最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
Ancient Grudge 古えの遺恨 (1)(R) C (時のらせんから再録)
インスタント 対象のアーティファクト1つを破壊する。 フラッシュバック・(G) 時のらせんで作られた小粋なアーティファクト破壊が皆の期待を一身に背負っての復活。「粉砕」の完全上位互換であり、その手軽さからレガシークラスの下の環境ですらお呼びがかかったナイスサポートカード。次の世界は今のミラディンのようにどこもかしこも金属ってわけじゃないが、今回はやたら装備品が多い世界になっている(何と、その数は全アーティファクトの半数!)。装備品を強くサポートするのは人間だが、結局リミテッドにおいて装備品というのは不屈のウザさを誇るお邪魔虫みたいなもんである。このカードを入れておけばそんなお風呂の水垢のごとくべったりと張り付いた装備品も手軽にケア。赤緑ならアドバンテージが得られちゃう可能性まであって二重丸。今後まだ装備品が暴れるようなら、構築にインの可能性もアリアリだぞ。 Ashmouth Hound 灰口の猟犬 (1)(R) C クリーチャー・エレメンタル、猟犬 2/1 〜がいずれかのクリーチャーをブロックするか、ブロックされた状態になるたび、〜はそのクリーチャーに1点のダメージを与える。 「業火の精霊(M10)」のサイズ超縮小版。ハイパー先制攻撃とも言えるタイミングでとりあえず1点与えられるので、タフネス1を相手取れば無敵の活躍を見せるし、一応タフネス3までなら相打ちが可能で、合体ブロックにも強い。2マナの先兵としては使いやすい部類である。ただ、相手としてはスルーしてれば2点、というのが正直なところで、「不可視の忍び寄り」のように絶対に止められないわけでもなし、そこまで脅威には映らない。装備品などで底上げすれば威圧感は増すが、それなら他のクリーチャーでいいんじゃないか、ってな気もする。ルアー効果があればトークン殲滅作戦とかに使えたんだけど、今回緑にもルアーがないんですよ。 Balefire Dragon 災火のドラゴン (5)(R)(R) M クリーチャー・ドラゴン 6/6 飛行 〜がいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、〜はそのプレイヤーのコントロールする各クリーチャーに等しいダメージを与える。 赤の神話はドラゴン安定。M12ではちょっとおふざけが過ぎた感があるけど、こちらは至って普通のドラゴン。書いてあることはすごく強くて、ワンパン入ったらとりあえず勝てるはず。……でもさ、これって「焼酸のドラゴン(CON)」の焼き直しじゃない? 一応ブレスを失った代わりにクリーチャー単体から全体除去まで効果範囲が拡大したのは偉いんだろうけど、このサイズのパンチャーの攻撃が通った時点で、地上クリーチャーたちが多少やんちゃしてても放っておいていいと思うんだよね。これなら勝てるけど「焼酸のドラゴン」では無理、っていう状況はあんまり起こらないだろ。いっそワンパンチでプレイヤーを屠れる「炎破のドラゴン(M12)」の方が強いんじゃないか疑惑。神話、神話ねぇ…… Blasphemous Act 冒涜の行動 (8)(R) R ソーサリー 〜のコストは、戦場にいる各クリーチャーにつき(1)少なくなる。 〜は各クリーチャーに13点のダメージを与える。 ナゼ、ソコマデ13にコダワルのデスカ? いや、作品世界のフレーバーを守るのは大事だけどさ。既に13点火力が2枚ある環境じゃぁ、せっかく頑張って生まれてきた「ルーデヴィックの嫌悪者」が不憫で仕方ないよ。13/13のレアを13点火力で打ち落とす様は、もう完全にコントにしかみえないけどな。さておき、赤の全体除去である。書いてあることは火力だが、要約すると「審判の日」って書いてあるだけだ。ただ、コストは倍以上かかる。そこで、赤が提供してくれたのは、なんとクリーチャー数に応じてコストが軽くなるという新しいサービス。相手次第、自分の努力次第じゃ、ひょっとしたら1マナで104点のダメージを叩き出したりも出来るかもしれないわけだ。ただ、自分で努力してもどうしようもなかろうし、相手の努力に期待するわけにもいかないので、結局は「そこそこのコストでそこそこの全体除去」ということになるか。「相手がたくさんのクリーチャーを展開すると強い」という全体除去には、登場直後に一瞬だけ「お? 強いかも知れないぞ?」と思わせておいて大したことがなかった「連鎖反応(WWK)」と被る部分もあるが、このカードは最低限除去としての役割は果たしてくれるだろうという安心感がある。自軍1体、相手3体の状態から5マナで撃って2対3交換くらいならボチボチ、相手5体、自軍0体から4マナラスゴとかなら軽くガッツポーズ。うむ、悪くはなさそうだ。 Bloodcrazed Neonate 血に狂った新生子 (1)(R) C クリーチャー・吸血鬼 2/1 〜は可能ならば毎ターン攻撃に参加する。 〜がいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、〜の上に+1/+1カウンターを1つ置く。 赤名物のマストアタック制限がついたウィニークリーチャー。マストアタックとはいえ、2マナパワー2はそこそこ使える存在で、かのオデッセイ環境では「狂犬(ODY)」はそれなりにデッキに入っていたし、もっと昔なら「精力的なレインジャー(INV)」なんて構築でも使われたんだ。メリット付きのこのカードだって、案外使いどころはあるんじゃなかろうか。3ターン目に相手陣営にいるブロッカーを焼き殺して殴れれば、次のターンは3/2で殴れるわけで、案外現実的なプランな気もする。「炎歩スリス(MRD)」の悪夢よ再び。 Brimstone Volley 硫黄の流弾 (2)(R) C インスタント 〜は対象のクリーチャー1体かプレイヤー1人に3点のダメージを与える。 陰鬱 – このターン、いずれかのクリーチャーが死亡していた場合、〜は代わりに5点のダメージを与える。 コモンで与えられた基本火力。3マナ3点インスタントはいつの時代もリミテッドのお友達。「穿刺破(SHM)」「炭化(SCG)」に「圧倒する雷(ALA)」。こいつらがいるから、僕たちは安心して赤にいくことが出来るのである。そして、今回の火力はコモンでもぴりりと辛い。除去である火力の前に陰鬱条件を満たすのはちょっとコツが必要かもしれないが、上手いことクリア出来れば3マナ5点。なんと、今現在構築リミテッドを問わず活躍中の「石弾化」やら「ゴブリンの手投げ弾」にならぶのである。この効率ならば本体を狙うのもやぶさかじゃないレベルであり、火力だけでのバーン戦術すら無い話ではない。最近のコモン火力としては「焼尽の猛火(WWK)」に並ぶ期待値を持つ1枚。相手がでっかいクリーチャーで殴ってきて、「あぁん、陰鬱さえ満たせれば殺せるのに!」とか思ってチャンプブロック、その後これを打ち込んで「ダメージ与えてるから今なら3点でも足りてるのに!」とかいうよく分からないがっかり事件が発生する予感。 Burning Vengence 燃え立つ復讐 (2)(R) U エンチャント あなたが自分の墓地から呪文を唱えるたび、〜は対象のクリーチャー1体かプレイヤー1人に2点のダメージを与える。 どこの次元でも赤が必ずやる、「この世界独自のギミックをなんでもいいからダメージにしようぜ」シリーズ。ちなみにミラディンにおいては「憤怒の抽出器(NPH)」だったり「炉の式典(SOM)」だったりした。つまり、頑張って頑張って頑張ればリミテッドでそれなりくらいの効率になるということ。このカードの場合、設置コストは「炉の式典」と同じ3マナでそこそこリーズナブル。あとは何枚フラッシュバックをかき集められるかの勝負ということになる。うーむ、使用に耐えるフラッシュバックの枚数次第ですかね。一応、フラッシュバックに限らずにとにかく墓地から呪文を唱えられればいいので、例えば「尖塔の大長」を使うとか、ダイナミックに「燃え立つチャンドラ(ZEN)」で一気に勝負を決めてみてもいい。チャンドラリベンジか、意外とありそうな気がしてきた。まぁ、スタンじゃつかえねぇけど。 Charmbreaker Devils 護符破りの小悪魔 (5)(R) R クリーチャー・デビル 4/4 あなたのアップキープの開始時に、あなたの墓地にあるインスタント・カードかソーサリー・カードを1枚、無作為に手札に戻す。 あなたがインスタント・呪文かソーサリー・呪文を唱えるたび、〜はターン終了時まで+4/+0の修正を受ける。 今回は、「墓地からランダム回収」というのも1つのテーマとして設けられている。そりゃぁ、こんだけガリガリライブラリを削って墓地を参照する環境なら、ある程度回収スペルが出回るのは自明。その上で、任意で回収出来ると強すぎるってんで、ランダムという要素が加えられたのだと思われる。この悪魔の場合、6マナと多少重いが毎ターン1枚のアドバンテージを稼ぎ出す能力は強力無比。仮に火力が回収出来るとすれば、その火力でブロッカーを排除しつつ、「窯の悪鬼(ROE)」を越える脅威の4点パンプで相手を亡き者にしてくれるはずだ。相手がライブラリを削ってきた場合の嫌がらせとしても強力だし、リミテッドなら充分初手級。構築だと……だれが「ガルヴァノス」さんに活躍の場を与えてくれませんかね? Crossway Vampire 交差路の吸血鬼 (1)(R)(R) C クリーチャー・吸血鬼 3/2 〜が戦場に出たとき、対象のクリーチャー1体は、このターンブロックできない。 何で十字路で待ち伏せしてるとこんな能力になるのかはよく分からないんだけど、とにかくおっぱいがヤバい吸血鬼。この世界はオリヴィアねーさんを始めとしてなかなか色っぽいクリーチャーも多く取りそろえられているのだが、おっぱい単発でいったらこの人がトップじゃなかろうか。この人が道ばたに待ち伏せてたら、そりゃブロックどころじゃないからなぁ。納得。で、そんなおっぱいパワーのおかげで3マナ3/2とそれなりのステータスを持っており、チチビンタによって相手クリーチャーは「気絶(10ED)」しちゃうので、特に軽めの吸血鬼との相性がいい。2マナで「血に狂った新生子」を設置し、相手がブロッカーを出してホッとしているところに突然ぶるんぶるんとくり出してやると、お仲間のサイズアップに貢献できて、次のターンには3/2が2体でパンチ出来る。ふむ、悪くなさそうである。困った時には魔乳流にでも助けを求めるしかないんじゃなかろうか。その剣は体を抜けて、乳を絶つらしいですよ。 Curse of Stalked Prey うろつく餌食の呪い (1)(R) R エンチャント・オーラ、呪い エンチャント(プレイヤー) クリーチャーがエンチャントされたプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、そのクリーチャーの上に+1/+1カウンターを1つ置く。 赤の呪いは、なんと特定プレイヤーを殴りにいくクリーチャー全員にスリス能力(今回の世界で言ったら吸血鬼能力?)を付与する。2マナと非常に軽く、1ターン目「流城の貴族」からこれを張ると、貴族さんが突然3/3に膨れあがったりするドリームが見られる。そうでなくともクリーチャー主体の速攻デッキならば、ワンパンチ入れるだけでも充分元が取れるために、かなり危険なカードに見える。1ターン目に4体の「メムナイト」を並べて殴る図を想像したら、怖くて昼も寝られやしない。今回は対抗色土地があるのでボロスはそこまで組みにくいカラーリングでもないし、赤緑人狼もそれなりに速そうなアーキタイプ。手投げ弾を抱えたゴブリンたちは相変わらず元気いっぱいだ。クリーチャーデッキの花盛りとなるだろうか。そして、多人数戦でこれを張られたプレイヤーの運命やいかに。 Curse of the Nightly Hunt夜毎の狩りの呪い (2)(R) U エンチャント・オーラ、呪い エンチャント(プレイヤー) エンチャントされているプレイヤーがコントロールするクリーチャーは、可能なら毎ターン攻撃する。 相手全軍に攻撃強制するという、なかなか無体な呪い。一見するとどれくらいの強さなのかが計りづらいのであるが、やはりあらゆるクリーチャーがマストで戦闘参加ってのは、結構大きな制約である。システムクリーチャーが使いにくくなるのは当然として、magicってのは基本的に防御側が有利に出来ているゲーム。何も考えずに万歳アタックばかりしているようじゃ、戦闘プランなど立てられまい。この世界にはじっくりと殴りに行くタイミングを計る人狼軍団などもおり、これでプランがガタガタになるデッキもあるはずだ。その性質上、相手によって効き目は変わってくるので、サイドからの様子見でもいいかもしれません。 Curse of the Pierced Heart 貫かれた心臓の呪い (1)(R) C エンチャント・オーラ、呪い エンチャント(プレイヤー) エンチャントされたプレイヤーのアップキープの開始時に、〜はそのプレイヤーに1点のダメージを与える。 お手軽ワンタッチで相手にダメージを積み重ねる針のむしろ。現在の環境にも「無感覚の投薬」や「隷属」など、ダメージが積み重なるカードはあるのだが、この呪いが凄いのは、2マナとやたら軽い部分である。1枚張っても20ターンかかるのでそこまでの説得力は無いが、2枚張れば一気に危機感が増し、3枚張れば在りし日の「苛性タール(ODY)」に並ぶ。エンチャント対策ってのはメインで入れても1枚がいいとこなので、初戦にこれを4〜5枚突っ込んでの心臓チクチクデッキは、意外と凄いことになるんじゃなかろうか。いっそこれに「ゴブリンの投火師」まで突っ込んだ「とにかく本体1点デッキ」とか、誰か作ってくれ。 Desperate Ravings 捨て身の狂乱 (1)(R) U インスタント カードを2枚引き、その後、手札を1枚無作為に捨てる。 フラッシュバック・(2)(U) これぞ赤青、ニヴ=ミゼット様も大喜びされそうな、イゼット風味満載のドロー呪文。2マナでやることは「目録(8ED)」のようでもあり、「ギャンブル(USG)」のようでもある。これを使っといて大事なカードを落として「使わなきゃ良かった!」なんて言ってる奴はまだまだ素人。そんな人間は赤を使っちゃいけない。でも大丈夫。このカードにはフラッシュバックがついているんだ。墓地からこれを唱えれば純粋に手札が1枚増え、めでたくアドバンテージカードに格上げされる。トータルで見たら5マナで1枚分だからあんまり得してないような気もするけど、その間に墓地が2枚肥えるし、ライブラリは間違い無く4枚掘り進める。このことを美味しいと感じるか、不安定と感じるか。僕はもちろん、「イケル!」と感じるくちです。レッツ狂乱。 Devil’s Play 小悪魔の遊び (X)(R) R ソーサリー 〜は、対象のクリーチャー1体かプレイヤー1人にX点のダメージを与える。 フラッシュバック・(X)(R)(R)(R) 毎度お馴染み、「今回のX火力」のコーナー。なかなかバリエーションを出すのが難しいこのジャンル、「彗星の嵐(WWK)」あたりでやれることは極限までやっちゃった感すらあるのだが、今回はシンプルにフラッシュバックを内蔵して登場した。「はて? それならオデッセイ当時ってX火力は無かったんだっけ?」と思って調べてみたら、なんとクリーチャーを差し出すと避雷針替わりになる微妙アンコの「燃えたつ計略(TOR)」があるだけだった。純正X火力がないブロックって、珍しいな。で、このスペルはシンプルに「猛火(10ED)」にフラッシュバックをつけただけのもの。帰りのコストは流石に重たいが、無いよりもあった方がいいのは当然だし、アドバンテージカードなのでリミテッドでは重宝するだろう。構築では、とにかく墓地を削れる、というなら、微量でもアドバンテージ狙いに使える……かなぁ。 Falkenrath Marauders ファルケンラスの匪賊 (3)(R)(R) R クリーチャー・吸血鬼、戦士 2/2 飛行 速攻 〜がいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、〜の上に+1/+1カウンターを2つ置く。 今回吸血鬼が持っているスリス能力を代表する親玉レア。初期ステータスは5マナ2/2と頼りないが、速攻でワンパンチ入れられれば4/4でレアの基準値に達する。その後は殴れば殴るほど膨らんでゲームを決めてくれるって寸法だ。なるほど、リミテッドでちょっと油断したらゲームが終わるのだから、そりゃぁレアだ。でも、なーんか地味ね。「炎歩スリス(MRD)」(2マナ)と「上昇スリス(MRD)」(3マナ)が合わさったんだから、充分実力に見合ったコストだとは思うのだが、流石に構築で活躍出来るスペックには見えないし。まぁ、このくらいのほど良い感じで、「リミテッドでもちょっと頑張れば何とか対策出来るかもしれない!」っていう方が、決まった時にヤらしくて良いかもしれませんな。実際は、割とどうしようもなかったりするしな。 Feral Ridgewolf 残忍な峰狼 (2)(R) C クリーチャー・狼 1/2 トランプル (1)(R):〜はターン終了時まで+2/+0の修正を受ける。 赤の基本クリーチャーである「焦熱のヘルハウンド(M12)」をちょいちょいいじったクリーチャー。まず、一番大きな違いはトランプルがついたこと。これにより、ブレス能力が無駄なく使えるようになり、中盤以降での利便性が上がった。ただ、その分パワーは1減った。さらにその代わりに、環境がそれなりに色の散る世界になると見込まれたのか、キャスティングコストの色拘束が緩くなり、ブレスも、2マナでまとめて、赤マナが少なくても済むように配慮されている。リミテッドでも放っておくと気軽に5点とかたたき込んでくるために、意外に無視できないクリーチャー。総じて見れば、狼としてはそこそこレベルのカード。環境が始まった直後は新規ギミックである両面カードばっかり使いたくなるかもしれないが、回りの環境に流されない、こういうどっしりしたクリーチャーも良いものですよ。 Furor of the Bitten 噛み傷への興奮 (R) C エンチャント・オーラ エンチャント(クリーチャー) エンチャントされたクリーチャーは+2/+2の修正を受けるとともに、可能ならば毎ターン攻撃する。 +2/+2の修正にブロック制限ということで、「狂った怒り(CON)」や「抑えきれない怒り(10ED)」などと同じ系譜のオーラだが、適正コストよりも軽い1マナという破格の設定が目を引く。過去の例を見ても、わずか1マナでこの修正値を実現させたオーラというのは存在していない。アタック強制というデメリットこそあるものの、このコストで得られる見返りとしては充分であり、赤にはスリス能力持ちで速度が命の吸血鬼がいることも考えれば、はまった時の爆発力は驚異的である。そして、一応相手に攻撃を強制するカードとしても使うことが出来て、変身の出番待ちをしている人狼あたりを無理矢理戦場に引っ張り出すのに使えないこともないだろう。「コストにしては強い」ってのはリミテッドだとやや微妙なこともあるのだが、このくらいの効果ならば充分デッキインが見込めるのではなかろうか。 Geistflame 霊炎 (R) C インスタント 〜は対象のクリーチャー1体かプレイヤー1人に1点のダメージを与える。 フラッシュバック・(3)(R) オデッセイ当時はリミテッド構築を問わずに大活躍したフラッシュバックの代名詞である「炎の稲妻(ODY)」がインスタントになって復活……でも1点だ……どっちかっていうと「溶岩の投げ矢(JDG)」の方が近いね。形はどうあれ、2対1交換が迫れる火力なんだから実用性はそれなりだが、タフネス2のクリーチャーを焼くのに5マナかかってしまうというのは正直厳しい。メイン火力は3マナ3点の「硫黄の流弾」の方ですね。 Hanweir Watchkeep ハンウィアーの砦守り (2)(R) U クリーチャー・人間、戦士、狼男 1/5 防衛 変身条件・<狼男> ↓(裏側) Bane of Hanweir ハンウィアーの災い ー クリーチャー・狼男 5/5 変身条件・<狼男> 〜は可能ならば毎ターン攻撃に参加する。 3マナ1/5防衛の時点でかなり鬱陶しい狼男。そして、赤のくせにタフネス偏重の防衛持ちなんて似合わないことをやっているわけだが、それも全て、変身後の獰猛な狼とのギャップを強調するため。何せ、絶対殴りにいけないはずのクリーチャーが、絶対に殴らなきゃいけなくなるのだ。月の力とはかくも恐ろしいものよ。変身が前提となるので使いづらそうに見えるが、狼軍団の弱点の1つに、「まだか弱い人間のうちにさっさと焼き殺される」というものがある。このクリーチャーの場合、素のタフネスが5と大きく、人間状態で死亡する心配が限りなく低いのはセールスポイントといえるだろう。あとはどれくらい変身出来るかだが、こればっかりは実際の環境が始まってみないとなぁ。 Harvest Pyre 収穫の火 (1)(R) C インスタント 〜を唱えるための追加コストとして、あなたの墓地にあるカードをX枚追放する。 〜は対象のクリーチャー1体にX点のダメージを与える。 めんどくせぇ火力。自軍にたまった墓地を利用した盛大なキャンプファイアーだが、当然その規模はくべた燃料の量で変わってくる。試合も後半になれば、2マナインスタントでタフネス5だろうが7だろうがいとも容易く焼き払うことが出来るようになる。今回の赤の胆といってしまっていいカードだろう。不安材料となるのは、序盤にあまり役に立たないという部分と、資源であるはずの墓地を軽々に使い潰していいのかという部分。前者については仕方ない。どうせ軽めのインスタントなんだから、序盤は1〜2点で使っても別に損はしていない。積極的にクリーチャーを殺すプレイを心がければ、墓地0枚という寂しい事態は避けられるだろう。そして、墓地を使ってしまうことに関しては、赤という色はあまり気にしないのである。元々墓地戦術なんてものは無い色合いだし、今回も吸血鬼と人狼の色なので、墓地ギミックはほとんど無い。お隣黒や緑は色々と気にするみたいだが、そんなに墓地が使いたいなら、いっそ青と手を組んでがんがん自分で肥やしておくという手もある。何はともあれ、クリーチャーを焼きたいのだ。 Heretic’s Punishment 異教徒の罰 (4)(R) R エンチャント (3)(R):対象のクリーチャー1体かプレイヤー1人を選び、その後あなたのライブラリを上から3枚墓地に置く。〜は、その対象にこれらのカードの中で最も高い点数で見たマナ・コストに等しい値のダメージを与える。 めんどくせぇ火力その2。クリーチャーしか狙えないようになっているが、その実態は3倍効率の「うつろう爆発(ONS)」だ。土地は混入してしまうが、それなりの安定感でもって恒久除去が運用出来るのだから、弱いはずもない。リミテッドならば単純にエンドカード。そして、赤には珍しい墓地転送カードという役割も、このカードには与えられている。4マナ起動で3枚というのは本職たちに比べると大した効率ではないが、相手クリーチャーを牽制しながら好きなタイミングで墓地を増やせるので、単なる除去だけに留まらず様々なギミックとのコンビネーションも期待出来るのだ。ま、レアなんでね。構築で出てくるカードには見えないので、開けたパックに入っていたら、ライブラリの残量を心配しながらブイブイ起動しよう。 Infernal Plunge 業火への突入 (R) C ソーサリー 〜を唱えるための追加コストとして、クリーチャーを1体生け贄に捧げる。 あなたのマナ・プールに(R)(R)(R)を加える。 イラスト的には「スカーイ、ハーイ!!」って言ってる気がするマナ加速呪文。「赤マナだ。そして、赤マナだ!」ってな感じで、適当なクリーチャーを墓地に放り込みつつ2マナも加速することが出来る。実は、過去に黒には「弱者選別(STH)」というマナ加速呪文があったので色んな部分でその下位互換でしかないのだが、「暗黒の儀式(MMQ)」が現役だった当時と今では事情が違う。赤には更に「大地のうねり」なんてスペルもあるので、やろうと思えばこれと合わせて土地1枚から7マナ生み出す荒技も可能なのだ。今回のセットでいえば陰鬱誘発装置としての役割も果たせるし、2マナの加速ともなれば色々と使い方はありそう。クリーチャーの命は軽んじてナンボ。その身を捧げて一足お先にあのレジェンドへ。 PR
Ambush Vipor 待ち伏せのバイパー (1)(G) C
クリーチャー・蛇 2/1 瞬速 接死 瞬速接死の黄金コンボを小さな身体に宿したナイス蛇。この組み合わせで記憶にあるのは「翼のコアトル(ARB)」ぐらいなもんで、あちらは多色なので空にまで睨みを利かせていたが、こちらはコストの軽さと、あわよくば殴りに行けるパワー2で強さをアピール。あらゆるデッキで活躍が期待される優良コモンである。でもこれって、名前のイメージからして「ものすごい早さで出てくる」っていうよりは、「相手が気づかないところからこっそり現れる」って感じだよね。やっぱ「瞬速」っていう日本語名がおかしいんだよなぁ。 Avacyn’s Piligrim アヴァシンの巡礼者 (G) C クリーチャー・人間、モンク 1/1 (T):あなたのマナ・プールに(W)を加える。 シンプルながらも新機軸。新たな時代の到来を感じさせる、歴史の証人となる1マナの人間クリーチャーである。意外や意外、緑にはこうして「単体で白マナのみを生み出すクリーチャー」は存在していなかった。「ラノワールの死者(APC)」や「深き闇のエルフ(RAV)」のように黒マナだけを出せるカードはたくさんあったにも関わらず、だ。白マナを出せる場合、「アニマのドルイド(ALA)」や「スカイシュラウドのエルフ(TMP)」のように、「友好色なんで赤と一緒に」という場合がほとんどなのだ。友好っつっても、緑は何故か黒といちゃいちゃしているイメージの方が強く、白とはうわべだけの付き合いだったのである。そんな外交状態に待ったをかけるために現れたのが、この新たな「ラノワールのエルフ」である。「ラノエルが強いんだから、これだって強いよね」以外の褒め言葉が一切見付からないのが困ったものであるが、これでマナベースの汎用性が更に高まったのは事実。新たなセレズニア友情物語の幕開けと相成りますかどうか。 Boneyard Wurm 骨塚のワーム (1)(G) U クリーチャー・ワーム */* 〜のパワーとタフネスは、それぞれあなたの墓地にあるクリーチャー・カードの枚数に等しい。 自分の墓地だけを参照する、半分「ルアゴイフ(8ED)」。今回はこいつの能力をそのままオーラにした「霊の花輪」というカードもあり、緑は半分ゴイフ祭の様相となっている。2マナというコストでキャスト出来るのはありがたいが、序盤に出しても意味が無いという仕様は相変わらず。墓地云々のクリーチャー軍団は「出産の殻」との相性がやたら良いようなので、殻デッキで餌兼ファッティとして使っていくと面白いかもしれない。「虚無の呪文爆弾」みたいなカードを使われて即死するのもまた一興。 Bramblecrush 茨潰し (2)(G)(G) U ソーサリー 対象の、クリーチャーでないパーマネント1つを破壊する。 緑が壊せるものは、クリーチャーでないもの全てだ。このことをアピールするために、緑は様々なバリエーションを生み出している。最近では例えば構築でもたまに目撃する「テラストドン(WWK)」なんかが強かったし、現在は「非道な総督」なんて形でのカードもある。クリーチャーに依存しない形なら、「強酸の連鎖(ONS)」あたりのイメージだろうか。そして、そんな緑のお家芸をこれまでで最も純粋な形にしたのがこのスペル。単純明快、「帰化」のコストを倍加させたら土地とプレインズウォーカーが対象にとれるようになったのだ。やはり大きいのは、緑が労せずプレインズウォーカーに触れるという部分だろう。「忍び寄るカビ(10ED)」の完全上位互換となるスペルであるから、今後はこれが緑の代名詞となっていくのだろうか。まぁ、今の世の中には「内にいる獣」があるんですけどね。 Caravan Vigil 隊商の夜番 (G) C ソーサリー あなたのライブラリから基本土地・カードを1枚探し、それを公開して手札に加える。その後、あなたのライブラリを切り直す。 陰鬱 – このターンいずれかのクリーチャーが死亡していた場合、あなたは代わりにそのカードを戦場に出しても良い。 このセットの土地スペル。1マナと最軽量で登場し、通常モードなら「地勢(APC)」と完全に一緒。これだけでもある程度の圧縮と色調整が出来るので、緑のデッキならとりあえず入れておいて問題無いレベル。そして陰鬱条件を満たせば、2マナも軽い「荒々しき自然(7ED)」にグレードアップする。マナを減らすことなく土地をのばせるってんだから、相当強力な1枚だ。ただ、序盤のマナ調整のタイミングで最も価値の高いこの手のスペルに陰鬱がついていても、なかなか条件をクリアしてマナ加速の恩恵を受けるのは難しいかもしれない。あまり期待せずにおまけ程度で。慌てて唱える必要が無いくらい土地があるなら、加速を狙って温存するのもありだぞ。 Creeping Renaissance 迫り来る復興 (3)(G)(G) R ソーサリー パーマネント・タイプを1つ選ぶ。あなたの墓地から、選んだタイプをもつ全てのカードを手札に戻す。 フラッシュバック・(5)(G)(G) 墓地からカードを回収する専門家は、生命のサイクルを重視する緑である。黒や白はクリーチャーを呼び戻し、青はインスタント・ソーサリー限定で戻せる。緑は、そのどちらも可能な唯一の色であるが、それに加えて具象物であるパーマネントに限定した回収、というのも緑の特徴の1つになっており、「自然のらせん(M11)」では安価で墓地から回収することを可能にしていた。そんなカラーバイをダイナミックにレアっぽくしたのがこのカード。ソーサリーとか回収出来ちゃうと無限エンジンになってしまうので遠慮してもらうが、ある程度対象を絞ることで特大アドバンテージが獲得できるようになった。ほとんどの場合には「クリーチャー」と宣言することで自分だけ「地下墓地の総ざらい(RAV)」出来るのだ。リミテッドはもちろん、構築クラスでもかなりの影響力を持つ。また、やろうと思えば「プレインズウォーカー」と宣言するというマニアックなデッキも組めるだろうし、白と組み合わせてエンチャントデッキ、レガシー以下なら「土地単」もあるかもしれない。そして、現在の環境で意外に現実的なのがアーティファクトの回収。2種類の「水源」カードとか、ガンガン墓地に落として手数を稼ぎ、頃合いを見計らってこれで決定打を決める。なんか面白そう。 Darkthicket Wolf 暗茂みの狼 (1)(G) C クリーチャー・狼 2/2 (2)(G):〜はターン終了時まで+2/+2の修正を受ける。この能力は、各ターンに一度だけ起動できる。 「ルートワラ(10ED)」に非常に良く似た狼。ただ、あのトカゲが設置に3マナ、起動に2マナだったのに対し、この狼は逆の設定になっている。複数回支払う可能性がある起動コストが安いルートワラの方が使いやすいのは間違いないだろうが、2ターン目に置いて3ターン目に4点をたたき出せるかもしれないのはこの狼だけのセールスポイント。加えてこの世界には狼支援装置もあるので、序盤に置いておける手軽なビート戦力としてそこそこのニーズはありそうだ。 Daybreak Ranger 夜明けのレインジャー (2)(G) R クリーチャー・人間、射手、狼男 2/2 変身条件・<狼男> (T):〜は対象の飛行を持つクリーチャー1体に2点のダメージを与える。 ↓(裏側) Nightfall Predator 黄昏の捕食者 ー クリーチャー・狼男 4/4 変身条件・<狼男> (R)(T):〜は、対象のクリーチャー1体と格闘を行う。(それぞれが、自分のパワー分のダメージを与え合う) 人狼クリーチャーたちは、全て同じ条件で変身する。そのパターンは、誰も呪文を使わない静かな夜に正体を現し、誰かが慌てて呪文をいっぱい使って騒ぐと、ばれちゃならねぇってんで大人しくなるというもの。コイツの場合は、普段は森でお仕事をする真面目な遊撃兵であり、空を駆る吸血鬼なんかを相手取ってバッスンバッスンと打ち落とす人間界の番人である。しかし、ひとたび夜が静かだと見るや、その正体を現して誰彼構わず襲いかかる凶暴な狼男となる。4/4で格闘能力持ちというと、あのレアだった「サイクロプスの剣闘士(M11)」と同じ能力であり、除去性能は相当なものだ。赤緑での使用が義務づけられるために多少窮屈なカードではあるが、表でも裏でもそれなりに使えるので、リミテッドでは渋い活躍を見せそうである。相手に出されたら、とにかく騒いでこいつが変身しないように頑張るしかないのだが、「各アップキープ」にチェックしやがるせいで、相手が何もしない場合、インスタントを持っていないと自動的に変身されてしまう。うむ、どうしようもないな。 Elder of Laurels 月桂樹の古老 (2)(G) R クリーチャー・人間、アドバイザー 2/3 (3)(G):対象のクリーチャー1体は、ターン終了時まで+X/+Xの修正を受ける。Xは、あなたのコントロールするクリーチャーの数である。 似たような環境だったオデッセイから無理矢理似た感じのクリーチャーを引っ張ってくるなら「ナントゥーコの導師(ODY)」あたりだろうか? いや、あんまり似てないな。とにかく「数の力(TSP)」的ななにかが使えるようになるお偉いさんだ。このクリーチャーの最大のポイントは、起動コストがやたら重たいので実はあんまり使いどころがないはずなのに、「立っているだけでうざい」という部分だろう。普通、自分のターンに「立っているだけ」なんてクリーチャーはあんまり歓迎したくないのだが、この世界の緑は、確実に「立っているだけ」をやらなければいけないタイミングが出てくる。それは、人狼が変身に費やすターンである。手札にプレイしたいカードがあったとしても、そこはグッと堪えて変身待ち。その際に無駄なマナが出ないように、こうした起動型能力で運営してやることで、人狼軍団も快適サポートである。ほら、使いたくなってきたでしょう。今ならこの狼トークンも3体つけて、お値段据え置き。分割払いはききまへん。 Essence of the Wild 荒れ野の本質 (3)(G)(G)(G) M クリーチャー・アバター 6/6 あなたのコントロールするクリーチャーは、〜のコピーとして戦場に出る。 よくもまぁ、毎回こんな突飛なデザインを考えるもんだと、尽きることのない製作チームの創造力に感心する1枚。緑神話ということで、6マナ6/6というシンプルなボディが素敵ではあるが、突っ立ってるだけだと完全にバニラ。「超大なベイロス(M10)」や「襞金屑ワーム」に負けるレベル。こいつの真価は、「お前一人じゃ行かせないぜ!」と死地に駆け付けてくれる仲間の数で決まる。なんと、こいつ以降に出てくるクリーチャーは全員こいつ。「極楽鳥」「ラノワールのエルフ」も、「さまようもの(CHK)」も「従者(TSB)」も「したたる死者(LGN)」も、みんな仲良く横並び一線。一世一代の6/6カーニバルである。クリーチャーを出すだけならまだいい。トークンと組み合わせた時のキチピーっぷりは実に見事で、ガラクが能力を起動すると6/6、「翡翠の魔道士」が3マナ払って6/6、うっかり「忌むべきものの軍団」でも唱えようもんなら、6/6が13体、地面の底からボコボコと現れ出でる。なんぞこれ。こいつがいれば、「出産の殻」で何をサクッても7マナのクリーチャーにアクセス出来るようになるよ! まぁ、出てくるのもこいつなんですけど。うっかり「残響する真実(DKS)」とか喰らうと別な意味で祭り。今回登場した「血統の切断」とのレア友情コンボに期待。 Festerhide Boar ただれ皮の猪 (3)(G) C クリーチャー・猪 3/3 トランプル 陰鬱 – このターン、いずれかのクリーチャーが死亡していた場合、〜は+1/+1カウンターが2つ置かれた状態で戦場に出る。 陰鬱がまるで狂喜のように作用する緑のデカブツ。4マナ3/3が条件を満たせば5/5になるということは、現在基本セットドラフトでコモンの王者とすら言われている「血まみれ角のミノタウルス」と同じということ。このクリーチャーはそこにトランプルまでついてしまったのだ。これがコモンで手に入るんだから、もう、無理に面倒な狼男なんか変身させずに何とかなっちゃうんじゃないかってレベル。4マナ3/3トランプラーの時点で何の不満も無いわけで、見事4ターン目に5/5トランプラーが舞い降りてきた日には、デッキを投げつけても文句は言われない。これ、すごいなぁ。ま、そんだけ陰鬱条件ってのは易しくないってことなんでしょうかね。 Full Moon’s Rise 昇る満月 (1)(G) U エンチャント あなたがコントロールする狼男・クリーチャーは、+1/+0の修正を受けるとともにトランプルをもつ。 〜を生け贄に捧げる:あなたがコントロールする全ての狼男・クリーチャーを再生する。 ふるふるふるむーん。イラストの雰囲気が良いですね。なんだか「みんなのうた」のワンシーンみたいで。これって共食いしてんのか、じゃれあってんのか、それとも全然別方向に進軍してるのか。色々と想像がかき立てられるシチュエーション。月を見たら元気になるのはどこの世界の狼男も共通の特徴であり、イニストラードの人狼たちもご多分に漏れず。これで月の存在をアピールするとちょっとだけ元気が湧いてくるし、月をぶっ壊すと元の人間に戻る……じゃなくて、一時的に命を長らえることが出来る。「狼男デッキ」がもし存在するならば、悪くないサポートではある。「月霧」やこのカードで、是非ともイニストラードの霧深い月夜の雰囲気が堪能出来れば良いね。ただ、この世界ってやたらめったら月が多い世界らしいので、そこまでありがたみはないんだけどね。太陽が5つの世界の次に月が4つの世界って……マンネリか! Garruk Relentless 情け知らずのガラク (3)(G) M プレインズウォーカー・ガラク 【3】 〜が2つ以下の忠誠カウンターを持つ場合、それを変身させる。 <0>:〜は対象のクリーチャー1体に3点のダメージを与える。そのクリーチャーは、自身のパワーに等しいダメージを〜に与える。 <0>:2/2で緑の、狼・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。 ↓(裏側) Garruk, the Veil-Curesed ヴェールの呪いのガラク ー (これは緑黒である) <+1>:1/1で接死を持つ、黒の狼・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。 <-1>:クリーチャーを1体生け贄に捧げる。そうしたなら、あなたはライブラリからクリーチャー・カードを1枚探し、それを公開して手札に加える。その後、あなたのライブラリを切り直す。 <-3>:あなたのコントロールするクリーチャーは、+X/+Xの修正を受けるとともにトランプルを持つ。Xは、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードの数である。 この世界を代表する2人目のプレインズウォーカーは、つい最近新作をリリースしていたばかりのガラク。闇の世界で活き活きと羽を伸ばすリリアナ姉さんを追いかけて、こんな薄暗くて象も獣もいないようなところにはるばるやってきたようだ(まぁ、狼はいるから機嫌は悪くなさそうだけど)。しかし、ホームグラウンドじゃないところにいるのはやっぱり無謀。リリアナさんとは過去にも因縁があったが、今回彼女が手にした「ヴェール」という謎のマジックアイテムに呪いをかけられてしまい、あの室伏もびっくりの筋肉だるまが、突然黒に転落してしまったのである。……なんかさ、プレインズウォーカーって色が変わると大体黒くなるよね。テゼレットもサルカンも黒化しちゃったし。 で、そんな「黒への転落」っぷりが、今回は両面カードというギミックで表現されたわけだ。表の状態の場合、今までの彼を知っている人間から見ると、どうにも弱々しい能力が2つついているだけ。忠誠度を増やしながら3/3を出していた彼の勇姿は面影すらなく、コスト0で2/2が出てくるのがやっとだ(まぁ、それでも充分強いけど)。そしてもう1つは、直接クリーチャーをブン殴りに行くという選択肢。ガラクパンチのダメージは固定で3点。その代わり、クリーチャーとは「格闘」したことになり、パワー分のダメージは貰ってしまう。そうして自らカウンターを減らし、忠誠度が2以下になってしまうと、リリアナの魔力に抗いきれず、めでたく黒化してひっくり返るのだ。 ひっくり返った後も、基本的には忠誠度が2以下からスタートするという事情を鑑みてか、そこまで派手な能力は用意されていない。プラスで接死持ちのトークンというのは、何はなくとも身は守らなきゃいけないガラクには丁度良い能力。そして、それでも不安なら、小マイナスを使って戦場にいるクリーチャーに仲間を探しに行ってもらうこともできる。なんとか自分でクリーチャーを用意して、ガラクにカウンターが溜まるのをグッと待つ。そして、めでたく3つに復帰した暁には、毎度お馴染みガラクオーバーランが炸裂。しかも、今回は最低でも3ターン目発動と多少時間がかかるため、修正値は限界知らずの青天井だ。なるほど、色々と大変であった。 全体像としては、過去に生み出された2体のガラクほどパッとするものではない。最初に登場したモードで狼を延々出し続けているなら構わないのだが、裏も絡めたギミックを駆使しようとすると、数々の障害をクリアしてそこまで到達せねばならないのだ。最終奥義を使わない前提では、あまり期待出来るような能力も無いしなぁ。使うとしたら、手軽な狼生成エンジンとしてか、自軍にパワー1のクリーチャーを出すなどして調整してのオーバーラン。プレインズウォーカーは軽い方がいいとは言うが、ガラクの場合は4マナと5マナ、どちらに軍配があがるのだろうか。 Gatstaf Shepherd ガツタフの羊飼い (1)(G) U クリーチャー・人間、狼男 2/2 変身条件・<狼男> ↓(裏側) Gatstaf Howler ガツタフの咆哮者 ー クリーチャー・狼男 3/3 威嚇 変身条件・<狼男> こちらのクリーチャーは、昼はいかにも温厚そうな羊飼いの男。「オラんとこのヒツジはみんなめんこくて、いい奴らダァ」といいながらのんびりと生活する一般ピープルのはずなのだが、誰も見ていないと分かると、突然「羊を狼から守る側」から、「狼になって人を狩る側」に大変身。3/3威嚇持ちって、普通の環境だったら大体5マナくらいのクリーチャーですよ。それが下手したら最速3ターン目に殴ってくるかもしれないってんだから、どうしていいのか分からない。ギリギリアンコモンで助かったっていうレベルですよ。もう、この世界をプレイしたら周りの人間達も信用できなくなりますよ。ひょっとして、隣で感染デッキをプレイしているあなたの知り合いも、ひょっとして人狼じゃないですか? もしくはブロブか。 Gnaw to the Bone 骨までの齧りつき (2)(G) C インスタント あなたは、自分の墓地にあるクリーチャー・カード1枚につき2点のライフを得る。 フラッシュバック・(2)(G) 「花の冠(WTH)」の回復量が2倍になり、更にフラッシュバックまでついた。どんだけ元のスペルに魅力がなかったんだよ、とは思うが、このスペルにもそこまでの魅力があるように見えないのは悩みの種。いつだって緑のライフゲインは扱いが悪い。ただ、このスペルの回復量は流石に馬鹿じゃないかもしれない。自分一人の力ではどうにもならないが、仮にリミテッドのデッキにクリーチャーが15体いたとすれば、中盤以降は5〜6体は現実的な数字。だとすれば、一発撃てば10ライフゲイン、フラッシュバックでトータル20点。あれ、これって結構凄いぞ。……いけんじゃね? 案外メインからいけんじゃね? Grave Bramble 墓所の茨 (1)(G)(G) C クリーチャー・植物 3/4 防衛 プロテクション(ゾンビ) 墓場に生えた植物なので、共生していたゾンビについては、生まれながらに耐性を持っているというよく分からない壁植物。エラくニッチなプロテクションやなぁ、と思ったが、一応緑だから敵対色である青と黒を代表するゾンビを虐めるのは理に適っているのだね。コストあたりのステータスは防衛持ちと考えてもそれなりで、何らかの「時間が必要なデッキ」ならばそこそこ使えるカードではある。でも、どっちかっていうとゾンビの方が時間が必要な種族な気がするので、サイドインとかしたらどういうマッチメイクになるのかはよく考えて使いましょう。 Grizzled Outcast 灰毛ののけ者 (4)(G) C クリーチャー・人間、狼男 4/4 変身条件・<狼男> ↓(裏側) Krallenhorde Savages 爪の群れののけ者 ー クリーチャー・狼男 7/7 変身条件・<狼男> ふつーだなっ(CV:中原麻衣)。5マナ4/4は緑コモンの証。だから決して悪いことじゃない。むしろ素晴らしい。でも、ふつーなのである。変身すれば+3/+3の修正を受けて更にサイズアップ。どっかで見たことがあると思ったら、これって変身条件をスレッショルドに変えると「変態するワーム(ODY)」と大して変わらん。つまり、リミテッドなら割といいとこだ。 Gutter Grime 排水路の汚濁 (4)(G) R エンチャント あなたがコントロールするトークンでないクリーチャーが1体死亡するたび、〜の上にスライム・カウンターを1つ置き、その後「このクリーチャーのパワーとタフネスは、それぞれ〜の上に置かれたスライム・カウンターの数に等しい」を持つ緑のウーズ・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。 どうしても緑のレアに「ウーズ」と書いてあるとお馬鹿レアだと思ってしまうものだが、このカードは案外ヤバイ。設置しておけば、あとは陰鬱条件で最低クリーチャー1体は供給されるのだ。その後、2体目が死ねば2/2が2体になり、3体目が死ねば3/3が3体に……あぁ、これって「軟体の起源(ROE)」の時のウーズ算と同じなんですね。上手いことこれを置いた後に生き延びられる時間稼ぎが出来たなら、対戦相手は下水から溢れる汚泥に飲み込まれるに違いない。ちなみに、ウーズたちは常にコレの上のカウンターを参照し続けるので、割られると全ウーズが死ぬ。それもまた軟体のさだめでございますな。 Hamlet Captain 小村の隊長 (1)(G) U クリーチャー・人間、戦士 2/2 〜が攻撃かブロックに参加するたび、他の人間・クリーチャーはターン終了時まで+1/+1の修正を受ける。 あぁそうだ、緑も人間をサポートしている種族だったんだ。ということを思い出して慌ててサポートに走ってみたカード。隊長を務めているので、こいつが頑張って戦っていると村民全員が「隊長に続けー!」と叫んで発憤してくれる。ただ、その場合にも隊長は2/2のまんま。部下がんばってんのに隊長2/2のまんま。もうここは、大量の隊長を一気に殴らせる「隊長ビート」を組むしかないだろう。隊長が隊長を強くし、凄絶なる隊長ラインを築くことが出来るぞ。結局誰が隊長やねん、っていう話になるけどな……ほんとにね、人間トークンがいればね。一応白を使っている人は彼のことを覚えておいて、タイミングが避ければ人間隊長ビートを狙ってみるのもいいかもしれません。 Hollowhenge Scavenger ホロウヘンジのゴミあさり (3)(G)(G) U クリーチャー・エレメンタル 4/5 陰鬱 - 〜が戦場に出たとき、このターンにクリーチャーが死亡していたなら、あなたは5点のライフを得る。 キーワード能力「陰鬱」のお披露目となった、がっちり安心エレメンタル。たとえ能力無しだったとしても、5マナ4/5の時点でかなりヤバいサイズである。こんなんがひょいひょい登場するのを見ると、ここ10年でクリーチャーのパワーってのはホントに上がったんだなぁ、ということを実感する。で、そんな素敵ボディに加えて、こいつは他人が死んだところに出てくると喜んでライフまでくれる。不謹慎な奴には違いないが、この世界の住人はみんな不謹慎だから気にしたら負けだ。うまく調整出来れば「強情なベイロス(M11)」に並ぶスペックなわけで、リミテッドでは必殺の1枚になるほか、「出産の殻」でサーチしてくるとなかなか面白いカードでもある。まぁ、「酸のスライム」優先でしょうけど。 Kessig Cagebreakers ケッシグの檻壊し (4)(G) R クリーチャー・人間、ならず者 3/4 〜が攻撃するたび、あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚に付き、2/2で緑の、狼・クリーチャー・トークン1体をタップした攻撃状態で戦場に出す。 この世界の人間共はどうにも一枚岩というわけにはいかないようで、それぞれ幽霊と友好色の白にはスピリットに荷担する奴、狼と友好色の緑には狼側に荷担する奴がいるらしい。黒には仲間を食べちゃう人間なんかもいたし、イニストラード生活も苦労が多い。そして、こいつは村人たちが必死に捕らえて回った狼の檻をぶっ壊して「ヒャッハー! これが自由って奴だ!」と訳の分からない動物愛護精神を叫ぶ面倒な奴。壊せる檻の数は過去に死んだ仲間の数に比例し、ゲーム中盤以降ではワンパンチで5体以上のトークンが一気に湧いて殴りかかる脅威のジェネレーターとなる可能性もある。過去には同じように攻撃クリーチャートークンをまとめて出す「ナカティルの戦群れ(FUT)」なんてカードもあったが、リミテッドであれを使われた時の感想は、「どうしようもないがな!」である。こいつにも全く同じことがいえるだろう。ソーサリー除去が効かない人海戦術って、本当に対処法が無いのよ。これ、シングルシンボルだからタッチ上等やぞ。 Kindercatch 赤子捕らえ (3)(G)(G)(G) C クリーチャー・スピリット 6/6 なんだか童話に出てくる得体の知れない怪物みたいなクリーチャー。だって赤子を捕らえていくんですよ。夜な夜な村を回って生まれたばかりの子供をさらっていくんですよ。多分、食べるんでしょうかねぇ、でも、6/6なんてサイズがあるんだったら、別に成人だろうがプロレスラーだろうが捕らえて喰うことは出来ると思うんですけどねぇ。やっぱり赤子が美味しいからでしょうかねぇ。おっかないですねぇ。で、そんなおっかないバニラクリーチャーは6マナ6/6と、コモンなら破格の史上最大規模。狼? 吸血鬼? ゾンビ? 何それ知りません、結局勝つのはスピリットなんです。ただ「緊急の除霊」だけは勘弁な。 王留美やフェルトやマリナ姫、ピーリスに続いて、ついにルイスまで出てきやがった第3話。水島監督! どこまで00キャストで埋め尽くせば気が済むんですか! といっても、今回感じられるのはそんな宇宙の臭いとは別の宇宙。特に山本先生が手紙を読み始めると、どうしても地球に住んでるアイちゃんに向けて送っているように聞こえてしまう。同期のゴンドラ仲間が妹に転生してるし、どっちかっていうとネオヴェネチアなのですよ。 というわけで今回は山本先生の話がメインなのだが、先生のいい人っぷりは非常に分かりやすいもので、つっちーに抱きつくに至っては、いい人を通り越してちょいと危ない人にすら見える。そんなんに熱を上げちまったつっちーも可哀想だが、流石に幼稚園児との関係を持つよりは健全。頑張って欲しいような、どうでもいいような。園児にゲームの裏技聞いてる時点でこの人の人格も大概問題である。 山本先生が割と安易なキャラクターなので、シナリオライン自体は特に目立って見る部分もなく、正直言って平坦な1話。そんな中でも刺激と愛嬌が失われないのは、やはり杏のキャラクターによる部分が大きいだろう。つっちーにおろされては登り、登ってはおろされるひっつき虫状態も愛らしいし、山本先生に宣戦布告をふっかけておきながら、いつの間にか仲良しになっているお馬鹿っぷりも愛嬌たっぷり。幼稚園児なんだから、少しは大人の思惑に踊らされてくださいな。まぁ、今回はどっちかっていうと山本先生の方が子供なんだけど。とにかく杏のパワーが、この世界を鮮やかにしているのは間違いない。 そして、個人的には無視できない、今日の柊師匠。ぱんだねこ着ぐるみを褒められて露骨に照れる師匠。女性誌で現状分析し、杏に的確なアドバイスを下す師匠。膨らまし作業に身が入り、一心不乱にポンプを踏み続ける師匠。ただひたすら可愛い。ほんとに絶対偶然だと思うんだけど、「一心不乱にエアポンプを踏む高垣彩陽」っていうのは、「充電ちゃん」の地上波版エンディングのアレスタと被るんですよね。まぁ、どっちかというとイメージは黒色の折り鶴を延々おり続ける大道雅さんに近いけど。柊もキョージュもいいキャラしてんなぁ。全然関係ないけどさ。 相変わらずエンディングは手が込んでいて面白かったし、何は無くともぼんやり見てられそうです。 Aパートを見ていたら本当にサブタイトル通りでどうにもならなかった第15話。ほんとにこの作品、どこに行きたいんでしょうなぁ。「またこんなんか……」と思って絶望して見てたのにロングホーントレインネタで笑っちまったじゃねぇか、この野郎。 というわけで、Aパートは全く意味のないアスクールの夢物語をダラダラやるという、誰も得しない驚愕の展開。あげく「こうしてボーッと見てる分にはSFだろうが学園コメディだろうが何でもいいんだけど、どっちかはっきりしてもらえればなー」とすら思い始める始末。仮に1話からずっとあの学園ものをやってたとしたら、ひょっとしたら普通の(十把一絡げの)萌えアニメとして特に何の印象もなく消化されていた可能性もあるんだよね。全く面白くはないわけだが、画面はそれなりに見栄えがするし、正直「れでぃ×ばと」と何が違うかと言われれば説明のしようもない。ただ、残念ながらこの作品はそうではないのだ。 Bパートに入ると、一応Aパートの夢がシェイドのみせたものであることが説明される。そして、それがガクトエルの指示であることも。しかし、「GTO本局ビルまで楽々進入して精神操作」「上空にステルス機で待機」「ガクトエル堂々と本局敷地内に登場」までやってのけるのだから、どう考えてもESメンバーに勝ち目はないように見えるのだが。その上で、ガクトエル様はお優しいのであくまでアスクールの夢をちょっといじるくらいでとどめておいてくれる。何このなぁなぁ感。ほんとに死んだトリ・トロコンビが報われねぇよ。 そして、問題となっていたアスクールとガクトエルの関係だが、なんと一番やってはならないと思っていた「兄妹」という単純明快なファイナルアンサー。そりゃ血のつながりが一番簡単な接続だけど……こんな段階でぺろっと明かされても、「さいでっか」の一言で片付いてしまう。そりゃ記憶は無いんだから好きにしてもらっていいけど,アスクールの心境としても、「しらんがな」って言って終わりだと思うんだけどね。これまで失った過去に拘泥しているような描写は全く無かったし、改めてトリクシーの墓前で誓った後の態度としてはどうかと思うぞ。 一応、今後の謎は「何故ガクトエルがそこまでアスクールに執着するのか」になると思うんだけど、今回みたいな無敵超人っぷりをみると、とてもではないがラスボスとして太刀打ち出来るレベルにはない気がして、逆に盛り上がらない。何はともあれ、この期に及んで尺の無駄遣いはホントに勘弁してください。
というわけで、流石に封切り日や週末はキツそうだったので、平日の昼日中に観てきました、劇場版「なのは」。先日購入した「ささめきこと」のDVDがなんか不良品だったのでショップに返品・交換をお願いしにいったついでです。まぁ、どっちがついでかは定かでないけど。DVDの交換なんて割と無茶なお願いかと思ったけど、アニメイト店員さんは割とすんなり聞いてくれました。こういうときに社員教育の行き届いた店舗は助かりますね。
さておき、ちまたでは大きなお友達が大挙して押し寄せて話題騒然の劇場版「なのは」。公開4日目だというのにリピーター特典用のポイントカードが既に品切れ、オフィシャルグッズもあっという間になくなっており、既に嵐が過ぎ去った後のようであった。平日朝一の上映回(といっても11時くらいだけど)にも関わらず、客の入りは7〜8割といったところ。大体予想通りだったけど、やはりコミケとかにおっかなくて行けない身としては、同類項が肩寄せ合った空間はそれだけで脅威である。いや、そりゃまぁ、すっかり溶け込みますけど。 映画の内容については、全体的には概ね予想通りのもの。シナリオ知ってるし、どこがクライマックスで、どうやって見せるかを全部知ってるんだから当然っちゃぁ当然なのだが、だからといって観るだけ無駄ということは決して無い。全1クールの内容を過不足無くがっつりと2時間にまとめ上げ、劇場版独自の味付けもきちんとなされた良作だったのは間違いないだろう。序盤は作画が「おや?」と思う部分も無いではなかったが(何故かアリサたちが出てるシーンで妙になることが多かったような)、それでも中盤戦闘シーンを挟んでからの迫力と美麗な映像は文句なし。これぞなのはワールドと言える出来映えだ。 細かいシナリオについては特に書くこともないし、正直原作版を隅から隅まで覚えているわけではないので比較しての分析なんかもあんまり出来ないのだが(多分やってくれている人がどっかにいるだろうし)、敢えて個人的に気に入った部分を数点ピックアップしておこう。 まず、序盤の原作1話、2話にあたるユーノとの出会いと、初変身、初ジュエルシード捕縛までの流れ。思い返してみると、「なのは」が初めて放送を開始した時の第一印象は「これってさくらのパクりじゃねぇか」というものだった気がする。変身シーンが酷似していたというのもあるし、多分ユーノとケロのイメージが重なったんだろう。カードじゃなくて宝石を探すだけじゃん、というような適当な感想だったはず。しかし、本作の場合にはそうした「魔法少女」要素ははっきり言って全カット。冒頭から変身するのは「魔法少女」ではなくて「砲撃魔神」である。変身シークエンスも「コスチュームチェンジ」というよりは「武装甲冑」のイメージに近く、がっつんがっつん固まるバリアジャケットの硬質さに惚れ惚れしてしまう。もちろん、装着が終わればあくまで「衣装」なんだけど。そして新たにトリガーを付属パーツとして追加したレイジングハートにより、初っぱなからディバインバスター3連発。ほんと、小学3年生らしい姿はほとんど見せませんでした。 また、原作1話といえば新房演出の色がまだ残っていたり、食卓シーンからユーノ救出までの吉成演出がキチガ○じみているなど、すごいっちゃぁすごいがイメージが固まっていなかった印象があったのだが、今回はきちんと「なのは」に求められる要素を凝縮した草川版の「なのは」として非常にまとまっている。このテイストを維持してまた地上波版1クールでやってくれても面白そうである。 あとはなんと言っても戦闘シーンの壮絶さである。「なのは」は魔法少女作品のふりをしたバトルものなわけだが、劇場作品ということでそのクオリティアップが半端じゃない。相次ぐフェイト戦はサンライズも真っ青の銃撃、白兵戦を立て続けに展開し、特に最終決戦での必殺技の応酬は嫌が応にも手に汗握る。フェイトの特大必殺技に対抗するなのはのディバインバスター→スターライトブレイカーのコンボとか、元気玉を越えた必殺技。間違いなくクリリンになら勝てる。そういやコミックスではスターライトブレイカーは1期の後になのはが開発したことになってた気がするんだが、その辺はいいのかしらね。また、「バインドで押さえて砲撃」といったこの世界の定石がきちんと守られていたり、なのはとフェイトの2人がきちんと自分の攻撃特性を理解しており、それぞれが得意の戦術に持ち込もうとする戦術面も意外にきっちり描かれているのが嬉しい。本人のいう通りにこのバトルが「最初で最後の本気の勝負」だったわけだが、白い悪魔と化したなのはさんとフェイトさんがぶつかり合ったら、現在はどんな立ち回りになるのだろうか。時空管理局員でなくとも気になるところ。是非とも「リリカル・リターンズ」とかで誰かに書き下ろして欲しい。「スターライトブレイカー!!」→「なんのこれしき!」 ネタはさておき、メインストーリーでは当然フェイトが主役。泣かせる演出もなかなか堂に入っており、知ってはいるが思わず目が潤む。個人的には一番辛かったのはなのはとの戦闘中のフェイトの回想で、それがかりそめの記憶であり、プレシアが自分を全く見ていないと薄々気付きながらも戦い続ける健気さが辛い。被さるようにしてプレシアの独白が挿入されるが、それらが全てアリシアに向けられたものであると、知っているだけに視聴者にはキツいシーンである。もちろん、フェイトは生まれ育った環境の辛さがあるからこそ、なのはとの友情がかけがえのないものとなっているわけで、プレシアとの関係性が深く描かれる程、ラストシーンが引き立つというものだ。ただ、個人的にはラストよりもフェイトがなのはの救出に入ったシーンの「ふたりなら、できる」「うん、うん、うん!」のカットが一番泣けた。劇場だと遠慮無く鼻がすすれないのが唯一の難点。 最後に、劇場版男前ランキングを勝手に認定。3位は、ユーノ。序盤に何故か変身を解かずに淫獣モードのまま結界を展開してアルフと渡り合ったのは意外な見せ場。フェレット姿でポーズ決められるとなんとも微笑ましい。 第2位は、原作の時はそこまで印象が無かったアルフ。プレシアとの絡みのシーンは、今作に熱血キャラが少ないのでやたら映える。親子愛や友情の他にも、「忠義」っていうのも素晴らしいテーマである。そういや予想に反してリニスにも結構出番があったのだが、彼女の「忠義」も実に甲斐甲斐しくて涙を誘う。 そして第1位は、バルディッシュ。冒頭からしゃべりまくりで名伯楽っぷりを見せつけてくれたレイジングハートも勿論格好いいのだが、寡黙ながらも絶妙なタイミングで存在感を発揮するバルディッシュが今回格好良くて仕方ない。特に感じ入ったシーンは、失意にくれるフェイトが起ちあがったと同時に発光して必死に起動するシーンと、1回目のなのはとの共同作業で「ふたりなら、できる」と言われたとき、躊躇するフェイトを尻目に真っ先にフォームチェンジを始めたシーン。バルディッシュ、本当にマスター思いでいいデバイス。パンフレット買ったら中の人であるKevin England氏が顔写真入りで掲載されていたのだが、あまりのナイスガイっぷりに鼻血が出そうになった。 とにもかくにも、ファンとしては大満足の一本。リピーター特典はもらえないけど、機会があったら是非もう一度劇場に足を運んでみたい。 ジュエルシード事件でこれだけ泣けるなら、闇の書事件はもっとやばいよ。「1st」なんだから、当然「2nd」もあるってことだよなぁ! 続々揃いつつある「シャフト声優」に準備万端な第3話。今回は新キャラとして画伯が登場し、既にシャフト作品としては本気モード。みゆきちが来ればパーフェクトですけど。 暁が記憶を取り戻し、それを足がかりにしてミナがバンド(特区)の制定へ乗り出すエピソード。そのための起点として作られた学園がミナの計画の一部であることも判明し、人間対吸血鬼の構図は、学園の生徒会や日本政府など、様々なレベルで暁を巻き込んでいく。大本命の見どころは、従者の前や敵の前では女王の貫禄をこれでもかと見せつけてくるミナの威厳。従者達が無条件で傅いているために大物に見えるという部分もあるが、生徒会長との対決では経験値の違いを見せつける余裕の対応で常に試合巧者であり続けるし、政府との対談では、脅して揺さぶって自らの要求を貫き通す。流石にこれでは敵も増えるだろう、という一方的な物言いなのだが、そこには確かに高貴なる者の余裕と威厳が感じられる。むしろ渡り合おうとした生徒会長を褒めるべきだろう。 他方、暁の前だけでは、ミナは一人の少女に戻る。「記憶は戻ったのか?」と尋ねて茶化された時のリアクションなんかは完全に子供のそれだし、床をともにして起き抜けにしなだれかかっても、色気というより愛らしさが先に立つ。もちろん、これはこれで我々にはご褒美なわけですが。 そしてそんなミナを中心にして回りを彩るヒロインたち。千和声ヒロインはナレーションもこなしながら一歩引いた試合観戦。伊藤静ボイスの生徒会長は強行突破に出るが、なにやら不幸なとばっちり。そして小林ゆうボイスの新キャラは、まだこの世界に潜んでいる謎の断片を伺わせてくれる。もちろん、次回予告ではっちゃけるメイド軍団も気になる存在だ。でも考えてみたら御前ってあんまりシャフトのイメージ無いよね(「ネギま?!」と「ef」くらいか)。 ストーリーとしてはまだ走り出したところなので静観すべきなのだろうが、今回はその見事な構成でぐいぐいと引き込まれるエキサイティングな仕上がり。特にミナ対日本政府、暁対生徒会という二局の対決をオーバーラップさせる脚本が面白い。普通ならばミナと暁が同じサイドにおり、人間代表の日本政府と生徒会をオーバーラップさせる演出になるところなのだが、意図的にこれを逆にして、追い詰められているのは政府と暁という2者。この奇妙なねじれが、次々と繋がっていく台詞回しに何とも奇妙な後味を残してくれる。 また、シャフトの基本となる陰影とパターンを使った画面も比較的まっとうなアニメーションのレベルにまで落とし込まれており、相変わらず無機質な感じの背景にもどことなく現実感が残る。今回はリップシンクや振り返り、煽りなどの微細な動作を大仰な動画で描くシーンが多くなっており、どうでもいい会話パートでも無駄に奮い立たされるのが刺激的。まぁ、悪ふざけといえばそれまでなのだが、こうした「どこかかみ合わないながらも無駄に見せつける」のが、やっぱりシャフトのひねた演出の楽しいところだ。 次回への引きは、不謹慎ながらもエロいと断じてしまっていいだろう、委員長の集団レイプシーン。委員長、もう出番なくなったりするんだろうか…… ようやくこの作品の本質が見えた気がする第16話。黒子がマジだといまいち盛り上がらないってのは周知だったけど、今回は重っ苦しい雰囲気の中、腹マイトの蛇谷に対して黒子が「いつの時代の方ですの?!」って叫んだところでなんだか全部許せる気がした。次回予告も良かったし。やっぱ黒子でしょう。 今回は前回からの引きで固法先輩の過去エピソード。同室の柚ねぇ(中の人)に「みぃ」って呼ばれてて「本名はなんて言うんだろーなー」と思ってたら「美偉」なのね。相変わらずこの作品の中の名前はおかしい。 さておき、そんな固法先輩を中心に据えてはいるが、一応この作品全体の構成としては、御坂が「正義」と「個人」という問題について少し考えを改めるというファクターと、蛇谷のバックについていた謎の能力者抑制音波の開発者の存在を臭わせる意味がある。そのため、極論すれば、この2つの要素さえ描けてしまえば、黒妻がどんなすけこましだろうが、蛇谷がどんなヘタレだろうが後腐れはない。好きなように2話でまとめられるならば、アニメオリジナルであるという武器を最大限に発揮できる枠といえる。ただ、そんな中でもどうにも御坂の立ち位置が思わしくないのが気になるところ。冒頭では佐天と意見がかみ合わず、静観を決め込んだ黒子と比べるとどうしても子供っぽく、自分勝手に見えてしまうというあまりよろしくない現象が起こっている。せっかくのメインヒロインなのに、彼女の人気が落ちてしまわないかと心配だ。 今回のシナリオを見てはっきりしたことがある。それは、「この作品に決定的に欠けていたのは、御坂の過去話である」という事実。その論拠は以下である。 まず、今回固法先輩をだしにして描かれた2つの主義がある。それは、ビッグスパイダーに代表される「能力が無くてもそこに人格と人権は存在するので、個人は認められるべし」とする主張と、ジャッジメントに代表される「都市の機能が絶対であり、住民は須く能力に対して真摯であるべし」という主張。これまでこの作品では、前者の主張を体現するのが佐天であり、後者の主張を体現するのが御坂であった。レベルアッパーを巡る一連の騒動では後者の「能力絶対主義」に一種のイレギュラーである木山計画が絡んで前者の「人格容認主義」の代表である佐天が苦悩することになったわけだ。そして、この佐天の苦悩が、作品世界の押しつけた多大な誤謬を孕んでいたことは、何度もこの記事で確認したことである。 そして、今回固法先輩は新たに2つの主義の間を行き来した初のキャラクターとして作品世界に関わった。彼女の過去話が掘り下げられることにより、頑健な「能力絶対主義」であった御坂は、「人格容認主義」の主張にようやく耳を傾ける機会を得る。「能力者であれば、迷うこともあり、落ちることもある」と。そして、その少しだけ揺れ動いた御坂の思想は、ビッグスパイダーを表す真っ赤なジャケットをまとった固法先輩にジャッジメントの腕章を付けることで一応の決着を見る。言うなれば「無能力者の言い分も分かったから、今のところはとりあえず弾圧しとけ」ってことになるわけだが、少なくとも固法先輩に単独行動を認めた部分だけは、御坂の譲歩といえるだろう。 で、この作品の最大の問題点は、この「御坂の頑強な思想」が全く共感を呼ばない点にある。何度も書いたようにレベルアッパーがズルである理由が分からなかったし、能力開発を謳いながらスキルアウトの存在を放置しているような奇妙な都市のシステムも疑問と疑念を生む。佐天というキャラクターが非常に視聴者の共感を得やすいのも御坂にとっては逆風だし、今回の固法先輩のエピソードも最終的には黒妻寄りの視点で幕を引いている。つまり、作品構成自体が、御坂の持論に説得力を持たせようとしていないのである。確かに13話での御坂の圧倒的な力の演出は格好良かったが、それはあくまで女子中学生のちょっとした武勇伝。力を持つ者の自己顕示でしかなく、御坂美琴というキャラクターのバックボーンを補足しない。せっかく「レベル1から努力をしてレベル5になった」というエピソードがあるのだから、そこで御坂が経験した苦闘を描ければ、いくらか御坂寄りの論調にも支持が得られるとは思うのだが。 もちろん、最後まで通してシリーズを見なければ、現在の脚本に不備があるかどうかは分からない(最終的に御坂が佐天側に転ぶのかもしれないし)。原作設定に元々無理難題もあるので、どんなに軌道修正しても説得力のある脚本に仕立てるのは難しいのだろう。それでも、今回のエピソードは上記の「御坂の持つ正義感」さえ受け入れられれば、腕章とジャケットの持つ意味の演出とか、黒妻の言う「居場所」の持つ意味とか、なかなか気の利いた出来になっているのだ。実に勿体ない話ではないか。いつの日か、この作品を忌憚なく楽しむことが出来るようになればいいのだが。 何とも不思議な視聴感に、コメントに困り続けている第3話。この空気は嫌いじゃないし、様々な気になるポイントがあるんだけど、これはそういう細かいポイントを気にしながら見るべき作品なのかどうか……3話見て立ち位置が決まらないってのも珍しいです。 今回は3人の隊員がさっさと外出することで、カナタとリオの2人の交流が描かれるとともに、憧れの先輩であったリオの別な側面がクローズアップされる。カナタが倒れてしまって必死で先輩が看病するという筋立ては一応メリハリがあるものの、非常にオーソドックスで、ひっかかりの無い脚本。本当に「話だけ」を追うならば、はっきり言って陳腐なものであろう。いくらか背景はあるもののリオがカナタの症状にあそこまでテンパるのはちょっとついていけない部分があるし、そんな心配に比してあっさり治ってしまうカナタも拍子抜け。1話だけでエピソードを切り取った時には、何ともちぐはぐな印象を受ける。 もちろん、この作品の場合、そうした一面的な見方をするのは正しい姿勢とは言えないため、こうした評価は実際は的外れといえる。リオがカナタの病状に動転してばたばたと騒ぎ立てるのには彼女の母親(かなぁ)が過去に似たようなシチュエーションで苦しんだという背景があるようだし、彼女の動転ぶりから、この世界の文化水準をうかがい知ることが出来るようになっているのは、シナリオ全体で少しずつこの世界を切り崩して紹介していくこの作品ならではの描写ポイント。2人の会話や床に伏せるカナタの様子を見るだけで、何とも奇妙なこの世界の文化が様々な点から確認出来るのは興味深い部分だ。また、普段は頼れる先輩として毅然とした態度を取っているリオも、実際は普通の女の子で、様々な感情を露わにする側面が伺えるのも楽しい部分。まぁ、これには中の人小林ゆうの紙一重の演技の影響もあるかもしれないけど。 とまぁ、シナリオ面については「何となく楽しめているからいいです」というぐらいの感想で置いておくとして、やはりこの世界を構築するあれやこれについての描写が気になって仕方ない。優れた背景描写や、演奏シーンでの空気作りがメインウェポンの作品なのだから、丁寧にくみ上げられる世界の背景を読み解くのが、本来的な楽しみ方なのではなかろうか。 まずは食文化。見たところカナタの作った朝食は純正和食。そして、その中で味噌汁だけはリオから「珍しい」とのコメントをもらっている。どうやら焼き魚、白飯は一般に流布した文化で、味噌は郷土に根ざした局所的文化と言えるようだ。醤油(ソイ)も一般的に使われているし、それを作る原材料、大豆は「ビーンズ」。教会ではせんべいを作っており、中におみくじを入れるのはフォーチュンクッキーの文化だ。 次に宗教。リオは過去に母親(仮)の病床で宗教家に何かされた(もしくは何もされなかった)せいで遺恨があるようだが、きちんとこの町にも地域に根ざした教会が存在している。衣装を見る限りではいわゆるキリスト教徒のシスターに近く、教会の形状や呼び名も西洋風。しかし、シスターの子の経文には「八百万の神」という言葉が登場しており、修道としては神道の影響が伺える。せんべいの中身のおみくじは「大凶」「大吉」だったのでおみくじだ。 そして文字、言語。「大吉」「大凶」は完全に漢字文化なはずだが、おみくじでその下に書かれた文字はひらがなでは無い模様(ちょっと読めないけど)。前回日本語らしき教科書を見て「イデア文字」と呼称していたが、少なくともリオたちは「大吉」の意味は理解している。また、上記のように「せんべい」などは日本語語彙がそのまま使用されており、「ビーンズ」「ソイ」などは英語が流用される。 最後に音楽。これはややメタ的な視点が入らなければいけないが、ラッパが存在しており、さらに今回リオは「金管は珍しい」との発言をしていることから、他の楽器も当然存在している。ただ、タケミカヅチが音楽を奏でた演奏については「様々な旋律が組み合わさる」という説明を施しているだけで「オーケストラ」などの言葉は出てこず、あまり音楽的文化が成熟しているとは言えない部分もある。そして、カナタの志の根源となった「そらのおと」は、なんと「アメイジング・グレイス」。これはメタフィクションとしてたまたまこの曲が選曲されたのか、それとも実在の名曲がこの世界にも残されていることで何らかの意味があるのか。特に意味がないのなら、この「アメイジング・グレイス」はオリジナルの楽曲を充てることも出来たはずである。そこを敢えて実在の曲にしているということは、どうしても制作者側の意図を勘ぐらずにはいられない。ただまぁ、視聴者の耳にも馴染んだ実在の曲を「名曲」として当てはめることで、いろいろな描写を省くことが出来るといううま味はあるんだけど。 まぁ、色々と面白い部分はあるんだけど、今回は素直に、カナタの回想で流れるアメイジング・グレイスと、それに伴って次第に晴れ渡っていく青空の描写など、相変わらず丁寧な筆致が好感触。見ていてホッとするのに、どこか落ち着かない絶妙なバランスは、なんだか癖になる独自の味です。これ、1クールなんだよなぁ。
Evil twin 邪悪な双子 (2)(U)(B) R
クリーチャー・多相の戦士 0/0 あなたは、〜をいずれかのクリーチャーのコピーとして戦場に出ることを選んでも良い。そうしたなら、〜は追加で「(U)(B)(T):対象の、このクリーチャーと同じ名前を持つクリーチャーを破壊する」を持つ。 もう、昨今の構築シーンのせいで「双子」という単語を聞くだけでも「投了しちゃう! ビクンビクン」 みたいな反応が出がちな今日この頃ですが、冷静に考えたらそれまでの双子キャラっていうと「双子エンジン(MRD)」くらいしかいないな。「山崎兄弟(CHK)」も双子だっけ。さておき、そんな新手の双子は、生まれながらの血を分けた兄弟でも何でもなく、突如自分の分身が現れるという双子双子詐欺のクリーチャー。しかもドッペルゲンガーの逸話よろしく、自分の分身を見てしまった人間は、死期が近くなってしまうという理不尽なギミックまで搭載している。コピーにのっとられていつの間にか入れ替われれる恐怖は、いかにもホラーテイスト推しのイニストラードにふさわしいギミックである。ただの「クローン」と違って優位を強固なものに出来るため、レアとしての貫禄は充分。相手の「墓所のタイタン」などを拝借して一方的な展開が期待出来るため、今後は構築シーンでも注目したいカードである。ちなみに、トークンは全て名前が同じなので、相手のトークンがうざい場合にはそれをコピーして延々ハンティングを続けるという小技も存在している。なんか勿体無い気もするけどさ。 Geist of Saint Traft 聖トラフトの霊 (1)(W)(U) M 伝説のクリーチャー・スピリット、クレリック 2/2 呪禁 〜が攻撃するたび、4/4で飛行をもつ、白の天使・クリーチャー・トークンを1体、タップした攻撃状態で戦場に出す。戦闘終了時に、そのトークンを追放する。 誰かが言った。レベルが5以上になると、無謀と慢心の精霊、バルキリーが背後に立つと。魔晶石を頼みとした物量戦術で、ひたすら「バルキリー・ジャベリン」を唱えていれば戦闘では負け知らずだと。そんなことを言っているとダークエルフからお呼びがかかったりするわけだが、この人の場合も、どうやら無謀と慢心が仲良く手を繋いでやってきた模様。自身は単なる2/2のおっさんでしかないが、神の庇護を笠に着て攻撃しに行くと、その時だけは天使が舞い降りて支援してくれる。もちろん、戦闘が終わったら、はいそれまでだ。天使は特におっさんのサポートに回るわけではなくて好き勝手に殴りにいくだけなので、おっさんの防御は特に保証されない。つまり、このおっさんは一回こっきり、使い捨てのトークンを吐き出して死んでいくだけの存在だ。まぁ、3マナ払って4/4でワンパンチ入れられれば悪い相談ではなさそうだが……神話ねぇ。繰り返し味わうためには、とにかくおっさんを守ってやるのが第一。いっそ「殴打頭蓋」でも貼り付けて、「天使つええ! でもおっさんもっとつえぇ!」みたいな本末転倒物語を演じてみるのはいかがか。 Grimgrin,Corpse-Born 死体生まれのグリムグリン (3)(U)(B) M 伝説のクリーチャー・ゾンビ、戦士 5/5 〜はタップ状態で戦場に出て、あなたのアンタップ・ステップにアンタップしない。 他のクリーチャーを1体生け贄に捧げる:〜をアンタップし、その上に+1/+1カウンターを1つ置く。 〜が攻撃するたび、対象の、防御側プレイヤーがコントロールするクリーチャー1体を破壊し、その後、〜の上に+1/+1カウンターを1つ置く。 とりあえず一目見ての印象は、みんな、「スラクジムンダール(ARB)」さんのことを忘れないであげてね。一応、当ブログのマスコットキャラだからね(今決めた)。このゾンビはアンタップに色々と制限がかかっているためにデメリットが大きいのだが、殴りに行ったときに好きなクリーチャーをつぶせる点がスクラジムンダール先生よりも優れており、何よりも5マナという割と現実的なコストで親しみやすいレジェンド神話をアピールしてるのがずるい。ステータスは違うが、殴りに行くときにはこいつもほぼ確実に6/6になっているため、スラムダンクジール師匠と同じである。なんか、ずるい。しかも色拘束もユルいしなぁ。あれだけ殺伐とした弱肉強食のグリクシスの地が、こんな陰鬱なイニストラードに負けるってのは許し難い話である。まぁいいさ、せいぜいアンタップに不自由して「こいつ1引きしたはいいけど、役にたたねぇな」とか言われるといいさ! 一回殴れば元取れるけどな! クジラダンスルーム御大の今後の活躍にご期待下さい。 Olivia Voldaren オリヴィア・ヴォルダーレン (2)(B)(R) M 伝説のクリーチャー・吸血鬼 3/3 飛行 (1)(R):〜は他の対象のクリーチャー1体に1点のダメージを与える。そのクリーチャーは本来のタイプに加えて吸血鬼になる。〜の上に+1/+1カウンターを1つ置く。 (3)(B)(B):あなたが〜をコントロールしている限り、対象の吸血鬼のコントロールを得る。 優雅なたたずまいを見せる、レジェンド女性吸血鬼。女性とは言ってもクリーチャーの場合はキモかったりグロかったりする場合も多いが、吸血鬼は元々インモラルなイメージが強いおかげか、案外妖艶な魅力が溢れていたりする。「ドラーナ」さんだって、格好はかなりエロかったし、よく見ればいい女かも。そして、今回登場したエロ担当は、このオリヴィアおねーちゃんだ。4マナ3/3飛行という「吸血術士」と同じステータスを持ち、タップ要らずの無限ティムキャノンを搭載。これによってクリーチャーを除去するも良し、吸血鬼にしてその魅力で配下にするも良し。気づけばお腹いっぱいででっかくなったオリヴィアさんが空から相手をフルボッコ。なかなか綺麗にテイストがまとまった素敵なクリーチャーである。リミテッドで開けたら素直に赤黒に行くのを躊躇う必要はないだろう。自分が吸血鬼メインで相手から出されたら、思い切りデッキを叩きつけよう。ピン能力があるので、「生体融合外骨格」で感染をつけるとか、いっそ接死をつけてあげたりするとフィーバータイムに突入したりも。是非、CVは大原さやかでお願いしたい。オリビア=リットレットと同じ名前のよしみとか、格好がなんだかベアトリーチェっぽいところとか。 Blazing Torch 猛火の松明 (1) C (ゼンディカーから再録) アーティファクト・装備品 装備したクリーチャーは、吸血鬼とゾンビにブロックされない。 装備したクリーチャーは「(T)、〜を生け贄に捧げる:〜は対象のクリーチャー1体かプレイヤー1人に2点のダメージを与える」を持つ。 装備:(1) 世界のフレーバーがたまたまフィットしたおかげで、どさくさに紛れてゼンディカーの洞窟の中から発掘されてきたフツーの装備品。おかげで綺麗に欠席無しのスタンダード続投である。装備能力であるブロック回避は、吸血鬼やゾンビが黒以外にも広がったこの世界ではゼンディカー以上の価値を持つことになると思うが、やっぱり主な使い方はぶん投げて不浄の者たちを始末する使い方。どんな色でも気軽に使える「ショック」であり、今回はレアリティを下げてお買い求め安くなったので、ローウィンにおける「ツキノテブクロのエキス(LRW)」と同じ感覚で使っていこう。これで「回収の斥候」や「倒れし者の記憶」なんかと同じセットにあったらもっと目立てたものを…… Butcher’s Cleaver 肉屋の包丁 (3) U アーティファクト・装備品 装備したクリーチャーは、+3/+0の修正を受ける。 装備したクリーチャーが人間である限り、それは絆魂を持つ。 装備・(3) なんか、ドラクエにおける「なべのふた」みたいな情けない名前の装備品。英語名なら「ブッチャーズクリーバー」だからちょっとマシだけど。ただ、肉屋は肉屋でも、日本人がイメージするような大人しいもんではなく、洋画なんかによく出てくる、ちょいとグロめで凄惨な感じがする、「解体屋」に近い方の肉屋である。いわゆる「肉切り包丁」は殺傷力も充分であり、素人が握っても「大薙刀(SOK)」や「ロクソドンの戦槌(10ED)」クラスの破壊力。肉屋すげぇな。まぁ、性能で考えると、クソハンの方は制限無しでトランプル絆魂セットだったんだから比べるまでもないんだけど、最終的にレアに落ち着いたカードと比べるのは酷であろう。今の基準なら、同じコストの「大剣(M12)」の完全上位互換なんだから、充分出番はあるはずだ。今後の世界はミラディンと違って、リミテッドでプレイされたアーティファクトは存外割りにくいはずだしね。それにしても、この装備品で人間だけが絆魂を手に入れられるってことは……ひょっとして、バラして、喰うのか? 人狼や人間を喰うのは百歩譲って許せるとしても、……ゾンビ? ……スピリット?? ……喰えるか? Cellar Door 地下室の扉 (2) U アーティファクト (3)(T):対象のプレイヤー1人は、自分のライブラリの一番下のカードを墓地に置く。それがクリーチャー・カードであったなら、あなたは2/2で黒の、ゾンビ・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。 ライブラリを下から削るという、斬新過ぎる新機軸システムを内蔵させた、ゾンビ界への入門アーティファクト。この「下から抜く」っていう仕様は、トップに戻すカードとの組み合わせで悪さを出来なくさせるという実利的な側面と、「なんか下の方から這いずり出してきた方がゾンビっぽくね?」というフレーバー的な面を一度にクリアする、なかなか面白い試みである。ライブラリのボトムが完全にランダムだとすると、リミテッドデッキならば成功率は大体30〜40%程度。3マナというコストは正直そこまで軽くないのだが、2/2トークンはやっぱり優秀なので、ある程度長期戦を見込めて恒常的運用が出来るデッキならばアリか、というレベル。一応同時にライブラリを攻める役割も果たすので、青でそっち方向の勝ち方も狙いつつのデッキならば、それなりに優秀なブロッカー生成装置になってくれるはずだ。ちなみに、「底から抜く」という独特の動きは他のカードでは決して得られないものなので、例えば統率者戦で「呪文丸め」された統率者を強引に呼び戻すのに使えたりする。よっし、うちのスラクジ先生のお供にいいかも! ゾンビだし! Cobbled Wings 継ぎ当ての翼 (2) C アーティファクト・装備品 装備されたクリーチャーは飛行を持つ。 装備・(1) シンプルイズベスト、飛行を与えるだけの味も素っ気もない装備品である。「シンプル飛行翼」部門は本当に差が微妙なのでなかなか覚えてられないのだが、装備品生誕の地であるミラディンでまず生み出されたのが、設置1マナ、装備2マナの「ニューロックの滑空翼(MRD)」、そしてパワーが1上がるだけのおまけがついたのが設置も装備も2マナの「帆凧(WWK)」、先制攻撃がつくのが現在お馴染みの「刃の翼」で、こちらもコストは2マナ2マナ。このカードは、装備コストをお求めやすくしてお客様のニーズに応えようとした新製品である。装備コストの低減というのは、装備品業界では常にしのぎを削る絶対不可欠な要素。このカードは初代の「ニューロックの滑空翼」よりも1マナ装備コストを軽くすることで、より手軽に人々に大空の夢を分け与えることに成功したのだ。だから、地味でもいいじゃない。この世界の装備品のくせに人間になんのボーナスもなくてもいいじゃない。単体のパワーがばかでかい狼男や、回避能力が重要な吸血鬼なんかからもニーズがあると思いますよ。人間ェ…… Creepy Doll 不気味な人形 (5) R アーティファクトクリーチャー・構築物 1/1 〜は破壊されない。 〜がいずれかのクリーチャーに戦闘ダメージを与えるたび、コイン投げをする。あなたがコイン投げに勝った場合、そのクリーチャーを破壊する。 もう、本当に看板に一切の偽りが無いクリーチャー。なにせイラストが怖い。これぞ恐怖新聞、アウターゾーン、不思議ハンター、不安の種である。こんなん近くの骨董品店に並んでたら、それだけで怖くて夜寝られないレベル。ついでにフレーバーも怖い。判事がやられたらしいです。うわぁ……とまぁ、そんなイニスト風味全開のアーティファクト。5マナでタフネス1、破壊されない人形ということで、往年の「ぬいぐるみ人形(TSP)」を思い起こさせる。あちらは壊れないのをいいことにひたひたとプレイヤーを付け狙う仕様になっていたが、こちらはアタックに行けるアクティブさを利用して、クリーチャー戦闘で不気味にカオスを巻き起こす。コインフリップが絡むとはいえ、ひとたび触れれば死んでしまう可能性がある置物相手に殴りには行きにくい。しかし、放っておくとコイツが殴ってきてチクチクと1点削られるのだ。嫌らしいし、気持ち悪い。リミテッドで引けたら強いけど、開けたパックにいたら夢に見るレベル。もう、いっそ元気にしゃべって「タマ○ン噛み切ってやるぜ、メーン」とか言って欲しい。当然とどめはドライヤーの一撃だ、このトンチキがー! Demonmail Hauberk 悪魔の長帷子 (4) U アーティファクト・装備品 装備したクリーチャーは、+4/+2の修正を受ける。 装備・クリーチャーを1体生け贄に捧げる。 それっぽい雰囲気で読んでみると2流のホラー小説タイトルっぽく聞こえません? 「あぁくまのなぁがかたびらぁぁ」……うむ、怖くない。で、そんな悪魔な装備品だが、なんとパワーが4も上がる悪魔的修正値。この修正値は過去に「ヴァルショクの小手(MRD)」のみがなしえたものであり、あちらはあまりのパワフルさに装備したクリーチャーが起き上がれないという構造的欠点を抱えていた。しかし、この長帷子なら大丈夫。装備しても一向に機動性は落ちず、坊やだったゾンビトークンも6/4の化け物に大変身だ。つえぇぞ長帷子。ただ、装備コストは「ピストン式大槌」ばりの生け贄要求。これじゃぁなかなか身につけることも出来やしない。理想的にはゾンビやスピリットなど、トークンでごまかせる種族の後押しだろうか。特に飛行持ちのスピリット軍団は、これを装備して悪魔的な5/3飛行パンチとかをぶちかます地獄絵図がしばしば見られそうです。幽霊のくせにこんな重そうな物着るなっつうのにな。ソーサリータイミングには限られるが、マナを使わずに陰鬱が発動出来る装置としてもニーズがありそうだぞ。 Galvanic Juggernaut 電位式巨大戦車 (4) U アーティファクトクリーチャー・巨大戦車 5/5 〜は可能なら毎ターン攻撃する。 〜はあなたのアンタップ・ステップにアンタップしない。 他のクリーチャーが1体死亡するたび、〜をアンタップする。 数多の外敵と戦うため、人間軍団の中でも「博士」とか「先生」とか呼ばれる立場の人が開発したと思われる、外道照身霊波光線の発射装置。ただ、イラストを見る限りではびっくりドッキリメカの残骸みたいなお寒い外見をしており、この世界の人間の文化水準がうかがい知れる。まぁ、ショボそうな装備の割にはビーム出ちゃってますけどビーム。玖吼理もいつも以上に喜んでビーム! というわけで、神と崇められるこの装置を使うことによって、人類は4マナ5/5のジャガーノートを手に入れたのです。ただ、元祖「巨大戦車(M11)」よりもタフネスが上がったのは良いのですが、動力のまき直しが自動では出来なくなってしまいました。どこかで犠牲者をひき殺し、その魂エネルギーを再充填することで、やっと動き出すことが出来るのです。さぁ、使い物になるか? 今のところ、情けない外見の割には「案外強そう」ってのが素直な感想。だって、そりゃクリーチャーは死ぬでしょ。こいつの一撃を本体に受けて耐えたとしても、どこかでいつか死ぬでしょ。そう考えたら、多分5/5は強いわよ。 Geistcather’s Rig 霊捕らえの装置 (6) U アーティファクトクリーチャー・構築物 4/5 〜が戦場に出たとき、あなたは、〜が対象の飛行を持つクリーチャー1体に4点のダメージを与えることを選んでも良い。 これまた、ニトロ博士が今少し時間と予算を頂いた結果出来上がったみたいな装置である。あぁ、滝口順平さん……しかもフレーバーを見ると違法改造らしいじゃないですか。こんなん作ってしょっ引かれたら末代までの恥だな。さておき、上の巨大戦車に続いて、不安定な外見に似合わず4/5とエラいがっちりした骨組みを持っているタフなマシン。アーティファクト世界の連中と比べると「ファイレクシアの大男」と肩を並べるくらいなのでそこまで大したもんじゃないが、出たときに「葉の矢(ROE)」的なものが打ち出せるので、うまいこと空にスピリットや吸血鬼が飛んでいれば、ちょっと美味しい思いが出来るかもしれない。ただ……それって霊捕らえてませんやん。撃ち殺してますやん。看板に偽りをなくすんだったら、なんとかしてフライヤーのコントロール奪うくらいやって下さいよ。ニトロ博士、事情を説明してもらおうか。弁解は罪悪と知りたまえ! Ghoulcaller’s Bell グール呼びの鈴 (1) C アーティファクト (T):各プレイヤーは、自分のライブラリを一番上から1枚自分の墓地に置く。 こいつぁクールだね(グールだけに)。「石臼(10ED)」的なカードではあるが、設置コスト、起動コストを極限までおさえた結果、なんとついでに自分のライブラリまで削れるようになった。これは普通に考えたら「相手と自分に同じ影響を与えるなんてデメリットじゃないですかー!」ということになるのだが、この世界ではそうじゃない。何しろ、自分の墓地が増えれば嬉しいデッキがたんとあるのだから。その最右翼は当然青のゾンビデッキなわけだが、これを使えば自分の餌場を確保しつつ、どさくさに紛れて相手のライブラリアウトを狙っちゃうチャンスも訪れる。つまり、ビバライブラリ破壊ということだ。自分のライブラリが減ったところでしったこっちゃねぇや! 何? 相手も墓地が肥えて喜んでいるだって? 気にしたら負けだ。相手が墓地を使う前に削りきっちまえ! ゴールは目前だぞ(グールだけに)! Graveyard Shovel 墓地のシャベル (2) U アーティファクト (2)(T):対象のプレイヤー1人は、自分の墓地からカードを1枚追放する。それがクリーチャー・カードであるならば、あなたは2点のライフを得る。 当然収録されるべくして作られた、手軽に使える墓地対策カード。ただ、どのカードを取り除くのか選べるのは墓地の持ち主なので、フラッシュバックなどの特定カードを潰すのにはそれなりの手間がかかってしまう。主な使い方は、毎ターン細々と起動し続けて相手の墓地を綺麗にしていくか、自分の墓地から不要と思われるカードをはずし、時に応じてクリーチャーを使ってライフゲインをしていくか。今回は墓地からランダムでカードを回収するスペルもいくつかあるので、これを使って墓地を整地しておくのは悪くないだろう。ただ、色々と小器用な使い方はあるのだが、起動コストが2マナっていうのは微妙に面倒。選んで除けない掃除機なら「ひっかき爪(MRD)」レベルなんだし、せめて1マナでも良かった気がするんだけどね。 Grimoire of the Dead 死者の呪文書 (4) M 伝説のアーティファクト (1)(T)、手札を1枚捨てる:〜の上に学習カウンターを1つ置く。 (T)、〜の上から学習カウンターを3つ取り除き、〜を生け贄に捧げる:全ての墓地にあるクリーチャー・カードを、あなたのコントロール下で戦場に戻す。それらは本来の色とタイプに加え、黒のゾンビでもある。 今回唯一与えられた神話アーティファクトがこれ。かの有名なグリモワールでございます。ただ、そのまんまだと何が書いてあるのか全然分からない。そこで、必死で脳みそ振り絞ってお勉強をするのです、皆さん一夜漬けの勉強は慣れているかもしれないが、この本の勉強に必要な日数は3日。それだけ根を詰めて勉強すれば、ようやく何が書いてあるのかが分かるようになり、4日目についにその奥義が発動。めでたく、世界中の墓地から援軍が駆け付けてくれるって寸法です。きっとそこには、お勉強中に放り出されたデカブツも入ってるんでしょう。書いてあることは当然強い。そして、起動に必要なセッティングもそこまでひどいもんじゃなく、過去のカードに比べたら実にリーズナブルだ。でもなんだろうね、この面倒臭い感じ。やっぱりあれか、人間、「学習」とかいう言葉を見るとそれだけで拒絶反応を示しちゃう感じか。先生、テゼレット君が計略使ってカンニングしてまーす。増殖とかいけないと思いまーす。あ、リミテッドなら、鬼だよ。 Inpuisitor’s Flail 審問官のフレイル (2) U アーティファクト・装備品 装備したクリーチャーが戦闘ダメージを与える場合、それは代わりに2倍のダメージを与える。 他のクリーチャーが装備したクリーチャーに戦闘ダメージを与える場合、それは代わりに2倍のダメージ与える。 装備・(2) Magic業界ではちょくちょく登場する割に、結局何をやっているのかよく分からない職業、審問官。そんな彼らが手にする、打撃系武器の中でも見た目に痛そうな武器第1位、モーニングスター。カード名はフレイルって書いてあるけど、フレイルって棍棒系の総称みたいなもんだし、イラストを見る限りではどうみてもモーニングスターです。最近だと「堂々たる撤廃者(M12)」が似たようなの振り回してました。とげとげがついているので、殴られると当然痛い。まるで腕っ節の倍くらいの力で殴られたくらいに痛い。ただ、何の因果かはしらんが、殴った方も痛い。「叩いた先生の手だって痛いんですからね!」って、ものすごく勝手な大人の言い分が通じるくらい痛い。なんだいこりゃ。というわけで、装備するなら再生持ちなんかで死ににくいクリーチャーか、出来るだけ他のクリーチャーとぶつからず、パワーが高くて美味しい奴にしましょう。よし、「荒廃の工作員」に「ミラディンの血気」を撃てば……ゴクリ。 Manor Gargoyle 荘園のガーゴイル (5) R アーティファクトクリーチャー・ガーゴイル 4/4 防衛 〜は、それが防衛を持つ限り破壊されない。 (1):ターン終了時まで、〜は防衛を失い、飛行を得る。 どこの世界でも大事な建物の屋根には必ず設置されている彫像、ガーゴイル。元々は単なる雨樋だったらしいんですけど、装飾に凝り出しているうちに、こんな4/4が生み出されることになりました。基本は単なる飾りなので、殴りになんかいけない。ただ、その分圧倒的な堅さでもって、守るべき建物は絶対堅守。焼かれようがどかされようが、とにかく守り続ける素晴らしい番人として機能する。そして、ひとたびその任を解かれれば、使いやすい4/4フライヤーとして宙を舞う忠実な僕ともなる。その場合には後ろ盾がなくなるのでディフェンスは犠牲になるが、このタフネスがあればそうそう倒れることはないだろう。地味なレアではあるが、リミテッドで出されたら正直お手上げ。地面から足が離れる瞬間をじっと待ち構えて、飛び立った瞬間に一気に叩くという、アクションゲームの3面のボスみたいな攻略法が必要になります。まぁ、頑張れ。 |
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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