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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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曙光騎士Knight of Dawn’s Light
 毎度おなじみ2マナ騎士。この枠は白のアグレッシブさを表すウィニーの象徴みたいな枠だが、今回も遠慮なく前のめり感を出している。今やシングルシンボルでの先制攻撃持ちでも大して驚きはしないが、さらにそこに追加されたのは、白としてはむしろ懐かしい気すらするパンプ能力。もっと昔には「赤がパワーだけ増強、白はタフネスだけ増強で、黒はどっちも増える」みたいなことを言われていた時代もあったものだが、いつの頃からか白も両方増強できるようになり、最近はそうして戦闘に影響を与えやすいパンプ能力は収録数が減る方向に進んでいた。今回はいわば純正の白シェイド。先制攻撃も絡んで、序盤の突破力はおそらく2マナでもダントツ。これが白い騎士様の力ですわ。ちなみに、真ん中にもう1つ能力がついているが、これはなんでついてるのかよく分からない。1個だけやたら浮いてるけども……まぁ、あって困るもんじゃないからいいんですけどね。「俺攻めるだけじゃないねん、守りのことも考えてるんやで」みたいなアピールだろうか。しゃらくせぇな。
 
 
夜と昼の恋歌Love Song of Night and Day
 これはなんの英雄譚なのか、流石のおっちゃんも元ネタを知らなかったので調べてみたら、それ自体が何か事件を描いているわけではなく、過去のセットでフレーバーに引用されていた歌という話。詳しくはwiki参照。突然そんなもんぶっこまれても、「今この次元はそれどころじゃねぇだろ!」という気分になるが、色々と掘り下げまくれるのがドミナリアの良い点なのでね。実際、私もリアタイでそういうカードを知ってたら多分テンション上がってただろう。さておき、そうして「ラブソング」を英雄譚にするとこうなるというサンプル。もしかしたらすべて歌詞の一節に謂れがある可能性もあるな。面白いのは1章の「仲良しドロー」効果で、こうして「相手にも引かせるから自分もいっぱい引いていいよね」は最近の白が研究を進めている分野。つい最近も「秘密のランデブー」がほぼ同じ効果になっていて、「恋人といちゃつくと2人してカードが引けるんだ」という認識がじわじわ植え付けられている。2章では二人の仲を冷やかすように鳥が飛び、3章では何故か相手を無視して自軍から2人を選んで強化する。もしかして、敵対してる2人が一緒になったことの隠喩なのだろうか。どの効果も3マナのカード1枚でやるには半端だが、全部合わせてこその英雄譚。1章がアドにつながらないので、読み飛ばして2章3章だけの堅実な戦力と考えるのもアリかな。
 
 
ファイレクシア宣教師Phyrexian Missionary
 2マナ2/3絆魂。いちいち触れるのもアホらしくなってくるが、最近のクリーチャーは本当に素のステータスが優秀だ。まぁ、コモンでも2マナ2/2絆魂はいるわけで、アンコならさらに強化されても不思議ではないか。そしてこいつのアンコらしさはさらにそこから。手頃なキッカーを払うとついでに「墓暴き」が起動できるという。こうして見てみると、今回のキッカー能力は必ず違う色マナを支払うために「単色ではできなかったこと」を可能にする「多色カードの分割」みたいな働きになっているわけだが、その際に全く関係ない効果を足し合わせるだけじゃなくて、なんとなくカードとその色がつながっていると感じさせるように工夫されているのがわかる。このカードについても、白は厳密には「あらゆるものを墓地から戻す」だとカラーパイの「曲げ」になるのだが(白は軽いパーマネントを墓地から戻すことは得意としている)、こうして黒を混ぜるとごく当たり前の効果になるし、その上で白っぽいニュアンスも感じさせられるというわけだ。結論として何が言いたいかというと、「ファイレクシア化したら色々便利ですね」ということである(違う)。
 
 
雄々しい古参兵Valiant Veteran
 今回ややユルくサイクル設定されているらしいのが、この「昔ながらの各色の部族のロード」クリーチャー。すべてレアであり、今のところ全員2マナ。ロード能力に加えてもう1つその部族らしい能力を与えられるところまでが共通仕様だ。現時点で白の兵士、青のマーフォーク、赤のゴブリン、緑のエルフまでが判明しているので、普通に考えれば黒はゾンビになるはずだ。こうして種族を並べた時に白だけが兵士という「職業」っぽくなるのが懐かしいですね。オンスロートの時代とか、なんの違和感もなかったよなぁ。さておき、そんなわけで兵士のロードは案外久しぶり。白はそれ以外にも騎士だの戦士だのといろんな職業が混在するようになっており、おかげで「強い兵士って誰だ」と言われてもパッとは出てこない。現行スタンダードで検索してみると、除去枠の「粗暴な聖戦士」が名前に反して兵士だったり、サリアさんあたりのイニストラードのキャラが多いようである。今後兵士デッキが登場するかと言われると微妙な気はするが、まぁ、下の環境とか統率者用の選択肢が増えたと思えばいいんじゃなかろうか。リミテッドで兵士デッキに行こうとしても、多分「お前は……騎士か……。こっちは……戦士かい!」みたいなことが頻発してストレス溜まりそう。
 



 
否認Negate
 安心安全設計の鉄板カウンター。最後に収録されたのがゼンディカーだったので、これによって無事にローテーションを乗り越えての続投が決まった。今回はフレーバー担当がローナさんなんだが、あんまり魔法で何かやってるイメージないんだけどな。
 
 
ヴェスーヴァの複製術Vesuvan Duplimancy
 まずイラストがキモい。夢に出てきそうなナイスデザインで、ぜひ今度のコミケでは誰かこれのコスプレとかやってみてほしい。その上で、能力もキモい。なんと置いとくだけで無尽蔵にコピートークンが作れるかもしれないという。なかなか例の無いトンデモ能力だが、一番近いのは「万物の姿オルヴァール」だろうか。あちらはインスタント・ソーサリー限定だが、複数対象の呪文からでもトークンが作れた。こちらのエンチャントは単体を対象とする呪文に限られるが、その分オーラ呪文などでもトークンを作ることが可能だし、環境に合わせてレジェンドのコピーも可能となっている。「オルヴァール」はそこまで実績は残せなかったが、こちらはやや破壊しにくいエンチャントということで可能性を感じる1枚。パッとは出てこないが、何か極悪コンボの温床になったりしないかとちょっと期待してしまうし、何かデッキを組んでみたいという気にさせてくれる。今思いついたのは、今回登場したズアーさんでまずこれ自体をクリーチャーにし、これをどんどんコピーしていくってアイディアなんですが、どうでしょう。呪禁がつくので除去耐性も付くし、面白そう。
 
 
ヴォーデイリア呪詛抑えVodalian Hexcatcher
 各色に与えられたロードサイクルのマーフォーク版。マーフォークもエルフ・ゴブリンと並んでロードクリーチャーが豊富な部族だが、今回新たに加えられたロードはそんな中でもかなりのポテンシャルを感じさせる逸材。2マナのロードに瞬速付きという時点で侮れないが、そこについている能力もまたクリティカル。なんと、全てのマーフォークを強化版の「捕ら」へと変貌させる。この能力が瞬速でいきなり使えるようになるってんだからたまったもんじゃない。もちろんマーフォークの命をそんなにホイホイ支払えるもんでもなかろうが、部族デッキを組むなら各種トークンなどの逃げ道も用意できるだろう。そもそも「呪い捕らえ」がそれ単体で採用する価値のあるクリーチャーだったわけで、その価値が全軍に普及するってのはどんな環境のどんなデッキ相手であろうと意味があるはずだ。リミテッドで慌てて取る必要はなかろうが、なんなら今後のスタンでも注目してもいいかもしれない。……あ、ごめん、スタン環境にマーフォークほとんどいねぇや……。ローテ後に残る次元がイニストラード・神河・ニューカペナだからしょうがないんよ。
 
 
ブレイズの恐るべき復活Braids’s Frightful Return
 あの愉快な問題児ブレイズが復活?! いったい何をしでかすんだ〜〜〜!?って思ってたんだけど、彼女は彼女なりの享楽主義があり、その悪逆はファイレクシアとは別種のものだったおかげで、「頭おかしいし味方にはしたくないけど、意外と頼りになった」みたいな変なポジションにおちついた。こういう憎めない系の敵キャラ、いいよね。さておき、そんなブレイズさんが陰謀団でドタバタしている英雄譚は、黒い効果の欲張りパックみたいな雑多な印象。1章では自軍クリーチャーと相手の手札を等価交換。2章でそのクリーチャーを回収し、3章では今度は相手に選択を迫り、断られたらドローでオチをつける。トータルで見ればきっちりアド1つ分。先読がついているおかげで、1章が使えない時には読み飛ばせるのも新設設計だ。決して損しない構造はむしろ理知的ですらあるのだが、どの章でもやってることが単発なもんだから、不思議と奔放なイメージになっているのが面白い。過去にはこれを7倍どぎつくしたような「最古再誕」があったが、あまりに強くてアンコモンのくせにボム扱いになっちゃったので、「流石にボーラス様ほどの強さは勘弁してくれ」ってんでこれくらいのバランスになったのかも。
 
 
光の消滅Extinguish the Light
 愉快なおばあちゃん、ヤヤ=バラードの最期が描かれたショッキングな1枚。フレーバーテキストがまた涙を誘うものになっており、PWの死というのはいちいちプレイヤーに余計な心理的負担を与えてくるのでたまったもんじゃない。まぁ、灯争大戦のギデオンに続いてのコレということで、大きな戦争では象徴的な犠牲はつきものだが……(ダクさんのことは記憶にない模様)。というわけで、歴史的なシーンではあるがカードとしてはコモン除去。ヤヤに敬意を表してかどうかは分からないが、歴史的にみてもゴリゴリに高性能なとんでもねーコモンに仕上がっている。もう、今の時代は「英雄の破滅」がちょっと頑張ったらコモンでも手に入るってことですよ……。リミテッドでは何を差し置いても必須。これの枚数で黒デッキの質が決まるくらいのレベル。今回は無粋な盾カウンターなんてものも無いので額面通りの安心感だ。
 
 
ファイレクシア憤怒Phyrexian Rager
 やっぱりいますよね! よかった。今回のセットでこいつがいなかったら嘘ですよ。こいつが初登場したのはファイレクシアとの最終決戦、アポカリプスの時で、さらに初の再録となったのが、同様にファイレクシアとのバチバチ状態だった「ミラディン包囲戦」の時。ファイレクシアがどこかとやりあう時には、必ずその現場に憤怒鬼がいるのである。まぁ、ファイレクシアらしさがあるかと言われれば今となっては微妙なデザインだが、安定堅実のアド構造はいつの時代も色褪せない。ちなみにアポカリプスの時にはこれの上位種である「ファイレクシアガルガンチュア」と一緒だったんだが、あの子は今回出てきてないですかね?
 
 
シェオルドレッドの修復術Sheoldred’s Restoration
 本来、次元を渡るという行為はPWにのみ許された特別なもの。それを強引に可能にしたのが灯争大戦の際に用いられた「次元」で、ファイレクシアはテゼレットを通じてこれを入手し、次元渡りに使っている。本来無生物しか転移できない装置だったのだが、何がどうなったものか、ファイレクシアンの転送にも使えるようになっており、その代償として、どうやらファイレクシア人の有機部分は転移の際に破壊されてしまう。おかげでヴォリンクレックスさんはカルドハイムでケイヤに見つかった時に手負いの状態だったし、ニューカペナのウラブラスクさんも虫の息だった(ギタ様だけは転移後結構時間が立ってたのか、割と元気そうだった)。今回、シェオルドレッドさんが代表としてドミナリアにやってきたのだが、彼女のぶっ壊れ方は過去の法務官の中でもひどい方で、下肢に備えられていた蜘蛛のようなパーツは全損。修復には相当な時間がかかった様子。現地でローナたちの援助が受けられなかったら案外やばかったんじゃなかろうか。とまぁ、そんな修復の様子が描かれているのがこの「注目のストーリー」である。痛みを伴う治療なので、4マナと軽いが代償が必要な「再活性」と同じ制限。元が1マナの呪文なのに4マナになっちゃったのは残念だが、リアニの危険性を考えればこれくらいの制限は致し方ない。代わりと言ってはなんだが、ゆっくり丁寧に直してあげる丁重介護モードも使用可能。こちらは7マナと激烈重いが、痛みが反転してめっちゃ優しい仕様に。どうせリアニする生物なんてくそ重いわけで、ここからまとまった量のライフが回復できるのは悪くない相談だろう。ちなみに、せっかくだからイラスト通りにシェオルドレッドさんを蘇らせてやろうと思っても、彼女自身が4マナと軽いのであんまり旨味がないっていう。やっぱギタ様よなぁ。
 
 
アーボーグへの貢納Tribute to Urborg
 コモン除去の軽量編。2マナで−2という無難な仕上がりで、リミテッドではとりあえず引いといてとりあえず使おう。それ以上でもそれ以下でもないぞ。いや、「それ以上」はキッカーがある。青と組み合わせたら青っぽい何かが起こるはずなのだが、なんと追加効果はマイナス修正のおかわりである。イゼット的指標を使って強引に青っぽくは見せているが、「4マナだと除去としての安定感が増すんですよ」というだけの効果をなんとか多色に結びつけた製作チームの苦労が伺える1枚。一応「墓地戦術と呪文戦術の融和点」なのは間違いないし、大変よく頑張った。

 


 
戦争The Elder Dragon War
 こちらもある意味「兄弟戦争」。この世界の兄弟喧嘩、だいたいにおいて次元を巻き込む大事件になりがち。そう考えるとギサとゲラルフがどれだけ仲良しかって話ですよね……。というわけで未だ語り継がれるボーラスさんたちの物語。仰々しい名前の割に能力は意外にも堅実派で、1章が全体2点火力。4マナソーサリーとしてはやや物足りないが、先読英雄譚の良いところは必要なければ飛ばせるという部分。こうして相手次第で効き方が劇的に違う効果が1章に入っていると純粋に選択肢が増えて助かりますね。2章は枚数可変の赤ルーター。これもまぁ、あったらあったでいいけど、面倒なら読み飛ばせる章。ほんで最後にドラゴンに着地して「今の時代も、ドラゴンは自由に空を舞っている」みたいな森本レオのナレーションでオチをつければいいわけだ。……なんか、ふつーに4マナのドラゴンとして使うことが多そうだな……。
 
 
芽吹くゴブリンSprouting Goblin
 何故芽吹いたのかは不明だが、芽吹いちゃったもんはしょうがない。とても共存共栄してるようには見えない菌類ゴブリン。ボディは普通だが、緑キッカー込みなら「地勢」がおまけに。多色環境なら確実にニーズがある「護民官道探し」と同じパフォーマンスだ。まぁ、緑含みの多色でコモンと同じ働きってのもどやねんという気もするが……一応「地勢」と微妙に違うのは「基本土地カード」を探すのではなく、「基本土地タイプを持つカード」を探せるという部分。つまり現在ならトライオームをサーチするのはまったくもって合法。その部分だけでも一応オリジナルの仕事とは言えるだろうか。さらに下の方には何やら不穏な能力も追加されており、土地がクッソあまったタイミングで引いてくれば全ての土地をサイクリングできるという。まー、これを使い始めるタイミングにこいつが生きているかどうかは微妙だが、可能性があるというのはいいことだ。久しぶりに赤の土地を粗末に扱う感じが見えるのは良い。
 
 
幻想家Leaf-Crowned Visionary
 各色に与えられたロードサイクルのエルフ版。みんなして2マナなのは共通なのだが、何故かこいつだけはダブルシンボルになってちょっとだけ差をつけられてしまった。まぁ、どーせエルフデッキなんてゴリゴリに緑になるんだからそんなに問題はないだろうが。そこまでしてちょっと差をつけられた理由は、もしかしたら下に書かれた能力が強すぎる故かもしれない。何しろ自軍エルフは全員「垣間見る自然」状態。エルフって連中はただでさえ人員が人員を呼ぶ人海戦術を得意としており、その過程でマナ能力までもが爆裂する可能性が高い。エルフデッキが一番欲しいのは、パワーでもタフネスでもなく、後続を引き込むドロー能力なのだ。そのニーズにあまりにかっちりハマってしまったこちらのロードは、今後は下の環境を含めて要注意カードになるのは間違いない。ちなみに、構築環境だとカルドハイムの退場によってエルフの数がガクッと減る。ドミナリアだけでは流石にデッキを成立させるだけの手駒は足りないかなぁ。
 
 
古きMossbeard Ancient
 頼れるツリーフォークおじいちゃん。もう、私は7マナで7/7トランプルで戦場に出る時ライフを持ってくるクリーチャーなんて言われたら始まって終わるどこぞの地名しか思い出せませんが、このアンコモンはかなり頑張ってそんな偉大な先輩に近づこうとした努力賞。これだけ頑張っても、最後に一文が足りないのでレアになる権利は全く無いのだが……これが着地した時の安心感は半端ないですよ。白と組み合わせて明滅など組みあわさば、またをかし。いみじうたよりになりけり。
 
 
ウェザーシード盟約The Weatherseed Treaty
 これも謂れはよく知らないんですが、調べてみると多分ウルザが対ファイレクシア戦線を構築する際にムルタニと協調路線をとった時のシーンでしょうかね。ウェザーシードってのはヤヴィマヤの森で取れる天然素材で、あのウェザーライト号の船体にも使われているとか。そんな森の力を手に入れられるエコロジカル英雄譚で、見ての通りに緑色っぽい効果の詰め合わせパックになっている。版図環境であることを考えれば第1章の時点で既に仕事は半分終わったようなもの。「不屈の自然」は今回は特に重要な役回りになるだろう。2章はそんな土地からの芽吹きを表し、3章では実りを収穫してのファッティパンチを繰り出す。トータルで土地1枚とクリーチャー1体。まぁ、損はしてない。先読もついているが、これを読み飛ばそうと思うのは3章の効果をソーサリーとして使えば勝てる場面だけだろう。2章が微妙なのでややタイムラグはあるが、急がないのであればきっちり全部読んでおいた方がいいお話なのである。
 
 
ベナリアの堕落者アロンAron, Benalia’s Ruin
 各地の各陣営に紛れているファイレクシアの「スリーパー」の1人は、なんとダニサやラフたちのお父さん、アロン・キャパシェン。シナリオ上は、ダニサが駆けつけたら既にアーテイに完敗してこの状態になっており、あんまり「お父さん、完成したんだァ!」みたいなドッキリ展開はなかったが、ダニサが涙を堪えて「元」親父を斬って捨てる展開はきついものだった。完成してなお、その指導力は健在なんだろうか、3マナ3/3威迫のナイスバディだが、トリプルシンボルであることを考えればまぁ普通か。そして、人の命をもはや燃料としか思っていない綺麗なサクり&増強エンジン。白が「トークンを並べる色」、そして黒が「生贄に捧げる色」なのでこの組み合わせが綺麗にハマる。というか、単にトークン戦術の白だけでもこれがブン回るだろうよ。なんかさ、最近「全軍にカウンター置く」がどんどん安くなってきてません?
 
 
アルガイヴの徴募人ベイルドBaird, Argivian Recruiter
 先代ドミナリアでは2/4というガッチリ体型にバリバリ守備に回った能力という防壁タイプのキャラだったベイルドさん。しかしこの有事にあってはのんびり構えているわけにもいかず、一転して攻めを重視した最前線キャラにイメチェンを果たした。コストは半分、タフネスも半分。そしてそこに与えられたのはなんとも珍妙な徴募能力だ。「基本のパワーよりも大きなパワーを持つクリーチャー」という初めてみる判断基準。いったいなんなのかとイメージしてみると、クリーチャーが本来よりも高いパワーを持っているパターンは大きく4つあり、「装備品」「オーラ」「カウンター」「増強呪文」である。こうしてみれば、結局は毎度おなじみボロス的な戦術を後押ししていることが分かるはずだ。装備品を握ったクリーチャーを用意しておけば毎ターン自動で新人兵士が追加されるというかなり高効率なトークンジェネレーター。今回収録されたロードみたいなクリーチャーで強引に条件を満たし続けるのも悪くない。単体では絶対仕事をしないキャラなだけに、シナジーがはまった時のペイは大きい。これだけ人が集まってくるなら、赤黒系のサクりエンジンへの組み込みも検討してみたいところだ。
 
 
戦闘魔道士隊長バルモア/Balmor, Battlemage Captain
 「戦闘魔道士」もこのドミナリアに端を発する名称で、元々はプレーンシフトで作られた「色違いキッカー」を持つクリーチャーサイクルの名。今回大量に作られた2種キッカーカードの元ネタとも言える歴史のターニングポイントだ。ただ残念ながらこちらのレジェンド鳥人間はそうした歴史とは1ミリも関係ない。キッカーもなければ187効果も無く、単にイゼット的ギミックを後押しするだけのやつだ。「インスタントかソーサリーで増強するよ」はおなじみのパターンで、一番近いのはウィザードだけをサポートしていた先代ドミナリアの「燃えがらエイデリズ」だろうか。今回はウィザード限定ではなくなったが、その分タフネスへの修正がなくなった形。スペルサポーターの課題はいつだって「どこからクリーチャーを調達してくるか」の1点。こいつもそこさえクリアできれば電撃作戦の指揮をとれる可能性はあるのだが……。ま、最悪自分のパワーが上がるだけでも満足しないとな。
 
 
残忍な巡礼者コー追われエラスElas il-Kor, Sadistic Pilgrim
 クリーチャータイプ欄の表記が割とギリギリ。「ファイレクシアン」がただでさえカタカナで長いので、そこに2つだとキツいですわね。さておき、見ての通りに白い要素と黒い要素が非常に分かりやすいクレリック。似たニュアンスのクリーチャーとして、現地のファイレクシア人「縫合僧侶」がおり、あちらは「自分でクリーチャーを出すとゲイン、相手がクリーチャーを出すとルーズ」という方式だったが、今回は「出てきてゲイン、死亡でルーズ」。これに「食肉鉤虐殺事件」を合わせてセットしてくと、こちらのクリーチャーが死ぬだけでみるみる相手のライフが減る地獄絵図が堪能できる。おいとくだけでもそれなりの仕事は可能だが、やはり積極的に運用するならどれだけクリーチャーを展開できるかの勝負になる。クリーチャーが出て、死ぬというサイクルさえ維持できればいいので、例えば「ネファリアのグール呼びジャダー」さんが出す腐乱ゾンビトークンなんかは間違いなく合法。それ以外にもどうやら腐乱ゾンビ関係のカードとはかなり相性が良さそう。ファイレクシアの流儀、簡単。
 
 
ケルドの血ガルナ/Garna, Bloodfist of Keld
 先代ドミナリアでは攻めの速攻と守りの墓地回収という微妙に噛み合わない能力を併せ持っていたガルナさん。どうやらラーダに近しい位置にいる人らしいのだが、ラーダのことは嫌い嫌い言って反目しているらしい。でも今回のフレーバーを見る限りでは……実はいい奴だよね、こいつ。さておき、今回は見ている方向は真っ直ぐ攻め方向で迷いなし。自軍のアタッククリーチャーが死ぬだけで1ドロー。簡単。一応アタックしてないクリーチャーが死んだ場合でもちょいボーナス。結論として、「クリーチャーは死んでナンボ」ということになる。本人の色拘束が厳しくて除去耐性が皆無なのは残念だが、前のめりデッキがブッコミかける前の号令としてはちょうど良い。
 
 
古代学者メリア/Meria, Scholar of Antiquity
 赤緑なのにアーティファクト大好きという珍しいタイプのエルフ。普通、この2色ってアーティファクトをぶっ壊す側に回るものなのだが、時にはこういう異端者も現れるということなのだろう。そして、そんな色に似合わないことはやってるけども、アーティファクトの使い方はちゃんと赤緑のカラーパイに従っている。アーティファクト1つでマナソース、アーティファクト2つで衝動的ドロー。どちらもしっかり盤面に影響を与えられる良い能力である。ただ、アーティファクトの品質にこだわりがあるせいか、トークンを受け付けないという制限がついちゃったのはやや難。一番手っ取り早い宝物トークン・血トークンが使えないので、こいつをフル活用するにはなんとかして実際のカードでアーティファクトを並べてやる必要がある。アーティファクトカラーじゃないせいでこのカラーリングだとあまりシナジーは見込めないため、中心的な活躍をさせたいなら「兄弟戦争」を待つのが無難だろう。
 
 
エイヴィーゾアの空士エル/Nael, Avizoa Aeronaut
 カード名の要素がよく分からなくて萎える。多分「ゾア」ってついてるってことは「エスパーゾア」とか「ゴーマゾア」の流れだろうから、イラストに見える気球みたいな部分がクラゲ生物なのだと思われる。で、そんなクラゲでカールじいさんしちゃうヘンテコエルフだが、例によってシミックカラーなのでデザインもかなりの紆余曲折があったものだと思われる。最終的に「戦闘ダメージ誘発でアド要員」になったのは妥当な落とし所か。普通に考えれば戦闘ダメージトリガーという条件だけでも結構厳しいのだからそのまま「泥棒カササギ」みたいにドローする能力でもよかった気はするのだが、それだとセット特性が出ないってんで強引に版図を導入し、そしたら「4枚見て1枚ゲット」とかで強過ぎちゃうので、ドローできるのは本当に版図が大好きな人間だけに制限されてしまった。実質5色カードみたいなもんなので、使うとしたらそれなりの覚悟は必要だ。まぁ、3でも4でもそれなりに強くはあるのだが……多分土地4種の時にライブラリのトップに置きたいのは「5種類目の土地」でしょうね。
 
 
解放されし太古リース/Rith, Liberated Primeval
 先代ドミナリアではデアリガズさんが復活していたが、今回はリースさんが登場。このドラゴン連中がどこでなにやってたのかはよく知らんのだが、もしかしたら他の3体もどっかで登場するチャンス狙ってたりするんでしょうかね。もし可能なら、是非ドロマーさんに再登場してほしいですね。前作の「いや、起動したらお前が戻るんかい」っていう設定が流石に伝説としてどうかと思ってたので。さておき、転生後にちょっと太ったデアリガズと異なり、リースさんは時代に合わせて多少のシェイプアップに成功して登場。5マナ5/5で護法2はなかなかの安定感だし、ついでに全てのドラゴンも守ってくれる懐の広さは慈母の優しさを感じる(ちなみにリースさんは女性らしく、Wikiによれば「かなりの美女(美ドラ)」だそうです)。さらに、なんでか分からんけど相手陣営に余剰ダメージを与えていればドラゴンの子供が生まれるという。もう、慈母っていうか肝っ玉母ちゃんですね。色に赤が入っているのだから火力で適当な相手クリーチャーを焼くのなんて日常茶飯事。なんでそこからポンポンドラゴンが生まれるのかはよく分からない。分からないけど生まれるっていうんだから喜んで認知しようじゃないか。新たなドラゴン伝説の幕開けとなるだろうか。リミテだと綺麗にボム。余剰ダメージって別に戦闘ダメージでもいいんだもんね。
 
 
トゥーグの落とし子ウゥーグ/Uurg, Spawn of Turg
 トゥーグの子供だからウゥーグ。カエル族の名づけなんてよく分からんけど、まぁそういうことだ。何故かゴルガリカラーのアンコモンにカエルがきたよ。まぁ、前回もバカでかいカエルが伝説でしたけど……今回はどっちかというと同じカエルでも「ギトラグの怪物」に近いデザイン。なんでカエルが墓地の土地と関わる能力になるのかはよく分からんね。あまり構築向きの能力ではないのでリミテで使えるかどうかが判断基準となるが、とりあえず3マナタフネス5の壁ではある。ただ、そこからパワーを上げるのは結構大変で、毎ターン自動で発動する「頭脳集団」能力でちびちび貯めるとか、ゴルガリにガッツリ寄せてライブラリを堀り進むしかないだろう。一応、一番下の能力で強引に水増しすることはできるが、コストもかかるし、わざわざ今ある土地を削ってまでやるのもどうかと思う。トータルすると割とファンデッキ寄りになっちゃった気はするんだけど、まぁ、タフネスがあるからしぶとさは本物。壁デッキっぽい動きの中に小さなテンポアドを見出すのが正しい使い方か。ほんでトゥーグって誰ぇ?!

 


 
ヴォーデイリアの冒涜者ヴォハー/Vohar, Vodalian Desecrator
 当然のことながら海底深くのマーフォークにだって容赦無く油は押し寄せていますね。なんか、重油があふれてベッタベタになった海鳥の被害を見てるようでかなC。まぁ、当人たちは楽しそうだから別にいいんですが。こちらは青黒アンコということで「墓地戦術」と「呪文戦術」の間を取り持つ能力になっている。シンプルにタップのみのルーターなので現代ならそれだけでも充分アンコモンクラスだが、その際にインスタント・ソーサリーを捨てればなんと1ドレイン。これだけでも当該呪文を多めに入れておこうと思わせるので基柱カードとして成立しているだろう。加えてルーターなんかやってる場合じゃねぇ!という緊急事態になっても、捨てまくった呪文の中から1枚だけ再利用することで窮地を脱するオプションも搭載。タイミングが限定されているし、2マナ追加でかかっちゃうのであまりビッグアクションには向かないが、これを使って全体除去のおかわりとかされたら、それだけでクリーチャーデッキはガタガタになるだろう。あくまで「その可能性がありますよ」という匂わせだけでも、相手はこいつを放っておけないはず。2マナで出して除去の対象になるなら、それは優秀なクリーチャーの証なのだ。多分、死に際にみんなして「ゔぉはぁ!」っていう。俺は言う。
 
 
自動司書Automatic Librarian
 お前、ついこないだまでだったじゃん!! 次元を超えてこんな形に……。というわけでニューカペナでは「金属猫」が担当していたパートを自動人形が引き継いだ。よく見ると猫は占術1しかできなかったが、流石にこちらの司書は猫の手よりは優秀らしく、占術が倍にパワーアップしている。ぶっちゃけ「金属猫」はリミテでもほとんどお世話になることのないいらない子だったが、今回は占術の値が増えたこと、そして若干ではあるがアーティファクト絡みのギミックが存在することで、ちょっとは出番が増えるかもしれない。これで「歴史的」が再録されてればかなり違ったんだろうけどねぇ。

 


 
スランのThran Portal
 ありそうで無かったタイプの多色サポート土地。出たタイミングで何色になるか決めていいというギミックは過去にも存在したが、それが「基本土地タイプを選ぶ」という設定になっているのは初じゃなかろうか。基本土地タイプを持つことは基本的にメリットである場合が多く、今回は版図がフィーチャーされたことでいよいよこのようなカードが開発されたのだと思われる。5色全部出せる可能性があるのだからタップインでも怒られなかったとは思うのだが、レアリティを上げてアンタップインの可能性を残したのは偉い。あと、完全にフレーバー優先なのか、他の環境に配慮してなのか、いきなり新手の門として出てきたのも偉いといえば偉い。「迷路の終わり」がここにつながってたらびっくりするが……。

 

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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