終わっちゃったな……最終話。まぁ、ラスト1話でまとめるならこれくらいの流れになるんだろうな、という覚悟はあったわけだが、思いの外あっさりと片付いてしまいました。出来ればもう1話欲しかったところかなぁ。
想像以上に強かった、なんか分からん「ラスボス」。その力は天草など比べものにならないレベルで、ダルタニアンと義仙は「どっかにぶっ飛ばされた」という。更に各機撃墜任務に当たった幸村・千姫軍団もぶっとい触手でガンガン殺戮。ラストの台詞を聞く限りでは、どうやらマジで殺していたらしい。なるほど、サムライブライドの生成には「命に関わる気のやりとり」が必要だったわけだが、既に死んでしまった人間が集まるならば問題無いということだったのか……うそォ。せっかく今期のエピソードでじっくり数を増やし続けたマスターサムライ達が、まるで備蓄食糧のようにガツガツ消費されていく姿は、実にあっけなく、物足りなさを感じさせてしまう。一応、個々のバトルと散り様はきちんと描かれており、千姫を守って犠牲になる半蔵の献身的な姿や、最後まで抗った幸村・又兵衛コンビの奮戦など、いかにもラストバトルっぽい見どころは多い。互いに思いあう兼続と佐助の獣コンビの友情も、初めて見られた良いシーンである。
しかし、いくら気合いで乗り越えようとも、敵の強さは圧倒的。味方陣営は次々と飲み込まれて残されたのは宗朗と十兵衛のみ。そしてこの2人も割とあっさりとワンパンでのされてしまう。結界破壊もとんとん拍子で進み、最後の最後は嘉彦自ら出陣して防衛に当たるところまで行く。まぁ、嘉彦も戦力としてはものすごく大きいわけで、もう少しもったいぶらずに最初から出てきてくれれば戦局も作りやすかったんじゃないか、という気もするのだが、司令官ポジションは簡単に動くわけにもいかないからな。ラスト数分、もう駄目かと思われたところで、胤舜の最後の願いを受け取った十兵衛が覚醒。これに宗朗も続き、ラスボス体内で「殺された」仲間達と合流、めでたくノリと勢いでサムライブライドが覚醒するに至った。まぁ、細かい説明はいいじゃない。とにかくしぶとい連中が、ピンチになったからスーパーサイヤ人理論で目覚めたんだよ。きっと。あそこまでの窮地じゃないと、他の連中も十兵衛に力を注いで団結しようとは思わなかっただろうし。
最終回最大の見せ場である「剣妃」、サムライブライドの誕生。この作品ならやるかもしれないと思っていたが、衣装のコンセプト、そして攻撃方法に至るまで、マジもんの「花嫁」である。「お二人の初めての共同作業です、それでは、入刀!」(ラスボスザクー)。なんだろう、あの攻撃で昇天させられた又右衛門と小次郎が凄く不憫に見える……二人とも、既に邪悪な意志に操られているという事実に辟易していただろうし、安らかに眠れるようになるのだったらそれは「救い」なのだろうが、あまりにもあっさりしてたので「それでええんかい」という散り方。せめてもう1シーン欲しかった。胤舜は自らの意志を貫いて最後の最後に十兵衛との友情を確認出来たのでそれなりの扱いだし、武蔵も(今までのプロセスはなんだったんや、という気もするが)一応ラストにもう1度十兵衛と剣を交えることが出来たのだからギリギリ良かったと思うことにする。いやぁ、でもやっぱりあっさりしすぎたなぁ。武蔵はもうワンシーンくらい丁寧に十兵衛と別れを惜しむシーンがあっても良かったはずだ。ただ、今週はただでさえ駆け足だったわけで、削れるシーンもない。……やっぱりもう1話欲しかったなぁ。
最後に何故か佐助が美味しいところ(?)を持っていっての幕引き。これってひょっとして、「鎮護石はまだ安定してない状態なので、充分3期やれるで」っていうことなんでしょうかね。今回完全に置いてけぼりだった義仙の存在もあるし、一度は平定したと思われたこのタイミングで、再び天草の侵攻、っていうのが良い3期の流れかもしれない。その時には、何らかの陰陽道的なものでダークサムライ4人との共闘が見られればパーフェクト。ちょいと消化不良ぎみなので、なんとかそういう企画が通らないもんですかね。あ、でも史上2本目の「しゅが美がラスボス」作品だったので、それはそれで満足したいと思います(ちなみに1本目は「K」である。「三鼎」も一応そう言えなくもないけどさ)。
PR