7月1日 ドラフト模様(SOI×3)
ピック順 【Serra】→【Alessi】→【Sea-chicken】→【Thraxi】→【Mei】→【Sangriter】→
なんと、6人戦のイニストラードは実に一ヶ月ぶり。その間にアイツは一体どれだけの経験値を積み、どれだけの高みへ行ってしまったのか。今回を含めてあとわずか3回というこの環境、我々の戦況は少しでも揺るがすことが出来るのか……。
え? あと3回しかないの? そして、話聞いてて分かったけど、異界月環境って試合数めっちゃ少ないの? 異界月の発売が7/22で、次のカラディシュの発売日が9/30。純粋に金曜日の数だけカウントすると10回こっきり。間にお盆休みとか挟むから多分それより2,3回は少なくなりそうだ。……あのー、僕すでに3箱予約してるんですが。9試合分なんですが。…………シールド戦とか、ダブドラとか、何とかなるやろ。
どうでもいい業務連絡。帰宅後に気付いたので間違ってたら申し訳ないが、今回金払ってない人いない? もし心当たりがある人がいて、来週まで覚えてたら払ってくれ。
AL SE TH SA ME CH
AL ー × × × ○ ○ 2ー3 5 ○○
SE ◎ ー ○ ◎ × ◎ 4ー1 1 ○
TH ◎ × ー × ○ × 2ー3 4 ○○
SA ◎ × ○ ー × ○ 3ー2 3 ○
ME × ○ × ○ ー ◎ 3ー2 2
CH × × ○ × × ー 1ー4 6
1位 【Serra】 赤黒 <戦場に向かう者、オリヴィア 村の伝書士 血統の呼び出し>
ようやく、本当にようやく現れた、遅れてきた「4人目」。これまでは6人戦と言いながらも、全8試合の優勝回数のうちわけが上から4.2.2.0.0,0。ダントツ1名とそれに追いすがる中位2名、その他3名という構図だったのだ。しかし、シーズンが終わる前に何とか名乗りを上げることが出来たのがこちらのデッキ。ようやく結実した夢の吸血鬼マッドネスがここにある。ピック中にも話題になっていたが、ここまで緑1強と言われている時代に、何故のうのうとヤツが毎試合緑を使って優勝をかっさらっていくのを見過ごしていたかといえば、我々の中には夢を追う人間が多く存在しているからである。単に勝つだけが目的ではないのだ。美しく勝つ、自分らしく勝つ。そんなこだわりに固執するが故に、ピックが意固地になり、ヌルッと美味しいところだけをかっさらうヤツに負け続ける。分かっちゃいるがこればかりは目的意識の違いなのだ。そして、いつも通りに分の悪い博打に全身全霊を賭け、ようやく成就したのがこちら。「神出鬼没な拷問者」流しの「オリヴィア」という鬼のようなスタートながら、おそらく「拷問者」を流した意識からより一層下に対して吸血鬼を絞ろうという意識が働いたのだろう。もう、他のカードなど一切見ない吸血鬼ピック。どう考えてもこの環境では「間違ってる」方のピックだし、これまではその夢が届かずに負けていた。しかし、今回はついに届いた。他に吸血鬼狙いの人間はおらず、赤が独占色で恩恵が一気に押し寄せた。「甘やかす貴種」→「オリヴィアの血誓い」→「オリヴィア」→「ヴォルダーレンの決闘者」という怒涛のビートはまさにヴォルダーレン家の総力戦。そりゃ彼女だって「仮面舞踏会」を開いてウキウキ踊り出すのもしょうがない。「血統の呼び出し」で「マウアー地所の双子」×3にも声が届こうというものだ。これだけのカードを数少ないパックから集め切れたのが捨て鉢な色主張ピックからだったと考えれば、あながち間違いも間違いとは言えない。こうして何度かに一回、ドがつくハマリ方を見せてデッキを回せれば、それはそれで大願が成就したといえるのではなかろうか。
2位 【Mei】 白黒 <月銀の拘束 アヴァシン教の宣教師 忘れられていた家宝>
時代……来てますかね?(小声) 残念ながら一歩届かずに未だ「その他」側の人間。勝ちたい遠吠えだけが空しく響くが、残る2回でこれが神に届けばいいのだが。まぁ、今イニストラードにろくな「神」はいませんけどね。今回のデッキの色は白黒だが、今環境の中でもトップレベルに色の方向性が見えにくい組み合わせなので、相変わらず何のデッキとは言いにくい陣容。白が肉を並べ、黒は「歯牙収集家」×2とか除去でサポートしていく流れ。強いて言うなら「何となく装備品な白ビート」かな。「アヴァシン教の宣教師」と「忘れられていた家宝」とか、「ガラスの欠片」から繋げて怒涛の昂揚「月銀の魂刈り」とか、色々とやれることはあるのだが、肝心の優勝者には勝ちながら他のマッチアップで星を取りこぼして残念な結果に。でもまぁ、あと一歩だ。これまで最高順位で3位だったが、ここ2戦は2位に付けてるわけだし。残り2戦でどれだけ目の色を変えて挑んで来るかが見ものである。
3位 【Sangriter】 白青 <永遠の見守り ドラグスコルの騎兵 不屈の聖戦士>
「うわー、2敗してもうた。勝率下がって残念やわー」「イチローか!」なんてやりとりがあった気に入らないこん畜生。事実なのでしょうがないんだけども。今回は(まぁ、いつもながら)ピック開始時に「緑包囲網」の形成が宣言され、ここに緑を流さない空気が産まれた。もちろん、そんな談合はルール上禁止されているので実際はみんなして自分のことしか考えてないわけだが、結果的には上3人が全部緑になっており、流石に今回は緑に入っていく隙は無かった。9試合目にして、初めてのノングリーンデッキである。しかし、そういう試合の時にもしれっと「永遠の見守り」なんてパックを開け、さっさと緑の次に肉を用意出来る白へと退避。緑連中が躍起になっているところでのんびりと白の陣容を確保し、いつも通りに肉の条件を満たしている。とにかく「永遠の見守り」の強さが尋常じゃないこと、それに加えて「グリフの加護」「倒し霊」などでやたら突破力があることなど、やっぱりこの世界は殴ってナンボだよ。サブカラーが青になったのは意外だったが、こちらも「溺墓の探検者」や「縫合の刻み獣」なのでブレは一切無い。分かってりゃこれくらいのデッキはすんなり組めるって事なのかね……。今回一番のサプライズは、「オンラインだとさっさとピックしてしまうから制限時間とかよく覚えてない」という事実。リアルピックだと時間制限無しで延々悩んでいたのは一体……。
4位 【Thraxi】 青緑 <群れの守護獣 驚恐の目覚め 溺墓の探検者>
上の方でも書いたが、我々の中には夢を追う人が「たくさん」存在しているのである。そう、勝ち負けとか、そういう以前にやりたいことがある人間がいるんですよ。僕です。いや、でもこれって別に勝ち負け度外視の捨て身戦術ってわけではないんですよ。他人が行かない戦術ってのは、それだけピックがしやすいってことなので、立派な生き残り戦術なんです。僕のデッキが他人と軸のズレたピックで強くなり、他の人もライバルが減ってデッキが強くなる。そうして、みんなが幸せになる世界のために、僕は今日も変な方向にねじ曲がるのです。今回、1引きで緑から「群れの守護獣」を引いたのは緑包囲網を意識しなかったわけじゃないが、単純にそれが1番強いカードだったから。そこから「ガツタフの放火魔」に続けて赤緑方向かな、と思ったら、楽しそうな「熱病の幻視」が流れてくるじゃないですか。この時点で、僕は開けたパックから「証拠の痕跡」を流してること、そしておそらく戻ってくることを知ってるわけです。当然、青赤は次善のデッキプランとしてキープしようと思いますよね。さらに、5引きのパックで世界に2枚目の「証拠の痕跡」。そういやさっき「束の間の記憶」も流してた。もう、ここまで来たらデッキが完成したようなもんじゃないですか。理想は青赤系からのライブラリアタックです。しかし、実際には赤のカードがほぼ無いような状態で、無視できない緑のカードがちょこちょこと。仕方ないのでインスタント・ソーサリーに完全に寄せるのは諦め、緑のクリーチャーで低マナ域をごまかし、「証拠の痕跡」×3「束の間の記憶」×2を何とか置くところまで堪えるデッキメイク。「存在の否定」×3で中盤まで無事なら戦況にふたが出来るっていうのが理想形で、そのために序盤を凌ぐ「針毛狼」×2「偏執的な皮剥ぎ人」×2「黴墓のゴミあさり」と緑の2マナ域はやたら充実した。ちょいと紛れがあるデザインなので青赤ほど一貫して展開は出来ないが、狙いは大体合ってたと思う。いかんせん、3ターン目にどうしてもエンチャントを置かなきゃいけないので、その隙が最大の弱点。もちろん、1ターン目に「町のゴシップ屋」とか置かれるとそれはそれで駄目だし、一切手出し出来ない「十三恐怖症」に殺されるなんて劇的な展開も。それでもまぁ、2人は殺せたし、負けたマッチでも3戦目まではもつれ込んでるわけで、ポテンシャルは高かったと思うんだけどね。エンチャントを全部置ききると、インスタント1個唱えただけで18枚ライブラリが削れるっていう。タノシカッタデスヨ。
5位 【Alessi】 緑青 <孤独な狩人 縫合の刻み獣 狂気の一咬み>
2つ続けて青緑のデッキであるが、そのスタンスは当然正反対。こちらはフツーに「孤独な狩人」や「内陸の木こり」に「群れの守護獣」、そして時に「ウルヴェンワルドのハイドラ」なんかを並べてビートをたたき込むデッキ。青からは「縫合の刻み獣」、「鎖鳴らし」、「嵐乗りの精霊」なんかが参戦し、ファッティを「かそけき翼」が後押しするデザイン。まぁ、ぶっちゃけあんまりこの世界の青緑の勝ち筋ではないのでそこまでデッキデザインが上手くいったとはいえず、それでも2つ勝ったということは「何となく肉を並べて叩けばそれなりに勝てる」を体現したデッキということだろう。個人的には、上述したように上家から投げられた「神出鬼没な拷問者」という特大のトラップに惑わされずによくピック出来たな、っていう感心の方がでかいけども。あれダブルシンボルだからなぁ。今週得られた教訓は「壌土のドライアドめっちゃ強い」だそうです。
6位 【Sea-chicken】 黒緑 <銀毛の援護者 ラムホルトの平和主義者 過ぎ去った季節>
こちらもまだまだ結果を伴いません。っていうかどんどん悪くなってるまである。今回のデッキは、確かに「負ける」デッキである。1引き「銀毛の援護者」から揚々とスタートし、1パック目時点で「ラムホルトの平和主義者」4引きならそこそこ期待は持てそうだし、「針毛の狼」もすでに2枚。しかし、変な方向に曲がってしまった下家が逆回りのタイミングで「針毛の狼」2枚を引っこ抜き、2パック目中盤はほぼ収穫が無いという状態に。2色目は黒なのだが、「遠沼の猟犬」が大量投入されていたり、決して望んだ2色目にはなっていない。結局、「援護者」やら「ウルリッチの同族」で虎視眈々と待っていた狼・狼男を上家下家に絞りつくされ、人狼デッキのプランが瓦解。助けを求めた黒も特に昂揚デッキに回るというわけでもなく、厳しい台所事情を衆目に晒す結果になってしまっている。今回は緑の狼があまりに多く登場したためにそのあたりでぶつかる人間が産まれてしまい、逆に赤の人狼はほぼ皆無、「既決殺人犯」の1人も出てこないという状態なので赤を断念せざるを得なかったのが辛い。まぁ、俺は負けてるんですけどね……「証拠の痕跡」をいきなり根から絶たれた恨みは忘れへんからな(1戦目で戦った相手の「永遠の見守り」に対するサイドボードだった模様)。
今回のピック表
【Serra】(赤黒)→【Alessi】(緑青)→【Sea-chicken】(緑黒)
↑ ↓
【Mei】(白黒) ←【Sangriter】(白青)←【Thraxi】(青緑)
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