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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 コミケも盛り上がっているとよ、配信版では最終回となる第7回。まぁ、最終回だからって何か変わるわけではなく、前回もそうだったけど、最終回の方が大人しい気すらするのがこのラジオの不思議なところ。キャララジオって数少なくて貴重だから、もっと続けて欲しいんだけどねぇ。続きはコミケの戦利品待ち。
 
 1件目のメールは「福岡がライバル視している犬とは?」。なかなか興味深い質問である。福岡の回答その1は京都犬。本編12話でもいじられていたわけだが、その後も彼女は福岡に会うたびにちょっかいを出している模様。流石に練り消し喰わせるのはどうかと思うのだが、気付かずに飲み込む福岡もたいがいである。ちなみに、作中において「きょうとけん」という不自然極まりない名称が台詞として出てきたのは実はこれが初。字面も充分変だけど、実際に口に出すと明らかにおかしいことがよく分かる。また、本編同様に福岡は京都のことを「クソババア」と呼んでいる。公式設定では「お姉様」とあるが、やはりある程度年上の女性なのは間違いないようだ。そして福岡の2人目のライバルは、本編で福岡の愛のこもったHDを物理的にクラッシュさせたことがある沖縄犬。一応彼の場合は善意からの行為だったけどね。福岡の毒牙にかかっておかしくならないことを祈りたい。しかし、名古屋のライバルは誰なんでしょうね。千葉とかかな。
 
 2件目のメール、「名古屋と福岡の経験した幸せエピソード」。しかし、視聴者の質問とは裏腹に、2人は不幸せエピソードで盛り上がる。福岡はアニメの録画ミス。うっかり通販番組が録れていたというあるあるネタ。悔しかったのでプロテインを買ったらしい。その結果があの筋肉なんだろうか。それに呼応した名古屋も不幸せエピソードを告白。サイズの合わなかったワンピースを返品しようとしたら、油まみれだったので断られたというお話。まぁ、例のあのエピソードと同じですわ。最初に愛媛のワンピースを強奪していた時には「お前、そんな服着られねーだろ」と突っ込んだものだが、その後の名古屋は実に様々な衣装を着こなしている。きっとそのワンピースも似合うと思って買ったものだったのだろう。オシャレ名古屋を見ることが出来なくて残念である。なお、2人とも幸せエピソードは特に無い模様。そりゃな、一日中鏡の前でポーズとってたり、そんな福岡を1日中見守ってるような生活じゃぁな。
 
 3件目、「都道府犬で戦隊を組むと、それぞれどんな色になる?」。これもなかなか興味深いテーマだ。そして、デフォルトで身体に色がついている都道府犬の場合にはイメージで色づけするのが難しい。福岡なんてリーダー性がかけらも無いのにどう見てもレッドだし。しかし、視聴者からのご意見では福岡はイエローとのこと。まぁ、確かに分からないではないが、戦隊を語る時に割と有名なのは、「イエローってそこまで大食いキャラでもないしドジキャラでもない」ということである。試しにググるとそれなりにまとまっているページなんかもあるので、興味のある人は調べて見ると面白いかも。そして名古屋はピンク……ではないよなぁ。「まーまーなーんてキレやすい海老だこと!」っていう福岡の突っ込みがなんか愉快。ちなみに、福岡がレッドになった戦隊のサブタイトルは、「第1話・世界滅亡」「第2話・最終回、責任の所在」とのこと。これはこれで観たい。「まぁまぁキレんな明太子!」。こいつら仲良いよな。ちなみに、メインキャラ5人で戦隊を組むとしたら、普通にレッドが名古屋になるだろうから、あとは男2,女2を振り分けていけばいいだけだろう。となると静岡グリーン、愛媛がイエローで山梨がピンクだろう。そうなると、残る福岡のカラーはブラックかブルー……ブラックの方がいいかな。
 
 以上、あっさり目の最終回でした。
 
 
○「ギリギリ! 英語教師愛知犬」
 ……………………………………………………戸松やん!!! 調子に乗った戸松そのものやん!!  「モットタァンデェンカラコエヲダァス!」。これ、絶対収録してるスタジオの音響さんとか大爆笑だったろうな。戸松のドヤ顔が容易に想像出来る。もう、やりたい放題だったよ! このテンションで叫ばれるとだんだん「ダガネ〜」が英語に聞こえてくる不思議。今回のシリーズで一番の核弾頭がラストで待ち構えてたな………………。

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「ガールズ&パンツァー」 5→5

 終わってないけど。全然終わってないけどね。終わってないことも含みで、現状はこの点数だよ。無事に3月に最終回まで放送されればその時点での評価も書きたい気もするのだが、似たような目に遭わされた「エウレカセブンAO」も結局ブランクの間にすっかり忘れてしまっていたために最終回は本当にピンと来なかった。入れ替わりの激しい昨今、この作品は3ヶ月もの間熱を保っていられるのだろうか。

 毎週感想を書いていた作品なので細かいことは振り返る必要もないのだが、とにかくその設定が尖っており、一点突破をかけた作品だってことが分かるので実に潔い。ミリオタをどの程度取り込めたのかはよく分からないが、少なくとも萌え方向での売り出しには充分過ぎるくらいに成功したようで、今期アニメで言えば確実に勝ち組に入るムーブメントを巻き起こした。本当にしばしば不思議に思うのだが、「女の子が大挙するアニメ」なんて毎年毎クールわんさかあるのに、その中で盛り上がる作品とそうでもない作品に別れるのは一体どういう要因があるんだろうか。今作は画の安定感はあったが、個々のキャラクターにそこまで強い個性は無い。何度もつついているようにお話自体は本当にベタであり、なおかつ尺が無いせいで描き込みも不充分。シナリオラインだけを見たらかなり出来の悪い作品であると言ってもいい。にも関わらず、ひとたびヒロイン勢が脚光を浴びると、そこから芋づる式にキャラクター人気は繋がっていく。もちろん個々の要素に善し悪しがあるはずなので総合力の勝利といえばそれまでなのかもしれないが、売れる売れないは本当に紙一重なんだろうな、と思ってしまう。

 こういうところで「ステマ」とかそういう言葉を出すと思考放棄出来て便利なのだが、流石にそれは無責任が過ぎる。なにより、私自身この作品はかなり楽しんで見られたのだから、それは自分の意志でこの作品に価値を見いだしたものだと思いたい。となると、やっぱり「戦車道」の無茶設定が大きいのかな、と思う。あまりに馬鹿馬鹿しく説明する気も無いような設定の力でもって、女子高生+戦車というミスマッチを敢えて繋げようとせず、ミスマッチなままで作劇したところに面白さがあるのかもしれない。きちんと砲手、操縦手、通信手、装填手といった役割を分担してシステム面を整え、更に女の子の挙動などではなく、あくまで戦車のモーションや重量感を優先することで「戦車アニメ」という唯一無二のラベルに箔を付けた。これによって「このアニメを見る価値」が決まり、あとは「戦車がみたけりゃ女の子を見る」→「女の子を見てれば愛着も湧く」というプロセスでキャラクターの方にも目を引く流れになったのではないか。

 そうしてみると、やはり水島努は大した監督だ。10話が終わった時点で、実は未だにバレー部チームや1年生チームあたりは作中でほとんどキャラ付けが紹介されていない。にも関わらず、画面の端々にそうしたサブキャラが映る時には、「設定があるんです」ということを前面に押し出して描写を混ぜ込み、視聴者の興味を引くように作ってある。本当に作られているかどうかは問題ではなく、「そのキャラクターは作り込まれている」と思わせるだけで、引き込まれた視聴者は勝手に補完してくれるという寸法だ。あとはなおざりなシナリオラインでもなんでも、戦車と女の子が活躍出来る場所さえ用意しておけばどうとでなるのだ。実に憎たらしい売り込み方ではないか。ほんと、水島監督は弱点らしい弱点がない(まぁ、絵が下手、とかいうストレートな弱点はあるみたいだが)。表面だけをみれば有象無象の萌えアニメの一角でちょっと目立つことが出来た一本、という風にも見えるが、ひょっとしたら、今作が進めた方向性には、新たなセールスの可能性が隠されているのかもしれない。

 で、そうした諸々のファクターで基本的には楽しんで見ていた作品なので、本来なら加点したいところなのだが、やっぱり「俺たちの戦いはこれからだ!」ではイカんでしょ。スケジュールの遅延、制作の管理不徹底。どんだけクリエイターとして優れていたとしても、この不備は1つの製品を作る会社としてアウトである。1クール作品で間に合わずに総集編が2本ってのは流石に聞いたことがない。2000年代中期の粗製濫造期ならば本当にゴミみたいな品質で放送したり、しっちゃかめっちゃかになって監督が逃げたりした作品もあったので、それにくらべれば責任ある対応といえなくもないが、駄目なものは駄目だ。もちろんこれは水島さん個人が駄目だというわけではなく、制作を管理した諸々の責任である。こういう形で「良さそうな作品」にケチがついてしまったのは本当に残念ね。新番チェックの時に「アクタスって最近ほとんど実績もないけど、大丈夫なのかしら」って不安を書いていたけど、案の定の結末になってしまったのは残念至極。業界全体で今後の戒めとして頂きたいものである。

 最後は当然中の人の話だが、今作は本当にキャラが多くて大変だった。メインとなる渕上舞は最低限の仕事をしてくれていたし、回りを囲むいつもの面子もいつも通りの仕事で期待を裏切らない出来だったと思うが、せっかくなので今作から出てきた名前をチェックしておいた方が良いだろう。まず出てきたのは、秋山殿の良いキャラをまっすぐに作ってくれた中山育実。使いやすい声を持っているし、ガルパンは漫画版だと秋山殿が主人公らしいので、今後の展開にも期待出来そう。同様にメインを務めたのは華役の尾崎真実。こちらは華自身がそこまで強く前に出ないキャラだったので印象は強くないが、事実上これがデビューみたいなもんだし、次の一歩次第ではステップアップもあるかもしれない。そして、何度も触れているのはその声質が気になって仕方ない、そど子役の井澤詩織。この子の声は癖になるわ。一体どんな仕事がやってくるのか、楽しみで仕方ないぞ。

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○各ギルドのキーワード能力
 
・シミック Evolve(進化)
「クリーチャーがあなたのコントロール下で戦場に出るたび、それがこのクリーチャーよりも大きなパワーかタフネスを持つ場合、このクリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置く」
 
 過去のラヴニカでは「移植」能力で+1/+1カウンターを操っていたシミック。以前はカウンターを譲渡することで他のクリーチャーにも能力を分け与えることで共存共栄の調和を表現していたが、今回は「場に出たクリーチャーが大きければ先遣隊も大きくなる」という形で横一線にならぶ調和を求めた。進化能力持ちだけでデッキを組めば、いつしか一番大きなクリーチャーにみんなが肩を並べる特大サイズが襲いかかってくることになるわけだ。ただ、過去の例を紐解くと、シミックのクリーチャーって緑とはいうものの素の大きさだけで勝負するような場面はそこまで多くなく、ゴルガリやグルールと比べると、やはりどこか技巧派のイメージだった。果たして今回はどんなギミックが登場するだろうか。
 
 
 
・ボロス Battalion(大隊)
「3体以上のクリーチャーで攻撃した時に誘発する能力」
 
 ラヴニカ世界の警察組織であるボロス軍は、苛烈に攻める時にも軍隊としての規律と調和を重んじる。過去の能力はそうした規範規律でまとめて大勢を片付ける「光輝」だったが、旧ラヴニカの地味キーワード選手権でトップを取る勢いの駄目能力だった(俺調べ)。そこで、同じ「速い」ギルドでもグルールやラクドスと差別化を図り、新たな軍規を持ち出したのが、この「大勢で殴ると発動するよ」という能力である。速いギルドなので序盤からとにかく頭数を稼ぐのはお手の物だが、当然「野良剣歯猫(RAV)」なんかまで突っ込んでいては途中で息切れ必至。そこで、「大勢で殴れば多少の質の問題は打開出来るんだぜ」という後押しが得られれば何とかなるだろう、というサポートが導入されたわけだ。普段のデュエルを思い出せば「3体で殴る」というのは言うほど頻繁に起こる状況じゃないことは分かると思うが、この課題をクリアするレベルにまで到達するカードはどのくらい現れるだろうか。
 
 
 
・グルール Bloodrush(湧血)
「コスト、手札からこのカードを捨てる:対象の攻撃クリーチャー1体は、+X/+Yの修正を受ける。Xはこのカードのパワーの値、Yはこのカードのタフネスの値である」
 
 現役当時も活躍し、カムバックも果たしたおかげでキーワードとしてはかなり強力な印象が強いのがグルール原産の「狂喜」。ギルドパクト当時は筆頭ギルドに名乗りを上げたグルールビートが新たに得た能力は、まだ確定してないけど、多分およそこんな感じだろう。手札にあるクリーチャーが全部攻撃時限定の「巨大化」に化けるというのがグルールに与えられた攻め気の能力。こうして「カードを戦場以外の領域から補強する」というギミックが完全に活用能力と被ってしまっている気もするのだが、まぁ、そんなにたくさんキーワードなんてバリエーションが出るとも思えないので我慢しようじゃないか。活用と差別化しているポイントは大きく3つ。1つ目は当然、カウンターを乗せるわけじゃないから一時的なものであるということ。こればっかりはグルールだから仕方ない。攻撃時限定というのも、昔の能力が「狂喜」だったことを考えれば当たり前である。2つ目の違いは、活用がソーサリー限定だったのに対し、こちらは確実にインスタントとして機能するというところ。リミテッドでは「巨大化」はしばしば人を殺す。それがクリーチャーとしても機能する利便性を手に入れたというのだから、デッキに入れる分には困らないはずだ。「別に『茨群れの頭目』でいいんじゃ……」とかいったら駄目だ。そして3つ目の差は、(多分)活用に比べればコストが軽い。とにかく「一時性」「即時性」「経済性」と、前のめるデッキを大きくサポートする形の能力。ボロスの大隊能力なんかとも噛み合っているし、この冬はグルール・ボロスの前のめり連合がアツい! かも!
 
 
 
・オルゾフ Extort(強請)
 「あなたが呪文を1つ唱えるたび、あなたは(W/B)を支払っても良い。そうした場合、各対戦相手は1点のライフを失い、あなたはその点数分のライフを得る」
 
 かつては能力が2度美味しいという、なかなか強力な「憑依」能力を持っていたオルゾフギルド。かつては幽霊が牛耳っている感じを出すための能力であったのだが、その後、マローだかだれかが「憑依はあんまりいいシステムじゃなかった」と言っていた。何しろ、カードがリムーブされてクリーチャーに張り付くもんだから、見づらいしルール上の処理もややこしかった。そこで、今回のオルゾフは「ラヴニカの経済・金融の番人」としての能力を前面に押し出すことになる。日本語名が「強請」とストレートだが、その能力は「取引の教会、オルゾヴァ(GPT)」。これがついたパーマネントが並び始めると、あらゆるスペルが追加でドレインを行い始めるので、実はかなり鬱陶しい。「血の芸術家」や「ファルケンラスの貴族」があれだけ強かったのだから、この能力だって回り始めたら相当なものだ。追加コストが必要なのでそこまで連打出来るようなものではないのかもしれないが、使うかどうかは任意であるし、1マナで2点のライフ差ならばついでの効果というには軽い部類。リミテッドではライフゲインでの延命を絡めて、じわりじわりと締め付ける戦略は充分に通用するんじゃなかろうか。あとは、この能力がついてるカードがどれくらい軽く設置出来て、どの程度の枚数が揃うか、というのが勝負の分かれ目。
 
 
 
・ディミーア Cipher(暗号)
「この呪文の解決後、あなたはあなたのコントロールするクリーチャー1体に暗号化した状態で、この呪文カードを追放しても良い。そのクリーチャーがプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、あなたはその暗号化したカードのコピーを、マナ・コストを支払うことなく唱えても良い」
 
 おいマローさん、憑依能力は駄目なキーワードだったんじゃないんですかい。かつては「変成」というギルドの存在とあんまり関係無いキーワードでお茶を濁していたディミーアが新たに得たのは、書式がややこしいが、いわばサボター版憑依とでもいうべき能力である。ザデック先生が倒れて現在のギルドマスターがシェイプシフターになったらしいので、今の方がよっぽど「変成」っぽいじゃねぇか、という気もするのだが、他の4ギルドと違ってコレだけ完全にスペル依存の能力であるあたりは、RTRのイゼットと同じ立ち位置なのが流石のディミーアさん。能力のイメージとしては、1回唱えた呪文を秘密の文書にしたためてクリーチャーに託し、そのクリーチャーが上手いこと相手の防御網を抜けて本丸に到達した時に暗号文書を届け、スペルが更に解決される、って感じだろうか。コピーが複数回作られる可能性があるのだから、ものによっちゃぁフラッシュバックよりも強力な能力である。ただ、ディミーアさんといえば10あるギルドの中でも異色の、圧倒的コントロール好きの集団。命よりも薄いライブラリを殴ることを信条としており、なかなかクリーチャーでパンチしようという奴がいないのが実情。今回のディミーアがどういうスタイルになるのかは分からないが、この能力を持たせて相手陣営に特攻をかけられる人材がどれくらいいるのかが焦点となる。活かせるデッキを組むのはなかなか難しそうだ。既に現時点で「不可視の忍び寄り」フィーバーが。
 
 

以下個別カード

 
Simic Fluxmage (2)(U)
クリーチャー・マーフォーク、ウィザード
1/2 進化
(1)(U)(T):〜の上に置かれた+1/+1カウンター1つを、対象のクリーチャーの上に移動する。
 
 進化の顔見せとなったカード。進化は+1/+1カウンターが乗る能力なので単純に戦力の底上げに使うのが基本的な使い方になるはずなのだが、こいつの場合は過去のシミックが持っていた移植と同じような輸送能力を持っているため、いかにも研究者らしい、中間管理職としての活躍が期待出来る。およそ全てのクリーチャーがこいつにカウンターを乗せられるはずだし、そのカウンターを全て他人に押しつければ、事実上全てのクリーチャーが「森林地の先達」みたいな状態になるわけだ。「森林地の先達」が強かったのだから、こいつだって当然強い。素の状態ではそれなりに除去されやすかろうが、3マナのアンコモンで除去を引きつける能力なら充分だろう。「まどろむドラゴン」などのカウンター関係で使える能力もあるし、現在使っている活用と同じように、絆魂や先制攻撃、飛行との相性も◎。夏以降にはリミテッドで相手の解鎖クリーチャーのブロックを封じるなんて使い方もアリだ。
 
 
 
Fathom Mage 水深の魔道士 (2)(G)(U) R
クリーチャー・人間、ウィザード
1/1 進化
〜の上に+1/+1カウンターが1つ置かれるたび、あなたはカードを1枚引いても良い。
 
 青が絡むレアなので、とりあえずドローさせてみました、というカード。同じシミックのドロークリーチャーには「ノヴィジェンの賢者(DIS)」がいたが、あちらはスタートが重たい上にドローするたびに見る見る目減りしていったのでレアのくせにあんまり使い道がなかった。こいつの場合、後続が出れば2枚程度ならほぼ自動でドロー出来るだろうし、結果としてこいつ自身も大きくなっていくので戦力は上がる一方。出た瞬間を狙って処分されると4マナもかかった割りにはショボンだが、生き残った時のペイは充分レアだ。「屍体屋の脅威」と組んだ時の鬼畜ぶりは想像を絶するので、将来的にシミック・ゴルガリの仲良しコンビが組む環境とかが、来たり、そうでもなかったりするかもしれないぞ。
 
 
 
Firemane Avenger 炎まといの報復者 (2)(R)(W) R
クリーチャー・天使
3/3 飛行
大隊 - 〜と少なくとも2体の他のクリーチャーが攻撃するたび、〜は対象のクリーチャー1体かプレイヤー1人に3点のダメージを与え、あなたは3点のライフを得る。
 
 大隊能力のお目見えとなったカード。ボロスの看板といえばやはり天使であるが、レアとはいってもレジェンドとかじゃないので、案外「暁の熾天使」とかと同じ下っ端なのかもしれませんよ。ボロスって天使が群れなして襲ってきたりするし。で、そんな渋い天使だが、なるほど、レアらしい勢いである。上手いこと部下が揃えばワンパンチごとに「稲妻のらせん(RAV)」が撃ち放題ってんだから、そりゃ強いだろう。ブロック前に相手を1体処分出来るかもしれないし、出来なかったとしてもブロックする気を大きくそいだり、一気にライフを突き放したり、やりたい放題。4マナ3/3フライヤーと、最近のレアらしいステータスも完備しているし、リミテッドで開けたらとりあえず取らない理由はないだろう。問題となるのは、大隊能力ならば全員に言えることだが、結局「3人で殴る」という条件が揃うのかどうか。3人で殴りに行って安全な状況ならばこんな能力が無くても勝てるだろうし、殴りにいった結果誰かが犠牲になるとしたら、よく考えて宣言をしなければならない。まぁ、そのあたりも当然狙った上での能力なんだろうけども。雰囲気が非常に似ているのは、同じく赤白に配置され、軍勢で殴ることを強要した喊声能力がある。あちらはレアの2枚(英雄)が活躍したが、他は頑張ってもリミテッドどまり(「信号の邪魔者」は別な意味でやばかったけど)。さて、この能力を安定して起動させることが出来るだろうか。まぁ、こんなキーワードを与えられたってことは、今回のボロスはとにかく「数で攻める」が命題になってるだろうから、トークン出すカードなんかも揃えられてるんだろうけどね。夏以降だとセレズニアとの共闘がアツいのかしら。
 
 
 
Rubblehulk 瓦礫鬼 (4)(R)(G) R
クリーチャー・エレメンタル
*/*
〜のパワーとタフネスは、それぞれあなたのコントロールする土地の枚数に等しい。
湧血 - (1)(R)(G)、手札から〜を捨てる:対象の攻撃クリーチャー1体は、ターン終了時まで+X/+Xの修正を受ける。Xはあなたのコントロールする土地の数である。
 
 湧血のお目見えカード。日本語名がなんか残念。6マナで持っている能力は「マローの魔術師モリモ(INV)」。トランプルが無いのでどれだけ後半に出てきても下手したら置物になってしまうのは残念だが、まぁ、コストを考えれば最低6/6。そりゃでかいだろうさ。そして、こいつの真骨頂はどちらかというと場に出たときよりも能力を起動した時の方が際だつだろう。単なるバニラを着陸させるよりも、インスタントとして使って「杉の力(CHK)」にした方が強烈なのは間違いないだろうし、「杉の力」は当時のリミテッドのエンドカードレベルだったのに、このスペルはあれよりも2マナ軽いのである。なるほど、こりゃレアだ。グルールビートが殴りかかってきたら、突然「樫の力(M10)」級の一点突破で負ける可能性があることは肝に銘じておこう。まぁ、気をつけたところでどうしようもないけどさ。なお、リミテッドじゃないなら「狩られる者の逆襲」でいいんじゃないか、という疑惑が上がるが、多分、反論の余地は無い。
 
 
 
Treasury Thrull 宝庫のスラル (4)(W)(B) R
クリーチャー・スラル
4/4 強請
〜が攻撃するたび、あなたの墓地にある、対象のアーティファクト・カードかクリーチャー・カードかエンチャント・カード1枚を手札に戻す。
 
 強請能力のお目見えとなったカード。相変わらず6マナと重たい上に4/4はそこまで誇れるステータスではないが、まぁ、白黒ならこれくらいでもそこそこのニーズ。その上、今は無き「タイタン」シリーズのように殴るだけでアドバンテージに繋がるのだから、そりゃぁ強いことは間違いない。そして、これが回れば手札は増えることになり、手札から回収したカードをガンガン打ち込めれば強請能力によってライフ差も開いていく。6マナで設置ってのはちょっと遅すぎる感があるが、逆に考えればこれを置いた時点で余剰のマナは軽く捻出出来るはずだ。1引きしたいかと言われると悩んでしまうが、使えばきちんと応えてくれるレベルの良い奴である。まぁ、置物として使いたいと思うと殴りに行きにくい、っていう面倒なジレンマはあるんだけどさ。
 
 
 
Whispering Madness 囁く狂気 (2)(U)(B) R
ソーサリー
各プレイヤーは手札を捨て、その後、これによりプレイヤー1人が捨てたカードの枚数のうちもっとも大きいものに等しい枚数のカードを引く。
暗号
 
 暗号能力のお目見えとなったカード。能力自体はまんま「意外な授かり物(USG)」であり、往年の禁止カードが、多色で重くなったとはいってもおまけ付きで帰ってきたのは1つのニュースである。デッキを選ぶのは当然だが、マッチメイク、デッキメイク次第では考えるのも馬鹿らしくなるような大量アドバンテージが転がってくる呪文なのだから、危険な臭いは今の時代も消えてはいないだろう。とはいえ、「意外な授かり物」が瞬殺禁止カードになった背景には更にキチガイじみた「トレイリアのアカデミー」などの悪友たちがひしめき合っていたという事情もあり、実際、この能力を携えて登場した「ジェイスの文書管理人(M12)」は、「何かするかもしれないけど、クリーチャーだから多分駄目じゃね?」という大方の予想を裏切らず、何事もなくその人生に幕を閉じている。このカードの場合にはよりコントロールに寄せ気味な多色カードになっているし、コストも決して軽いとはいえない。よほど相性の良いカードがこのセットで登場するか、何か発想の大転換が導入されたミラクルコンボとかでも出てこない限りは、そこまで気をつけるものでもないのかもしれない。もちろん、ディミーアな兄貴は「ドローとかどうでもいいからライブラリを掘るんじゃい!」と叫んで素敵な暗号をガンガン相手に送り続ける可能性はありますけどね。

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続編決定の報に一命を取り留めた最終話。そりゃそうだよな! 終わるわけないよな! なんでラジオの方が本編より長いんだよ、って話だよな! 実は「1クール作品である」っていうことすら最近知った状態だったので、「はぁ? なんで1クール? そんなんで終わるわけないやん、どゆことやねん!」と叫び回っていたところにこの報せだった。危ない危ない。

 とはいえ、分割2クール(もしくはそれ以上? 劇場作品とかやめてね!)とはいっても一応今回が最終回。一体どのような幕引きを迎えるのかと思ったら、想像以上に直接的に、色々と片を付けたきた。「K」の文字が示す1つ目の意味である「King」。7人存在する王権者のうち4人が集まる乱戦模様となった学園島だが、最終的にはそのうちの3人が打ち倒され、ただ1人宗像だけがその手を血に染めて帰還することになった。周防がここで力尽きるのは仕方ないことだった。ダモクレスは既にボロボロだったし、彼の捨て鉢な行動は自分の余命を理解した上でのものにしか見えなかった。ここで彼が生き延びて吠舞羅を指揮するという未来はなかっただろう。しかし、残る2人については意外である。無色の王はその能力故にどうやったって滅することなど出来ないと思っていたのだが、外殻となったシロが強引に押さえ込んだ状態で相打ちを狙ったために、逃げることが出来ずにあっけなく仇として付け狙っていた周防に誅戮された。「王さえも影響をあたえる力」だったが、その王に結局押さえ込まれてしまったのは、持って生まれた信義の差だったのだろうか。まぁ、最終的に不死不滅の白銀を道連れにしたわけで、強力だったのは間違いないのだろうか。

 そして一番意外だったのはシロの扱いだ。死なないことが武器であったはずの白銀は、同等の力を持つ無色の王を滅するため、自らの身体を差し出すことになった。あのラストでは最終的に彼が死んでしまったのかどうかは分からずじまいだが、現時点ではとりあえず「死んだ」ものとして扱うべきだろう。能力はどうなったのかとか、他の王と同様に「白銀」は継承されるのかとか、色々と疑問はあるものの、基本的に王権の始祖ともいえるヴァイスマンの持つ「白銀」はイレギュラー中のイレギュラーと言える。他の色の王はその身に力を宿すことが義務づけられてはいないが、ヴァイスマン(と黄金の王)に限っては、この世界に「王」が生まれた時からの唯一無二の王である。そして、そんなヴァイスマンは、自分が産みだしたこの世の理に自責と後悔を覚えていた。無色の王が産みだしてしまった今回の惨劇を見て、自らの命をもって償いとする意志を固めたのかもしれない。

 結果的に、諸悪の根源である「無色」は消え、その代償としてヴァイスマンも死んだ。また、既に耐久力が限界を迎えていた周防尊も、この度の戦乱で命を落とし、赤のクランは事実上解体され、吠舞羅のクランズマンも赤の能力を天に返した。現時点ではセプター4が治安維持を通して実権を握っている状態であり、残る2つのクランについては相変わらず不明のまま。この状態から、次なる2期目に突入するということになるのだろう。可哀想なのはシロを失ったクロとネコのこと。ラストシーンで見せたネコの忠義は涙を誘うし、2人続けて仕えるべき王を失ったクロもなかなか不憫である。次なる王を探し求めるのか、それともシロの面影を追うのか、この2人が次に何を始めるのかは分からないが、2期目でもキーマンとなるのは間違いないだろう。それにしても、結局クロやネコってのが何者だったのかは今ひとつ分からずじまいだったなぁ。

 よく分からないままにかき回され続けたこの作品も、ひとまずここで小休止、次に向けての充電は短めに、早めに続きを見せて貰わないと消化不良でキツいので、GORAスタッフのみなさん、ちゃっちゃとお願いします。最終話で無闇に鎌本が大活躍してたのは評価する。回想シーンのイケメンバージョンとか、ホントに誰なのか分からんレベルだな。そして、やっぱり最大の見どころは菊理ちゃんの1人百面相のコーナーですよ。最終的に今作の主人公は菊理ちゃんだったってことでいいんじゃないかな。声優、佐藤聡美、好きなものはヤンデレ。良い仕事だ。

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「ヨルムンガンド PERFECT ORDER」 6→7

 一息ついて改めて感想をまとめようかとも思ったけど、大体毎回の感想で書いてた気がする作品。改めて2期目がどういう構図になっていたのかを振り返ってみると、やはり賑やかな作品だったのは間違いない。

 1期の張り詰めたようなきわきわの脚本をくぐり抜け、2期は非常に分かりやすく「盛り上げる」構成になっていた。大まかに分けると3つのパートがあり、冒頭はアールを中心としたヘックスさんわっしょいの回。続いてトージョをメインとした怪しげなスパイ作戦の回。そしてそこから大きく盛り上がっていくラストエピソード。これだけでもお腹いっぱいだが、間にはヨナが日本で子供たちの行く末を見守っていたり、爆弾親父が守りたい笑顔を展開したり、実に贅沢な盛り込み方である。そして、再三繰り返している通り、これらの脚本が詰め込み感をそこまで際だたせず、きちんと理解出来るレベルで進捗していたのが一番の驚きだろう。もちろん、あっさりと片付けてしまって勿体ないと感じる部分もあっただろうし、原作ファンには物足りない部分などもあったのかもしれないが、アニメしか知らずに視聴していた人間には、これでも重たすぎるくらいの刺激の連打であった。

 改めて振り返ってみると、当たり前のことではあるのだが、脚本は全てゴールを目指した一本の線の上にある。戦争や軍隊、武器をテーマとしたアニメというのはおそらくこれまでも少なからずあったと思うのだが、「武器商人が武器を売ること」というテーマは寡聞にして初めて見た。「武器商人を憎む少年兵」と「才気溢れる武器商人のうら若き女性」なんて非常にあざといセッティングだと思っていたものだが、ことの顛末を最後まで見守った今となると、なるほど、なかなか面白い道具立てだった。最終的な判断は視聴者・読者に丸投げの状態にはなっているが、1つの試論として、問題提起としてこの物語が提示してくれたテーマは非常に興味深いものだし、それに見合った「お話」でもって退屈せずに見守らせてもらった。もちろん、単なる蘊蓄語り、胡散臭い運命論だけのお話にならず、そうした世界の中に活きる個々のキャラクターにもきちんと生き様があり、哲学が見えたのも面白い部分だろう。日野木のように最後までなんだか不思議な人もいたし、ヘックスやDr.ミナミのように、いかにも漫画的でシンプルにかっとんだ奴もいた。2期でクライマックス以外に一番盛り上がったのが19話のワイリさん大爆発回だったことも、非常に良いアクセントになっている。ちょっと離れて見ると実に幼稚で、あり得ないお話なのかもしれないが、畳みかけられたシリーズの中で、こうした「説明不要の盛り上がり」がきちんと用意されているのも、単にお利口さんなご高説アニメに終わらないだけの魅力になっていただろう。

 そして、こうしたキャラクターたちの魅力を支えた画作りのスタッフ陣も、見事なお仕事だった。元永監督指揮による素晴らしい演出面は言うに及ばず、アクの強い原作絵をギリギリのバランスでアニメ絵に落とし込み、要所でインパクトのある動きを産みだしたWHITE FOXの仕事ぶりは、これまで築き上げてきた信頼の1つ上の仕事だった。アクションパートではチェキータさんVS黒坂さんのワンシーンが強く印象に残っているが、一歩間違えればギャグにしかならないココの「悪い顔」や大見得を切った時のキレた見た目など、1つ1つの絵に熱がこもっていた。もちろん、押し寄せる女体の波による深夜アニメ的ご褒美だってごちそうさまである。キャラクター全員がエロかったが……一番ヤバかったのはヘックスさんかなぁ。尻がエロいアニメは良いアニメ。バルメさんは最後の最後までおっかなかったけど。

 冷静になってから見るとまた感想も変わってくるのかもしれないが、一気に走り抜ける分には大変満足出来たアニメでした。もちろん最後は中の人の話で締めたいのだが、こちらも1人1人がえげつないくらいに濃かったから、なかなかまとめるのが難しい。エロいおねーさんを褒めるべきか、クドいおっさん連中を褒めるべきか。……どちらも褒めるべきだろうなぁ。久川綾・豊口めぐみ・大原さやか・冬馬由美と並んだ屈強なる布陣。ケロちゃんとスッピーの共演アニメはなんだか久しぶり。おっさん連中では、ブックマンの磯部勉やワイリ役の乃村健次のえげつなさがたまらん。ごついのが集まる中でも異質な胡散臭さを発揮したキャスパー役の松風雅也も相変わらずの仕事ぶり。もちろんスケアクロウとショコラーデコンビも好きよ。ここまで殺伐とした濃い世界だと、あみすけボイスのアホっぽさが際だつこと。

 そして、やはり最後に控えしはメインの2人。「台詞が少なくて楽」しか言ってなかったけど、ヨナ役の田村睦心。良い仕事してくれるよね。だんだん残念美人みたいになってくるむーちゃんマジカワユス。そして、今や時の人(?)、ココ=ヘクマティアルを産みだした伊藤静。今作の成功の一端は間違いなく彼女のおかげである。なんで私は気付いたらラジオCDを買っていたのか。「パンプキンシザーズ」とかこれとか、御前のやってるラジオは気付くとDJCDを買っている気がする。まぁ、特別編ゲストのおかげなのかもしれないけどさ。さて、原作本買うかな。

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<以下の文章は、放送当時に執筆されたものである>
 
○第25話「ゆずき」
 脚本・金巻兼一  絵コンテ・藤原良二  演出・吉田俊司  作画監督・石川洋一、門智明

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「となりの怪物くん」 5→6

 今期なんだか多かった少女漫画原作のゴール1作目。先に書いてしまうと、多分3本の中で一番好きなのがこれだった。終始賑やかで、話を揺さぶりながらも暗くなりすぎず、どちらかというと高校生時代のよく分からない活気、エネルギーを感じることが出来た。やっぱり、この時期の男女なんてもんはあんまり真剣になりすぎず、勢い任せでギャーギャー騒いでる方がらしいってもんですよ。

 褒めるべき点を探すと、おそらく「貶す点が無い点」が一番の加点要素なのかもしれない。キャラクターデザインや背景美術などの個々の要素の完成度が高いのに加えて、それらをまとめて1つの空気を産みだすディレクションがしっかりしている。鏑木ひろは「君に届け」でも安定した作品世界を産みだすことで評価が高かったわけだが、ちょっと雰囲気の変わった今作でも、変わらずにその手腕を発揮してくれていたように思う。1話時点でも触れたように、やっぱりこいつら色々とおかしいのは間違いなくて、冷静に考え始めたら雫がハルを引っ張り回したりわめいたりするのは理不尽な部分も少なからずあるはずなのだが、それを感じさせずに、コミカルなシーンでは軽妙に、シリアスなシーンでもあまり沈みすぎない程度に地に足を付けて描く。全体的な賑やかさを優先しているおかげでどんなエピソードになったときにも中心がぶれずに済んだし、最終的には雫とハルのところに話が戻ってくることは分かっているので、先のことを知らずとも安心して見ていられるのだ。

 あとはまぁ、恋愛漫画というジャンルなので、その様子がどの程度の中身で描かれるのか、っていうところですかね。水谷雫という「ちょっと変な子」と、吉田春という「とても変な子」の恋愛模様。つかず離れずでなかなかもどかしい部分がありつつも、基本的に二人とも悪い奴ではないことが分かるので、その関係性は見ていて微笑ましくなる。一番良い部分は、ハルの無茶苦茶さが、「人として」無茶苦茶なのであって、「男として」無茶苦茶なのではないという部分。雫への感情表現はド直球だし、男目線で見ていても、なんだか馬鹿犬を見ているようで放っておけない感じがする。それに対する雫の反応もなんだか初々しくて、感情を隠しきれないくせにあくまで自分を貫こうとする不器用さにニヤニヤしてしまう。「お互いに好きあった後からの関係性が丁寧に作られていく」という部分が少女漫画では大事なパートだと思うのだが(少年漫画だと告白するところがゴールみたいな部分があるからね)、雫の「お前を好きなのは認めるし、付き合うのも望ましいが、日常生活でそれとこれは別」という割り切った反応がどうにもおかしくて良い。あれ? ひょっとしてこれって単なる私の好みの問題か? そうですね、単に女の子に冷たくあしらわれると喜んでしまうせいですね。雫は良い子だよ。

 メイン2人の関係性が一筋縄でいかない部分が一番の見どころだが、それを囲む「賑やかさ」の材料であるサブキャラも良い味になっている。終盤で見せ場を作った夏目ちゃんは登場時の無茶苦茶さからは想像出来なかった方向にキャラが進んで可愛かったし、気取ってみてもどこまでもヘタレ要素が抜けないヤマケンの見守ってあげたい感は、男目線でも萌えポイントである。最初から最後まで何一つ得をしていない大島さんの不憫な立ち位置も、外野から見ている分には良い刺激である。そういや優山なんてのもいたな。後半全然でなくなっちゃったけど。

 そして当然、これらのキャラクターを彩る中の人劇場が最大の視聴ポイント。ハルの中の人、鈴木達央が良かったとか、ヤマケンの中のてらしーが良かったとかいう話もしたいけど、まぁ、とにかく戸松遥に触れておけば問題無いだろう。やっぱり戸松だなぁ。文句のつけようがないなぁ。花澤さんも良い仕事だったしなぁ。戸松と花澤のタッグで共演した作品は名作。異論は認めたくないけど多分探せばけっこうあるだろう。そして、鉄板面子ばかり褒めても面白くないので今作で1人ピックアップするとしたら、夏目役の種﨑敦美である。事実上これがデビューみたいなもんだろうに、非常に良いキャラクターが出来ていた。こういうところから明日の新星が出てくることに期待したい。

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「ハヤテのごとく!CAN’T TAKE MY EYES OFF YOU」 5→4

 マリアさん、ハヤテ、そしてヒナギクと、今年結婚した声優が賑々しく盤面を飾る、ある意味記念すべき作品。ラスボス役が神田朱未という念の入れようで、本当に「ナギや伊澄や雪路の中の人は……」とネタをふるためにあるとしか思えないセッティングであった。

 さて、そんなことはどうでもいいとして、気付いたら終了していた1クール。新番チェックの時にも書いたが、わたしゃ「ハヤテのごとく」は嫌いではない。1期4クール、2期2クールはどちらもそれなりに楽しませてもらっていたし、今期だって始まると知った時にはそれなりに期待もしたものだ。ただ、いかんせん原作を追うほどのファンではないので、しばらくのブランクを埋めるようなことは無かったし、原作とリンクした何かをされても分からないのは仕方ないところだろう。そして、今作の場合、あまり私が好きだった以前のアニメシリーズとの接点は無かった。

 一番の疑問は、「このお話は、別に『ハヤテのごとく』でなくてもいいんじゃないか」という部分である。不可思議な時計「黒椿」を巡ったちょっとサスペンスな冒険活劇。舞台をアメリカに移し、主人公であるハヤテが一時退場までして産みだしたシチュエーションなのだが、そこに絡むキャラクターの繋がりがなんだか希薄で、メイン以外の外野陣は「出すために出した」と言われても仕方ないレベル。最後に活躍(?)していた雪路もそうだが、ヒナギクや伊澄、歩や3人娘など、「その程度の絡み方ならいっそ出てこなくてもいいのでは?」という印象だった。もちろん、個人的にはそうした脇を固めるキャラこそが見ていて楽しいものであるから、登場しなかったらもっと残念な気分になってはいたのだろうが、脇キャラを相互に絡ませて妙味を出すという、普通のドタバタコメディ要素が無くなってしまった時点で、あまりキャラを増やすうまみが無い。それなら、そもそもアメリカなんぞに渡らなきゃよかったじゃないか、と思ってしまうのである。

 一応、これまでほとんど触れられて来なかったナギの父親のエピソード、しかも脚本は原作者が時間をかけて担当していたということで、原作ファンからしたら貴重なシナリオだったのかもしれないが、これまでの2期を楽しんできた身としては、「これじゃない」が強く残ってしまう結果になった。一応、「劇場版からの発展形」ということだったので、劇場版を見ていない人間にはあまりコメントする権利はないのかもしれないが……それにしたって、あの謎のシンガーとかさ、結局最後まで何で出てきたのかもよく分からないし、制作側がプッシュしたかったのかどうかも謎だし。シリアスめのシナリオで押すんだったら、序盤の切れ切れになった日常パートの話とかもいっそいらなかったんじゃないかなぁ。せっかく色々と出来る枠だったはずなのに、なんだか狙いがスカされたみたいで残念である。あと、やっぱり最後まで「キャラ絵は2期の方が好きだな」という感想は動かなかった。単に藤井さんの絵が好きなだけなんですけどね。

 というわけで、「やりたいことは分からないではないが、個人的に求めていたものとは違っていた」というのが最終感想。そうなると中の人劇場を楽しむしかないんだけど、一番面白い桂姉妹や三人娘あたりの出番が少なかったのでなんだか消化不良です。ゆかち新キャラについても、なんだか使い捨てみたいでちょっと勿体なかったよなぁ。釘・ゆかちの絡みはギャンギャンうるさくて好きなんだけどね。

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このラスト、このラスト! 最終話。何かもう、色々と大変だ、ビビッと来るわ。ゾワッとするわ。久しぶりに大きなものを投げつけられた気がします。これは面白いラストだなぁ。

 いきなりの「二年後」にたまげるが、考えてみりゃ、このくらいの時間は必要なんだよな。ラビットフットの加入から量子コンピュータの精緻化まで、そんなにほいほいと話が進むわけもない。前回までのあの事件でヨルムンガンドは片鱗を見せ、正面を切ってココの邪魔をする人間がいなくなったのは間違いないが、そこから更に2年という時を経て、ココの計画はようやく完成に至った。「化け物を超えて神にまでなった女」は、まるで天の頂きから下界を睥睨するかのような大仰なバルコニーチェアを設け、そこに一人座っていた。4つの椅子が囲むように設置されていたのは、彼女と同じ神の座にある3人の協力者、Dr.マイアミ、バブリーン、ラビットフットの4人で世界を囲む意味があったのだろうか。ひょっとしたらカレンさんも巻き込んで麻雀をやるための場所だったのかもしれないけど。とにかく、最後のロケットの打ち上げをもって、世界を統べる「ヨルムンガンド」が完成した。

 誰がなんと言おうと彼女の計画は遂行されるわけだが、その際にただ1つ残っていた計画の残滓は、見解の相違から彼女の下を去ったヨナのことだ。実に都合のいい男、キャスパーに拾われていたヨナは、ココがキャスパーに全てを打ち明ける会合の席にもついてきており、2年前の別れについても考える機会を与えた。世界が荒廃し、見る見るヨナの望まぬ姿に変貌していく中で、武器商人の権化たるキャスパーの下で働くことは、ヨナにはもう不可能だった。ココとの再会をきっかけにキャスパーと決別し、ヨナは一人彷徨い歩く。そして、そんなヨナの感情を一人くみ取って手をさしのべたのは、やはりココだった。思想は決して完全に一致はしない。相変わらず世界の見え方は違うだろう。しかし、ヨナはココの手を取った。世界でもっともイカれた女と笑いあった。この物語は、そこで幕を閉じるのである。

 結局、最後の最後まで焦点となるのは「ココとヨナの関係性」である。前回の決別が至極納得いく流れだっただけに、今回最終的にココとヨナが復縁するのは本来ならば唐突すぎるはずなのだが、この作品はそうしたタイトなシナリオ面でも、全て画によるメッセージで紡いでしまっているのが素晴らしい。ココには何一つ変化は無いので、重要なのはヨナの心情なわけだが、その変化は、無表情なヨナからでもきちんと確認出来る。メッセージ性が強く表れる部分といえば、なんと言ってもこの作品の真骨頂である「悪い顔」である。台詞は上滑りし、どこまで本心かも分からない武器商人達の「顔」は、何よりも真実を語ってくれる。

 今回一番面白かったのは、そうしたあれこれが濃密に詰め込まれたココとキャスパーの兄妹の会話パートだろう。ヨルムンガンドの真実を話したココと、それを受けて顔色1つ変えないキャスパー。それどころか、キャスパーは「更なる機会だ!」とばかりに快哉を叫ぶ。ココはそんな兄を見てもいつも通りの笑みを浮かべただけだが、兄のキャスパーはそれを見て「驚いているようだね」と看破する。ココの予期していた反応と違ったということだ。既存の権益、方策が封じられようとも、武器商人は武器を売り続ける。キャスパーは才も機会も、そして精神も併せ持った生粋の武器商人だった。そして、このキャスパーの宣言を聞くココの表情は、これまで見せたこともないほどに歪み、憎悪を隠そうともしないものである。これまで数々の「悪い顔」を見せてきたココだったが、このシーンの顔はこれまでのどんなマスクよりも恐ろしいものである。何故彼女があんな恐ろしい表情を見せたのか。最初はそれが分からなかったが、「ヨナとの復縁」というゴールを考えれば、自ずと答えは見えてくる。結局、兄であるとか、同僚であるとかいう以前に、ココは武器商人が嫌いなのだ。否、正確には、武器商人が作ってきたこの世界が大嫌いなのだ。それは既にヨナに説明していた部分であるが、ヨナが「大好きだ」と語った世界が、ココは嫌いだった。ヨルムンガンドによってその世界は生まれ変わるはずだったのだが、そこには眉1つ動かさない実の兄がいた。だからこそ、彼女はそんなキャスパーに対して憎悪をむき出しにした。「変わらない世界」「既存のあり方」に対して、彼女は敵意を露わにした。

 時を同じくして、ヨナは全てを諦め、キャスパーの下を去った。どこまでも戦火を広げていくキャスパーには耐えられず、ヨナは一人で歩き出した。元々、彼は「武器商人が嫌いだ」と繰り返し述懐しているわけで、「平和で幸せな世界」を信じる彼にとって、キャスパーの存在は既に許容範囲を超えていた。そして、気付けば武器を投げ捨てることすら出来なくなっている、変わってしまった自分も同様である。「武器を憎みながらも武器を捨てられないヨナ」は、「武器を売りながらも、武器を憎み続けるココ」と、全く同じだったというわけだ。ココは以前「君は私に似ている」とヨナに言ったことがあったが、今回のエピソードでは、ヨナの挫折と、ココの悲願が、全く同じ形で結実するという、非常に奇妙な円環を成していたのである。

 ヨナはココの下へ戻った。イカれた上司、相棒と一緒に、「恥の世紀」への可能性に賭けることにした。この後の世界が一体どうなったのか、それは誰にも分からないが、少なくとも、ココが迷うことは無いだろうし、ヨナが迷いを抱くことも、もう無いだろう。それがこの物語のゴールである。

 これだけの内容が、少ない台詞と、限られた時間の中で1つ1つ組み上げられていく今回のコンテ構成は、相変わらずの元永慶太郎監督の仕事である。よくもまぁ、ここまでキツい仕事をこなしたものだと感服する。最終話ってことでがっつりと画にも力がこもっていたし、残念だった1期ラストのことを思うと、やはり最後の最後にきちっと決まるように構成が出来ていたんだな、ということを認識させられる。いい締め方でした。とりあえず、プレイム君が無事だってことがちゃんと分かったのがすごく良かった。あと、最終回で一番萌えるキャラがチェキータさんっていうのが意外すぎた。どんだけ可愛いんだあのおばちゃん。そしてラストのエンディングテーマがかの香織っていう。意外すぎてびびったわ。

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