○「百錬の覇王と聖約の戦乙女」 4
う〜ん、むにゃむにゃ、もう食べられないよう……いや、マジ無理……食べられない……無理…………無理だっつってんだろうが!!
というわけで、飽食の時代にさらに喉奥に押し込まれる異世界転生。厳密にいえば今期は「奴隷」と「オバロ」がかぶるだけだから3本目程度だが、それでもまぁ、飽き飽きなのは言わずもがなだろう。そして今作はそんな中でも随分と「匂いのする」……なぁ……。何が怖いって、俺、多分これの原作コミカライズの1巻を読んだ気がするんだよね。例によって漫画喫茶つまみ食いチャレンジの一環として(大量にあるので異世界転生は意外と手に取りやすい)。ただ、正直いうと「読んだ気がする」けど、それがこの作品だったのかどうかすら定かでないというところ……だって、似たような展開なんていくらでもあるだろ? 今作を今作だと断定する材料って、どこにあるんだろう……もうこれ、わかんねぇな。
まぁ、未読だろうが既読だろうが「既視感」に大差ないので問題じゃないだろう。そして、既視感を上塗りするような新鮮さは時に見出せないということである。本作が他の作品と違うところは、スタートが転生(転送)時ではないところだろうか。たいていの異世界ものは「どうやって飛んできたのか、飛んできた後にどう対処したのか」から始まるものだが、今作は「どういう因果か」というとんでもない一言で「国を手に入れました」までの経緯を大胆にカット。名軍師(??)として戦を先導するところから物語がスタートしている。これによってどんなことが起こるかというと、「理由も成果もよく分からないけど、とにかく主人公がチートらしいことが示される」というあまりに大胆な描き方が可能になるのである。よくこの手の作品だと「主人公が超優秀だったりするのに作者がボンクラだと格好良くしようとするシーンがどんどん情けなくなる」という現象があり、俗にいう包囲殲滅陣問題が起こってしまう(そんな名称があるかどうかは知らんが)。しかし、その部分を大胆にカットしてしまえば、細かな齟齬などに突っ込まれる心配もなく、主人公のチートを世に知らしめることができるのである!!
納得するわけないやんけ。スマホ情報だけで天下が取れるなら、もう世界はグーグルに支配されとるわ(まぁ、実際そうかもしらんが)。結局よく分からない設定のままで有り余るオレツエーを見せつけられ、溜まったフラストレーションは可愛い女の子で処理してくださいね、とハーレムを押し付けられる。今期はどこぞの魔王がそんなハーレムを中心に据えてエロゲと異世界の間を突き進んでいるが、本作はどうやらそこに主眼があるわけではなく、突然主人公がよく分からない義憤に切れて重みのない言葉で周りをドン引きさせるなど、いいところがない。まー、この設定で何か期待する方がおかしいわな。
現時点では自然消滅作品の筆頭候補と言えるわけだが、残り数話で何かホームランを打つことができるかどうか、半端に成立しそうな絵柄なので知り合いのクソアニメソムリエも大して興味持たなそう。
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