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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 パイプ椅子が似合う異界人なんておらんやろ、と思ったけど割といるな、第3話。とりあえずケロン星人おすすめ。

 押し寄せる情報。とにかくあらゆるものが「未知」の状態からスタートする設定なので、我々視聴者も作中の交渉官同様、下手したらそれ以上に「思考と共感」が求められる作品である。本当に、ザシュニナの発する一言一言が重みを持ち、何が起こっているのかと想像するだけでも楽しい。ぶっちゃけると私はSFというものに一切の免疫が無いので今作がどれほど新奇なのかは定かでないのだが、ザシュニナの持ち出す概念がいちいちハッとするような真理を伝えているようで、本当にドキドキする。なるほど、SFファンの心理ってのはこういう「未知を夢想する楽しさ」から来ているのかもしれない。

 もう、考察なんて出来ないから単に出てきた情報のまとめになってしまうが、一応、個人的に興味が強い部分を記述しておこう。何と言っても今回目を引いたのは、ザシュニナのこだわる「情報の確度」という部分である。先週の段階で、ザシュニナは真道とのコンタクトに成功したわけだが、そこにいたるまでは幾らかの紆余曲折があった。これは単純に「どうコンタクトして良いか分からないから」だと思っていたのだが、どうやら「もっとも確実に情報が伝わる方法」を1から試していたせいらしい。彼は、「異方」は、言語を用いない。これは人類の言語哲学でもすでに論じられている問題ではあるが、言語とはあくまで音を象徴とした対応関係に成り立つものであり、そこには一定の信頼関係が必要になる。信頼とは、知識の共有、そして意志の共有。しかし、初対面の存在を相手に、言語の持つ力のなんと不確かなことか。記号による認識方法は、その「モノ」を知らなければどうしようもないわけで、我々は異方について何一つ知らず、それを理解する手段を持たない。脆弱な言語という道具に対し、ザシュニナが必要以上に警戒心を持つのはしょうがないことだろう。

 しかし、どうしたって言語によるコミュニケーションは必要になる。そこで採用された画期的な疎通手段が、真道という「交渉役」を媒介した伝達だった。「伝言ゲーム」のたとえでいうならば真道を経由した情報は更に確度を落とすことになるだろうが、それでもヒトの理解力を感覚的に把握し、適切な伝達法を考慮出来るのは真道の特権だ。ひょっとしたら、最初のブレインショックの時にある程度異方側の情報も手に入れた可能性もあり、中間に立つ人間としては最良の選択肢であった(まぁ、駄目だったらまた別な代表者を立てるだけなのだろうが)。カドを代表するザシュニナという「個体」、そしてそれをある程度理解し、伝えようという意志を最大限にくみ取る翻訳装置である真道。この2つが合わさって、ようやく、人類と異方の対談が可能になったのだ。

 あとは、もっとも興味深い「ザシュニナの正体」についてのお話。結局全ては何か既知の言葉に代替するしかないわけだが、とにかくザシュニナは「宇宙の外」におり、この「外」は「高次元」と捉えるのがもっとも現実に即しており、たかだか3次元程度の我々の知る宇宙の全てに隣接するという。境界を結ぶ機能を持つ「カド」により異方と宇宙は辛うじて接続し、「あちら側」を垣間見る事が出来るようになった。そこには全く想像もつかないような現象が転がっており、その1つが、試しに取り出した「ワム」と呼ばれる無限電力である。何故ザシュニナが「電力」という端的な要素で異方の異質さを訴えたのかは謎であるが、まぁ、手っ取り早く超越的な要素を伝えるにはエネルギーという根源的な「力」を用いるのが楽だという判断だろうか。まさか単にこれを置いていくことが目的でもなかろうし。

 その他、日本に現れた理由には「共感によるベクトル」に代替されたユノクルという力の存在が説明された。正直、「日本語って割と事実の伝達に向かない言語のような気がするんだけど、なんでよりによって日本に……」と思ったが、なるほどそういうことなら仕方ない。まぁ、裕福な国というだけなら他にも候補はあったのだろうが、ユノクルの保有量が安定していたと言われれば多分そうなのだろう(これは決して日本人が慈愛を持っているとか、多国民よりも優しいとか、そういう尊卑の問題ではない。何しろ、ユノクルの説明だって正確に伝えられたものではないのだから)。

 興味深いのは、こうして「マジで何も分からない」という相手に対して接するとき、至極当然と思われている事象すらも、実は我々の思い込みからなっているということが分かることである。今回、ザシュニナが会談の一般公開を希望したわけだが、あちら側からしたら「なるべく多くの対象に正確な情報伝達を行いたい」のだから当然のこと。しかし、こうしてトップ(?)が対談するというと、何故か秘密裏に行われるのが普通だという認識があり、人々は驚くのである。言われてみれば、相手に害意があるのか、友好の意図があるのか、上なのか下なのか、それすら分からない状態なら、人類はみな平等に彼らに接する権利はあるのだよな。女性交渉官の徭さん(ツカイさんと読む)はザシュニナを「自然現象のようなもの」と形容していたが、まさにそうだ。突然襲ってきた地震や台風の情報を国民に秘匿する政府は駄目だわな。

 とにかく何もかもが謎のままで進み続ける「交渉」。未だザシュニナの目的は分からない。そもそも、彼に(彼らに?)「目的」があるのか、何らかの「動機」があるのかも分からない。本当にただホイとワムだけを置いていかれても困るが、ザシュニナは「進歩」という言葉を人類に向けて口にした。彼は、人類に、宇宙に何を望んでいるのだろう。そして、人類は何をもって応えるべきなのだろう。「正解」はまだまだ見えない。

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