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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 オープニングもついたぞ、第3話。椎名林檎+林原めぐみで何とも不思議な感覚に陥る曲なのだが、映像がついてつらつらと流れているのを見ると、不思議とこの作品にあっているような気もしてくる。何とも艶っぽい演目である。

 さて、菊比古の思いは色々とありながら、時代は確実に進んでいく。本人によるナレーションで進行していることからも分かる通り、本作はあくまでも八雲の視点から見た世界の切り取り方。全ての事象を漏らさずに描いているわけではない。しかし、そのおかげで彼の世界の見え方というのがよく分かるようになっており、その中でも特に重要なのが、「菊比古と初太郎」、そして「菊比古と落語」という2つの関係性だ。「水と油」と称していた初太郎との関係は、生活の質の違いによってある意味ではますます溝が深くもなっていく。学を積ませなければならないという師匠の気遣いも、芸の道に進みたい者にとっては良し悪しだ。次第に実力でも水をあけられるのを黙って見ているのは、そりゃ気持ちの良いものではないだろう。元々天賦の才もあった初太郎は場数を踏んで確実に実力を付けていくが、菊比古の方はなかなか芸の道も見えずに苦しむばかり。そんな状況で初太郎を見ていて、やっかみが先に立つのは仕方ないところ。

 しかし、それでも決して関係性が悪くなるだけではないのがこの2人の面白いところ。元々兄弟同然の付き合いをしており、一つ屋根の下で苦楽をともにした仲である。そして、本人がどれだけ意識的なのかは定かでないが、初太郎は「ぼん」と呼んで菊比古のことを可愛がってもくれる。同じ芸の道を志す者としての仲間意識は強く、菊比古の芸が良くなるためのアドバイスもくれるのだ(まぁ、それが上を行くものの余裕ととられたらそうなのかもしれないが)。そして何より、彼の芸は純粋に楽しい。それが菊比古にとっては大きな救いになっていたはず。彼のアドバイス、というか「女抱きてぇなぁ」という単なる欲望の吐露を受けて、菊比古の方も積極的に女性にアタックをしてみる。お千代ちゃんは素直に可愛い子である。この関係性の中で何かが芽生えたということは無かったのかもしれないが、将来的に八雲が身につける噺の中身を考えるに、女性関係でもなんでも社会の物事を知るための窓口を広げた経験は何よりも糧になっただろうし、それ以上に、彼の精神性を変えるのに大きな役割を果たしたことだろう。

 そして、戦争という避けようのない悲劇によって隔たれてしまう2人。菊比古は師匠や初太郎と別れることに加えて、落語そのものからも切り離されてしまうことになり、そこでついに、自分がこの道に入ってきて楽しかったのだということをはっきりと認識する。それ以前にも「元々芸の道は嫌いではない」と言っていたし、進んで三味をとって演奏してみたり、この世界にいることに満足感のあった菊比古は、自分の生きる道がこの芸の世界にあることをはっきりと認識するに至ったのである。結局、師匠とともに危険な前線へと送り出されることは無かったが、落語と切り離され、見知った世間と隔絶した数年間の中で、彼は胸の内にある感情を静かに、しかし確実に燃え上がらせていくことになる。この間に積んだ人生経験は、初太郎が戦地で暮らした数年間とどのような差を生むものなのか。

 「初太郎との関係性」で今回の見どころというと、まずは寝物語代わりの「あくび指南」が挙げられるだろうか。ここで「あくび指南」っていうあたりが流石で、聞いてたら「眠くなっちまわぁ」ってのがこの噺のオチ。とはいえどう考えても子守歌に向くような噺ではないはずなのに、菊比古はすんなりと寝てしまう。それだけに、彼がいつの間にか初太郎に、そして落語に身を寄せていたことが分かるというもの。そして、初太郎が復員し、夕日の中で抱擁を交わすシーン。2話の描写に引き続き、やはり日の光が菊比古の顔を照らしているのが興味深い。初太郎は夕日を背にしての帰還であるから、浅黒い肌がより薄暗く見えて、菊比古の白い肌との対比が著しい。この2人の生き様は常にこうして対比される。ただ、これが寄席の中だとそうもならずに、「黄金餅」をそらんじながら菊比古の首を鷲づかみにしている初太郎のシーンでは、2人とも同じように目を輝かせ、菊比古が何ともいえず良い笑顔を浮かべていたのが印象的であった。

 さて、こうしてまったく違った人生を歩んでいる2人の男たちであるが……次回はついに、林原めぐみボイスの謎の女性、みよ吉が登場。彼女の存在が、2人の男にどんな影響を与えていくのか……まだまだ波乱が続きそう。この緊迫感はどこまで続くのでしょう。

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