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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 そういや先週で沙季さんも私のツボである「作中でヘアスタイルが変わるヒロイン」になってましたね、第10話。髪の毛を無造作風にいじってる感じが少ない筆数でちゃんと表現できてるキャラデザは偉いと思う。

 あいもかわらずじっとりしっとり進むお話。そして毎回なんとも不思議な構図が多くてどうしても画面に見入ってしまう。変な言い方になるけど、ほんとに度胸のある画作りだ。とても理にかなってる部分もあるし、大胆に視聴者に委ねて余白を残している部分もあるし。ほんとにきちっと考えてるスタッフが作ってるんだろうなぁ。

 まぁ、ここまで10話も積み重ねてきた作風なので今更追加で何か語るべきこともないかとは思うし、そもそも語られるほど方法論についてのまとまった見解もないのだけど、やっぱりどうしても目を惹かれてしまうのは、兄妹をはじめとした家族の交流の中心地として描かれるリビングの風景。今回は特に兄と妹だけではなく、そこに「母」と「父」も絡んだおかげでその重要度はいや増している。今までずっと「ママン」とか「うえしゃま」としか言ってなかったキャラだが、ちゃんと「亜季子さん」「太一」と名前で認識してやる必要があるかもしれない(今更)。

 最大の焦点となったのは、母・亜季子さんと三者面談の絡み。父・太一が忙しいらしく、沙季の分も悠太の分もどっちも保護者として参加しようってことなのだが、学校での2人の立場を考えての気遣いがとても甲斐甲斐しい。悠太たちからしたら「そんなん気にせんでもいいのに」だけど、その辺りが親世代と少年少女の認識の違いでもありますね。そしてそんな案件から「母と息子」の距離感を定めていくというのが今回のお話。

 そして、そんな対話が発生するのは当然リビングなのである。今回もやたらと存在感を放つ位置に置かれているのは、以前も言及したカウンターの上の花瓶である。ここ最近ちょっと認識してなかったことを考えると(確認してないけど)多分最近はあそこに花がないこともあったんじゃなかろうか。その花がまた強調されるようなライティングで画面の端に戻ってきており、母と娘の対話をじっと見守っている。ここでの花の存在感は、おそらく生けた本人であろう、亜季子さんの存在を示唆しているように見える。ここでは「母」に当たったスポットがそこから派生するあれこれを暗示させており、娘との対話では当然微動だにすることなく、同じ灯りの中におさまっている。しかし、こと悠太との対話となるとまだ構図が不安定なのか、画面の中を花が移動していたり、そもそも部屋の外からの超遠景の静止アングルで切り取っているので花自体が見えない画角だったりする。亜季子さんの出勤前のシーンは悠太との位置関係が「手前」と「奥」になるカットがあり、画面上では重なり合っているかのようにも見えているのだが、周りの灯りは暗く、2人の距離・すれ違いみたいなものがまだ印象に残る描き方。これは同じようにバイトに出ようとした沙季の時の描写と対比するとわかりやすい。

 また、悠太の作った晩ごはんを沙季と2人で食べたシーンも興味深い。このシーンでは当然カウンターの上の花も見えているのだが、2人の食事が終わり、肩を並べて後片付けを始めるシーンになると、それまで色彩豊かに画面内で存在感を放っていた花がスッと消えてなくなる。まぁ、未だ間取りがよくわかってないので「映ってない画角」なのかもしれないが、その場合でも意図的に花の存在を画面から消していることになる。上述の通り、花の存在感が(少なくともあの夜は)亜季子さんの存在を含意するとしたら、皿洗いシーンにおいては親の存在などかき消えた、完全に「2人の関係性」に言及していることの示唆ととることができる。……2人とも、いつどうやって親御さんに相談するんでしょうね。

 他にも、次の夜に今度は「娘と父」の2人での食卓になった時にもやたら遠景でとって「この2人の関係はどんな距離感なんだ!」とヤキモキさせられるし、不思議な距離感が続くこの4人家族の内実が、何気ない描写からしっかりと刺激を持って伝えられている。なんかもう、ずっとこのままこの家の壁として行末を見守りたいですね。

 
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 奇跡的な偶然、第10話。いや、ほんとそれが言いたかっただけなんで特に中身のない話なんですが……。

 いや、でもやっぱこの上田麗奈絶賛応援ブログ民からすると今回の事件は神がかった何者かの意思を感じてしまう出来事ですよ。視聴してた皆さんもそう思いませんでしたか? それともこれって単なる声ヲタの悪い病気? まぁ、ゆっくり療養してもろて……。

 なんのことやら分からない方のために説明しておくと、今回のお話は赤猫の店員、ハナの元飼い主が店に押しかけてよりを戻そうとする話なんですよ。そんで、その元飼い主のCVが上田麗奈だったってだけの話なんですが、ハナちゃんはスマートでキュートでプリティーな白猫なんですよ。元は長毛種なんだけど、ラーメン屋で働く都合上短く刈っているので見た目はまぁ、普通の猫。お腹にあるハートマークの模様が特徴。

 ……お分かりですね? 設定があまりに猫屋敷だったんです。しかもハナちゃんは元々ネットでアイドル猫として活躍してたということで、2人は「インフルエンサー」だったわけですね。もちろん、どちらの場合も猫が人語を解するのは当たり前のこと。まとめると、「CV上田麗奈の人物が真っ白でキュートな猫を飼っていて、その子は人間の言葉を話すネットアイドル。チャームポイントはハート型の模様。お互いのことを思い合って、本音を伝え合うまでは距離感が難しかった」と。ここまで設定が合致するというのは、これはもう奇跡というしかないのではなかろうか。まぁ、1クールに1、2回くらい奇跡が起こってる気がするけど……。

 ちなみに、ハナちゃんと飼い猫のヨーコは思いのすれ違いから別れ別れにはなってしまったけど、そんな様子を見たからこそ、ユキまゆには末長くにゃんだふるでいて欲しいという思いを一層強くしました。結局これ、にゃんぷりの感想では?

 
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 冒頭の文芸部室内、中の人だけならそこそこ北宇治吹部、第8話。圧をかける側とかけられる側まで一緒だけど綺麗さ、汚さが随分違う。こんなドラムメジャーは嫌だ。

 前回で焼塩編が一段落し、次なる展開は学園ラノベの定番・文化祭、そして小鞠を中心とした文芸部のお話へ。どうにもラノベ的高校生による学園祭ってベッタベタの定番描写ばかりが多くて飽き飽きするものだが、今作の場合はまずクラス企画からしてよく分からんし、文芸部の展示とかいうクッソ地味な企画もしっかりいちから作ろうとしてくれているので割と新鮮な気持ちで見守ることができる。まぁ、どんだけ頑張って展示を作ったとしても「どーせ文芸部の地味展示なんて文化祭じゃ客こないんだよなぁ」の気持ちは拭えないが。そういう意味ではなんとかして風穴を開けようとするコンサル様の試みもあながちとっぴな思いつきってわけでもないんだけどな。

 こないだの焼塩の話は「負けヒロインが負けたかどうかわからなくなる話」だったが、小鞠さんは部長との関係性が今更どうこう変わる見込みもないため、負けは確定した状態からのその後のお話である。部長もBL先輩もいい人たちなので過保護なくらいに小鞠ちゃんのことを心配してくれているが(BL先輩は怖いくらいだが)、そんな2人の「勝ち組」のために慣れない業務を必死にこなして晴れ姿を見せたいという小鞠ちゃんの姿勢はとても立派。普段があんなんだから、なんとか自分の足で独り立ちしようとしている様子は眩しくもあるし、それを純粋な気持ちで手伝ってあげようとしている温水もいいやつだ。普通の男子高校生だったら「文芸部の展示作りぃ? めんどくせー」で終わっちゃいそうなところを、純粋に小鞠のことを思って手伝ってあげてるんだもんな。まぁ、一応次期副部長という肩書きではあるようだが。

 とはいえ小鞠と温水だけではできることにも限界があるためもうちょい人手が欲しいところなんだが、焼塩はメインの陸上部だけでも随分忙しいだろうから、残った選択肢はカロリーの伝道師・八奈見しかいない。発する言葉の1つ1つが適切に残念なこの女、やっぱ純正負けヒロインはオーラが違う。いやまぁ、流石に今回は忌まわしきカップルの見せつけが強すぎたせいで八奈見にも同情するとこあるが……。クソけしからん高校生どもめ。

 そんな八奈見のアイディアもうまいこと取り込みつつ、なんとか形になってきた企画展示。温水はハイパー妹ちゃんパワーでお菓子の問題をクリアしたので、あとは小鞠がしっかり展示を作れるかどうかにかかっている。いや、ああいう展示物って基本的に全部1人で作るもんじゃないが……普段から人とコミュニケーション取らない人間は、こういう時に負担を抱えがちである。そんで潰れてさらに内へ内へとこもってしまわないかと心配だが……そこはうまいこと温水がサポートしてやるしかないか。襲来する盗聴保険医、そして絵に描いたような強権生徒会長。まだまだ前途多難で、小鞠が潰れてしまわないよう祈るばかりである。

 追伸:ラッコを恋人にする選択肢があってもいいじゃない。可愛いし。

 

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 眛の深淵へ、第21話。割と分かりやすい胸糞ストーリーだったが……善と悪の対になる太刀を伝承してる時点で、忍び連中がどういう稼業かは察するべきだったのかもしれない。

 激闘、シャイVS曖昧。厳密にはあの姿で「ウツロ」らしいが、曖さんを取り込んで1つとなった姉妹は全てのセリフが二人羽織状態となかなかの難易度。アフレコはさぞかし大変だったことだろう。少しでも歩調を合わせるため、両名ともネイティブ京都弁声優を起用していたのはこうした難所があったためなのかもしれない。重なる音調に決して重ねられない心。なかなか難しい演出である。

 そんな得体の知れない相手を戦わねばならないシャイ。元々シャイの性格を考えれば「曖さんだったかもしれないもの」を攻撃することなど出来ず、正面からぶつかったら必敗である。じわじわとなぶられたりせず、初撃で心臓を貫いてくれたウツロさんはそれだけで人情味があったといえるかもしれない。しかし、そうして刀で貫かれたことでシャイと正義の刀がリンク。転心輪は心を繋ぎ、伝えるための増幅装置。人と人を繋ぐなら、人と刀だって繋げるだろうというダイナミック理論である。

 こうして姉妹の一番の理解者である刀をサポーターとして獲得したシャイは無事に復活。瞳に炎を宿してのリベンジを狙う。しかし、最初は面食らったウツロさんだったが、刀を握っての純粋な斬り合いならどう考えてもウツロさんに一日の長がある。さらにニンジャなんだから当然できるだろ、とばかりに転所自在の術(?)を披露し、シャイの炎にデバフがかかりそうな三途の川を召喚。実際にデバフがかかったかどうかはよく分からないが、シャイも根性だけではどうにもならないところまでは追い詰められた。かつて曖さんと練習した水切り、かつて一度見た曖さんの剣技など、曖とのつながりを積極的に押し出して戦うシャイ。彼女の狙いは昧を切り伏せることではなく、そうして姉の曖さんの方を切り出すことだったのかもしれない。結局、純粋な戦闘では劣勢に立たされたものの、土壇場で転心輪の底力を発揮。思い切り干渉して「虚ろ」な「中」へと入り込んだ。

 以前も披露された姉妹の回想シーン。その中に在りし日の昧の姿をみたシャイは彼女が絶対に悪人ではなかったことに確証を得るが、そこからの闇の歴史に心を打ちのめされる。ツィベタちゃんの時もそうだったが、やはりアマラリルクに落とされる人間にはそれ相応の闇があって当然だったようである。しかし、心を「残して」無念の死を遂げたツィベタと違い、ウツロは心を「無くして」今の状態になっている。彼女は中身こそ失ったがまだこの世界にいることは間違いないようなので、曖さん的には妹の奪還という目的にワンチャンス残した形。ただ、それは眛本人の望む形ではなさそうなのが悩ましい。曖さんの知らなかった里の暗部を抱えて潰した昧さん。彼女が納得づくで光の世界に戻ってくることはできるのだろうか。

 追伸:クフフさん、今後スピリッツさんとどういう関係になるのかな。彼女は彼女でなんだか寂しそうに見えてしまったのだよな……。

 

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 さまざまな物資が不足しているはずだけどYES/NO枕はちゃんとある島、第8話。いや、現実世界でもどこで売ってるか知らんが。

 他にも「70回分以上の肉じゃがの材料」や「キャサリンのくっそエロい水着」など意外に物資は充実しているこの世界。どうも最初期に描かれた「スーパー跡地に物品回収」の光景のせいで必要以上にカツカツのイメージがあったのだが、存外生活に困らないくらいの供給はあるのかもしれない。

 さておき問題はそんなことではなく、今ある最大の資材であるアトリをどう扱うべきかというお話。前回がデート回で、今回仲間内にもすったもんだがあったことを(強制的に)シェア。夏生とアトリの関係は全員の知るところとなった。こうなってくると俄然気になるのはそばにひっそりと控えている水菜萌さんの存在である。何しろこのご時世は「負けヒロイン」というものにやたらスポットが当たっており、今作における水菜萌さんのムーブもそりゃもう模範的な「負け」。あの某作品のせいで「水菜萌視点をメインにした展開も見てみたいのだが……」なんて気になってしまう。まーとても気立の良い水菜萌さんのこと、話してる言葉もだいたい本心だろうし、そもそも今回のケースは「いうてもアトリはロボやぞ」という最後の切り札があるせいで根源的に「負け」に陥らないという不思議な状態ではあるのだが。このポジションの水菜萌さんが「でもアトリには心があるって言ったよなぁ」って言質取ってくるムーブ、ほんとに自傷行為みたいに見えて怖いのよね……。夏生の選択が自身だけでなく周りの人間も大きく傷つけたり、救ったりするかもしれないってことを肝に銘じとけよ。

 でもまぁ、残念ながら夏生さんも今は周りの人間のことなんて考えてる余裕がない。前回の顛末でやっちゃったことはもう認めるしかなく、それならいっそ自分の認識を根本からひっくり返して「OK、アトリは人間と同じだ」にしてしまった方が面倒がなくていい。まぁ、そうなると今度はロリであるという問題が上乗せされるのだが……そこはおいおい考えるしかない。何度かのテストを重ねた結果「うーん、心があると判断しても問題ない気がするんだよなぁ」というところまで進行したため、夏生さんも(自分の心を守るために)一大決心でアトリに対し「人として扱う」宣言。その結果がカーテンなのはちょっとズレてる気もするが、まぁ、大きな一歩を踏み出したと称賛して然るべきだろう。

 ……とまぁ、そこまでなら話は簡単だったのだが……割と急転直下で問題点に辿り着いてしまいましたね。私もすでに先週時点で書いていた話だし、「心あるアンドロイド問題」ではお約束の話ではあるのだが、結局アトリの反応は全てプログラムである。学習と対策を重ねてベストを探るという愚直なトライアル&エラーはコンピューターの得意分野であり、アトリも常々そうした方法論で動いていることは肉じゃがが明確に示していた部分。高性能ヒューマノイドなのでそうした反復行為が料理や計算の枠を超え、人と人とのコミュニケーションにまで及んでいたというだけの話。アトリに与えられた最上位命令が「夏生の願いを叶える」であればこそ、アトリの反応は積極的に夏生の「好きな」方向にチューンされるのは至極真っ当な計算機の働きなのである。そんなこたぁずいぶん前からわかっていたはずなのだが……目の前でアトリと接していた夏生からしたらそう簡単に割り切れる問題でもなかったのかもしれない。最悪のタイミングであまりに機械学習が露骨すぎるアトリのログを見てしまったことで、いきなり有頂天からどん底に叩き落とされた気分になった夏生くん、ほんとにロボ付き合いが下手な男だ。

 まー、ここまで来たらアトリの行動原理の是非を簡単に判断することはできないが、今作がこうして大上段の命題として掲げているのだから考えてみる価値はあるだろう。そして個人的には、ここまでのアトリの積み重ねがあるのだから、計算だろうがなんだろうが、それはもう、1つの人格が導き出した戦略として認めるべきではないかという気がしている。「全てを計算づくで、学習しながら最適解を探す様子がキモい」というのは人間的な感情ではあるが、冷静に考えれば生身の人間とのコミュニケーションだって同じこと。どのような線引きをするかはもはや哲学のレベルだが、人間だってトライアル&エラーを繰り返して最適解を探すしかない、ポンコツな計算機の1つでしかないのだ。これまで必死に「心」の所在を考えてきた夏生であれば、アトリの行動に「心」を認めてもいいような気もするのだが……これももしかしたら「不気味の谷」的なものなのかもしれませんね。「人は人、ロボはロボ」と、はっきりと行動原理が分かれていればその構造の類似性から目を背けやすかったが、ロボの方が歩み寄り、人間的な行動原理に近づき、一定のラインを超えてしまったがために感じる薄気味悪さ。こればっかりはなかなかロボには理解してもらえないかも。

 まー、どこまでいっても最終的に「キスはクリアできたみたいだが、その先は身体機能的に無理なのでは?」という問題にぶち当たりそうなんですけどね。エロ漫画のロボならデフォで搭載してるだろう機能を、アトリが備えてるとは思えないよなぁ。

 
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 武道の殴られ続け記録更新中、第8話。原作だと最初の武道の台詞のところで魔雲天のパンチをカットしてカウンター入れる描写が入ってるんだけど、その後もひたすらマウント取られ続けてるっていう矛盾が発生してしまってるおかげでアニメではカットされている。おかげで武道さんはここ3週間くらいずっとおねんねしっぱなしである。

 Aパートはアトランティス戦の決着。いいですね、ちゃんと格好良かったです。アトランティスの全身緑色で皮膚なのか鱗なのかもよく分からない形質ってなかなかアニメで表現するのが難しそうなんだけど、ちゃんと「緑色の筋肉」みたいな躍動感が出てたんじゃないでしょうか。それはマーリンマンも同じなんだけど、こいつら「水棲超人」って括りだけ同じくせに何もかもが違うのはどういうわけなんだろうな。まぁ、超人世界に進化の系統樹とかの話を持ち出してもなんの意味もないんだけど。ちなみに今回アトランティスはアイキャッチのTIPSでも「古代アトランティス帝国の系譜」っていう触れられ方をしているんだけど、多分古代アトランティス帝国の人に魚要素はないぞ。あと同じくTIPSで「セントヘレンズ大噴火、昔はネックハンギングからしか出せなかったけど、キン肉マンとの試合の後でトレーニングしてどっからでも炸裂させられるようになったんだ!」というフォローまで。ありがとう謎TIPS。まぁ、理屈は1ミリも分からんけどな。

 そんな頑張り屋のアトランティス、多分タワーブリッジの練習は1回もやったことないと思うけど(多分やってたら友達から冷やかされる)、土壇場であの技を炸裂させたということはやっぱり当人の思い入れが強かったということなのだろう。イイハナシダナーと思ってしみじみ聞いていたが、ふと今回冷静になって考えたら、アトランティスが固執するのってむしろロビンじゃなくてキン肉マンが正しいんだよな。負けてんだから。苦汁を舐めさせられたキン肉マンのことをさっぱり話題にせず、自分の勝ち星の記憶であるロビン戦を擦りたおすアトランティス、考えようによっては単なるヤな奴のはずなのだが……それ以上に「えっ、テムズ川で戦わなきゃいけないの? ほなロビン風味出してあげないとお客さんも可哀想かぁ」みたいな気の遣い方に悪魔なりのショーマンシップを感じる。多分、素直にそのまま受け取ってふつーにイイやつなんだろうな。ちなみにどうでもいい話ですが、こんな可愛いアトランティスは先ごろ発売された「悪魔超人熱海旅行殺人事件」で被害者役です。かわいそう。

 心臓を2度も貫かれながらも気合のタワーブリッジで痛み分けまで持ち込んだアトランティス。そのメンタルは本当に凄まじいものがあるが、もっと凄まじいのは無惨にマーリンマンの背骨を粉砕し、死にまで至らしめたタワーブリッジの威力。本家ロビンでもダイレクトに死に直結するタワーブリッジなんてほとんど出したことないだろ。これまでの完璧超人の死因が自殺&赤き死のマントと分かりやすい殺処分だったのだが、マーリンマンだけは直でフィニッシュホールドから死亡という壮絶な最期を遂げた。アトランティスさんは「地獄でやり合おうぜ」と言っていたが、マーリン目線ではご勘弁被りたいところだろう。まぁ、鏡を使えば死の国からこっちに簡単に出てこられるんですけどね!

 転じて一気にユルい雰囲気になるBパート。今作では貴重な主人公の試合である。だいぶ長いシリーズになったが、現時点でスグルの直接のバトルは4回。まぁ、決して少なくはないが多くもない。そしてそのうち1戦が「2世でよく見たやつだ……」というちょっと不安がつきまとうギミック超人とのバトルである。でもまぁ、ピークアブー自体の設定はそれなりに面白そうではあるよね。コピー技とか使うキャラはどんな格闘漫画でも定番だけど、こうして「相手を模倣し、さらに上をいく」という「青眼虎」戦法(俺は本当にこの表記が好きだな)はキン肉マンでは初めてだろうか。まー、「んなわけあるかい」っていうギミックではあるんだけど……スグルの現役復帰第一戦ということで「基礎から思い出してスグルのいいとこを出していく」ギミックとしてはちょうどいい。

 ただ、やっぱりちょっと油断するとギャグバトルっぽい流れはゆでらしいトンチキシチュエーションが出がちなのは注意が必要で、これも原作ではスルーしてたんだけど、突然観客が「可哀想だろ!」「あやしてやれよ!」ってヤジ飛ばすのほんとゆで。どゆことやねん。「リング上に何も分からない赤ん坊が上がってる」っていう前提をなんの疑問もなくスグルも観客も受け入れられるのすごいよな。さっきまでボコボコふまれてたやないかい。まぁ、次週からはシリアス一辺倒になるので雰囲気は安定することでしょう。

 この試合でも注目せざるを得ないのはやはり中の人の頑張り。石下翔弥くんのピーク、程よくキモい感じが演じてて楽しそうでいいですよね。そしてようやく本腰を入れて聴くことができる宮野真守のキン肉マン役。まー端々で「マモやないかい」ってなるのは付き合いが長すぎるのでしょうがないが、そっちよりもむしろ所々で「えっ、すごいきっちりキン肉マンになってる」って思う瞬間があることを褒めるべきでしょうね。別に神谷明の模倣をするってわけじゃなくて、むしろ「キン肉マンはこういう話し方をする」に合わせてる感じがちゃんと伝わってくる。面堂役に続いての配役ってことで、元々神谷明との相性は良かったとは思うんだけど、そこで似せるだけの作業にしないのがマモのお仕事ですよ。そしてそんなキン肉マンのためにカメハメが出てきます。どっちかと言ったらそりゃカメハメの方が先代には似てないわけでな。今回はもう「このキン肉マンに何かを伝えるにはこの声しかない」ってんで兼ね役で任されてる状態なわけで。ちなみに今調べてて初めて知ったのだが、元々カメハメ役をやっていた蟹江栄司さんという人(ラーメンマンなどとの兼ね役)、当時めちゃめちゃ早逝してたのね。神谷さんはそうした過去のお仲間の分も背負ってるんだから、歴史の長さにドラマを感じるなぁ。

 
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 若宮神出鬼没すぎんだろ、第17話。まぁ、あのご在室シーンはどう考えてもフラグでしかなかったが……。面倒見なきゃいけない澄尾はほんとお疲れ様。

 謎の勢力「谷間」との折衝。山内の今後を決める重大な外交会議であるが、長束さんの一存により御大将は出撃禁止。代理で兄弟がいくし、ついでにこの世界の軍事権の片棒ともいえる雪哉も引っ張っていくんだからなんとかなるだろ、ってのが長束さんの考えだったのだが、残念ながら甘かったようである。今回は長束様が全力ヘタレポジションになってしまってちょっとかわいそう。以前の騒動のおかげで凄まじい策謀家みたいな印象がまだ残ってたけど、その実、単に物分かりが良くて心優しいお兄ちゃんだったからね。そりゃ当主に足るだけの才覚も持ち合わせてはいるのかもしれないが、今回みたいな泥に塗れたお仕事は流石に温室育ちすぎる長束さんには対応しきれなかった。まぁ、対応できちゃう若宮の方がおかしいとは思うのだが……路近さんがいてくれたおかげでなんとか(面子は潰れたが)命は長らえ、今回のナンバーワンはずかしポジションの汚名とともに一旦退場だ。こうしてみると路近さんは本当にありとあらゆる便利要素を兼ね備えたハイパー近従なんだなぁ。

 若宮当人が来ない、代理のやつは話が分からない、なんかとんでもない切り札を出して面子を潰した上に人道にもとる解決を試みようとした。地下街の責任者・鵄さんからしたら長束さんの評価は下の下の下なわけで、そりゃもう話にならんってんで戦争もやむなしの心持ちだったが、そこで相変わらず無茶しよる雪哉が捨て身の懇願。それこそ長束様ほどの立場じゃないし地面に頭を擦り付けるのにも慣れちゃいるが、これはこれで捨て身の一策。平身低頭で謝ってるようには見えても、その実「いいから情報くれよ」と言ってるに等しい行為なわけで、なりふり構わないそのファイトを買われなければその場でボコされても文句は言えない振る舞いだ。でもまぁ、雪哉としても「信頼」という鵄さんが出した言葉を解釈し、この場ではそういう行動の方がまだ成功率が高いと思ってのチャレンジだろう。アドリブ判断の速さという意味では、まだ長束様よりも修羅場慣れしてるのは間違いない。あとはこれが鵄さんに届けばラッキーだったのだが……残念ながらこれもうまくはいかない。そりゃま、面子を潰されたと思ってる人間に何をしたところで効果は微妙だよな。

 ただ、捨てる神あれば拾う神あり、すんでのところで更なる最高責任者みたいな爺さんが登場。朔王ってのは先代統治者らしく、こちらは雪哉のなりふり構わぬアクションに一定の評価をくれた人物だ。話を聞く限りでは100%許してあげるなんて都合のいい話では無いが、まぁ、なんとか筋は通せた。ただしあくまで「こっちもちょっと誤解してたとこがあるし、協定破棄まではしなくていいよ」が既定路線。その先の「猿の情報教えろ」についてはこっからの雪哉の働き次第だ。

 というわけで謎のダンジョン探索スタートです。なんか雪哉ってしょっちゅう暗い穴倉に潜り込んでる気がするよな。目的のよく分からぬ探索行。香時計がやけにおしゃれだったのが気になるが、それよりもっと気になるのは当然穴の中の猿。なんや、地下街の連中は「手がかりを持ってる」レベルじゃなくて「答えを持ってる」みたいですな。そしてそれよりもっともっと気になるのは呼ばれてもいねぇのにやっぱり駆けつけちゃった若宮。朔王たちが見張ってる入り口から入ってきたとは思えないのだが……どういうことだってばよ。ちなみに澄尾さんのとこにいるのはお人形かなんかなんでしょうかね。浜木綿さん、流石に若宮の悪巧みに寛容すぎる。まー、ラフな関係性でいいカップルだとは思いますけどね。

 ちなみにそんな浜木綿さんのとこにお勤めにくることになったというススキ様情報が今回最大のサプライズ。最初に「浜木綿様の女房になるなんて」っていう言葉を聞いて「えっ?! ダイレクト百合カプゴールイン?!」とか思ってしまったが、wifeの意味じゃなくてこの時代の「女房」の方ね。残念。ハマ×ススてぇてぇとかになってたらよりによって若宮が百合の間に挟まる男になってしまうところだったよ。こうしてみると浜木綿-ススキ間の連携は強いし、こないだ白珠ちゃんとも普通に世間話してたので、やっぱあせびさんはみんなから煙たがられてるんだろうなぁ……。

 
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 シマウマにキリン、ゾウに……スカイランド人? 第31話。そうか、動物園にいるのか……まぁ、ましろさん目線ではソラさんも推しアニマルといえばそうなのかもしれない。

 毎度次回予告にメモリーを持っていかれがちな作品ですが、恥も外聞もなくガッツリ猫回なので俺得です。しかも今回のユキさん、もはやまゆとイチャイチャするとかじゃないんですよ。イチャイチャできるのは大前提なので終始後方彼氏ヅラだし、ラストカットは何と悟は写ってんのにユキが写ってないという、今までの猫組からしたらありえない構図で終わっている。これができてしまうのはむしろユキさんの絶対的な自信の表れであり、知覧さんとの関係性を優先してまゆのやりたいことを全部させてあげるという圧倒的保護者視点での措置。これが不動のつながりなのである。窓の外から2人の様子を伺ってる時のユキ、マジで絵に描いたような「後方彼氏スタンス」で笑ってしまった。その挙動ができるのは現代アニメ回だとお前と山田リョウくらいのもんだよ。

 ついでにネットリテラシーについても学べたり学べなかったりするのがニチアサ女児アニメの正しい姿であり、今回はSNSから炎上するなんて展開はなかったし、同じキュアスタでもどこぞのちゅるりんブログの時とかよりも「ネットの影響力」みたいなものへの言及は少なかったが、今回のことで我々がえられる教訓は1つだ。「アンチこそ転じれば熱心なファンになる(逆もまた然り)」。まぁ、猫動画あげてりゃ数字稼げるのは間違いない事実だからな。かくいう私も猫動画垂れ流しだしな。そこで他の凡百の猫アカウントと差をつけるのはユキさんのカリスマだぜ! 冒頭ですみれママのスマホに入ってた写真の最後の1枚のユキさん、もうどうしていいか分からないくらい可愛いですからね。そりゃ看板猫の面目躍如よ。ここまで被写体と撮影者のモチベが一致して作り上げてるコンテンツが弱いわけがない。推しがバエて仕方ないんだが?

 バエと言えば、今回改めて感じた今作の妙味、好きポイントは、ビジュアル的な印象とギャップというか、細かい表情を作る時の方法論みたいな部分。以前からみなさん感じてたと思うんですが、ユキちゃんてさ、猫キャラのくせに分類で言うたらタレ目じゃないですか。同じ猫キャラでもおめめバチコンなゆかりさんとはちょっと違うデザインなんですよ。そんで気弱キャラのまゆの方がどっちかというとつり目。だから変身バンクなんかで時たま見せてくれる凛々しい表情がグッと引き立つわけですよ。そして、今回も百面相を披露してくれたザクロさんが、実はイメージと違ってややタレ目なんですよ。表情のおかげで目尻が上がってることは多いんですが、基本デザインは実は狼なのにややタヌキ顔でめっちゃ可愛い。そんな彼女がコロコロと表情を変えながらキーキー騒いでるのがとても良いバランス。同じタレ目のニャミーと絡む構図が不思議と相性が良く、間にリリアンが挟まればそりゃもう大変なことに。つくづくいいデザインに恵まれている。

 あ、本筋追う話してなかった……まぁ、まゆちゃんの過去の傷については「そんなことで揉めるなよ」と言うだけの話だったのでいざ話し合えば解決は秒で終わる程度のものだったのだけど、こんなんでも拗らせてたあたりがまゆのまゆたる所以なので致し方ない。SNSのいいところは疎遠だったら昔の知人の音信が知れるところだ、というのも事実ではありますな。この度ペットのチンチラがガオガオーン化してしまうという初の地産地消の事例となってしまい、おかげで史上初のお家へお帰らないパターンが発生。ニコ様が何となく回復するという雑な処理で片付けてもらえた。今後はいちいちニコガーデンに送り返すのも時間がもったいないという判断なのかもしれないし、もうニコアニマルたちは万事解決して問題がなくなってます、という話なのかもしれない。ニコ様はその辺ちゃんと管理できてるんでしょうかね。

 そういえば先週お披露目された4人変身バンク、猫組先導バージョンがあることがわかったのも嬉しかったですね。今後は話の流れに合わせて適宜目元にきらめきを与えてくれれば嬉しいです。バンクに関しては「すりー、つー、ワン」も好きだからこれはどっちでもOK。こうしてバンクのまとまりがよくなってくると、やはり「追加戦士とか存在しないのでは?」という気がしてきますね。え? キュアスカイが参戦? それは流石に……。

 
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 一応確認しとくけど、義妹となら問題なく結婚できますからね、第9話。まぁ、2人にとってはそういう問題じゃないってことなんだけども……。

 その感情に名前をつけたなら。2人の中にわだかまっていた感情に、それぞれが認識を与える。プールを巡るすったもんだのおかげで、悠太は沙季の過去に触れることになり、彼女のことを想い、彼女の立場を考えて行動することになった。「裏方さん」と言われてはいたが、そうしてさまざまな視点から客観的に見て最大限のサポートを施すことができるというのが悠太の人としての強みであるようだ。その結果、これまでの人生で与えられてこなかったものが久しぶりに手に入ったことで沙季はすっかり悠太を尊敬の眼差しで見るようになる。自分では思いもよらなかったことをやってくれた人、そして最大限に自分のことを考えてくれる、世界では母親に次いで2番目の存在。そんな特別になった人間に、素直に賛辞と感謝を送れるのは沙季が純粋に人として出来た部分なのだろう。

 そうして沙季からまっすぐな感情を返されたことにより、まず悠太が明確な「名前」を与えてしまう。まー、そりゃ花の高校生、男女複数人でのプールイベントなんてうらやまけしからんことをやれば誰だってテンションも上がるし、色んな妄想も膨らむ時期ではあるのだが、そんな時に隣に寄り添った水着女子から素直な褒め言葉をいただいたら、その結果完成する感情は「好き」に違いない。はっきりとそこに形を与えてしまったことにより、悠太は思い悩むことになる。

 まぁ、「好き」にも色々あるわけで、妹が好きな人間だってたくさんいるのだからその感情自体に何の問題も無いはず。なんなら上述の通りに義妹だろうがなんだろうがふつーに結婚までできるんだから、堂々とLOVEを育んでしまうことだってOKなはずだ。しかし、現状ではどうしてもその感情に負い目を感じてしまう。親同士の再婚がほんの数ヶ月前のこと。それまでの父親の人生を見ていればこそ、「男女関係なんて……」と面倒臭さばかりが先立つ状態。そんなタイミングで「実は妹になった子が好きになってしまったのですが」なんてことを家族で話したら、両親だってワタワタするだろうし、やはり社会通念上どこか変な目で見られることは避けられない。「裏方」の人間だからこそ、悠太はそうして渦中に飛び込む選択はどうしても躊躇ってしまう。そして何より、あの「契約」を結んだ沙季自身が、悠太のそんな感情に一番戸惑ってしまう被害者になり得る。そんな状態で、悠太は「妹」に負担をかけることなんてできない。

 と、悠太が一方的に思っているだけで……沙季は沙季で、ほぼ同じベクトルなのにちょっとレイヤーがずれた状態で悩みを抱えている。彼女はまだ、自分の感情に名前をつけていない。悠太同様に、はっきりと形を与えてしまうと心の中で無視できなくなってしまうという危機感は感じていたのだろう。これまでずっとつけていた秘密の日記、おそらくあと少し筆が進んでいたら、そこには明確に名を与えられた感情が表れていたに違いない。しかしすんでのところでブレーキがかかり、沙季は自分の感情にも鍵をかける。あえて明確に形を与えるために、口に出した言葉は「兄さん」である。尊敬もした、敬愛もした。ただ兄として。妹が頼れる兄を好ましく思うのは当たり前のことなのだ。そしてそれ以上ではない。そうして自分の心に別な名前を与えることで、沙季は何かを守り抜く決意をした。その決心に、2人の意志が寄り添っていないとしても。

 まー、2人同時に「緩やかな禁忌感」からすれ違い思いとどまる兄妹関係という形が明確になったので、ある意味ではフィクション的妹ものとして分かりやすい構図にはなった。そこまで明確に提示されていない「禁忌」なのだが、それも致し方ないと思える程度の交流であるし、ここまで形作られてきた2人の人間性を見ればこれもやむなし。視聴者目線だと、「多分この親連中なら、息子娘が付き合い出しても何も文句言わんだろうけどなー」と思ってしまうのだが、たった4人の家族の中の話、そう簡単に処理できるものではないだろう。悠太は「沙季が迷惑に思う」というので自制し、沙季は「悠太から言われたら断れないだろう」と相手のアクションを待つかのような姿勢で自分に蓋をする。互いが互いを言い訳に使いながら、奇妙な距離感は熱を増していく。

 今回もいい具合の演出が多くてじっとりしながらもただ見守ってしまう画面。結構色んなところに工夫が施されてるので使い回しのカットを繋いでるだけでも含みを持たせられているのが偉いね。個人的には、花火を見る2人がほぼ隣同士だってのにわざわざカットを割って別々に映るところに「どちらからでもない断絶」を感じとるし、その後の駐輪場のシーンで悠太がライトの光の中に入れず思い悩むカットなんかも悠太の人間性がよく表れていて興味深い。決して望んで「裏方」になってるわけでもないのだが、なかなか自分の人生においても「主人公」に足を踏み込めてないご様子。沙季がこんだけの内容、こうした構成のお話でことさらに「主観:客観」という言葉を使っているのも暗示的で、今回のように沙季視点から始まって悠太視点にスイッチしたりするカメラの置き方も、今作のじりじりした心情劇の表出として面白い。

 まー結論としては「さっさと付き合っちゃえよ」しか出てこないんですが、世の中の義理兄妹の皆さんは、マジでどんな距離感で接してるんでしょうかね。それとも、年頃男女の義理兄妹なんて、ほんとにラノベの中のフィクションでしか存在しない概念なんでしょうかね。

 
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