをサクることが「療法」のオマージュになっているのだろうが。おかげでハンデスとしてはそこまで信頼性が高くないのだが、逆に1マナ1/1クリーチャーになったことで考えられる悪巧みも色々とある。1マナソーサリーを墓地から戻すのは大変だが、1マナクリーチャーなら墓地から戻す方法も数多く存在している。ライブラリからのサーチだってクリーチャーの方が簡単だろう。新たなセラピーが、新たなモダンの風を起こすことがあるのかどうか、要注目である。それにしても、メンタルヘルスっておっかねぇんだなぁ。
 
 
屍肉喰らい/Carrion Feeder(SCG)」 U
 オウオウヲウ、なんだてめぇ、アンコモンとか随分エラくなったもんじゃねぇか。俺らが知ってるちっちゃい頃のお前はコモンでなぁ、そりゃ親しみやすい性格だったもんだよ。いや、小さい頃って言ってもすぐおっきくなってたけどな。ただでさえゾンビ強い環境だったせいでリミテッドではシャレにならなかったけどな。貴重な0マナサクり台として突然のモダン乱入。新しい職場でも元気にモリモリ食べられるかどうか。
 
 
変わり身ののけ者 Changeling Outcast (B) C
クリーチャー・多相の戦士
1/1 多相
〜ではブロックできず、〜はブロックされない。
 公式記事で説明がある通り、「苛まれし魂」に多相がついたクリーチャー。単にそれだけなので一応メリットともデメリットとも解釈出来るが、色々と面白いシナジーを生み出せるのは多相という特質ならではのものだ。似たようなクリーチャーとしてリミテッドで活躍した記憶があるのは「トゲだらけのボガート」。1マナでブロックされにくいだけの1/1という性質が同じで、当時の環境では「ならず者でダメージを与えたら使える」という非常に限定的な「徘徊」というキーワード能力が存在していたため、シンプルなシナジーが形成出来たのだ。このクリーチャーは「徘徊」はもちろんのこと、最近なら「絢爛」、ちょっと古ければ「狂喜」、そして記事にもある「忍術」などなど、様々なシナジーを見込みつつ、更に部族ボーナスまでカウント出来るという。まぁ、なかなかこれだけの性能ではモダンの荒波を渡りにくいかもしれないが、この使いやすさは地味さとトレードオフしても余りある。追加のマーフォークとして使えたりしないもんですかね?(黒ははいらんやろ)
 
 
親切な吸血鬼 Cordial Vampire (B)(B) R
クリーチャー・吸血鬼
1/1
〜か他のクリーチャーが死亡するたび、あなたのコントロールする各吸血鬼・クリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置く。
 吸血鬼ギミックなんてのもあるのかよ。まぁ、今回多相が白黒に多く配置されているらしいので、頑張ってそこを集めろってことなんだろうが……。吸血鬼といえばファンタジー生物の定番でもあり、今となってはMagicでもすっかり一枚看板だが、実は部族として取り上げられ始めたのは割と近年になってから。具体的には基本セットが「M○○」表記になり、再録カード以外にも「なるべく初心者が直感的にわかりやすいカードを」ってんで基本らしいカードが新たに作られた際に、ゾンビに代わる黒のクリーチャー枠として登場したのがきっかけ。吸血鬼が栄えるゼンディカー次元と手を組んだ時にはバカにならない破壊力を持ち、「吸血鬼の夜侯」率いる軍団が環境を席巻したこともある。そうした時代背景を考えれば、この子も一族の使命を背負って出てきた新たな時代のホープなのかもしれない。書いてあることが強いのは間違いないが、並べて突っ込む吸血鬼がモダンで通用するかどうか。イクサラン吸血鬼からなんとかモダンレベルの連中を2つ3つつまめないもんですかね。
 
 
墓所のネズミ/Crypt Rats(7ED)」 U
 破滅的ネズミ。こちらも最後に再録されたのが第7版だったためにモダンでは使用できなかったが、この度めでたくエントリーされたことに。まぁ、このカードがどんな風に使われてるのかは全然知らないのだが……どうやらpauper需要があるみたいね。なるほど、確かにコモンでX火力は貴重だもんな。ちなみに、今回イラストは既存のもので再録されているが、フレーバーは「グール呼びのギサ」さんによる新作である。死体屋さんにとってはネズミは天敵だよなぁ。
 
 
真冬 Dead of Winter (2)(B) R
ソーサリー
全ての氷雪でないクリーチャーはーX/ーXの修正を受ける。Xは、あなたのコントロールする氷雪パーマネントの数である。
 氷雪じゃない奴絶対殺すマン。こうしたカードがあることで、また氷雪ファンデッキが大きくトーナメントレベルに前進することになる。まぁ、今回のリミテッドだけを考えると青緑がメインらしいのでここにタッチするのかどうかは悩ましいところだが、労せずしてワンサイド除去が手に入るのだから拾わない手はないだろう。これまでの先例を考えても、無制限の全体除去が3マナのシングルシンボルなんてのはとんでもないコスト設定なのだ。それくらい、「氷雪やってみ? 頑張ってみ?」という挑発が公式から投げかけられているということなのである。そりゃもう、チャレンジしないと。まぁ、やっぱりカードプールがほぼ今回のセットとコールドスナップだけってのは相当なハンデになってしまうのだろうが……。「何か好きなように氷雪パーマネントを増やせるカードなかったっけかなー」と考えたけど、「霧氷羽の梟」くらいしか思いつかない。お前じゃねぇなぁ。
 
 
汚涜 Defile (B) C
インスタント
対象のクリーチャーは、あなたのコントロールする沼1つにつき、ターン終了時までー1/ー1の修正を受ける。
 公式記事では「単体向けの『もぎとり』」としてデザインされたと紹介されている。実際そうなのだが、そもそも「もぎとり」が参照する沼の数って要素は黒にとって「もぎとり」以前から馴染み深いもので、「夢魔」や「堕落」のようなカードで使われてきた定番のパラメータである(あと「因果応報」もね……)。このカードはどっちかっていうと簡易版の「堕落」、つまり「堕落の触手」に近いイメージである。軽いのはありがたいが、やはり相応に制限は多いので、あくまでリミテッドが主戦場の除去になるのかしらね。
 
 
悪魔の布告/Diabolic Edict(TMP)」 C
 つい最近ほぼ上位種と呼べる「リリアナの勝利」が登場してしまったので今更感があるのは残念だが、これも実はリーガルセット再録は初である。様々な亜種が作られた黒除去の一系譜の祖とも言える名作呪文。一応、「リリアナの勝利」とは「自分にサクらせる」ことを選べる部分が違うので、もしかしたらそのあたりの差が意味を持つことが……ないだろうな。まぁ、リミテッドでどうぞ。ちなみに、カード名にちなんでか今回のフレーバーはニク様に寄せてもらっている。効果を考えるとなかなか心憎い一言である。
 
 
屑肉スリヴァー Dregscape Sliver (1)(B) U
クリーチャー・スリヴァー
2/2
あなたの墓地にあるスリヴァー・クリーチャー・カードは蘇生(2)を持つ。
 その名前から分かる通り、元ネタは「屑肉の地のゾンビ」。蘇生能力を持ち、リミテッドでは一番シンプルに蘇生能力を味わえたクリーチャーである。蘇生能力はアラーラのグリクシスを象徴する能力として開発されたもので、墓地利用の一形態として非常にまとまったものだった。よく言えば素直だが悪く言えば地味。クリーチャーが1回だけ戻ってくるというわかりやすい作用は、あまりコワレにもならず、主にリミテッドを中心にしてその生涯を終えた。そしてこの度、新たにこれがスリヴァーの能力として復活。蘇生をフル活用するポイントは、何と言っても187能力持ちに搭載すること。どんな能力でも後乗せでマシマシにできるスリヴァーにはうってつけのものだ。つかの間の生ではあるが、何か凶悪な誘発能力との合わせ技でスリヴァーのしぶとさを2倍3倍に水増しする方法があるかもしれない。蘇生コストが固定で安いのもポイントで、いっそのこと大量のスリヴァーを墓地に送り、まとめて呼び戻す瞬殺コンボなんかも面白いかも。ディティールは各自考えておいてください。
 
 
終異種 Endling (2)(B)(B) R
クリーチャー・ゾンビ、多相の戦士
3/3
(B):〜はターン終了時まで威迫を得る。
(B):〜はターン終了時まで接死を得る。
(B):〜はターン終了時まで不死を得る。
(1):〜はターン終了時まで+1/ー1か1/+1の修正を受ける。
 ついに出揃った、「異種」サイクル最後の1体。「変異種」に端を発する謎の文明は、時にコストを変え、時に収録形態を変え、少しずつその数を増やし、青、赤、緑、白と流れて最後に黒へ。これで無事にサイクルが閉じたことに……ところで「霊異種」、結局お前は何だったんだ。さておき、黒い「変異種」を作るにあたり、開発スタッフの間では相当喧々囂々の議論がなされたことだろう。コストが4マナになったくだりは公式記事を参照してもらうとして、ステータスは3/3。あとの能力は、黒というカラーパイからはみ出さない範囲で決定されることになるだろう。おそらく最も難航したのは不死の部分ではなかろうか。過去の「異種」サイクルは、何らかの方法で「生き残る」能力を持っていた。元祖は被覆、「炎異種」は呪文を曲げ、「茨異種」は破壊不能、「光異種」は手札に帰る。黒も破壊不能はつけられただろうが、他と同じじゃぁ面白みがない。そこで選ばれたのが「死ぬことは死ぬけど、ワンモアチャンス」という不死能力である。そのほかの能力がかなり攻撃的にチューンされており、威迫&接死で殴れば最低でも2体のクリーチャーを道連れにできる。そして死んだらちょっと大きくなっておかわりもう一杯。この組み合わせはかなりエグい。4/4になったら伝統芸のパワータフネス増減能力の幅も増えるのでより優位に立ち回りやすくなるはずだ。これまでのサイクルはタフネスをあげた時に脅威度が下がる部分が物足りなかったが、こいつは接死があるのでいつでもクリーチャー戦闘でアドバンテージを稼げる。なるほどこりゃ強いや。しかも何故かクリーチャータイプにゾンビのおまけ付き。ゾンビデッキの新たなフィニッシャーを任されるかもしれない。
 
 
愚者の饗宴者 Fester of Fools (4)(B)(B) U
クリーチャー・デーモン
3/3 飛行 召集 貪食2
 こういうのを見せられると、カードデザインに美を見出す人間(メルとかヴォーソスとか呼ばれる概念を持つ人たち)は本当にたまらない。「とか」と書いたのはこのカードがどちらの概念上も良いデザインだと思うからで、まずメル的には、「召集」と「貪食」というクリーチャーの数がモノを言う能力2つが組み合わされたことに美しさを感じる。召集があればこのクリーチャーを素早く召喚できて、さらにそのクリーチャーがサイズにも直結する。異なる次元の、異なるコンセプトの能力が実に端正にまとまった事例である。そして、このクリーチャーを「召喚の儀式で呼び出された悪魔」というフレーバーで彩ったことがヴォーソス的な美しさを導く。普通に考えたら白や緑が発祥で「協力することでより大きな力を得る」という召集能力と、「周りの弱者を貪り食うことで強くなる」というジャンド発祥の貪食は相容れないフレーバーを持つコンセプトのはずなのだが、この2つを併せ持つクリーチャーが、「アホな狂信者たちがなんとなく呼び出しちゃった悪魔」という背景を得ることでとたんに存在感を持つ。そりゃみんなで力を合わせて呼び出すだろうし、呼び出した端から犠牲になっていく凄惨なシーンだって当たり前に想像できる。普通のセットではなかなか収録できない、「モダンホライゾンらしい」良いデザインといえるだろう。実際に使っても、例えば3ターン目に3マナで出して9/9とかいうイカれた展開も実現可能。だれか、愚者の頂点を目指してみては?

 

 


第一球層のガルガンチュア First-Sphere Gargantua (4)(B)(B) C
クリーチャー・ホラー
5/4 蘇生(2)(B)
〜が戦場に出た時、あなたはカードを1枚引き、1点のライフを失う。
 まず気になるのは「球層/Sphere」ってなんやねん、って話だが、どうやら旧ファイレクシアの場所を表す名称らしい。ファイレクシアは第1〜第9までの層がマトリョーシカのように入れ子構造になっており、一番外から1〜9と番号がついている。つまり、このガルガンチュアはファイレクシアの表層部分にいるそこそこ雑魚ってことである。まぁ、それでもガルガンチュアを名乗っているだけあってサイズはでかい。そしてこいつの元ネタはそのものズバリ「ファイレクシアのガルガンチュア」だってのもわかりやすいところだ。元のカードは、サイクルで作られた「ファイレクシアの憤怒鬼」の方が有名になってしまったが、「憤怒鬼」が3マナ2/2で1枚カードを引いたのに対し、ガルガンチュアは全てがその倍、6マナ4/4で2枚引くクリーチャーだった。当然、リミテッドではこの2ドローは圧倒的に強く大活躍した記憶も鮮明である。今回のガルガンチュアは残念ながら1回出ただけでは1枚どまりだが、続いて蘇生で登場した時に残りの1枚が引けるように調整された。つまり、蘇生する前提なら「復活能力が付きパワーまで上がったガルガンチュア」なのだから強いに決まっている。もちろん、面倒ならば直接墓地に送ってちょっとしたドローをくれる役割だけでも文句はないだろう。できればどこかでディスカードできるようなギミックも用意しておきたい。

 

 


絶望の力 Force of Despair (1)(B)(B) R
インスタント
あなたのターンでないなら、あなたはこの呪文のマナコストを支払うかわっりに、手札から黒のカードを1枚追放しても良い。
このターンに戦場に出た全てのクリーチャーを破壊する。
 「Force」サイクルの黒は全クリーチャーに「揺り籠から墓場まで」を叩き込む。なるほど、この設定ならピッチでも何でもとにかく唱えたいという強引なタイミング補正にも意味が出てくるだろうか。そもそもこのカードを自ターンに唱えるタイミングなんてほとんど無いとは思うが。トークン戦術や「双子」デッキのような瞬殺無限コンボを封殺できるので、実は案外間口は広い。最悪でも3マナインスタントの除去として運用できる上でこの設定なのだから、メタ次第ではサイド以上の扱いもあり得る話。

 

 


暴食するナメクジ Gluttonous Slug (1)(B) C
クリーチャー・ナメクジ、ホラー
0/3 威迫 進化
 進化ですってよ。進化は2回目に訪れたラヴニカでシミックが駆使していた能力で、「これよりもパワーかタフネスがでかいクリーチャーが出たら+1/+1カウンターをおいてもええで」という成長能力。後の世になって似たようなギミックがゴルガリの「生皮収集家」でリメイクされている。パワーとタフネスのどっちでもいいってのがポイントで、このナメクジのように偏ったステータスのクリーチャーは仲間が出てきたらすぐに成長できる。2マナというコストを考えれば次のターンに1体でもクリーチャーを出せば1/4になるってのはかなり頼りになる数字だ。さらに2/5まで育ってしまえば除去は難しくなるだろうし、3/6になればついに先輩の「地下墓地のナメクジ」を超えられる。特にメインとなるシナジーがあるわけではないが、雑に使ってもその攻防に優れる巨体は堪能できるはず。クソザコとはもう呼ばせない。

 


 
墓変わり Graveshifter (3)(B) U
クリーチャー・多相の戦士
2/2 多相
〜が戦場に出た時、あなたの墓地にある対象のクリーチャー・カードを手札に戻しても良い。
 もう、イラストを見ただけでその下を読まずとも全部能力まで当てられるデザインが秀逸。誰がどう見てもイラストは「グレイブディガー」のパロディ。本当は名前も寄せてあるのだが、日本語チームはそのまま「グレイブシフター」にするのは抵抗があったのだろうか。残念である。余談だが、「グレイブディガー」がもし同じようにちゃんと日本語訳されていたら「墓掘り」とかになっていたと思うのだが、「墓荒らし」や「墓暴き」なんて似たような名前のカードが多いので、むしろ良い判断だった気もする(なお、現時点ではまだ「墓掘り」という名前のカードは存在しない)。というわけで、多相を持ったグレイブディガー。確実なアドが稼げるので現代の基準ならアンコモンもやむなしか。様々な種族デッキで潤滑油兼アドソースとして幅広く活躍できる(リミテッド限定でね)。

 

 


首無し死霊 Headless Specter (1)(B)(B) C
クリーチャー・スペクター
2/2 飛行
暴勇〜がプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーは手札を1枚無作為に捨てる。
 そこそこ「惑乱の死霊」。残念ながらヒッピーがモダンリーガルなので下位種であるこいつがモダンに登場する可能性はほぼゼロだが、あまりにもスペクターが好きすぎるとか、ヒッピー4枚では足りないとか、そういうニーズがあればもしかしたら使われるのかもしれない。構築で出番が無いということは、主戦場は当然リミテッド。暴勇というマニアックな制限がついているが、3マナ2/2の普通の肉として運用しつつ、ラクドスビートみたいなデザインになれば唸るほどのアドバンテージを叩き出すこともあるかもしれない。今回様々なキーワードが1つのセットに押し込められているみたいだが、暴勇なんてマローが「失敗した」って言ってた能力でも収録されるもんなんやな。ちなみにフレーバーがちょっと面白くて、「唱えるための舌もないが、打ち捨てられた賛歌は未だその体から発せられている」とある。もちろん、ここで漏れ聞こえてくる「賛歌/hymn」ってのは効果を考えれば「トーラックへの賛歌」なんだろう。

 

 


精神の掻き寄せ Mind Rake (2)(B) C
ソーサリー
対象のプレイヤーは手札を2枚捨てる。
超過(1)(B)
 これも座布団1枚! といった感じの発想の勝利(敗北?)。一応説明しておくと、「超過」は呪文の効果を一気に拡大させるという、イゼットが編み出した大雑把な技なのだが、具体的にどういう効果かというと、文章欄にある「Target」を「each」に書き換えるというもの。そのため、普通の超過呪文のテキストは「target creature you don’t control」と書いてあることが多い。しかしこの呪文の場合は……うわぁ。3マナ払えば完全に「精神腐敗」。超普通のハンデス。そして超過すると、お互い手札をボッシュート。史上唯一の「元コストより軽い超過」はとんでもないデメリットになっているわけだ。とはいえ、2マナで手札を2枚落とせるのは紛れも無い事実。自分の2枚が痛くないデザインにしておけば何の問題もないわけで、毎度のことながらドレッジに入れてしまえばこれって別にデメリット無しになる可能性も。ただ、かつて同型の呪文に3マナで3枚捨てる「狂乱病のもつれ」があったがこちらは使われた実績がない。コストの軽さで、新たな地平を切り拓けるか。

 

 





殺到 Mob (4)(B) C
インスタント
召集
対象のクリーチャーを破壊する。
 これまたカードのデザインが秀逸。単に召集がついただけの「殺害」で、コストは5マナとそこそこの数字。過去にM15で召集が黒に与えられた時にも一応召集付きの除去はあったのだが、こうしたシンプルな形ではなく「血の誓約」というダメージスペルとして与えられたのであった。なんにせよ自軍にクリーチャーがいないとメリットはないのでリミテッド向け。1体のクリーチャーを他の連中が寄ってたかって袋叩きにしている様子がわかりやすくイメージできる。

 

 


冥界のスピリット/Nether Spirit(MMQ)」 R
 ネザー! ネザーじゃないか! そうかぁ、お前さんまでモダンに……。ネザーさんがやたら印象に残っているのは、こいつを使ったデッキが私のMagicデビューの時期にほぼ一致するため。こんな何の能力もないバニラが活躍できるなんて素人にはとても信じられなかったので、いざその活躍をみたときのインパクトが非常に大きかったのである。何年経っても難しいゲームでございます。流石にモダンで活躍できるとは思えないが……どうなんだろ、私の鑑定眼は20年前と同じ節穴なんでしょうか。

 

 


新月の忍者 Ninja of the New Moon (3)(B)(B) C
クリーチャー・スピリット、忍者
6/3 忍術(3)(B)
 忍者部隊のパワー担当。戦隊でいうと黄色枠(実際はそうでもねぇけど)。これまた史上初、忍術持ってるくせに相手プレイヤーにダメージを与えた時の能力を持たない忍者。じゃぁ何でわざわざ忍術使って出てくるかって言ったら、6点というダメージが単にでかいから。4ターン目に相手の1/1フライヤーとかがこれに化けたら流石にビビるだろう。まぁ、脳筋すぎるので普通に考えたらモダンで生きていけるカードではないが、リミテッドなら結構な嫌がらせになりそう。それにしても、スピリット・忍者て……。もうなんでもありやんけ。

 


 
疫病を仕組むもの Plague Engineer (2)(B) R
クリーチャー・キャリアー
2/2 接死
〜が戦場に出るに際し、クリーチャータイプを1つ選ぶ。
あなたの対戦相手のコントロールする選ばれたタイプのクリーチャーは、ー1/ー1の修正を受ける。
 「キャリアー」なんてクリーチャータイプ、今の若い子は絶対に知らない奴である。かく言う私だって実際に体感したことはほとんどない。何しろ私がデビューする前の環境である「ウルザズレガシー」に4体だけ収録された恐ろしく限定的なサイクルだったのだから。ちなみにこのカードのフレーバーも、当時のサイクルに則って「ファイレクシアの進行記録」の続きになっている。「キャリアー」ってのはいわゆる保菌者、病気の媒介者を表す言葉で、種族特性は「周りのクリーチャーにマイナス修正を叩きつける」というもの。こちらのクリーチャーは過去のキャリアークリーチャーとはちょいとデザインが異なっており、正確な元ネタは「仕組まれた疫病」の方であろう。「仕組まれた疫病」がコストもそのままでクリーチャーになり、なおかつ現代風に「自軍に影響が出ない」デザインにアップグレードされた。当時もゴブリンなどの種族デッキは出されただけで投了モードに入った「疫病」。今後はこれがモダンでも特定種族を叩くためにエントリーするのかどうか。……まぁ、モダンにどれくらい種族デッキがいるのかはしらないけども。ゴブリン、マーフォーク、ウィザードなんかは刺さりそう。ウィザードを宣言すればデルバーと瞬唱が潰せるのは案外偉いのかも。
 
 
朽ちゆくゴブリン Putrid Goblin (1)(B) C
クリーチャー・ゾンビ、ゴブリン
2/2 頑強
 「生き延びるほどの才はなく、死ぬほどの能もない」。なかなかここまで酷いフレーバーテキストもない気がするが……実際には黒の2マナ域としてはかなり頑張ってる方のクリーチャー。2マナ2/2に一応おまけ付きなのだから悪く言われる筋合いもない。まぁ、2/2が1/1で戻ってきたところで大した意味はなく、色が変われば混成マナの「安寧砦の精鋭」になるってんだからモダンセットで名乗りをあげるのには甚だ頼りないのは間違いないが、このクリーチャーの場合最大のポイントはむしろ頑強ではなくクリーチャータイプの方だろう。ゾンビとゴブリン。どちらも種族デッキが賑々しい連中であり、なおかつ「死ぬこと」に意味を見出しやすいタイプでもある。このクリーチャーはゾンビとしてもゴブリンとしても2回サクったり殺したりできるのである。「包囲攻撃の司令官」は大喜びだし、安定してゾンビが戦場に残り続けるなら「墓所這い」の運用も楽になる。この頑強能力は単なるカラーシフトというより、適材適所でぴったりな部族にようやくたどり着いたという方が正しいのである。才も能も、使う側が与えてやろう。

 


 
生臭い士官 Rank Officer (3)(B) C
クリーチャー・ゾンビ、兵士
3/1
〜が戦場に出た時、あなたは手札を1枚捨てても良い。そうしたなら、2/2で黒のゾンビ・クリーチャー・トークンを1体生成する。
(1)(B)(T)、あなたの墓地にあるクリーチャーカードを1枚追放する:各対戦相手は2点のライフを失う。
 わかりにくいが多分言葉遊びになっている。「Rank」という英単語はご存知の通りに地位や階級を表すもので、「ranking officer」といえば集団の中でもトップのもの、つまり主席将校を意味するらしい。それと同時に、「rank」には「悪臭のする」とか「下品な、野卑な」という残念な意味もある。このクリーチャーは部下を連れて出てくるところから「上級将官」のイメージも持ちつつ、ゾンビなので「腐ってる」ニュアンスも同時に表しているわけだ。これはまぁ、流石に日本語では表現しにくいが、「生臭い」ってのも一応人の下衆さを表現する時に使えるし、なんとなく意識してはいるのかも。フレーバーの「新人を集めては腐らせている」っていう文面も、「腐らせる」が文字通りの意味と「役立てられずに無駄にする」の意味でかかっているように見えるし。さておき、4マナ3/1と残念なステータスの割には、部下を連れてくるのにも追加コストが必要なので、あんまり強くなさそうなクリーチャー。一応リソースが2つ増えるとはいえ、ゾンビならおそらくもっと効率のいい人数の増やし方があるはずだ。一応リミテッドレベルだと「捨てたカードをコストに充てられるから下の能力が1回は使えるよ」ってのが売りなんだろう。まぁ、墓地を肥やすデッキならじわじわとこれで削る展開もあるのかもしれない。このセットのリミテッドでそんな地味な戦略取りたくないけど……。
 
 
研究室荒らし Ransack the Lab (1)(B) C
ソーサリー
あなたのライブラリを上から3枚見る。そのうち1枚を手札に加え、残りをあなたの墓地に置く。
 黒くなった「巧みな軍略」。「軍略」はリミテッドもそうだが、「カードを墓地に置ける」という部分が評価されてちょいちょい構築クラスでも見かけたカード。このカードが青に認められたのはやはり墓地環境だったアモンケットブロックだったことが大きく、墓地を肥やしながらのカード探しなら緑か黒のお仕事だろう。とはいえ、実は黒が低マナ域でデメリットもなしにカードを探せる呪文ってのは案外珍しい。青なんかを併用するデッキならもっといい呪文もありそうだが、黒単やそれに準ずるデッキでこうした無難な仕事を求める場合、案外モダンレベルでも替えの効かない存在になるかもしれない。ちなみにカードのフレーバーに登場しているのは、同じく墓地次元・イニストラードの仲良し姉弟・ギサさんとゲラルフさん。ゲラルフさんがねーちゃんと嫌々絡む時の不遜な態度ほんと好き。
 
 
絶滅からの帰還 Return from Extinction (1)(B) C
ソーサリー
次のうちから1つを選ぶ。
「対象の、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードを手札に戻す」
「あなたの墓地にある、共通のクリーチャータイプを持つ2枚の対象のクリーチャー・カードを手札に戻す」
 毎度おなじみ墓地回収スペルシリーズ。今回も「うまくいけばアドが稼げる2マナ」という最近の定番設定で登場し、モード選択呪文になってるのも最近の流行り。このデザインなら1つの文章でも書ける気もするが、「タイプが共通する」っていう制限がかかってると、「最大2体まで」っていう表記にしちゃうとわけが分からなくなるからダメなのかしら。今回黒には多相クリーチャーが多いので、放っておいてもこれで2枚回収するのは簡単そう。イラストにある通りにスリヴァーを2体回収すれば説得力があるぞ、と思ったら、黒のスリヴァーって蘇生を与える「屑肉スリヴァー」だから絶妙に噛み合わなかった。
 
 
サディストの執着 Sadistic Obsession (3)(B) U
エンチャント・オーラ
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされたクリーテャーは「(B)(T):対象のクリーチャーにー1/ー1カウンターを1つ置く」を持つ。
 イラストが怖い。何が起こってんだよ。エイリアンにでも寄生されたんかな。さておき、Magicの歴史の中には「サディスト」という言葉が含まれたカードは何枚か存在しているが、今のところ「マゾヒスト」という言葉が入ったカードは存在していない。そりゃま、マゾのカードとかどうやって作ったらええねんという話なので当たり前だが、試しに「マゾ」で検索すると3体の「ゴーマゾア」がヒットして「理解〜」となったりする。さておき、サディストカードにはあんまり共通点はないのだが、こちらは趣味で「拷問」できるようになると考えればイメージしやすいだろうか。起動コストも安く、一度回り出したら相当厄介なシステムクリーチャーになるのは間違い無いのだが、設置に4マナかかる上に即効性が無いオーラというのは何かとネック。なるべくタフネスの高いクリーチャーにつけて、なんとか維持を目論みたい。一応アーティファクトに1体だけ存在するアンタップシンボル持ちの「農場の収穫者」とはプチコンボだが、そのためにわざわざアンコモン2枚集めるかと言われると微妙。
 
 
仮定の粉砕 Shatter Assumptions (1)(B)(B) U
ソーサリー
次のうちから1つを選ぶ。
「対象の対戦相手は手札を公開し、無色で土地でないカードを全て捨てる」
「対象の対戦相手は手札を公開し、多色のカードを全て捨てる」
 大雑把ディスカード。一応元ネタになっているのは「迫害」だろうか。あちらは色を1色宣言してディスカード、今回は「迫害」で想定していなかった2タイプのカラーリングをピンポイントで攻める。普通に考えて「色を1色も使ってないデッキ」は多くないはずなので、汎用性の狭さを考えて1マナ軽くなっているのはありがたい。普通に考えて、使うとしたら無色モードの方だろう。モダンのプールなら多種多様なデッキがあるとはいえ、「デッキの多くをマルチカラーのカードが占める」という特性を持ったデッキはそこまで多くない。それに対し、アーティファクトがキーで手札の大部分が無色のデッキはそこそこあるはずだ(一応エルドラージも)。基本はそうしたデッキを黒の濃いデッキで対策するためのサイドカードという位置付けだろうが、もしかしたら多色モードが刺さるデッキに出会える日も来るのかもしれない。ちなみに、「絵描きの召使い」を使って相手の手札に色を追加することで強引に多色認定するっていう小技もある(逆に無色にしようとしたら「マイコシンスの格子」になる)。
 
 
シルムガルの腐肉あさり Silumgar Scavenger (4)(B) C
クリーチャー・ゾンビ、鳥
2/3 飛行 濫用
あなたのコントロールする他のクリーチャーが死亡するたび、〜の上に+1/+1カウンターを1つ置く。それが〜の濫用したクリーチャーであるなら、〜はターン終了時まで速攻を得る。
 能力語としての地味さなら他の追随をゆるさない、「濫用」。「タルキール龍紀伝」1セットにしか登場していないことに加えて、効果としても単に「クリーチャーをサクってもいいよ」というだけのものなので、本当に自己主張の薄い能力なのだ。過去の濫用カードは全て「濫用した時に〜」という形でボーナスが記述されていたが、こちらのカードのポイントは濫用以外の死亡でも誘発する能力を持っているという部分。それに加えて「もし濫用したら」という追加条件になっているため、濫用を使おうが使うまいがそれっぽいたたずまいになるのがポイント。こっちの方がシルムガルっぽい能力には見えるな。濫用すれば5マナ3/4速攻のフライヤー。コモンとしては上々だ。それに加えて「霊廟のハーピー」でもあるので、ちょっとでも対処を誤るとすぐにとんでもないサイズのフライヤーに化けることになる。リミテッドなら何枚か集めてデッキのキーにできそうだ。
 
 
投石攻撃の副官 Sling-Gang Lieutenant (3)(B) U
クリーチャー・ゴブリン
1/1
〜が戦場に出たとき、1/1で赤のゴブリン・クリーチャー・トークンを2体生成する。
ゴブリンを1体生贄に捧げる:対象のプレイヤーは1点のライフを失い、あなたは1点のライフを得る。
 当然元ネタは「包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander」である。未だ現役の名クリーチャーが、黒に色を変えてダウングレードしたものだ。1マナ軽くなったのはいいんだけどレアリティの差のせいかいたるところにほころびが出ており、自身のステータスは低く、出てくる部下の数も1体少なく、サクったときにクリーチャーに飛ばせず、与えるダメージも少ない。色々と残念なので流石に「司令官」ほどのインパクトはないのだが、実は「司令官」には無い大きな魅力が1つ存在しており、それは「サクるのにマナがかからない」という部分である。ゴブリンデッキでの運用を考えるなら実はこれがバカにできない性能で、例えば「巣穴からの総出」でゴブリンを17体以上出せればそれでゲームが終わったりもする。とりあえず通せば3点のドレインだけは確定するわけで、即時性という部分においては「司令官」を上回っている。そして、モダンという戦火の中では、案外この「対応しづらさ」は大きな武器になる可能性があるのだ。巣穴ストームに混ぜるのは流石に嘘だろうが、ゴブリンデッキでは全体除去への対策として仕込まれていてもおかしくはない。それにしても、イラストで打ち出されてるゴブリンは相変わらず楽しそうだ……。黒のゴブリンだからおそらく分類としてローウィンのボガート連中。こいつら、やたらパチンコ好きなんだよな。
 
 
強打のらせん Smiting Helix (3)(B) U
ソーサリー
〜は任意の対象に3点のダメージを与え、あなたは3点のライフを得る。
フラッシュバック(R)(W)
 うーむ、これまた技能賞の呪文。「3点与えて3ライフ得る呪文」は2つの路線が存在しており、1つがこれと同じ黒のちょい重めのソーサリーである「本質の吸収」路線。黒は相手からライフを吸い取るのが伝統芸なので、単なるダメージではなく「奪う」デザインにして赤との差別化を図ったのだ。そしてもう1つが、おなじみ「稲妻のらせん」によるボロス軍の優良インスタント路線。こちらは「赤がダメージ・白が回復」という分業をイメージしており、敵対色ギルドの属性をうまく表した、初期ラヴニカの傑作カードといえる。そこで今回は、その2つのコスト設定を1枚のカードでまとめてみた。もともと「すげぇ無茶な混成コスト」でこれを表現しようとしていたらしいが(多分(B/R)(W/B)だろう)、フラッシュバックをつけることでコスト表記をスッキリ解決。その上でマルドゥ3色ならフラッシュバックできてシャレにならない火力にまでレベルアップ。色の概念を超えた夢のコラボである。まぁ、フル活用できるデッキがあるかは知らんが。

 


 
喉追い Throatseeker (2)(B) U
クリーチャー・吸血鬼、忍者
3/2
あなたのコントロールするブロックされていない攻撃状態の忍者は反魂を持つ。
 なんか日本語にしたらテキストがややこしくなった。英語だと「unblocked attacking Ninjas」なんだが、「攻撃してて、ブロックされてない」という2つの条件がなんか日本語だと変な感じになるな。まぁ、分かればいいか。とにかく本体に素通しされれば絆魂。もしくは攻撃クリーチャー指定時ならまだブロッカーが来てないから絆魂。その一瞬を利用して何か悪さを……無理かな。忍者のアイデンティティである「ブロックされないこと」にさらなる付加価値をつけるため、強い忍者デッキはますます強くなるし、うまく構築できないとただの間抜け。そもそも吸血鬼のくせに忍者を名乗ってる時点で単なる熱烈な忍者ファンにしか見えない。イリュージョンやらスピリットやらが忍者やってるこの次元はほんとどこなんだよ。ちなみに、過去に「繋がれた喉首追い/Chained Throatseeker」という名前のクリーチャーが存在しているが、こいつとは1ミリも関係ない。忍者繋がりだと「喉笛切り/Throat Slitter」からの派生だろう。
 
 
梅澤の魔除け Umezawa’s Charm (1)(B) C
インスタント
次のうちから1つを選ぶ。
「対象のクリーチャーはターン終了時まで+2/+2の修正を受ける」
「対象のクリーチャーはターン終了時までー1/ー1の修正を受ける」
「あなたは2点のライフを得る」
 アイディア賞。確かにこれはどう見ても魔除けだし、どう見ても梅澤である。一応説明しておくと、「梅澤の十手」を起動した時に使える能力3つがそのままチャームとしてパッケージングされたもの。……弱いな……。せめて十手をフィーチャーするなら「2つを選ぶ(重複可)」にしてくれてもよかった気がするんだが、それだとチャームの文脈から外れるからダメだったんだろうかね。まぁ、リミテッドの穴埋めに使えるような、そうでもないような。カードとしては初公開(多分)となる梅澤俊郎のドアップについては、「君、なんか顔ちがくない?」と思わないでもないが、まぁ、アップだとこういう顔の人だったんだろう。

 

 


アンデッドの占い師 Undead Augur (B)(B) U
クリーチャー・ゾンビ、ウィザード
2/2
〜かあなたのコントロールする他のゾンビが死亡するたび、あなたは1点のライフを失いカードを1枚引く。
 最近の文脈で言えば「真夜中の死神」の種族限定版といえばわかりやすいだろうか。大きく制限されたように見えるが、実は「真夜中の死神」はトークンでは反応しないという弱点があり、こちらはゾンビトークンなら問題なく機能するのでむしろこちらの方が使いやすいんじゃないか疑惑すらある。2マナとコンパクトな上、ゾンビにとって死亡なんてのはほんの有給程度のいとまである。2ターン目におけた時のゾンビデッキの展開力はなかなかヤバそう。動員呪文やリリアナなど、最近もゾンビデッキのアップグレードは続いているので、ますます悩ましい選択肢が加わったと贅沢な不満を言っておこう。リミテッドなら多相でフォローを。

 

 


発掘/Unearth(ULG)」 C
 これも私がMagicを始めた直後にお世話になった。正確には、友達のデッキに入ってて、かわいがりを受けた。確か黒緑のビートで、「ファイレクシアの食屍鬼」がトークンなんかをモリモリ食べて殴ってくるデッキだった。ほとんどのカードが低マナ域のクリーチャーで構成されていたので、このカードがあるとたった1マナで最善手を戻されるのでかなり厄介だった印象がある。墓地を経由すれば3マナが1マナになるのだ。使い方次第では色々と常識を打ち破ることも可能だろう。今回はサイクリングとの絡みもあっての復活だろうか。これまたコンボ的な立ち回りで小器用に活躍できる可能性を持っている、面白い緩衝材だ。

 


 
有毒な変わり身 Venomous Changeling (2)(B) C
クリーチャー・多相の戦士
1/3 多相 接死
 基本形となる黒コモンの変わり身。元祖ローウィンの接死+多相の組み合わせは「ツキノテブクロの変わり身」で3マナ2/2。今回は同じコストで守備寄りのステータス設定になったわけだ。どうにかこうして「最低限の仕事をする多相」を増やすことで、統率者デッキでクソマイナーな種族デッキが組めるように頑張って欲しいところ。カバデッキとか。アドバイザーデッキとか。

 

 


イボ眼の魔女 Warteye Witch (2)(B) C
クリーチャー・ゴブリン、シャーマン
3/2
〜かあなたのコントロールする他のクリーチャーが死亡するたび、占術1を行う。
 シンプルゴブリン。イラストでわかる通りにローウィン出身のクリーチャーなので、ローウィンゴブリンの特性である「誰かが死んだ時」能力を持っている。3マナ3/2で時々占術という、本当にリミテッド用としか思えないデザインになっており、それなりのゴブリンデッキでそれなりに潤滑油として働いてくれるだろう。しかし「イボ眼」ってやな響きだな……。

 

 


スランの医師、ヨーグモス Yawgmoth, Thran Physician (2)(B)(B) M
伝説のクリーチャー・人間、クレリック
2/4 プロテクション(人間)
1点のライフを支払う、他のクリーチャーを1体生贄に捧げる:最大1体の対象のクリーチャーに、ー1/ー1カウンターを1つ置く。カードを1枚引く。
(B)(B)、手札を1枚捨てる:増殖を行う。
 ウルザに続いてヨーグモスさんもカード化。これまでなら統率者セットなどでお目見えすることになっていたのであろうが、今回はこうしてパックで供給される製品での登場になったのはありがたい限りである(使えるかもしれないからね!)。さておき、ヨーグモスさんといえば最近は不義提案をしてた人のイメージだし、取り引きしたり、とんでもない意志があったり、とにかくお騒がせな黒の代名詞としての印象が強い。実際、Magic世界ではこの度のボーラス大乱よりもはるかに規模が大きかったドミナリア・ファイレクシアの大戦争の発端となった人物だし、巨悪の筆頭であるファイレクシアの生みの親なのでとかく凶悪で異様なイメージが強いのだが、元を正せばウルザたち同様、単なる1人の人間だったのである。彼の業績についてはWikiに譲るのでそちらを参照してほしいが……なんか、完全にチョコラータさんやね。ブレない「頭のおかしいお医者さん」だったんですわ。そんな生前(人間時代)のヨーグモスさんは、老人ホームの爺さんに「誰も助けに来ない」などと囁きながら少しずつデータをとる趣味がそのままカードに反映されており、クリーチャーの犠牲を伴ったドローと疫病の生産、さらにそのデータを使ってローマ中へカビの拡大と、色々器用。上の能力にマナがかからないってのがポイントで、クリーチャー1体+1ライフ+2マナで対象のクリーチャーに最低でもカウンター2つが置ける。そして、後の時代に機械帝国ファイレクシアを率いたことからもわかる通り、数々のアーティファクトとの相性が良いのも増殖能力の特徴。かつての「ミラディンの傷跡」時代のカードを使えば減ったライフや手札を増やすことも簡単だし、ー1/ー1カウンターの増産も容易だ。相手の毒カウンターをこれで増やして勝つなんてのも美学的に評価が高いだろう。是非、新旧ファイレクシアががっちり手を組んだ毒々しいデッキが見てみたいものである。

 

 

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