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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 いろんな価値観、第9話。そうかぁ、今作も言われてみれば異種間コミュニケーションの話なのだね。ドラゴンほど見た目の差がないからあんまり意識してなかったな。価値観にも色々あって、例えば生死観であったり、恋愛観であったり、倫理観であったり……あと、カラオケ観。

 今回の主役は吸血鬼ギャルのセリちゃん。模範的戸松キャラとしてノリの軽さが前面に出ていたキャラだったが、なるほど吸血鬼のメンタリティというのは一筋縄ではいかないものだ。自分のことを「世界で最もモテる生物、JK」と名乗ったが、人付き合いだって普通のJKのそれとは違う。おそらく寿命も違うのだろうし、この世界の吸血鬼にはよくわからない「1年制限」があるので付き合う時に相手が眷属なのか、友達なのか、贄なのかを考えなきゃいけない。単なる「友達」で終われないからこそ、その関係性に辟易するのも致し方ないのだ。そういう意味では、すでに「ナズナちゃんのもの」という前提を持って付き合っているコウとの関係性は、セリちゃんにとっては気楽なものだったのかもしれない。

 一悶着あったがなんだかんだで遊びにいく許可が出たセリとコウ。深夜に遊べる場所は限られているが、今回は(今回も?)カラオケに行くことに。そこで現れるのがまずは「カラオケ観」である。いや、これは吸血鬼だとはどうだとかは1ミリも関係ないイデオロギーの話になるが……遊び慣れているセリのカラオケスタイルは模範的なもの。流行りの曲をみんなで盛り上がって歌う。それがカラオケのベーシックなスタイルなのだろう。しかし、まだ中学生で遊び慣れていないコウからしたらそんな「常識」は知ったこっちゃない。他人が歌ってても反応しないし、歌いたいから歌う。本来ならカラオケってのはそれでもいいはずなのだが、何故かそれが「普通じゃない」と思われる世の中なのだ。私もカラオケジャンキーとしてこの辺りの価値観ってのはとても悩むところではあるんですよね……まぁ、私みたいに大前提としてヒトカラがメインの人間はどうでもいいのかもしれないが……他人とカラオケに行く時、自分のエゴと、他人との融和のバランスはどうしても考えてしまう。それがいつの間にか自分を縛り付けるものになっているかもしれないとは思いながらも。でも、それが人間関係なのだよね。

 次に現れる価値観、それは倫理観。ドアの外に登場したダル男(秋山君)のおかげで、セリとコウは人付き合いの何たるかを議論する。そして初めてみる男を前に、コウは人付き合いのなんたるかを考え直す。画面は色調を変え、セリが殺意をあからさまにする。アンディ・ウォーホルのような色調の世界は、明らかにセリの意識が切り替わり、人間との温度差が際立つ世界。人間は殺してもいい生き物。というか、人間どうしの関係であったとしても、そこに「殺してはいけない」という前提が何故存在するのか。お仕着せの倫理議論ではなく、それを説けとセリちゃんは言っている。そんな難しいことを一言で説き伏せられるはずもないのだが、それでもコウは、自分の信じる倫理を訴え、秋山を連れて一旦離脱。

 秋山とセリ。2人の関係性の中に生き死にが常に付き纏うのは、吸血鬼として生まれたからには避けられないものだった。生死観は人間どうしなら擦り合わせられるかもしれないが、吸血鬼と人では決して交わらない。あまりにも種としての存在が異なる二者の間での命の議論は、どこまで行っても平行線だ。では恋愛観はどうか? こちらもセリが訴えるのは圧倒的に吸血鬼が優位な関係性の歪みであるが、その歪みを生み出すのはあくまでも吸血鬼自身のエゴである。そのことに納得できないコウは、命を賭けて真っ向からセリに反抗する。そして、本気で命をとりにきたセリはナズナに制圧されてしまう。

 生き死になのか、善悪なのか。ややこしい言葉を振り翳していたセリだったが、根っこの部分まで突き詰めれば、それはなんと恋愛観に着地した。人との関係を常に惚れた腫れたでしか語れない宿業を背負ったのが吸血鬼。あまりにもそんな関係性が多すぎて疲れてしまったとはセリの訴えである。男となればそれは眷属か否かの判断しかない。それが嫌なら、関係性を切るしかなかった。

 しかし、それすらもセリのエゴであるとコウは説き伏せる。そんな難しいもんじゃない。やりたいようにやって何が悪いのかと。どうにも、コウはまだ幼いこともあり、その辺りのストレートな欲求への信頼が強い。だからこそこうしてナズナちゃんとの奇妙な関係性も維持されているのだろう。しかし、今回の顛末で秋山とセリの関係性が綺麗に着地したことは、当然コウたちの関係性にも影響を与えるはずだ。目の前で結ばれた眷属契約。「吸血鬼を好きになること」のなんたるかが、非常にわかりやすいサンプルとして目の前に提示されたのだ。のほほんとした顔の2人だったが、これから先、どこかでケジメをつけなきゃいけないということを再認識させられる流れである。ナズナちゃんにはセリのような気疲れは無さそうだが、セリにはたっぷりある経験値がナズナちゃんはほぼゼロ。同じように経験値ゼロのコウとの間に、理想的な眷属関係は築けるのだろうか? まぁ、それぞれに自由な形があるならそれでいいとは思うけどねぇ。

 

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