最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
さぁ、いよいよこういう展開になってきましたね、第4話。これが良いの悪いのという話は抜きにして最初に書いておくと、このブログの来歴からご存知の方もいるかもしれないが、わたしゃ「地獄少女」が大好きでしてね。 まぁ、30分で1本の話をまとめなきゃいけないので色々と急展開すぎるところはあるし、「そんなことを生き死にの問題にするなよ」というツッコミも入りがちだが、それこそ「地獄少女」も「そんなことで人呪うなよ」みたいな展開はちょくちょくあったので、今回のお話だって許容範囲内だ。というか、「地獄少女」は明確な殺意の物語なので事前のモチベーションはそれなりにしっかり必要になるが、今作はいわば「死んだ後の物語」なので後からどうとでも理由はつけられるから無問題なんだ。 というわけで、今回登場した2人の女の子・清江となごむのお話はどうでもいいと言えばどうでもいい。部活を真面目にやるのやらないの、責任を取るために腹を切るの切らないの。色々と個人の見解はあるだろうが、最終的には「人の気持ちってのはすれ違いがちだよね」というだけのこと。問題は。そうして生じた軋轢とちょっとした間の悪さを、このホテルがどのように消化するかというお話。前回ホテルへの滞在が決まった殺人鬼探偵の大外。記憶も何もかもが戻っている彼がいつまでこのホテルにいるかも分からないし、何が目的なのかもはっきりしてないが(本人も分かってないのかもしれんが)、とにかく退屈なホテル生活の中で刺激を得て、自己の欲求を満たしたいという気持ちはあるようだ。そこで程よい不和の種がホテルに来てくれたのをいいことに、生来の人心掌握術でその軋轢を肥大させ、最終的には自ら手を下さずに「殺人」を決行した。大外のパーソナリティもいうほど判明してはいないのだが、確か前回の情報だけでもそこそこの知性を備えたサイコパス的な殺人鬼であることは示されており、年端もいかぬ女子高生をいいように操って友人を殺めるところまで持っていった手腕はお見事。まぁ、流石に雑じゃね? という気持ちもあるが、尺の問題もあることですし。一応「すでに自分が死んでいる」っていう事実を突きつけられたなごむちゃんが極限状態だったという理由もあるかもしれない。 そうして「ホテル内での殺人」を手を汚さずに成し遂げた大外は、「ホテルでの殺人は即地獄行き」というちょっと怪しげな情報の真偽を確認。ついでに「ホテル内で殺されると消える」という情報も追加で獲得した。さりとて、これが判明したとて、大外がこの情報をどのように活用できるかは分かっていない。今回はたまたま2人連れの客だったから「片方を殺す」ことができたが、これまでのようにおひとり様続きだった場合にはホテル従業員でも殺していくほかない。……殺すんかな。やらない保証はないな。 これにてホテルのルールがまた1つ確認できたわけだが、そこに関してどうにも気になるのは、このホテル全体の「死」への向き合い方である。特にバーの常連客であるアイアイヅラの切子という客。こいつが明らかに大外を殺人教唆へ誘導しており、いわば「殺人教唆教唆」みたいな状態。どう見ても善人には見えない。単なるモラルが無いガヤなのか、それとも大外を超える極悪人なのか。どうにも気になるところだ。 そして、衝撃の展開で忘れがちだが冒頭のアバンで垂れ流された音子ちゃんの生前の記憶。しれっととんでもねぇことを言っていたし、彼女の客との接し方もどこか達観したような部分が見受けられる。このドラマの結末は絶対に音子や阿鳥の生前の世界につながるはずで、彼女が今回の「死」の現場を目の当たりにしたことが、何か今後の展開に影響を与えたりするのだろうか。 良い具合に、カオスが高まってきた。なお、今回はお客2人に石川由依・若山詩音というナイスキャスティングがあったのでその辺の芝居の妙味も味わうことができたのがプラス点。若山詩音にギチギチ叫ばせたい。 しーたむ。この子はいつの間にやらしーたむ。こういう認識の確定がいつ起こるのかは自分でもよくわかりません。確認したら2015年時点でこの呼び方になってるので、割と早めに馴染んではいたんだろうな。 ※当記事における「変な声」は全部褒め言葉です。
しゃべるんかいワレ、第15話。まー、今更この作品の世界観に文句を言うつもりもないが……まさか災厄そのものがしっかり人格を有しているとは。いや、ここまでみんなしてそういうニュアンスで話してはいたけどね。まんまだとは思わんかったわ。 今回は2期では初めての「新キャラ追加無し」のエピソード。ここまで登場したキャラが結集して噂の災厄である「微塵嵐」に戦いを挑むお話。ただ、未だに「誰がどこで何を狙っているのか」がよく分かってないのでふわふわした印象は否めない。まぁ、このぼんやり全体を包む雰囲気を楽しむってのが今作の真骨頂だとは思うが。1期の時もそうだったけど、大きな勢力分布を把握するのが意外に大変なんだよな。「新公国」はまだなんとなくどういう存在なのかは言葉の響きだけでも理解できたが、2期に入ってから焦点が当たっている「旧王国」ってのがなんなのか、正直よく分かってなかった。今回合間のTipsで「黄都の元になった存在だよ」と書かれていたのを見て、納得できたような、やっぱよく分からんような。とりあえず現時点では「リチアは倒れたが、決して黄都の敵対勢力がないわけじゃないんやで」くらいの理解に留めておくしかないだろう。 そんな黄都側で現在中心的な人物がクウロ。便利な索敵能力で微塵嵐を取り巻くキャラクターの配置をおおまかに管理。視聴者に伝えてくれる便利な実況役。お供のキュネーとの関係性も未だよく分かってないが、この2人は今後もニコイチだろうし、個別に考える意味はないか。 そして、逆に「旧王国」と繋がりがあるのが「逆理のヒロト」という緒方恵美ボイスの闇商人で、前回は大量の武器を流して火種を作っている様子が窺えた。旧王国派の兵の配備にもいっちょかみできるとのことで、政治側から今後の勢力図を操るキーパーソンとなるかもしれない。そして、そんなヒロトと偶然接触したのがトロア。彼の目的は明確で、師匠の先代トロアの敵討ちも混みで、光の魔剣とやらを取り返すために憎き簒奪者であるアルスを追っている。彼は黄都軍で動いているので、自動的に黄都と敵対する旧王国はにつながることになるわけだ。今回も丁々発止のバトルシーンを見せてくれたわけだが、やっぱりチートだらけのこの世界の中では割と「フツーの剣士」としての闘い方をしてる気がするので影が薄くならないかはちょっと心配。多分すげぇことやってるんだろうけど。 トロアが地味に見えてしまうのは、戦っているのがよりによって謎兵器のメステルエクシルだからだろうか。「爆砕の魔剣」とやらを旧王国派のどっかから強奪してウキウキのメスエクくん。その無体なまでの武力強化は、「母」である「軸のキヤズナ」の復讐劇のため。彼女はかつてゴーレム王国を作ろうとしていたのに、微塵嵐で台無しにされた過去があるらしい。メステルエクシルだけで微塵嵐に勝つ算段があるのかどうかはよく分からんが、武力の強化には魔剣も必要だったということなのかしら。そんで、たまたまその行程がトロアとバッティングしちゃったもんで、今回無条件での最強対決に行き着いたと。まぁ、お互い相手がなんなのかよく分からずに戦ってたみたいだし、次週は「敵の敵は味方」理論でタッグを組んで微塵嵐に挑む未来もなくはないが。 こうして少しずつ勢力図はオープンされているのだが、肝心の「微塵嵐」がなんなのかがよく分かってないのでどうなったら納得いくエンディングになるかも分かっていない。黄都に直撃するのは確定とのことで、話を聞いてると「文明が発展すると自動でそれを初期化しにくるシステム」みたいに見えるのだが……なんかどっかで聞いたことがある設定だな。しかし、キヤズナさんも、旧王国軍のみなさんも何かしら対策法があるっぽい雰囲気で対峙もしているし、人類がいよいよこのシステムと決別するタイミングなのかもしれない。いや、今のところ勝てるビジョンは見えないけども。どうなるかしら。 文学的変態、第4話。まぁ、考えてみりゃ世にあふれる趣味趣向なんてものはあまねく個人的なフェティシズムの表れと言えるわけで……我々もどこかの領域においては、ひとかどの変態と言えるのかもしれませんね?(主語を大きくしていこう委員会) 今回のテーマは大きく2つ、「ラジオ放送」と「整井先輩(古典朗読)」。こうして見ると「放送部」という設定は意外にバリエーション豊富な切り口があって退屈しない便利なものなのかもしれませんな。 まずはラジオ放送。瑞希に誘われて昼の放送室にやってきたせいでなし崩し的に生放送に出演させられてしまう花奈。素人にいきなり生放送なんてそれだけで無理難題だってのに、元々コミュニケーションが苦手な花奈にいたってはちょっとしたいじめに近いかもしれない。人前で話すってだけでも緊張するのに、そのオーディエンスが目の前におらず、想像もできない不特定多数の人間がそれを聞いてるかもしれないとか思い出したら緊張ってレベルじゃねぇぞ。そう考えると、世の芸能人やら配信者やらがのうのうとしゃべってられるのってそれだけでも才能と言えるのかもしれない。当然一介の高校生がいきなりそんなことができるわけもなく、瑞希も無遠慮に「大失敗」と言っちゃうくらいの結果に終わった。自分から引き摺り込んでおいて失敗呼ばわりとか、なかなか酷いやつである。 でもまぁ、失敗で塞ぎ込んじゃうかと思った花奈も意外とタフな部分があって一安心。今作は花奈がショックを受けた時も「あんまりお話の上で深刻なショックじゃないですよ」って時にはデフォルメ調にしてワンクッション入れてくれるから安心です。逆に重要な心情の揺れについてはしっかりシリアスめにやります。今回で言うなら杏絡みのシーンはだいたいそれ。現時点では1人で全部抱え込んでるんだよな、あの子。 ちなみに失敗しちゃった花奈を助けてくれたのは一見ちゃらんぽらんな友人・猫井ちゃん。名が体を表しすぎるくらいに猫っぽい子で、CV根本京里とも相まってなかなか脳髄に響く子ではある。この子が素直に花奈の失敗を笑い飛ばし、そこからしっかりケアしてくれたおかげで彼女も前向きにラジオ放送に眼を向けることができた。持つべきものは良い友達。高校入学直後なんて、ほんと大事よそれ。 そして今回もう1人のキーパーソンである整井先輩。「文学的変態」という瑞希の言の通り、スイッチが入っちゃうとちょっと危ない人ではあるが、基本的には瑞希のフォローに回ってくれるいい人である。今回の朗読は彼女のターンであり、きよのんボイスで癒し満たしてくれるとても良い配置。なるほど、古典向きの声ってのはこういう声か。 今回整井さんのお話で一番興味深かったのは、やはり「古典を朗読するということ」について。考えてみれば不思議なもので、整井さんも言っていた通り、古典については「書いた当人だってどう読んでいたも分からない」文章である。日本語における言文一致が推進されたのはほんのここ100年程度の歴史しかなく、それ以前の筆記文学については、声に出して読むことを前提としていたかどうかすら定かでない。つまり、極論すれば「古文を読む」という行為自体、その作者の意に反する(少なくとも意図に含まれない)ズレた行為である可能性がある。また、現代の「朗読」は基本的に「伝える文学」であり、語り手と聞き手が共通の言語を持ち、そこに感情が乗るという前提の下で成立する行為。どのように読むかも分からない、読んでも意味すら伝わらないかもしれない、そんな文章を「声に出して読む」行為は、現代文の朗読とは目的を一にしないものなのだ。 それを理解した上で、整井さんは古文を「読む」。それはもはや朗読の枠を超えた純然たる「音」、「声」の娯楽なのかもしれない。いわば音調を味わう一種の音楽のようなもので、我々が意味も全くわかってないくせになんとなく洋楽を聞いちゃう感覚に似ているのかもしれない。もちろん、そこにしっかりと意味の解釈を含めて情景にまで想い至ることができればプラスアルファの楽しみもあるので、聞き手側が「なんとなく何言ってるか分かりそうな気がする」くらいの絶妙な距離感にあるのが「古文の朗読」なのだろう。意味解釈については、その後の整井先輩の熱弁の通りである。変態的とは言え、全くもって共感できるお話だったのではなかろうか。 まだまだ掘り下げれば「朗読」分野の興味深いお話は出てきそうですね。ただ、ここらでそろそろバトンは杏ちゃんの方にパスされるかな? 彼女の話になると、どこかトゲがあるもんだから花奈ちゃんの心がざわりとするのが不憫なのよね。早いとこ仲良くなってくれ。 椎名ァ! 第5話! みんなして必死になすべきことを成している時に、何1人だけ色ボケしとんねん! 流石に爆笑したわ! あ、あと野良猫さんは何週ぶりかの登場おめでとうございます。 てなことからも分かる通り、少しずつMyGO組にもパスが渡り始める展開。これまでの4話に比べると明確な波風は多少収まって、心臓を鷲掴みにされるのではなく、ギリギリと万力で締め上げられるような回になりました。まぁ、ここまでの4話が起承転結だと「起」「驚天」「驚天」「驚天」みたいな流れで来てたので、ここで「転」くらいで一呼吸置きましょうよ。いや、展開だけ見たら何一つ治ってないし、次の展開への種まきでしかないのだけど。 流石に先週と同じフォーマットを続けていると感想として発散し続けてしまいそうなので一旦簡単にまとめていこう。拾わなきゃいけない要素が多すぎるのでリアタイ視聴後の単発感想でどこまで拾えるかも分からないが、現状で私が見たい要素をピックアップすることで感想に替えたい。その場合、やっぱりキャラ1人1人で分けて考えるのが楽かな。 まず、先週までは世間を賑わす坩堝のど真ん中にいたモーティスさん、今回はなんとほぼ登場せずという凋落。まぁ、最後に強烈な爆弾をぶん投げて2週続けてのホラー展開というノルマは果たしてくれたが、シンプルに「願いが歪み、全く想定していない方向に自分が全てを台無しにしてしまったせいで壊れる」という展開である。タチが悪いのは、あれだけやっといて壊れたのがモーティスではなく睦の方だということ。いや、壊れたってのも表現が違うか。モーティスに全部任せた結果大失敗したもんで、そりゃもう二度と出てこられなくなった。あまりにも自己肯定できずにいたため、もしかしたらモーティスの中でも若葉睦という存在はかき消えてしまいそうなのかもしれない。モーティス自身は睦を害する意図など全く無く、むしろ救いたいと思っての行動だったのに結果は真逆。そりゃ焦る。何が酷いって、睦がこれだけの状況になってしまい「1ヶ月引きこもり」という具体的な問題を抱えているというのに、そよが自宅を訪れた時にも対応したのはメイドさんだけなのである。父親のわかばも、みなみちゃんも娘に何一つ寄り添っていない。壊れるべくして壊れてしまったお人形に、そよは再び睦を宿らせることはできるのだろうか。 此の期に及んで(いや、こんな事態だからこそ)表舞台に頑なに上がらない八幡海鈴。今や世間のMujicaファンの注目は「いつ八幡の(壊れる)ターンが来るんだ」という部分に集まっているが、Mujicaというバンドにも何一つ拘泥することなく、解散ライブ後に秒で帰った女。現時点でこいつがどんな綺麗事を並べようと、流石にMujicaが好きだったとかいうことは信じられないだろう。今後どこかでMujicaの唯一性を示し、先週モーティスが言っていた「たった1つの居場所」であると海鈴が感じられれば良いのだが、これまでの醜態を見せつけられて、海鈴にそんな感情が宿ることがあるのだろうか。それこそ「遅かれ早かれ」の1例でしかないわけで……よっぽど強烈な感情を海鈴自身に向けられる人物がいなければ海鈴の感情も跳ね返ってはこない。……椎名、おめぇ何ゆるんでんだ。お前だけが頼みの綱なんだから、なんとかしてくれ。 そしてひたすらに株を上げ続ける奇跡の女、祐天寺若麦。ほんとすごい。解散の直接の原因になったくせに株が落ちない。むしろストップ高。今回Mujicaメンバーの中で楽器を弾いてる(練習してる)シーンが描かれたのってにゃむだけなのよ。自分が「終わらせた」バンドがあるのに、まだにゃむの中で「ドラマー」の仕事は終わっていない。それはもしかしたら今後のキャリアを考えての練習なのかもしれないが、例えば「演技の仕事」については若葉睦の影を睨みつけてグッと踏みとどまり、自己研鑽の糧としているのに、ドラムについてはそうした自制すら及んでいない。自宅に並べられた大量の演技理論の書籍に倍するだけ、彼女はドラムに打ち込んできたに違いない。現時点で一番バンドリ次元にふさわしい「キラキラドキドキ」の権利を有してるのって、間違いなく祐天寺。世間が何を思おうとも、彼女だけは最終的に不幸になってはいけない。彼女自身は「バラエティで売れてればOKです」とか嘯くだろうが、彼女の仮面は、いつだって脆弱なのだ。 動きのなさで言えば睦と並ぶのが三角初華。今回彼女がやったことはただ消えてしまった祥子の幻影を追うことだけ。にゃむとは逆に放送開始から株を下げ続けるこの女が、未だ浮上の兆しを見せずに沈み続けているのは、この後にどんな地獄を用意しているからなのか。プリンの瓶の底から世界は暗転する。2杯のコーヒーを淹れようにも彼女には同居する友も、仮面を被った「ドロリス」すらいないのだ。にゃむにシカトされ、海鈴にも塩対応をくらった三角、こいつほんとにバンド内でも信用されてなかったのだろう。ちなみに今回明かされた三角絡みのもう1つの要素として、「回想シーンで2人で天体観測する燈と祥子」というシーンがある。燈は、祥子と一緒に(同じ)星を見ていた。そんな彼女が傷心で挫けそうになった時に行ったのがプラネタリウム。そしてそこで三角初華と出会っている。おそらく祥子は、幼かった頃に南の島で初華とも星を見ている。遠く輝く星が2人のボーカルに縁をもたらしたというのに、初華の視線はただ自室で虚空を見つめるばかりだ。 そして1話目以来、久しぶりに全てのシーンがこの女のために費やされた、豊川祥子。彼女の人生行路にはツッコミどころも目白押しで、解散後に速攻でコールセンターに戻れたのも意味が分からんし、やっぱ赤羽警察署とマブであり続けていたのもなんだかなぁ。まるでAve Mujicaとして過ごしていた期間がすっぽり抜け落ちてしまったかのように、彼女の生活は地べたへ落ちた。ガールズバンドものとは思えないくらいに定点カメラが大活躍する小津安二郎の世界からまろびでた女子高生だ。彼女が戻った安アパートの光景、作曲ではなく学校の宿題をやるだけの机。彼女が忌み嫌った世界に戻ったにも関わらず、祥子の表情は今回一度たりとも動いていない。悲しみも何もない、ただ茫漠とした日常。失われたAve Mujicaの時間、そして苦しさも悲しさも何もかもを消し飛ばす、それはあたかも「忘却」であるかのような筆致である。ただ無関心であれば、人は不幸ではなくなる。バンドを失い、あれだけ固執して守ろうと必死だった父親との繋がりもすでに切れた。彼女にはもう、何も残されていない。 いや、祥子自身が忘れても、世間がオブリビオニスから関心を失ったとしても、この世界には豊川祥子を忘れない者たちがいる。本来なら初華がその立場になるべきなのだが……未だ彼女はその域に辿り着けない。今回唯一、祥子の表情を動かした人物。かつての記憶への涙を喚起した人物。地べたに落ちた物を拾い上げられるこの世界の人物。もちろんそれは石を、ダンゴムシを、ただ掬い上げていたまっすぐな視線。高松燈以外に無いのだ。彼女は上履きのままで必死に走る。本来その靴で踏み越えてはいけない領域を跨ぐ。「校内→屋外→豊川邸」へと無遠慮に踏み入る。それはあたかもCRYCHIC→MyGO!!!!!→Ave Mujicaと、音を繋ぐ意志でもあるかのようだ。 燈の煽りにしか見えない付箋紙の不器用さは空いた口が塞がらない。ほんとにこの子は生きづらすぎる性格をしているが、CRYCHICを解散させたあの頃とは違い、燈の周りには友達がいる。余計なまでに口を開き、余計なまでに人を繋げる千早愛音がいる。毎年アンカーだった彼女の走力が役に立ったかどうかは分からないが、細い細い線を愛音が繋いだ。燈が再び、豊川家のピアノに辿り着いた。そこから音楽が生まれた。人形だった全てを忘れても、「人間になりたい」歌が生まれたあの場所へ。 バンドを、やろう。
今更気づいたけど提クレ時に左右にコメントが表示されるのも戦隊オマージュだな、第3話。アニメであのスタイルをやられると単に「高松信司っぽいな……」と思うだけなので気づいてなかったわ。合間の原作漫画のCMも絶妙に「戦隊の合間のCM」っぽさがある。 とはいえ、今回の明確な戦隊パロディ要素はそれくらいかな。着実に「異世界」譚の方に食い込んできたし、レッドが一通り不条理を撒き散らし終わったのでイドラもツッコミ慣れたというか、もうどうでもよくなってるので殊更に不条理を強調する要素は薄くなりつつある。個人的には毎度レッドがポセイドンの名前を間違うところで「テレスドン」って名前が出たところが「それは違う特撮やろがい」っていうツッコミポイントでしたね。そっちまで手を広げると収拾つかなくなるから気をつけろよ。 というわけで、「戦隊」よりも「異世界」にスポットを当て、新キャラとして「姫と勇者」が登場。もちろん、レッドやイドラと冒険しようってんだからふつーのやつが出てくるはずもなく、姫様はまだしも「勇者」ロゥジーはよっぽどな奴である。勇者は勇者でも柴田亜美作品に出てきそうな勇者。他方、姫様はそこそこの良識は持っているものの、イドラが耐えられないレベルのレッドの奇行に対しても全面的に受け入れたり、巨大ロボに強めの興味を示したりと、よく言えば好奇心旺盛、悪く言えばネジが外れかけた人物である。まぁ、ロゥジーを子飼いにするにはまともな人間では無理な話だろうけども。普通に考えて「レッドとパーティを組むなんてよっぽど器のでかいやつじゃなきゃ無理だぞ」という難題を、単なる天真爛漫さでクリアしちゃうのはあまりにも剛腕。結果的にパーティが4人になったのにツッコミ役は引き続きイドラ1人だけの担当である。かわいそうに。 あとは……そうね、「勇者とのタイマンの時にもっと砕石場っぽいところに行ってほしかった」っていうのはあるわね。背景の感じはそこそこ「いつもの場所」の雰囲気はあったんだけど、でもやっぱり異世界なので微妙に雰囲気は違った。例のあそこに行けば爆発だろうがなんだろうがやりたい放題になるのに。いや、もしかしたら背景として使用するにも東映の許可がいるのかもしれんな(んなわけない)。こないだキョゼツンドラと戦ってた「謎の階段状の場所」とかはいかにも出てきそうな場所だったし、なんとか異世界でもそういう「戦隊の聖地っぽいところ」を見つけてきてほしい。……異世界にも東京ドームシティがあればなー。 ここからの展開は同じ「異世界に変な職業のやつが呼ばれた」繋がりで「異世界失格」っぽい「諸国漫遊&問題解決」の水戸黄門パターンになるんでしょうかね。戦隊メンバーが4人だとまだ消化不良だよなー、メンバーカラーもレッド以外が「黒、青、青」っぽくてバランス悪いし。姫様たちはロボに乗った時に黄色とピンクのコクピットを担当してたし、いっそイドラさんはイメージカラーピンクにイメチェンしない? そんなにいっぺんにご飯が降ってきたらアリジゴクも困るのでは、第17話。あのカット、甘水直の残虐性を示す要素としては妙に面白くて、「変な発想だなぁ」と感心した。ちなみに、「人間の五感を全て操る」能力というのが本当だとして、それが昆虫にも適用されてしまうのは逆にすげぇと思う。「昆虫をテイムする能力」は人間に効かないだろうし、「人心を惑わす能力」も多分昆虫には意味がない。両方の共通部分を押さえた異能って、マジでルール無用のチートなのでは。 というわけで、第2部の敵キャラの姿がはっきり描かれましたね。甘水直(うすいなおし)は元々薄刃の人間だったが、生まれながらのサイコパスだったもんでちゃっちゃと断絶。その間を繋ぐのは、ただ1人だけ甘水と繋がれたかもしれない薄羽澄美さん、そしてその後継であり、現在異能バトルの鍵を握ると思われる娘の美世さん。世代を超えてヒロインに因縁が降りかかってくる。美世さん当人は使い方が全く分からずおろおろしてるだけだってのに、周りが勝手に「最強能力! 忌まわしき兵器の可能性あり!」と祭り上げたり忌み嫌ったり、ほんとに因果な血筋に生まれてしまったもんだ。 そして、チート能力者を相手取って美世を守るにあたって、もはやおうちでお留守番をさせていては守りきれないってんで清霞さんも渋々ながら仕事場に引っ張り出すことに。これはまぁ、色々と複雑よね。どうしたって男中心の社会、しかも自分が要職としてバリバリ働いてる現場に嫁を引っ張り出してくるのはどこか気恥ずかしさもある気がするし、結局は「今のままじゃ守りきれません」という敗北宣言みたいなもの。美世に負担をかけてしまっていることを、清霞も申し訳なく思っているだろう。だからこそなるべく負担をかけずに済むよう、わざわざ専門の護衛に女性を当てる配慮までしているわけだ。 そしてこの新たな中心となりそうな女性兵士も色々と訳ありっぽくて刺激が多い。陣之内という有能そうなおねーさん、最後に下野(五道)が何か匂わせてたけど、奴が知ってる範囲での気になる要素っていったいなんなんだろう。最後に思わせぶりな表情を見せてはいたけど、少なくとも美世に対して害意があるようには見えないけどね。「お友達になりましょう」も今のところは本心から言ってるようには見えるし。まー、異能者なんて裏で何考えてるかは分からないけど、少なくとも清霞が名指しで美世の護衛に充ててるわけで、大きなトラブルの原因にはならないと思いたいけどね。もしこれですげぇ悪い奴とかだったら、流石に清霞の責任問題だからな。 多分陣之内さん自身は別に悪い人ってわけじゃなくて、この人を含めた女性全般が、どうしても軍という組織内部では異物扱いされてしまうという問題の方がしばらくは本質的なテーマになりそうだ。かなり露骨な女性蔑視発言が飛び出しているのはなろう的な分かりやすい「落とし」要素ではあるが、この辺は時代背景(厳密な日本の時代とは違うだろうが)を鑑みれば致し方ない部分もある。分かりやすい差別をひっくり返してドヤれるまで美世さんには頑張ってもらおう。一応今回の陣之内さんと、前回までの清霞ママン(芙由さん)と立て続けに「強い女性」を目の当たりにしたことで、引っ込み思案のおどおど美世さんも少しは「強く」なれるサンプルを取得しているんじゃなかろうか。強さの種類が異なる2人の女性に刺激を受けて、もうちょい頑張って前に出てみよう。まぁ、結局やることが家事手伝いなのは生まれ持った性分なのだろうが……。 余談も余談だが、今回のお話で一番の収穫は、澄美さんの声が幼少期は島袋美由利ボイスだったと判明したこと。この子が成長すると日高のり子ボイスになり、娘が上田麗奈ボイスになるのか。…………何その特級呪物。
人数増えてもやること一緒、第15話。しかしこれはマンネリではないな。これだけごちゃごちゃしてるのにテンションが落ちずに全員に出番回してるのは偉い。アフレコ現場が大変なことになってそうだが、いつも「まぁ、ネギまに比べれば」と思うことで納得することにしているよ。 Aパート、突発性ハハリさんクレイジーにより、一応花園母娘にスポットが当たるお話だが、1話目の人格入れ替わりに続き「幼児化」というこの手のコメディでは定番のプロセスをお手軽クレイジーに描いてくれている。こうしてみるとほんとにこの漫画の要はクスリ先輩なのだよな。いちいち狙ったように薬にくそヤベェ制限を設けてくれるあたり、もはや闇のドラえもんである。まぁ、今回の薬はどう考えてもハハリのリクエストだったとしか思えないけども。すぐに開発して持ってくる技術力は国家レベルで保護すべき才能だ。 予定調和で全員幼児化が行われるわけだが、この時に「母娘のなんかいい話」にするためにハカリだけ幼児化を回避して保護者ポジに回る設定も抜け目ない。全員幼児化しちゃうとなかなか花園母娘の差分を出すのが難しいし、赤ん坊の人数が6人でもギリギリだものね。幼児化してもそれなりに個性は残るようだが、一番分かりやすかったのがクルミだったのは、どれだけ幼くても食欲は食欲だからな。逆に理性が個性になっているナノあたりは幼児化の恩恵(???)を受けにくいか。いや、軍団に加入してすぐのエピソードで乳吸い係に回されるクルミが幸せかどうかは知らんが。「おっぱい吸うのは食いしん坊のクルミ」までは確定事項だが、片乳余ってるもんだからどさくさに紛れてハカリ×カラネの絡みを稼ぎにくるあたりは如才ない。ハカリの中でカラネってほんとにどんな存在なんだろう。 何はともあれ、存分にクレイジー振り乱している時のハハリさん(の中の人)が楽しそうで何よりでした。 Bパート、サブタイトルの通りでいよいよ問題のキャラ、花園家のメイドさん、その名も銘戸芽衣が登場。この子の存在、謎なんだよな。今回の展開からファミリー参入は確実だと思うのだが、「ファミリー」が歌ってるオープンエンドでフィーチャーされてないのよ。どちらも映像で取り上げられているのが既存の6人にクルミも含めた2期の新規組であろう4名を加えた10キャラ。メイドは少なくともこの10人と同じレベルでは描写されておらず、正規メンバーにはならないようなニュアンスが感じられる。今後は「100人」とは言ってもその中でメインとサブみたいな序列がつけられることになるんだろうか。……その場合はどう考えてもクルミはサブな気がするんだが……。 いや、でもどうだろう。今回の絡みでクルミの立ち位置もおよそ推しはかることができて、少なくともカラネから見れば正式なツッコミ役が1人増えたおかげでちょっとは負担が減って助かっているだろう。まぁ、腰の強い本気のツッコミはやはりカラネの専売特許な気はするが。もうしばらく、新人さんのスタンス探りには時間がかかりそう。それなのに早くも「8人目」候補が出てきてしまっているこの状況は……大丈夫なんでしょうかね。まぁ、いざとなったら脇のキャラは脇のキャラだけでくっついていけばいいってことをすでにハカリ&カラネあたりが証明してくれているし、あんまり恋太郎との関係性にこだわる必要もないのかもしれませんけどね。今週もナノ&シズカの絡みとかも可愛かったですしね。みんなして基本的に小動物的可愛らしさは保持されてるんだわ。そこに風穴を開ける存在になるのがメイドさんなのかどうか……花園家絡みのキャラはもれなくクレイジー度合いが強そうなんだよなぁ……。
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プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧 |