最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「アスラクライン2」 4→3 いや、全く真剣には見てなかったので点数なんて付ける権利はないんですけどね。適当に見てたら内容なんてさっぱり分からなかったし。っつうか、1期の時点でよく分かってなかったのに2期を最後まで見てるのってどうよ。 最後まで何となくでも見続けた理由は大きく分けると3つくらいって、1つは田中利恵。そしてもう1つは矢作紗友里だった。うん、それだけ。 一応3つ目には、草川監督に対する信頼感というか、義理みたいなものがあったのだけど、流石に中身をさっぱり理解せずに見るのはハードルが高かったかな。本当にとっ散らかった印象の作品だからなぁ。一応フォローしておくと、最終話はなんかうまいことまとめた感じになってました。戦闘シーンもボチボチで、クライマックスに1期のオープニングがかかる演出は王道だけどなかなかグッド。エンディングも含めて、やっぱりangelaは雰囲気を構築できる良いアーティストである。あと、コンテがここでも福田道生氏だった。流石のお手並みでございます。 でも、特に語るべき部分も無いのでこんなところ。ようやく気兼ねなく「なのは」の劇場版を見に行けるぞー! いや、関係ないけどさ。 PR 「夏のあらし!春夏冬中」 5→4 正直あまり真面目に見ていなかった作品なのだが、やっぱり何故かシャフト製作なのに影が薄い。ここ最近はシャフトが関わった作品は良くも悪くも話題にはなるはずなのだが、この作品はそこまで吹っ切れたアクの強さがあるわけでもなし、かといって純粋にストーリーものをやりたいわけでもなし。要するに、中途半端な立ち位置なので観る側としては心構えをどうしていいのか分からなくなってしまうのだ。 1期に比べると、2期はキャラクターが固まって安心して見ていられる反面、1期のやよいと加奈子のエピソードのような根幹を成すシナリオの土台が無いために、1話1話が適当な、浮ついた印象がある。それなら「絶望先生」のようにネタに走るかといえばそんなこともなく、「ひだまり」のように日常のダラダラを表現するのに細心の注意を払った演出が光るかと言えばそんなこともない。一応最終話近くであらしとはじめが揉めてみせたりといった起伏はあるのだが、どうしたって1話のやよい編の時のような山はない。かといって毎回似たようなタイムワープを使ったネタでは限界がある。どうにも、2期を作った意味が伝わりにくい作品である。 ただ、ダラダラ続いていたからつまらないかと言えばそう断じるのもちょっと迷う部分で、ボーッと見ていればいかにもシャフトらしいネタ回しも散見されるし、何となく面白かったりもする。最終話なんかは久し振りにきちんと見たら、色んなお約束が片付いていく「何となく最終回」っぽくなっていたのだから不思議なものだ。延々頼み続けていた塩がこうもあっさり届く日が来ようとは。でもまぁ、果物爆弾ネタも流石に天丼が過ぎるから飽きてしまったけどなぁ。こんなところで「エンドレスエイト」せんでもねぇ。 ま、1期と同じで評価はこんなところ。シャフトは1月からも「ひだまり」と「ダンスインザヴァンパイアバンド」の2本を抱えているはずなんだが、製作体制は大丈夫なのだろうか。2本とも期待してるので、何とかして下さいよ。 最後の最後まで、そのしたたかな演出プランを貫き通してくれた最終話。9話ではこれまでの流れを断ち切って「他のキャラクターと繋がらない主人公」を描き、10話では「繋がっていたのに描けなかった主人公」を描き、最終話はどんな主人公かと思えば、なんと「精神病に至る手前の主人公」であった。精神疾患という難しい題材をコミカルに扱い続けてきたこの作品だが、きちんと最後の最後で意味のあるメッセージを送ってくるあたり、実に如才ない。 今回の主人公・津田英雄(古谷徹)は、6話の主人公、津田雄太の父親。6話でも一言だけ台詞があって「なんで古谷徹なんだろう。無駄に豪華だな」と思っていたら、ここでその真価を発揮してくれたことになる。 英雄は、救急病院の責任者として日々命の現場に挑み、責任を持って仕事を全うしながら、部下への気遣いも忘れない仁の人。回りからの信頼も厚いし、医者としては申し分のない人物。しかし、そんな彼もご多分に漏れず家庭に問題を抱えており、コミュニケーション不足の息子は「ケータイ依存症」になってしまっていた。そして英雄自身はというと、今のところ具体的に病名のつくような疾患は患っていない。その証拠に、伊良部に注射を打たれたあともシンボル変化はなく、画面上に病名も表示されない。しかし、伊良部はそんな英雄を見ながら、「普通の患者なんかよりもこーいう普通の人が一番めんどくさい」と言ってのける。そしてその言葉通りに、英雄は何とか自我を保ちながらも、どんどん「めんどくさい」状態へと突入していく。 実際のところ、トイレの個室に籠もって家族への不平不満を爆発させる英雄は、終盤には充分「病気」と断じてしまっていい状態になっていただろう。叫んでストレスがはらせる内はまだいいのだが、22日の時点では呼び出しを続ける携帯を見て患者の問診中に露骨に顔をしかめているし(そういや病院で携帯って大丈夫なのかな)、24日になると、ついに堪えきれずに問診中にもかかわらず電話に文句を言い始め、あげくトイレに籠もるという、職場放棄に至っている。ここまでくると、単なるイライラではなくて充分に「病気」だ。 そして、そんな彼の病気のシンボルは、実は現れていた。それがトイレの個室でグニャグニャと落ち着きなく変化する彼の面相、つまりは「子供」である。これまでの患者達も、注射を打たれることによって自らの症状を象徴するような動物に変化してきたが、今回の英雄の場合は、嫌なことを他人に押しつけて逃げ道に駆け込む、「幼稚な子供」こそがそのシンボルである。注射を打たれて数日、彼の「症状」が進行したことで、「子供」は表面上にあふれ出した。 今回、伊良部はこれまでのように画期的な治療でもって英雄を治療することはない。臨界点を突破した英雄に自分の現実を突きつけ、家族への姿勢を考え直すように諭しただけだ。画面の中では黒くよどんだ彼の体内に手を突っ込んで「膿」のようなものを取り出す描写はあるが、これまでも超常的な治療は行わなかった伊良部のこと、あくまでショック療法で彼の中の病巣を取り除いたことのメタファーと捉えるべきだろう。これにより、彼の中に溜まっていた「病気の根源」であるどす黒い染み(彼のイライラを集積させるトイレに堆積していた)は取り除かれ、英雄は子供から大人に戻る。ある意味、発症から治療までの期間が最短の例と言えるかもしれない。 今回も色々と感心させられた部分が多いのだが、メインプロットで特筆すべきは、やはり津田親子の関係性だろう。6話の時点では完全に「息子の責任」だと思われていたケータイ依存症だが、今回のエピソードにおける津田家の食卓を見ると、実はその根本的な問題が英雄の方にあったことが分かる。息子の雄太にとって、携帯は父親を仕事に束縛し続ける目の敵。英雄は「食事中に携帯を使うな」と注意した直後に、自分は仕事場からの電話に出て食事をないがしろにするし、雄太に注意するときも、一声かけただけですぐに携帯に注意を向けている。父親の逃げ道である携帯を見て、息子も同じ「症状」へと逃げ込んだ。 そして、こうした津田家の「崩壊の兆候」を、端的に表現したのが今回の「カナリア」という題材であった。伊良部の言う通り、雄太という存在は英雄があらゆる物事に縛られて、精神的に危うくなることの危険信号として働いていた。仕事に追われ、家庭を顧みなかった男のために、まずその家庭で最も過敏である息子が歪む。雄太が歩く道すがら、カナリアが息絶えたのは象徴的なメタファーである。これまで扱ってきた様々な「症状」。それらはあくまで結果であり、そこに至るまでの経緯は当然全てについて回る。事後治療は伊良部の専門だが、それ以前の「環境」にまず目を向けよ、というのが、この作品を通じての最大のメッセージだったわけだ。なかなか小利口なまとめ方ではないか。 今回のエピソードは、序盤はおおよそ見たことのある津田家のエピソードだし、これまでのような時系列ネタで面白い部分も少なくて「なんか地味だなー」と思っていたのだが、Bパートの怒濤の展開は圧巻。トイレで叫び回る英雄の狂気を孕んだ様子は、これまでのどの患者よりも危険で、真に迫っている。いつも通りの展開だが、これはもう中の人を褒めるしかない。そしてこの英雄の暴れ回るパートは「主人公の顔が実写」という仕込みが最大限に活かされたシーンでもあり、大人から子供へとコロコロ体型の入れ替わる英雄の外見に、非常にえげつない形で古谷徹の実写の顔が絡み合う。体型は幼児なのに顔だけ実写のおっさん。しかもその顔には引きつった笑顔。このビジュアルは強烈だ。古谷徹には申し訳ないが、最大限に実写を活かした「気味の悪さ」が出ていた。この効果は頻繁に顔出しでテレビに出演している古谷徹だから得られた効果とも言えるかもしれない(また、古谷は離婚経験者でもあるため、作中の「家族なんか持つもんじゃない!」という英雄の叫びも何となく深読み出来てしまう)。他にも、今回はラストということもあってマユミちゃんが色々と活躍し、最後には雄太の頭をポカリと叩くのだが、実写と作画の絡みがなかなか面白い形で出ていた。 どんな風に幕を下ろすのかと気になっていた今作だが、尻すぼみすることなく、最後まで非常に楽しく見させてもらった。ただ、今回のエピソードのおかげでこれまで画面の端々に映っていた「カナリア」の含意が分かってしまい、「ひょっとしてもう1回最初から見直さないと全部の伏線が回収出来ないのではないか」と戦々恐々ではある。まぁ、最終話の感想は「父親が古谷徹で母親が井上喜久子って、どんだけ贅沢な家族やねん」だったけど。 「そらのおとしもの」 5→7 今年放送された作品でも「もうやだこの国」という言葉が最も相応しいと言われているこの作品(対抗は「ミラクルトレイン」)。話題を振りまきつつも無事に放送が終了したわけだが、何故だろう。こんな馬鹿な作品なのに、終わってみれば天晴れな寂しさが残っている。単なる馬鹿な思いつきで終わらないこの独特の味は、一体どこから生み出されたものなのだろう。 第1話を視聴した時点での感想は、「まーたこの手の作品か」という分かりやすいもので、あまりにありがちな設定を逃げずに真正面から描いたその姿勢には、呆れこそすれ、特に興味を引くようなことは無かった。しかし、2話でパンツが飛び、4話でそれが帰ってきて、何かがおかしくなった。その後も迷い無き姿勢を貫き通した馬鹿のオンパレードは、それだけでも充分に歴史に名を刻むことが出来る所業ではあったのだが、「馬鹿をやって、ヤリ逃げする」という姿勢の作品ならば、昨今のアニメ業界では少なくない。この作品の場合、馬鹿は馬鹿として吹っ切れた描き方を心がけ、それに加えてきちんと1つのストーリーを形成しようという努力が、きちんと画面上に現れていたのが大きなポイントといえるのではなかろうか。 いささか偏見混じりの分析なのだが、ここ最近の「エロ萌えアニメ」を並べてみると、「ストーリーをやりながら、エロい演出をする」というのが基本的な姿勢である。ここ2年の視聴履歴から「エロ」に重点を置いた作品をピックアップすると分かりやすく、その最右翼に「クイーンズブレイド」があり、その他「ロザリオとバンパイア」「ムネモシュネの娘たち」「恋姫☆無双」「セキレイ」「ストライクウィッチーズ」「CHAOS;HEAD」「宇宙をかける少女」「NEEDLESS」「乃木坂春香の秘密」「けんぷファー」など、これらは全て、「シナリオを進める中で、なにげにエロい」というのが基本的な構造になっている。 これに対して、この「そらおと」は、シナリオを進めるフェイズでは、基本的にエロと馬鹿は脇に置かれることになる。最終話などは最たるものだろうが、他にもイカロスの心情を追いかけるシナリオとか、ニンフの葛藤を描く段になると、まるで作品が切り替わるかのように、カチリと何かのスイッチが入るのだ。このことはシナリオ構成にも分かりやすく現れており、散々シリアスをやっておいて、次の週にどんな展開になるかと思ったら智樹がアバンで「あー、女湯覗きてぇなぁ」とつぶやいてスタート。他にも、海辺でのイカロスの覚醒は、序盤の海辺のお約束エロを片付けたあと、夜の浜辺に画面を切り替えての進行になっている。こうしておおざっぱにでも「シリアス」と「ギャグ+エロ」というパートを隔てることにより、視聴者はきちんとストーリー部分を追いやすくなるわけだ。「バトル」と「馬鹿エロ」という両極の間に、「イカロスとニンフの心情」というどちらにも関わるファクターが介入しているため、それを軸に左右に振ることが出来るようになっているのもうまい部分。 こうして「馬鹿は馬鹿なりに」「シリアスはシリアスなりに」という分業が行われたことで、ギャグにも全力を注ぐことが出来たし、おかげで様々な未解決問題が残されているはずのシナリオ面も、何となくこれを覆い隠すことが可能となっている。どの程度意識的にこうした「伸びしろ」を残しているのかは定かでないが、あまりにきちんと全てを片付けようとしていたら、おそらくここまで馬鹿馬鹿しい仕上がりにはならず、最終回のシリアス展開も白けたものになっていたのではなかろうか。今作の成功の裏には、視聴者の視点の振れ幅も計算に入れた、したたかな構成があったのだと推察したい。 もちろん、画作りの面でも充分なクオリティが維持されていたし、毎回触れるキャストの活躍だって見どころの1つ。メインヒロイン・イカロスを丁寧に演じきった早見沙織はもちろんのこと、後半は微妙に空気になりながらも、きちんと作品の持つ暖かみ、日常世界を維持し続けたそはら役の美名、そして終盤に大切な役割を担ったニンフ役の野水伊織の新人2名にも、ご苦労様を送りたい。もちろん、圧倒的存在感を見せつける保志総一朗と、それを支える鈴木達央や高垣彩陽も同様である。 様々な見方が楽しめるこの作品。後世にも色々と残すものがあるのだろうが、これの後追いを狙うのはなかなか難しそうだ。となると、やはり2期をやるのは…… 腰を据えたお話になってきたのは分かるのだが、はたしてこんな悠長なことで視聴者がついてくるのかと不安になってしまう11話。8話の時と同様に、今回は基本的に敵勢力であるGソサエティについてのみが、描かれている。 今回は本当に大した内容がなくて、せいぜい元ノーヴルズとしてのリトゥーシャ・パウークコンビの複雑なスタンスが分かったくらいだろうか。まぁ、敵勢力がどのような状態になるのか、ということはきっちり伝わってきたので、決して不必要な回ではないのだが……序盤の「ギャグとパロディで客を捕まえればいいんじゃね?」みたいな無責任なノリと、こうして地道に脇から固めていく描写は完全に乖離してしまっているのであんまりしっくり来ない。もちろん、個人的には今回のようなスタンダードな仕上がりの回の方が、追うべきメッセージ性が分かりやすいので好みのタイプではあるんですけどね。 で、今回リトゥーシャの手による内部調査の情報が視聴者に開示されるわけだが、その中で明らかになったのは、シャドウワーカーというのがずぼらの集まりである、ということ。アニマリアンのリュビスは元々がさつなイメージだったのでなんの意外性もない(彼女の場合はそれなりに有名な暗殺者だ、という事実の方が驚きだ。だって強そうに見えないんだもん)。意外なのは、その相方であるサフィルが非常にだらけた生活をしているということ。ひょっとしたらあの汚い部屋は彼女なりの合理性の現れなのかもしれないが……相方とのキャラのかき分けがしにくいステータスだけに、あんまり意味があるとは思えない。 また、そんなずぼらな性格が、もう1組の方のトーチにも言えるというキャラかぶりもどうかと思う。幸いシェイドについてはずぼら属性は与えられていないようだが、代わりに与えられたのは腐女子に投げかける怪しげなやおい臭。うーん、こんな話題になってないアニメで腐向けのサービスがあっても食いつかれない気がするけど……一応寡黙な受け属性と、軽くて手の早い攻め属性っていう組み合わせはスタンダードなものだね。多分、どことなく影のある雰囲気も含めて、トーチの方が人気が出そうではある。 そして、これらの部下を従えるガクトエルに対しては、シェイドが語っていたように「何者も信頼していない」というボスキャラにありがちな属性も、3本の身辺調査によって示される。普通に考えると、どこかの身辺調査には「身辺調査をしていました」っていう調査報告も入ってきそうなので3つ同時並行で行わせるのは問題がある気がするのだが、報告に来た3人の様子を見ると、どうやらそんなこともなさそう。3組が3組とも、「自分たちだけはガクトエルに信頼されている」と思い込んでいる模様。まぁ、うまいこといってるならいいけどさ。 ただし、それぞれの信頼のスタンスも、リトゥーシャたちは子供ながらに純粋な憧れ(+祖母の面倒を見てもらっている恩義)、サフィルとシェイドは純粋な忠誠心に支えられているが、トーチの場合は以前リトゥーシャにも傅いていたので、ノーヴルズ全体への畏敬があるみたいだし、リュビスに至ってはそういうことには興味もなさそう。それぞれのキャラクターが一枚岩になっていないあたりがGTOの面々と対比されており、今後のバトルでは大きく影響してきそうだ。 1クールを終えるところでこのくらいの進度なら、まずまずといったところ。当初心配したようなどうしようもない作品にはならずにすみそうであるが、今回のエピソードを見る限り、どうも敵勢力はこの3組で全員であるようだ。なんか、ちょっとショボい……あと、サフィルの京都弁がホントに聞きづらい。何とかして欲しい。 死ぬまでチョップは色々と大変そうな気がする最終話。ついにこの作品では初のギャグ一切無しのエピソードであり、嫌でも最終回であることを意識させる出来になっている。 前回からの流れで完全に分かってはいたことだが、基本的に本作の中心となっているのはニンフ。空から送られてきた2体の新手により、乗り越えかけていた「マスター」への忠誠心がうずく。そして、そんなニンフの葛藤をどこまで知っているのか、イカロスは智樹へ別れを告げてニンフの救出へ。不意打ちにより一度は膝を屈するが、自分を縛り付けていた最大の鎖、「兵器であることへの罪悪感」を智樹によって解き放たれ、その圧倒的な戦力でもって、敵勢力を一蹴する。ニンフを縛り付けていた「鎖」も智樹と仲間達によって打破し、雪降る空美町で、物語は大団円を迎える…… とまぁ、非常に「らしい」エンディングであるが、こうして書いてみると、改めて様々な疑問、未解決な点が残されていることが分かる。最も大きな未解決要素は、なんといっても「空の男」に対して何の接触も持っていない部分である。今回の一件でイカロスとニンフは様々な意味でマスターから解放されたわけだが、わざわざ追っ手を差し向けてきたことから察するに、彼はイカロスを諦めるつもりはないらしい。今後も引き続き智樹達は脅威にさらされることになるだろう。ニンフについては「廃棄する」と言っていたのでそこまで執着はないのかもしれないが、今回の一件でニンフが「空の男」に裏切られたのはあくまで2体の追っ手達が約束を違えた部分だけ。「空の男」への彼女の忠誠心が根底から揺らぐような要素ではない。ただ、彼女の場合は羽根をむしり取られるという決定的な仕打ちも受けているため、空への回帰という基本理念自体が断たれている可能性もあるが。 他にもシナリオ上の謎はたくさんあって、例えば「何故イカロスが落ちてきたのか」という最も根源的な謎。空の男のいる天界と「ダウナー」と呼ばれる人間達のすむ地上の関係性。空の男の目的に、イカロスが過去に犯した罪について。英四郎がこだわっていた空に浮かぶ何か(空の男の住居だろうか)についても、結局全く触れられていない。大団円のように見えてはいるのだが、実際、あのごたごたのあとに智樹達がすべきことを考えると、物語は全く解決していないと言ってもいい状態なのだ。 しかし、この作品の良いところは、それでも「終わらせた」実感が得られる部分。上述のような留意点は、今回描かれるべきメインプロットを考えるならば、結局は些末なことなのだ。原作が未完というのも大きな理由だが、実際空に何があろうと、イカロスが過去に何をしていようと、智樹達には関係ないことである。イカロスとニンフの2人の悩みさえ解決できれば、次の日からでもすぐにあのお馬鹿な日々は戻ってくるのだ。「馬鹿シナリオがメインで、シリアスはあくまでそのサポート」という本作の貫いてきた基本姿勢があればこそ、今回のエピソードは「大団円」たり得た。そういう意味では、本作のシリーズ構成は実に見事なものである。 そして、今回のエピソード1つ取っても、その演出の気配りは実に行き届いている。今回「最終回」としてやるべきことは1つだけで、それは2体のエンジェロイドを縛り付ける「鎖」をそれぞれ解き放ってやること。ニンフの場合はそれが分かりやすく、冒頭で提示されたのが「空の男」への忠誠心という強固な「鎖」。これを2体の追っ手コンビが具現化させ、さらに手ひどい裏切りによってニンフ自身に「断ち切る意志」を芽生えさせる。そこに智樹達が駆けつけて手斧による明確な「寸断」が行われたことで、彼女を縛り付けていた「鎖」は確実に打ち砕かれた。よく考えるとあのシーンで智樹達が「とりあえず鎖を切ろうぜ」みたいな流れになった意味は分からないのだが(これまでだってニンフはずっと鎖を付けてたわけで)、仲間達が力を合わせて1つの敵を打破するといういかにも最終回らしい展開のおかげで、ビジュアル的にも分かりやすく目的を達成することが出来た。 そしてもう1本、イカロスをつなぎ止める「鎖」は、智樹に嘘をついていたこと、そして自身が兵器であることへの苦悩。彼女は、1度はそれにたえきれず、智樹に別れを告げる決心をしている。これはニンフを助けるためには「兵器」に立ち戻らざるを得ないことを理解しており、兵器となってしまう場合には、智樹達との関係を犠牲にしなければいけないと判断したためだ。そういう意味では、イカロスの選択肢はニンフ>智樹であったといえる(もちろん、ニンフ無しでは智樹達との関係性が成立しないと考えたためであろうが)。そして、クライマックスでは智樹が全てを許容することでイカロスの鎖を解き放つわけだが、ここで非常に面白い働きをするのが、イカロスの「感情」という側面だ。 これまで数回のエピソードで、イカロスは「人間になりたい」という願いを強く打ち出してきた。結局彼女は望むような「感情」を得ることが出来ずに悩んでいたわけだが、最終話では「兵器」と「人間」の間を揺れ動く過程で、この「感情」を手にすることとなる。具体的な演出を確認すると、まず、智樹に別れを告げるシーンでは奇妙なサンタのお面をつけて言葉を詰まらせる。そこでは確実に「泣いているであろう」と思われるのであるが、智樹が呆然として面を取ると、そこには相変わらず表情を強ばらせたイカロスがいるだけ。この時点で、イカロスが人間ではないことが明確に示される。そしてニンフとの対峙の中で追っ手の不意打ちをくらい、イカロスは地面に伏すのだが、目の前で蹂躙されるニンフを見ても、まだイカロスの表情は張り付いたもの。少女のように泣き叫ぶニンフの悲痛な表情との対比も相まって、まだここでも彼女は機械のままだ。そして、転機が訪れるのは智樹との対話のシーン。「お前が兵器でも構わない」と智樹に諭され、イカロスは初めて、笑顔と涙を手に入れる。この、彼女が顔をくしゃくしゃにするたった1つのカットが、これまでの13話を総括する、この物語の「大団円」と言ってしまっていいだろう。緊迫感のある中で、非常に鮮烈なシーンであった。 もちろん、それ以外にもやけに迫力のある戦闘シーン、ウラヌスシステムのいかにもな発現シークエンスなど、CGを使った描写にも無駄に力を入れてきた本作の面目躍如。全てを出し切った、実に見事な最終回であった。 これは是非、続編が期待したいところですよね。次は何を飛ばそうか。 「DARKER THAN BLACK 流星の双子」 5→6 良くも悪くも今期のアニメで最も話題性が高かったのは、やはりこの作品。一応シリーズ2期目ということで固定ファンがついてのスタートというアドバンテージはあったものの、今回の放送で改めてファンの数を増やしたのもまた事実だろう。なんやら1期のブルーレイBOXもなかなか売り上げ好調のようで、今や売れ筋のアニメ製作というと京アニ、シャフト、そしてボンズになってしまったのかとしみじみ隔世の感。一昔前のボンズっていったら訳のわからんものを作る代表みたいな会社だったのにねぇ。 で、個人的な感想であるが、毎回のレビューを見てもらえば分かる通りに、かなり楽しんで見続けることが出来た。岡村天斎はやはり監督として優秀な人物であり、確固たるコンセプトの中で自分の作りたい世界を過不足なく描いていたし、それに加えて現代アニメのニーズに応えられるような(悪い言い方をすれば阿漕な)サービスも盛り込めていた。今回は主人公が白人幼女ということで「昨今の萌え文化に迎合しやがって」みたいな批判もあったが、1期の流れを考えれば、これはむしろ「迎合して無難に逃げる」意味合いよりも「ぶっ壊して台無しにする」可能性の方が高かったはず。当然、方向変換について批判的な意見が出ることも想定されていたはずだ。その上で、きちんと今作も「DTB」だった。蘇芳・パブリチェンコというキャラクターは単なる人気取りの客寄せパンダではなく、この無慈悲な「DTB」の世界を演出するための効果的な道具立ての1つに過ぎない。その証拠に、今回も1クールと短い中に何人もの癖のあるキャラクターがひしめいていたのだ。蘇芳だけが今回新登場した「イレギュラー」ではない。 そして、そんな新機軸の「DTB」は、アニメ作品としては非常に質の高いスタッフでもって、質の高い画面を提供し続けた。監督の岡村と構成の管正太郎をはじめとし、ボンズの俊英五十嵐卓哉や、もりたけし、山本秀世など、流石に力の入れ方が違う。謎の多い設定上、様々な演出意図を読み込みながら毎週視聴するのは楽しかった。 が、やはり問題はそのまとめ方である。1エピソードに2話を費やしていた1期とは異なり、今回はロシアを発って東京に至るまでの珍道中を1クールで描ききるスピードロードムービー。更に回を増すごとに増えていく謎の断片は、いつしか「想像する楽しさ」よりも「終わるのかという不安」を増大させることに。そして、当然のごとくあのエンディングである。様々な場所で作品解析が行われているようで、「やっぱり全然駄目」という意見と「考えればある程度決着はついている」という意見が半々くらいだと見受けられるが、少なくともあの最終話を見て、「スタッフはきちんとこの作品を描ききるつもりだった」とは言えないだろう。「謎は謎のまま」という終わらせ方もあるし、いっそ最近の流行を汲んで「続きはOVAで!」「続きは劇場版で!」なんて鬼畜な締め方だって出来たはず。それをあくまで「一応終わってるんですよ」みたいな締め方をされても、ちょっと納得いかない。それまでの作品の流れが素晴らしかっただけに、こうしたもやもや感で作品を評価しなければならないのは非常に勿体ない。まぁ、このもやもやも含めての「DTB」なのかもしれないけど…… とにかく、そこまで真剣に伏線を拾ったり設定を追ったりしなかった身としては、やっぱり消化不良というのが最終的な評価。もちろん、それでもそこらに転がる有象無象よりは面白かったのが恐ろしいところではあるのだが。 最後にいつものキャスト評価。今回のMVPは、蘇芳役の花澤香菜……では無いな。花澤もいつの間にか独自の存在感の出る役者になってきたのだが、それでも続けて「デュラララ」の番組予告とかを聞くと「あ、同じじゃん」と思ってしまう。もう少し芸幅が欲しいところですわね。個人的に今作で一番好きだったキャラは、鎮目です。らぁぶりぃちゃーーーん! あ、あと桑島キャラに墓碑を1つ追加です。死んでホッとする役者って、凄くね? 「NEEDLESS」 5→5 「思いの外うまくまとめやがったな」というのが率直な感想。原作既読であるためにそこまで視聴に身が入らなかったのだが、展開の分からなくなる終盤も含めて、一応視聴にたえうるだけのクオリティは維持できていたと思う。 序盤は、はっきり言ってあまり見る気が起こらなかった。ストーリーを知っているというのはもちろんあるのだが、今井神の独特のテンポが、アニメではうまく表現出来ていると思えなかったためだ。原作の線が太いせいか戦闘シーンも非常に大味で、必殺技名を叫んだら大きく表示される、といった演出で目を引く努力はしていたものの、回を重ねればそれだってマンネリ気味になってしまう。コマの大小でメリハリが付けられる漫画と違って、どうしてもアニメだと単調なイメージがぬぐえなかった(改めて、「原作も割と単純なんじゃねーか」ということに気付かされたけど。結局終盤でも連発してたフラグメントってリトルボーイとカンダタストリングスばっかなんだよね)。迫井マッドらしく時折作画も怪しくなるし(中盤のアレのことではなくね)、こりゃ駄目じゃねーか、という雰囲気はしばらく続いていたと思う。 それが、少しずつストーリーを収束させていく段になって、だんだん見やすくなっていった。左天絡みの戦闘や回想などのあたりでは、バトルがそこまで気合いを入れて描写するようなものでもなくなり、おかげで普通にシナリオで見られる状態になっていったのが結果的にプラスになったのだろう。駆け足気味で詰め込んだプロットも、単調さを回避するのにはちょうどいい刺激に(まぁ、どう考えても最終話は無理矢理なんだが)。気付けば驚くほどすんなり最終回を迎えることが出来て、なかなかうまいことしやがったな、と。最後にブレイドがちゃんと山田の名前を呼ぶ演出とか、最低限のサービスもしているし、当然常時パンツは配備されているし。個人的には、あの絵にエロを求める意味はわからんのだけどね。ニードレスにエロ要素が欲しい人って、「かたつむりちゃん」でも興奮できるんだろうか。 あとはまぁ、中の人にお疲れ様、ですよ。今作は女性陣が十把一絡げでごちゃごちゃしてたイメージが強くて、むしろ男性キャスト陣に目が(耳が)行きがちだった。久し振りに全力全開の主人公役を満喫していた子安は当然のこと、完全に解説役だったのにめげずにキャラを主張してくれた内田役の伊藤健太郎、悪役ではいい感じで「影のラスボス」を醸してくれたきーやん、そしてそれを越えてラスボスだった東地さん。たまにはこういう暑苦しいキャストを堪能するのもいいもんです。 最後に1つ。改めて振り返ると、バミューダアスポートって本当に空気だな……
今回の構成は、かなり意図的に2話をトレースしたものになっている。長ったらしく台詞を採用したサブタイトルからそれが分かるし、再登場したサブキャラ、戸松、南條、寿も2話以来の再登場。そして黒子が活躍出来る水着回でほとんどシリアス無しと、前回までの展開と木山先生の決意は何だったのかと思わざるを得ない展開である。もちろんこの作品は馬鹿やっててもらっても楽しいからいいんだけど、どうも黒子の活躍が足りないような…… まず、常盤台中学がどんだけお嬢様学校だったかを全く認識していなかったことに気付かされたのだが、それにしたって「水泳部員に水着のモデルになって欲しい」はおかしい気がする。しかもその願いすら断られて部員以外のその他大勢が代役することになっちゃったし。クライアントもこれでたまたま美少女軍団(?)が来てくれたから良かったものの、戸松と南條の紹介でとんでもないのを連れてこられたらどうしたんだろうね。それとも学園都市は女の子のレベルが高いことも保証されているのだろうか? で、いざ水着を着るところまでいくと、あとは個々人の個性をアピールするだけの時間。黒子はいつも通り、佐天もまぁ、いつも通り。御坂は可愛らしい(子供っぽい)水着に興味を示すも、それを否定されてちょっと意気消沈。7話では着たい服をアピールしたら佐天から「子供っぽい」と一蹴されてたけど、今回は自分でも「子供っぽい」という認識はあるらしく、ちょっと遠慮勝ちのところを佐天と初春に勧められるという展開。二人して御坂がはしゃぐ姿でも見たかったんだろうか。黒子の水着選びはいつも通りだからいいとして(モデル用の試着ルームにあんな朝木貴行ばりの水着があるのもどうかと思うが)、もっと問題なのは寿の持ってきた謎のアナコンダ。ギャグで用意するにしてもおかしすぎるだろ。そしてなんで初春は平気で可愛がってるんだよ。たまにこの子は分からなくなります。あぁ、プール入るなら花は取ろうな。ジャッジメントの透視先輩(植田)はとんでもないナイスバディなことが判明したが、今までってそんなに巨乳アピールしてたことあったっけ? まぁ、しょせん中学生なので、どっちかっていうと先輩は「いい身体」じゃなくて「異常」な気もするけど(でもまぁ、3年生だから構いやしないか)。植田佳奈がナイスバディなおねーさん役って、記憶にないなぁ。 撮影ルームは無駄に「学園都市の技術を結集した」秘密道具のような構造。映像と気温は分かるけど物質まで精製できるのは既に神の所業。百歩譲って樹木や砂地は外付けオプションとして設定されたとしても、流石にカレーの材料まで出現するのは意味が分からない。ギャグ回だから突っ込みは無しってことなのかな。でも、せっかく海やプールで水着回なんだから、カレー以外にもう少しなんかあるだろうに(要は寿のタカビーお嬢様エピソードがやれればいいわけだから)。カレーの具材の大小で言い争いとか、お前等は東西新聞の社員かと。余談だが、今回御坂が黒子に対して繰り出した技の数々は、まず冒頭の喫茶中に卍固めっぽい絞め技(ネプチューンマンの「喧嘩スペシャル」に見える)、そしてプールサイドでブレーンバスター、さらにアルゼンチンバックブリーカー(タワーブリッジ?)。2話ではきれいなジャーマンも披露していたし、何で一介の女子中学生がこんなに多芸なんだ? 黒子も律儀に全部受けきっているけど、そのうち死ぬぞ。 なんか、とっ散らかってて感想も何も無いな。オチは一人ではしゃぐ御坂を上条さんが大画面で鑑賞するというもの。いっつも思うんだけど、この人どこが不幸なんだ?! |
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Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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