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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 大鍋で調理してる上でタバコ吸ってんじゃねぇよ、第9話。もう、なんかそこだけやたら気になって……。「灰が落ちるやろが!」ってのが一番気になる部分ではあるが、「美味しんぼ」で育った人間なので「タバコ吸う人間が料理なんて出来るわけないだろ」みたいな偏見もあります。ちなみに高校時代に行きつけのラーメン屋のオヤジはヘビースモーカーでした。

 さておき、無事に長編ストーリーが完結した、と見ていいんだろうな。実はここ2回くらいは感想を書かずにスルーしてたんだけど、大きな流れの中にあるのでどういう風に落ち着くのかが予想できずに見守るしかなかったのである。あとはまぁ、お料理シーンが出なかったので文字通りに食指が動かなかったってのもあるんだけども。やっぱり飯食ってナンボの作品だと思うのよね。龍とのバトルも大事ではあるのだが、登場する龍は毎回生態レベルで違う生き物みたいに見えるし、なかなかバトルで巧妙な展開なんてのは望むべくもなくて、だいたい力押しで抑え込むからね。今回は特に地上戦ばかりだったので「この龍、幾ら何でも進化が怖過ぎだろ」っていう感想しか出てこんかったわ。

 そして、「龍のデザインが毎回違いすぎる」というところから出てくる素朴な疑問なのだが、龍捕りの人たちって、毎回その龍のデザインに合わせて解体を考えているんだろうか。牛や豚なら「どこの部位が美味しいんだ」みたいなことがわかってどの個体でも同じような解体が可能だろうけど、こんだけデザインが異なる龍だと、可食部すら個体レベルで違う気がするんだけど。今回の龍の場合、あの巨大なソーラーレイ照射部分とか食えたりするんだろうか。

 そして、今回は「三日がかりで解体が行われた」とのことだが、龍肉の賞味期限ってどれくらいのもんなんだろう。保存のための加工法がいくつか確認できるので、普通に考えて一般的な獣肉と同じ扱いで問題ないと思うのだが、龍が殺されてからあれだけ炎天下で放置されてたら随分腐敗も進行してしまう気がするのだが……やっぱり悪くなりそうな部分から解体してしかるべき処置をしているのかしらね。「脳油」なんてのはしばらく放っておいても問題なさそうだから後になって回収しても良さそうだけど(でも腐りかけの頭に入るのは嫌だな……)。サイズで考えれば、体積は肉牛の数百倍はありそうだし、解体には一体どれだけの人手と時間が必要になるやら……それを極めていると考えれば、やっぱり龍捕りって偉いんだな。

 そして、久しぶりに登場したお料理コーナーのメインは2品。1つは「家ごとに戦争が起こる」という物騒な煮込み料理。日本各地で聞いたことがあるタイプの文化戦争誘発メニューか。見たところパプリカ・ニンニクあたりの食材は共通しているようなので、味のベースが共通していて、具材レベルでご家庭のこだわりがあるってことなんだろうな。同じ地域で結婚すると夫婦間で戦争が起こるね。そしてもう一品用意されたのは、「トリコ」みたいなサイズのカツ。こちらは衣にチーズを混ぜた「ミラノ風」と呼ばれるタイプのカツレツ。美味いんだよなぁ。そりゃミカじゃなくても独り占めしたくなるのもわかるわ。久しぶりにお腹がすく展開、良かったです。

 お話としては、ジローの淡い初恋イベントとして終了したっぽいが、一応ジローの髪型が変わるという影響も残った。前にもどこかで触れたが個人的に「髪型が変化するヒロイン」というのが微妙にツボなのだが、本作における実質的なヒロインである(??)ジローの髪型が変わったことはなんとなくニヤニヤしちゃうポイントだ。ジロー、またこの街に帰ってきたいって思うようになってるだろうけど、果たしてカーチャはそれまで新しい男を作らずに待っててくれるかな……。

 

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 陸の話、第6話。多分「荒野のコトブキ」とかもこういう雰囲気の「海の男たち」のお約束フォーマットみたいなものと西部劇風のテイストの組み合わせをやりたかったんだろうな、という印象。オーソドックスな展開ながら、それぞれの心情がぎゅっと詰まってますね。

 「コトブキ」の場合には「なーんかテンプレ臭くて身が入らんなぁ」と思っていた陸でのやり取りだが、今作の場合はそれぞれの面子が散逸的に描かれているにも関わらず、何がやりたいお話なのかが伝わってくるのがなんだか不思議。おそらく描く順番の問題で、今作はとにかく空の上の「閉じた」空間でのお話で身内のことを徹底して掘り下げてくれていたおかげで、そうした面々が「久しぶりに陸に下りた時のあれこれだよ」というメリハリがはっきりしているんじゃなかろうか。「久しぶりの陸だぁ」という感慨もこれまでの苦労を思い起こせば実感できるものになっているし、タキタ&ミカのコンビのお話、ヴァニーたち女性陣のあれこれ、そしてジローを中心とした荒くれとの喧嘩やほのかな恋心を描く側面など、短い中でも色々な感情を見ることができる。

 個人的にはやっぱり女性陣の心情の揺れに注目したいところ。初めての解体作業を経験し、自分が少しは認められるようになったと喜ばしい反面、そうした作業を難なくこなせる男連中の手腕にはちょいと羨望もあるタキタ。自分が何故この船に乗っているのかとぼんやり考えていたら、勘違いミカがいいものをくれる。龍を狩るという生業に良いも悪いもなかろうが、そうして人間が脈々と続けてきた営みの一部に自分が加わっているのだという実感が、タキタのやる気を充填してくれた。龍マニアすぎるミカが自分にだけちょっと普段の生活とは違う真面目な側面を見せてくれたこともタキタには嬉しかったんじゃなかろうか。ちなみに、解体後のシーンでタキタが寝転んでる時のツインテが完全に固定されたように宙に浮いてるところがさすがに違和感があったのだが、もしかしたらものすげぇ硬度でガッチガチに固めたおさげなのかもしれない(さすがにそこまでCGでフォローできないってだけなんだろうが)。

 タキタ以外の女性陣は3人での女子会へ。操舵を担当する釘宮ボイスのカペラと、毎度毎度機関室でギャンギャン喚いている技師のメイン(CVちーさま)、そしてヴァニー。全然タイプの違う3人ながら、浮いた話がなくてカッサカサってのは共通している様子。船の中の男どもはろくな連中がいないしなぁ。酒のみ対決でスマートな女性が荒くれものをねじ伏せるというお約束展開をこなしつつ、ヴァニーはさらにジローの心配までしてくれている。すれっからした御局様みたいな扱いだが、彼女も彼女でもしかしたら色々と憧れや夢もあるのかもしれんね。

 個人的には、そんな百戦錬磨の経験値おばけのCVが花澤香菜、今回登場した「まだ客も取れない」ウブなウェイトレスがCV佐倉さんってのがなんとも悩ましいキャスティングでニヤニヤしてしまう。ちなみに中の人の年齢差はジャスト5つなんだけどね。なんだろ、私の中の花澤像っていつまでも若いまんまだから認識と不思議なズレがあるんだよな……。まぁ、どこぞでは五つ子役を一緒にやってるわけだしなぁ。果たしてジローは、そんな佐倉お嬢さんと良い仲になれるんでしょうか。「海の男」のお約束に準じるなら、港に女は残しつつ、そのまま立ち去るのが礼儀だが……。ジローはそういうところ不器用そうだなぁ。

 そして珍しく次回に引く展開でのドラゴン復活劇。空で捕獲するときにちゃんととどめ刺さへんのかい。しかも搬入時にそれをチェックせぇへんのかい。杜撰すぎる管理体制が招いた当然の災難だが……小さい船は太刀打ちできるんだろうか。

 

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 海賊さん優しすぎワロス、第5話。そもそも「海賊」っていう名称からして変だとは思うんだけどね。まぁ、「空賊」っていう名称が生まれるかどうかはその世界次第だけども。当然この世界だって「船」→「飛空船」っていう順番で開発されているだろうから、歴史的には先に「海賊」がいたのだろうし、それの空中版で「空中海賊」になるのはOKといえばOKではある。

 そんなわけで海賊がやってくるお話だが、なんか色々とツッコミどころがあるな。特に海賊さんが予想以上にショボく、お前らよくこれまで商売やってくられたな、と感心する。まぁ、確かにミカが規格外なのは間違いないだろうけど(カチコミシーンは問答無用の格好よさだ)、略奪行為で生計を立てようとしてる連中なら、もうちょい肉弾戦で対応できるくらいの戦力は持っててもよかったのでは。略奪が目的ならどう頑張っても「相手の船に乗り込んで直接制圧する」っていうくだりが必要になるわけで、あれだけの人数差がある状態でノされてしまうようではお話にならないし、銃の使い方もかなりお粗末である。これまで襲った相手はたまたま銃を見てビビっちゃう連中ばっかりだったんだろうか。そもそも捕龍船っていう時点でそこに乗ってる連中だってそれなりの腕っ節のはずなのだから、襲いかかる時点で相当覚悟が必要なはずなのだが……。

 あと、興味深いのは「船」の存在。いや、空飛ぶ方じゃなくて、海の方の船。上述の通り、当然世界の歴史としては海→空の順で開拓されているのだから船は当然あるだろうし、現実世界と同様、船と飛空挺が用途に合わせてどちらも使われているのは別に問題ないのだが、じゃぁ、何の目的で普通の船って運行してるんだろうな、ってのは気になるところ。現実と照らし合わせるなら大規模輸送が目的だとは思う。どうしたって空を行く方が燃費は悪かろうし、重量の問題もあるからそこまで多くのものを輸送することはできないだろう。ただまぁ、その割にはこの世界の飛空挺技術は飛び抜けて進んでいるようにも感じるのだけども。どうなんだろ、見たところかなり現代的な船だったが……技術レベルはちゃんと調整できてんのかな。

 かてて加えて、まさにご時世だからこそ思っちゃったのは、「人の気配が感じられない不審な船に無警戒に乗り込むのは危険じゃね?」ということ。船旅での全滅事件の可能性の1つとして「疫病」ってのは想定されるわけで、何の防備もなく船内に入っちゃうと……ねぇ。検疫検査とか待った方がよかった気もする。そして、「人のいない漂流船を餌にして襲ってくる空中海賊」っていう設定……だいぶ面倒臭そうだな……あの海賊たちは、船が見えるどこかで待機してたってことなんだろうけど、「たまたまどこかの飛空挺が船を見つけて確認しにくるところを狙う」ってのと、「その辺をたまたま通りかかった飛空挺に直接襲いかかる」ってのでどれくらい成功率が違うもんだろうか。別に変わんなくない? 謎である。そして相変わらずこのアニメの飯はうまそうである。いいよね、パストラミ……。

 

 

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 なんか不思議な魅力があるよね、第4話。今期は割と無視できずにじわじわ楽しい作品が結構あって、実はこれと枠続きの「うちタマ」も微妙にくせになってる部分があるんだけど、アニメ的に素直なのはこっちだろうか。全ての要素が綺麗に収まるべきところに収まっている感があって、派手さは無いけどどこか落ち着く作品になっている。こういう「ちょい斜め方向の日常系」みたいなアニメが最近のトレンドになるのかもしれない。

 いろんな部分が「うまいな」と思わせてくれる作品である。具体的に「何が」っていうのを切り出すのは難しいのだが、全体的な雰囲気の作り方というか、ピントの合わせ方が自然で非常に見やすいのだ。1話目時点では割とド派手な空中戦要素を主眼に進める作品なのかと思わせるような展開だったのだが、2話目以降は美麗な背景なんかの要素は保持しつつ、かなり「ほのぼの船上アニメ」の要素が強くなっている。実際、これって別にファンタジー世界の「龍」のお話じゃなくて、日本のどこかの漁港から出発した捕鯨船の話だったとしても同じようなシナリオは作れるような代物。というか、多分今作の大きなモチーフは捕鯨船とか遠洋漁業の船そのものだろう。そこに「空を飛ぶ」という要素を加えて、クジラじゃなくてオリジナル能力をもった龍にすることで「漁」の展開に多少のバトル要素を加えていく。ようは「ダンジョン飯」では狩猟と採集をダンジョンで行なっている部分を、今作では「龍」で補っているわけだ。

 そうして「割と普通のお仕事ものなんじゃ?」ということに気づけば、余計な装飾に気を取られずにドラマ部分をゆったりと見ることができる。今回の絵にまつわるお話なんて、別にあってもなくてもいいようなお話には違いないのだが、それでもクルーの人となりがわかるようなお話になっているし、今回中心となったヴァナベルを外堀から埋めて少しずつ描いていくシナリオラインは丁寧だし、描きすぎてクドくなっていないのも良い。タイトルに「乗船理由」なんておおっぴらに書かれている割には彼女の「乗船理由」は結局よくわからないわけだが、それでもなんとなく「彼女を少しだけ知ることができた」っていう結論が出ればそれで船の中のお話としては完結している。そういう「日常」が見えるアニメなのだ。

 改めて好意的な視線で見られるようになると、ポリゴンピクチュアズの作画はこれまでの種々の作品よりもこなれているように見えてくるから不思議なものだ。現実感の乏しい「空の上」の世界のおかげで、多少なりともCGが浮いていても風味として認識できるし、やはり時代が進むにつれてキャラの表情の付け方とか、細かい部分での作劇のレベルは上がっていると思う。当初は同じような性格のスタジオかな、と思っていたポリゴンピクチュアズとサンジゲンが、今期はこれと「バンドリ」でだいぶ違う方向性に個性を伸ばしているのが見えるのはなかなか興味深いところだ。

 このままのんびり空の旅を続けるだけのアニメでも割と満足してしまいそうだけどなぁ。今後どうなっていくかなぁ。それにしてもいちいち飯がうまそうなので、見る時間帯には要注意である(私は失敗した)。

 

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 実質仮面ライダービルドだった、最終話。新たな世界をビルドし、桐生戦兎は万丈と再会するのである。めでたしめでたし。

 きっちり予定通りの結末に着地できたかな、という最終回。前回の時点で結末はおよそ分かっていたわけで、あとは風呂敷を畳むだけ。しんみりとした中にもきちんと救いがもたらされるあたり、お手本のような幕引きといえるだろう。まぁ、結局新月がどういう存在になってるのかはよくわからんのだが……大丈夫、すでに概念になった大先輩(中の人)に教わって似たような天使として覚醒したんだし、今後の人生もうまいことごまかしながらいきていくのだろう。新月には悪魔に転生してまでその存在を否定しようとする病み気味のお友達とかいないし(アンナが生きてたらわからんかったが)。魔力消失の影響でアンナの存在が消えるのは当然のように受け入れられるのだが、ついでに九音も消されて四翠が当たり前に1人で動いてるのを見るとなんかやるせないものがあるな。

 そこに到達するまでの最終バトルは、なんかもう、いろんなものがちゃんぽんすぎて処理しきれないようなバトル展開。前回もちらっと登場してたが、モビルスーツ戦闘はまだしも流石にニュータイプ感知描写をそのまんま拝借してんのはサンライズに許可取らなくてよかったんだろうか(とってんのかな)。ニュータイプどうしの戦いなので当然のようにサイコミュを使いこなしてファンネルの撃墜合戦になり、クインマンサVSパラスアテネみたいな対決になってたな。最後の最後は肉弾戦で勝負を決めなきゃいけなかったのでグレンラガンみたいな落とし方になってたけど。水晶さんがどんだけむごたらしい最期を迎えるのかと思ったら剣の形が微妙に空気読んでてちょっと笑った。水晶さんによる悠木碧劇場(第N幕)は相変わらず凄まじいものだったし、彼女の狂気を1つ1つ丁寧に削ぎ落としていく新月さんの対応も見事なもの。「満月という人形に踊らされてるのって結局単なる独り相撲なのでは?」と心配していたのだが、そこをむしろ「満月の意志は自分の意志だったのだ」と前向きに捉えて人形を打倒する力に変えるのは綺麗な収め方だったんじゃないでしょうかね。

 まぁ、最後に水晶が残していった呪詛があんまり意味を持たなかったのは残念ではあるのだが、あれはもう、単に水晶さんが負けてしまった悔しさから「なんか嫌なこといってやろ」ってんで死んでいったと考えるしかなさそうだ。最後の最後まできっちり嫌なやつだった。そういう意味で、やっぱりこの世界を1000年も守り続けた水晶さんが今作のMVPなのだろうなぁ。

 

 

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 悠木碧奇声劇場、第12話。おいちゃんがここまでふっきれた仕事してるのは久しぶりに聞いたので大満足ですわ。考えてみりゃ、水晶さんって「もうこれ以上魔法少女が生まれないように世界を監視する概念」なんだよな。どっかで聞いたことあるな?!

 最終決戦は色々とたっぷり。奇声もそうだし、情念もそうだし。これまで溜まってきた鬱憤をお互いに叩きつける熱と熱のぶつかり合いだ。ことここに至っては斜に構える必要もなくなり、己の存在を詳らかにし、積年の恨みを叩きつけてくる水晶。純正のラスボスとして存在し続けていた彼女は、これまで幾度となくグランベルムに参加し、その度に挑戦者を叩き潰し、魔力を人の手に渡さぬための理不尽すぎる門番として立ちはだかっていたという。結局、グランベルムってのは「すごい魔法の力があるんやで」って言って人間を誘惑しておきながら、一切それを叶えずに「うちの無敵機構を突破できたやつにだけ権利をやるんだけどな!」って追い返してしまうタチの悪いギミックだったということになる。一応新月さんは「そんな水晶を倒して頂点に到達する人材を待ってたってことだろ?!」とポジティブに(?)解釈していたが、冷静に考えりゃ女の子を何百人と餌で釣っては追い返す、詐欺みたいなプロジェクトだったわけだ。薄々分かってはいたがひどい話である。まぁ、そもそもプリンセプスが1度も誕生したことがない時点でなぁ。

 そして実に興味深いのは、水晶という存在そのものである。彼女は千年にわたってグランベルムを監視し、その中で容赦無く魔法少女たちを撃破していった。それはもともとマギアコナトスに命じられたもので、ふさわしき者が頂点に至るために乗り越える試練として設定されたもの。具体的な出自は分からないが、彼女もまた、満月と同様に「マギアコナトスに作られ定められたお人形の人生」でしかない。そして、そんな虚ろなゴーレムであった水晶にも、やはり「何故これだけ戦っているのに自分は認められないのか」という悲しい自我が芽生えてしまったのだ。いわばレフェリーや運営サポートが、あまりに競技フィールドに参加し続けたために「自分も参加者として褒賞を得てもいいのでは」と感じるようになってしまったわけだ。「人形が人形たる使命を逸脱し、自分の意思で動き始めた悲劇」を彼女は抱えている。

 そして、この悲劇を受け継いだ存在として満月がある。彼女も元々は「新月の成長のため」に作られた人形であり、その目的は果たされたと判断された時点で水晶が真実を公開して、あとは自我の崩壊なりなんなり、人形は退場して新月にさらなる変化をもたらすはずだった。しかし、競技に参加し続けた人形は新月を想う強い意思を得て、マギアコナトスの思惑を超えてグランベルムに影響を与えるようになった。いわば、新月と満月がそうであったように、水晶と満月もまた、鏡写しの存在だったわけだ。

 先週の時点で「結局、満月の行動ってのはどこまでがプログラミングによるものなのかが判然としないためにいまひとつ燃えあがれない」という不安を提示したのだが、今回の水晶との関係性は、完全ではないとはいえ、いくらかそうした疑念を取り除く役割を果たしている。水晶が千年の時をこじらせて完全に「自由意志」で暴れまわっているのと同様に、満月だって「創造主の思惑を超えた強い想い」を持ち合わせていてもいいのである。人形と人形のぶつかり合いの中で、互いに憎み、ぶつかり合うことで、生まれてきたことの意味を確認している。

 そうしてぶつかり合う3人の思いを叩きつけるのは、あとは戦闘シーンの見せ方と、キャストの頑張りで堪能するだけ。おいちゃんはこれまでじっくり煮詰めてきた感情芝居を縦横無尽に炸裂させる。泣いて笑って怒って泣いて。ここまでやってくれる役ってのはアニメでもなかなか無くて、ラスボス特権みたいなところがあるので本当にありがたい。これに加えて対峙する島袋・種﨑コンビもみせるみせる。こういうのがあるからバトルアニメってのはやめられない。

 映像部分に関しては、ぶっちゃけアルマノクスの戦闘はわけのわからないギミックが多すぎてついていけない部分があるのだが……水晶さん、やりたい放題すぎてな。今回はロボットアニメのクライマックスってことで「ガンダム」あたりからのオマージュらしい演出も散見され、どう見てもニュータイプ演出だったり、満月の最期に関してはラストシューティングがモチーフなんじゃないかと思える部分もある。こうしてロボットアニメとしても総決算をしておき、次回のエピローグへとつないでいくことになるのだろう。

 これで新月が満月を求めるあまりに世界をループさせ始めたらヤバいのだが……。流石にそれは無いな。

 

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 限定が雑ゥ! 第11話! 考えてみれば今期は犯人当てが主眼(??)のアニメが2本も放送されているというミステリクールだったわけですね(そうでもねぇよ)。どこぞのロードも「ハウダニットはあまり問題ではない」と言っていましたが、こちらも主眼になるのはワイダニット。まぁ、ドラマってそういうものかもしれません。

 たっぷり1クール引っ張ったシンデレラの謎がいよいよ明かされた! というのに、これまでの一切合切を無視しての一発限定というひどい解決。いや、別にその部分に期待してたわけではないので全く問題はないのだが、これって原作小説だとどういう構成になってるんだろう。ちゃんと1巻目で犯人がわかるようになっているのだろうか。数冊に渡って引っ張った挙句にこの限定だといくらなんでも怒られる気はするな。さすがに小説媒体だったらもうちょい気の利いた伏線はあるのかな。

 一応、それこそワイダニットの部分は気をつけるべき問題で、「何故わざわざ名前も残さずラブレターを部室に残したのか」という動機の観点から容疑者の特殊性を絞りこむことは可能だったかもしれない。普通に考えて先輩も唯花も南条も、わざわざひっそりとラブレターを出すようなタイプではないし、パンツの意味がわからないし(まぁ、パンツの意味は妹だったとしてもわからんのだが……)。そのあたりをもうちょい説明してくれれば犯人を指摘するシーンでのカタルシスがもうちょい盛り上がったのかもしれないが、慧輝の野郎、いかに頑張って容疑者にパンツを履かせるかにばかり気が行ってしまって、他の部分は割とどうでもよくなってしまったようだ。すげぇドヤ顔で今回の作戦を説明されたが、「多分瑞葉はちゃんと正面から問い詰めれば答えてくれたんじゃないかな」という気がしないでもない。単にプール行きたかっただけじゃなかろうか。ありがとう水着回。いや、このアニメで水着回があっても普段とあんまり変わらんのだが。

 まぁ、ここまで引っ張って妹がトゥルーエンドってのは(この手の作品では)むしろ真っ当な仕上がりかもしれません。ほら、やっぱヒロイン度数が一番高いのは本渡ちゃんだから……。いや、さすがにこの面子だと他の連中も負けちゃいなかったけど。個人的には「素直熱愛系妹キャラ」+「巨乳」の食い合わせの悪さが気になりますね。松屋でカレーの付け合わせに味噌汁飲まされてる感じがします。お? 宗教戦争か?

 

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 突然のゆるキャン、第11話。最近は女の子だけで気軽に行くキャンプも増えてるんやろなぁ。そういう作品じゃねぇんだけどなぁ。

 いわゆる嵐の前の静けさ、「溜め」の回になるが、新月の中で感情の整理を行うという総決算のお話でもある。きちんと目的意識を定めた上で挑まないことには、水晶さんには勝てないだろうからね。まぁ、最終決戦で2対1っていう時点でなんか卑怯な気はするんだけども。

 今回のお話は、「満月の話」として見るか「新月の話」として見るかによってガラリとイメージが変わる。というか、結局満月が作られた目的がどこにあるのかを、どの程度ドライに捉えるかによって見方が変わってくる。満月の方を中心にしてみると、今回は「主人公の身を切る決意」のお話。自分の出自を知らされてショックを受け、さらに存在消滅で追い打ちをかけられた満月だったが、持ち前の明るさというか、能天気さによって現状をプラスに転換してしまう。もちろん、自分の消滅という未来についてはお気楽に捉えることはできないが、「新月の大願が成就する」という結果とのトレードなら致し方ないと割り切ることができる。自分の存在が新月の望む世界のエラーになってしまうくらいなら、いっそ新月と協力してそんな世界の全てを打破してしまおうと、そう考えることができる。この辺りは純粋に満月の強さであろう。そして、最後の最後はみんなに自分の見た世界の美しさを知ってもらうために、わざわざキャンプの企画を立ち上げ、最後にグランベルムで関わった関係者全員に幸せになってもらおうと考えるのである。割と無茶な組み合わせで変な会合になってた気もする(四翠についてはどうやって連れ出したのかすら謎である)が、まぁ、みんなが楽しめたのならそれで良いのだろう。

 と、「満月が中心」で見れば非常に崇高な志を体現した良いお話なのだが、これが「新月が中心」になるとどこまで本当の話なのかと眉に唾をつけてみる必要があるのが面倒臭い。何しろ満月は「新月が望んだから生まれた人形」だと言われているのだ。アンナとの昔を思い出した回想シーンではっきり言っていたが、「このお人形が動き出したら楽しそうだ」という幼少期の無邪気な願いが、マギアコナトスに曲解された結果まさかの「一緒にロボットバトルを戦い抜く戦友」が生み出されていたのだという。機体性能も高い上にコミュ力もある満月は新月にとって理想のパートナーであり、本当に「願いを叶えて」しまった結果の産物。さて、そうなると、今回の満月の行動は、どこまでが「願い」だったというのだろうか。新月にとって理想のお人形になるべく生み出されたのが満月であるなら、今回の献身的な行動も何もかも、「新月が思い望んだ結果の表れ」とも解釈できてしまう。新月が悩んでいるから「悩まなくていいよ」と声をかける。新月が一人で辛そうだから仲間を集めて遊んであげる。そうして、どこまで言っても「新月が幸せになる」ための道具としての満月が存在しているなら、今回のお話も新月の妄想一人語りだったという解釈も可能になってしまうのだ。

 まぁ、どう考えても制作側の狙いとしては前者で解釈してほしいのだとは思うのだが……どこまでいっても「マギアコナトスはなぜ満月を生み出したの?」という問いに明確な答えがでないうちは、満月が絡む全ての事象は絵空事でしかない。その辺りの空虚なイメージを、最後にきちんと埋め合わせることができるかどうか……。多分、このままの路線で突っ走るからそうした根源的な疑念は解消されないまま終わるとは思うのだけどね……。

 

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 いっそグランベルムにシャミ子を参戦させれば平和にならないもんだろうか、第10話。この世界の魔法少女もエーテル体の塊みたいなもんでしょ。満月の血をシャミ子に与えれば、きっと月収が2000円くらいアップするに違いない。

 なんかもう、ここにきてカオス極まっているので訳のわからない妄想に逃げるしかないお話。前回時点で「ここがわかったけどここはわからない」と仕分けをしたつもりだったけど、分かったと思ってた部分も分かってなかったり、解釈違いだった部分が多かった。まとめると「だいたいマギアコナトスのせい」になり、いにしえの言葉を借りるなら「だいたいインキュベーターのせい」と同義。

 まず、満月の制作意図が明示された。一応「水晶さんが勝手に言ってるだけ」という部分は差っ引いて考える必要があるかもしれないが、多分彼女が教えてくれたことの大部分は真実だと捉えて問題ないだろう(いちいち寧々ちゃんからフォローも入るし)。彼女の性格を考えると嘘八百を並べ立てて新月を追い込むっていう目的は想定可能だが、おそらく事ここに至っては、小技で心を折りに行く意味はない。彼女が真実を伝え、自分の望む姿でグランベルムの完全終結を目論んでいると考える方が自然だろう。ということで「満月は新月のために生み出されたイマジナリーフレンド」というのが現状の答えである。前回の時点で「満月の存在意義はただ新月のためにある」という部分までは解釈可能だったが、それが「新月さんがお友達欲しいと思ったから」というやるせない理由が関わっていたってのも本当に寂しい話。まぁ、単にぼっちの願望というだけではなく、「嘘友達作ってクライマックスにぶっ壊したら面白くね?」という、ブラック企業の入社試験もびっくりのとんでもないサプライズ演出だってのは趣味が悪すぎるが。

 結局、「運営側(マギアコナトス)が面白そうだからやった」っていう便利すぎて無敵の理由づけが成立してしまうので、この世界は何でもありになってしまったわけだ。今回さらなるイレギュラーとしてまさかの九音の存在まで世界から抹消されてしまったわけだが、これまでの流れから必死に「アンナさんは魔力をフルバーストさせて負けたから消えた特別な存在なんやろ」とか解釈していたことが全部無駄になった。結局、バトってる魔法少女を消すのも残すのも運営側のさじ加減一つ。というか、多分おそらくほとんどの魔法少女に関しては面倒だから存在は消していたのだと思われる。寧々ちゃんと赤崎キャラだけ残されたのは、「別に残ってても大して問題ない」と判断されたくらいなんじゃなかろうか。一応、九音が残るのと消えるのでは今後の水晶戦での状況を左右する可能性があり、九音が消えたのは「水晶側の理由」というのも考えられるが(運営側がラストバトルを最大限に盛り上げるため、ラスボスである水晶に余計な禍根を残して弱体化させたくなかったとか)、「なんか九音も派手なことやってたし、危なっかしいから消しとこ」くらいのモチベーションも充分あり得るだろう。

 今回の顛末で最大の謎として残ったのは、「結局水晶ってナニモノ?!」という部分であろうか。彼女はあり得ないくらいの強キャラとして設定されており、九音戦ではマジヤバいみたいな顔をしていたのだが、最終的には姉妹の思惑を乗り越えて、文字通りにごくんと「食って」しまった。九音が採用した「とにかく放出口を押さえ込んで有り余る魔力で自壊させる」なんてのはいかにもラスボス相手に使いそうなタクティクスだったが、それすらも水晶の手管の前では咬ませ犬だった。これだけの全能を持ち、さらに運営側の事情やグランベルムの開催概要まで把握している水晶は、どう考えても新月とは情報量の差がありすぎる。彼女自身も運営が用意した新月の当て馬(最後の試練Ver)という可能性も残っているが、そうだとするとこのアニメは「新月さんに悲劇をじゃぶじゃぶ浴びせることで大きく育てるだけの変な教育アニメ」という全体像になってしまい、なんだか虚しい気もする。出来れば水晶さんには立派に依って立つ格好いい動機を抱えていて欲しいものである(そして、ここまで立ち回った悪役として、素敵なラストシーンを用意して欲しいもんである)。

 さて、次回はもう最後のグランベルム開催まで行くことになるんだろうか。どう考えても今の新月さんの状態でまともに戦えるとも思えないのだが、水晶さんは何を狙っているやら。彼女がみょーんと伸びて新月を煽ってるシーンのデザインが、なんか中国の太極図みたいなモチーフになっていた気がするのだが、もしかして彼女自身も新月に取り込まれることを望んでたりせんやろな。

 

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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