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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ○「探偵オペラミルキィホームズ」 4

 なんだかやたらCMがうざったい作品。しばらく前に突如深夜アニメの途中に始まりだした本作に関わるCMは、名前も聞いたこともないような作品を、さもずっと前から有りましたみたいな顔で平気で名前をいいやがるから、なんか邪魔だった。「しらんがな」っていうしかないし。で、そんなよく分からないプッシュを受けている作品がいよいよ持ってアニメ化。事前情報でメインキャストがほぼみんな新人だってことは分かっていたし、どうせ大したもんじゃないだろうと思って、こき下ろす準備をして視聴。

 ま、実際大したもんではない。制作はJ.C.だが、明らかに今期放送している他のJ.C.作品よりもクオリティは劣る出来になっている。シナリオも単調で盛り上がりに欠けるし、萌えものというにしてもキャラクターが弱い。どこかの誰かが惰性で考えたみたいな、パッケージがものすごく小粒な作品である。

 ただまぁ、残念ながらそこまで徹底的にこき下ろすほどのものでもなかったんだよなぁ。メインキャスト4人は、お世辞にもうまいとは言えないまでも何とか成立させようと頑張っているし、過去に数多出現した棒の神様たちに太刀打ち出来るようなものではない。映像の方も、キャラクターデザインが功を奏したのか、シンプルなだけに崩れは目立ちにくい。内容が馬鹿馬鹿しいものなので、シナリオがどうこう言って不平を言うのもなんだか的外れな気がしてしまう。要するに、「別にこれに真面目に評価とかくださんでも」というスタンスになってしまうのである。これはこれで、1つの方向性なのかもしれない。

 制作の裏側を見てみると、スタッフの総指揮のところに我らが木谷社長の名前がクレジットされている。そう、あのブロッコリー作品でお馴染みの木谷社長だ。しばらく見ていなかった名前だが、気付けば「ブシロード」の取締役になっていたらしい。そして、さらにこの作品のことをWikiで調べると、ミルキィホームズのライバルともいえる別な捜査組織があるらしい。そして、そのキャラクターたちのキャスティングが、沢城・新谷・田村ゆかりだという。うむ、誰がどう見てもエンジェル隊だ。ひょっとして、ブロッコリーで事業を失敗させて凋落した木谷社長の怨念が、この作品に詰まっているのかもしれない。そう考えると、あの狂ったように乱打していたCMの数も納得出来る(?)。

 ついでに、この作品の「助監督」という微妙なポジションには、私が愛してやまない池端隆史監督も名前を連ねている。池端さんが構成まで担当してくれていれば、きっとこの作品も面白くなったと思うのだが(ただ、残念ながら実際はふでやすかずゆきが構成である)。さらにさらにさらに、キャラデザは沼田誠也、1話の総作監も沼田さんである。あれ? 結構魅力的に見えてきたぞ……一体どこに転ぶのか検討もつかないこの作品。大コケするか、意外な成長を見せるか、今後の動向に要注目。

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 ○「ヨスガノソラ」 5

 意外に久し振りかもしれない、純正エロゲ原作もの。キャスティングでそれが分かるっていうのは、ある意味ありがたいかもしれません(キャスト変更が原作から無いってことだからね)。

 個人的な注目ポイントは、とにかく監督が高橋丈夫であるということ。脚本もいつも通りに荒川稔久とのタッグだし、この2人の作品が好きな人間としては期待せずにはいられない。高橋さんらしさはそこかしこに発揮されており、1話で印象的なのは夕暮れ時に浮かぶ幻想的な色合いを持つ入道雲や、その後一転して窓硝子を叩く雨の激しさ、それに、季節の影響力を直接受けていることが印象づけられた田舎の風景など、本当に世界を作っている部分。牧歌的、という言葉が似合うような気もするが、そうした「単なる平和な田舎」ではなく、その世界できちんと人が生きているのだ、ということが伝わってくる背景美術の使い方と、世界を前提としたキャラクターの立ち居振る舞いの細やかさは見事なものである。

 ただ、今作はストレートにエロゲーの中身を表現する必要があるため、そこにややきつめの「絡み」の描写も入ってくる。具体的には主人公兄妹のインモラルな関係性と、お嬢様と騒がし娘のどこか怪しげな人間関係など。そうした部分は、日常生活からはかけ離れた場所にある1つの姿であり、なかなか地に足を付けた作品世界へのリンクを作るのが難しい。ひたすらフラグを立てまくっていく主人公のナイスガイっぷりもやや現実離れしており、シナリオとしては現実感の薄い、単調なものになってしまっていたのが不安材料か。まぁ、1話はどうしたってキャラクターの紹介に時間を取られてしまうので、2話以降でどのような物語が展開していくのかに期待しましょうか。

 途中うとうとしそうな部分もあり、導入としてのインパクトが弱かったので多少点数を下げようかとも思ったのだが、エンディング後に登場した謎の小劇場が面白すぎたのでその分加点。チビキャラの掛け合いも楽しかったが、その後の生々しい「女の有り余る欲求」を、そこだけはギャグとして処理しきってしまった肩すかしっぷりは逆に面白い。毎回この2本立てでいくのかしら。そのあたりのギャップも楽しめそうな一要因である。

 キャストに関しては、いわゆる「エロゲキャスト」なのであんまりコメントは無い。耳に馴染んでいない声がちょいちょい出てくると、キャラの識別に時間がかかって大変である。

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 ○「侵略!イカ娘」 6

 ある意味話題作。「何故話題になるのか」っていうのが最大の話題な気もするが……

 あの中身が全く無いことで有名(?)な「イカ娘」がついにアニメ化。製作スタッフはというと、スタジオがディオメディア、そしてこのスタジオならある意味正しい配役といえる水島努が監督である(ディオメディアの前身であるスタジオバルセロナの処女作が「大魔法峠」だからな)。この人の作品ってのは、「ドクロちゃん」「大魔法峠」「ケメコデラックス!」のようにきわどいネタを詰め込んだものと、「おおきく振りかぶって」「×××HOLiC」シリーズのようにひたすら原作の主旨に忠実な安定感の高いものの2種類が両極端な気がするのだが,ショートギャグの「イカ娘」は、やろうと思えば前者のスタイルもとれた作品。しかし、やはりこの作品は極限までの薄味が似合う。「ネタが無いならそれでいいじゃなイカ」とばかりに、思い切り素材そのままをアニメ化して来やがりました。

 原作そのままということで、中身は本当に無い。いや、1話目はまだ話がある方で、イカ娘が侵略してきて、海の家の支配関係を理解するところまで。みるものすべてが新しいイカ娘を見ていれば、まだ変化が体感出来るレベルの「ストーリー」がある。しかし、やっぱりオチの無さとか、手拍子を打つがごとき平坦な流れとか、よくもまぁ、これをアニメ化する勇気があったもんだ、と改めて感心するようなものになっている。

 しかし、これが案外悪くない。いや、途中でボーッとするような時間もあるのだが、イカ娘は終始テンションが高く、外界全てに刺激を覚えている。その新鮮さは「忠実な」方の水島演出によって全面に押し出され、「異様なキャラクターに出会って対応に困る人類」サイドと、「初めて見るものばかりで幼稚な考えが及びきらないイカ娘」の双方のテンションを行き来し、何となく面白い気がしてくる絵面が出来上がっているのだ。これは、アニメにして良かった作品なのかもしれない。

 見どころとしては、躍動感というより「なんか元気」と言った方がふさわしいイカ娘の動きがある。蚊を潰したくて走り回るイカ娘や、触手を自慢するイカ娘など、あり得ないキャラクターの「ありそうな」動きは、ただでさえ「お茶の間サイズ」のコメディであるこの作品をより身近なものにしてくれる。また、1話クライマックスとなる千鶴との対決シーンも無駄に緊張感があり、どこかの咎狗の血みたいに惰性で作られていないことが確認出来るのだ。もちろん、どれだけ動こうがしょせんイカ娘でしかないのだが、「やっぱりこの漫画は冷静に見て、ないわ」と思えるだけでも、アニメの世界作りは成功と言えるのではなかろうか。ただまぁ、これを毎週見ていて飽きないかと言われれば……微妙? いっそ本当にサザエさんレベルの日常まで行ければ勝ちかもしれん。

 そして、こちらも話題になった(というか話題にしてみた)キャストの話。何故か「2代目」みたいなイメージがあるイカ娘役、金元寿子。改めて聞くと、やっぱりところどころ拙い部分はあるのだが、ちょっと無理をしている部分が、精一杯虚勢を張っている侵略者っぽい味にもなっていて面白い癖が出ている。慣れてくればそのあたりももう少し地に足着いたものになるだろうし、今後の演技プランに期待したいところ。「イカ娘語」は色々と難しい部分も多いので、やりがいはありそうだしね。関西での放送スケジュールだとインデックスさんが一通りしゃべった後の番組なんで、なんだか妙な運命を感じますね。後は栄子役の藤村歩の安定感。藤村が(ry

 そうそう、今作で忘れちゃいけないのが、オープニング。ものすごく耳に馴染むと思ったら、作曲が小池雅也なんですな。もう、兄貴の音楽は魂に来ます。今期1番のオープニングかも。

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 ○「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」 5

 今期、プロディースする側が何かと気合いを入れている気がする作品。色んなところで宣伝を見かけるし、話題に上っている頻度も高い気がする。ま、私の情報ソースなんて片寄りまくってますけどね。

 で、そうやって「売るぞ売るぞ」という姿勢の作品を見せられると、どうしても斜に構えてしまうのが世の常。「どうせラノベ原作だし、ありきたりな設定の萌えものだろ」という前提を持っての視聴。結論からいえばそれはその通りだったわけだが、思いの外悪くなかったような気もする。何が良いかといえば、メインヒロインの桐乃が、割と可愛いのである。

 妹萌え属性なんてものは、残念ながら実際の妹がいる人間は持ちようもないものだが、この作品に置ける桐乃と主人公京介の関係は、今のところ兄妹に見えないというのが最大のポイント。中盤に桐乃がカミングアウトを始めるまでほとんど接点が無かったし、あまりに妹としてのリアリティが無いために、「ふつーのアニメヒロイン」に見えるのである。その上で、かなりどぎつい設定をそのままキャラクターに落とし込んでいるので、それなりにキャラクターとしても成立している。アピールするポイントがシンプルなだけに、そこにさえ注力することが出来れば、自ずと世界観は成立させることが出来るのだ。

 アニメーションとしての出来は平々凡々。中盤に二人がぶつかって転ぶシーンのスローとかを見ても、「なんだかのっぺりした作画だよな」というくらいの印象しかないが、桐乃の部屋にあるエロゲの箱のテクスチャの使い方など、作品に必要不可欠なでディティールについては、きちんと意識して描き込むようにしてあるのも分かる。もっとも重要な京介の心情描写については夢オチ・天丼などのギミックでテンポ良く描かれているし、少なくとも1話目からけなすような出来ではない。今後の画の状態次第だとは思うが、視聴に不自由することもないだろう。スタッフを見ると、ここにも倉田英之がいる。奴が1シーズンに2本も脚本やるって珍しいな。そして、何故か監督ではなくスーパーバイザーに川口敬一郎が名前をクレジットしている。監督は名前を知らない人だが、職歴を見るとどうやらGONZO関係の人脈のようである。さて、ここで一花咲かせられるかな?

 本作の雰囲気作りで重要な役割を果たしているのは、勿論キャスト。特に京介役が中村悠一っていうのは結構思い切った配役だと思う(こういうオタクネタ絡みの作品だと、彼の声は少し「格好良すぎる」)。おかげで妹との関係性が真剣そのものに聞こえるので、この温度を維持していけばどういうストーリーに転がっても面白いものが出来そうだ。そして、最も大切なポジション、桐乃役には「またかよ」と言われるであろう、竹達彩奈。前期今期でどれだけ仕事してるか分からんな。少なくとも「えむえむっ!」のヒロインよりはやりやすい部類だろう、この妹声はアリだと思います。「理想の妹は黒髪ツインテールよね」って、それはあんた、軽音部の人だろうが。

 でもまぁ、どれだけ妹が可愛かろうが、クラスメイトの普通っぽい人にはかなわないですけどね。主に声の面で。しゅが美分の補給先が1つは維持出来て助かったぜ! もう、こっちの娘をメインで話を作ればいいと思う。俺のしゅが美が声を当ててる女の子がメインヒロインじゃないわけがない。

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 ○「とある魔術の禁書目録Ⅱ」 5

 今期……えーと……6本目の2期目作品。どんだけ多いんだか。ぼくらのインデックスさんが帰ってきましたよ。

 気になったので確認してみたら、私の最終評価は前期「禁書」が4点、「超電磁砲」が7点。総合点でいえばこの「とある」ワールドは嫌いじゃないんだろうが、やっぱりシナリオラインのしょうもなさが際立ってしまう「禁書」の方の点数はガクッと落ちる。世間で1つのステータスとしてあがめられている(かつ笑いものにされている)当麻の説教とか、基本的に馬鹿馬鹿しくて聞いてられないので、アクションときゃっきゃうふふで見せてくれた「超電磁砲」の方が配点が高いのは当然なのです。

 で、そんな低めの配点の方の2期目だ。相変わらず錦織監督+J.C.という組み合わせのビジュアル面の安定感は充分で、電撃系の看板とも言えるこの作品は、見ていて素直にきれいだと思える画面を安定して供給してくれる。その点に関しては相変わらず不満は無い。その上で、1話目から早速当麻の説教が炸裂しているのはどうしようもない。初登場の敵キャラ(?)の目的意識や、悲願達成のための手段なども特に説明が無いのでバックグラウンドが分からず、どう接していいのかも分からない状態からそのまま説教に移れるってんだから大したものだ。本当に取っつきにくい主人公である。残念ながら視聴者はそこまで思い込みが激しくないし、親切でもないので、どれだけ力説されても「知らんがな」と言うしかない。

 正直、1期を見る限りでは、この作品の場合は説明されても「知らんがな」の場合が多いので、今回のようにいっそ雰囲気だけで話の大筋を流してしまった方が乗り切れるような気もするのだが、やはり怠慢であると感じてしまうのはどうしようもない部分。今回の話って、2話に分けるには中身が薄そうだけど、駆け足でやっていい内容だったのだろうか。明らかに暴漢に襲われた被害者であるはずの当麻に全然緊張感が無かったり、それを見ていたファミレスの店員が何故か当麻を悪者扱いしたりと、常識レベルでのシナリオラインもなんだか違和感があるし、不安な部分はそのまま維持しての2期目、という位置づけである。

 ただ、それでもなお、やっぱりインデックスは可愛い。流石我らが井口さん。容赦無い。こんなに鬱陶しくて役に立たないメインヒロインも珍しい気がするのだが、そのウザさが、邪魔臭さが、中の人とのリンクをより強固にし、腹ぺこわがままキャラを確立させているんだよ! なんだってー(AA略)

 でも、御坂も容赦無く可愛かったりするんだけどね。何よあの顔、ツンデレヒロイン失格じゃないの! エンディングだけ見たら、インデックスと御坂のどっちがメインヒロインだかさっぱり分からないけど、大丈夫? ねぇ大丈夫なのトーマ?

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 10月8日 ドラフト模様(SOM×3)

ピック順 【Newcomer】→【Alessi】→【Thraxi】→【Sangriter】→【Serra】

 ミラディン環境2回目ドラフト。世間的には毒だの感染だの金属術だの、リミテッドの攻略法を探るのに大忙しの時期だと思いますが、我々コミュニティではそんなこととは全然関係無い事件が発生。それは、久し振りのニューカマーの参加である。

 元々我々は実に閉塞的な集団だったおかげで、年々面子の高齢化が進み、プレイヤー人口は減りこそすれ、増やすことが出来ないでいた。そこで、この環境一新の時期に一計を案じ、新人加入プロジェクトを立ち上げたのである。やはりMagicはなかなか入門が難しく、勧誘した人数に対し、マスターするまでに興味を持ってくれる人数は少ないのが実情だ。

 今回参加してくれた新人は一応【Newcomer】(仮)としておくが、彼はほとんどルールを知らない状態から、およそ2〜3週間のトレーニングプログラムをやってもらった。ショップに置いてあるエントリーブックで基本ルールを学び、基本セットエントリーデッキで流れをマスター。その後、前回までのリミテッドで手に入れたカードで作ったこの環境のサンプルデッキを渡し、何度か回すことで、毒や金属術などを体感してもらう。で、いきなりのブースタードラフトである。一応事前に40枚デッキの構築の基本は、サンプルデッキを解体して数値として示していたが、やっぱりいきなりデッキ構築ってのは乱暴な流れ。最初のうちは勝てない状態でもしばらくデッキ構築のコツを身体で覚えてほしいと、それくらいの状態。

 で……


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 ○「おとめ妖怪ざくろ」 6

 あー、いいんじゃないでしょうか。こういうシンプルなの、嫌いじゃないです。

 第一印象は「会長はメイド様!」みたいな「分かりやすいツンデレものだなぁ」というくらいで、びっくりするような出会いでは決してないし、おそらく今後もびっくりするようなことが見られる作品でないのは間違いないだろう。キャラ設定もシンプルだし、画面作りも特に気合いが入った作品とも見えないのだが、ボーッと見てるとどこか安心する。欠点がないというのは、実は1つの長所なんじゃないかと思えます。

 監督は今千秋。彼女は勝手にディーンのイメージがあったのだが、一応「のだめ」でJ.C.とも携わっていたか。非常にしっかりした制作理念を持っている人で、ひょっとしたら何か化けるような機会もあるかもしれないという期待も持てる。シリーズ構成に岡田麿里っていうのも嬉しいところ。女性×女性の珍しいメインスタッフなので、どんなものに仕上がってくるか、色々と楽しみです。

 1話での見どころは、主人公とメインヒロインざくろの接触と触れ合い方の変遷が1つ。作中で「一晩でずいぶんな進歩だ」みたいなことを言われており、主人公の妖怪苦手設定があっという間に無かったことになりそうなのはどうかと思うのだが、強がりながらもあっさり転がりかけたざくろの乙女過ぎる部分なんかはなかなか愛らしい。ツンデレといってもあまりギスギスされるのも困るし、「異種間交流」という問題が絡むと無駄に話が重くなってしまうのが怖いので、このくらいのぬる〜い関係性が丁度良いのかもしれない。

 そしてもう1つの見どころは、なんと言っても妖人娘たちの戦闘へ入る前の口上のシーン。BGMとも相まって不可思議な艶やかさがあり、この「雅さ」みたいなものがこの作品の最大の売りなんだろう、と予感させてくれる仕上がりだった。本来なら無骨な剣を握って獣に飛びかかるざくろは蛮勇の極みであるはずだが、桜のモチーフと流れるような口上、アクションでもって、それが茶道や華道のような1つの流儀としての所作に見える。このあたりの配置の仕方が、女性スタッフの武器になるのではなかろうか。他では見られない女性像であるだけに、なかなか面白く見られました。今後もこのあたりの力点に期待したいところ。

 そして、個人的に面白かったのは、やはりメインキャストである。中原麻衣がメインという時点で不平不満のあろうはずもないが、最近はイロモノが多かったおかげで、こういう「普通の」ヒロインは久し振り。メインでの口上の存在感や、乙女モードから幻滅に推移する温度差なんかはたまりません。やっぱり一人で空気が作れる役者である。また、サブヒロイン勢が堀江・豊崎・花澤と並んでおり、世代を超えてのヒロインどころが自然に溶け込んでいるのが楽しい。個人的に75年を起点とした「ゴールデンエイジ」から5年区切りで声優を1つの世代層として見る妙なくせがついているのだが、この見方だと堀江が第1世代、中原は第2世代のピークであり、豊崎が第3、花澤が第4となる(ま、花澤・豊崎は芸歴はほぼ同じだが)。こうして世代の異なる花形が分け隔てなく絡んでいるのを楽しめるのが、声優ファンならではの特典と言える。

 あと、地味に男性キャストも花形が多い。櫻井は言わずもがなだが、妙な配役の岡本信彦が良い味出してた。

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 ○「神のみぞ知るセカイ」 5

 何とも奇妙な印象を受ける作品。トータルで見れば普通の仕上がりだと思うのだが、居並ぶスタッフを見ると、妙にそぐわない、そんな不思議なかみ合わなさがある。

 全て勝手な思い込みだが、全てが「らしくない」方向に出ているといえばいいだろうか。たとえば、製作がマングローブなわけだが、あまりマングローブらしいストイックな画作りが見られない。質が悪いというのではないが、「この画なら別に他の製作会社でも良かったんじゃ」と思える。キャラクターデザインが渡辺明夫だが、動いているキャラ画を見ると、なんだか彼「らしくない」。のっぺりしてくせのないデザインになってしまっていて、「化物語」で発揮したような、私の愛する渡辺明夫絵が感じ取りにくい。決して出来が悪いわけではないのにピンと来ないのがもどかしい。さらに、監督に高柳滋仁、脚本が倉田英之という組み合わせもなんだか「らしくない」。別に一緒に仕事をしてもらっても全然構わないし、両氏とも評価出来るクリエイターなので今後に期待したいが、少なくとも1話のシナリオ、構成で飛び抜けて見どころらしい部分は無い。なんとも平坦で、のめり込むのに手間のかかる導入であった。

 この、作品全体を通じて漂っている「らしくなさ」が、終始もやもやしていた。原作がサンデーだからどうしてもアクが弱くてアピールしにくいというのが原因としてあるのかもしれないが、それなりに好みのスタッフが集まっている作品だけに、1話目での爆発力に欠けたのはちょっと期待はずれだった。今後の展開次第だとは思うのだが……この手の作品で、1話以上のものが期待できるものかなぁ……取捨選択の難しい作品。

 そうそう、もう1つの「らしくなさ」としては、主人公のキャラクターがあんまり下野紘らしくない。ヘタレキャラっていう意味ではぴったりのはずなんだけど、基本ステータスが「虚勢」でそれなりに隠した才能の片鱗もあるキャラクターなので、もう少し地に足の着いたキャストでも良かったんじゃなかろうか(決して下野が嫌いなわけではないですよ)。ヒロインは……まぁ、これはいいかな恵ちゃん。「あそいく」のエリスとどこが違うねん、と言われれば「まぁ、同じですけど」としか言いようがないが、この辺の立ち位置が一番落ち着くんですよ。冒険心の無いキャスティングは怠慢だとは思うのだが、やっぱり適材適所ってことで。

 とりあえずしばらくは様子見だな。下地は悪くないわけだから、このままダラダラと同じように展開してフェードアウトしていくか、見ていくうちに馴染んでスルメ作品になるかのどちらかでしょう。

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 ○「咎狗の血」 3

 「お、おう」としか言いようがない作品。なんじゃこれ。

 元々「黒執事」の枠だし、ばんばんCM流してたので「どーせ腐女子作品だろうしなぁ」と思っていたものの、1話目は一応きちんと視聴……してたんだけど、もう序盤からよく分からない。オープニングで構成に高橋ナツコの名前が出てくるだけでゲンナリしてたんだけど、まぁ、予想以上に「面白い」わ。いきなり逮捕された主人公が「ものすげー広いけど立派な机とパイプ椅子しかない部屋」という意味不明な施設でタコ殴りにされ、「全身打撲で殺された奴がいるけど、近くにストリートファイトのチャンピオンのお前がいたんだからお前が犯人だろ」という素晴らしい推理により投獄。ここまで見事なえん罪も見たことがないが、さらに謎の面会人に「お前が釈放される可能性は0%だし、この後は終身刑で死なない程度に拷問され続ける」と宣言を受ける。どんな税金の無駄遣いだよ。ここまでの流れで既に爆笑。

 もちろん、話の流れを見てると、あの怪しげな女親分の計略で主人公が無実の罪を着せられたんだろう、ということは分かるわけだが(だよね?)、そのことを伝える脚本になっていないのである。あの警察のノリだと、本当に単なるアホな警察組織に見えるし、本当に運が悪いだけの主人公に見える。まともな脚本家なら、もう少し「主人公が何者かに嵌められてしまった」ということを自然に伝える構成が出来ると思うのだが。

 ま、その後の流れは輪をかけて訳が分からなくなったので逆にどうでも良くなったんだけど、主人公の人となりがブレ過ぎてるせいで視点が一向に定まらない。最初のシーンでは無頼漢を気取ってみて、押し入った警察(ガラ悪すぎ)相手にはクールに抵抗してみせたくせに、投獄された途端に「俺、一生出らんないのかな……」などと弱気。なんだ、ただのヘタレか。謎の世紀末エリアに放置され、人切り惨殺魔に出会った時にも虚勢を張るだけはってへたり込むだけだし、格好いい主人公が描きたいのか、単なるこけおどし野郎だということが見せたかったのか、さっぱり分かりません。他のチンピラも、何が目的だか分からない連中が多くて、最後に惨殺された奴とか、何で逃げずにわざわざ命乞いに近付いてぶった切られたんだろう。

 1話目ということで、色んなところをはしょってあのシーンまでを詰め込もうと思ったのだろうけど、時間経過の描写が拙いおかげで何がどうなっているか分からないし、必要最小限に抑えたであろう台詞のやりとりにしても、特に考えた様子もない安易なものばかり。ひょっとして腐女子向け作品ってここまで虚ろで中身のないものばかりなのか……ラノベよりも病巣が深そうだ。

 アニメとしてもお世辞にも出来が良いとは言えず、見られそうな点はそこそこ気をつけていると思われる殺陣のシーンくらいか。一番笑ったのは、主人公が見張りを茶化して友達を連れて部屋に入るシーン(ホモ要素強め)で、背を向けて歩き始めてから、どう考えても自分の部屋を通り過ぎるくらいめっちゃ歩いてる。次のシーンは何事も無かったかのように部屋のシーンに切り替わっていたし、思わず「どこ行くねん!」って突っ込んでしまった。個々のキャラクターの動作についてのタイムスケールも計ってないのかしら……主人公の部屋、警察の取調室などの細かい舞台背景も適当で、世界を作ろうという意識が見えてこないのも難点。監督の紺野直幸は、絵描きとしてはそれなりに評価出来る部分があるんだけど、演出家としては信用ならないのかもしれん。流石にこの作品をまっとうな意味で楽しむのは無理なようだ。逆に一周回ったネタ作品としてなら、評価出来る可能性はあるんだけどね。

 あぁ、エンディングテーマは良かったですね。やっぱりいとうかなこは不気味なパワーがある。でも、CMを見ると「学園黙示録」みたいにエンディングは毎回変わるみたい。残念だ。

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