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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 キョリちゃんの無限のパワーに圧倒され続ける第11話。小さな身体に無尽蔵のエネルギー。そりゃ、あんだけ食べるはずだ。がっつりホットドッグ食べてたのに直後の台詞が「そろそろご飯にしよう」だもんな。

 「にゃんこい!」からしばし遅れてのプール回。だからなんでどのアニメでもそんなに大都市にみえねぇのにあんなでかいプールがあるんだよ。今回のは特にでっかくて、ウォータースライダー完備はもちろんのこと、巨大な滝のようなスライダー、さらにフリーフォールなどのアトラクションに飛び込み用の特設プール、人が多くても遠慮無く競技が出来る競泳用プールまである。1つでいいからうちの近くにくれよ。まぁ、これだけの設備がないと舞台として成立しないんだろうけどさ。

 で、前回までの純夏×あずさというカップリングにひとまずの蹴りを付けたのが今回のお話。食欲旺盛な怪力乱神によってあずさは自動撤去され、非常に大人な判断力でもって空気を読んでくれる朋絵を挟んで、純夏と汐のカップルが久し振りの対面。序盤は浮かれまくって「おじさんみたい」と的確な突っ込みまでいただいていた男子妄想爆発の純夏だったが、あずさを気にして遠慮勝ちだった汐にストレートに自分の気持ちをぶつけ、その後は何故か朋絵に対抗心。結果的にはプールサイドで水着膝枕というプライスレスなご褒美にありつくというエンディング。すっかり「元の関係」に戻ることが出来て、純夏さんも大興奮である。乳煽りのアングルから汐の顔を見上げながらも、片手をプールに差し入れてクールダウンしている純夏さんの笑顔が実にナチュラルで良い。この娘、頭はいいはずなのにことが思い人に絡むとアホな英語を乱発する変な外人みたいになるよな。

 そして、そんな様子をまざまざと見せつけられたあずさは、1を見て10を知っちゃう理解の早さでもって、関係を全て察知。元が奥手な性格だけに、どうやらここで正式に退場するものとみられる。もともと彼女の純夏に対する感情は愛情というよりも憧れや感謝の念に起因する部分が多いので、やはり汐の対抗馬になるには些か力不足ではあった。きちんと自らの創作意欲の糧にするという決着の付け方も見せているし、彼女にとっても無難な落としどころではないだろうか。むしろこれで忌憚なく純夏と友達関係を維持することも出来るわけだしね。プールサイドから2人を見つけて呆然とするあずさの思索シーンも、彼女の微妙な感情の機微が間に浮かんで見える面白いシーンであった。

 これで、あずさから純夏へのベクトルは一応決着。残る未解決の矢印はというと、当然純夏から汐に対するもの。これは、気付いていないのが現状汐だけという状態の大命題。そして、一番やっかいなのが汐から純夏に向けられた、若干インビジブルなもう一本の矢印。こちらは、純夏が気付いていないのは当然として、まだ汐本人も確たる意志を持ち合わせていない。これにいち早く気付いていたのが朋絵なわけだが、今回あずさがこれに気付いたのはかなりの慧眼。その洞察力があれば、きっと今後はうまくやっていけるよ。残った2本の矢印を片付ければ、この作品は無事に幕が下りるのであるが。

 そして、今回はそんなメインプロットに加えて、外野でギャーギャーやってるチームキョリが面白くて仕方ない。千和+英美里のコンビネーションって、本当にいい絡みだなぁ。ベテランも新人もうまい具合に互いを高め合って面白い空気を醸し出しているのがこの作品の安心して見られる大きなポイントだろう(千和が最年長なんだよね)。画のクオリティでいったらそこまで高くはないので水着回と言っても大したサービスにはなっていないのであるが、遠景近景を使い分け、情感を込めた間の持たせ方で引っ張る演出のおかげで、下世話にせずとも充分堪能できる仕上がりになっているのであります。今回のコンテはすっかり「百合を描かせたら天下一」みたいな変な印象があるあおきえい。いい仕事です。 

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 首輪を付けたままの入浴は蒸れて仕方ない気がする第11話。いや、エンジェロイドが汗かくかどうか知らないけどさ。そもそも風呂が気持ちいいかどうかも分からないな。

 前回までである程度シリアスするのに疲れたのか、今回は初っぱなから馬鹿のオンパレードで構成された、久し振りに「らしい」エピソード。もちろん途中でいくらかシリアスにはなるのだが、今回くらい(ギャグ8,シリアス2)くらいがちょうどいい塩梅である。

 キャンプファイヤーなどで少しは智樹との距離を縮められたかと思えたイカロスだが、頭をよぎるのは兵器としての自分を隠すことへの罪悪感。悩み抜く中で智樹は一体何を考えているのかと気にしてみるが、残念ながらこの男の頭は年中ピンク色。アバンからOPへの潔い引きは、この作品の真骨頂である。そして「パンツ飛行体」「時間停止」など散々やりたい放題やっていたはずなのに、改めて努力を重ねて女湯潜入作戦でワンエピソード。いや、この姿勢はすごいと思うよ。

 また、今回はエロの要素に加えて智樹の性転換というイベントも加わり、変態っぷりがよりついていけない方向性に動いている。下着を探しに行った時の「流石にパンツは飽きてきたが」の一言は流石の貫禄だが、その後の男子にこびを売る一連の流れの意味が全く無い。一応英四郎のマネージメントのようだが、彼も一体何がしたいのか分からないしな。「新大陸」って言えば何でも片付けられたり、智樹を女湯にけしかけておきながら自分は堂々と壁面から監視カメラで見張っていたり。「一周回って基本馬鹿」のお手本みたいな男だ。会長との関係性も見事なもので。「結局これって英四郎が一人で盗撮してるだけじゃねーか!」とか思ってたら、きちんと会長からは制裁を受けていましたな。会長は銃剣術も使えるのか……「あのシーン」で蛇口をひねったのも会長だし、やっぱり最大のチートキャラは彼女なんだろう(トモ子との出会いのシーンの演出を見る限り、どうも全てに気付いていた節がある)。自宅に天然温泉が湧いてるくせに銭湯に来る物好きさん。

 さて、エロやらなんやらはもう触れるのも面倒臭い(この作品ともなると、もう裸がデフォルトな気もする)。あぁ、でも今回は流石に露骨な湯気補正が何カ所かあったっけ。まるで個体のようにソリッドに画面を横切っている湯気を見ると、何故か「破滅の刃/Doom Blade(M10)」のこの絵を思い出します。→doom-blade.jpg

 さて、アホ要素を置いておくと、今回は「イカロスの気持ちがまた一歩前進」という要素と、「それでもニンフは追い詰められる」という要素の2つがシナリオ上の大切な要素。イカロスは今回の顛末から何故か「隠し事は良くない」という思い切った行動に出ることになり、もちろん最もハッピーな結果を迎えた。他方、次第に智樹への気持ちを隠せなくなってきているニンフだが、どうやら空の上との関係性はなかなか切れないらしく、今後の物語のクライマックスはニンフをを巡ったものになるであろうことが想像出来る。「アルファ」「ベータ」という呼称からすると天界のマスターが回りにはべらせていたのはイカロスやニンフよりも後に作られた後継機ということになるのだろうが、試作品レベルのイカロス達が、最終的に後輩に勝つことが出来るのだろうか。まぁ、バトル要素はそこまで求めてないので、なぁなぁで終わってもらってもいいんだけど。

 シリアスやっても馬鹿やっても、画質が安定しているのでそれなりに見られてしまうのがこの作品のいいところであり、困ったところでもあり。慣れてきたのでとりあえず楽しめてはいるのだが、馬鹿エピソードでももう一発なにかでかい花火を打ち上げて欲しいもんである。

 追伸・やっぱり藤田咲はしゃべれば存在感のある役者だと思うのだが、何で今ひとつヒットが出ないんだろう。ボーカロイドなんかに負けずに頑張って欲しいものである。 

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 予定して起こる出来事はハプニングとは言わない気がする第10話。「ハプニングを目指して頑張る」という姿勢は、以前くじけた「ドジっ娘になる」の再挑戦……というわけではないんだろうな。

 ラブコメアニメだと思っていたら、いつの間にかコピー本製作アニメになっていた今回。前回はオフセットにも憧れているみたいなことを言ってたけど、結局コピー誌で落ち着いたんだね。でも、純夏さんは大して乗り気でもなかったはずなのに本気を出して50枚書いちゃうし、更にあずさも同じくらいの大作を書いてたはずだから……コピー誌はきついんじゃなかろうか。実際、エラい枚数になってましたし……いくら自宅製本とはいえ、もう少しきちんと計画した方がよかったんじゃないでしょうか。そうすればあんな悲劇も起こらなかったわけだしな。ただ、汐の買っていった本を見る限り、装丁はかなりしっかりしてましたが。

 即売会準備と合宿という2大イベントのブッキングに苦悩する純夏さん。結局義理を優先して製本作業を選択することにしたのは流石だが、作業中も心ははるか海の上。妄想内容は相変わらずの中二男子だが、実は前回あずさが妄想したのと内容がほぼ同じ。結局中二妄想だったら男子も女子も変わらないってことよね。そして挙げ句の果てに「イベント参加の約束はしていない!」と開き直り、ヤリ逃げ状態で汐を追いかける決意までしてしまう。ここまでの純夏さんの非情さは流石にひどい。「そんなことを考えながら作業するくらいなら、変な期待させずにあずさに謝れよ!」とも思ったのだが、どうもあずさの様子を見ていると、彼女が純夏に対して持つ感情はやっぱり他の面子とは違うみたい。憧れの対象はあくまで作家の作ったヴァーチャルな百合であり、純夏に対しても憧れはあるがLOVEまで至っていない、そんな感じ。そのため、純夏が完全に心ここにあらずの状態で義理立てしているだけでもあまり気にしてはいないみたい。まぁ、だからってないがしろにしていいというわけではないのだが。

 そして事件はたった1つの誤字から起こる。折ってる時には気付かないのに、いざ製本に移ろうとすると気付いてしまうこの因果。実際こういう不都合ってのはよくあることで、更にトナーが切れたり、コンビニが混んでいたりと玉突き衝突を起こすのも締め切り間際ならでは。そしてあれよあれよと転がって、最終的にはあずさの涙。ここできちんと「正しい」判断が出来るあたりが、純夏さんの格好いいところです。誤字に耐えられなかったり、渋々手伝ったのに何故か50枚の原稿を仕上げる真面目さもそうだけど、ここできちんと「ごめん風間」と言える真っ直ぐさが、彼女の最大の魅力だと思います。まぁ、直前のつまずきダイビングの際に彼女が最優先させたのがあくまで「ハプニング」だったのは内緒ですけどね。

 きちんと義理を立てればご褒美はあるもので、最後は汐からのご褒美コメント。ほんと、意識してなのかどうなのか、「小悪魔系」は言い得て妙。汐は前回まで何かもやもやしてたはずなんだけど、二人寄り添ってうたた寝をする純夏を見て何を思ったんでしょうか。

 今回もメリハリの効いた演出できっちり見せてくれる仕上がりになっており、絵日記帳で描かれた純夏の妄想、劇的なスローモーションで見せる純夏の転倒シーンからの惨事の描写、汐の告白で精も根も尽き果てた純夏の滑稽な様子など、コミカルとシリアスがコロコロ入れ替わりながらも、良い意味でアクの強い演出でがっつり引っ張られるようになっている。個人的には「飛散する飲み物(緑色の水滴が原稿に)」→「汐の見つめる車窓の外の灯り(緑色の遠景照明)」というカットのつなぎがとても印象的でした。もちろん、その後の「すみちゃんは他人の失敗を喜んだりしないわ」という汐の台詞も実にきれい。純夏さんは惚れる相手を間違っていないと思います。

 今回は妄想だけで終わってしまった水着シーンが次回ついに登場?! まぁ、正直今回披露された朋絵の水着姿は全くそそられなかったので驚いたけど。汐のわがままボディがきちんと描かれるかどうかが焦点です。そうそう、キョリちゃん、イベント会場での飲食は指定された場所でね。百合フェスってお盆前にビッグサイトであの規模の展開なのかよ。すげぇな。 

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 学祭、ライブ、キャンプファイアー。学園ラブコメ、萌えアニメの必須イベントを確実にこなしていく第10話。ライブシーンっていうとどうしても姿勢を正して見てしまうのだが、これって山本寛のせいで身についた意味のない反射なんだよな。別にみんながみんなライブだからって気合い入れて画面作ってるわけじゃない。キャンプファイアーシーンなら最近だと断然「とらドラ」だね。

 お祭り、フリマときて、今回は文化祭。なにやらお祭り好きな作品であるが、こればかりは定番なので致し方ない。「ま〜た学祭だ」と思うには思うのだが、何故か真っ先に思い出したのが「絶望先生」の「最低限文化的な文化祭」ネタだった。理由は不明。智樹の歌った乳首ソングは意外と絶妙なラインかもしれない。「イカロスの歌う歌は我々には文化的過ぎます!」とね。早見沙織は歌唱関係のキャスティングが多くて安定してるなぁ。でも、彩陽の歌とかに比べるとあんまり印象に残らないのは何でだろう。

 今回もシリアスとギャグのブレンド具合がなかなか難しい塩梅。文化祭がスタートして他校との対立構図から会長が「かっちーん」と来て村ぐるみの抗争になるまでのノリは普段の「そらおと」だが、今回馬鹿なノリで話が進むのはそこでおしまい。ライブシーンは智樹を除けば特にギャグ要素もないし(タンバリンを叩くイカロスは相変わらず可愛かったけど)、その後のラブ展開もこれまでのシナリオから導き出されるまっとうなもの。そして何より、今回はニンフが過去に経験した作中最大の鬱シーンが盛り込まれているのだ。実はこの鬱シーンだが、「そらおと」放送開始時にネット上で原作漫画の該当シーンが出回っていたもの。なるべくネタバレは見ないように気をつけてネットを巡回しているつもりなのだが、このシーンだけは事前に見てしまっていたので、覚悟が出来ていてそこまで衝撃は無かった。

 とはいえ、実際このアニメのシーンもそこまで鬱っぷりに力を入れていたわけでもなさそうだ。もちろん弱々しい笑みを浮かべながらその手を血に染めるニンフは非常に痛々しいのであるが、多分このシーンの凄惨さを本気で描写しようと思えば、もっと強烈な演出もあったはず。今回は直接手を下すシーンはもちろんのこと、それ以前の小鳥とニンフの関係性を表すシーンなども少なめに抑えられており、実際の「凄惨さ」よりは少しやさしめの描写にとどめている。つまりこれは、監督ら制作スタッフがこのアニメをどういう作品にしたいか、ということの表れなのだろう。学園祭の賑やかさや智樹の馬鹿コントの間にあのシーンを挟み込むことでショックを和らげ、今回のエピソードの「辛さ」よりは「賑やかさ」を優先させた。ラストシーンで智樹の相手を選ぶシーンも、これまでのそはらの言動を考えればもう少しどろどろした女の情念があってもおかしくないくらいのものだが、今回は流れを優先してイカロスにその座を譲っている。おそらく今後イカロスの本質を巡ってもう少し辛いエピソードも出てくるものと思われるが、このくらいの、あまりどぎつくならないレベルで抑えてくれた方が、この作品には合っている気がします。

 もちろん、それは逃げを打つ方がいいということではない。今回は「手をつなぎたい」というシンプルなイカロスの欲求が全編を覆うモチベーションになっていたわけだが、それを達成しながらも、イカロスは少しずつ「兵器」という自分の本質と向き合う方向へ進んでいる。こうした心情面に関しては、きちんと決着をつけてもらわければ作品としては成立しない。原作はまだ続いているようなのできれいな幕引きは叶うかどうか分からないが、出来ることならこの作品に相応しいハッピーエンドを見てみたいものである。

 エンジェロイドと天界のマスター、そして監視されるダウナーと呼ばれる地上の人々。一体どんな関係性があるのか、ってレベルでの結論は……多分アニメじゃ出ないんだろうな。英四郎の求める「新大陸」は見つかるんでしょうかね。そういや、今回私立高校のオケが演奏してたのもドヴォルザークの「新世界より」だった。まぁ、関係ないだろうけど。

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 コピー誌からオフセットへのレベルアップを夢見てドキドキが止まらない第9話。1人で50ページ書いてオフセ。始めにページ数なんかを決めてから創作に挑まないあたりが若さっすなぁ。

 夏も近づき、1人盛り上がり続けるあずさ。彼女の中では純夏がすっかり「百合趣味共有の文学少女」として認識されたらしく、「百合フェス」での共同執筆は既に前提となっていた模様。同じ作家のファンが見つかって嬉しいのは分かるのだが、「ファン=同人誌を一緒に作りたい人」でないことは過去の苦い経験から分かっている気はするんだけどね。いくら成績が優秀とはいえ、純夏が創作畑の人間じゃないことは知ってるだろうし。よっぽど朋絵の暴挙からの心の傷をカバーしてもらったのが嬉しかったんだろうなぁ。そんなあずさの暴走を食い止めることが出来ず、純夏は汐との謎の手旗信号で意思の疎通を図る。もう、そこまで通じ合ってるんならお互いの胸の内も通じそうなもんだけどね。ボディランゲージって便利だね。

 そして女子部の夏の計画は、萌えアニメでは定番中の定番、海への合宿計画。最初は渋っていた純夏も、朋絵のあまりに即物的な提案に秒で手のひらを返す。妄想の中身は当然「男子中学生」のソレ。いっつも思うんだけど、あんたら同性なんだから即物的な色欲の視覚面は割と簡単に埋められるだろうに。今回だって体操着(女子高生のくせにブルマ!)で掃除をしていたわけで、着替えの時に「欲求を満たす」チャンスはいくらでもあるはず。まぁ、海+水着の浪漫がそんなもので補い切れないことは分かるが、普段は割と物欲にブレーキをかけられる純夏さんがあっさり撃破されるのはちょっと意外。前回の事件以来、汐に対してのフラストレーションが溜まっているのかもしれません。

 そして、折悪しく同人誌発行計画を一人で練っていたあずさ。純夏にして見ればごく当然の「そんな約束したっけ?」も、彼女にとっては死に匹敵する残酷な一言。最近では珍しいくらいのシリアスな落ち込みっぷりに、彼女のがショックがはっきりと伝わってくる。

 まぁ、正直言うと前述のように非常に勝手な思い込みで話を進めてしまったのはあずさ自身であるし、親御さん公認で即売イベントに出られるような恵まれた(??)家庭で育っているのを見るといまいち同情しきれないところもあるのだが、今回は執拗なあずさの落ち込み描写のおかげで、何となくその落胆に飲み込まれてしまうような勢いがある。歩行者用信号を使った心情の変化描写などはストレートながらもなかなか意味深で、独特の背景美術の中をとぼとぼ歩くロングのカットなどもあずさの喪失感が妙な真実味を持って伝わってくる。このあたりの柔らかいながらも明確な心理描写が、この作品の本当の魅力だと思います。

 あとはもう、勝手に人んちに上がり込んで慰める純夏さんや、あずさにべったりの(ようにみえる)純夏さんに何故か心中がキリリと痛む汐の動揺など、相変わらず「男女」でないからこそムズかゆくて一筋縄ではいかないいつも通りのささめきワールド。あずさから純夏への好意が明確になってきたので、ある意味では非常に分かりやすい三角関係のはずなのだが、汐にも、そしてあずさにも「愛情」と「友情」の間で割り切れない思いがあるために、その関係性はなかなか一元的に解題されない。あずさの「百合感」だけが、他の面子と違って「個人への愛情」ではなく「百合であることへの憧れ」に起因しているのも物語を複雑にしている一要因だ。汐が遠慮せずにもう少しあずさと接触していれば、このような誤解は生まれなかったとは思うのだが……本当にもどかしい。

 今回も2人の眼鏡が大活躍したわけですが、あずささん、眼鏡のままで泣きじゃくってベッドに顔をこすりつけたら、確実に眼鏡が壊れます。気をつけましょう。 

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 全裸の主人公がお好み焼きを乱舞させる第9話。前回までのシリアス展開はアバンまでは引き継いだのだが、もったのはそこまで、あとは「このアニメに求められているものを思い出せ!」とばかりの低劣馬鹿のオンパレード。迷い無き姿勢は素晴らしいと思うが、この振れ幅には視聴者がついていくのが大変です。

 イカロスとニンフの小競り合いはひとまずの痛み分け。ニンフは「マスター」の下へ戻って手痛い折檻が待ち受けており、なにやらテンプレ感満載の悪党に無理矢理跪かされる。痛々しく、そして憎らしくはあるのだが、元々我々はエンジェロイドを「愛玩用」「心無きオートマトン」として見ていたせいで、この仕打ちも「ま、仕方ないかな」と思えなくもないのが困りもの。イカロスならまだしも、ニンフはまだ馴染みが薄いからなあ。例えば彼女の優先事項のシークエンスのトップにマスターがいるなら、彼が何をしようと勝手だし、ニンフはそれが本望であるはず。もちろん画面からはそうでないことは伝わってくるのだが、じゃ、彼女にとっての幸せがなんなのかと問われれば、まだ誰も分からないのだ。微妙に感情移入しづらい場面であった。

 まぁ、そんな悩みは置いておくとして、あとは普段にも増した智樹の暴走を楽しむだけである。イカロスが突然嘘つき村の住人になってしまったことをきっかけに、智樹とそはらはやさぐれてよく分からない方向へ。目的はエロDVDを目指しての資金調達ということだったが、おそらく誰もが「3000円くらいニンフに何とかしてもらえよ」とか、「その屋台はどっから持ってきた」など、様々な突っ込みを入れたに違いない。肝心のDVDも別にそんなにエロくなかったしな。見ながら見当違いの盛り上がりを見せてるニンフが一番面白かったかも。

 ただまぁ、ここしばらく2話や4話で見せたような智樹の暴走がなかったので、今回の潔い変態っぷりは見ていて安心した。1話で時を止めたり世界を制する能力をいとも容易く手にしていたにも関わらず、金がちょっと足りないだけできちんと勤労に勤しむ智樹の律儀さがまたいい。ブロマイドとかうちわのセットが200円って、良心的だしね。最終的には「智樹タワー」でオチなわけだが、さて、あそこでジャミングが解除されていなかったら彼は何がしたかったのか。変態なのは間違いないが、普通の変態とは見えているものがちょっと違うので別な意味でアウトな気がした(4話で庭にパンツを展示していたのと同じ危うさがある)。

 あとはまぁ、女性陣のがんばりですよね。だんだんボケ要素しか無くなってきたそはらは、見れば見るほど智樹とお似合いのカップルになってきている。基本的に頑張り屋の彼女だが、いきなりイカロスに絶交を突きつけられたり、誤解が解けたと思ったら一部混ざっていた傷つく一言に立ち直れなかったりと、受難が続いている。会長は……いい人だそうです。いい人ですよ。あの「新大陸」パンツはオーダーメイドとかなんでしょうかね。

 そしてイカロス。前回も話題に上げた「声」だが、やはり今回もモノローグなんかの声はこれまでと違うものだった(そもそもこれまでの作中でイカロスのモノローグは無かった気がする)。彼女なりの意志もきちんと確認出来るようになり、きちんと今後のストーリーにメリハリをつけてくれそうである。

 あと、こけし。家まで持ち帰ってきたマトリョーシカにも、一体どんな意味があるというのだろうか。  多分、無い。 

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 アブノーマル集団の中に、最後のアブノーマルが現れた第8話。落ち着いてこの作品の登場人物をまとめてみると……百合が6人、女装趣味が1人。……メインキャラでまともなのってキョリちゃんだけじゃんね。

 「君たちは人を愛するのに性別を気にするのか?」。朋絵の力業の台詞と言動のおかげで、最後の百合クラスメイト、デコメガネ蒼井あずさが覚醒する。ただ、あずさの場合は「そこにしびれる憧れるゥ!」というわけにはいかず、「秘めたる」百合に琴線が動くタイプ。手にした小説にはどうみても聖リリアン女学院のものとおぼしき制服を着た少女が描かれており、彼女の理想の百合がどういったものかはおよそ推察出来る。そして、そんな小説がつなぐあずさと純夏の奇妙な縁(とばっちりともいう)。百合のイデオロギーというあり得ないニッチな世界で、純夏、汐、朋絵にみやこ、そしてあずさという様々な思いが交錯する。

 今回株を上げたのが朋絵。冒頭の蛮行も恐ろしいまでの思い切りの良さだが、その他にも意外と気のつくところを見せてみたり、2歳年上の貫禄を見せつけてくれた。「悪い奴じゃないんだ」と純夏がフォローしているが、まぁ、悪い奴だよね(主に頭が)。それに付き添うみやこも大概ではあるが、今回は外野で賑やかしに徹していました。

 そして「Ripple」というサブタイトル通りに、緩やかに動き始めた純夏と汐の関係性。あずさの押し倒し未遂事件を目撃し、何故か駆け出し、涙を流す汐。そしてそんな彼女の姿を見て大混乱の純夏。汐にとって純夏は「親友」であるはずで、そんな彼女のどんな姿を見ても、涙を流す道理はない。ひたすら机に頭を打ち付けて苦悩する純夏と、口数少なに悩み続ける汐。想定外の感情の発露に、汐の中でも何かが動き始めているのか。「女心ってのはわっかんねーなー!」って、あなたも女子ですよ純夏さん。

 でもまぁ、そこは汐の天然スキル。今回のことは「純夏の影に男の姿を見てしまった」というよく分からない動機付けを答えと見定める。「乱暴な男、女の子を力尽くでどうにかしようとする最低の存在」と、純夏の内心を見透かしたかのようにまくし立てる汐。親友に向かって「すみちゃんはあんなことしないよね」って、あり得ない問いかけだと思うんですが、純夏さんはきっちり「あなた以外には」という的確な妄想を発動しております。「風間の心に秘められた私への思いを期待していいのかな」って、ネガティブ思考の純夏にしては思い切った妄想でございます。

 ようやく動き出した(?)2人の関係。回りにはさらなるごたごたのタネも増えてはいるが、もう百合だろうがなんだろうがオールオーケーな雰囲気も出来上がってきているので、いっそ押し倒しちゃえばいいと思うよ。 

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 コルクガトリングのあまりの破壊力に世界が震撼する第8話。コルク銃っていろんなバリエーションがあるんだなぁ。連射の効くガトリングタイプは是非とも手に入れて乱射してみたいなぁ。……後片付けが大変だろうけど。

 今回のエピソードは要素ごとに分けると大きく3つ。シリアス展開に向かうのはあまり好ましくないとは言っていたのだが、今回のエピソードは前回よりもずっと面白かったので悪くないと思い直している。

 1つ目の要素は、智樹が相変わらず巻き添えを食らい続けるお祭りパート。祭り→バトルロワイヤル→商店街のワイルドセブンという吹っ切れた馬鹿なノリはいつもの「そらおと」。「公民館のバアちゃん」っていう役職が智樹とどういう繋がりを持っているのかはよく分からないが、金に目がくらんだ商店街の活気溢れる銃撃戦はなかなか愉快である。ごく自然にスナイパー合戦からゼロ距離銃撃戦までを繰り広げる英四郎と会長のハイスペックにはもう突っ込んではいけないのかもしれない。ゼロ距離銃撃戦は、お互いに二丁拳銃を携えながら、一歩も譲らない白熱のパート。画面が暗いので少々見栄えがしなかったのは残念だが、現実ではあり得ない画面だけに、これがなかなか面白い。以前もどこかでこういうシチュエーションって見たことあるな〜と思ったのだが、何故か思い出したのは「グレネーダー」だった。もっと他にあるだろ、俺。

 2つ目の要素は、そんな銃撃戦に触発された暴走そはらのヤンデレ妄想。あれだけ智樹のことを軽蔑しながらも、最近はすっかり脳内ピンク色のそはら。彼女の妄想では一千万もかけて温泉旅行にいくわけだが、何故か行く先々での智樹は全部デフォルメ。男としての智樹ではなく、手のかかる幼なじみとしての智樹の方が好きなんだろうか。智樹がいい奴なのは分かるのだが、基本バカで駄目なやつなので、あそこまで盲目的に愛されているのを見ると、やっぱりヤンデレという言葉がしっくり来る。ぶっ飛び具合では今回はそはらがMVP。

 そして3つ目の要素は、今回のシリアスパートの見どころであるイカロスの覚醒。これまでも何度か覚醒しかけたことはあったが、結局追跡者であるニンフの手によって強制的にメモリーをこじ開けられてしまった。「兵器」としての存在と、それに上書きされた愛玩用の機体。記憶を蘇らせたイカロスが初めて発した感情のこもった声には鳥肌が立つような迫力がある。これまで7話も見せられてイカロスの「普通の声」には馴染んでいるつもりだったが、あれはあくまで記憶を失ったうつろなイカロス。今回目覚めた後の彼女が、本当の姿であるということがひしひしと伝わってくる。

 最終的にはニンフの目論見は失敗し、イカロスは自らの力で衝動を押しとどめ、何とか兵器への脱却を回避。しかし、そこに蘇った記憶は抗いようもなく、ただ涙が溢れるばかり。ラストシーンで智樹にしなだれかかる彼女の「声」も、これまでとは違って、生気を宿した新たなイカロスだった。

 実を言うと、今回観ながらずっと「ニンフはエラい悪そうなこと言ってるのに、何でいままでなあなあで遊んでたんだろう」という疑問は残り続けていた。一応お祭り騒ぎのガトリング乱射がニンフに行動を起こさせるための契機になっていたようだが、結局はお遊びからの延長で、やってることは今までのエピソードと変わらない。何を思ってニンフは今回動いたのか。もしくは何を狙って今まで大人しくしていたのか。そのあたりが分からないので、どうにも今回の展開は急な気がしてしまう。

 ただ、そんな疑問も、イカロスの覚醒からのやりとりのおかげでうやむやでもいい気がしてきた。「兵器としての自我」というのは「最終兵器彼女」など様々な作品で描かれているモチーフではあるが、イカロスのそれも実にシンプルながら、それなりに説得力のあるものに仕上がっている。特に前述した通りに「声の変化」というのが実に印象的で、早見沙織には今回初めて感心させられた。

 ついでに褒めておくと、そはら役の美名も、今回ヤンデレぶっとびそはらを愉快に演じてくれていて高評価。ただ、笑いや叫びなどで今回感情を露わにしたニンフ役の野水伊織については、まだ要精進、といったところか。まぁ、難しい役どころですわな。

 若手声優がこうして成長していく姿を見るのも、また楽しいもんです。 

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 全く混乱が収まる気配のないこの作品に、さらなる変態が投下されるカオス真っ盛りの第7話。ショタのような、ロリなような、妹萌えなような、そうでもないような……万奈歌、恐ろしい子!

 というわけで今回のメインは朱宮兄妹。この期に及んで汐に出番が無いとかいうのは問題な気もするのだが、この作品においては、誰もが主人公クラスの破壊力を持っているので、視点が移っても全くストーリーが大人しくならない。今回初めてスポットが当たった朱宮妹だったが、アバンから最後にいたるまで、全くトーンダウンすることなくその変態っぷりを貫き通す姿勢には、畏怖を越えて敬意すら感じてしまう。

 よし、ややこしいので整理をしよう。万奈歌が朱宮君をいじっているのは、親愛の情からだ。一応モデル稼業にはある程度の稼ぎもあるだろうから営利目的も含まれているのだろうが、アバンで展開された押し倒し劇などを見ている限りでは、駄目なお兄ちゃんの性差を通り越した魅力に参っているのは、基本的に万奈歌の方だ。あのベッドの上のシーンからは確実に年齢制限ありの分岐もあったと思うのだが、万奈歌の場合はギリギリ放送コード内でとどまるレベルの変態ということか。ただ、ややこしいのはこの「親愛」がセクシャル過ぎて、しかもどちらの性に対するものなのかが分からないということだ。兄として好いてくれている部分もあるのだろうが、鼻血の量からするとどうもアケミちゃんに対するリビドーが上回っている気がする。で、当然万奈歌は女の子なわけで……え、ここも百合? インセストで、百合? でもショタ? ……訳が分かりません。

 狙われる朱宮君自身は本当に「暖かい兄の目線」なので首尾一貫しているのだが、妹の仕打ちを明らかに喜んで享受しているのが問題。臆面もなくショップ店員とトーク出来たり、試着室でさらりと「僕は気にしません」と言えるくそ度胸は、普段の彼からは想像も出来ないものであるが……やっぱりあっちが本当の彼なんだろうか。「妹はそのうち兄から離れていってしまうから」っていう理由でわがままを聞いてやっているようだが、その妹さんはあなたを兄だとは思っていないように見受けられます。っつうか、いっぺん離れてみた方がいい気もします。結局、本人も楽しんでるってのが一番の問題なんだろうな。憧れの対象であった村雨さんとのデートなんて一大イベントなのに、本当に「女友達と遊びに行く女の子」になってしまっているのは役得なのか、致命傷なのか。

 そして、今回は(今回も?)完璧に被害者に回っている我等が純夏さん。いきなり見知らぬ幼女に詰め寄られながらも冷静な引き突っ込みは冴え渡り、「ふったでしょ!」の答えが「あぁ〜、ふったな〜」って。本当に異性に対しては欠片もセンサーが反応しないんですね。朱宮君もよくそんな針のむしろみたいな状況に耐えられるもんだ。

 しかし、映画館経由でファミレスに行ったあたりで流石の純夏さんもじわじわ浸食されていく。ぶっかけ+ペロリで反応してしまう純夏さんって……完全に男目線じゃん。いいのかおっさん。謎の三連星に絡まれるイベントも、以前は「可愛い」と言われただけで舞い上がっていたのに今回はドン引きしてるだけだったし……もう、今回は完全に女性性は放棄してましたな。この作品世界では一番乙女なのにね(流石に今回の朱宮君に勝てるかどうかは微妙だけど)。

 もう、何がノーマルで何が変態かを考えるのも馬鹿馬鹿しいようなノンストップカオス。それでもなぜかキャラクターたちの心情が「純愛」っぽいテイストなのがこの作品の最も根深い部分で、見せるべきシーンはきちんと間尺をとって雰囲気を出しているのが恐ろしいところ。ガチ百合に男の娘に近親フェチ。何が集まっても、あくまで世界は「ささめき」ことだ。今回は露骨なパロディがちょっと鼻についたけど、基本路線は「密かな恋心」ですからね!

 もう、ずっとこのままの世界でいいや。 

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Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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↑越えられない壁
沢城みゆき 斎藤千和 
中原麻衣  田中理恵  
渡辺明乃 能登麻美子
佐藤利奈  佐藤聡美
高垣彩陽   悠木碧
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